んーただ今作ってる小説(短編集(1話完結))の文字数がギリギリなので作ったやつ。愛読して下さいね!
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短編集(1話完結)
似たようなものばっかりです
春の訪れとともに、街は色とりどりの花々で彩られていた。桜が満開の公園には、心地よい風が吹き抜け、暖かい日差しが照らし出す。そんな中、大学のキャンパスでは、学生たちが新しい学期の始まりに胸を躍らせていた。
主人公の美咲(みさき)は、2年生の女子学生。彼女は、恋愛に疎く、友達と過ごすことが多い普通の女の子だった。しかし、彼女の心の奥には、密かに憧れている男子がいた。彼の名前は、翔太(しょうた)。サッカー部のエースで、明るい笑顔と優しい性格を持つ彼に、美咲はいつもドキドキしていた。
「美咲、また翔太のこと考えてるの?」友達の彩(あや)が、彼女の様子に気づき、冗談めかして聞いてきた。美咲は頬を赤らめながら、否定することができなかった。実際、翔太のことを考えると、心が高鳴り、何も手に付かなくなるのだ。
春の陽気に誘われて、大学のサークルも活発に活動を始めていた。美咲は、友達と一緒に映画サークルに参加することにした。サークルの初回活動の日、映画館の前で待ち合わせをしていると、ふと翔太の姿が目に入った。彼は友達と話しながら笑っていた。美咲はその瞬間、心臓が跳ね上がるのを感じた。
「おはよう、美咲!」翔太が声をかけてくれた。美咲は思わず目を合わせ、緊張しながら「お、おはようございます」と返事をした。翔太の笑顔はまるで太陽のようで、その温かさに包まれる。彼と話せるだけで幸せな気持ちになった。
映画サークルでは、みんなで映画を選ぶことになった。美咲は、翔太と同じ映画を選んでほしいという気持ちから、彼の意見を伺う。「翔太、どの映画がいいと思う?」と尋ねると、翔太は「僕はアクション映画が好きだけど、美咲はどんなジャンルが好き?」と返してくれた。彼との会話が続く中で、美咲は少しずつ自分の気持ちを伝える勇気が湧いてきた。
映画鑑賞が終わると、みんなで感想を話し合った。美咲は翔太が自分の意見に耳を傾けてくれることに嬉しさを感じ、心が満たされていく。彼の隣に座ることができただけでも、特別な時間だった。
その後、サークルのメンバーで飲みに行くことになった。美咲は緊張しながらも、友達と一緒に参加した。飲み会では、翔太が中心となり、みんなを盛り上げていた。彼の周りには常に笑顔が溢れ、美咲もその一員として楽しむことができた。
しかし、友達と話している最中、美咲はふとした瞬間に翔太と目が合った。その瞬間、心臓が大きく鼓動を打ち、思わず視線をそらしてしまった。彼に対する気持ちが大きくなる一方で、告白する勇気が出ない自分がもどかしかった。
飲み会が進むにつれ、少しずつ酔いも回ってきた美咲は、思い切って翔太に話しかけることにした。「翔太、サッカーはどう?」と問いかけると、翔太は嬉しそうに自分のサッカーの話を始めた。その姿に美咲は心を奪われ、彼がどれほどサッカーを愛しているかを知ることができた。
「美咲も何か挑戦してみたら?一緒に練習する?」翔太が提案してくれた。美咲は驚きつつも、心の中では嬉しさが満ちていた。「本当にいいの?」と確認すると、翔太はにっこりと微笑んだ。
その日以降、美咲は翔太とサッカーの練習をすることに決めた。彼との時間が増えることで、次第に親密さが増していく。美咲は彼の隣にいるだけで幸せを感じ、心の中で彼への恋心が大きく育っていくのを実感した。
しかし、恋愛には不安も伴う。翔太は多忙なサッカー部のエースで、彼女の気持ちに気づいているのかどうか。美咲は、彼に自分の気持ちを伝える勇気が出ずにいた。そんなある日、友達から「翔太が他の子と話しているのを見た」と聞かされ、心が揺れ動いた。
「彼は他の子に興味があるのかもしれない」と思うと、胸が締め付けられるような思いがした。美咲は、翔太に告白することができないまま、彼との距離がさらに大きくなってしまうのではないかと不安になった。
そんなとき、美咲はサークルの仲間たちと一緒に春のピクニックに出かけることになった。美しい青空の下、みんなで楽しい時間を過ごしていると、ふとした瞬間に翔太が美咲の隣に座った。彼の存在が近くにあることに、胸が高鳴る。
「美咲、最近楽しそうだね」と翔太が言った。美咲は少し驚きながらも、「はい、翔太と一緒にサッカーをするのが楽しくて」と素直に答えた。
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###恋の予感
春の訪れを感じさせる暖かな日差しが、桜の花びらを優しく包み込んでいた。大学のキャンパスは、桜の木々が満開で、学生たちの笑い声が響いていた。その中に、一人の女性、菜々子がいた。彼女は毎年この時期が好きだった。桜の下で友達とおしゃべりをすること、そこで新しい出会いがあること、すべてが特別な瞬間だった。
菜々子は、サークルの友達と一緒にお花見をするために、広場の真ん中に敷物を広げていた。彼女の心は少し高鳴っていた。新しく入ったサークルのメンバー、翔太が来ることになっていたからだ。翔太は、彼女が密かに憧れている相手だった。優しくて、おしゃれで、誰にでも優しい彼の姿が、菜々子の心を掴んで離さなかった。
「菜々子、何か飲み物持ってきた?」友達の美咲が声をかけてきた。
「うん、さっきコンビニで買ってきたよ。」菜々子は、持参したお弁当と飲み物を取り出した。桜の花びらが風に舞い、彼女の髪の毛に絡まる。菜々子は思わず微笑んだ。そんな些細な瞬間も、彼女にとっては特別な意味を持っていた。
その時、遠くから翔太の声が聞こえてきた。「お待たせ!」彼の姿が見えると、菜々子の心はドキリとした。彼は、友達と一緒にやってきて、楽しそうに笑っていた。翔太の笑顔を見た瞬間、菜々子は胸が高鳴るのを感じた。
「翔太、こっちこっち!」美咲が手を振ると、翔太はその方向に向かって歩いてきた。彼の動きは軽やかで、まるで桜の花びらが舞うようだった。菜々子は、緊張しながらも心の中で「頑張れ、私」と自分に言い聞かせた。
翔太が敷物に座ると、周りの友達と談笑が始まった。菜々子は、彼の横に座るチャンスを待っていた。彼女は自分の心臓の音が聞こえるくらい緊張していたが、少しずつ会話に参加し始めた。
「翔太、最近何か面白いことあった?」菜々子は思い切って話しかけた。翔太は驚いたように振り向き、彼女の目をじっと見つめた。
「実は、友達と旅行に行ってきたんだ。海がすごく綺麗で、また行きたいなと思ってる。」翔太の言葉に、菜々子の心は躍った。彼の話を聞くのが楽しくて、もっと話を続けたくなった。
「いいなぁ、私も海に行きたい!どこの海だったの?」菜々子は自然と笑顔になった。翔太は、彼女の反応に嬉しそうに話し続けた。二人の会話は、周りの賑やかな声に溶け込んでいった。
