ここは惑星、エデノペクト。
この星には、大人は存在しない。正しくは、子供のまま、成長が止まっている。
この星には宇宙を守るための警察署がある。 そこの司令官、マサトは個性豊かな部下に振り回されながら、宇宙の平和を守るために部下とともに奔走する宇宙人ファンタジー。
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目次
第一話 部下ファイル1ーマナー
第一話登場人物紹介
マサト
エデノペクトの宇宙警察署の司令官。見た目は十代だが、2000年以上生きている。
皆からは「冷酷非道の司令」と呼ばれている。
髪はロングで、一つにくくっている。
宇宙数学が好きで、いつも数学の本を読んでいる。
能力は「どんな時でも正しい答えを導ける。」
マナ
新人警官。マサトの部下になることになった少女。
クールな瞳の奥には彼女の強い決意が宿っている。
能力は第二話にて公開。
私はマサト、ここ、エデノペクトの宇宙警察署で司令官をしている。
私は今日も、指令室にて静かな時を過ごしている。宇宙数学はやはり奥が深い。
その時、警官の一人が入ってきた。
頭についた触手が揺れた。
「マサト指令、今日は新しくマサト組に配属される新人警官が来ています!」
警察署では、新人警官のまとめ役というものがいて、私もその一人なのだが、今のところ部下にはやめられてしまい、部下は他のまとめ役と比べ、かなり少ないという有様だ。
私は宇宙数学の本を閉じ、
「そうか。すぐに済ませてくれ、私は部下など興味は無いからな。」
と静かに返事をした。
「流石、警察署でも冷酷と恐れられるマサト司令ですね」
今回の部下も、前の部下と同じように、どうせすぐにやめてしまうのだろう・・・
すると、一人の少女が入ってきた。
元気のある外はねの赤髪、気の強そうな瞳、でもどこか優しそうで、何か大きなものを背負っているようだった。
「では、名を聞かせてもらおうか。」
彼女は元気よく言った。
「マナです!よろしくお願いします!」 宇宙の星にも負けないくらいの、キラキラした星のような瞳がマサトを見つめる。
「あ、ああ、マサトだ。よろしく頼む・・・」
キラキラした瞳に圧倒されたのか、私の声は途切れ途切れになってしまった。
彼女、マナは私の机を見つめる。
「マサトさんって、クールでいいですね!私は数学は苦手なので・・・」
そんなことを言われたのは初めてだった。
その時、司令室のサイレンが鳴った。
『エデノペクトより、密売人のアジトを特定! 捜査員を向かわせてください!
場所は・・・』
モニターに薄暗い建物が映し出された。 ここだろう。
「おおー!仕事ですか!?私行ってもいいですか?」
「新人を行かせる訳にはいかない。」
そう言ったのにも関わらず、マナはめげずに、
「そこを何とか!!それに、ここでなら私の能力が生かせると思うんです!」
すると、私の心は言った。『マナを行かせるのは正しい判断だ』
エデノペクト星人は、誰もが超能力に似た特殊な能力を持っている。
私の場合は、「どんな時でも正しい答えを導ける」というものだ。
私は、私の答えを、彼女を信じようと思った。
「仕方がない、他の部下たちとともに向かってくれ」
「りょーかい!」
マナは勢いよく部屋を出ていった。
「さて、一仕事するか」
一人残された私は、司令室のモニターに向き直った。
二話に続く・・・
次回予告
マナの初めての任務にて、マナの能力が明かされる!
新キャラも登場予定です!
第二話 マナの初めての仕事と新たな仲間
第二話登場人物紹介
マサト
エデノペクトの宇宙警察署の司令官。
部下は他の人に比べて少ない。
能力は「どんな時でも正しい答えを導ける」
マナ
新人警官。上司のマサトやこれから登場する個性豊かな同僚たちとともに
事件に挑んでいく。
ヨシキ
マサトの部下。マナの先輩で通称ユーフォー警官と呼ばれる職に就いている。
自分大好き。能力は順次公開。
キョウ
マサトの部下。ヨシキと同じくユーフォー警官。穏やかな性格で、ヨシキといつも
行動を共にする。能力は順次公開。
~マナ視点~
私はマサトさんの他の部下、つまりは私の先輩達が待っているところへ向かった。
うう~、やっぱり緊張するなぁ
マサトさんが指定した待ち合わせ場所に行くと、二人の男の子が立っていた。
一人は緑色の髪の、穏やかそうな男の子、
もう一人は、橙色にピンクなどの明るい色が混ざった、お調子者っぽい男の子。
「おっ、やっと来たか」
「焦らなくてもいいよ、ヨシキ、せかさないでよ」
「はあ?イケメンな俺に口答えするのかぁ?」
二人の掛け合いが面白くて、私はくすっと笑った。
すると、お調子者っぽい男の子が、
「俺はヨシキだ。 俺の横にいるのがキョウだ。よろしくな! そういえばお前は?」
「ヨシキ、そんな聞き方じゃ良くないよ、ごめんね、こいつこんなんで」
「はああーーー?」
怒りそうになるヨシキを横目に、私は二人に自己紹介をした。
「私はマナ、ヨシキ、キョウ、よろしく」
「よし、じゃあ行くかあ!キョウ、アレ出してくれ!」
「アレって何?」
答えを聞くまでもなく、キョウは大きなユーフォーを私たちの前に瞬間移動させた。
見たところ、四人乗りのユーフォーだった。
翼があり、てっぺんにはサイレンがついていた。
「マナさん、乗って」
キョウが手招きするので、私はユーフォーの後ろの席に乗った。
「もしかして、二人って・・・」
「お察しの通り、俺たちはユーフォー警官だ!」
いつの間にか操縦席に乗っていたヨシキが自慢げに答える。
ユーフォー警官、聞いたことがある。 ユーフォーに乗って、宇宙を探索したり、犯人を追いかけたりするという。
「よっしゃあ、いっくぞぉーー!!」
ヨシキは頭にのせていたサングラスを目にかけ、発車ボタンを押した。
その瞬間、
「きゃあああーー!」
すごい速さでユーフォーは前進し、警察署を出発した。
なんて速さなんだろう、これに二人は毎日乗っているの!?
