強制的に妹に少女漫画を読まされている、普通の男子生徒__霧真。
彼が少女漫画の少女役みたいな学校生活を送っていくBL小説。
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目次
第一話
俺は霧真。今日も清々しい朝で、とても気持ちが良い。
………
じゃねーーーよッッッッ!!!!!!!
清々しい朝?気持ちが良い?俺は転校初日、遅刻しそうで、それどころじゃないんだッッッッッッ
マジで急がねぇと‼︎‼︎朝飯は食パン咥えて行こッッッッ!
「ひっへぇひぃはーす(訳:行ってきまーす)」
ガチャ
「ヤバイヤバイヤバイ」
本当に初日から遅刻はありえないわッッッ!あ、いっそのこと遅刻してしまえば…?
クラスメイトの信頼度無くなる。
‼︎それは嫌だなッッッ。そう考えてると学校が見えてきた。
「もうすぐ学校か?ならもう少しスピード早ぇようにしとこ」
「あ〜遅刻ですね〜」
交差点の角でそんな声が聞こえたが、俺は止まらない。すると…
ドンッッッッ
「痛ッッ」
「!すみません。大丈夫ですか?」
「はい。ありがとうございます。近いです。大丈夫です。……それじゃッッ」
「あ!」
俺の馬鹿ッ!なんで少女漫画みたいな感じになってんだよッッ⁇⁇
もう学校着いてまったし!
「……にしてもデカくねぇか?この学校?」
とりあえず職員室目指すか…
第二話
ここが職員室…。緊張するちゃ………するけど、入るか。俺はドアをノックして開けると、担任の先生が教室まで案内してくれた。その間ボーとしていると教室の前に着いた。先生は、教室の前で止まって、「合図したら入ってね」と言って教室に入って行く。まぁ、この事は10分前の事だから、もう呼ばれるんじゃないかと、ソワソワする。
「 せんせー。その転校生は女の子ですかー?」
あぁ、出たわ。転校生の性別質問。これで女子だったら、男子が喜んで、
イケメン男子だったら女子が喜ぶやつ。少女漫画を妹に強制的に読まされてるからそのことなら結構知ってる。
「それはお楽しみです。では、入って来てください」
そう先生が合図し、俺はドアを開け教室の中に入る。
入った時、俺はあの人と目が合った。そう…今朝ぶつかった人だ。
「自己紹介をどうぞ」
「俺は霧真です。よろしくお願いします!」
「それでは、席は、流夢さん……センター分けの人の隣に座ってください」
「えー!良いなー。流夢くんの隣」
「ねー!」
「分かりました」
って言ってるけど、本当はめっちゃ座りたくねぇんだよ。だって、女子からの圧が強い、視線が痛いし?しかも、ぶつかった人だぞ⁇⁇最悪だ…。
「………よろしく」
「よろしくね〜」
「___________。次の授業は体育なので、着替えて体育館に集合してください」
体育館って……………なんか嫌な予感が…。
第三話
本当になんか寒気がするんだけど…休もうかな。……いや違うッ!最初の授業は絶対に受けないとなッ!よし、更衣室に行こう。
---
「あ、やっほ〜」
「え、」
……ちょっと本音を吐かせてもらうわ。………………ッッふざけんなよッッッ!何で更衣室にコレ(流夢)がいるんだよッッッ!マジで気まず_
「ははっ、そんな顔してどうしたの?」
は?『そんな顔してどうしたの?』だって???これだけは聞いて欲しい。それはイケメンが言う言葉なんだよッッッということを。……っていうか、アイツ、よく見たらイケメンだな。女子も惚れることも納得できる。
「何もない」
「そう?それじゃお先に〜」
……………着替えるのはっや。俺も着替えないと。
---
「はい。全員揃いましたね。今日はバスケットボールをやっていきます」
なんかまた悪寒がする…。うん。気のせいか。
「で、チームは~~~~~~~~~~」
「Dチームは○○さんと○△さんと、流夢さん、霧真さんです。それでは、各チームで練習をしてください」
もしかしてこれなのかッッッ?さっきの悪寒はッッ?いやなんか違う気がするッ。
「霧真さん、同じチームだね〜!今日はよろしく〜」
「よろ……しく」
あぶっなッッッよろしくしたくないって言いそうになったんだけど。本当にしたくないんだけどね、女子からのね殺気が凄いから断れなかった。よく頑張った、自分。
「トリプルクラッチの練習頑張るか〜」
ト、トリプルクラッチ?あの難しい技を?練習するの?いやいや、無理だって
「出来た〜!」
もう一度言ってもらっても?全然聞き取れなかっ_____
「危ないッ!」
後ろを振り向くとボールが飛んできた。え?保健室行くパターン?
