1話完結☆短編小説
編集者:PIANO
不定期に1話完結作ってます。
恋愛・ミステリー・感動を主体に作ってます。
最初の方に登録してある小説は初期のものなのであまり面白さは少ないですが、
PIANOの小説シリーズの中で一番おすすめのシリーズです。
是非読んで感想ください!
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目次
人狼ゲーム
この小説は全性別向けなのでぜひ楽しんでください。
そして、人狼サバイバルというもとにした小説もよんでみるのがおすすめです。(青い鳥文庫)
人狼ゲーム、それは伯爵という謎の人物が開催するデスゲーム。
俺はこのことを、ただの噂だと思っていた。まさかその
自分が人狼ゲームをするなんて思っていなかった…。
俺の名前は琥珀城ツル。普通の中1だ。
普通に暮らしていたのにある日突然知らないところに…
『伯爵』と名乗る人物に強制的に人狼ゲームをやらされることになったのだ。
しかもそのゲームはデスゲーム。狼が勝ってしまったら俺は消える。
{伯}「今から人狼ゲームを開催する 参加者は琥珀城ツルくん 青岬リュウカさん 黒川スズメさん赤月ワグマくん 緑島クジラくん 桃色ネネコさん の6人だ。役職は市民が2人 占い師・騎士・霊媒師が1人と人狼が1人だよ 何か質問はあるかい?」
{青}「狼が勝った時は狼は消えないんでしょうか?」{伯}「消えないよ。狼は
残る。ほかに質問はあるかい?」
{6人}「ない」
{伯}それではゲームを始めよう手元にあるカードをめくってみてくれ」
気付けば俺の座っていた椅子の前にカードが置かれている。それをめくってみた。
カードは【騎士】。{伯}「確認はしたかな?それではゲーム開始だ」
俺は幼馴染のリュウカに役職を聞いてみた。
{琥珀}「おい、リュウカ、役職を教えてくれ」
{青}「ちょっと、いきなり何?私の役職?誰にも言わないならいいわ」
俺は首を縦に振った。
{青}「いい?私の役職は…【市民】」
{琥珀}「ありがとっ 俺も市民だ」
そういった後、俺はリュウカから離れ 椅子に座った。
人狼ゲームなら役職を騙ることも可能だ…俺もさっき市民だと嘘をついた…
早く市民陣営を見つけて夜の時に守護しないと…そう考えているうちに夜になった。
{伯}「では投票を始めよう 投票のルールは分かるかな?」全員がうなずいた。
俺は赤月ワグマが怪しいと思ったからそいつに投票した。
{伯}「では結果を発表しよう。結果は緑島クジラくんが1票 青岬リュウカさんが1票 赤月ワグマくんが4票だ。赤月ワグマくんには退場してもらおう。」
伯爵がそう言った 瞬間、地面から大きなクマが出てきた。
そのクマはワグマの腹を掴むとまた地面の中に消えた。
{黒}「今のなに?超怖いんですけど⁉」
{桃}「同じくです」みんなが動揺してる中、
{伯}「では5人、今から部屋を教えるから自分の部屋を 使うがいいよ」と言った。
俺は部屋で夜を過ごした。
21時になると、狼が動き出し、俺は他のプレイヤーを守らなければいけない。
考えているうちに21時になった。俺はリュウカを守った。
しばらくすると睡魔がおそってきて眠りについた…。
次の日、伯爵はこう言った。
{伯}「今日の襲撃は起こらなかった。騎士が守ったようだね。」と。
狼がおそったのはリュウカだったらしい。
でもこれで分かった。 “リュウカは狼ではないということを”。
話し合いの時間になった。
{琥珀}「誰かCOする人はいるか?」そう質問すると、
{青}&{緑}「私(俺)の役職は市民」2人はそう答えた。
市民は2人だからクジラが本物でもおかしくはない。
{琥珀}「この中に霊媒師はいるか?」思い切って聞いてみた。
すると、{黒}「私が霊媒師、昨日のワグマくんは白で、占い師だった!」
{桃}「えっ、私が占い師だよ…?なんでワグマくんが占い師なの?」
{緑}「どっちかが狼ってことだな?」
その言動は間違っている気がする、俺はそう思った。勘だけど。
{琥珀}「クジラ、それはたぶん違う。全員がグレーの状態だから。あとは自分で考えよう、投票する人物を。」
みんながうなずいた。それからは自由時間が始まった。
俺は先にCO しなかったネネコが怪しいと思って投票することに決めた。
クジラが、こう聞いた。
{緑}「なあ、ツル。今日の話し合いをまとめていたお前は役職を言わなかったよな?お前の役職は何なんだ?」
{琥珀}「俺は…」そう言いかけたとき、
{伯}「では、投票を始めよう。」といった。
俺のCOはどうなったんだ…?と思いながらも、伯爵に心の中で感謝した。
クジラは怪しそうに俺を見ていた。全員が投票をした。
{伯}「結果を発表しよう。桃色ネネコさんが2票、黒川スズメさんが2票、琥珀城ツルくんが1票。これより最終決戦を始めよう。」
もう一度投票をした。
{伯}「結果発表だ。桃色ネネコさんが2票、黒川スズメさんが3票だ。黒川スズメさんには、退場してもらおう。」
昨日みたいなことが起きた。天井から大きなスズメが出てきた。
スズメはその大きなスズメにびくともしないで言った。
{黒}「最後に言います、私の役職は…占い師」
そう言った後スズメは大スズメに連れ去られていった。
{青}「じゃ、じゃあ…ネネコちゃんが人狼ってことで?」
{琥珀}「その確率は高いな。ひとつ言わせてもらう。俺の役職は、騎士。昨日俺が守ったのはリュウカだ。それで襲撃で死ななかったからネネコは白だとわかっている。俺は寝る、おやすみ。」{桃}「えっ…ツルくんが騎士ってことでいいんだよね?これ」
{緑}「あぁ。そうしないと役職の配分が成り立たない気がする。そして俺は1日目にワグマが霊媒師だってことを知っていたからあっていると思う。そう考えると…、やっぱりネネコが人狼なんだな。」
{桃}「くっ バレたのか…」
ネネコがそうつぶやいたことは誰も知らなかった。 その日は終わった。
{琥珀}「くそぉ!騎士だとCOしたら人狼が狙ってくると思ったのに!裏をかかれたか!」
襲撃でクジラがやられたことを知った俺は激怒した。
そのとき、リュウカが来た。
{青}「大丈夫だよ、ツル。もう人狼は分かってるんだから。今日だけの辛抱なんでしょ?」
{琥珀}「リュウカ、ありがとう。」
15時、今日ネネコは初めて俺とリュウカの前に現れた。
{桃}「ね、ねぇリュウカさん?ツルくんが人狼だとは思わないの?」
{青}「いいえ?思わないわ。あなたツルに罪をなすりつけるようなことしてない?というかネネコってこんな人だっけ?」
{伯}「そのことを言うのを忘れていたね。人狼の人物は狼が脳内でのっとっているから違う性格になることがあるんだよ。おっと、これは失礼。狼の存在を教えるようなことをしてしまったね。」
そこから3人は別々の行動をした。そして投票の時間になった。
3人が投票をしたが、正直、もう結果は分かっていた。
もう人狼の存在はバレているから。
{伯}「投票の結果を発表するよ。琥珀城ツルくんが1票 桃色ネネコさんは2票。桃色ネネコさんには退場してもらおう。」
どこからか大きなネコが表れて、ネネコを連れ去った。
{伯}「人狼がいなくなった。よって市民陣営の勝ちだ!」
伯爵がそういった後、リュウカと俺はハイタッチをした。
{青}「やったわね!ツル!」
そう笑顔でリュウカが言ったとたん、俺たちがいた謎の空間は消えた。
人狼ゲームというデスゲームが終わったことを理解した。
人狼ゲームは終わった。もう…こんなのはこりごりだ…。
この小説は新しい話も作る予定なので楽しみにしていてください
感想があれば送ってもらって結構です
チョコレートの気持ち
全く売れない奥のチョコレートの気持ちを描いてみました!チョコレートにしたのは私の一番好きなおかしだからですねw(個人の感想)チョコレートは最高です☆
僕はチョコレート。コンビニで売られてるんだ。でも…いっちばん奥にあるし誰も買ってくれなさそう。今は冬。暖房がきいてるはずなのに寒いなぁ…前にしか仲間がいないからかな…。そのとき。「ねえ、ねえ!」声がした。…僕に言ってる?「あの…僕に言ってるの?」「そうに決まってるじゃん。前のヤツ全然しゃべんないから一緒にお話ししよ!」随分と元気な子だなぁー。「うん、いいよ」何もしていないよりましだから一緒に喋ることにした。でも、喋っているうちに2人とも眠ってしまったのだ…。「ん、んん…?」突然目が覚めた。あれ…前のチョコレートの子が…いない!いなくなってる!
買われちゃったのかな…。絶対そうだ…って!あの子が買われたってことは、最後が僕だから次!買ってもらえるはずだ!「ねえ、お母さん、これ買ってー!チョコレートおいしそう!」子供の声がした。「えー、チョコレートおうちにもあるよ?」子供!頑張れ!「でも、このチョコレートがいいの!買ってくれなきゃ私不良になるぅ!」買ってもらえるかも!だけど不良は言いすぎだなぁw「はいはい、分かったわ。じゃあ、コンビニ出たら食べようか。」「うんっ!」その子が僕を手に取った。そして…買ってくれたんだ。この時が、僕のチョコレート人生の一番うれしい時なんだと思った。
つまらない話ですみませんでしたっ
愛利とランドセル
小6の愛利とランドセルの物語です
私の名前は川崎愛利(かわさきあいり)。小学6年生で今日は…卒業式なんだ。うちの学校の校長先生話長いんだよな…だるいw卒業式は着々と進められて、ついに終わった。そして下校。お父さんとお母さんは仕事でもう別れちゃう。1人で帰っていると… ごとごと。ランドセルが揺れて音を立てている。「何っ⁉」怖くて急いで家に帰った。家に帰ってランドセルを置くと…。「…私はランドセルの妖精、ランドル。君と中学生になるまで一緒に過ごしたくて…そしたら、君と同じ言葉をしゃべれるようになったんだ!ところで、名前は?」「ランドル…?」悪いやつじゃないのかな。「わ、私の名前は川崎愛利…。ランドル、私と過ごしたいって本当?」「本当に決まってるじゃん!この春休み、1人の時は一緒におしゃべりしよう?」「嬉しい…!ありがとう…!」正直言って私には友達が少なくて、春休みはどうしようかとすごく悩んでいたところだったんだ。そして私はこのランドルと一緒に過ごすようになった。それから私とランドルは一緒におしゃべりをしていた。思っていたよりも流行とかを知っているし、好きな本も同じ。嬉しかった。
でもある日。お母さんにこう言われた。「愛利、よく綺麗にランドセルを使ってたわよね。突然なんだけど…このランドセル、他の国の支援のために送ってもいいかしら?」「支援って…あのランドセルを机代わりにして使うみたいなやつ?」「そうそう、で、大丈夫かしら?」「ん-…ちょっと考える。今日までに返事するね!」私はリビングを後にした。「ランドルっ!お母さんがね…」言われたことをすべて話した。「そっかぁ…でも、私がまた誰かの役に立てるなら!私はいいよ?愛利は?」「私は…悲しいけど、ランドルがそれでいいなら、それでもいいよ…?」私は支援をすることをお母さんに言った。悲しかったけど…誰かのために…!
ついにお別れの日。「ランドル、じゃあね。」「私は、楽しかったよ…愛利といることができて…!じゃあ、バイバイ!」「バイバイ!」それ以上話しかけても、ランドルは答えてくれなかった。魔法のようなこの現象は、終わってしまったんだな…。そう思った。別れることも大切なんだ。そう思い込んだ。
私は大人になった。でも、これだけは忘れない。ランドルのこと、大好き。絶対に、忘れない!
感動してくれた人…いるのかな…?
幼馴染はまさかのモデル
楽しんでいただけたら嬉しいです☆感想も欲しいです(参考にします)
キャラクター:主人公→大柳 結亜(おおやなぎ ゆあ) 幼馴染→川原 祐(かわはら ゆう)
私の名前は結亜。中学2年生。私にはモデルの幼馴染がいる。それは…川原祐、同い年の男子だ。もちろんモデルだからスタイルはいい。でも祐は小学校入学の時に引っ越して会えていなかった。でも、突然明日からこっちに引っ越してこっちの学校に通うことになったみたいだ。そして…祐の転校してくる日が来た。私の家とは隣らしいけど緊張するから1人で登校した。祐と私は同じクラス。ホームルームの時間が来た。「僕の名前は川原祐です。よろしくお願いします」クラスの女子はみんな祐のことを一直線に見ている。先生はそれを見てちょっと気まずそうな感じで、「じゃあ、川原くんには大柳さんの隣に座ってもらいます。大柳さん、手を挙げて。」手を挙げる。絶対私のこと知ってるはずなのに…。祐は気まずそうな目で私を見てくる。何なの?もう。祐が私の席の隣に座る。「久しぶりだな、結亜。学校のこといろいろ教えてくれよ。ただ、隣の席っていう設定でこいつらには幼馴染だってことは秘密な。」私にささやいてきた。「分かった。こっちもそれ言おうとしてた。」微妙な感じで私たちの今日はスタートした。
祐と同じクラスになって1ヶ月。周りではこんなうわさがある。「結亜と祐くんって幼馴染らしいよ」「あの子が幼馴染なの⁉全然気づかなかったー!」私たちにわざと聞こえるように言ってきてるみたいで気持ちが悪かった。「あのさ、それ、やめてくんない?俺と大柳は隣の席なだけ。」祐が言った。「わ、分かったよ…祐くんが言うなら…」祐が言うから…?私と祐の距離は思っていたより遠いんだと感じた。
そしてある時。私は気付いてしまったんだ。祐のことが好きだと。今までは当たり前のように仲良く?していたただの幼馴染だったのに、異性として祐がキラキラして見えるようになった。やっぱり好きなんだよね…?こうなったら、もう思い切って告白してこの気持ちをどうにかしよう!
「ねえ、祐。今日の放課後、祐の家行っていい?渡したいものがあるんだ。」「別にいいよ、今日は撮影ないし。で、いつ頃?」今日、告白するんだ。
放課後、私は祐の家に行って一緒にゲームやおしゃべりを楽しんだ。もう帰る時間5分前になったころ。祐に聞かれた。「で、渡したいものって?」私はもう、告白すると決意した。大きく深呼吸をして…。「わ、私…祐のことがその…好きなんです!」言い切った。ちょっとぎこちない感じだったけど。「えっ…!僕もさ…結亜が好き…なんだよね…!」つまり、両想いってこと⁉脳が爆発しそう。こんな気持ちは初めて。「ならさ、付き合おうよ、祐。私と、付き合ってください。」「はい。」祐は心からの笑顔を見せてくれた。
それから少し経ったある日。「出かけてくるー!」「ちょっと、結亜、急にどうしたのよその恰好。何かあったの⁉」「あ、お母さん、私彼氏できたんだよね。だから、デート!」「誰と?」「もちろん…祐に決まってるじゃん!」「やっぱりかぁ、結亜もデートするくらい大人になってきたものね。行ってらっしゃい!」「行ってきます!」幸せを感じながら私は家を出た。
モデル要素あんまりなくてごめんなさい(?)シリーズよりも1話完結の方が書きやすいなぁ
俺の弟はまるで…
面白めの小説を初めて書いてみました!あんま自信ない…
俺は今、家族とソフトクリームを食べている。お店のじゃなくて市販に売ってるやつ。その時に起こった面白いこと…それは。
俺には幼稚園児の弟がいる。弟は黒いパーカーと黒いズボンを着ていて、黒いサングラスのおもちゃを掛けている。黒いサングラスは最近ハマっているようだ。そして…その弟はチョコレート味のソフトクリームを口の周りに付けている。それは髭のようだった。その黒ずくめで髭のある弟はまるで…
犯罪者のようだった。
面白いと思う人は面白いと感じる系の小説でしたwもっとうまく小説書けるようになりたい!
