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目次
轟くんには苦しんでほしい。
轟)…ん、
轟)…?
轟)(なんか、…頭、いたい?)
轟)(まぁ…気のせいだろ)
轟)やべ…じかん、
轟)いかねぇと…
ふらっ
轟)っ…?
食堂にて
緑谷)あっ、轟くん!今日は遅かったね…!
轟)わり、寝坊して…
切島)あの轟でも寝坊することあんだな!!
轟)俺、飯取ってくる
緑谷)あっ、僕もー!
轟)(そば、そば…あった、)
轟)(…?今日、あんま食欲ねぇのかも…?)
轟)あの、そば…少なめで、
緑谷)!?(あの轟くんが…そば少なめ!!!???)
轟)ありがとうございます、(緑谷、どうしたんだ…?)
轟)ばくご、隣いいか
爆豪)はぁ″!?てめぇいっつもデクたちと食ってるだろうが!!!
轟)…しゅん、
爆豪)っ…(その顔やめろっっっ)と、とにかく、てめぇはあいつらと食え
轟)…わかった、
緑谷)あっ轟くん!どこ行ってたの?
轟)いや、なんでもねぇ
緑谷)…?そう?それならいいんだけど…
轟)あぁ、なんでもねぇから大丈夫だ
轟)いただきます
緑谷)いただきまーす!
轟)…(´~`)モグモグ
轟)(味しねぇ…)
轟)(けど、少なめにしてもらったし…なのに残すのはよくねぇよな…)
轟)(全部食うか、)
轟)(´~`)モグモグモグモグ
轟)っ、!?
轟)(んだ、っこれ…きもちわる、)
轟)(やべ、はくっ…せめて、といれ…っ、)
緑谷)と、轟くんっ!?どうし…
轟)ぅ″、…っえ″ぇ″っ…!
轟)っは、げほっ…ぅえ″、
轟)(ぁ、まにあわ、なかった…)
轟)(みんな、まだ、飯食ってんのに…)
轟)はっ…ごめ、なさ…すぐ、かたづけ…
爆豪)はぁ…ったく…
(お姫様抱っこ)
轟)へ、
轟)ばく、ご…?
爆豪)おい出久。片づけとけ
緑谷)うんっ、わかった…!轟くんは任せるねっ
爆豪)おい轟。まだ気分悪ぃか
轟)も、だいじょぶ…
爆豪)そうか、
爆豪)俺の部屋行くから
轟)ぇ、なんで
轟)りかばりー、がーるのとこで…
爆豪)無理
爆豪)てめぇが弱ってるときに、助けんのは俺だから
おはようございます。
ホークスさんが暗所恐怖症あーんど孤独恐怖症な話
閉所恐怖症、あんまり詳しく知らないんですけど
孤独恐怖症はおれなんでわかります
ちなファットはあの…痩せてる方(?)です
「はぁー、ほんと助かりましたよー!さっすがNo.1!」
「ったく、あれぐらい一人で処理しろ!」
俺は、エンデヴァーさんにそう声をかける。
一人の|敵《ヴィラン》にてこずっていた俺のもとに、エンデヴァーさんが駆け付け
見事に確保したのだ。
「…おいホークス、」
「はい~?なんですかー?」
「なんで着いてきてるんだ」
エンデヴァーさんの事務所についていく俺に、エンデヴァーさんはそう突っ込む。
「え~?べっつにいいじゃないですかぁ~!ほら!チームアップも
久しぶりですし~!」
俺はすかさずそう返した。
「自分の事務所に帰れ」
「えぇっ、エンデヴァーさんひどいですよぉ!俺にあえて嬉しくないんですかぁ?」
「全くな!」
そう返してきたエンデヴァーさんに、俺はまたもや「えぇーっ!!」と
声を上げる。
「…まぁ、着いてくるなら勝手にしろ」
「お!?珍しくエンデヴァーさんが素直だ…明日は大雨ですね…」
「はぁ!?なんだとっ…!?」
---
「はぁー…意外と遠いんですね…」
「お前の体力がないだけだ」
その言葉の通り、結構な距離を歩いたと言うのにエンデヴァーさんは息切れすら
していない。
俺はいつも翼を使って移動するからか、足の体力はあまりないらしい。
そんなところもさすがNo.1…というところか、と俺は思う。
「おいホークス、俺は下の奴らに書類を渡してから行く。お前は先に
上がってろ」
「あ、おっけーでーす!」
俺は元気よくそう答え、エレベーターへと乗り込んだ。
「ふー…今日の敵、意外と強かったよな…」
だの、
「焼き鳥食べたい…あとでエンデヴァーさん誘ってみよう」
だの呟きながら、最上階にあるエンデヴァーさんの事務所に向かう。
扉が開いて、入ったはいいものの…
「あれ、」
中には誰もいないようだ。
そういえば、先ほどエンデヴァーさんが「下の奴ら」…とか言ってたな。
じゃあ、人が帰ってくるまで中で待っておこう。
そう思った時だった。
ガシャン!!と大きな音が響き、体と羽がびくん、と反応する。
「うぇぇ…?びっくりした………ぇ、」
扉は自動ドアだったはず。なのに、近づいても開かない。
どうやら今の音は、鍵の閉まった音だったようだ。
幸い電気はついていて、あまり不安は感じない。
そうほっとしたのも束の間だった。
バチンッ、とまたもや音が響き、あたりが真っ暗になる。
「は………」
外はもうすっかり日が暮れて、空には点々と星が見えるほどだった。
つまり、ドアも開かないし何も見えない。
そんなこの状況は、俺にとっては最悪だった。
どこを見ても真っ暗で
どこを見ても誰もいなくて。
‶あの時‶の記憶がフラッシュバックして、息がしにくくなる。
「はっ、はー…っひゅ、だ、れか…」
ドアの隣にしゃがみ込む。
今の俺の頭の中にはスマホを使うなんて言う選択肢はなくて、
ただ暗い中一人で助けを求める。
「ひゅ、かひゅーっ…いき、できなっ………」
きっといつもの俺なら、飛ぶなり窓を割るなり電話をするなり、解決策は
山ほど思い付くと思う。
だが、どんどん鮮明になっていく記憶が、それを阻んでいるのだ。
「は、っは、ひゅ…げほ、」
ぶるぶると震える体と羽。
それを抑える余裕もなく、膝に顔を埋める。
忘れろ、忘れろ、はやく…
おれは速すぎる男だぞ、早くわすれろ…っ、
そう自分に言い聞かせるが、こういう時に限って頭の中から消すことができない。
なんなら、より鮮明になっていく記憶に嫌気がさした。
「はぁ、はぁ、っ…げほ、かひゅ…っ」
---
子供のころ。
虐待を受けていた俺は、ずっと|これ《今》に耐えていた。
殴られて、蹴られて、怒鳴られて…。そんなの当たり前だった。
ある日、親に連れられたのは真っ暗で何もない部屋。
「かーさん…とーさん…?」
困惑する俺を尻目に、二人は部屋を出ていく。
ガシャン!と閉まったドア。どれだけドアノブを捻っても、途中で止まるだけで
開かない。
「だ、れか…あけてっ、たすけてっ…」
か細い声でそう叫ぶ俺の声は、もちろん誰にも届かない。
そもそも、ここがどこなのかもわかっていないのだ。
どんな建物かも、ここの周りに人がいるのかも。
「はぁっ、は、ひゅ、」
いつの間にか喉からは変な呼吸音が聞こえていて、体はガタガタと震えていた。
もうほとんど言葉なんて吐けなくて、真っ暗な部屋には自分の呼吸音だけが
響いていた。
周りに人がいないのがこんなに怖いなんて、前の俺にはわからなかった。
あんなに大嫌いな親が今はこんなに恋しいなんて、前の俺には絶対にない感情
だった。
怖くて、怖くて、怖くて。
俺はそのまま、気絶するように眠った。
次の日、迎えに来た親に連れられるがまま家へと帰ったが、
やはり家が心地よいとは思えなかった。
でも、あの時の暗い部屋が、俺にとってはトラウマだった。
大人になってからそれをはっきり思い出して、やっと自分が
「暗所恐怖症」そして「孤独恐怖症」ということを自覚した。
ついでに狭いとこもダメだ。
できるだけ暗いところを避けて、人が多いところを通る。
俺は、こんな年になっても恐怖症とかいうものに苦しめられているのだ。
---
「はっ、はっ…っ、」
あの時の記憶、どころかすべてを再体験したような感覚に襲われる。
あぁ、なんであの部屋まで綺麗に思い出してしまったんだ。
「っ、…!?ぁえ‶、っ…」
記憶のせいなのか、はたまたこの状況の恐怖のせいなのか。
どちらかはわからないが、ホークスの口からは少量の液体が。
「はーっ、げほ…っは、ひゅーっ、かひゅ、」
やっぱり息できない…そう思ったホークスは、深呼吸をしようと
息を整える。
「ふー…っはー…っげほげほっっ…!」
だが、ゆっくり息をしようとしても、途中で咳に襲われてしまう。
むりだ、深呼吸も…
どうしよう、どうしよう…
頭の中がどんどんごちゃごちゃし始めて、また息ができなくなってきた時。
「ホークス!!」
「ホークスー!!」
部屋に誰かの声が響いたかと思えば、バチンッ!!と電気が付いた。
ぱっと振り向くと、ドアから入ってきたのはエンデヴァーさんと…
低脂肪スタイルのファットさん。
「はぁっ、はぁ、エンデヴァー、さ…?ふぁ、っと…さん…?」
「ホークス!!無事か!?」
「ホークス!大丈夫か、そんなはぁはぁしとっても逆に苦しいだけやで?
深呼吸し、しんこきゅう…あと吐いたん?拭くか」
ファットさんの声に合わせて息をする。
すると、幾分か気分がよくなった…気がした。
自分が吐いてしまったものまで拭いてもらって…
「悪かった、俺も一緒に行けば…」
そう謝ってくれるエンデヴァーさんと、めちゃくちゃ心配してくれるファットさん。
そんな人の優しさに久しぶりに触れた気がして、思わず涙が溢れてしまった。
「!?ほ、ホークス…??」
「ほ、ホークス…!?なんで泣いとん!?どっか痛い?」
「っふ…いや、だいじょうぶ…です、ありがとうございます、」
情けないとこ見せました、そう言いながらへらっと笑って見せる。
だが、二人にはそんな笑顔も心もとなかったようで、さっきより深刻そうな
表情になった。
「なぁ、ホークス。」
「はい…?」
「自分、暗所恐怖症とか?」
…まずい、情けないところ見せたにも関わらず、弱みを握られてしまった。
流石に声に出すのも恥ずかしくて、気づかれないくらいに小さく頷いた。
だけど二人にはちゃんと伝わったようで、ファットさんの大きな手が
俺の頭にぽん、と置かれる。
「…昔、親に閉じ込められたことがあって…」
「ぇ、無理に話さんでも…」
「むりしてないです、いやちょっと無理してるかもですけど…
それでこうなって、ついでに人いないのも狭いのもだめです」
まぁ、エンデヴァーさんの事務所はめちゃ広くて助かった。
狭かったらどうなっていたことか…
はは、と乾いた笑いを零す。
「そうなのか…気づいてやれず、すまなかった」
「えっ、!?いやいや、隠してましたし、気づきようないですよ…」
それなのに謝ってくるあたり、エンデヴァーさんらしい。
ファットさんは相変わらず俺の頭をなでている。
なんていい人たちに恵まれてるんだ、俺は…。
そう、改めて実感した。
「ほい、ホークス。立てるか?一緒に飯行くで!」
「あ、はい……ちょっと待ってください、」
よっ、と立ち上がったのだが、ずっと座っていたせいかバランスが取れない。
ふらついたところを、ファットさんが受け止めてくれた。
「っ、すいませ…」
「謝らんでええ!なぁにがすいませんやねん!!ぶっ倒れて謝るやつ
初めて見たで!?」
「はぁっ…や、謝る以外に、言うことなくないですか…」
すいませんよりも優先して言うことなんてあるのか。
助けてもらって、慰めてもらって、おまけにまた助けてもらって…
「はぁ…しゃーないな、ほいっ」
「…えっ」
言葉を探していると、いつの間にか俺はファットさんの腕の中。
今…俺はいわゆる、お姫様抱っこをされているのだ。
「えっ、ちょ、ファットさ…!?やめっ、おろしてくださいっ…」
必死に訴えるが、ファットさんは聞く耳をもたない。
「うぅ…ふぁっとさぁん…ほんとに、おろしてください…
はずかしいんですよ…」
「ふはっ、顔赤~!笑みんな、これ写真撮った方がええで~!」
「っまじでやめてくださいっっ」
そんな会話の後、ファットさんのおすすめの焼き鳥屋さんへ連れて行って
もらった。
「__もぐもぐ__そぉいえば、なんでファットさんこんなとこにいるんですか?」
「ん~?偶然ここらへんでチームアップ要請来たからなぁ!敵倒して
ちょーどいいわぁって」
なんでいるのかと思っていたが、そういうことなら理解できる。
「てゆーかホークス…」
「ぅん?なんですかぁ?__もぐもぐ__」
「めっちゃ食うな」
「え?そぉですか?__もぐもぐ__」
「あぁ。ホークスは鳥大好き野郎だからな」
「鶏肉おいしいですよねぇ(*´▽`*)」
今日は色々あったな…でも、やっぱりこの人たちが仲間でよかった。
俺は、この人たちのおかげで生きているといっても過言ではないのだ。
小さいときに勇気をくれたエンデヴァーさん。
優しく慰めてくれたファットさん。
「あの、エンデヴァーさん、ファットさん」
「んぉ?」
「なんだ」
「いつも…ありがとうございます」
感謝できてるかわからないけど、
でも、今言わないと、後悔すると思った。
驚いている様子の二人に、今度はちゃんと、笑って見せた。
---
pixivで見つけた方のやつがうますぎて俺下手やなあっつって泣ける
ま、まぁ3000文字行ったしいいよね!!