ドンッ
「いたた…」
_____目を開けると人生初の壁ドンをされていた。しかも、流夢に。
「大丈夫…?」
「え?あ、大丈夫だけど、お前は?」
「ちょっと背中痛いかなぁ…。でも、すぐ治るよ」
……俺のせいで…。ここはありがとうって言わないとな。
「そうか。ありがとう」
「!どういたしまして」ニコッ
えーと?流夢が笑った時、周りが輝いていたのは目の錯覚か?そういうことにしよう。
「あ、そういえば、立てる?」
「立てれる。……お前、今朝ぶつかった奴に何故そこまで優しくできるんだ?」
それだけは疑問に思っていた。すると、
「秘密!」
秘密って……面倒くさい言い方だな。そう思いながら立とうとする。
「?あれ?」
なるほど、立てれないのか。これはマズイぞ…。
「やっぱり立てれないじゃん。ほら、保健室行くよ」
「わっ」
自分の口から、変な声が出た。恥ずかしい…。それよりもこの体制って……えッッッッッッ
お姫様抱っこッッッッッッ!?
第四話
え、ちょ、お前ッッこの体制はヤバいだろッッッ?」
「?何がヤバいの〜?」
「あ…」
そう、流夢が言った瞬間俺は察した。これは無意識にやっているのだと。
「いや……なんでもない」
「分かった。じゃあ保健室行くよ〜」
「!?保健室は大丈夫だってッ!」
「それじゃ、ずっとこのままでいる?」
……ちょっとコイツ、頭おかしいわ。このお姫様抱っこ状態でいるの?それなら保健室行ったほうがマシだ。
「……保健室行く」
「りょーかい」
そう言ってから、一度俺を優しく下ろして先生へ事情を伝えに行った。………でも、その時の先生はとてもなんかこう…幸せそうな目をしていたけど…気のせいか?
「伝えに行ったから、保健室に行くよ。……ちょっと失礼」
あぁ…また、嫌な体勢に戻る。本当にもういいって…。
「……にしてもびっくりしたね〜。ボールが飛んでくるなんて」
「そうだな」
あれはめっちゃびっくりしたわ。心臓が耳から飛びでるぐらい。
「もうすぐ着くからね〜」
---
「着いた〜!」
「そうだな。で、いつになったら下ろすんだ?」
「ああ!ごめんね。今下ろすよ」
そう言い、俺を椅子の上に下ろした。そういえば本当にあるんだな。少女漫画みたいな展開って。女子からしたら天国だろうけど、俺はここの空間が地獄なんだけどなッ!
「あ、お前、背中大丈夫か?」
「ちょっと痛いから冷やそうかなぁ」
「だったら、ちょっと待ってろ」
俺は椅子から立って、タオルの中に保冷剤を包んでアイツに渡した。
「手際良いね〜。ありがとう」
「とんでもない。お前がやったら** 保冷剤が冷たくて理科室のガスバーナーで溶かそうとするかもしれない **からな」
「流石にそんなことは………するかも」
「だろうな」
こうやって少し雑談をした後、チャイムが鳴った。そういえば次の授業は何だ?
「次は…社会か〜。……………サボろうかな」
「え?」
「だってほら……面倒くさいじゃん」
「マジか……」
アイツにも面倒くさい感情はあるんだな。恥じらいは無いのに。
「ちょっと、さっき失礼なこと考えてた?」
「別に」
この言葉を少し笑った声で言い、次の授業は保健室にいた。