折り紙
道徳みたいなお話ですw
私は星軒雫(ほしのきしずく)。仲良しの真美(まみ・まーちゃん)・夏(なつ・なっちゃん)・実織(みおり)と女子サッカー部に入っている小学6年生!今までは4人ともサッカーをやっていたんだけど…実織が急に足のけがをして入院しないといけなくなった。実織のお見舞いに行くだけじゃ私は何か足りないと思っていた。
ある日。3人でサッカー部から帰っていると、真美が急にこんなことを言い出した。「ねえ、実織って入院してるじゃん?思ったんだけどさ、みんなで折り紙を折って届けに行きたいなって…。」私が思っていたことは…それだ!「私もそれ思ってた!でも私たち折り紙下手だからなー、何が作れると思う?」「うちは…四つ葉のクローバーなら作れるけど?2人は?」「「作れる!」」「じゃあ、うちら3人で千羽鶴ならぬ百四つ葉を作って次のお見舞いにもっていかない?」「なっちゃん、ナイスアイデア!」「じゃあ、明後日までに1人につき33個の四つ葉、作ってこよう!明後日ちょうどお見舞いの日だし。」「んじゃあ、うちが34個四つ葉作ってくる!」「あ、もう分かれ道だね、バイバーイ。」「「バイバイ、雫!」」その日はクローバーを18個作った。疲れたし…残りは明日でいいや。
次の日。朝から私たちは話していた。「雫ー、折り紙何個作った?」「18個作ったよ!そう言ってるまーちゃんとか、なっちゃんは?」「私は20個かな」「うちは雫と同じで18個!」「よかった、私だけ作れてないとかじゃなくて。じゃあ、今日の放課後も頑張ろうね!」「「うん!」」でもその日、私はサッカーで疲れて折り紙を作らずに寝ちゃったんだ。
折り紙を持っていく当日。「やばいやばいやばいやばいっ!折り紙作り忘れてた!」今日は休んじゃおうかな…でも、ちゃんと謝った方がいいのかな…。そう悩んだ末、私は学校に行くことにした。「ごめん!まーちゃん、なっちゃん!私、昨日疲れてて折り紙作るの忘れてたの!」2人は驚いた顔をした後、顔を見合わせた。「雫、いいよ。私たちが今日手伝ってあげる!」「えっ…⁉」許してくれないと思っていた。「そうだよ!33-18=15…15羽だよね?休み時間に作れば間に合うかも!今から作るよ!」まーちゃんの合図で折り紙作りは始まった。そして…放課後までに作り終えたのだ!
病院に着いた。病室のドアを開けると実織がベットに横たわっていた。「実織、調子は?」「全然大丈夫だよ。お医者さんにもあと2週間で退院していいよって言われたし。」「よかった…。で、今日はうちら、渡すものがあるんだよね!」「えっ?何?」「「はいっ!」」私とまーちゃんの2人で実織に折り紙を渡す。「えっ…私のために四つ葉を折ってくれたの?…嬉しい…ありがとう!」「どういたしまして!早く元気になって、サッカー部戻っておいでよ!」「はいはい(笑)」
私たちは無事にプレゼントを渡せた。優しい友達がいて…本当に良かった!
ほっこりするお話でした☆結構自信作かも 感想あったらお願いします!
🎃ハロウィンと魔法の恋👻
ハロウィンをテーマにしたラブストーリーです!怖い話ではないので安心して下さいw
私は珠梨(じゅり)。私には好きな人がいて…それは。幼馴染の航平(こうへい)。気持ちを伝えるのが今日、ハロウィン。この街にはハロウィンの夜に告白をすると叶うという言い伝えがあるんだ。言い伝えだからわからないけど、私は今日、告白しようと思う。今日はハロウィンだからクラスの中の7人でパーティーをする予定なんだ。参加するのは理花(りか)・千尋(ちひろ)・明里(あかり)・裕悟(ゆうご)・幸斗(ゆきと)・航平・私の7人で、仮装もするんだ!おかしも持っていくんだけど…私はどうしようかな…?コンビニでミニマフィンでも買っていこう!
パーティー開催場所の千尋の家に来た。ピンポーン ガチャ 「ハッピーハロウィーン!」明里が出迎えてくれた。中に入ると、もうみんな着いてたみたいで私が最後だった。「やっと来たんだね、珠梨!みんなわくわくして早く来ちゃったんだよね!」みんなが笑う。「じゃあ、ハロウィンパーティー、始めますかっ!」千尋の声にみんなでうなずいた。ここでみんなの仮装を紹介するよ!理花=魔法使い・千尋=黒猫・明里=有名な魔法学校の制服・裕悟=狼男・幸斗=警察・航平=ヴァンパイア・そして私はおばけっ!航平のヴァンパイア、かっこいいなぁ…!「理花の魔法使いすっごくかわいい!そして珠利のおばけもかわいいねっ!」「ありがとう!男子もかっこいいよね、いつもよりは?」お世辞みたいな感じだったけど男子たちは満足げ。告白…いつしようかな。この恋を知っている千尋にひっそりと相談をする。「ねえ、千尋。私…いつ告白すればいいかな…?供しようと思うんだけど。」「えっ!じゃあ…パーティー中に私がみんなを引き付けるからその間に!航平って都昆布苦手だったよね?私持ってきてるから。今やろう!」「ねえみんな!私都昆布持ってきたんだけど…いる?」「俺は苦手だからいいや」「私もあんまり好きじゃない…」私と航平以外の、みんなが集まっていった。「航平!ちょっと来て!」「どうした?」私は航平をベランダに連れて行った。千尋の家には何回も来たことがあったから知ってる。今、勇気を出して告白するんだ!
「あのさ、こ、航平…。私、航平のことが好きです…」私の顔は多分真っ赤になっていると思う。でも告白できたからこれでいいんだ。「それって…本心か…?」「うん。そうだけど…?」「俺も珠梨のことが好きだ…」「えぇっ…!」顔の緊張が一気にほぐれたような気がした。私はこう言うと決意した。
航平・珠梨のことが好きです!付き合ってください!
2人でリビングに帰ってくるとみんなが私たちを見て立っていた。「え、何?みんな」「千尋から聞いたよ。航平と珠梨、付き合うんだよね⁉」「何でそれを知ってるの⁉ねえ、千尋⁉」「ごめんごめん、いつもとは違ってこのことは内緒とか言ってなかったし?みんなも急に2人がいなくなってびっくりしてたから?」「で、珠梨!告白は…上手くいったのっ⁉」「うん…!で、付き合うことになりました…!」「航平、それ、ほんとか⁉」幸斗が言った。「本当に決まってんだろ!」航平は誇らしげに答えた。私と付き合うこと、良く思ってくれているんだ…!心の中が温かくなった。
その後ハロウィンパーティーは私と航平の付き合い記念日?も兼ねたパーティーになった。みんな私たち2人のことを応援してくれるみたいで、すごく嬉しかったんだ!ハロウィンの言い伝え、してよかったな…!
今は…ハロウィンの季節じゃないですねw(作成日12月)
最後の葉が散る時
葉っぱの妖精が主人公の切ない物語です
私は葉っぱの妖精のヒラリ。
もうすぐで私の生まれた木の葉が散ってしまう…。
葉っぱの妖精は自分の生まれた木の葉っぱが散る時に命を落としてしまう。
だから…寿命は1年もない。
木を眺めていると反対側にも妖精がいることに気づいた。
私が驚いていると、反対側の妖精が話しかけてきた。
「君は誰?この木の妖精だよね、服がおんなじ色してるよ。」
「あなたは…誰?」
「僕はマウハだよ!君の名前は?」
「私もこの木の妖精のヒラリ。もうすぐ死んじゃうからマウハもこの木に…?」
当然だけど…とりあえず聞いてみた。
「うん。僕も今日が命日。…もう、残りの葉っぱが20枚になっちゃったね。」
「えっ?」
驚いて木を見てみると…確かにもう、葉っぱの数は数えられるくらいになっている。
「ねえ、マウハ…提案なんだけどさ…。私たち、この木の葉が散るまで、一緒にいない?」
「当然いいに決まってるよ。どうせなら、恋人みたいなことがしたいな。…僕は…ヒラリのこと好きだから。」
こんなにマウハと喋れているのは何でだろう。
本々私は他の妖精と喋るのは苦手で…。
なのに、マウハとは緊張もしないし、むしろ普通に喋れる。
私もマウハと一緒にいたいって思う。
「私も…マウハのこと…好き。私、他の妖精と一緒にいるの苦手だけど…マウハとは一緒にいたいって思えるんだ。」
一緒に過ごしているうちに、残りの葉っぱは2枚へと減っていた。
「ついに葉っぱが二枚に…なっちゃったね。」
ひらひら~…ともう一枚散り、残り一枚に。
「僕、この人生幸せだったよ。ありがとう、ヒラリ。」
「私こそ!マウハ、ありがとう。来世でも会えるといいね。じゃあ、またね。」
そういう言葉を口に出したのは、もう自分の命が終わるということを察知しているからだと思う。
笑顔でマウハに微笑みかけると…最後の一枚も、散ってしまった…。
私の人生の最後のひと時は、とっても楽しかったよ。
読んでいただきありがとうございました!
死んだらまた会えるよね?
怖い話ではなく、感動する系の物語です!(題名が怖いだけ)
どごぉぉぉぉぉん…
私と友達の乗っていた高速バスは衝突事故にあった。
「誰か…助け、て…誰でも、いいから…」
バスに乗っていた乗客と運転手はみんな、死にかけになっていた。
衝突で火事が起き、多分みんなが煙を吸っていた。
神に願うしかない…
そう思っていると、煙の中から黒い服を着た男性が現れた。
長い前髪で片方の目は隠れていて、ちょっとかっこいい感じの男性…
耳には赤と銀のピアスをはめている。
その人は他の人々の周りに行って大丈夫ですか、と声をかけて回っている。
そして、私の所にも来た。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃ、ない、です…。早く、助けて、ください…」
「返事ができるならまだ大丈夫だ。君ならまだ生きれる。頑張れ。」
返事ができる…私の状況は他の人よりかは大丈夫な方だったの…?
私は気を失った…。
事故ではほとんどの人が亡くなってしまい、友達も死んでしまった。
「死なないでよ…胸が、痛くなっちゃうじゃん…」
私は気を失ったものの助かったらしく、今を生きている。
あの男性…今考えてみると正体に予想がつく。
黒い服を着ていて赤と銀のピアス…。
ピアスは鎌の色…だとすると…
私はあれから健康に過ごし、今は孫に囲まれて楽しく暮らしている。
「おばあちゃん、リボン結びのやり方教えて!」
「いいよ。まずここを結んで…、うっ…」
急に体が重くなって…とってもきつくなった。
口から何か出ていて手で押さえてみると、それは…血だった。
「お、お母さん!おばあちゃんの口から、血が!」
布団に寝転がり、上を見ている…。
「私、もうすぐ死ぬかも…」
「おばあちゃん…」
「お母さん、しっかりして!死なないで…!」
「ごめんね、またいつか。」
自分の死を感じる。
涙が出てきて、視界がぼやけていく。
目を閉じようとすると、視界の隅に、あの男性が見えた。
「この前の…!」
声は誰にも聞こえてないらしく。
「この前の君だね?あの時はよく生きのびたね!でも…もう君は寿命だ。迎えに来たよ。」
「やっぱりあなたは…死神だったのね…!」
魂がすぅ…っと身体から抜けていくような気がする。
私は彼に最後、微笑んだ。
死神って本当にいるんでしょうか?
僕の体質
悲しい(?)体質を持った男の子のお話です
ガラガラガラ…コトンッ
「はい、6等のたわしね。次はいいのが当たるといいわね!」
「…ありがとうございます。」
また…たわしか。
僕:紫崎柚(しざき ゆず)は生まれつき運が悪くい。
その運の悪さは多分体質みたいなものかな?って思ってるんだ。
「柚は何を当てたんだ?見せてくれよ?」
そうやって僕に話しかけてきたのは僕をいじめてくるやつらだ。
主犯格はクラスの中で男子のリーダー的な存在の澤野陸(さわの りく)。
「あ、陸くん…僕が当てたのはたわしだから探る必要はないよ?あはは…」
「またたわしかよ!笑えるよな、みんな。」
「なんで柚はいつもたわししか当てないんだよ!すごいやつ当ててたなら仲間にしてやってもよかったのにな、陸!」
「そうだな。まあ、こいつが入ると俺たちの運まで悪くなりそうだけどな?」
「運が悪いから何なの…?」
「なんか言ったか?…まあいいか。じゃあまた明日な?」
「ば、ばいばい…?」
この人たちといると疲れるなぁ。
僕は運が悪くていじめられている上に、内気なんだ。
僕の運が悪いのは理由?予想?があるんだ。
お父さんは僕とは正反対に運がとってもいい。
そのおかげで仕事は恵まれているんだけど、最近は忙しそうで…疲れているように見える。
そんなお父さんの息子だから僕は逆に運が悪くなっちゃったのかな。
それとも…僕のただの思い込み?
次の日。
僕はまた、いじめられていた…。
「お前、こういうことされるっていうことだけは運がいいよなぁ。まあ、そんな運は俺たちにはいらないけどな?」
もう、こんな生活なんて嫌だよ…。
学校が終わった後、僕は急いで誰もいない原っぱに来た。
みんな草だらけだからって嫌がって来ないからここは僕にとっていい場所だ。
「もうこんな運の悪い生活なんて嫌です。神様、僕を助けてください!」
そう叫んだ瞬間、一瞬だけあたりがすごく明るくなった。
僕はちょっと怖くなって、また急いで家に帰った。
また次の日。
今日もやっぱりいじめられていたけれど、何かが変わる気がして少し怖くなかった。
「今日定規忘れたから借りるわ。まあ、お前の定規はなくなるけど別に困らないだろ?自分で直線くらい引けるんじゃないか?」
「定規…はい、どうぞ…。」
渡しちゃったけれど、本当は渡したくなかった。
僕は授業中の暇なときによく練り消しを作っていて、手が痛くならないように定規でコロコロしてるから、貸したくなかった。
まあ、練り消しなんか作らなければいいんだけどさ…?
そう思っていたら…やっぱりいつもとは違うことが起こったんだ。
「澤野くん、紫崎くんが困ってるっぽいし…返したらどう?定規は先生から借りればいいんじゃない?」
そう言ったのは、クラスの中でも冷静で男子にモテている、榎本由愛(えのもと ゆあ)だ。
「…榎本さんが言うなら…返す。ほらよ。」
陸は榎本さんのことが好きだから…榎本さんに感謝しかない。
「榎本さん、ありがとう。」
「どういたしまして。あのさ…澤野くんたちって紫崎くんのこといじめてるでしょ?私…先生に言うけど澤野くん、いい?」
「駄目って言っても言うんだろ?どうぞ…。」
好きな人に言われたら流石に反省するのか…態度が変わる人って本当に面倒かも。
あれから僕をいじめていた陸たちは先生にすごく怒られて反省したようだ。
僕の体質のおかげでもう陸たちはいじめもやめたし…よかったのかな?
「僕の体質って悪いことばかりじゃないかな。」
僕はそう呟いた。
ただ…やっぱりくじ引きはずっとたわしを引き続けてしまう…。
みなさんには体質ってありますか?
作者PIANOには人ごみに行くと疲れるという体質がありますね…
まあ、インドアだからというのも関係するかもしれませんがw
王女と戦争
{キャラ説明}
名前:シュガー・ビター(プリンセス)
年齢:14歳
優しくて困っている人を放っておけないタイプの女の子です!
この国の中で私の名前を知らない人はいない。
なぜなら、私はお菓子の国:スイート王国のプリンセスだから。
建物はもちろん、全部お菓子を使っている。
今まではお父様やお母様、執事のバニラと楽しく暮らしていた。
「バニラ、一緒にお勉強しましょう!」
「承知いたしました。どこのお勉強をなさるのですか?」
みたいにバニラと勉強したり、
「お父様、お母様、寝る前のぎゅーをして!」
「分かったわ。お父様も、してくれますよね?」
「もちろんだ。可愛い娘だからな。」
お父様やお母様と一緒に過ごしたり。
こんな幸せな暮らしが続くと思っていた。
でも…今のこの国には、そんな暮らしなんて前からなかったかのような
張り詰めた空気が流れていた。
それは、スイート王国は隣のクリスタル王国と戦いをしていたから。
クリスタル王国は宝石系のことが盛んで武器も
ダイヤモンドやルビーなどを使った強い武器ばかりだった。
でもそれに対してスイート王国は、クリスタル王国と比べると
すぐに潰れてしまうくらいのお菓子の家だったし、強度の弱い武器ばかりだった。
一番強いのが飴の爆弾。
もちろんそんな戦いに勝てることはなく…
王国にある村や町は全部焼け野原となってしまった。
何より私が悲しかったのは…
お母さまが死んでしまったということだった。
「まさか、お母様が死んでしまうとは思わなかったわ…。」
その後スイート王国は負けを認め、戦争は終わった。
ある日の夜、城にある花園の所にある椅子にバニラと座っていた。
まだ悲しい気持ちは収まらなくて、どうしようもなく思っていた。
「お母様はもう、帰ってこないの…?」
「もう、帰ってこないかもしれませんが…姫、上を見上げてください。」
夜空は晴れていて、星が輝いていた。
「うわぁ、綺麗…!」
「人は死んだらお星様になることを姫は知っていますか?