その後、お花見は和やかに進んでいった。菜々子は、翔太との距離が少しずつ縮まっていくのを感じた。時折、彼の目が自分に向けられると、心臓がドキドキしてしまう。彼女は自分の気持ちを隠しきれないまま、楽しい時間を過ごした。
日が沈むにつれ、桜の木々は薄暗くなり、幻想的な雰囲気を醸し出していた。菜々子は、友達と一緒に写真を撮ることにした。翔太もその輪に加わり、みんなで笑顔を見せた。写真の中で、菜々子は翔太の隣にいた。彼女はその瞬間を心に刻みつけた。
「また、みんなでお花見しようね!」美咲が提案した。菜々子は嬉しそうに頷いた。翔太も同意するように微笑んでいた。
その後、菜々子は家に帰る道すがら、翔太のことを考え続けた。彼女の心の中に、彼との距離が少しずつ近づいていることを実感していた。恋愛の予感は、まるで桜の花が満開になる瞬間のように、美しく心に広がっていった。
数日後、菜々子は翔太に連絡を取る勇気を振り絞った。「今度、一緒に映画を見に行かない?」と送ったメッセージ。彼の返事を待つ間、心は不安でいっぱいだった。しかし、翔太からの返信が来たとき、彼女の心は跳ね上がった。
「いいね!何を見に行こうか?」
その言葉に、菜々子は嬉しさを隠しきれなかった。彼女は心の中で思った。「これが、恋の始まりなのかもしれない」と。桜の花が散り、新しい季節が訪れるように、彼女の心にも新しい恋が芽生え始めたのだった。
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###桜色の約束
春の訪れが町を染め上げる頃、桜の花が満開を迎えた。小さな町の高校で、主人公の佐藤結衣は新しい季節の始まりを感じながらも、心のどこかに不安を抱えていた。彼女の心は、幼なじみの高橋颯太に向いていたが、彼との関係について深く考えることに躊躇していたからだ。
結衣は颯太に対して特別な感情を抱いていた。彼はいつも明るく、周囲を明るく照らす存在だった。彼の笑顔を見た瞬間、心臓が高鳴り、言葉がうまく出てこないこともあった。しかし、彼との関係が友情を超えることに対して、恐れと期待が入り混じっていた。
ある日、結衣は颯太と一緒に桜を見に行く約束をした。彼女はその日を心待ちにしていたが、同時に不安も感じていた。「もし、私の気持ちを彼に伝えたら、今までの関係が壊れてしまうのではないか」と、自問自答する日々が続いた。
約束の日、桜の木の下で待っていると、颯太が遅れて現れた。彼は息を切らしながら、「ごめん、遅れちゃった!」と笑顔で言った。結衣はその瞬間、彼の笑顔に心を奪われ、思わず頬が緩んだ。しかし、彼女の心のどこかで「この瞬間がずっと続けばいい」と願っていた。
二人は桜の花びらが舞い散る中を歩きながら、楽しい会話を交わした。結衣は颯太の話に耳を傾け、彼の眼差しに見つめられるたび、胸が高鳴った。しかし、そんな中でも心の奥底に潜む不安は消えなかった。結衣は思い切って、「ねぇ、颯太。私たち、これからもずっと友達でいる?」と、心のどこかで意を決して聞いてみた。
「もちろん!ずっと友達だよ」と、颯太は無邪気に答えた。その瞬間、結衣の胸は一瞬重くなった。彼の答えは、彼女の期待を裏切るものだった。「このまま、友達のままでいるのか」と思うと、心が痛んだ。
その夜、結衣は一人で部屋にこもり、考え込んだ。彼に告白する勇気がなかった自分を悔やみつつ、胸の内に秘めた恋心がますます強くなっていった。しかし、もし告白して断られたら、今の関係が壊れてしまうのではないかという恐れが彼女を縛り付けていた。
数日後、結衣は颯太と学校で顔を合わせた。颯太はいつも通り楽しそうに話しかけてくれたが、結衣の心は不安でいっぱいだった。彼女は初めて自分の気持ちを伝える決意を固めた。「このままじゃいけない、私の気持ちを伝えなければ」と思い、彼を放課後に呼び出した。
「颯太、少し話せる?」と声をかけると、彼は不思議そうな顔をした。「もちろん、どうしたの?」と答える。結衣は緊張しながらも、心の中で何度も繰り返した言葉を口にした。「実は、私、颯太のことが好きなの」と言った瞬間、心の中の緊張が一気に解けたような気がした。
颯太は驚いた表情を浮かべた後、少し考え込むように目を伏せた。結衣の心臓は早鐘のように打ち続けた。「彼はどう思っているのだろう。やっぱり、友達でいたいと思っているのかな」と、不安が駆け巡った。
「結衣……ごめん、俺も好きだよ」と、颯太が口を開いた。その瞬間、結衣の心は喜びに満ち溢れた。彼の言葉がどれだけ嬉しいものか、全身に電流が走るような感覚が広がった。
「本当に?じゃあ、私たち、付き合ってもいいかな?」と、結衣は少し照れながらも聞いた。颯太は笑顔で頷き、「もちろん、桜が散る前に、二人で新しい関係を始めよう」と言った。
それからの日々は、彼らにとって特別な時間だった。二人で桜の木の下で過ごす時間は、恋人同士のものとなり、彼らの絆はますます深まっていった。しかし、結衣の心のどこかには、いつかこの幸せが終わるのではないかという不安が残っていた。
ある日、颯太が学校で突然の転校を告げられた。結衣の心は一瞬で冷たくなった。彼の夢が別の町に引き寄せられるのは理解できたが、彼女にとってその現実は耐え難いものだった。「どうして、こんなに早く別れなければならないのか」と思うと、涙がこぼれそうになった。
颯太も結衣の気持ちを理解しており、「絶対に連絡を取り続けよう。離れても、気持ちは変わらないから」と約束した。しかし、結衣の心には「果たして本当に大丈夫なのか」という疑念が残った。
彼が去る日、桜の木の下で二人は最後の約束を交わした。「桜が再び咲く頃、必ず会おう」と言って、彼は彼女の手を優しく握った。結衣は「私も待っているから」と微笑んだが、その微笑みの裏には、別れがもたらす不安が隠れていた。
時は流れ、結衣は颯太との日々を思い出しながら、新しい生活を始めた。しかし、彼の存在は常に彼女の心に残り続けた。桜が再び咲く頃、彼女は彼のことを思い出し、期待と不安を抱えていた。
そして、約束の日がやって来た。結衣は桜の木の下で彼を待つことにした。彼女の心は高鳴り、彼に会えることを信じていた。しかし、時が過ぎても颯太は現れなかった。失望と不安が彼女を押しつぶすように襲った。その瞬間、彼女は彼との思い出が全て消えてしまうのではないかと恐れた。
しかし、ふと桜の花びらが風に舞うのを見たとき、彼女は思い直した。「どんなに離れても、私たちの心は繋がっている。桜のように、いつか再び出会えると信じよう」と、自分を励ました。
その時、不意に後ろから「結衣!」という声がした。振り返ると、颯太が微笑みながら立っていた。彼女の心は喜びに満ち溢れた。「約束、守ったよ」と言いながら、彼は少し照れくさそうに言った。
