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目次
淡い粉雪
孤独な二人。
「...明日もこうなのか?」
その男は、星空を見上げながら呟いた。
---
カタカタカタ...
照明が半分落ち静まり返っているフロアで、その男は自身のタイピング音だけを拾っていた。
暫くして、男が大きな欠伸をした。
一段落したのだろうか。…男はデスクの隅に置かれていたコーヒーを手に取った。
男は酷くやつれ、眼窩は落ち窪んでいる。
その姿は、私の目に髑髏に皮を貼り付けたように映った。
「これで、最後だ...」
男は表示された 退勤 の文字を押す。
その手は、疲労の影響か微かに震えがみてとれた。
男は、覚束ない足取りで建物を後にした__。
---
...そして、いまに至っている。
男が言うに、今日は「くりすます•いぶ」なんだそうだ。
私にはなんの事か分かりかねるが、世間一般では大切な日なのだろう...。
とぼんやりと思考に浸っていると、男がなにかを呟いた。
「独りはもう、うんざりだ…」
---
思わずそう呟いた瞬間だった。
--- それ ---
が、空から降りてきたのは。
---
俺より随分と小さい|生き物《それ》は、一見、女の子ような見た目をしていた。
が、明らかに違和感がある。
触れたら消えてしまうような、淡い雰囲気を纏った女の子(のようなナニカ)。
得体の知れないなにか…化物なのではないか、と思ったそのとき、その女の子から声が聞こえた。
「おい、私は化物などではない。」
__まるで俺の心を見透かしたような|台詞《セリフ》に恐怖を覚えた。思わず息を飲む。
「なんだ?
お前が『独りはもう、うんざりだ。』と言うから、私が降りてきたというのに...」
こんな仕打ちはあんまりだ、と独りごちるその女の子。
(これは…夢なのか?)
受け入れられない出来事に、半ば現実逃避していた、そのときだった。
その子の身体が、消えかかっていた。
「っえ?」
思わず声が出た。
「もう時間か。やはり、粉雪は溶けるのが早くてかなわんなぁ」
__この子は、最初から、全てを知っていたのだろうか。
「だが、これで《《独り》》ではないだろう?」
そう言って着ていた雪色の浴衣の裾から、1つお守りを取り出した。
「っ、あ、ありがとう。」
そう言って受け取った刹那、《《その子》》は消えてしまった。
ふと見上げた空から、淡い粉雪が降っていた。
下手くそです。
暖かい目で見て下さい…