謎の人物から『オモチャランド団体チケット』をもらったカラフルピーチは、全員でオモチャランドに遊びに行くことに。
偶然にもいんく、日常組、我々だ、ドズル社もチケットをもらって遊びに来ていた。
ところが、突然支配人やおもちゃ達が豹変!
オモチャランドに閉じ込められてしまったメンバー達は、パーク内で出会った少女達と共に脱出を目指す。
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目次
story1 オモチャランドへようこそ
ある日の朝。
カラフルピーチのじゃぱぱ(本名|竜王大和《りゅうおうやまと》)宛に、ファンレターが届いた。
『いつも動画拝見させて頂いてます!
いきなりですが、じゃぱぱさんは“オモチャランド”って遊園地知ってますか?
福引で団体チケットを当てたんですが、今俺一人暮らし中で、使うことないんですよ。
せっかくなので、カラフルピーチの皆さんで行ってみてはどうでしょう?
チケットがあれば何人でも入れるみたいですし、ストレス発散になるかもしれません!』
ファンレターは匿名で送られてきた。一人称が『俺』のあたり、男性だろう。
大和「オモチャランドかぁ・・・」
動画投稿日まであと一週間はある。
メンバー達にLINEしても、満場一致で『行きたい』と返ってきた。
るな(本名|水野瑠奈《みずのるな》)も明日は大学創立記念日で休みだという。
大和「明日行ってみるか!」
大和はファンレターに同封されていたチケットを見ながら、記載されていた電話番号に電話をかけた。
翌日。
大和達は外に出て、電話で言われた場所で待機。
時間が来て、カラフルなバスが待機場所にやってきた。
大和「すげぇ・・・」
乃愛「いかにも子供が好きそうなデザインですね・・・」
のあ(本名|百井乃愛《ももいのあ》)が若干引きながらもまじまじと眺めている。
バスから恐ろしい程美人なバスガイドが降りてきて、乗るように促した。
大和「ん・・・?あ!日常組さんといんくのみんな⁉︎」
絵斗「じゃぱぱさん⁉︎カラフルピーチの皆さんも来てたんですか⁉︎」
隼人「すごい偶然ですね!」
日常組のぺいんと(本名|天野絵斗《あまのかいと》)と、いんくのふうはや(|風峰隼人《かざみねはやと》)も気づき、驚いた顔でみんなを見た。
バスガイド「皆様、本日はオモチャランドの招待を受けていただき、誠にありがとうございます。私はバスガイドのジェニーと申します」
バスガイド・ジェニーの案内が始まり、バスの扉が閉まる。
カラフルピーチ・日常組・いんくを乗せたバスは出発した。
ジェニー「それではオモチャランドに着くまで、オモチャランドについての説明をさせていただきます。オモチャランドは、大人も子供もみんな、子供の気分になって楽しくおもちゃで遊んで欲しい!という支配人の強い思いから生まれたテーマパークです。ランド内は8つのエリアに分かれており____」
説明を聞いているうちに、いつの間にかバスはオモチャランドに到着していた。
バスから降りた20人は、さらに驚いた。
大和「ドズルさん⁉︎それにグルッペンさんも・・・!」
重毅「じゃぱぱさん!」
グルッペン「ドズル社だけじゃなかったんか・・・」
元我々だとドズル社のメンバー達が、もう一つのバスから降りてきたのだ。
大和「なんでオモチャランドに・・・⁉︎」
重毅「リスナーの方が団体チケットを送ってくれたんですよ。おらふくんも両親の容態が落ち着いたみたいなので」
グルッペン「同じく。コネシマ宛に匿名でチケットが届いてな、久しぶりに元メンバー全員集まって旅行しようという話になったんや」
隼人「俺達もそう!誰かからチケットが届いて」
絵斗「全く同じ!クロノアさんにプレゼントが届いてて、中身がチケットだったんすよ」
なんと、大和・隼人・絵斗・グルッペン・ドズル(本名|前田重毅《まえだしげき》)の5人全員が、匿名で送られてきたチケットを使ったらしい。
違和感だらけの招待状。よくわからないが、オモチャランドは面白そうだ。
素直に一日楽しむことにした。
story2 遊園地と恐怖の支配人
エリアは全部で8つ。
人形シティ、ぬいぐるみの森、ミニカーサーキット、つみきの住宅街、カードスタジアム、城下町、クラフト工房、パズルスタジオで構成され、中心に地球儀の模型がある。某テーマパークのように回っているわけではないが。
目一杯オモチャランドを楽しんだ一同。
あたりはすっかり暗くなり、そろそろ帰ろうという話になった。
それぞれチケットを手に、入り口に向かう。
入り口には支配人と思われる人物が立っていた。
大和「支配人さん・・・ですか?」
支配人「はい。私はこのオモチャランドの支配人の“アソビ男爵”です。もしや、もうお帰りになられるのですか?」
大和「はい。みんな仕事ありますし」
アソビ男爵「そうですか。・・・楽しいのはこれからだというのに」
支配人は残念そうに呟いた。
絵斗「これから・・・?どういうことですか?」
アソビ男爵「皆様、知っておられないのですか?ここのオモチャ達は、日が沈むと“`魂が宿る`”のです」
大和「“魂が宿る”・・・?」
アソビ男爵「どちらにせよ・・・オモチャランドに夜まで残ってしまったからには、帰すわけにはいかないのですよ」
支配人は被っていたフードを脱ぎ捨てた。
フードの下からピエロの仮面が現れ、大きなナタを持って襲いかかってきた!