二人は桜の花びらが舞い散る中で、再び手を繋ぎ、心の中の不安が消え去るのを感じた。互いの存在は、離れていても決して消えないことを再確認した瞬間だった。
結衣は、颯太との恋が桜の花のように美しく、儚いものであることを理解した。それでも彼女は、彼との約束を胸に、未来へと歩み続ける決意をした。彼女たちの愛は、春の訪れとともに新たなページを刻むのだった。
###秋の風に揺れる思い
秋の訪れと共に、街は温かな色に包まれていく。公園のベンチに座る美咲(みさき)は、落ち葉が舞う様子をぼんやりと眺めていた。彼女の心には、いつもと違う特別な気持ちが渦巻いている。それは、彼女の親友、拓海(たくみ)に対する淡い恋心だった。
美咲は幼い頃から拓海と一緒に過ごしてきた。彼は明るく、優しく、人懐っこい性格で、周囲の人々を惹きつける存在だった。そんな拓海の笑顔が、今は美咲の心を掻き乱していた。彼との友情と恋愛感情の狭間で揺れる日々に、美咲は戸惑いを感じていた。彼女は自分の気持ちを打ち明けるべきか、ただの友人として振る舞い続けるべきか、悩み続けた。
ある日、拓海が公園にやって来た。彼は元気な声で「美咲、待った?」と笑いかけた。その瞬間、美咲の心臓は高鳴った。「いいえ、ちょうど今来たところ」と微笑み返す。二人で話しているうちに、秋の風が心地よく、美咲は少しずつリラックスしていった。
「最近、どうしてる?」拓海が尋ねた。美咲は自分の近況を話しながら、彼の反応を伺った。彼の目がキラキラと輝いていて、美咲はその視線にドキッとした。自分の想いを知られたくない一方で、もっと彼と近くにいたいという矛盾した感情が渦巻いていた。
その日の帰り道、美咲は自分の気持ちをどうにかして伝えたいと思い、勇気を振り絞った。「拓海、私、あなたに伝えたいことがあるの」と言った瞬間、彼の目が驚きに見開かれた。心臓がバクバクと音を立てる。拓海は「何?」と不安そうに聞き返す。
「私、あなたのことが好きなの」と言葉が口から飛び出した。言った瞬間、全てが静止したように感じた。美咲は自分の言葉の重みを噛み締めながら、拓海の反応を待った。拓海は驚きの表情を浮かべたが、次第に笑顔に変わった。「俺も、美咲のことが好きだったんだ」と告げた。
その瞬間、二人の心は一つになった気がした。不安や恐れが消え去り、温かな感情が満ちていく。秋風が優しく二人を包み込む中、美咲は拓海の手を優しく握った。彼の手は温かく、まるで彼の想いをそのまま伝えているようだった。
それから数週間、美咲と拓海は恋人同士としての関係を深めていった。彼との時間はいつも特別で、笑い声が絶えない日々が続いた。しかし、彼女は時折、不安が胸をよぎることがあった。「この幸せがいつまで続くのか」と。
そんなある日、拓海が美咲を公園に呼び出した。彼の表情は普段とは違って、真剣そのものであった。「美咲、話がある」と言い、彼は美咲を見つめた。心臓が高鳴り、彼女は思わず手をぎゅっと握りしめた。「何かあったの?」不安が胸を締め付ける。
拓海は深呼吸をして、言葉を選ぶように続けた。「俺、来年から海外留学することになったんだ」と。美咲はその言葉に驚き、心に大きな穴が開いた気がした。「どうして、そんな大事なことを今言うの?」と涙をこらえながら問いかける。
拓海は彼女の手をしっかりと握り、「美咲、俺はどんなに遠くにいても、お前のことを忘れない。だから、別れたくない」と告げた。美咲は涙が溢れそうになったが、彼の真剣な眼差しを見て心が少しだけ和らいだ。「私も、離れたくない」と心から思った。
二人は離れ離れになることを恐れながらも、お互いの気持ちを確かめ合った。そして、愛を育む決意を固めた。離れていても、心が繋がっていることを信じて、二人は新たな未来に向かって一歩を踏み出すことにした。
秋の風が二人を包み込み、その温もりが新たな恋の物語の始まりを予感させていた。
### 春の風に乗せて
桜が満開の頃、東京の喧騒から少し離れた小さな町に、大学生の美咲は帰省していた。彼女の心は、春の陽射しと共に高揚していた。特に、彼女の心を躍らせる存在がいたからだ。
その存在とは、高校時代の同級生、健太である。美咲は健太に密かに思いを寄せていたが、彼が大学で新しい友人たちと楽しそうにしている姿を見ては、いつも複雑な感情を抱いていた。彼女の心の中には「彼には自分が必要ないのかもしれない」という不安が渦巻いていた。
ある日、美咲は母親に頼まれた買い物のついでに、健太の家の近くを通りかかった。思い切って立ち寄ると、思いがけず健太が庭で花を手入れしているのを見つけた。彼の少し日焼けした肌と、真剣な表情にドキリとする。美咲は心臓が高鳴るのを感じた。彼に話しかける勇気を振り絞り、近づく。
「健太、久しぶり!」
「美咲!久しぶりだね。どうしてここに?」彼の目が驚きと喜びで輝いた。
会話を交わし、2人の距離は自然と縮まった。健太は美咲の話に耳を傾け、彼女は彼の笑顔に再び心を奪われる。この瞬間、彼女は彼に対する気持ちが決して消えていないことを実感する。
数日後、健太から「一緒に桜を見に行こう」と誘われた。美咲は迷わず承諾した。心の中で何度も彼の言葉を繰り返し、どんな服を着ていこうかと考えるだけでドキドキが止まらなかった。
約束の日、桜の木の下で待ち合わせをした。花びらが舞い散る中、健太が現れた。彼は軽やかな笑顔を浮かべ、手には花見のための弁当がぶら下がっていた。
「これ、俺が作ったんだ。どうかな?」
「えっ、本当に?すごい!」美咲は驚きと共に嬉しさが込み上げてきた。
2人は、笑い合いながら弁当を食べ、桜の花びらが舞い散る中で思い出話に花を咲かせた。その間、美咲は彼の温かさを感じ、心の中で何かが変わり始めていることに気づく。
しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、やがて沈黙が訪れた。美咲は心の奥底から湧き上がる思いを言葉にしたいが、口を開く勇気が出なかった。彼女の顔が曇ったのを見た健太は、少し心配そうに尋ねる。
「美咲、どうした?」
「実は…私、健太のことが好きだと思ってる。」思いきって告白した瞬間、彼女の心臓はドキドキと激しく打った。
健太は驚いた表情を浮かべ、その後、少し考え込んだ。「俺も、美咲のことが好きだ。でも、今まで言えなかったのは…」
その言葉に美咲の心は高鳴った。彼も自分を想っていたのか。これまでの不安が一瞬で吹き飛び、彼との新たな関係が始まる期待感が胸に広がる。
「じゃあ、これからお互いの気持ちを大切にしていこう。」美咲は微笑みながら言った。
春の風に乗せて、2人の想いは桜の花びらのように、静かに舞い上がった。新たな恋の始まり、彼女の心には希望が満ち溢れていた。
恋愛系以外で、書いて欲しいジャンルがあったら、ぜひ、書いてください。
### 深夜の訪問者
初ホラー!変でも責めないでください!【小説の案募集中!】
今回は改行多め!ご了承下さい!
