一話完結の読み切り小説を集めています。
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目次
天才・星宮さんのヒミツ
私、光嵜さんゆ。
エール高校に通う、高校2年生。
私の学校の2年に天才さんがいるんだ。
その人は星宮天葉っていう。
今年、同じクラスになった瞬間から天才ぶりを発揮している。
私、星宮さんにあこがれて、友達になろうと決意したんだ。
そうしたら、私も少しは頭良くなれるかもしれないし。
とにかく、月曜日、星宮さんが登校してきたら伝えよう!
ドキドキしながら休みを過ごし、月曜日がやってきた。
私は、いつもより10分早く登校した。
そして、星宮さんが来て、私は、
「星宮さん。友達になってくれませんか」
と聞いた。
星宮さんは突然の事に驚いている様子。
まあ、そうだよね。
「いいですがなぜ私に?」
やっぱり理由は聞きたいよね。
「えっと、星宮さんはなんでもできて、あこがれてるんです。なので星宮さんと友達になりたいんです」
理由になってるかな?
星宮さんからの返事は……
「私の事そう思ってるんですね。うれしいです。ありがとうございます。友達になりましょう」
OKだった。
やった!友達になれた。
心の中でガッツポーズをした。
「そうだ。放課後、エルメル公園へ来てくれるかしら」
エルメル公園は人が全然来ない。
何の用だろう。
でも、せっかくだし……。
「はい。いいですよ」
と答えた。
そして、放課後……。
私は、公園へ行った。
すでに、星宮さんはいた。
「来てくれてありがとう。今日は話したい私のヒミツがあるの」
私がベンチに座るとそう言った。
ヒミツ?
「それはね……。私は魔法使いなの」
うん。
え?
ええええええええ!
魔法使い⁉
魔法使いってあの魔法使い⁉
星宮さんは驚いてる私を見て、
「誰にも言っちゃだめよ」
と言った。
私は、誰にも言わないようにしようと決意した。
そして、数か月後……。
私は、今も星宮さんと仲良くしている。
ヒミツを守りながら。
終わり
星が光る夜
「あ、星がきれいだな」
私は、空を見上げてそうつぶやく。
空にはきれいな星たちが光り輝いている。
私は、|星坂夜子《ほしざかよるこ》、中学2年生。
今はとある場所に行くために家から出たところ。
普段は空を見上げることはないため、この綺麗な空を見ることもなかった。
ああ、死ぬ前に見れてよかったな。
その時メールが来た。
<「星坂ってばかだよな」
<「それなw」
<「星坂死ねばいいのに」
そのメールに私の心が痛む。
私はいじめられている。
毎日毎日嫌なことをされてついに私の心は壊れた。
もう嫌で嫌で嫌で仕方ない。
そう考えているうちに、目的の場所に着いた。
私が来たのは廃ビル。
もうわかるだろう、私は自殺をしにここに来た。
もう私は止められない、誰にも。
階段を上り切り、屋上のドアを開けると熱風が私の体を包んだ。
私は迷いなく柵に近づいた。
そして……。
グシャッ
私の意識は途切れた。
次の日、午後のニュースにて
昨日、〇〇市の廃ビルで、星坂夜子さんの遺体が発見されました。
警察によると、星坂さんの家には遺書があり、『もういじめられたくない、死んでやる』と書かれていたため、いじめによる自殺だと思われています。
警察はクラスメイトや親の方などに事情聴取しています。
悪魔の君と
俺は|波瀬塁斗《なみせるいと》。
視線を感じる。
学校帰りや、買い物をしているときなどに視線を感じる。
しかし、最近は家の中にいても視線を感じるようになってしまった。
ハッキリ言ってめっちゃ怖い。
そんで、友達にこの事話したら、
「バカかよ。お前考えすぎだって」
と言われ、笑われてしまった。
少しぐらいは心配してほしい。
そして、今日も視線を感じる。
俺は考えた。
視線を感じたときに思い切って振り返れば視線の正体を知ることができるのではないかと。
あっ!
視線を感じた。
俺は思い切って振り返る。
俺が目にしたのは、悪魔のような見た目の女だった。
「へ……?」
思っていたものとは違ったため、俺は思わず声が出た。
女は、俺の目の前まで歩いてきて話しかけてきた。
「私は悪魔です。私はあなたのことが好きになってしまいました」
……?
どういうことだ?