っておもってたけどもうすぐ4000行きそうだなって思ってる
4000いったわ
常闇くんになりたい。
ホークスさん、?
これは、俺が「小説カキコ」というサイトで活動していたときに投稿したものを
ちょっとアレンジしたものです。
今読み返したらこれの方がうまくて泣ける
アレンジ内容
「、、、」を「…」に変えた
一人称「僕」を変えた
その他もろもろ変えた
文とかはほぼ変えてないので 読んでみて今と一年前どっちが上手いか
教えてくだせぇ
「え、体調崩した?!」
いきなりかかってきたホークスさんからの電話で、私は思わず叫んだ。
『ぅ、声大きか…』
「あ、ごめんなさい…」
いつもより覇気のない声に、心配と不安が押し寄せる。
一人で部屋で倒れてたりしないだろうか…
「……私、行きましょうか?」
『ぇ、』
「ホークスさん、多分その様子だと動けませんよね、色々買って行きますよ」
『ぇ、でも、学校、とか…』
「学校は休みます。」
ていうか、行ったところでホークスさんが心配で授業なんか集中できない。
「とにかく、寝ててください。倒れられたら、困ります」
うん、ほんとに困る。
私が一番尊敬している人が、ぶっ倒れなんてしたら…うわぁぁぁぁぁぁっっ
『…わかった…ありがと、』
か細いが、そう言ってくれた。
「…ちょっと怖いんで、繋げたままでもいいですか?」
『…えぇ…?…ぅん…?』
ホークスさんにそう伝えて、私は急いで支度をして外に出た。
---
何だったら食べられるだろう
私は薬局に来て、いきなり壁にぶつかった。
ホークスさんの体調もあまりわからないし、どうしよう…
…はっ、そうか、聞けばいいんだ。
なんで気づかなかったんだろう、電話つないでいる意味ないじゃん。
「…ホークスさん?なんか食べれそうなものありますか?ゼリーとか…」
そこまで言って、気が付いた。
ホークスさんの呼吸が、さっきより荒くなっていることに。
ここからホークスside
最近、色々と仕事が山積みだった。
パトロールに事件事故の解決、ジーニストさんの仕事の手伝い、などなど…
そのせいか、今日は珍しく体調を崩してしまった。
いつもより少し高い体温と、うるさい鼓動、そして頭が割れそうなほどの頭痛。
だが、そんな俺の体調をもろともせず、携帯から軽快な音が鳴り響いた。
緊急の出動要請だ。
このまま無視して布団で丸まっていたいが、そんな我儘はもちろんこの世の中には
通用しないと思う。
おきなきゃ、
今危険にさらされている人の苦しみに比べたら、こんなの……。
動かなきゃいけないのに、体がいうことを聞かない。
しんどい、
もしかしたら、
そんな野望を胸に、俺はエンデヴァーさんに電話をかけた。
『なんだ、今忙しいんだ、お前も早く来い』
「あの、そのことなんですけど…」
俺は馬鹿正直に、今の状況を伝えた。
もう伝えた後だが、今更後悔をした。
こんなの、ただの甘え…だよな。
『…そうか。安静にしておけよ』
ピッ
「え、ちょ…」
状況があんま理解できとらん…
休んでいい、ってこと…?
やっとそう理解すると、「はぁっ……」と一気に体の力が抜けた。
エンデヴァーさん、あんなこと言うんだな…
今日は、エンデヴァーさんの珍しい一面が見れた。
そんなことを考えながら、重たい体を動かして、はるに電話をかけた。
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電話を繋げてくれているから、常にはるの声が聞こえる。
それだけで、なぜか安心できた。
しばらくすると、熱が上がっているのか…寒気が増した。
それからどんどん増してゆく体の怠さと寒気と、そして頭の痛み。
いたい、さむい、しんどい……はる、
『ホークスさん?なんか食べれそうなものありますか?ゼリーとか…』
ぁ、う、はるぅ~…
相当弱っているのか、生理的な涙があふれてくる。
『!?ホークスさんっ…!だいじょ、え…』
「っは、だいじょ、ぶ、げほ、っげほっげほ…」
『す、すぐ行くんで、待っててください…!』
待ってて、とは言ったが、はるは電話を繋いでいてくれるっぽい。
よかった、これで寂しくない…
って、なんでおれ、さみしいとかおもってんの…?
「はる、」
『、なんですかっ、、!?』
「あと、どんぐらいで、くる、?」
これはそろそろキャラ的にやばいかもしれん、が、本当に今は
何故かはるが異様に恋しかった。
『……あと、10秒』
「え、」
それははやくないか…?
と思いつつも、しれっと10秒数えている自分がいた。
5、6、7、8、9、
ガチャッ
「ぁ、はる、」
「っ、ホークス、さん…っ」
どたどたと入ってきたはるは、俺を見るなり泣きそうな顔をした。
「大丈夫、ですか、っ、」
きっと、俺があんな我儘言ったから、個性を使ったのだろう。
はるは息を切らしていた。
「…ごめん、なさい、おれが、わがままいった、せいで、」
「え、なにが、ですか……??」
「…ぇ、?」
おこって、ない、、?
「ふぅ……よし、ホークスさん、体調どんな感じですか?」
「ぁ、、えと、頭痛くて、寒い、です」
「う~ん……じゃあゼリーかなぁ…」
「……ふっ、」
両手にゼリーを持って睨めっこをしているはるが少し微笑ましくて、
笑ってしまった。
「ちょ、ちょっと、ホークスさんっ…なに笑ってるんですかっ…!」
「ご、ごめんって…なんか、かわいくて」
思ったことを正直に言うと、何故かはるは顔を赤くした。
「っ…それは、反則……」
「ぇ、?」
なんて…
「なっ、なんでもないです…!ほら!ゼリー!食べてください!!」
「わ、わかったわかった…」
お皿に乗せられたゼリーを見て、少し胸のあたりに違和感を感じた。
なんか、きもちわる…ぃ、?
「ホークスさん?食べないんですか、?」
「あぁ、ごめんごめん、食べる、」
なんて気持ちには気のせいだと蓋をして、ゼリーを口に入れた。
「っ……」
やっぱ、気のせいじゃなかった…?
さっきと同じような感覚が、胃に広がる。
どうしよ、言ったほうがいい…?
いや、だめ、
これ以上迷惑かけたらいけん…
嫌われたく、なか……
「……ホークスさん」
「っ、なに、」
「無理せんとってください。」
「え……?」
「なんか、しんどいんですよね?無理して食べなくてもいいんですよ」
「え、や、そんなこと…」
正直、否定はできない。
気分が悪い。胃、らへんが、
「そんなこと、ありますよね、」
「今だけじゃない、最近、無理してますよね、仕事とか、たくさん受けて、、
だから体調崩したんですよね…?」
「そんな、こと…」
『 頑張りすぎなんですよ、ホークスさんって。 』
「そんなこと、ない、」
頑張ってない、全然、
今日だって…
「今日だって、はるに迷惑かけて、おれ、がんばれてないよ、いっつも、
めいわくばっか、かけて、、、っ、ぅ、」
気が付けば、俺ははるの腕の中にいた。
「ホークスさん、」
「迷惑なんて思ってませんし、ホークスさんは頑張ってます 知ってますか?
泣いてるってことは、頑張った証拠なんですって、!」
「大丈夫ですよ、」
「うぁ、う…」
「泣きましょ?泣いていいんですよ、」
そのあと俺は、子供のように泣きじゃくった。
---
「落ち着きましたか?」
頭上から降ってくる、優しい声。
「ぅん、」と力ない声で返す。
先程よりも気分の悪さは増していて、頷くことですらしんどかった。
「はい、ゼリー…食べれそうですか」
と、控えめにお皿を差し出してくる。
「…たぶん、」
食べられる、とはもちろん言えなかった。
「ていうか、ホークスさん…また熱上がってるっぽいですね」
そういいながら、俺の額に手を当ててくる。
確かに、さっきよりも身体が熱を帯びているような気がする。
っ、さむ…
身体を震わせていると、はるが「ぇ、」と声を漏らした。
「寒い、ですか…?まだ熱上がるの…」
そうか、寒いということは熱が上がる前兆…
はるの言葉と寒気に震えながら、ゼリーを一口口に含む。
「…っ、」
やば、やっぱ無理かも、
「ぁ、もう食べれませんか、?お皿下げますね…っ」
どうしようかと、回らない頭で必死に考えていると、はるが俺の手にあったお皿を持って歩いて行った。
「っ、は、しんど…」
独りになった部屋で呟く。
寒いし、気持ち悪いし、頭痛いし…もうやだ…
吐いたらどうしよう、とか、また迷惑かけちゃったなぁとか
頭に浮かぶのは、どれもネガティブな言葉ばかり。
熱って人の心ですらも変えられるんだなぁ、こわぁ…
そんなことを考えながら、いつのまにか俺は眠っていた。
---
目が覚めると、辺りは真っ暗だった。
「ここ、どこ…」
一度飛んでみようかと思ったが、どうやらここでは個性は使えないらしい。
きょろきょろしていると、100M程先に人影が見えた。
「っ、はる…!ここどこかわかる…?」
いつものように、優しく返してくれると思った。
「うわ、ホークスじゃん。なんか用?…っはwもしかしてまだ仲間だと思ってる?
とりあえず言うけど、もう仲間じゃないよ。気安く話しかけんな?」
けど、耳に入った声は低く、いつもと明らかに違った。
俺の本能が、「こいつははるじゃない」と警告を鳴らしている。
「はる、」
「だーかーら、何回言わせるの?しゃべりかけんな。」
肩をどんっ、と押されたところで、目が覚めた。
---
「っは、はっ、」
「うぉっ、びっくりした、ホークスさ、」
「う″ぇ、っ、」
固く結んだつもりの指の隙間から、容赦なく吐瀉物が溢れる。
「げほっ、う″ぉぇっ…」
そんなに吐くものないだろ。
そう言いたいが、そんな余裕はもちろんない。
「っえ、ほーくすさん、!」
「お″ぇっ…!ごほっ、げほ、」
さっき思ったことはどうやらあっていたようで、30秒程で吐き気は治まった。
よかった、
そう思ったが、固くつむっていた目を開いて、そういえば俺、思いっきり
ベッドで吐いてたな、と申し訳なくなった。
前言撤回…全然ようなか…
「…はっ、ごめんなさ、ホークスさんっ、」
「…っ、?」
俺の目の前には、目に涙をためているはるが。
なんで謝られているのかも、なんで泣いているのかもわからなかった。
俺、なんかした…?
あ、その前に…
「ぁ、片付けするっ…」
その前に、この目の前の悲惨な状態をどうにかしなければ。
「っあ、いや、私がやります…っ、ホークスさんは休んでてください…っ」
「ぇ、でも…」
「い、いいからっ…」
と、無理やりベッドに押し戻される。
「じゃぁ、うがいしてくる…」
そう言って、立ち上がった時だった
「うぁっ、」
やべ、倒れる…
「うわっ…ホークスさんっ、大丈夫ですか、!」
熱のせいか受け身を取れる自信はなかった。だから痛みを覚悟していたのだが。
はるのおかげでぶっ倒れずに済んだ。
「だ、だいじょぶ…ありがと、はる、」
はるに礼を言って、今度こそちゃんと立つ。
顔を洗って、口をゆすいでから戻ると、さっきのなんて噓のように、綺麗に
片付いていた。
---
「あっ、ホークスさんっ、おかえりなさい!」
はるは、あんなに汚いものを片付けさせたのにも関わらず、笑顔で迎えてくれた。
「は、はる…ごめんね?あんな汚いの…」
「あぁっ、大丈夫ですよっ!ホークスさんに片付けさせるわけにもいきませんからね!」
優しすぎないか、この子は…
もしかしたら、俺よりもヒーローに向いているかもしれない。
そんなことを考えながら、促されるままに布団に潜った。
「…はる、今日さ、ほんとにごめんね?こんな時期だし、勉強とか追いつけないかも…」
「うっ…」
恐らく図星だろう。なんせ今は三学期。一番大事な時ではないか。
「…大丈夫です、」
「え、??」
いや、大丈夫ではないだろう…
「例えヒーローになれなかったとしても、私は後悔なんてしないと思います。
『私はホークスさんの役に立てた』…それでいいんです、私は…」
大好きな人の役に立てたなら、それでいいんです
一瞬、浮かれてしまった。
俺と、同じ意味なんじゃないかって。
わかってる、ヒーローが…ましてや子供だなんて。
けど、どうしようもなかった。
一度自覚したら、諦めるなんてできなかった。
でも…
きっと今のは、あくまで「ヒーローとして」ということだろう。
「お、俺も好きだよ?頼りになるし、強いし…」
「違います、そういう意味じゃないです」
え、じゃあどういう…
「ホークスさん、好きです。‶ヒーローと一般人の恋‶は、だめですか、?」
その時、俺は改めて実感した。
この子には、敵わない。
「ぇ、」
「…な、なーんてねっ!冗談…」
「はる」
ごめん、はる。
好きになって、ごめん
叶わない恋だから
ヒーローと子供。恋なんてできっこない。
できるはずない
でも。
「俺も、好き…」
風邪が治ったら、改めて伝えよう。
真っ赤になったはるを、羽とともに抱き締めた。
やっぱ国語力下がったー!!!!!ぴえんすぎる
No.2ヒーローは、今日も空を舞う
えーっと今回は謎に意味が分からない終わり方をしました。
なのでお名前を入れるところに
「ショートくん」「ツクヨミ」のどれかをいれてくださいお願いします
「っ、おらっ……!」
目の前で暴れる|敵《ヴィラン》、『|victory《ビクトリー》』に、俺は羽を突き刺す。
今は朝の7:38。通勤ラッシュで人も多い。
このままだと、下にいる人たちに危害が及んでしまう。
早くやらないと…っ、
ちなみに下には、チームアップで一緒に来たファットさんとエンデヴァーさん、
そしてショートくんとツクヨミがいる。
エンデヴァーさんが、「下にいる人たちを避難させたら俺も向かう」って
言ってたから、せめてそれまで耐えなきゃ…
そう内心では思っているんだが、思ったよりも手強くて自信がなくなってくる。
攻撃力はあまり高くないんだが、いちいち風で飛ばして来て面倒くさい。
しかもこいつ、意外と防御力が高くて羽がほとんど効かないのだ。
「っち、くそっ…!!」
「はぁぁっはっはぁ!!!やはり俺の前にはNo.2も無力!!!」
そう高々と叫んだかと思えば、さっきまでは見せなかった攻撃を打ってきた。
奴の手から、熱波が噴き出す。
「ぅあっつ…!!」
羽に火が付いたのが分かる。
頭に‶あの時‶の荼毘の表情が浮かびながら、もう一度羽を刺す。
刺さった手ごたえを感じた時だった。
|敵《ヴィラン》の背中から、こいつに似た小さな生き物が三匹。
っ、なんだこれっ…ハイエンドみたいな能力…っ、!
