ロボットが支配する世界。
人間はロボットの玩具となり、飼いならされ、殺される。
そんな人間の生き残りのアカとアオは、脱出ゲームに参加することに!?
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目次
脱出少女
下は奈落。そんな空間に、数々の島が浮かんでいる。
そんな島の合間を、ガラスの線路が繋いでいる。
そのガラスの線路の上に、1台の汽車が通っていた。
その汽車の窓から、フードをかぶった者が2人座っているのが見えた。
「…ねぇ、アオ。本当に行くの?」>
そのうちの1人が、口を開いた。すると、間を置かずに、もう1人が言った。
<「行くしかないだろ。仇のためだ。分かってくれ、アカ」
「そう…だよね。あとどのくらいで着く?」>
<「あと5分くらいだな。」
そんな会話をしている2人の横に、駅員が通りかかった。
<「【駅員】キップ ダシテ クダサイ 。」
<「…」
アオは黙って、切符を2つ渡した。張り詰めた空気でいっぱいになる。
<「【駅員】アリガトウ ゴザイマシタ 。」
駅員は、機械音をたてながらお辞儀をし、別の席へと進んで行く。
そう、ここはロボットが支配している世界。アカとアオは、人間の生き残りだ。
遺伝子の変換で、皮膚の色は変わってしまったが、色素以外の変わりはない。
この世界で、人間はロボットの玩具。飼いならされたり、奴隷にされたりさせられる。
だから、アカとアオは人間ということがバレてはいけない。
**「次は、トイゲーム。次はトイゲーム」**
無機質なアナウンスが聞こえた。
決心したように、アオが立ち上がる。怖がるアカの手を引きながら、出口へと向かう。
駅は、ただコンクリートの地面と鉄の屋根があるだけで、かなり殺風景だった。
アオとアカは、手を繋いで、その島の中を歩んでいった。