目の前の悪魔が言っていることが信じられなかった。
「それは、どういうことだ?」
俺が聞くと悪魔はケラケラと笑って言った。
「そのまんまの事ですよ。あなたの事が好きなんですってば」
……。
これは大変なことになってしまった。
そもそも、俺はコイツに会っていない。
つまり、好かれるようなことはしていない。
それなのになぜ?
悪魔は、俺の考えを見透かしたようで
「今、私に好かれるようなことはしていないって思ったでしょ。実はしてるのよ。
私が、人間になって過ごしてた時にヤンキーの奴らから助けてくれたでしょ。
だから、私はあなたの事が好きなの」
そういうことだったのか……。
すると、悪魔が俺の手を握って質問してきた。
「それで、答えはどうですか?私と付き合ってくれますか?」
俺は、ゴクリと唾をのんで答えた。
「今は答えられない。お前が人間になって俺の学校に通って、その時の態度とかを見て決めたいんだ」
「しーん」と悪魔と俺の間に沈黙が流れる。
ヤバいかもしれない。
そう考えたその時、悪魔はニコリと笑って「いいよ」とOKしてくれた。
彼女はそう言い残すとふっと消えてしまった。
今のは夢だったのか。
そう考えながら家に帰った。
次の日学校に来ると、俺のクラスに転校生が来た。
もしやと思って転校生の顔をじっと見るとあの昨日の悪魔だった。
「魔野由梨《まのゆり》です。これからよろしくお願いします」
それから、彼女は自分の席について、一限目の授業が始まった。
授業が終わると由梨の周りにはクラスの女子たちが集まり、話していた。
それから、二か月後
俺は由梨を呼び出した。
俺は一度深呼吸をすると話し出した。
「お前の学校での生活を見て好きになった。付き合ってくれ」
由梨は驚いたような顔をした後笑って「もちろん」と答えた。
そして俺は悪魔と付き合うことになったのだ。
結構長くなったから疲れた……。
無敵の強盗犯
俺は無敵の強盗犯、|山村一郎《やまむらいちろう》だ。
今まで何十回もの強盗をしてきたのだが、今まで一度も捕まったことはない。
それも当然、俺は証拠を残さないようにしながら強盗しているのだ。
ちなみに、俺にはパートナーがいる。
妻の|山村雪《やまむらゆき》だ。
雪は俺と結婚する前から強盗している。
そして結婚した後で俺に強盗の話をもちかけてきたのだ。
そして、今日は宝石店のダイヤモンドを盗む。
俺は雪とともにその宝石店へと来た。
俺たちは裏の人がいないところへと回り、裏口のドアをこじ開けて店内に侵入した。
ちなみに今は午後11時だから、店員はいない。
雪は室内に入るとダイヤモンドを入れてある金庫へと向かい金庫すんなりと壊してしまった。
そして雪はダイヤモンドを片手に俺のもとに戻ってきた。
そして、俺は雪からダイヤモンドを預かると鞄の中に隠し、外へ出た。
その時、思ってもいないことがおこった。
「警察だ!そこから動くな!」
警察がいたのだ。
俺は警察から逃げるべく、雪を押し倒して走り出そうとした。
しかし、雪が俺の足をつかみ転ばせた。
俺はズドンところび、そこを警察官が取り押さえた。
頭の中はパニックで何も考えられない。
雪は立ち上がり、スカートに着いた砂を払うと俺のもとに歩いてきて呟いた。
「私は、警察官よ。あなたを逮捕するべく、潜入捜査していたの」
雪は敵だった。
俺はそれに気づくことができず、完全に雪を仲間だと信じ込んでいた。
その後、俺は警察署へと連れていかれ事情聴取することになった。
俺は諦め、全部話した。
そして俺は、4年間刑務所で過ごすことになったのだ。
もうすぐ私は捨てられる
私は、|円《えん》。
私は、ルルちゃんといつも一緒。
ルルちゃんは小学4年生で、元気な女の子。
私は、2週間前からルルちゃんと一緒にいる。
私をいつも大切にしてくれていて、とてもうれしい。
これからも、ルルちゃんと一緒に入れるといいな。
~数週間後~
私は、もうすぐルルちゃんに捨てられてしまう。
捨てられる運命からは逃れられない。
だけど、どうしてもルルちゃんと一緒にいたい。
そう思っている。
~5日後~
ルルちゃんが私を見た。
「もうダメだね」
そうつぶやくと、私をにぎった。
ああ、ついに私は捨てられてしまうのか。