「はっはっはぁ、あるじさまの前にはおまえもムリョク」
一匹がそう話す。
まぁ、せいぜい分身だ。トゥワイスみたいならすぐ…
そう思った時。
victoryの後ろにいたやつが、俺めがけて何かを打った。
見るとそれは、小さな針のようなもの。
なんだ、このくらい避けれ…
……どうやら、俺は油断していたらしい。
次の瞬間には、目の前に無数の針。
よく見れば、小さな針の中に所々太めの針がある。
やば、さすがに避けれな…っ!
ぐさっ、と、体に痛みが走る。
すぐさま体に目をやると、ヒーロースーツには血が。
というか、羽にも刺さりまくっている。
まぁ当たり前に、俺は地面へと落ちていった。
あぁ、これ…終わったかも。
せっかく、エンデヴァーさんが任せてくれたのに…
「おぉ!?ホークス!?!?」
覚悟していた俺に降りかかるのは、とてつもない痛み…ではなく、
聞き馴染みのある声。
覚悟していた痛みは感じなくて恐る恐る目を開くと、目の前には
ファットさんが。
「ホークス!?え、なんでそない血まみれになっとんのや!!!」
「すいま、せ…敵の、こせいで…やられ、て」
辛うじて説明したのだが、説明できているのか…それすらもわからない。
とにかく、声を出すときも息をするときも体中が痛かった。
しかも今気づいたが、多分あの太い針には毒か何かが入っていたのだろう。
息がしにくい。
「なるほどな、…エンデヴァー!!上の奴頼んだわ!!俺はホークス
連れてく!!」
「!?お、おぉ、任せろ!!」
エンデヴァーさんのそんな焦った声が、意識の遠くで聞こえる。
「ちょ、ホークス…死ぬなよ!?」
「は、は…こんなん、で、しぬわけ……でも、すいませ…おれ、もう
むりそう…っす、」
暗くなっていく視界に、ファットさんの心配そうな表情が映っている。
__「ちょ、ホークス!ホークス!!!」__
そんな声を最後に、俺の意識は途切れた。
---
「……__ん、__…?」
目が覚めると、目の前には見慣れない天井。
消毒液っぽい匂いからして…びょー、いん…??
「……ここ、「ホークス!!!!」っお…!?」
次の瞬間、隣から声が。
右を見ると…そこにはショートくん、そしてツクヨミが。
左をみれば、エンデヴァーさんとファットさんが。
「え……えぇ、?」
いきなりヒーロー大集合で、理解が追い付かない。
そもそも、なんで病院…?
記憶を探るけど、それらしいものは見つからない。
「…ホークスは、敵によって大怪我を負った。その時に打たれた毒によって、
怪我をした時の記憶だけないらしい」
とツクヨミ、
「…あんま無茶したら、親父が…」
とショートくん、
「ホークス…何をやっているんだ」
とバチギレエンデヴァーさん。
「うわ……なんかごめんなさい…」
「全くだ。」
全然許してくれる気配がなくて、思わずもう一度謝る。
とにかく…俺がミスって、めちゃくちゃ迷惑と心配かけたことだけわかる。
この中で、一番俺のことを心配してくれてたのは。
「# #、ごめん…心配かけて」
生理男子ろきくんが見たい、とても
はい、夜中22:53にそんな衝動にかられたので書きます
あとなんか我友がせーりがどうとか助け求めてきたんで
慰めって感じで☆(まじでごめんなさい普通に心配してます)
区切り線で視点変わってます
「…、」
やっと着いた自室。
遠かった…別にいつもと変わらないはずなのに。
仕事の途中。いきなり襲った腹への痛みと頭痛、そして吐き気。
そんな数々の症状に耐えながら、仕事を終わらせて即座に帰宅…
したかったのだが。
途中でしゃがみこんだり、くらくらする頭に嫌気がさしたりで、予想以上に
時間がかかってしまった。
「……っ、ぃ゛、」
ずきずきと存在を主張する痛みに、本日何度目かわからないため息をつく。
とにかく、はやくといれに…
もう頭の中はそれしかなくて、体は勝手にトイレへ向かおうとしている。
そりゃ周期くらい把握しているからナプキンは大丈夫なんだが、
俺の場合一日目といっても経血の量が全然違うから、持って行っている
ナプキンじゃ足りないこともあった。
今日はまさしくその日で、もう今つけているものは限界を迎えそうだ。
爆豪は…まだ帰ってきていない。
ほっとしつつ、俺はトイレへ駆け込んだ。
「う゛~~っ、…__いたい…__」
一人なのをいいことに、リビングのソファでいつもは絶対に人前で出さない
声を漏らす。
薬も飲んだし、湯たんぽも使ってはいるんだが…毎回効いている様子が
全くない。
ほんとに、めんどくさい奴に生まれてしまった。
はぁ…とため息をついていると、玄関からガチャ、と音がする。
こちらへ向かってくる足音に、そういえば今日は洗濯と洗い物担当だっけ…
と今更思い出した。
「ぁ…ばくご、おかえり」
「たーいま。顔色悪ぃな。寝るか?」
爆豪はいっつも気を使って、「生理か?」っていう質問はしてこない。
そもそも、なぜか俺と同じくらい周期を把握しているのだ。少し怖い…。
「いや…まだ、洗濯も洗い物もできてねぇし…そもそも飯食ってねぇから、」
そう言いながら、洗濯を干しに行こうと方向を変える。
だが、今の俺は方向転換すらできないようで目の前が真っ暗に。
ふらついたところを、すんでのところで受け止めてもらった。
「っ…わり、ありがと…」
「相当弱ってんじゃねぇか。先飯作るから、てめぇは家事とか無視して
寝てろ」
優しい爆豪の眼差しに、思わず泣きそうになる。…そんなに弱っているのか。
でも、流石に全部の家事を一人でやってもらうわけにはいかない。
「い、や…せんたくくらい、できる…」
そう辛うじて呟いた。一つくらいならできるだろう。
「ばか、洗濯が一番やりにくいのわかってねぇのか。かがんで立ってっていう
動作が今のてめぇには一番キツイんだよ」
大丈夫だから、そう言って頭にぽん、と手が置かれる。
流石に、これ以上突っかかるのも…諦めて、俺は自分の部屋へ戻った。
---
仕事から帰ってきてから。
いつも通りご丁寧に出迎えてくれた轟の顔色が、いつもより少し悪いことに気づく。
「ぁ…ばくご、おかえり」
「たーいま。顔色悪ぃな。寝るか?」
いつもと同じ質問をしつつ、そういえばもう一か月か、と疲れた頭で思い出す。
ほんと、時間ってはぇーな…
そんな関係のないことを考えていると、不意に轟が口を開いた。
「いや…まだ、洗濯も洗い物もできてねぇし…そもそも飯食ってねぇから、」
…かと思えば、そんなとんでもないことをほざきだしたのだ。
はぁ?こいつはどこまでも頭が狂ってやがる。まずは自分の心配っていうことを
知らないのか。
ため息をつこうとしたとき、視界の端で轟がふらつく。
なんとか受け止めたが、心なしか先ほどより顔色が悪く見えた。
「っ…わり、ありがと…」
「相当弱ってんじゃねぇか。先飯作るから、てめぇは家事とか無視して
寝てろ」
そういうと、まだ納得しきれないのか轟が再び口を開いた。
「い、や…せんたくくらい、できる…」
…はぁ、やっぱりこいつ馬鹿だ。
あの上下運動みてぇなやつを一生続ける家事を、生理中のやつが
できるわけないだろ。
そもそも、今ずっと立っているこの状態もキツイはずなのに。
「ばか、洗濯が一番やりにくいのわかってねぇのか。かがんで立ってっていう
動作が今のてめぇには一番キツイんだよ。大丈夫だから」
そう言って、紅白のふわふわな髪に手を置く。
するとやっと諦めたのか、轟は重い足取りで自分の部屋へと戻っていった。
そんな暗い背中を見送りつつ、俺はキッチンへと向かう。
とりあえず湯たんぽ……ねぇ。
そういえば…とソファに目をやると、そこには俺の予想通り湯たんぽが
置いてあった。自分でやったんか…。
それを取って、再びキッチンへと戻る。
お湯を沸かしながら、いつものお粥を作ろうと冷蔵庫を開いた。
…やべぇ、卵…
卵がない。いや別に卵がなくたっておいしく作れるのだが、轟は
俺の作る卵粥が意外と気に入っているようで。
『ばくご…うめぇ、』
『おぉ、よかったな』
そう微笑む轟の|表情《かお》がどうしても忘れられなくて、初めて作った
時からずっとこれなのだ。
しゃーねぇ…買いに行くか、でも轟が…
そう轟の部屋に意識を向ける。
その時、かすかに轟の声が聞こえた。
「げほっ……ぇ゛、」
「!?とどろき…、!?」
---
きもちわるい。
布団に包まりながら、そんな一言がぐるぐると頭を駆け回る。
爆豪の優しい声を思い出しながら、なんとか唾を飲み込んだ。
さっきより痛みがましになったと思ったら、次はこれかよ…
「………っ、!?」
いきなりだった。
喉から不穏な音が聞こえて、慌てて飛び起きる。
頭がくらくらするけど、そんなのどうだっていい。はやく、ゴミ箱…っ
「っ、え゛ぇっ……!」
がさ、とゴミ箱にかけられた袋が揺れる。
「げほっ……ぇ゛、」
焼けるような喉に嫌気がさしたとき、遠くからどたどたと足音が聞こえた。
「っ、とどろき…っ、!」
「…っ、ばく、ご……?」
ぼやける視界に映るのは、クリーム色の髪と赤い瞳。
そんなに声でかかったか…?なんて思えば、暖かい手が背中に触れる。
「まだ出そうか」
「っ、ばくご……ごめ、」
「何がだ。さっきから思ってたがまずは自分の心配しろ」
言い方はいつも通りきつかったけど、その声色はやっぱり優しかった。
強めに背中を摩られたとき。
「っ…え゛ッ……!!」
ばしゃばしゃ、と袋がまた揺れる。
全部出し切れた気がして、少し顔を上げた。
「もぉ出ねぇか」
「けほ、……」
ん、と頷いたのを確認したのか、「ちょっと待ってろ、」と声が聞こえて
ゴミ箱を持っていかれた。
「……っ、」
やっと息がしやすくなったかと思えば、忘れたころにやってくる腹の痛み。
いたい、…いたいいたい…
ゆるゆると口を抑えて、もう一つの手でお腹を摩る。
はやく、ばくごー帰ってこないかなぁ…
さっきまでの暖かい手を思いだしながら、ずきずきと痛む腹に顔を顰める。
「っ、い゛っ………たぁ、」
歯を食いしばっていると、ガチャ、とまた扉が開いた。
「ぉ……大丈夫かよ、」
そんな声が耳に入ったかと思えば、爆豪の腕が俺の腕の間に入ってくる。
ぎゅ、と腹を押さえていた腕を恐る恐る抜くと、代わりにさっきまで思い浮かべて
いた暖かい手が、腹を摩ってくれた。
心なしかさっきよりも和らいだ気がして、ほっとしたのち眠気に襲われた。
「ば、くご…」
「ん、寝ていいぞ __俺は摩ってる。__」
「ん……あり、がとな」
「あ、あと俺後で…」
意識の奥で爆豪の声が聞こえた気がしたが、俺の体はもう完全に寝るモードに
なっているようで。
そんな爆豪の言葉を理解する前に、俺の意識はぷつりと途切れた。
---
「ふぅ…」
眠ってしまった轟の隣で、俺は小さくため息をつく。
さっきの卵の話はやはり轟の耳には入っていないようで、そりゃ当たり前に
返答は帰ってこなかった。
まぁ、書置きでもしていけば大丈夫だろう。
そもそも、こんなにぐっすり眠っているのだから起きるのかもわからない。
自分がそれまでに帰ってくればいいだけだ。
「…じゃあ、行ってくるな」
そう呟いて、轟の額に口づける。
俺は立ち上がって、ドアを開けた。
少しだけ熱かった唇の先に困惑を抱く。せーりに足して熱とか…
散々だな、卵のついでにまた色々買ってこねぇと。
メモ用紙を取り出して、『買い物行ってくる』と書いておく。
ついでにスポーツドリンクも取って、もう一度部屋へ戻って置いておいた。
やっぱり、すぅすぅと寝息を立てながら眠っている。
今のところ何もないようで安心だ。
まぁ、「今のところ」…だけどな。
あいつ、生理中だけはメンタルも情緒もおかしくなるのだ。
…やっぱり、すぐ行ってすぐ帰って来よう。
そう結論付けて、俺は足早にコンビニへと向かった。
---
「…んぅ、」
体感一時間。やっぱり腹の痛みで目が覚める。
これもいつも通りだ。
時計に目をやるけど、一時間なんて経ってるわけもない。
寝る前に見た時が、17:23。そして今はちょうど6時。
三十分程度しか経っていないのだ。
「はぁ…」
