編集者:花火
    
        タイトルそのままの内容です!!
こういう物語書きたいなと思い書き始めました。
今やってるシリーズもの後に出そうと思っていたんですが、書きたすぎて。
書きたいところを書きたいなという思いから来てるので、始まるところがかなり歪です。
        続きを読む
     
 
    
    閲覧設定
    
    
    
    
    
        
            
        
        
            
        
     
    
    
    
    
    
    
  
 
    
        名前変換設定
        
            この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
            
            
        
        
         
     
 
 
       
        1 /  
      
目次
 
    
        救える命に添えられる花
        
        
        いい人生だった。そう思って、この世を去った。
齢二十五。早い死去だと思われるが、これも痣の寿命だ。だが、後悔はしていなかった。
だが、ときどき死んでしまったものも生きていけたらと考えるときがあった。だが、そんなことはないのだ。人間は美しく散っていくものだ。きっと、死んでしまったものも美しく散ったのだろう。
だが、救えてしまうような機会が生まれてしまった。
「冨岡。最近は出世しているらしいじゃないか」
「……村田?」
「なんで、疑問系なんだよ!忘れていたのか」
「いや、そうではない」
これはなんだ。鬼の血気術か?いや、もう鬼はいない。だが、村田は隊服を着ている。
これは、おそらく最近の流行りの大衆小説でいう《《二度目の人生》》の状態ではないか。
「そんなに出世しているのか」
取り敢えず話を合わせておくとしよう。どこの時間軸かも知っておきたい。
「いやいやなんで、冨岡が知らないわけ?噂だと一気に庚から丁まで上がったと聞いてるんだが?」
「そうか」
おそらく今の時間軸は、努力が結果に結び付いてきた時らへんだろう。
そういえば、そんな時期もあった気がする。
と、なると津多子姉さんと錆兎はもう救えないのか。だが、散っていた柱やそれ以外の隊士達は救えるかもしれない。
「いや、すごいよな冨岡。俺なんてまだ壬だ」
「そのうち上がる」
村田は、このあと階級が上がるのだ。これは、《《一周目の記憶》》から間違いがないだろう。
どうやら、気づいたのだがこの体は思ったよりも出来上がっている。このときの俺はこんなにも修行をしていたのか。それにより思った通りの動きができる。これは、《《水柱》》になるのも時間の問題だ。
一周目では、頑なに水柱になるのを拒んでいたが、二週目ではお声が掛かったらすぐにでもなるつもりだ。その方が多くの命を救えるから。
「寛三郎。次の任務をくれないか」
「ダイジョウブカァ!ギユウ!キュウソクもタイセツダ!」
「問題ない」
ひとつでも多くの命を救うため、沢山の任務を受けるようにしている。まだ、老いていない寛三郎のあとをついていきながら任務に向かう。
今宵の任務は、若い女性だけがいなくなるそうだ。最初は他だの偶然だと思われていたが、最近になって頻度が増えたため鬼の仕業だと調査を進めると、案の定鬼の仕業だったそうだ。
鬼の異能とうは発見されていないが、警戒しといて損はないだろう。
「キャー」
甲高い悲鳴がなる。これは、鬼に襲われているのだう。地を蹴る足に力を込める。
「水の呼吸 壱ノ型・水面斬り」
鬼の首が落ちる。異能の類も警戒していたが、必要なかったようだ。
隣にいる女性に目を向ける。
「怪我はないか」
「は、はいありません」
「そうか。なら今日はもう帰るといい」
そうして、立ち去ろうとするとあ、あのと呼び止められた。
「何か用か?」
ほだらかな笑顔でそう聞くと、女性は安心したような顔をする。表情によって、相手の気持ちが変わるのだ。《《一周目》》では、この辺の気配りをできなかったが、だからこそ《《二週目》》ではそこら辺の気配りもしようと思うのだ。
「お礼させてくれませんか」
「別に仕事だからいい」 
「いえ、そういうわけには。そうだこの花受け取ってくれませんか。近くにあるお花畑で、摘んできたんです」
「ありがたく頂戴しよう」
この仕事をしていると礼をもらうことが多々ある。それにしてもきれいな花だ。綺麗な朱だ。ポインチセアという名前らしい。