もっと一緒にいたかった。
でも仕方ない……。
ごみ箱へと捨てた。
そうして私・えんぴつは短い人生を終えた。
山道
今、私は山道を歩いている。
暗いくらい森の中だ。
怖い、怖い。
山に散歩しに来なきゃよかった。
まさか迷子になるなんて……。
早く出なきゃと私は歩くスピードを速める。
木、木、木、木。
木しかない。
その時、
「アソボ」
と声がした。
「嫌あぁぁっ!」
私は思わず飛びあがり、バクバクする心臓を押さえながら周りを見渡す。
誰も何もいない。
今のは何だったのかと思いながら、私はまた歩き出した。
今度は後ろに気配を感じる。
後ろを振り向くと……。
「きゃあぁぁぁぁぁぁ!」
そこで私の意識は途切れた。
流れ星
「あ、流れ星だ」
私は空に流れるその流れ星を見つけると呟いた。
私は、ごく普通の中学1年生、|井頭永穂《いがしらながほ》。
暇でベランダに出て星を見ていたところだ。
また流れ星だ。
私はその星へ向かって
「|永島りえ《ながしま》が死にますように」
と願った。
なぜ永島りえに死んでほしいかというと、永島は私に嫌がらせをしてくるのだ。
いじめというほど辛くはないが嫌だ。
毎日プリントを落としたり、手を滑らせたと言って机を汚したりしてくる。
周りの奴らは見ているだけで何も言ってこない。
これはこれでイラつくが今一番嫌なのが永島なのだ。
考えていると少しスッキリしたため、私は部屋へ戻り布団に入って眠った。
その日の夜は夢を見た。
永島の家が燃えているところだ。
永島が部屋に取り残されて助けてと叫んでいる。
消防隊員や近所の人たちは永島を助けようと必死になっている。
私はそれをジッと見る。
「お願い!井頭さん!私を助けて!」
永島が私に気づき手を振って助けを求める。
その瞬間永島が火によって見えなくなった。
先に脱出していた永島の両親は叫び、周りはザワザワしだした。
私はそれを見た後、家を離れたところで夢から覚めた。
起きた後は特に何も特別なことはなかった。
流れ星に願い事をしたって意味はないと思いながら、私が学校に着くと驚きの言葉がクラスメイトの口から発せられた。
「永島が死んだ」
頭が真っ白になった。
永島が死んだ?
さらに私が話を詳しく聞くと、火事で部屋に取り残されて死んだとのこと。
私が夢で見たのと同じだった。
すべて、同じだった。
その日私はまたベランダへ出て、流れ星を見つけると願った。
今度は弟が死ぬことを願った。
理由は、弟は私にうるさくていつもイライラさせてくる。
それが嫌になったからだ。
そしてもう一つある。
昨日永島の死を願ったら、本当に死んだ。
つまり、また願えば思い通りになるかもしれないことを証明するために弟で実験するためだ。
正直に弟が死ぬことに罪悪感は全くない。
逆に嬉しいぐらいだ。
そうして、私は眠りについた。
また夢を見た。
弟が死ぬ夢だ。
その夢では弟は急な心臓発作で死んだ。
次の日の朝、私は学校の準備をしていると弟が急にバタリと倒れた。
お母さんが叫びお父さんは救急車を呼び、家じゅうパニックになった。
ただ一人、私だけが冷静に立っていた。
「ダメ。|矢卯《やう》!死んじゃダメよ!」
お母さんが叫んだ。
お父さんが弟をゆさぶる。
そして、弟は完全に動かなくなった。
死因は心臓発作だった。
流れ星に願えば本当になる。
それがわかった瞬間だった。
私はその日から毎日のように流れ星に願った。
「国語の先生、|山元一郎《やまもといちろう》が死にますように」
「部活の先輩、|木乃森奈《きのもりな》が死にますように」
少しイライラしただけで願った。
「|金本りり《かなもと》が死にますように」
「|臣合寒五《じんごうかんご》が死にますように」
そうして私の身の回りの人たちが死んでいき、気味悪がれた私は一人になってしまった。
結局私が完全に幸せになることはなかった。
END
なんか流れ星が出る回数が多いですけど、そこは気にせずに(( おい
最後の「END」なんかカッコイイですね。
気に入りました。
最悪の予知夢
一部加筆修正してあります。
私、|山敷 一菜《やましき ひとな》。
今、人の少ない公園にいる。
なぜ、ここにいるかを話すと長くなる。
それでも聞こうと思う?