ある静かな村に、古びた家があった。長い間誰も住んでいなかったその家は、村の人々から忌み嫌われていた。ある晩、若い女性の美咲は、友人たちと肝試しをすることに決めた。その家の前に立って、彼女の心にはわずかな期待と、不安が交錯していた。
「本当に入るの?」友人のゆうなが、ビクビクしながら訊ねる。「だって、あの家には…」
「大丈夫だよ、何も起きないって!」美咲は強がりながらも、自分の心臓が速く打つのを感じた。村の言い伝えでは、そこにはかつて一家が住んでおり、ある夜、全員が行方不明になったという。家の中には、未だに彼らの霊がさまよっていると噂されていた。
家の扉を押し開けると、古い空気が美咲の鼻を突き、思わず後ずさる。しかし、友人たちの期待に応えるため、美咲は勇気を振り絞って中に入った。薄暗い廊下の先には、崩れかけた階段が見えていた。彼女たちは一緒に進んでいく。心の底からの恐怖に、誰もが言葉を失った。
階段を上がると、薄明かりの中に一室が広がっていた。壁には、かすかな血痕が残っているように見え、家具は崩れ落ちている。美咲は、何かが彼女を呼んでいるような感覚に襲われた。その時、突然、背後でドアがバタンと閉まった。全員がびくっと跳ね上がる。
「誰かいるの?」ゆうなが震える声で叫んだ。しかし返事はなかった。美咲は恐怖を押し殺し、友人たちに振り向いた。「やっぱり帰ろう。これは悪い予感がする。」
しかし、彼女の言葉が終わらぬうちに、部屋の隅から微かな囁きが聞こえた。「助けて…」
彼女の心臓が一瞬止まった。囁きの正体は、かつてこの家に住んでいた少女の声だった。美咲はその声に引き寄せられるように、ゆっくりとその隅へ歩み寄った。友人たちは恐怖で身動きが取れず、美咲だけがその声に魅了されていた。
「助けて…私を…忘れないで…」
美咲は目の前に現れた少女の姿を見た。彼女は無表情で、ぼろぼろの服を着ていた。その表情には、永遠の悲しみと絶望が宿っていた。美咲の心は、恐怖よりも同情に満ちていった。
「あなたは…どうしてここにいるの?」美咲は思わず声を出した。
突然、少女の顔が歪み、笑顔に変わった。「あなたが私を助けてくれるのね?」
その瞬間、部屋の空気が一変した。美咲の周りで友人たちが次々に悲鳴を上げ、壁から手が現れ、彼女を引き込もうとした。恐れと混乱が彼女を襲った。美咲は必死に逃げようとしたが、何かに引き寄せられる感覚があった。
「助けて…!お願い…!」彼女は叫んだ。だが、少女の笑顔は消え、代わりに恐ろしい叫び声が響き渡った。
美咲は、力の限りで階段を駆け下りた。友人たちも後を追い、全員が必死に門を開けて外に飛び出した。背後からは、少女の声が彼女たちを追いかけるように響いてきた。「私を…忘れないで…」
村を逃れた美咲たちは、振り返ることすらできなかった。暗闇の中、あの家は彼女たちを見つめているようだった。そしてその夜以降、美咲の心の奥には、永遠に消えない恐怖と、少女の哀れな顔が焼き付いていた。彼女は、その後も何度も夢の中で少女に呼ばれ、逃げ続けることになるのだった。
いかがだったでしょうか?怖かったですか?小説の案募集中です。どうぞ、ファンレターに…。by⁇?
### 霧の中の囁き
今回も改行マシマシです。読みにくかったら教えてください。
#### 起
東京の郊外に位置する小さな村、霧嶋村。そこは、周囲を深い森に囲まれた静かな場所で、住人は数えるほどしかいなかった。村の人々は、古くから伝わる言い伝えを信じていた。霧の深い夜、森の奥から聞こえてくる囁き声は、決して無視してはいけないと。
主人公の美咲は、都会の喧騒から逃れるために、この村に引っ越してきたばかりの若い大学生だった。彼女は、村の静けさに魅了されながらも、何か不気味な雰囲気を感じ取り、少しずつ心をすり減らしていった。
ある晩、美咲は自宅の窓から外を眺めていた。厚い霧が村を包み込み、視界はボンヤリとした白に染まっていた。その時、彼女の耳に小さな声が聞こえた。「美咲、助けて…」と囁くその声は、まるで彼女の名前を呼んでいるかのようだった。
#### 承
翌日、美咲は村の人々に、その囁き声について尋ねてみた。しかし、村人たちは口を閉ざし、怪訝な顔をした。「あの声は忘れなさい。聞こえたとしても、決して近づいてはいけない」と警告された。
美咲は不安を抱えながらも、その声に興味を掻き立てられた。何かが彼女を引き寄せている。村の図書館で調べ物をする中で、彼女は「霧の中の亡霊」と題された古い本を見つけた。それには、かつて村で行方不明になった少女の話が記されていた。少女は、霧の中で助けを求める声を聞いた者だけが、彼女の運命を知ることができると。
美咲の心は次第に不安と好奇心の狭間で揺れ動いた。囁き声の正体を知りたいという欲望が、彼女を掻き立てた。ついに、彼女は夜の森へ向かう決意を固めた。
#### 転
その晩、霧が一層濃くなり、心地よい静寂が広がる中、美咲は懐中電灯を手にし、森へと足を踏み入れた。彼女の心臓は高鳴り、恐怖が彼女を包む。しかし、どこか内なる声が「進め」と囁いている。
森の奥へ進むと、突然、耳元で「美咲、こちらに来て…」と再び聞こえた。その声は、彼女を優しく呼び寄せるようで、思わず足を止めた。やがて、薄暗い場所に小さな影が見えた。それは、かつて行方不明になった少女の姿に似ていた。
「助けて…」少女は涙を浮かべて言った。「私を見つけて…私を解放して…」
美咲は少女の目の奥に映る無垢さと、深い絶望を感じた。恐怖よりも同情が勝り、彼女は少女に手を差し伸べた。その瞬間、少女は不気味に笑い、霧の中に消えてしまった。美咲の手は、冷たい空気だけを掴んでいた。
その後、彼女は恐怖に駆られ、必死に森を駆け抜けた。しかし、すぐに道を見失い、迷ってしまった。何時間も彷徨い続け、疲れ果てた頃、再び「美咲、私のところへ…」という声が響いた。もはや彼女は、恐怖よりもその声に魅了されていた。
#### 結
美咲は再び声に導かれるままに進んでいくと、やがて小さな clearing(空き地)に出た。そこには、朽ちた古い家が佇んでいた。家の前には、いくつもの人形が置かれており、その表情は不気味に歪んでいた。
「ここに来て、私を解放して…」声はさらに強くなり、美咲は家の中に引き寄せられるように入った。家の中は薄暗く、壁には無数の人形が吊るされ、まるでその空間に少女の叫びが詰まっているかのように感じた。
彼女は、床に落ちている古い日記を見つけた。それは少女が書いたもので、彼女の悲しい思い出が綴られていた。日記を読み進めるにつれ、少女は村の人々に恐れられ、孤独な日々を送っていたことが明らかになった。
「私を解放して…」その声は、今や彼女の心の中で渦巻いていた。
美咲は、少女の苦しみを理解し、何かを感じた。彼女は日記を手に持ち、「私はあなたを見つけた」と心の中で囁いた。その瞬間、周りの空気が震え、少女の姿が霧の中から現れた。
「ありがとう…」少女は微笑み、美咲の手を握りしめた。彼女の存在は次第に薄れていき、束の間、穏やかな光が森を包み込んだ。
美咲はその後、霧嶋村を離れ、都会へ戻った。彼女の心には、少女の思いが残り続け、彼女の解放の手助けができたことに安堵した。しかし、時折、彼女の耳に囁く声が響き渡ることもあった。「忘れないで…私を…」その声は消えず、心の奥で静かに響いていた。
そして、美咲は思い出す。深い霧の中には、まだ解放されていない魂たちがいるのだということを。
今日、こんなファンレターが届きました。
『ゾクっとすると同時にとても悲しいホラーでした。
胸がギュッとなりました。冒頭の家が嫌われているところから最後まで一気読みでした。』
(勝手に載せました。すいません、、、)
こう言う風なものは、とても励みになります。もらったその日は、調子に乗って中編を書いてしまいます。
なので、「じゃんじゃん送ってくださると、嬉しい」ってことです!