ゆっくり寝かせてもらうこともできないのか…こっちは生理と仕事で
疲れてるって言うのに。
とりあえず乾いた喉を潤すために、リビングへと向かう。
ばくごー………あれ、
リビングには、爆豪はいなかった。
トイレか、それとも自分の部屋か…
そう思って全部周ってみるが、やっぱり爆豪はいない。
なんなら腹の痛みが増した。逆効果じゃねぇか…
腹を摩りながらぼんやりと部屋へ戻ると、ランプの置いてある小さな台に
何か置いてある。
『買い物行ってくる』と書かれた小さな紙と、スポーツドリンク。
なんだ、買い物か…そういえば、さっき寝る瞬間に卵がどうとか言っていた…
気もする。
その二つを持って、もう一度リビングへ戻った。
ソファに座って、スポーツドリンクをちまちま飲む。
「っ、げほっげほっ…」
…なんだよ俺、弱ってるにも程がある。飲み物さえ飲めないのか。
むせていると、脳裏には爆豪の顔が浮かんでいた。
今爆豪がいたら…背中摩ってくれるんだろうな、
今日何度目かもわからないが、またあの暖かい手を思い出す。
さみしいな、
そんな結論が浮かんだ時。不意に視界が滲んだ。
「っ、ふ……っ、」
ぽろぽろと零れては、服の袖を濡らしていく。
なにを泣いているんだ…、情けねぇ、
まぁ、これくらいよくあることだ。毎月のことのはずなのに。
ほんと、何度も言うけど…毎月のことなのだ。
やっぱり慣れない。別に特に悲しいことなんてない…はず。
「ぁ、ぅ…__ぐす、__」
ヒーローがこんなので、本当にいいのか。
またそんな暗いことを考えてしまう。
は、はやく…ばくご、
相変わらずぐすぐすと泣きじゃくっていると、玄関から鍵の開く音がした。
おれは体調のことなんて忘れて、即座に玄関へ走った。
ドアが開いて、爆豪が焦ったように入ってくる。
俺はそんな爆豪に、抱き着いた。
---
ドアを開けた時。
目の前にいたのは、涙目の轟。
…というか、ほとんど表情なんて見えなかった。
だって…轟は、どさっ、と俺に抱き着いてきたのだから。
「っ、は…?とど、ろき…?」
「ばく、ご…」
さみしかった、俺の耳元で、轟がそう呟く。
「そ、そぉか…。とりあえずはなれろ…」
「やだ…」
頑なに離れようとしない轟に、内心喜びつつため息を吐いた。
「今から粥作んだよ。これじゃ作れねぇだろが」
「やだぁ…、」
…こいつ、さっきより体温上がってやがる。
自分でわかっているのかはわからないが、こりゃ相当熱がある。
「……わーったから、とりあえず離せ。大人しく手ぇ繋いでろ」
「ん……__わかった、__」
やっと諦めたのか、轟の胸だった目の前がクリアになる。
そのかわり、右手にするっと手が滑りこんできた。
「なぁ、ばくご…」
「ぁ?んだ」
「すきだ」
「は?わーってる…」
「すきだ、ばくごーが」
「ちょ、わーったって…は!?」
繋いだ手に、轟の小さな唇が触れる。
「っいきなり何やってんだぁ、!」
「…?すき、だから?」
「あーもう、その好き好きいいから!!!早く粥作るぞぉ!!!!」
熱くなってきた顔を冷ましながら、誤魔化すためにそう大声で言った。
---
三十分後ぉ
「ばくご……あったけぇ、」
「おーよかったな」
ずきずきと痛む腹に、お粥の暖かさが広がる。
口の中に広がる卵も、俺の大好きなばくごーの味だ。
「今日…ごめんな、なんかいろいろ」
「ぁ~?いつものことだろが、こんぐらいへーきだわ」
そう返してくるところも、やっぱり爆豪らしい。
「ん……ほんと、いつもごめ…っ、!」
「謝んのなし。 __ありがとうだろうが、__」
小さな声だったけど、ちゃんと俺の耳には届いた。
「あぁ……
ありがとな、ばくごう」
熱出しちゃった☆ごめんろきくん
ばくごー優しすぎる…(´;ω;`)
普通に彼氏になっt…あ。(おれ彼氏いるじゃん)
ごめんなさい。
せーりろきくん可愛すぎて、しぬぅ!!(しぬしぬ界隈)
もしかしたらたら続くかも
ちなみに全然せーりじゃないけど温泉で立ちくらみでぶっ倒れたことある
怖かった。陰キャのおれにとっては周りの人の視線が痛かった…(´;ω;`)
強い人には、強がってほしい。
はいどうも、今回もご指名いただいてないけど調子乗って挨拶考えました~俺です()
はい、今日駆られた衝動はこれです。
強い子には弱ってほしい。弱い子が強い子を|護《まも》ってほしい。
そんな衝動に駆られたのです。
今回の「強い子」とはばくごーくん、そして「弱い子」(弱くない)とはろきくん
としております。
かっちゃんには弱ってほしいんです。
そしてそんなばくごーくんを看病するろきくんがだいっすきなんですよ
最近はろきくんよわよわしょーせつに全てを賭けていたので
今回は逆にしてみようかなと思いましてね あ今回は生理男子じゃないです
まぁ今日も21:29にそんな衝動に駆られました、はい
とどばくー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!とどばくはいい!!!!とどばく最高!!!!!!
というか関係ないんですけど彼氏が殺害予告受けたんですよね~あはははははははははははははははははははははははははははははまじあのクソメガネぶっ殺す~あはは
「っ…てぇ゛…」
エレベーターの中で、小さくそう呟く。
もちろん、隣にいる奴らには聞こえないように。
「やっぱさぁ、今日も俺の部屋で見ようぜ!!」
「えぇ~その前に課題やろ~ぜ?俺一人じゃできないって~…」
「なな、轟も一緒に!な!?」
「んぉ…?あぁ…?」
っち…こういう時に限って声でけぇんだよ…
心なしか痛みが増した気がして、表情を取り繕うのに必死だった。
「あ、3階来た~!」
「じゃあ俺も上鳴の部屋まで行こ~!轟も!」
「あ、おう…爆豪、またな」
振り返ってふっと微笑む轟に、小さく手を振る。
ドアが閉まりきる前に、俺は安心したのかしゃがみ込んでしまった。
「はぁっ…い゛、」
いたい。別に冷えたとか食いすぎたとか、心当たりなんてない。
しかもなにより、解決策がないのだ。
だって下しているわけじゃない。だから、ただただ痛いだけ。
締め付けられるような痛みに、息がしにくくなる。
そんな腹の痛みに苦しんでいると、いつの間にかぽーん、と扉が開いた。
「はぁ………っ、」
まぁ月曜の朝までには完成するさきっとうん多分
うぉ。
はい、どうも。
テンション低めのしょうとです
最近生理男子ぱろにはまってるのはご存じですよね。
よく書いてますよね。
なので~そういえば、おれヒロアカの最推し様にやっていただいてなかったな
っておもって。
はい!!とゆーことでぇ!!!!!!!!!
ホークスさん!!!!!!!!!!!おなしゃぁぁぁす!!!!!!!!
ちなみに、こないだ投稿したろきくんせーりだんしぱろとのコラボ的な
やつです。
あ、この世界ではろきくんとかっちゃん付き合ってないです!!!!!
さすがにね?浮気になっちゃうからね?
俺は生理っていう単語が嫌いなので極力出しません
「はぁ゛…いってぇ…」
俺は一人、所長室で呟く。
朝からずきずきと痛む腹と、ガンガンする頭。
治まる気なんてないそいつらに、またため息が漏れる。
…大丈夫、いつものことだ。毎月のこと…うん、だいじょぶだいじょぶ…
そう自分に言い聞かせて、俺はまた目の前の書類に向き直った。
「っ…あぁぁ…」
だめだ。全然集中できない…
今日中に終わらせなきゃいけないのに…
なんだか気分も悪くなってきて、本気でしんどくなってくる。
くすり…あれ、くすり…持ってきてたっけ、
ぼんやりしてきた記憶を探りながら、カバンを取ろうと立ち上がる。
…だけど、ずっと座ってたんだし…立てるはずない。
くらっ、と目の前が真っ暗になって、転びそうになった。
「っ…__ぶね、__え、ほーくすさん…?」
あまり聞きなじみのない声が響く。
それに覚悟していた痛みもこなくて、この声の主に助けられたんだと遅れて
自覚した。
だれ…だ、
「ぇ……しょーと、くん…?」
「はい俺です、どうしたんですか。」
そう、見上げるとそこにはショートくんが。
なんでいるんだ…?あれ、?
「しょ、しょーとくん…なんでいんの、」
「え?なんか…常闇から、ホークスさんの事務所に忘れ物したから
取りに行ってほしいって言われて」
ショートくんの右手には、確かにこないだ常闇くんが持っていたペンが
あった。
と、とにかく…
「ちょ、離していいよ…自分であるけるから、」
「いや…あーわかりました、でも…大丈夫ですか、」
めちゃくちゃ心配してくれてるショートくんに申し訳なくなりながら、
自分で離れてカバンを取る。
「………え、それ…」
…まずい。
薬を見られた、多分
頭痛薬、痛み止め、その他もろもろいっぱい持ち歩いてるんだが、
多分全部見られた。
「っいやこれは~…ちょっと体調がー…」
「っ、もしかして、ほーくすさんって…俺と、おなじ、?」
予想外のそんな言葉に、俺は驚きが隠せなかった。
「…そーなんです、おれも…いわゆる、せーりだんし…で」
そういうショートくんの声は、なんだか少し震えている。
…わかる、怖いもんな。だって俺だって、怖いから言ってこなかった。
「そう、なんだ……__スーッッ…__じつは~…?おれも~…せーりだんし、
だったり…?」
初めてだ。これを、人に話したのは。
そのまま俺は、結構小さな声で今までのことを口走っていた。
多分聞こえてないし、きもいけど…なぜかショートくんは、…轟くんは、
静かに俺の話を聞いてくれた。
全部話し終わったとき。俺の呼吸は少し荒くなっていた。
「…っ、?」
「そう、ですよね、こわいですよね、おれも…誰にもいってないんです、」
こわくて、と小さな声で呟く轟くんに、きっと俺よりずっとしんどい思いを
してきたんだろうなと思った。
「ちなみに…今ってもしかして、」
気まずそうに聞いてくる轟くんに、はは、と苦笑いをこぼす。
「そぉだよ、おかげで全然仕事できなかったぁ、笑」
笑いながらそういったけど、轟くんには逆に心配させてしまったらしい。
「あ、あの…__サイドキックさんいるかな…__帰りましょ、?」
俺も行かせてください、と呟く轟くんに、困惑が隠せない。
だって、まだ仕事だって終わってないのに。帰るわけには…
「ちょ、とどろきくん…まだ、、」
「いっいや、だめですよっおれ、一回せーりの時に敵倒しに行って
ぶっ倒れたんで…!!」
そういって、轟くんはサイドキックのいる方に向かっていった。
あーどうしよう…轟くん、心配しすぎじゃ…?
でも、仕事を進めようにもこの座り込んでいる状態から立てる気がしない。
これは…むりだ、諦めよう。早く帰りたいことは事実だし。
「ほ、ほーくすさんっ、許可もらいましたっ帰りましょ」
俺の手を引いて立ち上がらせてくれる轟くん。
イケメンなのは知ってたけど…まさかここまでとは。
顔がイケメンな人は、性格もイケメンなんだなぁ…うん、
そう思いながら立ち上がる。まぁもちろんだが、どばっ、と嫌な感覚が広がる。
「っ…__ぅゎ、出…__」
「っあ、ごめんなさ…おんぶします、?」
こんなところまで謝ってくるのか…イケメンは。
すごいなぁイケメンって。(主:知ってますか?あなたが一番イケメンです)
「っ、いや…だいじょうぶ、こんなとこまで…てゆーか、学生におぶってもらう
方が恥ずかしいというか…」
「あっそうですよね…とりあえず、ほーくすさんの家どっちですか…?」
タクシーよぼっかな、なんて呟いている轟くんを見ながら、
ずきずきと痛む腹を摩る。
「った、たくしーよびますね…!そこのベンチ座っときますか、?」
「ぁ…ありがと、じゃあありがたく…?」
座ろうと思った時、そこには電話をしているおじさんが。
うわ…迷惑系だ、こーゆーひと苦手なんだよなぁ…
「ちょ、あなた…」
「と、とどろきくん…いいから、ね??」
「いや、でも…」
怒ろうとする轟くんをそう止める。
すると、電話が終わったのかおじさんがこっちを見た。
「あ?てめぇなんだっけ…ホークす?だっけぇ?お前座ろうとしてんの?