そう。では話してあげましょう……。
私は予知夢を見る。
当たる確率は百パーセント。
この前は、学校で買っているウサギが死ぬ夢を見た。
そして死んだ。
もう、誰かが死ぬことは慣れてしまった。
先週はお姉ちゃんが死んだ。
すべて前日に予知夢で見た。
私は魔女だとかあの世の人間だとか言われて気味悪がれたり、周りは怯えた目で見られたりした。
もうそれにさえ慣れた。
そうして、私は毎日毎日予知夢を見た。
校長先生が、教頭先生が、クラスメイトが、部活の先輩が、死ぬ夢を見た。
そして、その次の日には死んだ。
みんなは私を避け、私の予知夢で殺されないために転校していく奴もいた。
だけどそれも無駄。
現実で会わなくなっても、夢で会って死んだら意味がない。
それでも学校は私を退学にした。
両親は退学にされた私の失望と殺されるかもしれない恐怖で、ついに私を家から追い出した。
そして今に至る。
私は今、人の少ない公園にいる。
そして夜だ。
寒く暗い。
この生活になってから一週間がたった。
昨日までは自分のお金でなんとかできたが、ついにお金もなくなってしまった。
ああ、眠いな。
もう寝てしまおうか。
Zzz……。
『○○公園で山敷一菜さんが死亡しているのが発見されました。死亡原因は不明です』
はっ!
今のは何……?
私は夢で自分が死んだというニュースを見てしまった。
当たる確率は百パーセント。
つまり、私は死ぬ……。
そう考えると体がガクガク震え始めた。
そして、脳内は「死にたくない」という言葉でうめつくされた。
死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない。
死にたくないよ……!
うっ……。
苦しくなってきた。
目の前が暗くなる。
ああ、死ぬんだな、私。
さようなら世界。
生まれ変わるなら普通の人になって幸せに過ごしたいな。
じゃあね。
ニュースにて
「○○公園で山敷一菜さんが死亡しているのが発見されました。死亡原因は不明です」
END
彼女
俺の名前は|鈴合ゆう《すずごうゆう》。
|漢字《やまなしかえで》の事が好きだ。
勉強も運動もできるところが好きだ。
でも、俺が一番好きなところが優しいところだ。
山梨は誰にでも優しい。
でも、この恋は叶わないだろう。
俺は山梨と話したことがほとんどない。
最近山梨は隣のクラスの男子とよく話していて、周りの奴らは山梨はその男子が好きなんだろうな、と言っている。
悔しい。
俺だって山梨の事好きなのに。
そして次の日、スマホをいじっている俺の耳に驚きの言葉が飛び込んできた。
「山梨さんはご両親の仕事の都合のため転校します」
その瞬間頭が真っ白になった。
転校する?
山梨が転校してしまえばこの恋は叶うことは絶対にない。
そう思った男子は他にもいたのか、放課に山梨に告白していた。
しかし、山梨は全員を断った。
ちなみに俺は告白してないからまだチャンスはある。
でも、不安で告白できないまま山梨は転校していった。
~5年後~
俺は大人になって東京にやってきた。
毎日忙しくて山梨の事を考える暇もなかった。
そしてある日、俺の勤める会社に新人が入ってきた。
そいつは前にどこかで見たことがあるような顔だった。
そいつはにこりと笑うと自己紹介を始めた。
「山梨かえでです」
頭が真っ白になった。
まさか山梨だったとは。
また会えたんだ。
その感情で後の言葉は聞いていなかった。
その後の仕事はミスを連発してしまい上司に怒られてしまった。
やっとのことで仕事が終わり帰ることにした。
「あのー。あなたって鈴合ゆう君だよね」
突然俺の名前を呼ばれて驚いた。
急いで振り返るとそこには少し不安げな表情の山梨が立っていた。
俺は立ち上がり山梨の正面に立つ。
「そうだけど、お前って○○高校のあの山梨かえでだよな?」
そう言葉を返すと山梨はニコッと笑い、俺に近づいて耳元でささやいた。
「そう!ねえ、この後○○商店街のカフェに来てよ。話したいことがあるの!」
俺は周りの奴らにバレないように小さくうなずいた。
そして俺たちはカフェに向かって歩いた。
そのカフェは最近できた場所で、高校生から会社員、お年寄りまでさまざまな年代の人が利用している。
俺たちは一番端の席に座るとそれぞれ俺はコーヒー、山梨はオレンジジュースを注文した。
山梨が「オレンジジュースにしよ」と言ったときは驚いて笑いそうになった。
その後は特に会話もなく山梨は注文したオレンジジュースをストローでかき回しながら、外を見ていた。
その沈黙に耐えられなくなった俺は山梨に声をかけた。
「なあ、山梨。お前の言ってた話ってなんだ?」
すると山梨は急に真剣な表情になって俺の目を見た。
「鈴合君。私ね、鈴合君の事が好きだったんだ」
俺はパニックになった。
俺の事を山梨が好きだった?