### 影の中の光
初歴史!いまいち書き方がつかめてないです。
江戸時代、寛延の年(1748年)、ある小さな村があった。その村は周囲を緑豊かな山々に囲まれ、村人たちは農業を営みながら平穏な日々を送っていた。しかし、日々の穏やかさの裏には、幕府の厳しい政策や年貢の重圧が影を落としていた。そんな中、村には一人の青年、源八がいた。
源八は、両親を早くに亡くし、祖母と二人三脚で生活を支えていた。祖母は源八にとって唯一無二の存在であり、彼の心の支えでもあった。村の人々は源八に期待を寄せていたが、彼はその重圧に苦しみながらも、村を守るために力を尽くす決意をしていた。
ある日、源八は村の広場で開かれた祭りに参加することにした。色とりどりの屋台が立ち並び、子供たちの笑い声が響き渡る中で、源八は少しだけ心の平安を感じていた。しかし、その瞬間、彼の目に飛び込んできたのは、村の資産を取り立てる役人たちの姿だった。役人たちは、無情にも村人たちから年貢を強引に取り立てていた。
源八の心に怒りが湧き上がった。彼は村人たちを守りたい一心で、役人たちに立ち向かう決意を固めた。源八は祖母の言葉を思い出した。「大切なものを守るためには、時には立ち向かわなければならないこともある。」その言葉が、彼の心を奮い立たせた。
「皆、立ち上がれ!我々の血と汗で築いたこの村を、守らなくてはならない!」
彼の叫びは村人たちの心にも響き、少しずつ人々が集まり始めた。村人たちは源八を中心に団結し、役人たちに抗議する姿勢を見せた。しかし、役人たちは冷酷で、力で押さえつけるつもりだった。
その夜、源八は村の山へ向かい、一人静かに考えた。自分が立ち上がったことで村人たちがどれほどの危険に晒されるか、彼は恐れていた。彼の心には祖母の顔が浮かんでは消えた。果たして自分は正しい選択をしているのか、村を守ることができるのか、疑念が彼を襲う。
しかし、源八は決して諦めなかった。朝日が昇る頃、彼は村人たちと共に役人たちに再び立ち向かうことを決意した。村人たちの目には、源八への信頼が宿っていた。彼らは一つの決意を胸に、役人たちを迎え撃つ準備を整えた。
「さあ、みんな!我々は一緒だ!この村を守るため、共に戦おう!」
源八の声は、村中に響き渡った。役人たちは驚愕し、村人たちの結束力を見て怯んだ。小さな村の力が、予想以上に大きなものであることを実感したのだ。
天地を揺るがすような激しい戦いが繰り広げられた。その中で源八は自らの勇気を試され、また村人たちの強い絆を目の当たりにした。彼の心には、祖母の教えが生き続けていた。
やがて、村人たちの意志が勝利を収め、役人たちは退散した。村は勝利し、源八は村人たちから英雄として称えられた。しかし、彼はその名声に浸ることなく、ただ静かに祖母の元へ向かった。
「おばあちゃん、私は勝ったよ。」
源八は祖母の手を取り、力強く言った。祖母の顔には安心と誇りが浮かび、彼の心は温かさに包まれた。村を守るために戦った彼の姿は、村人たちの記憶に深く刻まれ、源八は影の中に光を見出したのであった。
{改行マシマシ!}最初、『たくさんのジャンルの小説を書きたいなぁ』と言う思いで、
「彩り豊かな小説を。」と言う名前にしました。でも、恋愛系の小説しか書いてなく、冒険しようとも思いませんでした。あるファンレターをもらって、(こんな私の小説を、待ってくださる人がいるんだ!)となりました。周りがいない私にとって、ファンレターという読者の声は宝物です。どうか、傷つけるような言葉を、書かないでください。
### 風の音
改行多め!