姫のお母様も今は空から姫のことを見守っているんだと、私は思います。」
「お母様がお星様になっても、私やお父様とは繋がってるの?」
「そうです。そう考えたら、もう寂しくという気持ちはなくなりませんか?」
「お母様は、ずっと見守ってくれているのね…!」
この時、私の心の空の雲が一気に晴れた気がした。
あれから7年。
私は14歳、バニラは18歳になった。
「おはようございます、姫。今日は何を?」
「おはよう、バニラ。まずは花園に行って水やりを手伝おうと思うの。」
花はお菓子ではなく、普通の綺麗な花。
「朝食の時間までには帰ってきてくださいね。」
「分かってるわ。じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃいませ。」
楽しい一日が今日も幕を開ける。
終わらない迷路
この小説の謎が分かりますか?
突然、僕は肌色のクレーンのようなもので掴まれ、迷路に落とされた。
「何…?この迷路…。」
周りはクリーム色の壁しかない。
「とりあえず壁伝いで出口を探してみようかな?」
僕は右側の壁に沿って歩き始めた。
20分後、僕はまだ出口を見つけられないどころか…
最初と同じ場所に帰ってきてしまった。
「何で…?僕、もう疲れたよ…」
重くて黒い殻を背負って動くのは結構大変。
その日はもう動くのをやめて寝て過ごした。
それからも毎日毎日出口を探し続けた。
でも、全く見つからない。
「そろそろお腹もすいてきちゃったな…」
お願い、僕に出口を教えて。
{解説}
主人公は…男の子ですって?
違う違う。
主人公は、ダンゴムシ。
「重くて黒い殻を背負って動くのは結構大変」って書いてあったよ?
…それがヒント。
最初の肌色クレーンっていうのは人間の手。
分かりましたか?
ミステリー小説作るの結構難しいんですよね…w(題材探しが大変!)
公園に行っただけなのに。
これは私:PIANOの本当にあった話。
(出てくる人の名前は変えています)
これは私:PIANOが体験した話。
学校から帰った放課後、私と友達の葵・美緒と遊びに行っていた。
私たちの家の近くには公園があって、その公園にはあるウワサがあった。
それは…
「ある決まった時間に物を盗む男性が来る」というものだった。
ウワサって言っているけれど本当に経験した子もいるから、実際にそういうやつがいるわけだ。
コンビニでコンソメ味のポテトチップスを買って、そのウワサのある公園へ行った。
(その時は全然ウワサのことなんて頭になかった)
公園にやってきて10分くらいたった。
私たちはお喋りをしながらポテトチップスを食べていた。
その時だった。
知らないおじいさんが歩いてきた。
最初はただ通りかかっただけだと思った。
でも公園にいたほかの子たちが急に逃げ出したから変だと思った。
すると、おじいさんは私たちの方を見た。
「それをくれ。」
そう言いおじいさんは美緒が持っていたポテトチップスを奪い取り…
むしゃむしゃと食べ始めたのだ。
「やばいんじゃない、これ。逃げようよ…」
葵がそう言った。
私たちは怖くなって荷物を持ち走って逃げだした。
走って向かった先は、美緒の家の前。
「PIANO、葵。私あの人知ってるかも…!あの、物を奪い取るやつじゃないの…⁉」
「何それ?」
「ある時間に誰かの持ち物を奪っていくやつ。過去にはゲーム機を取られたケースもあるみたい。」
「…聞いたことあるかも、それ。」
私もウワサのことを思い出した。
「先生とかお母さんに言った方がいいのかな…?」
「一応言ってみよう。」
私たちはそう決めた。
もう一度言いますが、これはノンフィクションです!
2月3日追記:その後、美緒とそのお母さんが警察に通報してくれました
謎に終わりはありません。
ミステリー小説の超短編を3つお届けします!
意味が分からなくても謎の少年:謎賀トケル(なぞがとける)が
解説をしてくれます!
1. ここにお医者様はいらっしゃいませんか?
ここは火事の起こったすぐ後の土地。
そこで、一人の女の人が叫んでいた。
「ここに、お医者様はいらっしゃいませんか…?」
よく見てみると女の人は足を少しケガしていた。
女の人は医者がいないと知って諦め、また違う言葉を叫びだした。
「ここに、科学者様はいらっしゃいませんか…?」
{謎賀トケルの解説}
足をケガしているから医者を呼ぶのは分かるよね。
でも、科学者を呼ぶのはおかしい…というのも分かるよね。
この人はつまり、足をケガしていることなんて気にしない…いや、絵の具か血のりで
ケガしてるようにみせて、結婚する相手を呼び掛けていたんだろうね。
2. ロボット
「ついにこの会社にもロボットが導入されるのか…!」
俺はとてもわくわくしていた。
それは、時代として最先端の…ロボットが会社に入ってくるからだ。
「ついにじゃないからな。前にも1回入れて、会社員の何人かはロボットなんだぞ?」
先輩がツッコミを入れてくれる。
「そうだったんですね!僕…まだ入社して1年も経ってないから…
未熟だったみたいですね。」
ああ…喉が渇いたな。
そう思った僕はペットボトルに入ったオイルを飲む。
{謎賀トケルの解説}
普通に読むと、入社して1年も経たない若手社員がロボットが前にも導入されたことを
知る…と読めるよね。
でも最後の1行を見てほしいな。
ペットボトルに入った水ではなく「オイル」だって?
この社員は自分で自覚していないだけで、ロボットだったようだ。
3. ポテトチップスができた理由?
アメリカのあるホテルで、1人のわがままな客がコック長にこう言った。
「ジャガイモを薄くスライスしろ」と。
それを聞いたコック長はそのとおりにジャガイモを調理して、客に出した。
「なんだと?このジャガイモ…」
{謎賀トケルの解説}
ポテトチップスができた時のエピソードみたいだね。
でも、そのジャガイモって美味しかったのかな?
だって…そのジャガイモはスライスされただけで揚げられてないもの。
まあ、客の自業自得なんだけどね?
(そのジャガイモを揚げたら本当にあった話になるよ)
楽しんでもらえましたか?
こんなテーマでミステリー小説を作ってほしいなっていうのがあったら
是非教えてください!
魔法使いと弟子
1000年以上という時を生きられる魔法使いの種族と人間である弟子の女の子が
2つの意味のパートナーとして生きようとする恋のお話。
「…オー、レオー? あれ?レオぉぉぉぉぉぉぉ?」
ん…?この声は…って!
「あっ、寝てました!。すみません…。」
「うん…いや、呼んだだけで…?」
良かった…。
私は檸央(れお)。年齢は14歳。魔法使いの弟子にしてもらってる。
で、その魔法使いっていうのは…この時代に生きる伝説の魔法使い「凛久」さん。
凛久さんは長い髪に、紫色の髪色をしている女性。一人称は何故か「俺」だけど。
ちなみに…これは関係ない…けど私はレオって呼ばれてる。
「今日は何をするんですか?」
「んー…今日は依頼があって。隣村に住んでいる夏帆ちゃんって子が友達の誕生日に
プレゼントできそうな魔法の何かを作ってほしいんだってさ。」
「ちなみに…その報酬は何ですか?」
「パワーストーンの埋め込まれた髪飾り。ちょうど髪結ぶための
ゴムゆるゆるになっちゃったから。」
「はぁ…分かりました。手伝います。」
「そんなこと言ってもらわなくても手伝ってもらうつもりだったけどね。」
これがいつもの日常。
…そんな凛久さんと会ったのは9年前のことだった。
私が5歳の頃。その日は土砂降りの雨だった。
両親に捨てられて家もない私は靴を履かず、傘もささずに歩いていた。
「もう…動けないよ…」
身体が冷えた上に疲れて私はコンクリートの地面に座り込む。
泣きそう。
「お母さんとお父さんは何で私を捨てたの…?」
私の家庭はどっちかというと裕福だった。
だけど、2人とも仕事に夢中で全然育児をしない。
で、文句を言ったら…
「そんなことを考えるの⁉…この家から出ていきなさい!
お母さんの仕事の邪魔をするな!」
「そうだぞ。檸央、お父さんとお母さんは仕事で忙しいんだ!
本当に出て行ってもらってもいいくらいなんだぞ!」
その時、私の心の中の糸がぷつり、と切れた。
「…ああそうなんだぁ。お父さんにもお母さんにも私は必要とされないんだったら…
喜んでこの家を出ていくよ!じゃあね。もう二度と現れないで。」
反省はしていない。むしろ良かった。
でも…両親がいないって考えるとやっぱり…泣いてしまう。
その時だった。
「君、両親いないの?」
誰…?顔をあげてみるとそこには髪が紫色をした女の人が立っていた。
「誰…ですか?」
「俺?俺は凛久っていうんだ。君は?」
「私は…檸央。お父さんとお母さんとは…さよならした。」
「そうなんだね。詳しい理由は聞かないよ。…檸央、いきなりなんだけどさ…
俺と一緒に暮らさない?」
「え…!」
こんな綺麗で優しそうな人と一緒に暮らせるってこと?
「一緒に…暮らしたい!」
「いいよ。じゃあ、行こうか。」
そう言って凛久さんは泥まみれになったことなんか気にせずに私を負ぶってくれた。
そんな凛久さんが…私は好きだ。
年とか関係ない。好き…なんだ。
「はぁ…隣村に行くのって本当に遠いですよね。疲れました…。」
私と凛久さんは薬を作り終え、実際に私に行っている。
ただ…隣村に行くには山を越えなきゃいけなかった。
「こんなので疲れたとか言っていたら駄目だよ。昔は山の中に道なんてものは
存在しなかったよ?そう考えたら今の時代は楽なものだね。
んー…まあ、レオは今の人間だし別に休んでもしょうがないね。休んでいいよ。」
「ありがとうございます。…凛久さん、先行かないでくださいね。
まだ完全に道に迷わないとかじゃないので。」
「分かったよ。」
休憩は終わり、それからはずっと歩き続けた。
すると、反対側からパーカーを被った一人の男性が歩いてきた。
男性は私たち2人を見ると、突然目を見開いて、木の棒を私たちに向けた。
私たちというか…多分凛久さんに向けてだ。
「お前を絶対に許さない。」
「あなたは…何かで見たことある気がするけど…誰だった?」
「…弟子の俺を捨てた上に新しい弟子まで作るとは…お前は最低だな。」
「思い出したよ、君の名前。氷雨くんだったね。随分と大きくなって見間違えたよ。
…俺は氷雨のことなんか捨てていない。氷雨が勝手に出ていっただけでしょう?
俺は強制的に魔法を学ばせようとか思ってないからね。」
「凛久さん。失礼ですが氷雨さん?の言っている言葉、聞こえてましたか…?」
「もちろん聞こえていたよ。俺は最低じゃない。」
「最低だ。で、俺はお前を許さないから、お前のこと殺す。」
氷雨さんは…悪くなさそう?
といって、凛久さんが悪いわけでもないし…。
「氷雨に俺のことを殺すなんてこと、できるかな?」
私は凛久さんのことを裏切らない。
だから私は氷雨さんに向けて木の杖を向ける。
一応私も魔法は教えてもらってるから…大丈夫。
「俺からだ。 … 」
戦い始めてもう20分。凛久さんと氷雨さんは息なんて切れてないのに私だけ、
なんかぜえぜえしていて…足手まといみたいだ。
「あーあ、これでもお前のこと倒せないのか。この手を使うかぁ…奥儀発動。
『死死死』(ファ〇キュ)。」
すると突然凛久さんの周りに数えきれないほどの剣が現れた。
「危ないっ…!」
気付いた時には体が動いていた。
「ば、バリアウォールっっっ!」
バリアウォールは自分のいる場所の周辺で全部の方向のバリアを展開する防御魔法。
「完璧…!」
そう思っていたのに。
グサッ
「えっ…?」
自分の腹から…剣の先が突き出していた。
血がドバドバと流れる。
「何でっ…嫌だっ…」
「レオっ…俺を守ろうとしてくれたのは嬉しいけど…
これは俺の力でも直すのは難しいよ。」
「いいんです。私は凛久さんを守りました。…死ぬ前に一つだけ。
私は、師匠としてあなたが好きでした。…でも、女ですよね。
付き合えないとは分かっていても…好きでした。
さよなら。」
私は、この人生。幸せ、でし、た…。
「…この空気壊すの悪いけど…俺、男だよ?」
終わり方ちょっと不安定でごめんなさい!
雪が降る日は貴方を思い出す。
私の住んでいる地域にはそんなに雪が降りません!(少しなら降る)が、
冬終盤で冬の小説を書いていきます!
雪が降る日は、貴方を思い出す。
雪が降る日は、悲しくなる。
雪が降る日は、アナタの写真を見ながら静かに泣く。
雪の降るある日、俺は彼女の貴方とデートの約束をしていた。
「遅いなぁ…」
そう思っても、結局は今来たばかりだよって言っちゃうんだけどさ。
横断歩道の反対側に、貴方の姿が見えた。
手を大きく振ってくれるから…ちょっと恥ずかしい気持ちになる。
横断歩道を渡る時だった。
キキィィィィッッッッッ…!
肉がひしゃげるような音がした。
「きゃぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁっっっっ!」
そして…悲鳴が聞こえた。
大きな音がして、目を開けると…あなたはいなくなっていた。
というか…血まみれになっていた。
「し…死んでる…⁉」
原因は、雪によるスリップだった。
曲がろうとした車が滑ったらしい。
「わざとじゃないと分かっていても…許せない…。」
それからはひたすら悲しみと悔しさという気持ちに溺れた。
「俺が貴方と一緒に行ったらこんなことには…」
「貴方は何も悪くないのに…」
「貴方とあの日にデートの約束をあの場所でしなかったら…」
泣くことしかできない。
「そんなこと言うのはやめてよ!」
それは…貴方の声…⁉
「私が死んだから何?自分を追い詰めてそんなに大きい収穫でもあるの?
私は雪だよ。雪が降る日は私のことを貴方に思い出させてあげるわ!
とにかく、私がいるいないでそんなことを言うな!」
叱られた…
というか、俺を正気に戻すため叱ってくれたのか…?
俺…ダメだ。
ちゃんとしなきゃ。
そういえば…
貴方の名前は…雪だったな。
雪が降る日は必ず雪のことを思い出すよ。
学生の皆さん、もう少しでその学年も終わりですね!
悔いのないようにしっかりとやっていきましょう!(PIANOも学生です!)
青い春に咲き乱れろ。
恋愛小説!
私の恋は今日咲き乱れるの!
卒業式。私は起きるとすぐに小学校の頃の卒業アルバムを見る。
「私は今日、千春くんに気持ちを伝えるんだ。」
千春くんは小学校の時から少し仲の良かった男の子。
フルネームは笹藤千春(ささふじ ちはる)くん。
って、好きな人の名前を先に紹介しちゃった…
私の名前は晴日那奈(はるひ なな)で、中学3年生。
千春くんとは少し前まで一緒にテニス部をやっていたんだよ。
「那奈姉、引っ越しの準備は大丈夫そう?彩葉はもう準備終わってるよ?」
私には妹がいて、名前は晴日彩葉(はるひ いろは)。
まだ小学5年生なのに私のことすぐ馬鹿にしてくるし、正直言って苦手なタイプ。
「もう準備終わらせないといけないのかぁ。」
そう言って私は卒業アルバムを段ボールの中にしまった。
何で今日告白しなきゃいけないのかって?
それは高校が違うから。お父さんの転勤とかじゃなくて、高校が違うから。
寮生活をすることになったんだよね。
家族と離れて暮らすのは嬉しくて悲しい…複雑だ。
そのままさっさとご飯を食べ終え、中学校へ向かう。
「今日でこの町も見納めなのかな…」
「そんな悲しいこと言ってどうしたの?」
振り向いたら千春くんがいた!
「お、おはよう、千春くん!」
まさか、千春くんとこんなところで会うなんて!