一言もしゃべらない俺を見て山梨はまた話し出した。
「いつもカッコいくて優しい鈴合君がいつの間にか好きになってたんだ」
その言葉を聞いても俺は何も言葉を話すことができなかった。
頭の中がごちゃごちゃになって訳が分からない。
そんな俺を見ると山梨は悲しそうな顔をした。
「ごめんね。こんな話迷惑だよね。鈴合君が私のこと好きなわけないのに……」
そんな山梨を見てやっと俺は話すことができた。
「実は俺もお前のこと好きだ」
そのとたん山梨はパッと顔を上げて笑った。
「ねえ!それってつきあってもイイってことでしょ?やったぁ!」
俺の返事も待たず喜ぶ山梨を見て俺は思わず笑ってしまった。
山梨はキョトンとした顔をすると、
「なんで笑うの?私なんか変なこと言ったっけ?」
と言ってきた。
俺は返事を待たずに喜ぶ山梨が面白くって笑ったと伝えると今度は山梨が大笑いした。
「あはは。そういうことだったんだね……って、つまり私とつきあえないってこと?」
山梨は興奮気味でパニックになっているようだ。
「おいおい、少し落ち着けよ」
そう声がけするも山梨は全然落ち着かない。
何度も声をかけてやっと山梨は話すのをやめた。
俺は落ち着いた山梨に静かに話しかけた。
「お前とつきあいたい。さっきは誤解させてしまったかな。ごめんな」
山梨はホッとしたようで、机にうつぶせになっていた。
その後俺たちは会計を済ませて家に帰った。
俺たちは2年付き合った後めでたく結婚した。
そして現在も幸せに暮らしている。
END
長くなってしまいましたね……。
読むのお疲れさまでした。
最近ホラー小説だけ書いていたので、たまにはハッピーエンドの小説を書こうと思ったのがこの小説ができたきっかけです。
妹とハロウィンを
俺には妹がいる。
妹の名前は、|傘好里穂《かさずきりほ》。
里穂は病弱で、最近は肺炎で病院に入院している。
俺がお見舞いに行ったときに里穂は呟いた。
「ハロウィンパーティーしたいな」
里穂はハロウィンの時はだいたい病気で入院していて、友達とハロウィンパーティをしたことがない。
俺は里穂の願いを叶えたいと思った。
まず、親に相談してOKをもらわないことには何も出来ないため、親にそのことを話した。
親は喜んでOKしてくれた。
さらに、パーティーにかかる費用も全額負担してくれるそうだ。
そして、次の日は里穂の友達の家に行き、友達とその親にパーティーの計画の事を話した。
里穂の友達はみんな行きたがり、親も「いいですね」と言っていた。
パーティーの人集めが終わると、俺は疲れがたまっていたのか熱を出してしまった。
だが、幸いなことにすぐに元気になった。
元気になって動けるようになった俺は、飾りつけの物を買うためににスーパーに行った。
たくさんの物があってとても悩んだ。
そしてやっとのことできめたのはカボチャやオバケの絵が描いてあるハロウィンのものを選んだ。
家に帰って早速飾りつけしてみると、いい感じにできた。
両親も「すごいじゃん」と言っていた。
それからは、パーティーの用意でいつも以上に大変だった。
忙しすぎて友達とも遊ぶ暇がなかった。
友達は初めは不思議そうな顔をしていたが、理由を説明すると、手伝ってくれるようになった。
そうして、完璧な状況になってハロウィンを迎えた。
両親が里穂を病院から連れてくると、里穂は部屋の様子を見て笑った。
そして、俺に向かって満面の笑みで言った。
「お兄ちゃん、私の夢をかなえてくれてありがとう!」
その後の時間はとても楽しかった。
テレビゲームで戦ってみんなで踊って美味しいものもたくさん食べて、いろんなことをたくさんした。
そうして、ハロウィンパーティーは終わった。
そして、一か月後。
里穂はもういない。
肺炎が悪化して死んでしまった。
最後の言葉は
「ハロウィンパーティーできてよかったな。お兄ちゃんありがとう」
だそうだ。
END
自主企画に参加するために作ったら案外いい感じにできました。
里穂は死んでしまったけど、最後に楽しい思いをできてよかったなと思いました。