「カァ、救助要請!カァ救助要請!」
「分かったすぐ向かう」
「それでは」
「は、はい今日はありがとうございました」
大きく一礼をする。だが、そのときにはもう彼はいないのだ。
(救助要請間に合うといいが)
救助要請もすべて受けることはできないが、それでも数多くの救助要請に応えた。
そのお陰で、冨岡がきたから大丈夫だ。といわれるほどには。
それ以外にも道端であった鬼も切ったりと。だが、夜の間走り回ってるというのに傷がつかないことから、本当に人間か疑われるほどになった。
今宵もそうだった。
「今宵の任務は、これで終わりだ。このあとは隠に任せよう」
「は、はい!」
(十二鬼月も倒すなんて、噂通りすごい人ね冨岡さん!)
他のものと任務に当たることも多くなった。だが、前よりも感情が豊かになり、言葉も多くなったことで誤解をまねくことも少なくなった。
これは、《《一周目の人生》》で、穏やかに暮らすことができたからだ。
「あ、あのこのあとって」
「夜明けが近いからな。予定はないが」
「なら、一緒に食事などどうでしょうか?」
「ぜひ、一緒させてくれ」
いろんな隊士との交流は大事だ。だが、夜明け直前でもないとこの手の誘いは受けられないのだが。今宵は運が良かった。
「では、この近くの定食屋にいきましょう」
「わかった」
短く返事をすると、その女性隊士はにこやかに笑う。定食屋に、むかう最中にも何気ない世間話をする。
「いっらしゃいませ!」
女将の元気な声が聞こえる。他の客は居ないようだ。朝早いからだろう。
「千代さん。すみませんこんな時間に」
「いいのよ!あら、そちらの方は」
「佐藤と同僚の冨岡だ。腹が減ってしまってな」
「あら!そうなのね。座って座ってたくさん作るわよ」
「礼をいう」
この店にはあるだろうか。そんなことを思いながらお品書きを見る。
鮭大根がある。するとにっこと笑顔になる。一応《《二週目》》になってからそれなりの笑顔は見せるようにしている。
だが、こんなにも満面の笑みに驚きながら、あっははと佐藤は声を漏らしながら笑う。
佐藤は密かに冨岡さんのことを慕っているのだが、相手は一般隊士のなかでも優れており、柱になるのも時間の問題だと言われている。そんな冨岡さんと一緒に食事ができるなんて。
この時期の冨岡は本人は気づいていないのだが、いろんな人に慕っているのだ。
鮭大根とうどんがくると、二人はものすごい早さで完食した。
だいたいの隊士がそうなのだが、いつ鬼が現れるかわからないので食べる早さは必然と早くなるのだ。
「ありがとう。旨かったまたきてもいいか」
「いつでもいらっしゃい!」
「冨岡さん。お代私が払いますから」
「いい。そういえば階級が上がったそうじゃないか。その祝いだとでも思ってくれ」
「ありがとうございます!」
そして、店をでる。噂で聞いていた天上人。この人は噂で聞いた通り優しい。こんな一人の隊士の出世ですら知ってるとは。
このあと一緒に帰れますかときいたが、いそがしいそうだ。さすがに一緒に帰れたりはしないか。すこし、残念だが仕方がない。また、会えるといいな。
このあと同期に自慢してしまいそうだ。
「寛三郎どうした?」
「冨岡義勇、産屋敷ニクルヨウニカァ!カァ!」
もうきたのかでも、早くはないか確かに前よりも少しばかり鬼を倒したがまだ、十二鬼月は倒していないはずだ。だが、早いに越したことはない。
「わかった。すぐに向かう」
---
隠によって親方様のいる屋敷。産屋敷まで来た。いつ来ても、安心するような空気。何度も来たことがある道を進んでいく。部屋の前につくと、そこに親方様は座っていた。
「親方様。今回はどのようなご用件で」
「義勇突然の申し出ですまないね。今回義勇を呼んだのは、義勇を次期柱にしようと思って。今の水柱は、高齢で引退を考えているからね」
「慎んでお受けいたします」
この話を出されたら、受けると決めていたのだ。《《一周目》》のように迷わないのだ。だが、気になることはあった。
「ですが、親方様。私は十二鬼月を倒してはいません」
「そのことだけどね。義勇君は先日の任務でもう倒しているんだよ」
はて、そんな厄介な鬼はいただろうか?覚えがないのだ。だが、倒したということはそういうことだろう。
「それではこれで失礼します」
「うん、これからよろしく頼むよ水柱冨岡義勇」
本来の歴史だと、早すぎる柱就任だ。もちろん迷わなかったわけではないが、近くにある命を救いたい。その一心で歴史を変えたのだ。この先この弊害があるかもしれないが、そのときはそのときだ。
そう思いながら、今宵も任務へと行く。
        
            次回は、胡蝶姉妹登場かな?ちなみにまだ、宇随さんは柱になっていません。