一同はたちまち大パニックになった。支配人は出入り口を閉ざし、管理部屋に戻っていった。
つまり・・・メンバー達全員、オモチャランドに閉じ込められてしまったのだ。
支配人から逃れた40人は、エリアごとに5人ずつに分かれて、遊園地を出る為の手掛かりを探しに行くことに。
以下、メンバー構成である。
人形シティエリア
じゃぱぱ・るな・おおはらMEN・トントン・ぺいんと
ぬいぐるみの森エリア
のあ・なおきり・グルッペン・ショッピ・ふうはや
ミニカーサーキットエリア
たっつん・もふ・コネシマ・チーノ・クロノア
つみきの住宅街エリア
ゆあん・ヒロ・ロボロ・エーミール・りもこん
カードスタジアムエリア
シヴァ・ドズル・シャオロン・しんぺい神・しにがみ
城下町エリア
どぬく・ぼんじゅうる・ゾム・レパロウ・しゅうと
お絵描きエリア
うり・おんりー・鬱先生・ひとらんらん・トラゾー
パズルスタジオエリア
えと・おらふくん・オスマン・兄さん・かざね
意外とあっさりメンバーは決まり、探索を開始した。
area1 人形シティ 探索編
〜人形シティエリア〜
人形シティにやってきた5人を、とんでもない数の人形が出迎えた。
フランス人形、マトリョーシカ、ハワイ人形などの外国の人形や、着せ替え人形などの日本の人形があちこちに置かれている。
これが普通の人形ならまだマシだっただろう。だが、この人形達は`等身大`である。
つまり、自分たちと同じ大きさの人形がずらりと並んでいるのだ。
不気味でしかない。
大和「夜だからかすごい怖く見える・・・」
瑠奈「昼は可愛かったのに・・・こんなに変わるんですね」
人形シティエリアに来たメンバーは、大和、瑠奈、おおはらMEN(|大原大司《おおはらたいし》)、トントン(|桃瀬豚平《ももせとんぺい》)、絵斗の5人。
絵斗「本当に帰れんのかな・・・」
豚平「帰れんかったらまずいやろ。仕事もあんのに」
5人で話しながら町を歩いていると、
**ゴーン!ゴーン!**
大きな時計の音が聞こえてきた。どうやら町の真ん中にあるタワーから音が鳴ったようだ。
気がつくと日も沈みきっている。
大司「なんすか・・・?」
完全に太陽が見えなくなった途端、人形達が一斉に5人を向いた。そして、カチャカチャと音を立てながらこちらに向かってくる!
大和「うわあああああああ⁉︎」
瑠奈「いやあああああ‼︎」
絵斗「どわあああああああああ⁉︎」
大司「おわああああああ‼︎」
豚平「ぎゃああああああああああ⁉︎」
5人は悲鳴をあげて逃げ出した。
人形達はすごい速さで追ってくる。そりゃあもうほんとにオモチャなのかと疑うくらいの恐ろしい形相で。
やっとのことで人形達を撒いた。人形達はしつこく探し回っている。
大和「なんだあれ・・・⁉︎」
絵斗「魂が宿るって、あれのこと・・・?」
豚平「でもまぁ、辻褄は合うな」
瑠奈「すごい怖いです・・・」
大司「・・・あっ、これ見てください」
ずっとスマホをいじっていた大司は、その画面を4人に見せた。
そこに映っていたのは、『オモチャランドでまたしても神隠し』というネットニュースのタイトルだった。
大司「あの人形達、この事件に何か関わってるかもしれないっすね」
絵斗「じゃあ、俺達もその“神隠し”に巻き込まれた・・・?」
大和「可能性は高いよね」
瑠奈「なら、早くここから出なきゃですよ!」
豚平「まぁせやな。隠れながら移動するか」
area1 人形シティ 救出編
探索を進めると、学校のような場所にたどり着いた。
絵斗「俺こっちの教室行きます!」
大和「じゃ俺はこっちを!」
瑠奈「るなここの部屋見てきます!」
大司「じゃ俺、トントンさんと2階見てきますわ」
豚平「人形達に見つからんよう気ぃつけてくださいね」
(ここからは絵斗中心視点で物語を進めて行く。)
教室に人形はいない。今のうちだ。
絵斗は教室に入り、机や後ろの戸棚を漁った。
探しているうちに、セットとして用意されていたハリボテの本の中に、何かが挟まっているのを見つけたのだ。
絵斗「これ・・・何?『浮雲由宇を捕獲。始末しろ』・・・?浮雲由宇って誰だ?」
その時、絵斗の後ろのロッカーから音がした。
絵斗「え⁉︎何⁉︎」
人形かもしれない。恐る恐る扉を開けて中を見てみると、中に女の子が!慌てて女の子をロッカーから出し、口に貼られていたガムテープを取り、手を縛っていたロープも切った。