「悲しいこと?千春くん空耳でも聞いたの?」
「え、那奈が言ったんじゃなくて?口動いてたけど?」
「笑わないでよ、私も笑っちゃうじゃん。いずれ分かるから!」
「そっか、じゃあ今は待って置くよ。いつか話して。」
「あ、せっかく会ったんだし今日は一緒に登校しよう?」
「いいよ。最後の登校日だしね!」
私は彼のそういう優しいところに惹かれたんだよ。
卒業式も終わって、教室ではみんな最後だからってすごく喋ってる。
私も親友の和歌(わか)ちゃん、湖子(ここ)ちゃんと喋ってるよ。
「校長先生の話は相変わらず長かったね。寝そうだった。」
「分かる!あたしはあの怖い先生が泣いてたのがツボったわw」
「それも面白かったな。でも、そんな話じゃなくて今大切なのは…
那奈の話じゃないの?」
「話すことって何?引っ越しのこと?」
「はあ…鈍感だ。恋愛のことだよ、恋愛!」
「私もそれ聞こうと思ってた!那奈、今日笹藤くんに告白しないの?」
「なんで知ってるの⁉私そんな話今まで一度もしたことなかったのに!」
「えぇ~?知ってるよ?彩葉(いろは)ちゃんが教えてくれたの!」
彩葉は私の妹だ。
彩葉め…また余計なお世話してくれたな…!
「はぁ…また彩葉か。…私は!今日告白するに決まってるじゃん!」
「「おぉ!」」
「恥ずかしいって…」
「頑張ってね!」
「那奈だったら成功させられる。信じてる。」
「だから、恥ずかしいってば~!!!」
ピンポーン♬
「あの、千春くんっていますか?」
「ちょっと待っててね。千春!友達が来てるわ!」
ガチャッ
「那奈?どうしたの?」
「あのさ…ちょっと、来てほしいんだ。大事な話だから。」
3月とはいえ、夕方の公園は少し暗かった。
「大事な話って?朝のやつ?」
「そう。」
大きく息を吸って…
「私、千春くんのこと、好きです!」
告白した。
「えっ…あ、ありがとう。…ごめんなさい。」
「駄目、か…。」
私の初恋は終わったんだ。
それも、失敗に。もうこんな告白できないのに。
「何で…断ったの?」
そういうと、千春くんは急に自分の頬を叩いた。
「やっぱり、夢じゃないんだよね。…僕は断ってなんかないよ。」
「えっ?」
急に千春くんが近寄ってきて、耳元で囁いた。
「僕も、那奈のこと、大好き。世界一大好き。」
「どういうこと…?私、断られてないの?失敗じゃないの?」
「相変わらず鈍感。好きだって言ってるの。
僕の方から言いたかったんだって言ってるのに。」
やっと分かった、千春くんの気持ちが。
「じゃあ僕と、付き合ってください。」
引っ越さなきゃいけないのに。
でも、せっかく付き合えるかもしれないのに。
どうしたらいいんだろう。
「いいよ。でも、1つだけ聞いてほしいことがあるんだ。」
それから私は引っ越すことについてすべてを話した。
「そっか。じゃあ、スマホで連絡先交換しておかない?」
「そうだね。そうしないと会ったりするのが難しそうだし。」
これでしばらく会えなくなるのかな。
公園に咲く桜は咲き乱れていて、花びらは私たちを祝うように舞っていた。
そして新しい春。
「○○高校の入学、おめでとうございます。
では、クラス表を見てそれぞれのクラスへ行きましょう。」
名簿を確認する。
「えっ…⁉」
2組
・
・
・
笹藤 千春
・
・
晴日 那奈
「やっほぉ、那奈。」
「千春くん…⁉ちょっと…そういうドッキリやめてよ!w」
「驚いたでしょ?まあ、僕は引っ越しの話を聞いた時に高校の名前が出てきたから
すぐに分かったけど。まさかおんなじ高校を受験するとはね。」
「早く言ってよぉ!」
こういうところも、千春くんのいいところだよ。
やっぱり私たちを応援するように桜は咲き乱れ、舞っていた。
2135文字!
私が保育園で働こうと思った理由
新シリーズ始動します!(「異能☆保育園」シリーズ)
私が保育園で働くことを決めたのは、8歳の頃だった。
家は両親と姉・弟・私の5人家族で、
姉の楓(かえで)は当時12歳、弟の柊(しゅう)は当時5歳だった。
そして私は桜(さくら)。さっきも言った通り当時は8歳だった。
みんなで仲良く、平和に暮らしていたのに…
でもその年、突然地震が起こった。
父を失った。
それ以外の4人は助かったが…
母は希望を失ったのか、私たち兄弟を捨てて、自分の夫を追いかけて自殺した。
「全く…みっともない親だよ。まだ5歳の柊を置いて私たちに任せるって…
桜、こんなの酷すぎると思わない?」
「本当、その通りだと思う。というか…これから住む家も無くなってどうするなの?
楓姉さん。私、お腹空いてきちゃったよ…」
そんなことを言わなきゃならないくらい、自分もみっともなかった。
「さあ、どうしましょう。どこか孤児院でも探すか…役所に相談するか…」
その時だった。
「君たち、親は?」
振り返ってみるとそこには…警察、ではなくエプロンを着た女性が立っていた。
とても優しそうな外見をしている。
姉は今だ、と思ったのか、必死に話し出した。
「私たち兄弟、地震で両親を失ったんです!あなたのその服…幼稚園か何かの
先生でもやっているんですか⁉もし空きがありましたら、私たちを入れてください!
お願いします!」
姉の長い話にびっくりしたのか、少し理解してから女性は言った。
「私は、孤児院で働いているの。まだうちは入れるから、3人とも入っていいわ。
私たちは必ずみんなを救うよ。」
「「あ、ありがとうございます!」」
私と姉は声を揃えて言った。
それから居たあの孤児院は、まるで楽園のようだった。
あの記憶も忘れられるくらいに。
そして、今はなくなってしまった孤児院ではなく、保育園で働くことを決めた。
「着いた…こんなところに孤児院があったなんて、いつも通ってる道だけど
分からなかった…!緑に囲まれていて素敵だわ。」
ピンポーン 孤児院のインターホンを鳴らす。
「新しくここで勤務することになっている、若宮桜です。」
「あぁ、新任さんですね!門開けに行くから少し待っててくださいね!」
私と同じくらいの年の女の子が門を開けに来た。
「こんにちは!私も今年からこの孤児院に来た、桐谷りんって言います!
若宮桜さん…ですよね?これからよろしくお願いします!」
桐谷りんさんは、ストレートな髪をポニーテールでまとめている、清楚な
女の子だった。とても優しそうで、何より美人だった。
「初対面で言うのもなんですけど、りんちゃんって呼んでもいいですか?」
「全然いいですよ!というか、私たちこの丁寧語やめません?
…だから、私もこれから桜さんのこと桜ちゃんってこれから呼ぶね!」
「よろしくね、りんちゃん!」
「ってことで、私たち2人で担当するクラスの子を見てくれる?」
どんな子がいるんだろうか。
ガラガラガラ…
教室の扉を開けると、そこには思いもしなかった世界が広がっていた。
かわいい子供たちが30人近くもいる…!
残酷な自分の過去から長い時間が経って。
幸せな生活が今、もう一度スタートする。
最近新しいシリーズ作ろうか迷ってます
謎の終わりは全てが終わる時。
前回に引き続き、謎賀トケルの解説付きの
超短編ミステリーです!
今回は2、3話が夏仕様のお話となっております!
前回のミステリーはこちら ⇩
https://www.tanpen.net/novel/1397ee7b-c120-49af-bbcb-5ee25c3d2060/
1. 屋根裏部屋から見ている
俺は屋根裏部屋からある夫婦の喧嘩を見ていた。
妻は料理中で、包丁とまな板が出たままだった。
「ねえ、あなた最近帰るのが少し遅いんじゃないのかしら?
そして町では最近連続殺人事件が起こってるじゃない?
あなたが犯人なんじゃないの?」
妻は包丁を手に構える。
「えっ!全然そんなことしてないって!というか、包丁を持っている君が
犯人とか全然あり得るんじゃないか⁉」
「ふーん、今まで愛していたのに私の心の中には疑いしかないみたい。」
そう妻が言った瞬間、2人ともが56された。
{謎賀トケルの解説}
語り手は天井からすべてを見ていたみたいだね。
でもそれっておかしいよね。だって”屋根裏部屋”から見てるんだよ?
家に侵入しようと考える語り手、そして56されてしまう夫婦…
つまり、語り手は連続殺人事件の犯人だったってことなんだ!
2. 季節らしい
「あつー」
当たり前だが、夏という季節のせいか夜でも暑い。
でもそれがいいし、アイスが美味しく感じられるよね!
視界がぐわんぐわんして熱中症かと思ったけど…ってあれ?
文字が、書けなくなってぃ、ぐ…?
{謎賀トケルの解説}
語り手は夏の良さを自分の日記にまとめているみたいだね。
夏は暑いからいいってことを中心にしてるけど…
夜で気温が少し下がったからってエアコンの電源を切ったみたいだ。
でも、部屋の中で熱中症になって倒れたのかもね。
みんなも熱中症には気を付けることだ。
3. いじめ
せっかくの夏休みなのに…私は今、クラスメイトと海に来ている。
何でそんなにブルーなのか?そりゃ理由はある。
いじめられる対象として海に連れてこられたからだ。ちっとも楽しくない。
しかも私は泳ぐのが大の苦手だ。
浜辺でみんなを見ていると、急にいじめの主犯格に海に落とされた。
上がらなきゃ、上がらなきゃ、と必死に泳いでいるといつの間にかそこに着いていた。
耳に水が入ってるせいで、あいつらの馬鹿にする声がクリアに聞こえない。
そう思いながら、ただ砂の上に立っていた。
最後に見えたのは、あいつらの驚きの顔だった。
{謎賀トケルの解説}
いじめられている女の子が海に落とされたけれど、戻って来れてよかった…
とでも思ってしまったかな。
残念ながら、そんな話からはかけ離れているよ。
”そこに着いていた”っていうのは、砂浜じゃなくて…海の底のことだったんだ。
海の海底っていうのは砂で覆いつくされているでしょ?
人が溺れているのを見たら誰だって慌てるはずだ。
この事件が起こった後、いじめの主犯格グループはどうなっちゃうんだろうね。
アドバイスあったら是非お願いします!
『未来の私へ』
私なら未来の自分に手紙を書くとき…何を書くだろう。
{大学生の文田愛菜}
「…あった、自分への手紙」
小学6年生の時に自分に宛てて書いた手紙だ。
疲れがたまって今すぐにでも寝たいのに、手紙を読みたくて仕方がなかった。
手紙を開いてみると、そこには少し丸く小さい文字が便箋に並んでいた。
『未来の愛菜へ
元気でいますか。愛する人はできましたか。自分のやりたいことは出来ていますか。
親友の結夏とは…未来でも仲良くしていますか。
正直、自分への手紙なんて何を書けばいいか分かりません。
でも、これだけは言えます。
人生、楽しんで生きてほしいです。
6年生の頃の自分を覚えていますか。
親友の結夏がクラスの女子にいじめられていたこと…覚えていますか。
あれから先生が気付いて、いじめていた人たちに注意してくれたけれど、
今でも結夏は冷たい視線や言葉を浴びさせられることがあります。
これを読むのがいつかは分からないけれど、私は未来に
いじめがなくなることを願います。
…私の方の世界に来てくれてありがとうございました。
記憶を忘れているなら…私は不思議なことを言っていると思います。
未来の私の時間をいじめなんかのことで削ってしまってごめんなさい。
その時に解決できなくてごめんなさい。
その分の時間、楽しく生きてください。
ありがとう。 6年生の愛菜より』
そういえば、6年生の頃…そんなことがあったな。
助けてくれたのは…確か実習で小学校に来ていた先生だったな。
名前は…なんだったっけ。
記憶が遠いせいでもう覚えていない。
思い出したいのにな…。
ちなみに私は、小学校の教員になるために勉強をする普通の大学生だ。
「字を読んだら、なんか眠くなってきちゃったな。」
そのまま私は疲れのたまった体を休ませようと、ベットに倒れ込んだ。
すると手紙を読んだせいか、こんな夢を見た。
「ここは…どこ?」
目を覚ますとそこは、自分の部屋じゃなかった。
でも、何か見覚えがある。
思い出した。ここは…私が学生の頃住んでいた町だ。
でも、今いるのは知らない家で…なんなら一人暮らしだ。
ドアの前に何かメモがある。
『今日は大学じゃなくて小学校行きだよ!楽しみな母校!』
これって…未来?来年からは実習が始まるとか岡崎せんせーが言ってたな。
んーまあこれ夢の中だと思うし、とりあえず学校行ってみるか!
「今日からこの学年の手伝いをしてくれる、文田愛菜先生です!」
「大学から来ました、文田愛菜です。是非いろんなこと話してください!
よろしくお願いします!」
そう言った時、ひそひそ声が聞こえた。
「文田愛菜って…同姓同名のやついるよな?」
「愛菜ちゃん、この人、知ってるの?」
「え…?知らないよ」
この声…聞いたことある。文田愛菜って…過去の私と同じ容姿だし…
しかも、過去の私の隣には結夏もいる。
まさか、私、過去に来ちゃったの⁉
「文田先生は2週間、この学校に滞在してくれます。」
って、驚いてる場合じゃない。
いじめられていたのは…この期間のはず。
せっかくここに戻って来たから、結夏を助けなきゃ!
休み時間。
「私と同じ名前の人がいるって聞いたんですけど…何組にいますか?」
「あぁ、彼女は6年2組にいますよ。やっぱり、同姓同名だと気になりますよねw」
やっぱり、私がいたのは6年2組…
でも、これは夢のはず。現実には何も関係ないはずなのに。
でも、たすけたいと思う気持ちが強いのは何でだろう。
そう考えているうちに、クラスの前に着いた。
後ろのドアから静かに入ってみると、誰も私のことに気づいてくれなかった。
そこで見た光景は、どこかで見たことがあった。
「ねぇねぇ、結夏ちゃん、何で私のペンケースが、
結夏ちゃんの机に入ってるのかなぁ?みんな、おかしいよね!」
いじめの主犯格がみんなに同意を求める。
「えー、結夏ちゃんがそんなことするなんて普通じゃないのぉ?」
「何で美帆にそんなことしたの?やめなよバカが」
確か…ペンケースを主犯格が結夏の机に自分で入れてとぼけたんだ。
「わ、私…そんなことしてないよ!」
「嘘なんかついても無駄無駄、先生に言いつけようか?」
「証言者ならクラスにいっぱいいるんだし!」
空気が悪くなって、私は廊下に出た。
すると、過去の私も同じタイミングで廊下に出た。
「…文田先生…?文田先生、クラスの中見てたんですか!何で黙ってたんですか!」
そう囁く過去の自分に私はこう言った。
「ちょっと、ここで話すのはあれだから、ベンチ行ってからで、いい?」
「はい…」
「いじめはいつからあったの?」
知っているけど…記憶が確かじゃないから聞いておいた。
「1カ月前くらいで…親友がいじめられてるんです。」
「そっか。ごめん、君の名前は?何て呼べばいいのか分からないんだ。」
「文田愛菜です。先生と漢字は全く同じです。」
「愛菜って呼んでもいいかな?クラスではさん付けするから。」
「…はい!」
嬉しかったのか、愛菜は声のトーンをあげて言った。
「話…続けますね。
私には友達がいない、というか…いじめられている結夏って子しか
友達がいなかったんです。でも、今は友達っていうことすら禁止されてて…
先生のいないところで陰湿にやってるいじめなので先生も気付いてくれなくて。
先生ならどうにかしてくれますよね!」
「当たり前だよ。私がどうにかする。証言は愛菜にも手伝ってもらう前提でね。」
「手伝えることがあったら何でもします!」
「話を聞かせてくれてありがとう。今日はとりあえずいじめを止めるために、
様子見しようか。さっき後ろのドアから入ってバレなかったけど…
流石に前から入ったらいいかな?」
「はい!じゃあ、明日もこの時間に話したり…できませんか?」
「もちろん。じゃあ、またクラスでね。」
前の扉から教室に入ると、生徒たちが急に仲良くしだした。
「あ、文田先生だ!」
「文田先生も一緒に喋らない?」
「ふふ、先生は忙しいからなー、今日だけだよー?」
「はぁい」
正直、主犯格たちと話すのは全く楽しくなかったけど、楽しそうに見せた。
偽笑いなんて何回したことか。
やっぱり過去に嫌いだった人たちと話すって気まずい。
{6年生の文田愛菜}
休み時間。昨日文田先生と約束した場所にまた行く。
すると、もう先生は先にベンチで待っていた。
「遅くなってごめんなさい!授業が長引いちゃって…」
「全然大丈夫だよ、それより…今日は私から愛菜に話したいことがあって。」
「何ですか?」
いじめのことかな?私はそう予想した。
「私と愛菜って同姓同名でしょ?私たちって…何か関係あったりしないかな?」
「確かにずっと思ってました。顔のパーツ…目の少し茶色っぽい色も似てますね。
…これがリアルドッペルゲンガーですかね?」
「ドッペルゲンガーにしては年齢差とかあるよね…」
「先生って大学生とは言ってましたけど、年齢はいくつですか?