No.2なのに?お前席譲る側だろwwwwwwwwwww」
と笑い出すおじさんに、いらいらしてくる。
声でか…頭いたい。
もういいや、とベンチから離れようとすると、轟くんの方から音が。
ごぁぁぁぁぁぁっ、と轟音。
「えぇぇぇっちょ、とどろきくん!?」
「早く、席変われよ…」
「っあっつ!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
そう叫びながら、おじさんは逃げて行った。
どうぞ、☆と座らせようとしてくる轟くん。
「…あついな」
「え、ごめんなさい…炎のせいですよね、、ごめんなさい、」
しゅん、とした表情に変わった轟くんに申し訳なさが募る。
ごめんごめん、と呟き、おとなしく座っていることにした。
10分くらい座っていたか、タクシーが来たらしい。
「あ、ホークスさんっ!立てますか?」
「あぁうん…たてる…よ」
うわぁ貧血だ、くらっくらする…
まぁ流石に言わずに、轟くんに促されるままタクシーに乗った。
…やばい、よった、これは。
お腹がぐるぐるして、気分が悪い。
さすがに、タクシーで吐きたくは…ない。
仮にもなんばーつーだ。
そんな醜態は晒したくない。
「__とど…ろきくん、__」
「あぇ、?なんすか…?」
「__ちょっと、きもちわるぃ…かも、?__」
「え…っ、」
轟くんの表情が、一気に真っ青になる。
「あ、あの…窓開けてもらえませんかっ」
「あ〜、いいよぉ」
運転手のそんな声が聞こえてから、窓がうぃーん、と下がる。
頬に当たるひんやりとした空気が心地よくて、少しだけ気分が良くなった気がした。
「ん…ありがと、ございます」
居心地が悪そうに震える羽。
羽ばたきそうになるのを抑えて、代わりに口元に手を当てた。
中途半端なとこで終わっちゃった、また完成させるよ
フォント可愛くしたから書くの楽しかった。
ろきくんせーりだんしぱろ、かっちゃんにまもっていただきたい
どうも!!!はやく言いたいんでいいますね!!!
今回!!ネタ不足なおれが思いつきましたネタを!!!
最近おれ水泳の授業見学してるんですけど、
ヒロアカの世界の女の子でもせーりは来ますよね?
ということで!ふつーにせーりで見学の女の子たちからろきくんを
まもっていただこうと思います!!!!!!
まぁほぼ意味わからんと思いますけどのんびり見てください
前のやつは成人済みろきごーでしたが今回はちょっと若返ってます
「__っはぁ、__」
今日は7/1。やっと本格的に夏が来たって感じだ。
今日から水泳の授業が始まったのだが、俺はもちろん見学。
だって、今日から運悪くせーりが始まったから。
俺もプール、入りたかったなぁ…
まだ授業は始まってないけど、みんなシャワーを浴びたり準備をしている。
そんなみんなを、ただ眺めてるだけとか…寂しすぎる。
ちなみに俺以外には、芦戸と麗日、そして八百万が見学組だ。
よりにもよって男子が一人もいない。寂し…
さっきから寂しい寂しい言っているが、俺は気を取り直して大好きな爆豪の
姿を探し始めた。
みんなが座っているところには…いない。
シャワーも誰もいないし、あれ…?
爆豪がいない。
どーゆーことだ…?ただただ着替えるのが遅いだけか、?
少し心配になってきた時。頭上から、聞きなれた声が響いた。
「おい、隣。空けろや」
「あ、ぇ…ばくご、?」
…まさか、爆豪も見学組とは…嬉しい。(爆豪はただただ轟が心配すぎて見学した)
少し左にずれると、爆豪が隣に座ってきた。
「…はら、いてぇんか」
「ぁ……まぁ、」
まぁっていうか、めちゃくちゃ痛いけど。
心配させないようにそう答えるけど、さすがの爆豪には全部お見通しらしい。
「まぁ、じゃねぇだろが。んなとこまでカッコつけんでいいんだわ」
しんどかったら寄りかかっとけ、と優しい声が耳に入る。
や、優しすぎねぇか…?俺はこんな人の彼氏でいいのだろうか。
(主:いえ、超お似合いです。てぇてぇッ)
お言葉に甘えて少し寄りかかっていると、芦戸の高い声が響く。
「ねーねー、轟とばくごーってなんで見学なのぉー?」
…一番聞かれたくない質問だ。
正直に答えるのは無理だし、かといって嘘つくのも…
俺が言いよどんでいると、麗日が「もしかしてサボり…?」と呟く。
いや、そんなんじゃ…
「うわ、ありえるー!!!!よくないよサボり!!今すぐにでも入ってこーいっ」
きっと芦戸はふざけて言っているんだろう。
でも、今の俺にはそんな小さな言葉が結構刺さった。
そうだよな、こんなのただのサボりだよな…やっぱ入んなきゃだめだよな、
ぐるぐる考えていると、突然隣にいた爆豪が立ち上がって言った。
「じゃあ、てめぇらも理由言えるんか」
「え~?もぉ爆豪変態ー!女子に見学の理由聞くとか終わってるー!」
「‶女子に‶…?じゃあ男子はいいんかよ。」
「えー?男子は大体サボりだからいいっしょ!」
「勝手に決め付けんなや。男子にも男子の事情ってもんがあんだよ。
しかもてめぇらよりもっと言いにくいやつがな。」
「ちょ、ばくご…おちつけって、」
思わず、そんな制止の声が漏れる。
俺のために怒ってくれているのはうれしいんだが、さすがに俺なんかのために
怒りすぎだ。
芦戸たちの言っていることは間違いないし…
「__お前は座ってろや__」
小さく聞こえた爆豪の声に、思わず元の場所に座り込んでしまう。
威圧感ってこわい…
「大体な…」
「おいそこ。見学はサボりじゃないんだぞ。ちゃんと学べ」
相澤先生が止めてくれて、なんとかこの場は静まった。
けど、またいつ始まるかわかんねぇ…その前に、
「ば、ばくご、あっちのベンチ行こ」
「ぁ?てめぇは大人しく座っとけって…引っ張んなよ、」
短かったしちゃんと言葉になってるんかわからん。
あは
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唐突に爆轟が書きたくなった
ばくとどなのか、とどばくなのか。
どっちもいい。
「ん"ー…」
『轟、何やっとんだ』
「はらいたい。」
『はっ、変なもんでも食ったんか』
「んぇ〜…?いや、べつに…」
『んじゃぁなんだ』
「わかんね…」
『…はー、』
『ん』
「…?」
『だーから、俺があっためてやるっつってんだよ』
「…!?」
「明日は大雨か…(ぼそっ」
『はぁぁっっ!?てめぇふざけてんじゃねぇぞ!!!』
『あーもういいハグなんか一生してやんねーから!!!』
「ごめんって、」
がばっ
『っは、?』
「あっためてくれるんだろ?」ぎゅーっ
『…っ、///(んでこっちが照れさせられてんだっっ)』
生理男子ろきくんと、助けたいA組女子達
女子達っていい。優しい。可愛い。
ろきくんはそんな女子達に振り回されてて欲しい。可愛い。
と、いうことでー自己紹介遅れました俺です。
題名でわかりますよね、せいりだんしぱろです。
もうすぐ生理がきそうで怖いので、推し達で気を紛らわせようと思います。
「はぁ……」
俺は一人、自室のトイレでため息をつく。
明日は1、3、5時間目演習の演習三昧なのに。
運が悪くも、俺の目には赤く染まった下着が映っていた。
慣れてるから大丈夫だとは思う。
ナプキンを付けながら、演習三昧とか行けるのか…?と眉を顰める。
…うん、多分…というか、絶対無理だ。
今まで1時間の演習は、若干無理して参加してきた。
俺の生理のことは誰も知らないから、下手に見学なんてしたら怪しまれる。
誰にも迷惑をかけずに、そしてバレずに行くには…無理するしかなかった。
鎮痛剤とか、色々服用はしていたのだ。
でも、毎回効いてる様子はない。
今この瞬間も、無駄だとはわかっているけど、鎮痛剤を口に放った。
寝る前は薬を何個か使う。じゃないと寝れたもんじゃない…
まだ風呂も入ってないのに、俺の体は勝手に布団に崩れ落ちる。
せめてシャワーだけでも…したかったけど。
そういえば、今はみんなが入っているのだった。
今日は我慢だな…というか、動けそうにもないし。
腹を摩りながら、俺は眠りについた。
---
ずき、と腹に感じる鈍痛。
「ん"ん…」
最悪の目覚めだ。
重い体を無理やり動かして、おぼつかない足取りで薬を探す。
歩いている間にも、下からはどばっと嫌な感覚が主張を続けていた。
今日は2日目。いつも重さはほぼ変わらないけど、一応薬を二種類放り込む。
少し口に広がった苦味も、水と一緒に流し込んだ。
「…はぁ、っ」
さぁ、このため息…今日だけで何回吐くことになるのやら。
そのままトイレへ向かって、夜のうちに真っ赤に染まったナプキンを取り替える。
…毎回思う。なんで敵の血は慣れてるのに。この血だけは気分を害すんだろう。
まぁ、そもそも出る場所が場所だもんな…。とりあえずそんなことは置いておく。
みんなの目を盗んでまで毎時間取り替えるのも面倒。
ということで、寝る前にも付けた夜用をもう一度付けた。
「はぁ…」
この間で、だんだん意識もはっきりしてきた。
そのおかげで、ぼんやりしていた痛みも一緒にはっきりしてくる。
「……いっ、てぇ…」
どうにもならない呟きは、冷房で冷やされた冷たい空気に溶けていく。
今は真夏…生理中に熱中症になるわけにもいかない。
ただでさえ寒気がするけど、クーラーを消すわけにはいかないのだ。
のろのろと着替えを始めて、早十分。
さみぃ…
服も全部クーラーで冷やされていて、着ても脱いでもあまり変わらなかった。
少しでも腹を冷やさないための上着(ブレザー)も手に取る。
いつもありがとな、上着…お前のおかげで、俺は授業を受けられる…
感謝しつつ、それまたクーラーで冷やされた袖に手を通した。
ちなみに、今はみんなブレザーは着てないから、俺だけ結構浮いてんだよな…
---
いつも通りを保っているつもりだけど、やっぱり2日目はきつい。
エレベーターまでの道のりがもの凄く長く感じて、思わずため息が漏れる。
やっと着いたエレベーター、一瞬だけの一人の時間を求めて、閉じるボタンに
指を伸ばす。
だけど、走ってきた上鳴と瀬呂によって、俺の野望は打ち砕かれた。
それだけで?って思うかもしれない。でも、今から周りには人しかいなくなるのだ。
腹を思い切り摩ることも、堂々と薬を飲むこともできない。
そんな鬼畜なスケジュールにとって、こんな一瞬の時間が本当にありがたい。
「お、轟!おっはよー!!」
「あぁ…おはよ、」
肩に手を回してくる上鳴。
その衝撃で、頭、腹、腰、そしてナプキン…色んなところに被害が…
「はぁ、上鳴…やめろって、 ごめんな轟、朝からうるさくて」
あぁ…救世主、ありがとなぁ…
眉を顰めたせいで、俺が怒っているとでも思ったらしい。
「…あぁ、俺こそ…」
「いやいや、なんで轟が謝んの!?ほーら、上鳴離れろー」
「えぇっ、ひっでぇー!!」
そう上鳴が離れていったと同時に、ぴこーん、と動いていたエレベーターが止まった。
先に駆け降りていった二人とは対照的に、俺はよろよろと階段を降りる。
共有スペースには、見事にみんな大集合していた。
うわ…座るとこねぇ。
あわよくば座りたい…と思っていたが、全員集合は流石に聞いてない。
「あっ、轟だー!!」
「おはよぉ!」
真っ先に声をかけてきたのは、何故か女子達。
なんでだ…いつもは緑谷とかが来てくれるのに。
いや、別に女子が嫌なわけでは…
「轟くん!今日は遅かったね!」
「あぁ…寝坊して、」
「えぇっ珍しい!」
適当な嘘を並べて、同時にポーカーフェイスを作る。
何故かソファが一箇所空いていて、誘惑に負けて座ってしまった。
「よし、そろそろ教室に向かおうか!」
座ったところなのに、飯田の声が響く。
まぁ、まだ座っていたい、なんて俺のわがままなんだし…
よっ、と立ち上がって、みんなより一足遅く教室へ向かった。
---
「えー、一時間目の演習だが…」
先生が説明を始める。
だが、俺の耳にはもちろん届いていなかった。
朝の薬達は正直…一ミリも効いていない。
ずきずきと痛む腹に、今にも舌打ちが溢れそうだった。
昨日はぎりぎり耐えれる痛みだったから、態度には出していなかったけど…
流石にむり、
腹に手を当てて、小さく摩る。誰にも注目されないくらいに。
「…というわけだ。わかったか?」
「「「「はい!」」」」
全く聞いておらず、返事すらできない俺とは違い、周りからは一致した
返事が聞こえる。
やばい…どこでどうするんだ…?