まあ、ここは作者の私がいくらでも変えられますけどね((おい
君と出会ったせいで~友香編~
私は、|高神 友香《こうじん ゆか》。
不幸な人間だ。
その理由の一つは最悪の彼氏がいることだ。
彼氏の名前は|毛近 優《けこん ゆう》という。
優は私にしつこくていつも引っ付いてくる。
私が他の男子と話していると後で怒られる。
そして二つ目は、両親からの虐待だ。
両親には優と付き合っていることを話した時から虐待を受けている。
どうやら両親には私に結婚してほしい人がいたのに、優と付き合ったのが許せないかららしい。
それなら優と別れればすべては解決すると思うかもしれないが、それは無理だ。
優は前に一度別れようと話した時も、ダメだと言って別れてくれなかった。
そのため今も両方からの圧力で苦しんでいる。
イタイ、イタイ。
クルシイ、クルシイ。
そんな日が続く中、ある日両親が珍しく暴力せずに話しかけてきた。
「いい加減アイツと別れてこい」
私はこの命令に逆らったら殺されると思い、優と別れるためにまた時間を作った。
優がニコニコしながら待ち合わせ場所に着くと、
「優、本当にお願い。別れてほしい」
と頼んだ。
「は?別れていいなんて言ってないよ。友香と僕は死ぬまで別れない」
優は不機嫌気味にそう言った。
ショックだ。
もう、こうなったら私は苦しむだけだ。
そうして、家に帰り寝る時間になった。
だが、私は恐怖で眠ることができない。
その時ある言葉が浮かんできた。
「友香と僕は死ぬまで別れない」
死ぬまで……。
あっ!
死ぬまでってことは、私が優を殺せば……。
ふふふ、いい事考えた。
次の日
今日の私はとっても元気!
なぜなら、私は優を殺して、幸せになれるから!
私は優に「美味しいパフェをおごってあげる」と言い、人の少ない公園へ呼んだ。
優は普段通りの服装できた。
私は鞄を持ってきた。
その中にはスマホに財布、そして包丁を入れておいた。
優は私に気が付くとニコッと笑い「おはよう」と言った。
私は小声で「おはよう」と呟くと、ニヤリと笑って優の目の前に包丁を突き出した。
優は驚いたような顔をした後逃げようと走り出した。
でも、私は逃がすつもりはないから、優の足をけって転ばせた。
転ばされて優は怯えたような顔で助けを求めた。
だけど私は生かして返す気はない。
「死ねぇっ!」
そう叫び、私は優の心臓のあたりに包丁を突き刺した。
優が叫び、血が噴き出る。
そんな様子をボーッと見ている私は、さぞ恐ろしく見えただろう。
そして、優が動かなくなるころには私も疲れ果てていた。
ふう。そうため息をつくと、私は家へと帰った。
END
優と付き合ったせいで両親から虐待されるようになった友香は最終的に優を殺してしまいました。
本当に起こらないといいですね……。
ルビーの木
ここは貧しい人々が住んでいるX村である。
人々は毎日、遠くの町に働きに出ている。
時々仕事のストレスで自殺してしまう者がいる。
そして、最近は若者はほとんど都会に行ってしまい村には年寄りしかいなくなった。
その村の村長の目線で話は進む。
わしは|桃木酒人《ももきさかと》。
X村の村長だ。
この村は老人しかいない。
昔、ここで生まれ育った若者は都会へ行き、ここに戻ってくることはない。
その都会で若者たちは上手くお金を稼ぐことができているらしい。
しかしわしらはあまり体が動かないため、お金を稼ぐこともできなくなっていた。
美味しいものを食べることはほとんどなかった。
そんなわしの耳に驚きの言葉が飛び込んできた。
「村はずれの木にルビーがついてるんです!」
その声を聞いたときは噓だと思った。
ルビーが木になるわけない。
そう思いつつもついていくと、わしは目を疑った。
わしの目の前には美しく輝くルビーがなる木があった。
皆、叫んでいる。
わしは村の人々をなだめ、このルビーをどうするか緊急集会を開いた。
すると全員がルビーを欲しいというのだ。
わしはルビーを分けた。
皆大喜びで家へと帰っていく。
わしも鼻歌を歌いながら家に戻ると金庫にルビーを入れ眠りについた。