失礼だとは分かってます。」
「21歳だよ。まだこの歳だから気を遣わなくていいのにw」
「私、小学校の先生を目指す女性を夢で見たことがあって。
その時見た先生と今の先生、一致してるんです。
私たち、お互いの未来と過去…時空を超えて何回も会ってるんじゃないかって…
ごめんなさい、変なこと言ってますよね、私。」
「嘘じゃないよ、きっと。私も未来の世界から来たみたいで。
どうせ来たならって思って…結夏のいじめを止めに来たんだよ。」
衝撃の事実だった。
私が未来を見た時はただの夢だと思っていたのに。
一夜で終わったはずの夢。先生は連続で日を体験しているんだ。
「じゃあ、先生は本当の世界では何日も眠り続けたり…してるってこと?」
「それは…分からない。この世界の出来事自体、一夜の夢の出来事ってことに
なってるのかもしれないし。なんならこれが本当の事かなんて私には分からない。」
「あ、もうすぐで次の授業の時間だ。先生、また明日もここで、いいですか?」
「了解、じゃあね。私は次、4組の授業見に行くから。」
そう言って先生は微笑んでくれた。
でも、振り返る時には少し悩んでいるようにも見えた。
{大学生の文田愛菜}
まさかもう1人の愛菜もタイムトラベル?を経験していたなんて。
といっても、私は1年後の自分と6年生の頃の自分の世界っていう
意味分からない立場ではあるんだけど。
まずこれってどういう原理のタイムトラベルなのか。
そして…愛菜に言われて気付いたこと。このとき、本当の現実では
どれくらいの月日が流れているのか。
そのままの時間なら…私は2日近く眠り続けていることになる。
急がず、でも出来るだけ早く問題を解決して自分の世界に帰ろう。
「文田先生、文田先生?」
「え!あ、どうしたの?」
「先生大丈夫?で、ここの算数の問題分からないから教えてほしいんだ。」
「えっと、ここはこうして、こうして…」
私、やっぱり疲れたままだ。
ってことは現実世界では長い時間寝てる可能性が高いかも⁉
次の日。
もう一回休み時間に静かに2組に入ると、やっぱり結夏はいじめられていた。
でも今日は前とは違うことが起こった。
「ねえ、美帆。美帆ってば。実習生来てるって。バレちゃうじゃん!」
「うわ、せ、先生!今のは学芸会の演技の練習なんですよ!」
「そうなんだ!ちなみにそれって何の劇?台本あるなら演技指導するよ?
私こう見えて演技とか映画とか好きだからね。」
圧をかける、と。
「今日は台本持ってきてなくて…ごめんなさい!」
あーあ、これ私自体嫌われたかもなぁw
「バレバレだよ。いじめでしょ?様子見するだけで酷くないなら先生には
言わないでおくから。」
「…やっぱりバレバレだったんですね。ペンケースの時も確か見てましたっけ?」
わざと6年生の愛菜が言った。
「嘘!見られていたなら言ってよ!」
「いや、状況分かってないと思って…ごめん、美帆。」
「まあまあ、これまでとこれからの君たちの反応は今まで通りにするから
安心していいよ。じゃあ私は次の授業に行ってくるよ。」
「あの先生…不思議な人。」
「意味が分からないんだけど。」
「まさか、先生にチクったりしないよね?もしもチクられたらどうしようね…」
「証拠は?って聞けばいいでしょ。」
そんな言葉を聞きながら私はクラスから出た。
放課後になってまた私は教室をのぞいてみた。
誰もいないと思うんだろうなぁ…
そう思っていたら、まだ生徒たちが残っていた。
「愛菜のせいで実習生にバレたじゃん!どうしてくれんの?」
「美帆。愛菜って結夏と親友って言ってたじゃん?愛菜、結夏の代わりに
いじめられてくれるんじゃない?」
「えっ…」
まずい。こんなことになるなんて。
私が来たから…休み時間に実習生にもバレてるって話をしたから…
そして、放課後にこんなことが起きていたなんて。
当時の私には分かっていなかったんだ。
「愛菜のことはいじめないで。私がずっといじめられればいいんでしょ…!」
「嫌だ、私はいじめなんてもの終わらせてやりたい!」
「その口、閉じてもらおうかなー?
みんなー!明日から対象交代で愛菜になりまーす!」
美帆が明るいトーンで、でも冷たく言い放った。
今私が口を出したら…
相手は子供のはずなのに、怯えの気持ちが大きいせいで生徒たちに怒れなかった。
職員室。私は6年2組ではなく、3組の担任の綾瀬園子にいじめのことを聞いてみた。
「ちなみに、今の6年生の学年って過去にいじめとか起こりましたか?」
「起こってはいないけど…気が強い感じのグループはあるわ…
なんで聞いたの?何かあった?」
「いいえ、私…小学校の頃いじめを受けていたんです。なので、生徒たちに
自分の経験した思いをしてほしくないなって思ったんです。」
「文田先生は優しいですね。」
「そうですか?…ありがとうございます。
…じゃあ、お先に失礼しまーす。」
そう言って私は一人暮らしの家に帰った。
考えて、考えて、考えて…
そうしているうちに私はいつの間にか眠っていたんだ。
「んん…って、もう朝⁉勤務行かなきゃ!」
完全に寝坊した。自転車で着く距離だからいいんだけど…
時間ないし朝飯食べなくていいや!
「おはようございまーす」
「おはよー」
生徒たちが次々に教室に入ってくる。
そして、愛菜が教室に入ってきた時。
みんなが元気なことを確認して、書類を整理しようとかばんに手を伸ばした瞬間。
「わっ…」
滑って頭を床に打ち付けたあと、私は気を失ってしまった。
「ん、んん…っ!」
あれ、ここどこだ?私は学校にいたはずじゃ…
白い天井…元の世界に帰ってきたの⁉
「あ、文田先生。起きたんですね。」
そんな期待はすぐに消えた。
どうやらここは保健室だったみたいだ。
「6年3組の生徒が倒れた先生を見て、私のところに駆けつけてきてくれたんです。
体調、大丈夫ですか?」
「…疲れてただけです。昨日遅くまで考え事してて。」
6年2組と6年3組では私への態度がまるで違う。
3組の子たちは優しくしてくれて、みんなが仲間思いだ。
でも2組は、グループが綺麗に分かれていて、私にも生徒と同じ対応、いや、
なんとも思っていないような感じがした。
「もう少し休んでおいた方がいいんじゃないですか?」
「大丈夫です。先生方にも迷惑をお掛けしているので。」
はあ、やっぱり朝ごはん食べなかったのと夜更かししてたのがいけなかったかな?
6年3組…ではなく、6年2組に戻った時。
「先生、先生!」
誰かが私に向けて小声で呼びかけている。
見回すと、すぐ近くにそれらしき女の子が…って、結夏じゃん!
「どうしたの?」
「私の友達で、先生と同姓同名の愛菜ちゃんがいじめられてるの…知ってる?
この前先生が現場の目撃しているの知ってるの、私と愛菜ちゃんだけなんだ。
…私、愛菜ちゃんを助けたい。いじめを終わらせたい。
でも、先生に言う勇気もない…どうしたらいいですか?」
「君たちの友情はいいね。まさか飯塚さんも愛菜のことを助けようとしてたなんて。
愛菜も飯塚さんのことを助けたいって言ってたよ。」
「なら…かばっていじめられてるんですか。」
「それは分からないけど…飯塚結夏。あなたには親友を助けることができる?
先生に言うことは出来る?私も一緒に言うよ。
でも、あなたが話を始めないと私は援護しない。君のために。」
私がやるんじゃなくて、結夏にやってほしい。
私が行ったら、何の経験にもならないし、先生もいじめっ子たちのしていたことに
気付けないから。
「休み時間でいいですか?」
「うん。」
会話が終わって、またクラス全体を見回す。
休み時間。
「結夏のかわりにいじめを受けるんでしょ?早く豚の鳴きまねしなよ?」
「美帆に逆らうなんてありえない!元々は見てるだけだったけど、自分が
受けれるなんて珍しいからね!心を強くするため…感謝しなよ!」
そんな理由はこじ付けに過ぎない。
「受けないよ、そんなの。大体、理由だってこじ付けでしょ?
私のことなんてほおっておいたら?」
「っ!ほんっっっっっとムカつくなあああああこいつ…!」
「おかしい人だなぁ、意味分かんない。」
「私の時よりもいじめがひどくなってる…?」
「本当は言葉以外で仕返ししたかったけれど、こうするしかないんだ。
学校内だけどスマホ出して…音声を録音っと。」
タチの悪すぎるいじめは、終わりだ。
職員室。
「先生、お話があります。」
結夏が話しかける。
「どうしたの?わざわざ職員室まで…それに、文田先生までどうしたんですか?」
「このクラスにいじめが起きていたこと…知っていましたか。」
「えっ…本当なの⁉それは。今すぐ教室へ行かないと。」
再びクラスに戻ってきた。
「飯塚さん、先生に詳細を教えて。」
「…私は数日前まで、陰湿ないじめを受けていました…
」
話が終わって。先生はすごく驚いている様子だった。
「文田先生はそれをご存じだったんですね?」
「はい、そうです。でも、私自身には自信がなくて…証言者の飯塚さんと
先生に報告することになりました。」
そう言うと、先生は深くうなずいて。
「クラス内にいじめっ子もいることですし、今から呼び出しますか。」
先生も考えを決めてくれたようだ。
「野島さん、青村さん、安井さん、文田さん…」
何人かの名前が呼ばれて。
「野島さん、あなたは、文田さんをいじめましたか?」
「何でそんなこと急に聞かれるんですか?w」
「あなたたちは先生のいない間にいじめをしていた…しかも対象は数日前まで
飯塚さんが受けていた…私はそう、文田先生と飯塚さんから聞きましたよ?」
「先生、嘘つくなんて最低ですね?」
「私ら、なんもしてないのに!ひどーい!」
いじめを認めないなんて…性格が悪すぎる!最低なのはそっちだ!
「じゃあ、野島さんたち、今から私…ただの実習生・文田愛菜が証拠を
出してあげようか?」
そう言ったとたん、いじめっ子たちの顔が青ざめたように感じた。
スマホを取り出す。
「ちょ、先生なんで生徒の前でスマホ見せてるの⁉校則に反してるんじゃない⁉」
「文句がうるさいなぁ!これ見せたら何も言わなくなるくせにさ!w」
私は、いじめの様子をビデオ撮影していた。
「っ……な、なんで…」
いじめっ子たちは、それからいじめたことを認めた。
次の日の休み時間。
なんとなくベンチに行ってみると、そこには愛菜がいた。
「やっぱり来ると思いましたよ。」
「愛菜の言うとおりだ、先生本当に来たね。」
「愛菜…あれから本当にいじめはなくなったの?」
「なくなったに決まってますよ!」
「よかった。」
安心すると、どこからか熱いものがこみあげてきて…
「先生、急にどうしたんですか⁉涙出てますよ⁉」
「全てが繋がったから…なんか懐かしくて、ね…」
黙って愛菜は私の言葉の続きを待つ。
「愛菜、あなたは…本当に私の過去で…結夏は…過去の私の親友だったんだね…!」
「当たり前ですよ。私…大きくなったら先生になりますね。
…過去に戻って結夏を助けます。」
「ありがとね、本当に。」
あれから実習の期間が終わって。
「じゃあ、またね、愛菜。未来で待ってるから。」
「分かりました。いつか…また心で会いましょう。」
「帰るタイミングがいつになるかは分からないけれど
とりあえず家に帰るよ…さよなら!」
私が校門を出た瞬間。
時空が歪んで…
「先生、先生…!」
愛菜が泣き崩れたのを最後に、私は元の世界に帰って来た。
あの時間はたった一夜で終わっていたらしく…
でも夢ではなかった。
なぜなら…
『未来の愛菜へ
元気でいますか。愛する人はできましたか。自分のやりたいことは出来ていますか。
親友の結夏とは…未来でも仲良くしていますか。
正直、自分への手紙なんて何を書けばいいか分かりません。
でも、これだけは言えます。
人生、楽しんで生きてほしいです。
6年生の頃の自分を覚えていますか。
親友の結夏がクラスの女子にいじめられていたこと…覚えていますか。
あれから先生が気付いて、いじめていた人たちに注意してくれたけれど、
今でも結夏は冷たい視線や言葉を浴びさせられることがあります。
これを読むのがいつかは分からないけれど、私は未来に
いじめがなくなることを願います。
…私の方の世界に来てくれてありがとうございました。
記憶を忘れているなら…私は不思議なことを言っていると思います。
未来の私の時間をいじめなんかのことで削ってしまってごめんなさい。
その時に解決できなくてごめんなさい。
その分の時間、楽しく生きてください。
ありがとう。
{追記}
私、今あなたの心の中にいるよ。
6年生の愛菜より』
文章が増えていたから。
「はぁ…今日も一日頑張ろう!」
自分を奮い立たせて、家を出る。
8240文字でした!
最後の手紙の部分は最初と比べてね!追記が増えてるよ!
思ったよりも感動系にはならなかった…
父の手料理
ほんわかほっこりな感じの話。
これは私が小学6年生の頃の話。
お母さんが風邪をひいて、夜ごはんはお父さんが作ることになった。
「お父さんって料理作れたっけ?」
2つ年の下の妹が言う。
「奈緒と麻央よりは料理作れるぞ?w」
心配だ。不器用なお父さんが普通に料理を作れるのか…
「奈緒、麻央。今日の夜ごはんはお母さんに合わせてお粥でいいか?」
お粥か…大丈夫かなwやっぱり心配でしかない。
「うん。」
まだやっていなかった宿題をするために自分の部屋に行く。
気が付くと、うたた寝していたのか夜の7時になっていた。
「宿題終わってない!」
私が一人であたふたしていると、お父さんの声が聞こえた。
「おーい、奈緒、ご飯出来たぞー」
お粥…出来たんだ。
リビングに行くと、家族4人の席の前にお粥が入った器が置かれていた。
見た目は、まあ…全然大丈夫か。
お母さんはもう少し休んでから食べるって言っていた。
「「「いただきます」」」
お粥を口に入れる。
温度はちょうどいいんだけど…味…ちょっと薄い?
味付けが気になってお父さんに聞いた。
「お父さん、これって味付けに何使った?」
「鶏がらスープの素だよ。嫌いだったか?」
「違うの。ちょっと…味薄くないかな?」
「ごめんな、お父さんは料理がそこまで得意でもないからな…」
「あ、奈緒姉がお父さん泣かせてるー」
「そ、そんなんじゃないよ!」
私は今、大学生で一人暮らしをしているから
誰かが料理を作ってくれるわけでもない。
…結果的にはお父さんを泣かせたみたいになってしまったけれど。
お父さんのお粥のあの味は忘れられない。
風邪を引いた時は、あの味を思い出すんだ。
少し前に風邪ひいたからそれっぽいの作ってみた。
正直になれたなら
えっと、恋愛小説です、ね…
(お気づきの方も多いとは思いますが、「1話完結☆短編小説」のシリーズは
恋愛小説が特に多いですwミステリーも多いかも?)
この恋心に正直になれたなら。
言葉を好きな彼に伝えられたら。
それでもしも…奏太と付き合えたのなら。
そんな妄想しても、私にはきっと無理なんだ。
なぜなら、私は典型的すぎる天邪鬼だから。
自分の気持ちとは正反対の言葉を息を吸って吐くように言ってしまうんだ。
態度だってそうだ。
どうでもいい人に対してはどうでもいいとしか思わないけれど、
仲良くなりたい人や友達、奏太にはそっけない態度になってしまう。
そのせいで小学生の頃には、
「私と喋ってて楽しくないの?」
って言われたことも正直あったし、嫌われ者になっていく一方だった。
私は顔もよくなかった。
学校一有名と言ってもいいくらい整っているモデルの子もいるし、
その子は明らかに私の好きな人のことが好きだった。
そんな子に勝てるはずがないよ。
幼馴染なのにさ、幼稚園の頃から一緒にいてくれたのにさ…
なんであの子を選んじゃうの?
私、今まで奏太の事幼馴染としても好きな人としても、大好きだったのに。
嫌いになりたい…
ある日の放課後。
忘れ物を取りに来ると、教室の中にはまだ奏太だけが残っていた。
奏太は私に気づいていないのか、ずっと外の景色を見ている。
忘れ物を取って、ドアから出ようとゆっくりと足を進めた。
私のことなんてどうでもいいんだ、そう思った時。
「好きだ。」
すきだ…?