とりあえず緑谷に聞けばいいか、と、そんな策しか出てこなくて。
内心緑谷に謝りながら、俺は立ち上がったみんなに紛れて、緑谷のところへ
急いだ。
---
演習場所はUSJ。
一対一のバトルをするらしく、先生が前でくじを引いている。
「えー、次。爆豪と轟。」
「はァ!?んでこいつなんだよ!?」
離れているはずなのに、爆豪の怒声が近くで大きく聞こえる。
「爆豪、よろしくな」
「あぁ!?誰に口聞いてんだ舐めプ野郎!!絶対勝ってやる!!!」
頭に響く大きな声。いてぇ…腹も頭も、
でも、ここまできて諦めるわけにはいかない。
ここは…がんばらねぇと、
「では、よーい…スタート」
パァン!!と銃声が響く。
もちろんすぐに飛んできた爆豪を、氷で抑える。
まぁそんな気休めはすぐに壊されて、どかーん!!と爆破をもろに受ける。
「はぁ!?これだけなわけねぇよなぁ!?」
「っ…」
もう一度もろに食らったところで、爆豪が攻撃を止めた。
それと同時に、俺は地面に片膝をつく。
ゆるゆると口に手を当てて、相澤先生の声だけが耳に入った。
「爆豪の勝ちだ。次」
はぁ…やっと終わった。
もろに攻撃を受けて、わざと負けたと同類。
でも、今の俺は終わったことしか考えられなくて、みんなが待つ広場まで
帰って来て、そのまま授業を抜けた。トイレへ行ってくる、という理由を添えて。
先生からはすぐ、「行ってこい」と返される。
態度は冷たいけど、今は深く言及されない性格がありがたかった。
みんなからは完全に見えない、階段の影にたどり着く。
俺の歩みはそこで力尽き、その場にしゃがみ込んだ。
廊下はクーラーもないし暑いはずなのに、なんだか涼しい。
ふぅふぅと忙しない呼吸を整えながら、腹へ手を持っていく。
朝から何も変わっていない痛みに、本日何度目かのため息を吐く。
やっぱり薬は効いていない。というか、逆に悪化しつつあった。
まぁ、そりゃ戦ったらこうなるか…だって2日目だし。
この起きてから2時間くらいの時間で、ずいぶん体力が削られた気がする。
このまま壁にもたれていると寝てしまいそうで、慌てて立ち上がった。
くらっ、と目の前が暗くなって、思わずさっきの壁に手をつく。
涼しいと思っていたけど、ぽたぽたと滴るのは自身の汗で。
体温感覚すらおかしくなってる。
またまたため息をつきながら、無駄な捜索が入る前に広場へ戻った。
---
なんとか1時間目を耐え抜いて、2時間目は救いの手、座学。
…まぁ、座ったところで痛みが治るわけでもなかった。
左手で口を押さえながら、右手で腹を摩る。
ここまで何も言われていないのは、奇跡とも思えた。
緑谷が心配そうに見てきてたけど、それ以外には何もされてない気がする。
黒板は、俺が書き写した時よりずいぶん進んでいる。
慌てて右手を離すけど、すぐに痛みが襲ってきて逆戻り。
それを繰り返して、いつのまにかチャイムが鳴り響いていた。
やべぇ、なんも書けてねぇ…
ため息をつきながら、緑谷にまたもや助けてもらった。
その後の演習、座学、そして演習もなんとかやり遂げて、やっと学校が終わった。
階段を降りる気にもなれなくて、共有スペースのソファに座り込んでいた時。
芦戸が駆け寄ってきて、こそっと耳打ち。
「轟、ズボンに血ついてるよ?着替えに行こ」
「ぇ、」
芦戸の後ろにいた麗日と耳郎が、俺の背中に周る。
見事にズボンは隠されて、困惑する男子達の目を誤魔化せた。
女子ってすげぇ…
「よし、二人とももういいよ!」
エレベーターに乗り込んだ、というか乗らされてから、芦戸がいった。
「ふぅ、見られんくてよかった…」
「ほんと。轟新しい服ある?ジャージでもいいよ」
「ぁ、あぁ……」
そう力なく呟くことしかできなくて、申し訳なさが募る。
今思えば、なんで血ついてること気づいてから驚かなかったんだ、?
まさか、ばれて…いやまさか。そんなわけ、
いやいや、ありえねぇ。
そう自分に言い聞かせて、連れられるがまま自分の部屋へ。
着替えて、ついでにトイレでナプキンを変えた。
なぜか着替えたら出てこいって言われている。なんだ…このまま寝たい。
ふらふらしながらドアを開けると、スタンバイ済みの3人。
「よしっ、じゃあお姫様達が攫いますねーっ☆」
「は、」
「大人しく着いてきなってぇ〜」
「はぁ…」
そのまま引っ張られて着いたのは…芦戸の部屋だった。は?
「あっ、轟さん!いらしたんですね!」
「ってことはー…"誘拐"成功っ?」
「そうそう!連れ出したぜっ☆」
「やったわねっ、ケロ」
どんどん進んでいく会話に、流石に理解が追いつかない。
誘拐、?どういう…
「…なんだこれ、なんでおれ…」
「えー今から、ガールズトーク!しまーす!!」
「俺男、」
そんな主張はかき消されて、かと思えばみんなの顔が真剣になる。
「轟ってさ…もしかして、」
---
---
【芦戸ちゃんside、怒涛のお話たいむ☆】
轟が普通の男子と違うって気づいたのは、結構最近だった。
いつもは強くて冷静な轟がプールを見学していたり、
みんなから見えにくいところで薬を飲んでたり。
授業中にはお腹を摩ってて、経験者の私達はすぐに勘づいた。
それに気づいてからは、みんなでどうにかして轟と話をしようと試みた。
でも、常にみんなに囲まれてるイケメン人気者には、話しかけにくく…そして
呼び出しにくい。
むりだなぁ…
そんな調子だった私たちにとって、今回のプチ事件はありがたかった。
「まぁ、隠したい気持ちももちろんわかる」
「特に轟みたいな口数少ないやつは」
そう口々にいった瞬間、轟の顔色がすっと変わった。
「ぇ………っ、なん、で」
「轟くん、授業中めっちゃお腹摩ってたやろ?」
「えぇ、なんだか顔色も優れないようでしたし…」
「それに、見えなさそうなとこで薬飲んでたし」
「……はぁぁ、、」
盛大なため息と共に、轟の手がお腹へ当てられる。
「…いつから、」
「えぇっ、でも、結構最近だよね?」
「最初に気づいたんって…」
「芦戸さん?」
「いや、響香ちゃんじゃなかったかしら」
「え、そうだっけ?うちあんま覚えてない…」
うん、最初は耳郎だった気がする。
耳郎が「なんか、轟の様子が…」って、みんなに知らせてくれた。
で、うちらも言われてみれば…ってなったような、気がする。
「とりあえず、結構最近!先月の時かな?」
「…そうか、」
「というか、お腹痛い?布団いる?」
「ぁ、いや…」
「ほら、遠慮しないで」
「…じゃあ、もらう」
渋々といった様子で受け取った轟は、お腹を全包囲するみたいな形で布団に
包まった。
ついでに、と枕を抱かせて、ヤオモモが造った湯たんぽ(お湯入り)も持たせて、
完全にお腹あっためモードに。
「ちょっとまって、お菓子とか持ってくる!」
「それでは私はルイボスティーをお淹れいたしますわ」
「やったー!ヤオモモのやつ美味しいんよねぇ!」
みんなの声を遠くで聞きながら、自作のお菓子BOXを手に取る。
選ぶどころかそのまま持っていって…はい、女子会部屋完成!
「よーし、じゃあさっそくお話しはじめよぉー!!」
「轟くんも、ね!」
「…おぉ、」
「まずさ、轟いっつもしんどそうだよね、薬とかは?」
「いつも飲んでんだけど…」
効かねぇ、と続けた轟に、みんなの視線がヤオモモに向く。
「えぇ、効かないところを教えてくだされば、造れるかもしれませんわ」
「「「「「おぉー!!」」」」」
さっすがヤオモモ、頼りになるー!!
「…いやでも、効かねぇけど、耐えれるから…だいじょうぶ、」
…かと思えば、そんなことを言い出した轟。さっきとは逆に、轟に視線がいく。
「いや、知っとる?人間って不調を耐えるのが1番の毒なんよ!?」
麗日の言葉にみんなが頷く。
「そうだよっ、それに薬が全てじゃないし!」
「保健室行くとか、」
「ちょっと治まる方法とかも結構あるよ!」
「そう、なのか」
それすらも知らなかったようで、私は思わずため息をついた。
「というか、しんどい時は私たちに言って!?」
「そうそう、うちらにしかわからんし!」
「…わかった、言うようにする」
「ほんとにぃ?」
「あぁ…たぶん、」
「多分かーい!!!」
そう思わずつっこむと、周りから笑いが溢れた。
それに乗って、轟も笑顔に。
みんなの笑いがすっ、と止んで、轟の方に視線が。
当の本人は「ぇ、何…」とわかっていない様子。
君、自分の笑顔にどれだけ破壊力があるのか知らないのか…
いや、知ってるはずないか。ただでさえ鈍感クールイケメンなのだ。
知っているはずがない。
「…まぁとにかく、」
「しんどい時くらいは甘えてねってこと!」
「せーりしんどいよねぇ…」
「今日の演習とか大丈夫だったの?お腹いたいよね〜…」
「…うん、」
「轟は何が1番しんどい?やっぱお腹?」
「ん〜…腹もいてぇけど、1番は…くらくらするやつ、?」
「うわぁわかるーっ!!貧血!歩いてる時とか急に目の前真っ暗になる…」
「あれきついよねー…頭も痛くなるし、」
「わかる、」
「ふは、轟くんなんか素直やね〜!」
きっと轟も、今までずっと一人で悩んできた。
こうやって軽く話せるのが、新鮮でいいのだろう。
なんだか少し嬉しくなった時、不意に轟が息を詰まらせた。
「あら、轟さん?」
「っ、ごめ…きもちわる、」
「えっまじ!?吐く、?」
「んぅ、いや…っ、がまん、す…」
「それはだめーっ!!!」
「さっきのこと忘れたん!?」
「これ、袋よ」
「吐いちゃっていいよ〜…」
「っ…__ごく、__」
「飲み込むなぁーっ!!!!」
「だめですわ、」
女子の猛アタックが効いたのか、渋々袋に顔を沈めた轟。
「っ…ぉえ"、」
「そーそー、上手」
「うち、水取ってくる!冷蔵庫にある?」
「あ、うん!」
「っ、はぁ、っぇ…」
「しんどいね、ちゃんと息してね!?」
「そそ、息しなきゃだめだよぉ〜」
しばらくして袋から顔を上げた轟。顔色はもちろん最悪だ。
「はぁっ、ふー…っ、けほ、ごめ、きたねーとこ…」
「大丈夫だって!こーゆーときこそ頼ってね!!」
「うん!一人で吐くとか許さないから!」
「ん…きをつける、」
小さく頷いたと同時に、横からは水、そして袋は取り上げた。
「どうする?今日は帰ってねる?」
「ぇ…」
あからさまにテンションが下がる。そんなに楽しかったか…
「いや、轟がいけるなら続けたいよそりゃ!!」
「けど、無理矢理いさせるのもなんだし!?」
慌ててみんなでそう付け足すと、
「いける…から、もうちょっと…話したい、」
と呟いた轟。
うぅっ、いつからこんなに可愛くなってしまったんだこのイケメンは…
「そっか、じゃあうがいだけしてお話ししよ!」
「それがいいですわね、私が一緒に行きましょうか」
「あっ、じゃあヤオモモお願い!」
「う…すまねぇ、」
---
---
俺が戻ってから、たくさん話した。
楽しくて、新鮮で、気遣ってくれるみんなが優しくて、居心地がよかった。
気づけば時計は12時を指していて、やばっ!という葉隠の声でみんなが我に
帰る。
「そろそろ…流石に帰るか、」
「うちらはともかく、轟くんは体調悪いんやし…」
「…そうだな、」
流石の俺もそのくらいはわかっていて、名残惜しくも今日の女子会は終わりを
告げた。
「みんな…誘ってくれてありがとな、で、その…」
「ん?」
「どしたぁ?」
「また…誘ってくれ、」
少し小っ恥ずかしい気もするけど、そう呟いた。
「おぉぉ!!!」
「いいよいいよ!またいっぱいしゃべろーね!!」
「…!あぁ、」
優しい…正直、俺と話しても楽しくはないと思うんだが。
でも、そんな俺を快く受け入れてくれるのが、素直に嬉しかった。
「あ、最後に…今日した約束!覚えてる?」
「…うん、?」
「覚えてないじゃぁぁぁん!!!!」
「しんどかったらうちらに言うこと!」
「あぁ…わぁってる、」
眠いせいなのか、はたまた素なのか…どちらでもいいけど、舌が回らない。
「んーまぁ、ほんとにわかってんのか…?これは。」
「まぁいいや、これ以上いっても同じだしね」
「じゃあ轟ちょっと待ってて!」
「ん…??」
怪訝そうな目で見つめられたかと思えば、すぐに向き直って、今度は…
何故かじゃんけんを始めたみんな。
「最初はぐー!」
「じゃんけん…ぽんっ!!!」
「やったぁ!うち勝ったぁぁ!!」
「あたしもー!!」
「うちも…」
どうやら勝ったのは、最初の3人。
これは俺を部屋まで送るじゃんけんだったらしい。
「まぁ、誘拐してきたこの3人なら安心だね」
「えぇ、轟さんもこの3人の方が安心でしょう」
「…あぁ、、?」
正直、エレベーター乗って一個上がるだけだから、一人でも…
…なんて言ったら、怒られそうだな。やめておこう。
「じゃー、しゅっぱーつ!!!」
「「おー!!」」
「おー…」
そのまま部屋を出て、エレベーターに連れられる。
3人が話してる中、今日の女子会を思い出す。
そういえば、話してる時…生理痛とか忘れてた。
というか、あまり痛くなかった。
………なんで?