青空に白い雲が浮かぶ、穏やかな春の日。学校の門をくぐる生徒たちの笑い声が、風に乗って響いていた。その中に、真希(まき)という少女がいた。しかし、彼女はその笑い声を心の奥で遠く感じていた。真希は、もう数週間も学校に行っていなかった。友達との距離が広がり、自分自身がどこにいるのか分からなくなってしまったのだ。
「また、行けなかったな…」
彼女は自分の部屋で、窓の外を見つめながらつぶやいた。日差しは暖かく、外では子供たちが遊んでいる。しかし、彼女の心の中は冷たい霧に包まれていた。どうしても学校に行けない理由があったわけではない。ただ、行きたくないという気持ちが、徐々に大きくなってしまったのだ。
真希は、友達のグループから外れたことに気づいた。毎日、SNSでのやり取りを見ていると、彼女の知らない話題で盛り上がる友達の姿があった。自分だけが取り残されているような気持ちが、ますます彼女を苦しめた。学校に行くことで、また孤独が待っているのではないかという恐れが、彼女を押しつぶしていた。
ある日、真希は図書館に行くことにした。静かな空間で、彼女は本を手に取った。ページをめくるたびに、物語の世界に引き込まれていく。自分の悩みや不安から少しだけ解放された気がした。そこで出会ったのは、古い詩集だった。詩の中には、彼女の心に響く言葉が詰まっていた。
「心の中にある風の音を、聞いてごらん。」
その一文が、真希の心に留まった。風の音は、彼女自身の心の声ではないかと思った。彼女は、何かを変えるために自分の気持ちに向き合う必要があると感じ始めた。
数日後、真希は思い切って友達に連絡を取った。久しぶりに会おうと誘ってみた。最初は緊張したが、友達の声は温かく、「久しぶり!みんなで遊びに行こうよ!」と返事が返ってきた。彼女の心に少しずつ光が差し込んできたようだった。
約束の日、真希は久しぶりに外に出た。友達と久しぶりに会った瞬間、彼女は思わず笑顔になった。小さな公園に集まり、みんなで話したり、笑ったりするうちに、彼女の心の中の霧が薄れていくのを感じた。友達との思い出や、共有した楽しい時間が、彼女を再び学校へと引き寄せてくれるのではないかという希望が芽生えてきた。
その後、真希は少しずつ学校に足を運ぶようになった。最初は不安でいっぱいだったが、友達と一緒に過ごすうちに、彼女の心は明るさを取り戻していった。風の音を聞きながら、自分の気持ちに正直に向き合うことで、少しずつ前に進むことができたのだ。
真希は、学校に行くことができる喜びを感じていた。彼女にとって、学校はただの学びの場ではなく、友達と過ごす大切な場所になっていた。彼女はこれからも、自分の心の声を大切にしながら、少しずつ歩んでいこうと決意した。風の音を聞きながら、真希は新たな一歩を踏み出したのだった。
初めての『不登校』がテーマ!変だったら教えて!
### 影の中の真実
改行多め!もう改行多めで行きます。ミステリー?に、挑戦してみました!ファンレター待ってます!
秋の深まりを感じる頃、東京の片隅にある静かな町で、不可解な事件が起きた。三日前、町の古びた図書館で、ある本が盗まれたのだ。その本は、町に伝わる伝説について書かれた貴重な資料であり、地元の人々にとっては特別な意味を持つものであった。
図書館司書の村上は、この事件に深い興味を抱いていた。彼女は幼少期からこの図書館で育ち、そこでの思い出が彼女の心を支えていた。だからこそ、事件の背後に潜む真実を探りたいという思いが強かった。村上は、事件の直後から本の行方を追うために、町の人々に聞き込みを始めた。
「私、あの本がどうしても見つけたいのです」と、村上は町のカフェで見かけた老婦人に言った。老婦人は、彼女の目をじっと見つめ、ため息をついた。「あの本には、町の秘密が隠されていると言われているのよ。だから、誰かがそれを手に入れようとしたのかもしれないわ」と、言葉を続けた。
村上はその言葉に心を躍らせた。しかし、同時に恐れも感じた。町の秘密とは何なのか? それに関わることは、彼女にどんな影響を与えるのか。心の奥底で不安が渦巻くが、彼女は決して後退しなかった。
聞き込みを続ける中で、村上は次第に犯人の手がかりを見つけ始めた。町の若者たちの間で、その本が噂になっていることを知った。特に、最近転校してきた中村という少年が怪しいという声が上がっていた。彼はいつも一人でいる影のような存在で、村上自身も彼に何か特別な感情を抱いていた。
ある日、村上は図書館の裏手で中村を見かけた。彼は目を伏せ、何かを考え込んでいるようだった。勇気を振り絞り、村上は彼に近づいた。「中村君、あの本について何か知っているの?」と問いかける。彼は驚いた様子で顔を上げ、「何も知らないよ」と素っ気なく答えた。しかし、村上の直感は彼が何かを隠していると感じていた。
その夜、村上は夢を見た。夢の中で、彼女は図書館の書架の間を彷徨い、かすかな声が聞こえた。「真実は影の中にある」と、誰かが囁く。それは中村の声に似ていた。彼女は夢から覚めた後、その言葉が頭の中で繰り返されるのを感じた。
村上は翌日、再び図書館へ向かった。影のような存在である中村が、本の行方を知っているかもしれない。本を取り戻すためには、彼を理解しなければならないと決意した。
カフェで中村を待ち伏せすることにした。彼が現れると、村上は意を決して話しかけた。「私たちはこの町のことを知っている。あなたも知りたいことがあるんじゃない?」中村はしばらく黙っていたが、やがて呟いた。「本には、町の影の歴史が書かれている。良くないことが起こるかもしれない…」
村上は彼の不安を感じたが、同時に彼の心の奥にあった恐れや孤独さを理解した。彼もまた、この町の一部でありたいと思っているのだ。
「一緒に探しに行こう。私たちで真実を明らかにしよう」と、村上は提案した。中村は一瞬驚いた表情を見せたが、やがて彼女の手を取り、頷いた。
二人は協力して、町の記憶の影を追い始めた。真実を探ることで、村上と中村は互いの心に寄り添い、少しずつ信頼を築いていくのだった。影の中にある真実は、彼らの心の中で一つの光となり、町の未来を照らす希望となるだろう。
### ファンレターのお話
①「霧の中の囁き」より『最初は囁く声にゾクゾクドキドキしたのですが、真相にたどり着いた時、悲しさとその後の美咲さんによる救済(言葉)に、胸をなで下ろしました。まだ解放されていない魂達も、いつか、みつけてくれる存在が現れますようにと祈ってしまいました。救いのあるホラー、とても素敵でした。』
ありがとうございます♪お名前は分かりませんが、いつも素敵な感想を送ってくださいます。本当にありがとうございます!(語彙力どこいった?)
②「霧の中の囁き」より『すごく面白くて私に刺さりました…!私的に最後の「深い霧の中には、まだ解放されていない魂たちがいるのだということを。」で気持ちがかなり複雑になりましたね…
改めてすごく面白かったです!』
お名前がわかりませんが、おそらく私の小説に初めてファンレターを送ってくださった方だと思います。ありがとうございます!ファンレター、どんどん送ってくださってもいいんですよ?!
③「影の中の光」より『歴史・時代小説が元々好きなのですが、こちらのお話を拝読していて、地元にある昔話を思い出し涙が出ました。昔話の方では負けてしまうので、この作品で勝利を収めて、なんだか幸せになってしまいました。また、皆を危険にさらすのではと言う苦悩がリアリティたっぷりで読んでいて胸を掴まれ、最後の一文には本当によかったなと感じてしまいました。』
①と同じ方からです。投稿したその日に送ってくださいます。本当にありがたい限りです。
④「風の音」より『めちゃリアル.....(現役不登校より)あーちゃんの小説、文から風景とか主人公のイメージがちゃんと頭に思い浮かぶなぁ文章力がすごくて好きです....!』
雨夢さんからです!有難うございます。みなさん!聞きました!?(見ました!?)あーちゃんですって!嬉しいですね!
ゔゔん、、、はい(((これから、このあとがきで、ファンレターの紹介をしたいと思います!載せられるのが嫌な方は、書いて下さい!(尚、書かないと言う選択肢はない模様)それでは!ばいあや〜!