「えっ…」
「お前のことが、小さい時から好きだった。」
「…嫌い。」
あぁ、もう…また反対の事言っちゃった。
振ったような言葉を口にしてしまったのに…
なのに奏太はさっきよりさらに頬を赤らめて。
「…ありがとな。お前、天邪鬼だから反対の事言ってるって信じたいけど…」
「…知ってたの⁉私が思ってもいないことを口に出しちゃうって…」
「当たり前じゃん。俺はお前の幼馴染で、好きな人なんだから。」
奏太はそう言って笑った。
口に出しちゃうと余計なことを言ってしまいそうで、私は黙って…
奏太の左腕に抱きついた。
何も言わないって今決めたのに。
私の口は勝手に動いてた。
「なんなの、もう…嫌い、嫌い…!」
奏太は、私に向けて微笑んでくれた。
(小説に全く関係ない話)
「まじめにヤバシティ」っていうyoutuberさん面白いよ
カタワレ
同じ学年に双子がいるから、双子テーマの1話完結書こうって思ったから作った!
一応言っておくと、悲しめの話かもしれないしそうじゃないかもしれない…?
(何を言いたかったんだろう)
私は、|紫宮《しみや》いと。
運動は得意だけど勉強が苦手な中学2年生。
兄弟は全くいない…と思ってたけれど…
保育園の頃の卒園アルバムを探していたら、ある写真を見つけてしまった。
「誰だろう、この子…」
そこに映っていたのは、赤ちゃんの頃の私と、両親と、私によく似た赤ちゃん。
編集ミスとは思えないし、両親もその赤ちゃんを1人ずつ抱きかかえている。
でもそれが誰かなんて全く興味は無かったから、写真は元の場所へ戻した。
それは、普通に暮らしていた私の人生を大きく変えるきっかけになる扉だった。
「また明日、バイバイ!」
「じゃあね、帆乃美。」
いつも私は放課後に図書館で少し勉強してから帰る。
勉強が苦手だから、いつもそこまで内容は進んでる感じがしないけど…
まぁ、今日の分は終わったからもう勉強のことは考えないとして。
学区ギリギリに住んでいるから自転車通学。
だから、友達の|宇田帆乃美《うだ ほのみ》とも長くは一緒に帰れない。
体育全般が得意で体力には自信のある私。
今日も帆乃美と別れた後、いつも通り早く帰ろうと坂を自転車で
登り始めた時のことだった。
同じくらいの年齢・似た顔、私と同じポニーテールでストレートの髪をした
女の子とすれ違った。
違うのは私と女の子の服装やバッグが違うところくらい。
私が女の子を見ていたら、その子と目と目が合った。
お互い驚いたように目を見開いた。
…でも何事もなかったかのように私たちはそのまま別れた。
「何だったんだろう、あの女の子…」
今のが…”ドッペルゲンガー”ってやつだったんだろうか。
この前写真を見たせいか、ドッペルゲンガーか全くの赤の他人か、
私に関係のある人なのか…気になってしまった。
ある休日。
今日は帆乃美とショッピングモールに買い物に行く予定がある。
「帆乃美!遅くなってごめん!」
「全然待ってないよ?私も遅れたかと思ったくらいだからw」
「それ遠回しに私が遅いって言ってない?」
「バレた?」
「「www」」
そうして雑貨屋、服屋、書店などに行った後、近くのファストフード店で
昼ごはんを食べることになった。
それからもショッピングモール内のいろんな店をめぐって、
気が付いたらもう夕方になってしまった。
「そろそろ門限も近くなっちゃうし、帰ろう。」
「うん、そうだね。」
「じゃあね、いと!」
「じゃあねー!」
帆乃美と反対方向に別れた時、視界に映ったのは。
この前見かけた、私のドッペルゲンガーみたいな子だった。
あの子も私に気が付いたみたいだったが、気まずそうに目をそらした。
「あ、あのっ!」
気になって、気付いたら声をかけていた。
「やっぱり声をかけてきましたか…」
反応をくれただけでもうれしい、かな?
「あなたは…誰ですか?」
「こっちに来てください」
「え、あ、」
女の子に腕を掴まれて、近くの広場のベンチに座って話すことになった。
「私たち、前にもあったよね…?」
「そうですね、会いました。」
「あなたは…誰?」
「そんな、関係ない人に名前を教えるなんて個人情報が…
なんで名前を言わなきゃいけないんですか?」
「もしかしたら…もしかしたらだよ?
私たち、顔もドッペルゲンガー並みに似てるし関係あるかもしれないじゃん!」
女の子は少し考えてから言った。
「分かりましたよ、名前だけです。
私の名前は、|紫宮《しみや》つむぎです。」
紫宮…⁉私と同じ苗字じゃん!
「どうしたんですか?そんなに驚いた顔をして。
もしかして本当に関係のありそうな名前だったりしたんですか?」
「あ、じゃあ私も名前を言うね…!
私の名前は、|紫宮《しみや》いとっていうんだ。」
「嘘…⁉そんな偶然ありえないでしょう⁉
あぁ、やっぱり名前なんて言わない方がよかったのかもしれません…
顔も整形すればいくらでも寄せれるし、名前だって偽かもしれないので…」
「そんなに信用してくれないの⁉…わかったよ、生徒証明書出すから待って。」
そして私はかばんから証明書を出して、つむぎに見せた。
「本物…ですね。じゃあ信じることにします。」
「よかったぁ…で、本題に戻るんだけど私たちって何か関係あるのかな?」
「さぁ…ただの他人かもしれません。」
その時、私は写真のことを思い出した。
「ね、ねぇつむぎちゃん。」
「ちゃん付けはやめて欲しいです。」
「あ、ならつむぎ。つむぎ何か重めの過去を持ってたりしない?」
「偶然ですね、あります。言った方がいいですか?」
「できたら言って欲しいかも。つらいなら言わないでいいから。」
「…分かりました。少し長くなりますが、いいですか?」
「もちろん。」
思ったより重そう?かも。
{紫宮つむぎの過去}
私は生まれてからすぐ、親に見放されました。
もともとは双子だったみたいで、かわいいと思った私の元母は
私たち双子の写真をインターネットに投稿しました。
それを見た跡継ぎのいない大企業の社長夫妻が、わざわざ家を訪ねました。
「その双子のうちの1人をうちの企業の跡継ぎにしたい。
顔もいいし、あなた達2人には2人の子供を育てるのなんて大変じゃないか?
そうだ、何も無しにただ貰うんじゃなくて、金との交換でどうだ?
700万円でどうだ?いいだろう?」
両親は最初、反対しました。
ですがそれは、大企業の社長の機嫌を悪くしてしまったようで。
「…それなら1000万円でどうだ?」
それにも親は反対した。
「それなら、あなた達2人を消して、子供を2人とも貰おう。
警備、銃を構えろ。」
銃口を向けられそうになった両親は慌ててこう言いました。
「それだけはやめてください!…もういいです!この双子のどっちでも
貰って行ってください!せめて命は…!」
「…警備、銃を下ろせ。じゃあ、この水色の服の子を貰って行こう。
名前はなんだ。」
「紫宮つむぎ、いや…つむぎです。」
「つむぎか。じゃあな、子供1人を丁寧に育てることだ。」
そうして私は悪くもない家族に捨てられて…
紫宮つむぎから、『|貴乃坂《きのさか》つむぎ』へと変わったのです。
それからは勉強・礼儀・芸の繰り返しでした。
ずっと何かを教えられて、他の同年齢の子たちとは関わるなと言われていました。
そして4歳になった時。
「お前はどうしてそんなに勉強ができないんだ!
あぁ、脅してまで跡継ぎを奪うんじゃなかったのか…?」
「何の話ですか?私、お父様とお母様の子供じゃないのですか?」
「…お前は勉強だけしてろ!跡継ぎとして困らないように!
って言いたいが…もう遅いから寝ろ。」
「…おやすみなさい」
次の日に目を覚ますと、そこはもう私の住んでいた家ではありませんでした。
「園長!5歳くらいの子供が門の前にいます!」
「え、何が起きたのかしら⁉」
そこは捨てられた子供の集まる小さな施設でした。
拾われた私は中学生になった今も施設で暮らしています。
捨てていった両親と偽の両親のことはもう放っておくつもりです。
{過去話終了}
「つむぎがそんな過去を持っていたなんて…
というか、これって結構双子説濃厚な感じなのかな?」
「…恐らくそうだと思います。生き別れた双子のいとさんと
こうやって話ができるのが夢みたいです…さっきは疑ってしまってすみません。」
「あ、ちなみに訊きたいんだけど…なんで今は紫宮の苗字を名乗ってるの?」
「赤ちゃんの頃に養子になったので元々の苗字は貴乃坂だと思っていました。
でも施設に行って私のことについていろいろ調べて貰ったところ、苗字が
紫宮ということが分かったんです。」
「じゃあ、なんで貴乃坂に戻らなかったの?」
「捨てられたのに戻るなんて御免です。
あの家にいた時と比べたら施設は何十倍も楽しいです。」
「それならよかったね。
今更なんだけど私さ…つむぎと双子なんて急なこと、信じられないんだ。
だって、小さい頃は両親と私…3人の写真しか残ってないから…って、あ!」
「え、どうかしましたか⁉」
「3人じゃない、4人の写真が…ある!」
「えっ⁉」
「あーでもなぁ…もう遅くなってきちゃったし…つむぎ、また今度会えないかな?」
「もちろんです!」
「じゃあ、またこの時間に…」
次会う計画を立てて、その日はつむぎと別れた。
夜、もう一度私はあの写真を探した。
「あった…やっぱり、2人の赤ちゃんが写ってる…!」
その写真を親にバレないように学校のバッグに入れて、とりあえずで
自分の部屋へ持っていった。
ちょうどいいタイミングでお母さんが私を呼んだ。
「いとー!お風呂入りなさいー!」
「はーい」
今日はもう一度つむぎと会う約束をしている。
中学校もつむぎと会うことでいろいろ考えてたせいで
あんまり聞いていない授業もあったくらいだ。
到着場所について5分ほど待つと、つむぎはやってきた。
「こんにちは、いとさん。遅くなってしまってすみません…!」
「全然大丈夫!じゃあ、今日も前のあのベンチに座って話さない?」
「あ…いいえ、私最近ちょうどいいカフェを見つけたんです。」
「施設に入ってるのに…お金とか大丈夫なの?」
「それは心配しないでください。捨てられたときに貴乃坂家にいた時の通帳も
一緒に置かれてて、その時のお金をお小遣いとして使ってるんです。」
「へぇ、そうだったんだ。じゃあ、私もお金持ってるし、道案内よろしく!」
「分かりました!」
着いたのは、茶色で統一された落ち着いた雰囲気のカフェだった。
「こんなところがあったんだ、知らなかった!」
「まぁ、普通はこんな路地に入ってくる人って少ないですよ。
目的地もなくただ歩いてたら見つけたんです。」
「…それにしてもいい場所だね、ここ。クラスメイトとかに知られたくないから
言わないで置こうかなw」
「ふふ、じゃあ…そろそろ本題に入りましょう。」
「そうだね。」
「で、これが前最後に言ってた写真。」
そう言って私は2人の赤ちゃんと両親の写った写真をつむぎに見せた。
「これが前言っていたあの…⁉」
「…やっぱりこうやって見ると驚くよね。
あのさ、ここを出たら…私、いや私たちの家に…行ってみようとは思わないかな?」
「それは…ちょっと気まずいかもしれません。」
「多分…申し訳ないと思ってるのは両親の方だと思うよ?
つむぎがそんなに気にすることないと思うんだけど…
あ、嫌なら会わなくても私は全然いいと思うよ?」
つむぎは少し考えてから言った。
「…やっぱり会ってみたいです。
実際今の施設の暮らしは充実しているので、紫宮家に戻るかは分かりませんが。
会ってみないと何も進まない気がします。」
「…!うん、分かった。それなら私はつむぎの意見を尊重するよ。」
「って言っても本当に私たちが双子かは分かりませんけどね。
ドッペルゲンガーで、偶然同じ苗字の可能性もないとは言い切れません。」
「でも、何かしないと進まないって言ったのはつむぎでしょ?w
そんなにその事実を確認するって…もしかして私のこと嫌いだった?」
「いえいえ!そんなことはないです!ただ、違ったら本当に怖くて…」
「心配する必要はないよ、多分ね!ほら、そのミルクティー飲み終わったら
早速行ってみるのはどう?」
「え、そんな…!心の準備出来てませんよ!」
「それなら、ミルクティーゆっくり飲めばいいじゃん。」
「…冷めるのは嫌なので早めに飲み切って店を出ましょう。」
「不機嫌になった?ツンデレ?」
「違いますよ!」
つむぎと会話をしている時間は、学校にいる時よりも楽しいと感じた。
カフェを出て、私とつむぎは…両親のいる家へと向かうことにした。
緊張してきているのか、つむぎはさっきよりも静かだ。
急に会話をしなくなって、お互いがそわそわしている感じ。
すると急に…
「うっ!」
つむぎが倒れた。
「っ…つむぎっ?つむぎ大丈夫…⁉」
顔が赤くて、額を触ってみると熱があった。
「つむぎ、しっかりして…!」
きっと、最近急に気温が下がったことで体調を崩していたんだと思う。
多分、風邪をひいてる。
家まであと少し…きっと同じくらいの体重のはずだから私でも運べるかな…⁉
いや、違う、運ばないと。
「つむぎ、おんぶするね!すぐに家に連れて行くから!」
「う、うん…ありがと、ございます…こんなときに…ごめんなさい…」
「いいから、じっとしてて!私、勉強はできないけど体力には自信があるの!」
「ありがとうございます…情け、ないですね…」
つむぎが静かに一筋の涙を流した。
家に着いた。
「どうしよう…つむぎを連れてきたはいいけど…どうやって家に入れれば…」
「ねぇ、家の前まで来たんだし、下ろして欲しいかも…」
完全につむぎを下ろすことを忘れてた。
つむぎを下ろしたはいいけど本当にどうしようかな…
「えぇい、もういいからとりあえず家に入っちゃえ!」
私はつむぎの手を引いて玄関に入った。
「ただいま!お父さん、お母さん!玄関に来て!」
私が両親を呼ぶと、少しして両親が玄関まで来た。
「おかえり、どうしたのって…この子は誰なの⁉」
「えっとその…最近仲良くしてるつむぎって子なんだけど、
急に風邪で倒れちゃって…家に連れて来ちゃった…」
「「…つむぎ?」」
両親が口を揃えて言った。
「まぁ、連れて来たことについては後で話しましょう。
まず親御さんに連絡しないと。つむぎさん、苗字と住所を教えてくれる?」
「紫宮つむぎ、”あさがお”という施設で暮らして、ます…」
「…親御さんの名前は?」
「親は、知りません…」
「ねぇ、お母さん、お父さん。この写真は何?」
私はバッグから写真を取り出した。
「っ…!」
「ねぇ、私に何か隠しているよね?」
お父さんが喋り出した。
「…ごめん、いと。この写真は、いとが生まれてすぐの時の写真なんだ。」
「やっぱり…そうだったんだ。」
私とつむぎはお父さんの話を聞いていた。
{写真の真実}
写真に写っているのは、生まれてすぐのいとと、いとの双子の妹。
双子の妹に付けた名前は、『つむぎ』。
幸せの|糸《いと》を|紡ぎ《つむぎ》、幸せに暮らして欲しいという意味を込めた。
でもつむぎは、大企業の跡取りとして取られてしまった。
いとに妹なんていなかった、いとを悲しませたくなったという想いで、
写真は棚の奥にしまっておいた。
「そうだったんだ…
それなら、お父さん。私とつむぎは、本当に双子なの?」
「あぁ、きっとそうだ。つむぎさん、合ってるかな?」
「はい…!全く同じです!」
「じゃあ、施設の人に連絡して、今日は泊まっていったらどう?」
「え、そんな迷惑になるだけですし…」
「でも、つむぎと私は双子なんでしょ?家族なんでしょ?」
「そうよ、是非泊まっていって。酷いことをしたお詫びに…
お詫びにもならないくらいだから。先のことはこれから考えましょう?」
「分かりました、それなら今日はここで泊まりま、す…」
「うわっ!」
急につむぎが倒れた。
「つむぎ、大丈夫⁉生きてる⁉」
私のそばに倒れ込んだつむぎの顔を覗き込むと、
目は閉じていて寝息を立てていた。
「お母さん、お父さん、つむぎ…風邪での負担と安心で寝ちゃったかも。」
家族で苦笑した。
それから家族と施設の人で話し合って、つむぎは紫宮家に来ることになった。
これは私とつむぎがあの公園でばったり会った時の話。
「まさか偶然会えるなんてね!」
「そうですね。」
「つむぎ、前に施設の暮らしが楽しかったって話してたよね?