まぁ、この中の全員が同じ体験をしてるって思えば、多少気は楽になった
だろう。
女子ってすごいよなぁ。あの痛みに毎月耐えてるなんて…
そりゃ女子も生理がくる。というか、女子"に"くる。
だけど、少なくとも俺は女子が腹を摩ったりしているところなんて見たことない。
…すげぇなぁ、
そんな感想しか出てこなかった。
「…轟!大丈夫、?」
…しかめっ面でもしていたのか、芦戸が顔を覗き込んでくる。
「…っ、?あぁ、だいじょうぶ…」
「もしかして、布団離したからお腹痛くなった…?」
「いや…んなことねぇ、ちょっと考え事…」
「あ、そうなん?それならええんやけど…」
すごい心配してくれる、優しい…
なんだか、今日は女子達の優しさに癒されてばっかりだ。
ぴこーん、とエレベーターの扉が開いて、3人にまた連れられる。
そこからは一瞬で…というか、エレベーターから部屋が近くて、3人に軽く手を振ってから、俺は自室へ戻った。
しん…と静まり返っている部屋。
そりゃあ俺一人しかいないから当たり前だけど、さっきのわちゃわちゃした
女子部屋を思い出すと、なんだか無性に寂しくなる。
「……っ、」
だめだ、今日はもう寝よう。
忘れた頃にやってくる痛み。その痛みで薬を思い出して、ぼーっとする頭で
薬を一錠口に入れた。
ごく、と喉に通る冷たい水が気持ちよくて、そういえば俺吐いたんだったな…と
またまた思い出す。
次の女子会も…少し、楽しみであった。
というか、きっと…少しじゃない。
今日のは普通に、楽しかった。
ふふ、と笑みを溢したところで、俺の意識は夢の中へ落ちた。
---
あれから一ヶ月。
先月はあんなに暑かったのに、今は有り得ないくらいに寒い。
最近の日本って、気温がおかしい…
そんなことを思いつつ、2日目用の薬達を口に入れる。
相変わらず効く様子はないけど、次の女子会で八百万に言ってみようかなと思っている。
この間造ってくれるって言ってたのに、言うの忘れてたな…と思い出したのだった。
学校のシャツの上に、もう一枚服を着る。どうせブレザーで隠れるんだし…
授業中に死にそうになるよりマシだ。
学校のバッグに、忘れていた教科書達を入れる。
机に置いていた筆箱も入れて、俺は部屋を出た。
…ら、目の前にはいつもの3人。
「とどろきっ!おはよ!」
「…あぁ、おはよ…なんで、」
「轟今日2日目じゃないの?」
「………なんで知ってんだ、」
なんでわかるんだ…怖い。
女子って、もしかしてエスパーだったりするのか…?
「ふふ、当ったりー!」
「一昨日は何もなかったのに、昨日めっちゃしんどそうだったでしょ?」
「轟くん、多分症状めっちゃ重いから、わかりやすいんよね…」
「はぁ……そうなのか、」
もうちょっと抑えた方がいいか…?
そう呟くと、すぐに3人が首を振る。
「いやっ!それが1番だめ、」
「辛かったら摩ってもいいんだけど、みんながちらちら見てるから…」
「緑谷達もちょっと心配してるみたい」
「…まじか、」
緑谷は1番心配性だから、そんな俺の素振りを見逃さない。
そこまで考えねぇとな…
エレベーターに乗って、いざドアを閉める瞬間。
この間と同じ光景。今日は上鳴しかいないけど、走ってくるのが見えた。
「……__はぁ、__」
小さくため息をついてしまった。別に上鳴が嫌いなわけじゃなくて…
内心謝っていると、いつのまにかドアは閉まっている。
けど、常に何か話してる上鳴の声は聞こえなくて…あれ、
「轟っ、大丈夫だよ、お腹摩ってて」
「あいつうるさいよねー、特に生理中は。」
「んー、わからなくもないけど…うちより重い轟くんはしんどいかぁ、」
あぁ…救世主すぎる。
いつの日かの瀬呂と同じ感想。
3人の言葉に甘えて、お腹を摩る。今すぐ蹲りたいけど、流石にそれは勘弁…
ドアが開いて、共有スペースの全員の視線が俺に向く。
「えぇぇぇ!?轟くん!?どうしたのその女子達…!」
「あっ、男子達ごめんねー?昨日の夜から"男子達の人気者轟"じゃなくて
"女子達のお姫様轟"になっちゃって☆」
「轟くんはうちらが攫っちゃったからね…」
「だから、これからも誘拐するから文句なしね!みんなの轟だから!」
「…俺、みんなのものなのか、」
いつからみんなのものになったかはわからないが、正直今は男子より静かな
女子組の方が居心地がよかった。
そこも見越しての判断なら、流石にすごすぎる。
俺は素直に引っ張られて、辿り着いたのは教室だった。
「誰もいなーい!!!」
「当たり前じゃん、まだ七時半だよ?」
「まぁ、誰もいない方がいいしねー!」
「…っ、」
やっと座れたことにありがたみを感じつつ、左腕に顔を埋めて、右手で腹を
摩る。
なんか…いつもより、薬の効きが悪い気が…いや、効いてないのはいつも通りか。
なら…悪化してねぇか、
「轟くん、?大丈夫?」
「轟〜?甘える約束は?」
「そーだよ、素直に!なんでも言っていいよ」
隣から聞こえる声達に、今は羞恥心よりも…甘えたかった。
「…っ、い"っ…てぇ…」
「よくできましたー!!じゃーんっカイロ」
「お腹摩ってもいい?」
「じゃあうち腰摩ろっか」
もう頷くことしか出来なくて、申し訳なさを感じつつ摩ってもらった。
みんなめちゃくちゃ心配してくれて、経験者ってすごいな…と改めて思う。
なんか昨日から「すごい」しか言ってない気がする…
けど、それしか感想が出てこないんだから仕方ない。
「轟くん、痛み耐えたいんはわかるけど、ちゃんと息しーよ」
「そうそう、息するのが大前提だからね!」
言われた通りに息をするけど、何故かうまく吸えない。
促されるまま深呼吸すると吸えるようになって、また女子ってすごいなと思う。
しばらくこうしていると、気のせいではなく腹の痛みが少し治まった。
「…わり、おさまった…」
「そぉ?よかったぁ!」
「他しんどいとこない?」
「あぁ…だいじょうぶ、」
「ほんまに〜…?」
「嘘だけはだめ、だからね?((圧」
芦戸に圧をかけられて、渋々呟く。
「………ちょっと、きもちわりぃ…」
「え、吐く?ヤオモモー!!」
「いや…さすがに、はきは…しねぇ、大丈夫」
学校で吐くとか、流石の俺でもむり…
想像するだけでも寒気がして、思わずため息を吐いた。
「それならいいんだけど…いやよくない!!」
「水筒ある?お茶飲むとマシになるよ!」
「そうなのか…」
言われた通りにお茶を口に含む。
温かいのを入れてきたから、冷えた体に染み渡る。
「…ふぁ、__あったかぁ…__」
「うっ…」
「かわいいいいいいい…」
「隠れた姫やね…」
「…?」
3人は顔を隠してて、俺には意味がわからなかった。
やっと一息ついたところで、遠くから忙しない足音が聞こえてきた。
「みんな来た…相変わらずうるさ、」
「轟くんは席でゆっくりしとき〜」
「あぁ、」
「おっはよー!!って、お前ら早くね!?てかさっきエレベーターの扉閉めただろ!
ひでぇよー!!!」
1番最初に入ってきたのは上鳴。相変わらずすげぇ元気だ…
「あーもう上鳴、うるさいって…轟ごめんねー、」
と思ったら、後ろから出てきた瀬呂に連れて行かれた。
こっちは相変わらず救世主だな…
ふぅ、と息を吐きつつ、腹に右手を添える。
今日は…演習は2時間目。それ以外は座学で、少し安心した。
「あっ、轟くん!さっき女子達に連れて行かれてたけど、なんで…」
「で、デクくんっっ!!!ちょっとこっちきて!!」
なんて答えようか迷っていると、麗日の声が聞こえる。
緑谷はそっちに行ってくれて、後でお礼言わねぇとな…と思った。
俺の秘密を知ってから、女子達はなにかと俺のことを助けてくれている。
今みたいに、何かしら聞いてくるやつを離してくれたり、
さっきみたいに、腹を摩ってくれたり。
ほんと、助けられっぱなしだなぁ…
---
座学、演習が終わって、休み時間。
そういえば朝、夜用をつけてくるのを忘れてしまった。
ということで、変えに行こうと思ったのだが…ここで大事件。
ポーチ忘れた…
ナプキンと薬が入ってるやつ。あれがねぇと…
いつもの俺なら、往復十分で寮まで行ける。
けど、今の俺は…走ることすらできない。
つまり、こう言う時こそ…
「ぁ、麗日……ちょっと、」
「え?どうしたん〜っ!」
麗日を廊下の先まで連れ出して呟く。
「わり…ナプキンと、あと薬…ねぇか、」
「忘れたん?そりゃ持っとるけど…取ってくるね!」
麗日が慌てて教室に走って行って、俺はその場に蹲る。
廊下を通る人たちの視線はわからないけど、今の俺はそれどころじゃない。
くすり…はやくのまねぇと、
効くわけではないし、そんなのわかってる。
でも、気休め程度にはなるのだ。
「っ、はぁっ…ぅ"、」
いたい、いたいいたい…
目の前が真っ暗で、くらくらする。
あ、っやべ…倒れる、
受け身を取ろうとした時、誰かの手が倒れるのを止めてくれた。
「うぉっ、あっぶな…」
…どうやら、麗日が俺のことを話したらしい。
手の主は耳郎だったらしく、後ろには芦戸もいる。お馴染みのいつもの3人だ。
「大丈夫、?これ、薬とナプキン入っとるから!好きに使って!」
「ん"…わり、」
「謝らんでええから!こう言う時はお互い様!」
「それに、麗日に言えただけですごいからねー…」
「そうそう!一人で倒れでもしたら…うわぁぁぁ」
そう言って励ましてくれる3人に、「ありがとな、」と辛うじて呟く。
こんな時に助けてもらえたのって、始めてかもしれない。
なんてったって、誰にも言ってなかったから。当たり前…
「ちょ、といれ…いってくる、」
「ん、いってらっしゃーい!」
「気をつけてねー!」
「きをつける…、?って、何を…」
「色々!」
---
助けてもらったおかげで、それからの座学も乗り越えられた。
今から帰るところ…だったけど、今日は耳郎が話しかけてくる。
「ねね、今日の女子会…くる?」
「……行っても、いいのか」
「え、いいよ全然!なんなら来て欲しいし!」
「なら…行きたい、」
そう返事をして、俺はこの前と同様に連れて行かれた。
「おーっ!今日の主役登場!?」
「うん、連れてこれたよー!」
「…すまねぇ、女子達の邪魔して…あとこれ、今日のお礼」
そう言いながら、俺は持ってきた紙袋を机に置く。
「わぁーっ、これは…」
「肉球まんじゅうだぁぁぁああ!!!!!!!!」
「えぇっ美味しそう…」
「なら私は、これに合う紅茶をお淹れいたしますわね」
「やったぁー!!」
「じゃあ、轟はいつもの布団と枕ね」
「おぉ…ありがとう、」
渡された布団を腹にかけて、枕を抱きしめる。
「どう?お腹いたい?」
「…いてぇ、」
「素直ね」
「うそつく必要も、ねぇし…」
そう、いちいち嘘をついたとしても、芦戸や耳郎に見抜かれる。
だから結局は意味がないのだ。
「ちょっと暖房の温度上げる?」
「そうね、ちょっと上げるわ」
ぴっ、ぴっ、という機械音が耳に入って、暖かい風が頬に当たる。
「これで大丈夫かな!」
「よーし、女子会はじめまーす!!」
「「「「いぇーーい!!!」」」」
この光景…先月ぶりだ、
でも、一つ気になるのが…
「あ、あの…」
「おぉっ、主役から何が!?」
「…なんで誘われるのって、いっつも2日目だけなの」
ずっと気になっていた、今日誘われた時から。
「うーん、それは…」
「轟がなんか可愛いから。」
「…えぇ、」
こちらは可愛さなんて微塵も気にしていないのに。
女子の考えてることって、やっぱりわからない…
「ほんとは、みんなで轟を助けたいの!」
「しんどそうだし、一人で部屋で苦しまれても…ね?」
「それに、こないだの女子会結構楽しんでくれたみたいじゃん?」
「それは…そうだけど、」
「生理中って、なんか寂しくない?」
「それも…わかる、」
「お腹痛いしね…」
「…わかる、」
「気持ち悪いし、でも吐きたくないし」
「わかる、…って、それこないだ吐いたやつに言うことか?」
「ふはっ、ごめんって〜!」
…あぁ、やっぱ楽しい、
なんだかんだ俺は、これを楽しみに過ごしていたのかもしれない。
「そういえばさ、轟って中身もイケメンだよね。」
「えっ、それな?こないだ掃除代わってくれた」
「私も!あと薬くれた!」
「…いや、あれは」
「やっぱ同じ経験しとるからかな?よりイケメンに見えるんよね…」
「まじでわかる。」
「私も、この間ルイボスティーを淹れてもらいましたわ」
「えぇっすご、なんで淹れれんの??」
「ちょ、あの」
「うち、こないだお腹摩ってるだけで「大丈夫か、」って言ってくれたっっ」
「え、優し。他のやつとは大違い」
「ちょっ、…やめろ、」
思わず止めに入る。
俺のちょっとのことがそんな風に思われてるのも知らなかったし、
あまり褒められるのも慣れてないから、普通に恥ずかしかった。
「…え、顔赤くない?」
「ぐっ…ぅぅぅ、かわいいよぉぉ…(´;ω;`)」
「え、っおい芦戸、なんで泣いてんだ…」
「女の子すぎる。」
「俺は男だぞ」
もう意味がわからなくて、困惑することしかできない。
なんで泣いてんだ、?俺男だしっ、
「…ふぅ、そろそろ本題入る〜…?」
「あ、入ろっか」
「ほんだい…?」
なんだ、話すのが本題じゃないのか。
「じゃあ…本題っ!カードゲーム大会〜!!」
「いぇーい!」
「最下位の人は、自分の秘密を大暴露しまーす!」
「は…」
秘密…??もう暴露したんだが…おかしいなぁ、
「よーしとにかく始めますっ」
「じゃーまず神経衰弱!」
芦戸の声と同時に、カードが机に広げられる。
神経衰弱…あんまやったことねぇんだよな…
負けたらどうしよう、と思いながら、じゃんけんが始まる。
「じゃんけん…ぽん!!」
「あ、轟一人勝ち…すご」
「え…俺最初、」
「そだねー!」
やってしまった、1番運が悪い場所だ。
一応負けた時の秘密を…なんだ秘密って、俺にこれ以上秘密なんて…
なんて考えていると、いつのまにか順番は決まったらしい。
みんなの座る順が変わっていた。
「それじゃ轟!どうぞ」
「あぁ…」
とりあえず一枚めくって、出たのはハートの7。
まぁ、まだ最初だし…心当たりなんてない。適当に…
そうもう一枚めくると、出たのは…ハートの7!?