### 月影の森
ファンタジー!変だったら教えて!
ある夜、満月が空を照らし出す中、若き冒険者リオは「月影の森」と呼ばれる神秘的な森の入り口に立っていた。この森は、古くから伝わる伝説に包まれており、月の光があたると不思議な生き物が現れると言われている。リオは冒険心に駆られ、足を踏み入れる決意を固めた。
森に入ると、周囲は異様な静けさに包まれ、月明かりが木々の間を柔らかく照らしていた。リオの心臓は興奮と不安で高鳴る。彼は小さな村で平凡な日々を送っていたが、いつも心の奥底には冒険を求める渇望があった。この森で何か特別なことが起こるのではないかという期待が、彼の胸を躍らせる。
その時、ふと足元に何かが光った。リオが目を向けると、そこには小さな妖精の姿があった。彼女の名前はリリ。星のように輝く羽を持ち、リオに微笑みかけた。「あなた、ここに何をしに来たの?」彼女の声は鈴の音のように美しかった。
リオは驚きながらも、心の中で自分が求めていたものを理解した。「冒険です。何か特別なことを見つけたい。」彼の言葉に、リリは目をキラキラと輝かせた。「それなら、私が助けてあげる。でも、注意が必要よ。この森には危険がいっぱいなの。」
リオはリリの言葉に勇気を得て、一緒に森の奥へ進んだ。途中、彼らは幻想的な光景に出会った。青い光を放つ花々が咲き乱れ、空中に浮かぶ妖精たちが楽しそうに舞っていた。リオはその美しさに感動し、心が躍った。しかし、リリは突然、顔を曇らせた。「気をつけて。森の奥には、悪しき魔女が住んでいると言われているの。」
その言葉がリオの心に重く響いた。彼は冒険の中で自分の限界を試したいと思っていたが、同時に危険に直面することへの恐れも感じていた。しかし、彼は自分の心に立ち向かう決意をした。「どんな危険が待っていようとも、私は進む。この冒険が私を強くしてくれる。」
二人は進み続け、ついに深い森の中にある不気味な小屋にたどり着いた。扉がきしむ音とともに、リオは勇気を振り絞って中に入った。そこには、黒いローブをまとった魔女が待ち受けていた。彼女の目は冷たく光り、リオに向かって蔑むように笑った。「また若者がやってきた。私の力を試せると思っているの?」
リオは恐れを感じながらも、自分の心の中で冒険への渇望を思い出した。「私は、あなたの力に立ち向かう! それが私の運命だ!」彼の声は驚くほど力強かった。魔女は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに笑いを漏らした。「面白い、ではその勇気を試してみよう。」
魔女が手をかざすと、空間が歪み、リオは強力な魔法に包まれた。しかし、リリが彼のそばに飛んできて、彼を守るように輝く羽を広げた。「あなたは一人じゃない!」その瞬間、リオは自分が一人ではないことを実感し、心に力が満ちてくるのを感じた。
彼は魔女の魔法に立ち向かい、自分の内なる強さを引き出した。そして、リリと共に魔女に対抗することで、彼自身も成長していることに気づいた。禁断の力に立ち向かうことで、彼は真の勇気を手に入れたのだ。
最終的に、リオとリリは魔女を打ち破り、森を解放した。月明かりの下、彼は自分の成長を感じながら、静かな森の中に立っていた。彼の心は満たされ、冒険の終わりを迎えた。リリは微笑みながら言った。「あなたは素晴らしい冒険者になった。新しい冒険を求める時が来たら、また会いましょう。」
リオはその言葉を胸に刻み、森を後にした。彼の心には新たな夢と勇気が宿り、これからの人生を切り拓く力となるのだった。
### ファンレター
『真実は影の中にあるという声がとても気になります。また「この町の一部でありたい」という、普段は一部ではない疎外感と、この非箇所が物語の深みを増し、ものすごく考えさせられる内容で、影の歴史はなんなのだろうかという点も含め、謎が深まるお話でした。最後に、二人が信頼関係を構築するところが、中村さんの感じていた孤独が減った暗示に思えて、よかったなと感じ入りました。』
ありがとうございます!お名前がわからなくて、直接お礼できないのが残念ですが、ほんっとうに感謝しています!愛読してくださってるんですか?!感謝してもしきれません!本当に!感想書くのお上手ですよ!うん
はい。それでは?ばいあや〜!
### 星の彼方の約束
SFというものを知ったので、下書きなしで書いてみました。変だったら教えてください。
2045年、地球の環境は限界を迎え、人々は新たな居住地を求めて宇宙へと飛び立った。主人公の高橋亮(たかはし りょう)は、宇宙船「アストロ号」の一員として、遠い惑星「エリシオン」を目指していた。彼は幼い頃から宇宙に憧れ、様々な星を巡る夢を抱いていた。しかし、旅の道中、彼の心には不安と孤独が影を落としていた。
「本当に、エリシオンは人が住める星なのだろうか?」彼は窓の外に広がる星空を眺めながら、思わず呟いた。仲間たちはそれぞれの夢を抱いていたが、彼は一人、故郷を離れたことに対する寂しさを感じていた。
航海が進むにつれ、アストロ号は不思議な現象に見舞われる。異常な重力波が船を揺らし、船内のシステムが次々と故障していった。「これは…何かのサインか?」亮は不安に駆られ、仲間たちに状況を伝えた。しかし、彼の言葉は周囲に響かない。
「大丈夫、すぐに復旧できるさ」と、先輩の宇宙技術者、佐藤が笑顔で答えた。しかし、その笑顔はどこか薄らいでいた。彼の心にも焦りが生じているのだろう。亮は自身の不安を打ち消そうと、エリシオンへの夢を強く抱くことにした。
ある晩、亮は夢の中で少年時代の自分に出会った。彼は宇宙を旅することができると信じていた頃の自分を見つめ、「もう一度あの頃の夢を思い出せ」と言っているようだった。目が覚めた亮は、強い決意を抱いていた。彼は仲間たちに、自らの思いを伝えることにした。
「私たちの夢が消えかけている。だけど、希望を持ち続けよう。エリシオンにたどり着けると信じている」彼の言葉は次第に仲間たちの心を動かしていった。彼らは再び立ち上がり、故障したシステムの修復に取り組んだ。
数日後、仲間たちの努力が実を結び、アストロ号は正常な航行を再開した。亮の心には、仲間との絆が芽生えていた。彼は一人ではなく、共に夢見る仲間がいることを実感した。
そして、ついにエリシオンが視界に入った。美しい青い惑星が、彼らを迎え入れるかのように輝いていた。亮は目を細め、思わず涙を流した。「これが、私たちの新しい家だ」と呟くと、仲間たちもその言葉に頷いた。
宇宙の果てでの冒険を通じ、彼は孤独から解放され、真の仲間とのつながりを感じた。この旅は終わりではなく、むしろ新たな始まりだった。未来への希望を胸に、亮は新しい星での生活を夢見ながら、仲間たちと共にその一歩を踏み出した。
###ファンレター
「月影の森」より
『一人ではなく、二人(他の誰か)が力を合わせることで生まれた信頼こそが、背中を押す強い力となるのだなぁとリリさんが羽を広げる場面で思いました。新しい冒険を求める時、きっとリオにはまた、そばで力を貸してくれるリリがいるのだろうと感じます。成長する、成長に気づける、そんな場面で特に印象的で、また森の入り口では案内を物語の終幕では新たなる日々への期待を口にし、リオさんだけでなく読者(私)をも誘ってくれたリリさんが本当に魅力的でした。成長したリオさんの新たなる冒険も楽しみです!』
大ファンだそうです!すっごく嬉しいです!『毎回更新されるのを心待ちにしており愛読も愛読、本当に全力で待機しております(*'-')!! 大ファンです!』と書かれていました。愛読嬉しいです!ずっと、愛読して下さいね♪お名前、出来れば書いて欲しいです。
これにて今日の更新は終わり、、、と言いたいところですが、この小説は下書きを書いていません。つまり、ストックは減っていないのです!16時ごろに、久しぶり?に恋愛系小説を投稿しようと思います。
### 最後に
ここまで読んでくださりありがとうございました。それでは?ばいあや〜!