なんで家に来てくれることになったの?」
「施設も楽しいです。
…でもどうせなら自分の家族と暮らしたいなって思ったんです。」
「嬉しいこと言ってくれるじゃん。中学校はどうするか決まったの?」
「はい。中学校は自分のもともと行っていたところに通うことにしました。
急にいとさんに双子がいたって分かったら学校生活が苦しくなるし、
私も今の学校で仲がいい人っています。その人と急に離れるって…
私も悲しい気持ちになります。」
「いとって呼んでいいし、そのですます口調も外していいよ?」
「それなら、学校ではあまり口調は外していないけど、
家族の前ではですます口調はやめるね。」
「つむぎの判断なら私はいいと思うよ!」
「それと、呼び捨て?いとでいいの?」
「うん!なんかつむぎがそう呼んでくれるのって新鮮だなぁw」
「そう…かな?」
私たちの新しい生活は、これからだ。
投稿予定日よりも一週間くらい遅くなっちゃいました!
是非感想・アドバイスください!
遥か先でまた。
主人公(女):宮野鈴香(みやの すずか)
幼馴染(男):相田永遠(あいだ とわ)
病室での出来事。
「これはもう…回復は難しいかもしれませんね。今日が命日かもしれません。」
「嘘…!」
私の幼馴染の永遠くんは1年前に病気にかかって、今日が命日だという。
お医者さんが病室を去ってから、数十分経って。
私と永遠くんの両親も病室から出て、親だけで話をすることになった。
二人きりの病室。
「鈴香ちゃん。僕さ、死んじゃうんだってね。」
「そんなの、嫌だよ。生きてよ。」
「僕も寿命を感じてるんだ。さっきから息が少し苦しい気がするしね。」
「それは病気の症状じゃないの?」
「あはは、そうかもね。でもいつもより苦しい気がするんだ。
死ぬって分かって自分でも怖くなってるのかな。」
やっぱり…永遠くんも怖いんだ。
「じゃあ私が永遠くんに少しでも嬉しい気持ちになってもらうために、言うね。」
「何を?」
ガチャ
「鈴香、病室にいるの?夕方にまたお見舞い行こうか。」
「は、はーい!」
「何を言おうとしたのかすっごく気になるなぁw」
「気にしないで!また夕方来るからその時に!じゃあね!」
私は永遠くんのことが好きだった。
でも、言い出せる勇気は…
夕方。
「はぁ、はぁ…」
病室に入ると、苦しそうな息が聞こえた。
「永遠!大丈夫なの⁉生きて、生きてよ…」
永遠くんのお母さんの|日葵《ひまり》さんが必死に手を握って泣いていた。
「もしかして、永遠くんは本当に死んじゃうんですか…?」
日葵さんが黙って頷いた。
「お医者さんから電話がかかってきて、病室に来たと思えば…
苦しそうな永遠が…」
「日葵さん…辛いとは思うけど一回外に出てもらってもいいですか?
永遠くんに伝えたいことがあるから。」
「大事な事なら…いいわ」
「ありがとうございます。」
そうして日葵さんが部屋を出て、また私たち2人になった。
「話って、昼前の続き、だよ、ね…」
「うん。そうだよ。苦しいなら黙って聞いてるだけでもいいからさ。」
永遠くんが黙って頷いた。
「私、実は小さい時からずっと、永遠くんのことが、好きだったんだ。
永遠くんが死んじゃっても私はずっと永遠くんのことを忘れはしないし、
他の男の子と笑顔になったりもしないから。それくらい、永遠くんが好きだよ。」
そういった瞬間、永遠くんが泣きだした。
「本当に、言ってるの…?
実は僕も鈴香ちゃんのことが、好きだったんだ。
遥か先の話だとしても…いつかまた、出会って、付き合うなんて…ダメかな?」
まさか両想いだったなんて。
「絶対だよ!私と絶対付き合ってね!」
やだ、私も涙が出ちゃった。
「日葵さん!もう入ってきて…大丈夫ですよ!」
「え、2人ともどうしたの⁉なんで泣いているのかしら⁉」
日葵さんは凄く戸惑っていたけれど、仕方ないよね。
そしてその日の夜。
永遠くんは、この世を去った。
ここは病院の一室。
今日は私の子供が生まれる予定の日で、男の子なんだって。
結婚していた男とは気が合わなくて喧嘩ばかりしてたことで離婚した。
元々私は子供を産むための結婚だと思い、離婚する予定だったけれどね。
私の幼馴染が亡くなってから、今日で20年。
「永遠くん…君の病気が治っていたら私たち、付き合ってたのかな。」
その時、急にお腹に激しい痛みが走った。
子供が生まれた。その子供の顔を見た瞬間。
「っ!」
思わず泣いてしまった。
「大丈夫ですか⁉痛みが残ってますか⁉」
看護師さんに心配された。
「いいえ、違うんです…大丈夫です…」
なんで私が泣いてしまったのか、それは。
生まれた男の子の顔に、永遠くんの面影を感じたから。
前に結婚してた男のDNAが少しでも入っていることは気持ち悪い。
でも、そんなことは今はどうでもよかった。
「決めた。君の名前は、|遥《はるか》だよ!」
遥か先で出来るこの子の大切な人と出会えますように。
遥か先で生まれ変わった永遠くんに出会えますように。
そんな思いを込めて。
鈴香と永遠みたいに離れ離れになってしまった人たちが、
遥か先の未来で出会えますように。
ランプの魔人と1つの願い
PIANOの手の霜焼けがひどくなってきました
気が付くと俺は、知らない砂浜にいた。
「あれ、俺何してたんだっけな…」
確か…船から身を投げて自殺しようとしたんだったっけ。
服や肌にはたくさんの砂がついていた。
その砂を手で払う。
辺りを見回すと森が広がっていた。
木に留まる小鳥の鳴き声…
あ、風に吹かれてさわさわと音を立てる葉の擦れる音もする。
でも、俺にはそんなに島の発展を目指すゲームのような余裕なんてない。
「とにかく、イカダか何かを作ってこのよく分からない無人島?から逃げないと。
俺はイカダ作りのための木や布を探すことにした。
---
森に入って物探しをしていると、銅色をした奇妙なランプを見つけた。
まるでランプの魔人が出てくるあの話の…あれ、誰だったっけな。
藁にも縋るような気持ちで、何か起きろと思いながら見つけた布でランプを擦る。
すると…
『お呼びでしょうか』
「う、うわっ…⁉」
ランプの中からピンクの肌をしたスライムのような魔人が出てきた!
まさか、本物の魔人が出てくるなんて!
『私はランプの魔人です。
あなたの願いを何でも1つ叶えて差し上げましょう』
「な、何でもだな?」
『はい。何でもです。さぁ、願いをどうぞ。』
必死に考える。
えっと、ここから出るには船かイカダがいる。
でも食料もいる。
あ、まてよ、船には燃料はついていないかもしれない。
とにかく、脱出するもの。脱出するもの…
「この島から出られるならなんでもいいので、脱出するためのものを出して!」
『あなたの願いはそれでいいのですね?』
脱出しようとすればロケットでも浮き輪でもなんでもいい…
「はい!」
『脱出するためのもの、脱出するためのもの、脱出するためのもの…
…これでどうでしょうか、私なりの考え方です。では!」
魔人は消えてしまった。
そこに残っていたのは船、ロケットなんかじゃなくて…
”|毒薬《ポイズン》”と書かれた水入りの瓶。
「なんで、なんで…⁉」
ん…?
意味が分かった。
俺がなんでもいいから脱出できればいいって言ったから…?
死んで幽霊になってこの島から出ろってことか…?
意味を知って絶望した。
そういえば、俺が船から海に飛び込んだのは自殺するためだった。
自業自得。
なんならここで自殺を果たせるとするなら…!
「この世界なんて、さよならだ!」
俺は一気に瓶の中の水を飲みほした。
意識が、遠のい、て、いく…
---
自殺する人間を見下ろしながら、ランプの魔人は言った。
『あぁ…今の人も頭が固かったんですね。
願いを増やせ、と言ってしまえば…願いは増えたというのに。』
|1つ《無限》の願いという言葉の真実が分からない人間たち。
『どうしてこう…人の頭って言うのは間抜けなんでしょうか。』
ランプの魔人にはまだ、人間の思考は分からない。
1221文字でした!
Restart
ミステリー要素強め
タイトルの意味は最後に分かります
水族館デートの日。
今日、俺は片思いしている|依《より》ちゃんに告白する。
緊張するかな…成功するかな…
ドキドキしながら水族館に行くと、依ちゃんは先に着いていた。
うわ、待たせちゃったかな。
「依ちゃんごめん!待たせちゃったかな…?」
「大丈夫だよ!私が早く来ちゃっただけだし…」
「じゃあ、行こうか。」
「うん!」
俺は依ちゃんを全力でエスコートした。
イルカショーでは彼女の座りたい席を優先させてあげたし、
見たい生き物がいた時に、率先して地図を見て案内してあげた。
これは絶対に成功する…!
少しずつ自信が出てきた。
少し空が赤く染まって来た頃。
ついに告白の時が来た。
「あのさ、依ちゃん。
俺…君のことが好きだ。」
突然の告白で、依ちゃんは顔を真っ赤にして驚いている。
「えっ…」
「付き合ってください。」
数秒沈黙を置いた後。
「ごめんなさい。あなたと付き合うことは出来ません。」
「え、なんで…⁉」
「私は今日のデートで、
あなたがあまりにも自分の意思を言わなくてイライラした。
無理やりなエスコートとか要らないの。
私が弱い女と思われている気がして…
だから、私はあなたと付き合う気にはなれない。
さよなら。」
依ちゃんは俺の反応も見ずに帰ってしまった。
自分の意見を言わなかったことが今回の反省。
次はちゃんと自分の意見も言いつつ告白のタイミングを狙わなきゃだな…
そう思って俺は、ゲームをセーブしたところから|Restart《やり直し》した。
「どんだけ難しいんだよこの恋愛ゲーム…
もう次で4回目じゃねぇか!」
主人公がしていたのは現実の恋愛ではなく…
ゲームの恋愛だったようです!
恋愛に攻略法なんてものはないのにもかかわらず、
攻略法を探そうとして主人公は何回もRestartをするでしょう。
謎に「数」はありません。
謎賀トケル(PIANOが勝手に作ったキャラクター)の解説付き!
謎が解けなかった人も安心して読んでくださいね!
超短編ですw
1. 定年退職おめでとうございます
真夏、最後に着るスーツはとても暑い。
私は今日、今まで30年ほど勤めていた会社を定年退職する。
「|松島愛蔵《まつしま あいぞう》先輩。今まで、ありがとうございました。」
後輩が花束を渡して来た。
「あぁ、ありがとう。こんなにたくさんの人に祝われるなんて思っていなかった。」
花束はオトギリソウの生花と、スノードロップの造花で作られていた。
感動して周りを見回してみると、その場の全員が笑顔だった。
{謎賀トケルの解説}
定年退職をする男性のお話だね。
このお話には花束が出てくるけれど…みんなは花言葉って知っているかな?
オトギリソウの花言葉は「恨み」「敵意」
スノードロップの花言葉は「あなたの死を望みます」なんだって。
どっちも綺麗な花なのに、こんな花言葉をつけられて可哀想でしかない。
考えてみれば季節外れの花をわざわざ造花にしてまで花束にするって珍しいよね。
さて、この花束をもらった男性はどれだけ他の社員に恨まれていたことか…
2. 超能力者
私の周り全方向を、銃を持った敵の軍隊に囲まれた。
「くそ…ここまでか…」
だが実は私は超能力者で、”重力操作”で自分の周りの重力を操ることが出来る。
敵の軍隊が私に銃弾を撃つ瞬間。
「重力操作!」
私に向かって放たれた銃弾は重力操作によって真下に落ちていくだけ。
「なんだと…銃が効かない…⁉貴様、どんな手を使っているんだ!」
軍隊が、大きな声で驚きの声を上げた。
そして、大きな影が落ちてきた。
{謎賀トケルの解説}
超能力を持つ主人公は自分の周りの重力を強くして銃弾の攻撃を防いだね。
銃が効かない軍隊はとても驚いただろう。
でも…最後の文を見てみよう。
”大きな影”って何だろうか?
もしかしたら、飛行機やロケット…もしかしたら隕石が真上にあったのかもね。
主人公が影に気づかなくてそのまま物体が落ちてきたら…
ここからは君たちの想像にお任せしよう。
3. あいさつ
「おはようございます」
門に入って来た児童たちが教師に向かって挨拶をする。
「ふぁ…この時間って眠くなるなぁ…」
青い空は輝いて綺麗だった。
そのまま上を見ていると、何人かの生徒が窓から飛び降りて遊んでいた。
「おぉい、窓からジャンプして遊ぶなぁ!危ないぞー!」
「…ごめんなさい!」
全く…何をしても無傷だからといって危ないことをするよな。
{謎賀トケルの解説}
これは朝、学校に登校する日常のシーンじゃないんだ。
青い空が”輝いていた”のは青空と太陽…では星空と月があったから。
窓から飛び降りて無傷なのは、本当に存在している生き物じゃないから。
夜に学校に行くのは幽霊だろう。
幽霊の生徒たちは夜、先生と一緒に楽しく勉強をしているんだろうね。
解説を見ずに何話の意味が分かりましたか?
最初は123の順で難しくしようと思ったんですけど、
3が一番簡単になってしまいましたw
1175文字でした!
完璧な優等生と春へ進む桜
卒業シーズンということで
リクエストにも多数あった「卒業」をテーマにした小説を書きました!
まさかのラストに、読者の皆さんはきっと感動するはず(?)
自信なさげですいません(?)
2月の終わり。
卒業式の練習がそろそろ始まる季節だ。
3学期にもなると一緒に行動するグループが完全に決まるようなものだ。
でも、私が誰かと一緒にいることはなかった。
いわゆる、一人ぼっちというやつだ。
他のクラスには友達が1人だけいるけど、その子は最近他の子たちといるのを見る。
なんとなく暇だな、と思って窓の外を見ると、桜の木を見つけた。
桜の花も卒業式までの期間と同じで|蕾《つぼみ》をつけて時間が経つのを待つ。
そして、校庭には遊ぶ生徒の中でもひときわ目立つ男子がいた。
彼の名は|早波 優《はやなみ ゆう》。
勉強も運動も出来て、さらにはある委員会の委員長もやっている。
そんな優等生の早波さんは人柄も良くて、先生からも生徒からも信頼を得ている。
友達もいないし、成績も普通より悪くないけど早波さんには勝てない
私…|梓野 桜《あずさの さくら》とは大違い。
私も、もちろん早波さんのことは信頼してるし、尊敬している。
でも、そんな完璧に近いような早波さんにだって神様ではないんだし、
何かを抱えているのかもしれない。
私はそんな早波さんの力になれたらいいな、と思った。
友達のいない私にそんなことが現実で言えるわけがないんだけどさ…
卒業式の練習期間がスタートした。
セリフの声は大きく出せないし、歌い方も下手だったと思う。
みんなよりずば抜けた長所が何も無い私。
劣等感があるのかもしれない。
3月が始まってすぐの日の放課後。
私は宿題に使うノートを持って帰り忘れていることに気づいて、
教室へと急いで戻った。
教室には先生が居なかった。
きっと職員室にでもいるのだろう。
そして…早波さんが窓の外を眺めていた。
声をかけてみようと一度思ったが、あることに気が付いてその声は出ずに消えた。
早波さんが、静かに泣いていた。
普段泣かなくて弱みを誰にも見せない早波さんが、泣いているなんて。
何があったのか、聞きたい。でも、どう声をかければいいのか、分からない。
「あ、えっとその…早波、さん?」
どうするのが正解だったのか分からなくてとりあえず小さく声をかけた。
早波さんは今声をかけるまで私の存在に気づいてなかったみたいで、
目を見開いて驚いたような顔をした。
うわ、私って友達いない上に影も薄かったんだ…
「梓野さん…僕の事なんて、放っておいて。早く帰って。
そして今のことは見なかったことにして…」
こんな時でも口調がきつくならないってどれだけ早波さんは優しいんだろうか。
早波さんが言うことだからって、放ったままにするなんてこと、できない。
「何で、泣いているの?」
早波さんはため息を吐いた後こう言った。
「誰にも言わないって絶対に約束できる?」
「うん。」
勢いですぐに答える。
「本当に?」
「うん。」
「…それなら、梓野さんのことを信じて話すよ。」
「でも、ここにいたら先生が教室に戻ってきたときにどうなるか分からないよ?」
「あ、そっか…なら、学校の近くの公園でもいい?」
「もちろん。」
公園のブランコに座ると、早波さんが話し始めた。
「僕、本当はこんな自分になりたくなかったんだ。」
「え…?どういうこと…?」
「急に言われると驚かれるでしょ?」
「うん…」
「でも、本当なんだ。
勉強も運動も人並みにバランスよくできるからってみんな僕を優等生扱いする。
人に嫌われないように笑顔で話すから、優しくて人当たりのいい人扱いされる。
正直、尊敬とか立場の違いとか無くていいんだ。」
「それは、恵まれた後だからそう思ってしまうんじゃないかな。あっ…ごめん…」
いうつもりは無かったのに。口が滑った…
「その通りだよ。僕はもとから運動神経は悪くはなかった。
で、勉強を頑張れば成績が良くなる…ただ単にそう思って勉強も頑張った。
そしたらこの状態。バカみたいだよね。」
「じゃあ、人柄は?」
「…小さい頃、僕の態度のせいで絶縁してしまった友達がいたんだ。
だから、もうそんなことが起こらないように人との関わり方や態度には
気をつけてるつもりだよ。」
その話をされて、ふと私は気が付いた。
「あ、そうだ!ねえ、早波さんって下の名前が優しいと書いて”優”だったよね。
名前の由来って何?言える範囲でいいよ」
「確か…優しさを大切にする子になって欲しい…みたいな感じだったっけな?」
「そうかぁ…」
「どうかした?何かおかしかった?」
「おかしくはないよ。ただ、私その名前の由来の2つ目が分かった気がして。
これは勝手に私が考えたんだけど、優しいって|イ《にんべん》と|憂《うれ》いって
いう言葉に分けられるでしょ?