「は…」
「「「えぇぇぇ!?!?」」」
「轟さん、すごいですわ…!」
「えぇ、これもなにかの才能かしら、ケロッ」
え、そんな才能いらねぇんだけど…
まぁ偶然引き当ててもう一回。次は流石に…
二枚めくると、…なんでだよ、
またまた奇跡のスペード3が二枚。
流石の女子も驚いているみたいで、驚いてんのはこっちだよ…!と脳内で呟く。
流石に次は外れて、逆に安心した。
「すごいね轟…!」
「あぁ…怖いけどな、」
【主:ゲームタイムずっとやってたら拉致があかねぇ!!!!てことで飛ばし】
「じゃ、また明日ねー!!」
「ばいばーい!」
「あぁ…じゃあな」
ゲームが終わって、俺は部屋に戻ってきた。
相変わらず静かな和室に、思わずため息が漏れる。
このまま寝ようと、布団に膝をつく。
あぁ、くすり…
ゲームの途中、申し訳ないけど八百万に言ってみた。
そしたらすぐ造ってくれて、もらった錠剤。
一日三錠まで、腹の痛みに効くらしい。
それを口に入れて流し込み、そのまま布団に寝転んだ。
「はぁぁ…」
色々あったな、としみじみ思う。
本当に、女子達には感謝しかない。
助け合えるってだけで、こんなに身も心も楽になるとは思わなかった。
日頃から感謝、もうちょっと伝えなきゃだな…
手紙でも書くか、と、そんな考えが浮かぶ。
明日、帰ってきたら書こう…と決めて、俺は眠りについた。
その夜は、ありえないくらいに寝心地がよかった。
---
次の日。
3日目でも体調は変わらず、いつもの薬ともらった薬を飲んでから学校へ。
…と思ったら、何故か女子達。最近はこの光景見慣れたけど…
「なんでいるんだ」
「いや?ただ一緒に行きたかったの!」
「…そうか、」
俺と行っても楽しくないと思うが…まぁ、話すのも普通に楽しいしいいか、
そう結論づけて、いつも通り学校へ向かった。
---
やばい。
今は休み時間なのだが、いつも生理中使っている遠くのトイレから帰ろうとして、
力尽きてしまった。
というか、そもそも力どころか…痛すぎる。
なんだ、これっ…
「っ、い"っ…」
息も思う存分できなくて、目の前は涙でぼやけ始める。
壁だけを頼りに蹲って、側から見たら情けなさすぎるだろう。
やべ、普通に死にそう…
なんか悟ったところで、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「ちょ、轟っ!?」
思わずびくっ、と反応してしまう。
でも、芦戸ならまだ…安心、かも、?
「どしたのっ、痛い…?」
「っ、だいじょうぶ…っ」
「大丈夫じゃないでしょ、顔色めっちゃ悪いし…」
そう言いながら、背中を摩ってくれる。
「保健室、!いこ?ね!」
「ん"…だい、じょうぶっ…」
「それがだめなのっ!轟はいっつも我慢ばっか…行くから!!」
「っ、でも…っ、せんせ、いってない…から、」
「それもあたしがうまく言っとく!!」
…あぁ、めっちゃ心強い。すげぇな女子って。
相澤先生にはもちろん、リカバリーガールにも言っていない。
迷惑もかけたくないし…
「っ…あしど、」
「ん?なにっ」
「もどっ、てて…いいから、ひとりで…大丈夫、」
荒い息をなんとか治めて、そう吐き出す。
「はぁ…もういいや、はーい連れて行きますねー?」
そういって芦戸は…俺を軽々と持ち上げた。
「…は、」
「かっる!!もぉ、いっつもそばばっか食べてるからでしょー!!」
「そばのことはがにすんな…っ」
「ははっ、ごめんって〜」
---
保健室。独特の薬の匂いが漂う部屋で、俺はベッドに寝かされている。
「……いてぇ、」
二人の声は聞こえなくて、もう今すぐにでも寝てしまいたかった。
でも、これ以上迷惑をかける訳には…
「あっ、轟〜?寝ててね??」
芦戸が戻ってきて、そう圧をかけてくる。
「……うん、」
もう、そう答えるしかなかった。
そのまま目を瞑れば、すぐに眠りに落ちてしまった。
---
「…ぅ、」
重い瞼を持ち上げると、目に写るのは真っ白な天井。
そして隣では…
「あっ、轟くん起きたぁ!」
「よかったぁー、芦戸に話聞いた時心臓止まるかと思った…」
女子組が全員大集合していた。
「ぇ"…なんで、」
「もう学校終わったよ〜?しんどくなかったら帰ろ!」
やば…俺、そんなに寝てたのか。
そこまで色んな人に世話を焼いてもらっていたのか。
本当に情けない…
「りかばりー、がーるは」
「あ、さっき出張行った!」
「……」
お礼をしたかったんだが、それなら仕方ない…また今度にしよう。
「…みんな、心配かけてごめん」
「ほんとだよ〜!見つけた時どれだけ心配したか…」
「あと芦戸…ありがとな、」
「…(なんだこいつイケメンだっっ)あぁーうん…」
芦戸の返事を聞いたところで、麗日にもらったバッグをもって立ち上がった。
…まぁ、ずっと寝ていてすぐ立てるわけもない。
ふらついたところを、またまた芦戸に助けられてしまった。
「…っ、わり、」
「もー、いいからっ!部屋まで送るよ〜」
今日は全員で送ってくれるらしく、みんなでエレベーターに乗った。
「じゃ、ちゃんとあったかくしなよー!」
最後の最後まで優しいんだな、
そんな気持ちを込めて、俺は過去一の笑顔(多分できてる)で言った。
「おう、ありがとな」
女子達が、そんな笑顔をみてしばらく狼狽えていたことを、俺は知らない。
15769文字。
一つ言わせて欲しい
やばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
褒めてくれ
これで消えた8000文字の仇は打ったぜ!!!!!
しょうとくんはかわいい!!!!
こんにちわ!俺です!
今回は!
最近ハマってるゲームで仲良くなった方がいるんですが、
その方が運良く(?)ヒロアカ好きで…!!
俺の小説も読んでくれて、リクエストもいただいたので書きますぜぇぇ!!!
この二人、好きだけどなんだかんだあんまり書いたことないんだよね
まぁ絶対に尊いことはわかるので!!もう楽しみです☆
あ、ちなみに今回謎に語彙力がなくて(いつも通り)短編です!!
今度説明とかなくしたバージョンも書こうかな…
「っ…はぁ、」
静かなリビングで、一人蹲る。
突然だが、俺には普通の男の人とは違って生理が来る。
そりゃあ、俺だって未だに理解できない。
稀にいるとは聞いたことがあるし、生理のことだって勉強したことはある。
でも、それだって自分以外の女の人のためだ。
まさかそれが自分に役立つなんて…流石に思ってなかった節もある。
まぁ、そんな感じで…とにかく俺が普通ではないことは伝わっただろう。
さぁ次。プロヒーローが近づいてきた今、俺はNo.2ヒーロー…
ホークスさんと付き合っている。
これを見ている人たちの今思ってること…まぁほぼ検討がつく。
『男同士?』だろ。
正直、好きになる性別なんて…って、このまま話し出すとキリがない。
ということで、今の俺に戻るんだが…
「い"…ってぇ、」
流石に、痛すぎて話にならない。
そう、これは生理痛…俺の場合、症状が重いらしい。
今起きたし、トイレに行こうと思ったのだが…途中で力尽きた。
ちなみにホークスさんはというと、出動要請がかかったらしい。
書き置きの横には、俺が愛用してる湯たんぽだの色んなものが置いてあった。流石だ…
いや違う、ホークスさんの凄さじゃなくて…
今はとにかく、これをどうにかしないと。
「はぁ…っ、」
本日何度目かのため息をつきながら、少しだけ引いた痛みに安堵する。
やっと立てる…ため息をつきながら立ち上がって、トイレへ向かった。
---
まずい、立てない…
トイレから帰ってきて、運悪く痛みに襲われた。
もうすぐ部屋だったのに…泣きそうになりながら、痛みが引くのを待つ。
でも、しばらくしても痛みは引かなくて。
たまにある、しばらく引かないやつだ。
「う"ぅ"ー……」
頭も痛くなって、本格的に視界が滲んできた時。
「ただいまー…って、え」
背後から聞こえたのは、紛れもない…ホークスさんの声だった。
今一番会いたかった人。
「焦凍くんっ、?大丈夫?」
いつもの凜々しい眉は下がっていて、めちゃくちゃ心配してくれてることが
わかる。
こんな顔も…俺だけが知ってるんだろうか。
「っ…だい、じょうぶ…です、」
「いや、大丈夫じゃないでしょ…顔色悪いよ、」
そんな声が聞こえたかと思えば、次の瞬間、俺の体は宙に浮く。
「…へ、」
「お腹痛いんでしょ?速すぎる男が運んだげる」
「……っ、ありがとう…ございます、?」
「お腹空いてる?おかゆ作ろっか~?」
「ぁ…たべたいです、」
なんだか…いつにもまして語彙力がなかった。ぴえん。
最後かわい。しょうとくんかわい。ホークスさんやさし。
しょうとくんってかわいいなぁ。ホークスさんってさ、あんまり名前で呼ばないからさ
っじゃなくて!!!ごめんなさい!!!!!
今度また長いの書きますからっ!!許して…泣
しょぉとくんがただただ苦しんでるお話。
おはやうござます。
チョコおいしいです。
さっすが焦凍くん。パッケージに載ってるだけでチョコもおいしくしちゃうなんて。
と)はぁ…げほっ、
と)ごほっ…ん"、はっ…
と)(やべぇ…おれもしかして、しぬ…?)
(現在:熱・41.2度 症状・咳、くしゃみ、なぜか腹痛、頭痛、吐き気などなど)
と)げほ、っげほ…
と)っ、!
と)っ、ぉえ"っ…!
と)げほっげほ、
と)う"ぅ"ー…ばくごぉ、
と)(はやくかえってこないかなぁ…)
まぁ当分無理だ。
だって爆豪は今、東京に出張中だから。
と)…れんらくしたら、かえしてくれるかな、
LINE
「ばくごう」>
<「何だ」
「しんどい」>
<「は?」
<「体調悪いんか」
「うん」>
<「熱は」
「41.2」>
<「は?」
<「まじでふざけんな。大人しく寝とけ馬鹿」
「はやく帰ってきてくれ」>
<「できるだけな」
と)案外早く返信来たな…
と)…げほっ、
と)(次起きたら、ばくごういるかなぁ…)
と)…、
と)……?
ば)おー、起きたか
と)へ…ばくごぉ、?
ば)あぁ俺だ
ば)てめぇがはよ帰って来いって言ったんだろーが
と)あぁ…
と)ほんとに早く、帰ってきてくれたのか
ば)見たらわかんだろ。そうだっつってんだ
と)~~~…
と)すきだばくごう
ば)は?なんだいきなり
と)すきだ、
ば)あーそうスか。
と)ばくごうはすきじゃないのか、
ば)あ!?俺がいつんなこと言った!!!
と)…!すきか?
ば)だっから!!好きじゃなかったらてめぇの命令なんざ聞いてないっつーの!!!
ネタがないよー