いよわさん作曲「きゅうくらりん」の二次創作作品となります!
大学2年生の唯は、重い鬱を患っていた。
毎朝起きるだけでも苦痛な唯は「幸せ」を手に入れる事は出来るのだろうか。
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目次
わたしきゅうくらりん
朝起きる理由がない気持ちが分かる人はどのくらいいるだろうか。
ジリリリリリ・・・
アナログの目覚まし時計が、うるさく鳴いた。
唯はボーっとそれを見た。
「・・・朝」
ベッドの横の窓から、朝日が漏れる。光が、唯の顔を優しく照らす。
その光を避けるように、少し寝返りをうつ。
(今日、起きる理由・・・)
唯はそれについて考えたが、なかなか出てこない。しょうがなく、もう一度寝る事にした。瞼を閉じ、いざ考えるのをやめようとした時、携帯がなった。
「・・・何・・・」
画面をタップして、メールの画面にいく。そこには、先輩の文字。唯が密かに思いを寄せる、憧れの先輩であった。
【先輩】
今日遊ばない?(^^)
何時からでも良いよ~
「・・・先輩!」
起きる理由が、見つかった。
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鏡と向き合い、身だしなみを整える。花のヘアピンを両側に3つ、合計6つ付ける。小さな頃から大学に入るまでずっと使い続けてきた、とても大事なものだった。
一人暮らしとなった今では、親からのプレゼントであるこれはとても思い入れの深いものになった。
しっかり身だしなみを整え、唯は待ち合わせの場所へ向かった。
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「先輩!」
「唯ちゃん、ごめんね、遅れちゃった・・・」
「いえ、大丈夫です、それより、早く行きましょう!」
唯は自分の事で先輩が落ち込むのが、一番嫌いだった。
それから、日が暮れるまで遊んだ。映画館に行ったり、ファミレスで昼食を食べたりと、いつもは出来ないような遊びをし、唯は暖かい気持ちで満たされた。
帰ってきたあと、唯は一人暗い部屋で「私はきゅうくらりん」と呟いた。
どうもヤナギですーーーー!
えっと、今回初めて二次創作してみました!
おかしな所、いろいろあるかと思いますが、暖かい目で見てくださーい!
それでは~^^ / by by!
わたしぎゅうぐらりん
先輩と遊んだ次の日、唯は一人部屋にいた。
ベッドに横になり、天井を見つめる。
今日は大学があるのだが、行く気になれない。
なぜなら、唯は大学でいじめにあっているからだ。
「あの子がいる場所に、行きたくない・・・」
いじめの原因は先輩だった。勉強ができるだけでなく、スポーツもでき、しかも思いやりのある先輩は唯だけでなく、たくさんの人に人気があり、先輩と仲良くしていた所、逆恨みされたのだ。
「私なんかが一緒に居ていい人じゃないのは分かってる・・・」
でも、一緒にいたい。
それが恋心というものなのだろう。しかし唯はその感情を嫌っていた。
先輩を巻き込みたくない。
そんな気持ちが強かった。唯はとにかく先輩が自分のせいで嫌な気持ちになるのが嫌だった。
大学で一人ぼっちだった唯に、優しく声をかけてくれたのは先輩だった。先輩が入っているサークルに誘ってくれたのも先輩だった。暇なとき、「遊ぼう」と誘ってくれたのも先輩で、そのほかにも・・・
「ずっと、先輩」
今まで頑張れたのは、ずっと先輩のおかげだった。だからこそ、先輩には嫌な気持ちになってほしくなくて、幸せを願って・・・
「・・・・・」
ふと、横を見ると、窓の外の青い空には、大きな虹が架かっていた。でも、唯にはくすんで見えた。
綺麗、と思いたくても、世界が灰色に見える。
どれほど憧れても、手に入らない苦しみ。
ああ、辛いな。
そんな事を考えながら、唯は「私ぎゅうぐらりん」と呟いた。
ども!ヤナギです~!
てなわけで、きゅうくらりん第2話、書き終えました!!!
はい、どんどん病んでいってますね^^
えーと、予定では次回が最終話かな~っと思ってたりしてます。予定ですけどね!
今までで一番頑張ってます!ヤナギの小説はもういっそ読まなくていいので(オイ)、これのモデル?であるいよわさん作、「きゅうくらりん」だけでも聞いてみてください!!!
中毒性が凄くて、一度聞くともう離れなくなりますから!
それでは、この辺りまた次回だ~!