次の日、わしは質屋にルビーを持って行った、結果は2億円の価値のあるルビーだそうで、わしはそのルビーを売り、2億円を手に入れた。
ルビーが2億円の価値だと知ると、村の人々はどんどん質屋に売りに行った。
1週間後には村の全員が大金持ちになっていた。
そして、わしはそのことに興奮していたため、町まで行くと叫んだ。
「わしの村にはルビーのなる木があるぞ!」
すると、強盗がわしらを狙うようになった。
わしらは精一杯金をとられないようにしたが、ついに隣の家で強盗が起きてしまった。
2億円をごっそりとっていかれたようで、かなり落ち込んでいた。
少しでも元気づけようと話に行くと彼は顔を上げわしを睨んだ。
「お前さんのせいだよ。ルビーの木のことを叫んでいなければわたしの金は盗まれなかったのに」
そう彼がいうと、周りの人々もわしのことを非難し始めた。
「お前のせいだ!」
「そうですよ!あなたのせいで!」
わしは恐ろしくなり逃げ出した。
山道を走っていると石につまずき、崖下へと転落してしまった。
痛みにもがく中、わしは意識を失った。
END
本
本はとってもいいものだよね。
読むときに特別な用意があるわけでもないし、一人だけでもできる。
私はそんな本が大好き!
でも、お父さんとお母さんはある日言った。
本ばかり読んでないでちゃんと勉強しなさい。
そして本を取り上げられてしまった。
その日はショックで眠れなかった。
ずっと布団の中で泣いた。
次の日からは本を読まなくなった。
ちがう、読めなくなったんだ。
勉強ばかりになって辛かった。
訳の分からない問題ばかりでちっとも進まない。
やっぱり本がいいな。
そう思うと本を読むために夜中に探し回った。
息を押し殺して、足音を立てないように。
見つけた!
本は棚の一番上にあった。
私は早速座って本を読んだ。
次の日も、そのまた次の日もね。
そして、一ヶ月たった今も本は取り上げられたまま。
だから、毎日夜にこっそり見てる。
秘密の読書も楽しいよ。
アイドルは困ってる
私は|九海堂 三実《くかいどう みみ》。
有名なアイドル!
毎日が忙しくて大変だけど、みんなに応援してもらえてうれしい!
でも……。
最近視線を感じる。
誰かに後をつけられているみたい。
なんだろう。
ちなみに今は一人で家に帰っているところ。
あ、まただ。
また視線を感じる。
怖いなぁ。
思い切って振り返ってみようかな。
でも、襲われたら嫌だしな。
んんん。
よし、振り返ってみよう!
もしかしたら解決するかもしれないし!
そう考えると私は振り返る。
……。
そこにいたのは背の高い男だった。
男は黒いパーカーを着ていて顔は見えない。
男が手を伸ばしてきたため、私はとっさに後ろに下がった。
そして走った。
でも、私は足が速くない。
男の足音が迫ってくる。
息を切らしながら走ったがついに手をつかまれてしまった。
私は男に薬を飲まされ、意識を手放した。
次の日のニュース
「アイドルの九海堂 三実さんが行方不明になっています。最後に目撃されたのは山里駅だそうです」
人生はは「生まれたときの運」で決まる
私は、神。
色々なことを決めるリーダーみたいなものよ。
私は、その人の一生の運を生まれたときに決めるのがお気に入り。
ラッキーかアンラッキーかはその時の私の気分によって変わるの。
そういえば、この前地球を覗きに行ったときに変なことしてる人間たちがいたの。
変な木造の建物に、お金を投げ入れ、手を合わせて何か願ってる。
調べると、それは神社とかお寺とかそういうのらしい。
そして、人間たちは私に願い事をしているらしい。
何を願っているのか気になった私は人間たちの心の声を聞いてみることにした。
聞いてみると「ラッキーになりたい」「運がよくなりたい」とかが多かった。
私は、バカなその心の声達に思わず笑った。
自分の決められた運、変えられないものを変えようとする。
無理なことをお金を使ってまで願う。バカみたいで超ウケる。
そう思って大笑いした。
その次の瞬間……。
ガチン!