つまり早波さんは人の憂いが分かる人間になって欲しかったんじゃない…?」
「憂いってどういうこと?」
「そうだなぁ…辛い、とか苦しい、とか?」
「じゃあ人の辛さや苦しみが分かる人間になって欲しいってこと?
そんなことしたら、一気に嫌われちゃうんじゃ…」
「早波さんが悩んでいたのは優等生扱いされることについてでしょ?
性格で嫌われるなんて、嫌う人はよっぽどその人を羨んでるって事じゃないかな。」
「でも、尊敬されるのはちょっとな…」
「羨ましいと尊敬は違うよ。
羨むことっていうのは自分にはないものや自分よりも優れている人を見て、
自分もそうでありたいと思うことだよ。」
「そっか。…泣いている理由を話しただけなのに
相談に乗ってもらっちゃってごめん。
ここからはどうするべきか自分で考えてみるよ。ありがとう。」
「困ったら、言ってね。」
「もちろんまた相談させてもらうね。
梓野さん、今まで関わることは少なかったけどこんなに優しかったんだね。」
「優しいだなんて、そんな…
私はいつも何か抱えてそうだと思っていた早波さんの力になれて嬉しかったの。」
「とにかく、ありがとう。
じゃあ、僕はもうそろそろ帰らなきゃ。さよなら、梓野さん。」
「早波さん、さようなら。」
まさかこんなところで早波さんの力になれるだなんて。
心が温まって、なぜか泣いてしまいそうになってしまった。
帰ってから。
スマホでメッセージアプリを開いてみると、
話しかけられて断れずにチャットを繋いだクラスの中でも明るい子から
こんなメッセージが届いていた。
『梓野さん、これ…悲しい気持ちになっちゃうかもなんだけどさ。』
『梓野さんって確か浦野ちゃんと仲良かったよね?』
浦野ちゃんとは、他のクラスにいる私の中でのたった一人の友達だ。
フルネームは|浦野留依《うらの るい》。
『この前に浦野ちゃんと喋ってたら、梓野さんのことが嫌いって話を聞いて…』
『2人の仲にヒビを入れようとして言ってるわけじゃないの。
でも、なんか言わないわけにもいかないし…』
『ごめんね!こんな気まずい話をしちゃって!』
『くれぐれも、本人には私が話したってこと内緒でよろしく!』
そこでメッセージは終わった。
「えっ…?」
まさかあんなに仲がいいと思っていた留依まで私のことが嫌いだったの?
まさか、あんなに仲が良いかのように見せてたのは演技だったの?
今まで嫌な思いをしながら私と一緒にいたってこと?
教えてくれてありがとう、とだけ返信をしてメッセージアプリを閉じた。
スマホを持つ私の手は、震えていた。
次の日。
学校に登校しても生活はいつもとほとんど同じだった。
でも、ひとつだけ変わったことがある。
早波さんが私に話しかけてくれるようになったことだ。
話し相手がいなくても別に困ることはなかったけれど、会話してくれる人がいるって
なんだか嬉しい気持ちになる。
放課後になってみんなが帰っていった後、私と早波さんだけが教室に残っていた。
「あれ、梓野さん帰らないの?」
「うん。委員会の仕事、明日で締め切りだから今日終わらせちゃおうって思って。」
「前日に終わらせるなんて偉いね。」
「ありがとう。」
少し沈黙があって、その後に私が話題を出した。
昨日のメッセージアプリの件だ。
「…質問なんだけど、早波さんなら今まで信用してきた誰かが自分のいない時に
悪口を言われていたっていう話が耳にはいったらどう思う?」
「急にどうしたの?何か相談…的な?」
「気にしないで。で、どう思う?」
「僕だったらまず落ち込むかな。
その後、その話が本当なのか本人に聞きに行ってみる。
で、本当だと言われたら、その人とは言ったん距離を置いてみるかな…?」
「そっか…」
「わざわざそういう話をするってことは、梓野さんにそういうことがあったの?」
「そうなんだ。まだどうすればいいかまだ行動には移していないけど
正直ショックだったな。」
「誰でもそれは悲しくなるよ。”どんな絆でも壊れるときは一瞬”って
まさに今の梓野さんみたい。あ、ごめん。フォローになってなかった。」
「”どんな絆でも壊れるときは一瞬”、か…」
「どうしよう。なんかその話が本当だったら私、
もう人間を信じられなくなるかもしれない…」
「人間不信、か…僕も一回そうなりかけたことがあるよ。
ほら、昨日話したでしょ?僕が人当たりを良くしようとする理由。
ちなみに、梓野さんから見てその子をどう思っているの?」
あれ、私って留依の事、どう思ってたんだっけ…?
「かわいくて、私の中で唯一相談できる相手で…
あ、今は早波さんも相談できる相手になってるのか!
ファッションセンスの良さは憧れるし、
いろんな人と話せるコミュニケーション力があることはすごいって思ってるかな。」
答えるまでに時間がかかってしまった。
「じゃあ梓野さんとその子がもし絶縁しようってなったら梓野さんはどうなるの?」
「急に想像したくもないこと聞かないでよ、縁起でもないんだからさ。」
「ごめんごめん。でもこれは”もしも”の話だよ。」
「もしも、ねぇ…立ち直れないわけではないけど、さっきも言った通り
人間不信になっちゃいそう。」
「梓野さんは本当にその子のこと、絶対に必要だと思ってる?」
「えっ…?」
「…その反応は、絶対必要とは言い切れないってことでしょ?
知らない間に梓野さんは”浦野留依”という人間に依存していたんじゃない?」
「私、知らない間に依存してた…そういうことだったんだね…」
その時、私は何か違和感を感じた。
「え、早波さんなんで”その子”が留依だって分かったの⁉」
「だって、梓野さんが浦野さんと仲良くしてるってことは前から知ってたし…
それ以外に梓野さんが他の人と仲良くしてるところは見たことなかったから。」
他の人と仲良くしてるところは見たことがなかったって
半分悲しい現実を突きつけてきてるんだよなぁ…
「…私また明日、留依と話してみるよ。
話が本当だったのか、自分で確かめてみるから!」
「うん。じゃあ僕はそれを応援するよ。」
「…また今度は早波さんの話の続きも聞かせてね。」
「分かったよ。」
そこからいきなり数秒の沈黙が流れた。
早波さんがまた話し始めた。
「あ、そうだ…僕に普通の休み時間も話しかけてきて、いいよ?」
「私が早波さんと休み時間に急に話すようになったら
みんなに不審に思われちゃう。
それに早波さんには私以外にも話せる人がいっぱいいるでしょ?」
「あんなの、実際友達だと思ってない人も多いよ。
これは僕が勝手に思ってるだけかもだけど、
梓野さんは僕にとって友達だと思ってるんだ。」
友達…そう言って貰えて嬉しい。
「友達、か。
なんだか留依と一緒にいたのって本当に友達だと言えるのか分からなくなってきた。
私も早波さんの事、友達だと思ってるよ。」
そう言うと、早波さんは笑顔になった。
「ありがとう。じゃあ僕はそろそろ帰るよ。じゃあね。」
「ばいばい。」
あぁ、何だか心がすっきりした。
次の日。
昨日は早波さんに”ちゃんと留依と話してくる”って言っちゃったけれど。
急に緊張してきた…!
学校に着いて、いつものように自分の席で朝の支度をする。
すると急に手が震えてきた。
なんでだろう、気分が悪い…
すると体が崩れるように地面にへたり込んでしまって…
目が覚めると視界は全て白い天井だった。
「あれ、ここはどこ…?」
私が起き上がってみると、保健室の先生が私のそばに駆けよって来た。
「梓野さん、体調は大丈夫?」
どうやらここは保健室だったみたい。
「はい…で、私なんでここにいるんですか?」
「急に倒れたから分かってなかったのね…
梓野さん、朝の用意をしているときに急に倒れて、
|渡井《わたい》先生がそれを見て私の所まで連れてきてくれたの。
原因は疲れだと思うわ。熱は測ったけれどそれは普通だったわ。」
渡井先生は私のクラスの担任の先生の苗字。
「渡井先生が一人でここに運んできてくれたんですか…⁉」
女の先生だし、小柄だからそんなことが出来るわけない。
「えっと…早波くんも一緒に来てくれたわ。
彼、優しくて勉強も運動も出来て本当にすごいと思うわ。」
早波さんが⁉
「で、話は戻るけれど体調は大丈夫かしら?
大丈夫ならこのまま授業に戻ってもらうし、体調が悪かったら帰るのもあり。」
「大丈夫です。でも、あと少しここで休ませてください。」
「分かったわ。もうすぐで休み時間になるし、
休み時間が終わるころには戻れるんじゃないかしら?」
「そうします。」
休み時間のチャイムが鳴った。
1分も経たないうちに、早波さんと…留依がやってきた。
「桜、大丈夫…⁉」
「留依、わざわざ来てくれたの⁉そして、早波さんも…!」
「急に倒れたからびっくりしたよ。
でも大丈夫だと分かって安心したよ。じゃあ早いけど僕はこれで。
教室に戻ってくるの、待ってるね。」
「うん。」
早波さんが部屋を出ていく時、口パクで”がんばれ”って言ってた。
ここで…あの話、しようかな。
「桜、いつ優くんと仲良くなったの?」
「仲いいかは分かんない。でも人として優しいから心配してくれたんじゃないかな?」
「桜の様子を見て安心した。私もクラスに戻ろうかな…」
まずい、このままだと留依がクラスに帰っちゃう。
「ちょっと待って。私、今留依に聞きたいことがあるの。」
「ん?どうしたの?」
「留依って、私のこと…友達だと思ってなかったの…?」
「それ、どこで聞いた話?」
「クラスメイトの子からメッセージアプリで聞いたんだけど…」
「はぁ…仕方ないな。」
「え、まさか留依、私のことが嫌いだったっていうのは本当なの…?」
「本当だよ。私は桜のこと、大嫌いだ。」
突然すぎて、頭が真っ白になった。
「え、今なんて言ったの…」
「だから、私は桜のことが本当は嫌いだって。」
「なんで…いつから嫌いだったの…?」
「なんでそういう細かいことまで聞いてくるわけ?
私は桜のことが大嫌いだってしか言わないから。
ねぇ桜、私たち、絶縁しちゃおう?」
絶縁まではしたくない。
嫌いだと分かっても、絶縁はしたくない。
「ごめん、絶縁は出来ないよ。」
「…何で?」
「私には急に今まで仲良しだった子との思い出を断ち切ることなんて出来ない。
だって、私には留依しかちゃんと話せる子がいなかったから。
正直、私もこれから先でさらに仲良くなれるかって言われたら分からないよ。」
「でも、私は桜が嫌い…」
「なら、関係を最初からやり直しちゃ、ダメかな?全部絆をやり直しちゃえば、
留依は私が少し嫌いだと思わなくなるんじゃないかな。」
さらに少し間をおいて、私はこう言った。
「私は、もう一回やり直して、留依と仲良くしたいよ。」
私がそう言ったあと、留依は少し考えてからため息を吐いた。
「仕方ないな。そこまで言うなら、関係をやり直すこと、考えてみるよ。」
「…本当に⁉」
正直こうなるとは思っていなかった。しつこいからって拒絶されると思ってた。
「ほんっと必死だなぁ、桜は。
じゃあ、私がここを出て行ったら全部関係はやり直しにするから。
流石に今日話しかけられるのは気まずいから、話すなら明日からね。」
「うん。分かった。じゃあさよなら、留依。」
「さよなら。」
ここで一度私と留依の関係はすっと消えた。
今までの事も私のことが嫌いだって言ったことも忘れない。
けれど、気持ちを新たに変えて私は名前にもある桜の咲く春を、
卒業式を目指して進んでいくしかないんだね。
放課後。
今日は先生がすぐに教室の鍵を閉めてしまったから、
早波さんとは一度帰ってから公園に行って話すことにした。
公園に着くと、早波さんの方が先に来ていた。
「早波さん、着くの早かったね。」
「公園から家までの距離が近いからね。で、結局…浦野さんとは話せた?」
「話せたよ。」
「話は本当だったの?それとも嘘?」
「…私のことが嫌いっていうのは本当だったの。」
「それは残念だったね…」
「そんなことはないよ。
だって、留依とは明日から関係を全部やり直して、
今までのことはなかったことにしようっていうことになったから!」
悲しそうだった早波さんの顔が、自分のことかのような笑顔へと変わった。
「本当に⁉」
「うん。」
「それって梓野さんからその話を提案したの?」
「関係をやり直す話?それは私が提案したよ。」
「そっか…それだけ浦野さんに梓野さんの気持ちが伝わったってことだよ。
全部を諦めて投げ出さなかったところ、すごいと思った。」
「そうかな、ありがとう。
私の話はこれで終わりでいいから!早波さんがどうするのか教えてよ!」
「あーそうだったね。僕の番か…」
「嫌なら言わなくてもいいよ。」
「いいや、言うよ。
僕、今まで通り勉強も運動も頑張るし、梓野さんが言った通り
人に優しく、人の憂いが分かる人間になろうと思うよ。」
「人の憂いが分かる人間って私が言ったことだけれど、
そんなにいろんなことを両立させようと思うと辛くない?」
「辛いかもしれないしウザがられるかもしれない。
でも、僕は頑張ってみたいんだ。」
「そっか。それなら私は早波さんのことを応援するね。」
「そして、本当の友達というものがこれから知りたい。」
「本当の、友達…?」
「梓野さんの話を聞いて、本当に仲が良い人って、
友達って何なんだろうって考えてみたんだ。
そして僕なりに考えてみて、友達っていうのは
信頼、安心して相談をできる人のことを言うんだって思ったんだ。」
それを聞いて一つ気になったことがあった。
「気が合うっていうのは違うの?」
「それも一つの考え方かもしれない。
でもこの世には気が合うだけの人なんて何千人、何万人いたっておかしくない。
だから僕は気が合うだけっていうのは友達とは言えないと思うんだ。」
それを聞いて心の中で納得した自分がいた。
「そしてね、僕は僕の理論なら、梓野さんと本当の友達になれる気がする。」
「私なんかが早波さんにとっての本当の友達でいいの?」
「梓野さんだからだよ。って…変な意味じゃないからね⁉」
「…私も、早波さんと本当の友達になりたかったんだ。」
「良かった、嫌だとか言われたらどうしようかと思ったよ。」
「言うわけがないじゃん!」
それから私と早波さんは卒業までに少しずつ仲良くなっていった。
そして留依とも全てをやり直して、前よりもうまく行っている気がする。
卒業した後の今も私は次の年の春へ、また次の春へと進んでいく。
「優くん!またね!」
「うん、またね。桜。」
私は今でも優くんとは相談し合える優くんにとっての”本当の友達”だ。
きっとそれはこの先の未来でも、続くはずだよ。
珍しく長編気味な小説を書いてみました!
活休前最後の小説、楽しんでいただけましたか?
8029文字でした!