編集者:あーる
四季 千春には、3人妹がいる。
でも、としは同じ。義理でもない。
千春は四つ子の長女なのだ。
優しくてドジな長女:千春
元気で生意気な次女:千夏
落ち着いていて恥ずかしがり屋な三女:千秋
冷静で賢い末っ子:千冬
―仲良し四つ子のはちゃめちゃな生活が、今始まる!
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目次
エピソード1 私達、四つ子です
「ふぅ」
朝。
心地良い眠りから目覚めた私、千春は、隣に寝ている次女の千夏の方をみてみた。
するとなつも目が覚めていたようで、ぱっちりと目が合った。
びっくりしたけど、とりあえず挨拶かなと思い、なつに向かって口を開いた。
「ふふ、おはよ、なつ」
「な~んだ。はる起きてたんだ」
なつはとっても元気で生意気。
「あ、2人も起きたの?」
声がして顔をあげると、四女の千冬がもう着替えていた。
ふゆはすごく冷静で賢いの。
「あれー?あきは?」
「わ、わたしもいるよ!」
なつの言葉に返事をして、ふゆの後ろから顔を覗かせたのは、三女の千秋。
落ち着いていて、恥ずかしがり屋なんだ。
「おー、そこにいたのか!」
「2人もさっさと着替えたら?お父さんに呼ばれてたでしょ?」
あ、そっか!昨日の夜ご飯の時間、呼ばれたんだった!
わたしはなつと一緒にベッドをおり、着替えを始めた。
私達は、四つ子。
生まれた時からずっと一緒。
それはこれまでだけじゃなく、これからも!
この時の私は、そんなことを思っていた。
4人はずっと一緒にいる。それが当たり前だと思っていた。
これから、地獄のような日々が始まるとも知らずに-
エピソード2 前編 別れのときが、近づいてくる
「よしっ、できたよ!」
「あたしもOK!」
今日の服は、みんなオーバーオール。
私は短めのスカート型。
なつは短いズボン型で、あきは長めのスカート型。
そしてふゆは長いズボン型。
なかはみんな同じ白いシャツ。
「じゃあ、行こっか?」
「「「うん」」」
みんなうなずいたから、私は4人の部屋のドアをあけた。
まぁまぁ広い廊下を4人で並んで歩く。
「わたし達、また何かやっちゃったのかな……」
あきの弱気な声に、1番はやく反応したのはなつだった。
「あたし最近は特に何もしてないよっ!お皿1枚割ったけどぉ」
「もう、何回目よ。割りすぎって怒ったんじゃない?」
お父さんはすっごく怖いから、怒られたくないな……。
そんなことを思っていると、お父さんの部屋についた。
-コンコン
ノックして、部屋に入る。
するとお父さんは私達をみて、口を開いた。
「突然だが、お前達には別々に暮らしてもらう」
「「「「え……?」」」」
衝撃の言葉に、開いた口がふさがらなかった。
エピソード2 後編 別れのときが、近づいてくる
「「「「え……?」」」」
私は、お父さんの言葉が信じられなかった。
4人、別々に暮らす……?
「お前達のおばさん、おじさんに引き取ってもらう。出発は明後日だ。準備しておけ」
明後日?
明後日には、私達バラバラになっちゃうの?
「どうして!?」
私は耐えきれず言葉を発した。
すると3人も口を開いた。
「なんで!?」
「しかも、こんなにいきなり……」
「あたしはイヤよ!絶対に」
そうだよ。イヤだよ。
私達、4人いなくちゃ。
4人集まらないと、私は「千春」にはなれない。
みんながいるから、私は「千春」になれるんだよ。
あぁ、なんか涙が溢れてくる。
「絶対に、離れない。絶対、別々になんて暮らさない」
「うん、あたし達、バラバラになるくらいならこの家出ていく!」
え、なつ?
お父さんはなつの言葉に驚いたよう。
でも、すぐさっきの顔に戻った。
「フッ」
「「「「!?」」」」
「わかった。お前達だけで暮らすと良い。今すぐこの家から出ていけ!!」