「ねえ、キョウ、ユーフォーってこんなに速いんだね」
私が話しかけると、彼は助手席から首をこちらに向け、
「まあ、最新式ってのもあるけど、ヨシキの運転だからね・・・」
あきれ交じりにそう言い、穏やかに笑った。
マナ一行はアジトに到着していた。
「よーし!ついたぜ! 気味の悪りい廃墟だなぁ」
私たちはユーフォーを降り、地面に足をつけた。
私はレーザー銃を構え、二人の後を追う。
「気を付けて、何が出るかわからないよ。」
キョウの言葉に、私はうなづき、廃墟のドアを開けた。
「警察だ! 観念しろ! イケメンヨシキ様の前にひれ伏せ!」
中には・・・ 誰もいなかった。
ヨシキの叫びは建物内に虚しく響いた。
すると、私たちの視界が急に暗くなった。
ギギーー、バタン!!
「なっ!?」
「何!?」
「ドアが閉められたみたい!」
私たちが焦っていると、上の方から声がした。
「ふははは、来たか、サツ共!」
降りてきたのは、ヤクザ達(見た目は十代)だった。
「キョウ、お前の能力でこいつら全員倒せないか?」
「それじゃ僕らも巻き込んじゃうでしょ」
「話している暇があるのかぁ?」
彼らはヨシキとキョウに向かって攻撃を繰り出した。
「ぐっ・・・!」
二人は不意打ちを食らい、地面に倒れた。
「二人共! 大丈夫!?」
ヤクザは私達よりはるかに数も多い。 だけど・・・
ここでならっ!
私はレーザー銃で建物の照明を撃った。
すると、周りは暗闇に包まれた。
「何やってんだよ!」
「何も見えねえぞ!」
敵味方構わず皆が焦っている中、マナは
(怖いけど、やってみよう!)
私は集団の一人の後ろに回り込み、手刀を入れた。
一人が倒れたのを確認すると、私は慌てる彼らにレーザー銃を撃ち、気絶させていく。
彼らは見えていないらしく、やみくもに殴る、蹴るの動作をしている。
マナはあっという間に敵を気絶させていく。
「私の能力はね、『暗闇の中でも目が見える』なの! 観念なさい!」
彼女は勝利を確信した。
が、ボスらしきヤクザが、マナの腕をつかんだ瞬間、彼女は地面に這いつくばっていた。
「きゃっ!?」
彼女は振り払おうとするが、びくともしない。
「観念しろ、だあ?こっちのセリフだ!」
どうしよう、このままじゃ、私の目標が、費える・・・
拳がマナの顔に当たる瞬間、
「助けに来たぞ!」
その声と同時に、警官たちがドアを突き破り、入ってきた。
突然の出来事に、マナは唖然としていた。
だが、ヤクザが彼らに気を取られた瞬間、銃を撃って抜け出すことができた。
ヨシキとキョウも、起き上がって、彼らとヤクザの連行を手伝う。
そして私達は、彼らの取り押さえに成功した。
そして、帰り道の事、
「結局、あの警官たちを呼んだのは誰だったんだろうね」
キョウはポツリとそういった。
「確かに、どうしてあのタイミングで」
「実はな、倒れてた時、同僚に助けを求めていたんだ、流石は俺♪」
「「ええーーー!!!」」
「君も案外有能だね!」
「ありがとう、ヨシキ! おかげで助かったわ!」
「へへ、もっと褒めろよぉ~」
宇宙の夕日が、三人を包んでいた。
こうして、マナの初仕事は完了した。
次回予告
またもやトラブル発生!?
そしてマナとの関係の深い人物が登場!
マナの過去が明かされる!