私は拘束されていた。
「なっ!なに⁉」
必死に周りを見渡すと、辺りには屈強な男たちが私を包囲していた。
「私は神よ?はなしなさい!」
私は彼らに恐れず、命令する。
が……。
バチン!
私は頬に鋭い痛みを感じた。
叩かれたのだ。
男達は私を見下ろしていった。
「やっと捕まえたぞ。迷惑な妄想家め」
私は怖くなり、手足を必死に動かして抵抗した。
「私は神よ!こんなことして許されないわ!殺すわよ!」
彼らは顔を見合わせるとため息をつき、私を捕らえた。
後に、私は自分が妄想の中で神をしていたという事を知らされた。
私は、その妄想で大勢の人々を困らせたのだという。
妄想、辞めた方がいいのでしょうね……。
END
消えていく
私の将来の夢は消えていく。
例えばピアニスト。
小さい頃はピアニストになって有名になりたいと思っていた。
でも、諦めた。
私のピアノのできは普通。
普通なのに難しい曲を弾きこなせるわけがない。
次に学校の先生。
それも諦めた。
私は人と話すことが苦手だ。
それに大勢の人前に立つことも。
そんな私が大勢の子供と話して、時には親がいる中で授業を行わなければいけない。
無理な話だ。
今の夢は小説家。
この夢はまだ諦めない。
小学一年生の頃から私を支えてきてくれた「本」
私も面白いドキドキするお話を作ってみんなに見せてあげたい。
文章力にも自信がある。
小説家になる夢は消えずにずっと残ってくれることを願う。
ゲーム世界
ゲーム世界は私の居場所。
現実世界ではみんなにおいて行かれてボッチだけど、ゲーム世界でなら私はトップクラスの魔法使い。
現実世界では友達なんか一人もいないけど、ゲーム世界でなら友達はたくさん。
ゲーム世界は唯一の私の居場所。
私、|長瀬由梨《ながせゆり》。友達が一人もいないボッチの高校二年生。
ボッチだから学校に行っても楽しくないけど、親の為にも行かなきゃいけない。
義務教育は中学までなんだから、行かなくてもいいと思うんだけどね。
私は心の中で愚痴を吐きながら支度をした。
髪と制服を整えると私は鞄をもって玄関へと歩いた。
「行ってきます」
ボソッと伝えると玄関の扉を開けた。
顔をあげれば雲一つない快晴の空が目の前に広がっている。
私は目線を自分の靴へと下げ、トボトボ学校への道を歩いた。
途中で近所の人に出会うと会釈をする。
それ以上は何もしない。
車の多い通りへと出ると同じ高校の生徒たちが集まっていた。
「愛菜、今日のテスト勉強してきた?」
「え?テストなんてあったん?」
「忘れてたん⁉ヤバいやんけ」
すぐ隣でテストがどうとか話す先輩二人組。
「帰りたいぜ」
「まだ学校にもついてないぞ」
帰りたいと騒ぐ後輩とそれに突っ込むもう一人の後輩。
みんな楽しそうに笑っている。
でも私には関係ない。
その時信号が青になった。
私は人混みに押されるままに信号を渡った。
また歩くと学校に着いた。
毎日私を出迎える高校の門を抜け今度は教室へと向かった。
二階へと上がり私のクラスの二年C組の前に来た。
私は扉を開け教室に入った。
私を出迎える人は当然いないためすぐに席に着いた。
教科書を机に入れ、先生が来た時からは飛ぶように時間が過ぎていった。
といっても楽しくて時間が飛ぶように過ぎたのではなく、ボーッとしたままだ。
昼ご飯も購買で買ったあんパンを食べ、午後の授業も午前と同じように過ごした。
そして帰り。
私は大急ぎで学校を飛び出した。
早く帰ってゲームに没頭したい。
その一心で足を動かし続けた。
家に着くと鍵をこじ開け自分部屋へ転がり込んだ。
私は鞄をベッドへ放り投げ、パソコンへと直行した。
ゲームの私専用のメール欄を覗くと今日もたくさんの友達からのメールが届いていた。
私は微笑んでゲームの世界へと|飛び込んだ《ダイブした》。
今回の話は女子高校生のお話です。
彼女はゲームの世界だけが居場所で、現実世界ではボッチです。
思い付きで書いたので内容はすっからかんだと思いますが、楽しんでいただけたでしょうか。