わたしちゅうぶらりん
いまだに視界はくすみ、灰色に染まっている。
『あんたもう終わりなんじゃない?』
あの子に言われたあの言葉を思い出す。
あの子の言う通り、終わりなのかもしれない。
無気力になり、ボーっと部屋の角を眺めていると、インターホンのチャイムが鳴った。
「・・・誰・・・」
唯はのそり、とベッドを出た。
ガチャ
「え・・・?」
ドアを開けると、そこには予想外の人物がいた。
「唯ちゃん、おはよう」
「先輩?!」
そこには、ひらり、と手を振る先輩の姿があった。
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急いで出した客用の座布団に先輩を座らせる。軽く「ありがと」と言うと先輩は背筋を伸ばした。それにつられて唯の背筋も伸びる。
「単刀直入に言うね」
先輩の顔が真剣になる。
「先生から・・・鬱の事聞いたんだ・・・」
「・・・そう、ですか・・・」
唯は不安だった。この事を知ったら先輩は心配するのでは、と。
いや、心配するに決まっている。そんな事望んでいない。絶対に嫌だ。
「それと・・・唯ちゃん、学校来ない理由ってさ・・・」
「彼女達、だよね?」
「あ・・・」
ことごとく、全てがばれていく。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
「あ、で、でも、大丈夫です。私、大学元からそんなに好きじゃないし・・・」
絶望の中、声を絞り出す。頭が回らない・・・
「僕のせいだよね。ごめんね、ごめん・・・」
「違います!違うから・・・謝らないで下さい・・・ほら・・・っ!?」
何とか落ち着かせようと、話しかけた途端、先輩が急に抱きついてきた。
「は・・・?!」
「ごめん、言うのは今じゃないのは分かってる、でも・・・」
先輩は、大きく息を吸う。
「好きだ」
「・・・・え・・・・」
唯の顔が熱くなる。徐々に目も熱くなり、目から水が溢れ出した。
「私も・・・大好きです・・・っっ!」
気づいた時には口にしていた。先輩の背中に手を回す。
「・・・嬉しい・・・ありがとう・・・」
お互いに抱き合いながら、先輩は話しだした。
「君の鬱も、いじめの事も、全部抱えるから。でも、それは僕にとって苦痛じゃないから。お互いに助け合う事が、僕にとっての幸せだから」
先輩は、ゆっくりと、でも力強く説明した。唯は感情でぐちゃぐちゃになりながら「はい・・・」と答えた。
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あれから少しして、先輩は帰った。
唯はベッドに腰かけ、ボーっと部屋の角を見つめた。
これで良かったのだろうか。
考えても考えても答えは出ない。ただ、この幸せを失うのが、辛く、とても怖い。
この幸せを全部無駄にしたら、愛した罰を受けないといけないな・・・
でも・・・酷く優しい先輩の胸で、あんな風に泣けるだろうか。
全部夢なのでは?
もし夢なのなら・・・
「幸せな夢、だったな・・・」
明日が怖い。あの子が怖い。全部怖い。
怖い。怖い。怖い。
もし、この恐怖を、苦しみを、全部消し去る魔法があるとすれば・・・?
どんなペナルティがあっても、自分は使うだろう。
「ありがとう、先輩」
「わたし、ちゅうぶらりん」
それだけ言い残し、唯は宙に浮いた。
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それから、大学に唯が行くことはなく、先輩の前にも姿を現す事はなかった。
きゅくらりん・終
ども!ヤナギでぇす!
失踪することなく終われました!やったー!!
てなわけで、きゅくらりんは完結なんですが、是非いよわさん作「きゅうくらりん」聞いてみて下さい!お願い!神曲だから!
まあ、きゅうくらりんを今まで見てくれた方々、本当にありがとうございます!
もう自己満足で書いてるだけのものを見てくれてる、っていうのが、もう・・・ありがたいものです・・・
えーと、これからもちょいちょい書いていくつもりなので、よろしくお願いします!
ではでは~^^ /
きゅうくらりん その後
神様はなぜ僕らを見捨てるのだろうか。
目の前には冷たくなった恋人がいた。
僕のせいだ
僕があの日、彼女の家に行ったから。
僕が殺した
僕が自分の気持ちを言ったから。
僕が彼女を消した。
葬式で骨になった彼女を見たとき、涙が溢れた。彼女の家族も泣いていた。
ああ、愛されていたんだなぁ。自分はまったく愛されずに生きてきたから、少し羨ましい。
僕は泣きながら骨を集めた。
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葬式が終わったあと、家に帰る前に店に寄って、ロープを買った。
恋人を失った僕に残るものは、何もない。
家族は僕を必要としてないし、最愛の人も失った。
生きる理由も失った。
「・・・」
ロープをそっと首に掛ける。
そして、僕は思い切り自分の乗っている椅子を蹴った。
きゅくらりん終わりと言いながら、また考えてしまった、その後。
この話は本当にほぼ自分用です。ご了承ください~