絵斗「大丈夫⁉︎」
女の子「ありがとうございます・・・っ!」
女の子は涙目でにっこり笑った。その顔に、絵斗の顔が熱くなってしまう。
絵斗「あ、あの・・・君は?」
由宇「私、|浮雲由宇《うきぐもゆう》って言います。2日前くらいからここに閉じ込められてて・・・」
絵斗「2日前⁉︎そんな前からここにいたの⁉︎」
由宇「はい」
絵斗「立てる?急いでここから逃げよう!」
由宇「はい!」
絵斗は由宇の手を引き、教室を飛び出した。
由宇のことを意識してしまう絵斗は、顔を見られたくない一心でひたすらに走った。
絵斗「じゃぱさーん!みんなー!」
大和「ぺいんとさん!」
探索を終えて先に玄関に戻っていたメンバー達と合流し、教室にあったメモのことを話した。
瑠奈「それで・・・その子が浮雲由宇さん、ですか?」
絵斗「あ、うん。由宇ちゃん」
由宇「はい。・・・私は浮雲由宇といいます。この学校の教室内にあるロッカーに捕まってました」
豚平「ロッカーに?狭かったんちゃうん?」
由宇「はい。こちらの方が助けてくださったんです」
大司「俺らも名前言った方がいいんじゃないすかね」
大和「いやーでも本名出しちゃうのはなぁ」
由宇「あ、大丈夫です。youtubeやってる方ですよね?声でわかります。本名ネットでバラしたりしないので」
由宇の言葉で決心がつき、5人は本名を教えた。
〜おまけ〜
大和「ねね、ぺいんとさん!もしかして、__由宇さんのこと好きだったりします?__」
絵斗「__え⁉︎なんでバレてんの⁉︎__」
area1 人形シティ 解決編
瑠奈「あの・・・由宇ちゃんはなんで捕まってたんですか?」
由宇「この遊園地の秘密を知ってしまったから、だと思います・・・。この遊園地の支配人はアソビ男爵ではありません。本物の支配人はかなり前に亡くなってるんです」
大司「じゃなんで入れたんすかね・・・?」
由宇「アソビ男爵は人間ですが、人ならざる特徴を持っています。`命のないものに命を宿らせる`ことができるんです。ここにあるオモチャ達は、みんな魂を吹き込まれることで動いています。多くの魂を集めるため、遊園地を開放して迷い込んだ人間を閉じ込め、オモチャ達に殺害させているんです」
豚平「うお、こっわ・・・。じゃ俺ら殺されるやん」
由宇「そういうことになります・・・。でも、解決策はあります」
絵斗「え⁉︎まじ⁉︎」
由宇「はい。ここから生きて脱出する方法はただ一つ」
「`各エリア内に存在するボスを倒すこと`、です」
大和「ボス・・・?」
由宇「はい。この遊園地の各エリアに、暗殺者・・・ボスがいるんです。他のオモチャ達は人を殺せませんが、ボスだけは人を殺せるんです。つまりそのボスを倒せば、生きて帰れるんですよ」
大司「ボスの正体わかってるんすか?」
由宇「はい、捕まる前に姿を見たので。ここのボスは`メリーさん`です」
大和は息を呑んだ。二度戦ったことがある、かなり厄介な敵だ。
豚平「メリーさんって、あの都市伝説の怪異やろ・・・?」
絵斗「由宇ちゃん、最後にメリーさんを見たところに連れてって!」
由宇「もちろん!こっちです!」
追いかけてくる人形を振り切って、6人は一際大きなビルに着いた。
由宇「ここでメリーさんが人間を殺してるのを見たんです。『人形が壊されない限り、こいつは無敵だな』って誰かが言ってたのも覚えてます」
絵斗「つまり、人形をぶっ壊しちゃえばいいんだ」
豚平「このビル内に人形があると見て良さそうやな」
6人がビル内に入ったその時、勢いよく扉がしまった!
大司「マジか、開きませんわ!」
瑠奈「じゃあ、るな達・・・ここに閉じ込められちゃったんですか⁉︎」
絵斗「多分そうだよ・・・。どうにかしてメリーさんを倒して、ここから脱出しないと!」
大和「ねえ、これ見て!さっきそこに落ちてたんだけど!」
それは、誰かが残した日記だった。
内容を抜粋すると、
『この日記を書いた人は亡くなっている』『メリーさんの人形はどこかのチェストに入っている』『メリーさん以外の人形はあちこちにある聖水で倒せる』
ということだった。
由宇「これをヒントに、メリーさんの人形を探すんですね」
大和「そうみたいだね。まずは6人いるし、2人ずつに分けよう」