### 風の音が告げる恋
恋愛が帰ってきましたよー!それでは、夢の世界へご案内します。
春の訪れが感じられるある日、東京の小さなカフェで、香織はコーヒーの香りに包まれながら、幼馴染の優と再会した。彼は大学を卒業し、今は地元で働いているという。二人は高校時代の思い出を語り合い、自然と笑顔がこぼれた。
「香織、相変わらずおしゃれだね」と優が言うと、香織は少し照れくさそうに微笑んだ。優の言葉は、彼女の心の奥深くに温かな火を灯した。香織は、長い間、優に特別な感情を抱いていることを自覚していたが、その気持ちを伝える勇気は出なかった。
二人の会話は弾み、時間はあっという間に過ぎ去った。優は、彼の好きな音楽や、最近の趣味を話し、香織も自分の仕事の話や夢を語った。しかし、それと同時に、心の奥で「この瞬間が終わってしまうのが怖い」という感情が渦巻いていた。
数日後、香織は再び優からの誘いを受けて、彼の好きなジャズライブに行くことになった。ライブハウスの薄暗い空間で流れる音楽に、感情が高まる。優の隣に座ると、彼の存在が心の中でどんどん大きくなっていく。演奏が終わると、優は香織に向かって「今度はもっといいところに連れて行くよ」と微笑んだ。
その夜、香織は自分の気持ちを伝えたいと強く思った。だが、次の日、優から「友達として大切に思っている」と言われた瞬間、彼女の心はずっしりと重くなった。優は彼女に特別な感情を持っていないのだろうか。不安が彼女を襲う。
数週間後、香織は自分の気持ちを整理するために旅に出ることにした。山へ向かい、大自然に身を委ねることで、心のモヤモヤを晴らした。その静けさの中で、彼女はふと思い出した。優との思い出が、どれだけ自分にとって大切なものであるかを。彼の笑顔、優しさ、そして何より、一緒に過ごした時間が愛おしかった。
東京に戻ると、香織は自分の気持ちを素直に優に伝える決意を固めた。勇気を振り絞り、カフェで再び彼と会った。「優、私、あなたが好きなの」と言葉が心からあふれ出た。優は驚きの表情を浮かべたが、次の瞬間、彼の顔が柔らかくほころんだ。「香織、実は俺もずっとお前のことを考えてたんだ」と告げた。
その瞬間、香織の心は満たされた。二人の距離が一気に縮まり、昔のように自然に笑い合った。風が窓から吹き込むと、香織は自分の心の声が聞こえる気がした。「これが、運命なのだ」と。彼女の中で始まった恋は、まるで春の訪れのように、静かに、しかし確実に育っていった。
うん(((今回はファンレターを紹介する時間がない!てことで次回描きます。
これにて今日の更新は終了です!投稿したその日に見てくださってる方、ありがとうございます!それでは!おつあやー!
灯るまで
生きてる、だけで褒められる日が来るなんてね」
それは、誰の声だったかも思い出せない。
でも、その言葉だけが、心にずっと残ってる。
僕は、もう駄目だと思っていた。
毎朝、鏡に映る自分を見て、
“誰だこれ”と心の中でつぶやく日々。
名前も、肩書きも、うわべの会話も、
なにひとつ、本当の“僕”を映してはくれなかった。
人間関係なんて、破れたラップみたいだった。
気持ちは冷めて、乾いて、
守りたかったはずの温度さえ、いつの間にか逃げていた。
それでも、学校や職場やSNSや……
「ちゃんと」したふりをして生きてた。
でも、どんどん呼吸が浅くなっていった。
ある日、電車に乗ってるとき、
ふと「次で降りたらもう戻らない気がする」と思った。
それが何を意味するかなんて、誰にも言わない。
いや、言えなかった。
誰にも話す資格が、自分にはない気がしてたから。
ホームの隅でうずくまって、ただ夜を待った。
「もう、いいよね?」
自分に問いかけて、心が黙った。
その“沈黙”が、たまらなく怖かった。
そのときだった。
誰かの手が、僕の肩にふれた。
あたたかい、と感じた。
ただそれだけのことなのに、なぜか涙が出た。
振り返ると、そこにいたのは知らない人だった。
でも、その目はまるで、
僕が“まだここにいる”ってことを、肯定してくれるようだった。
「……つらいなら、帰って寝よう」
その人が言った一言が、妙にリアルだった。
大袈裟でもなく、慰めでもない。
ただ、そこにある言葉だった。
僕はその夜、帰った。
シャワーを浴びて、布団に入って、
泣いて、少し笑って、寝た。
そして朝が来た。
昨日までとは、何も変わらなかった。
でも、“僕”がほんの少しだけ、戻ってきた気がした。
今も、完璧には遠い。
でも、「まだここにいる」っていう事実が、
ときどき、小さな光みたいに、胸をあたためる。
消えそうになった火は、完全には消えていなかった。
それだけで、もう一度、生きてみようと思えた。
それが、僕の「灯るまで」の話。
君が灯す場所
いろんなとこのやつを参考にしてるから書き方はコロコロ変わります。
僕はずっと、暗闇の中にいた。
自分の影すら見失いそうで、何度もつまずいた。
前に進むことを諦めそうになった夜もあった。
そんなとき、君が現れた。
初めて会った日のことは、鮮明に覚えている。
何気ない一瞬の会話、笑顔、
それだけで僕の世界が少しだけ明るくなった。
君は何も特別なことを言わなかった。
でも、その存在が、僕の中に小さな光を灯したんだ。
孤独な心の隙間を、君の温もりが満たしていった。
声を聞くだけで、重たかった胸が軽くなり、
君の笑顔を見るたび、心が少しずつ癒えていった。
「僕はここにいるよ」と、君は言わずとも教えてくれた。
ただ君がいる、それだけで僕は救われていた。
どんなに世界が冷たくても、
どんなに自分を見失いそうでも、
君がいる場所が、僕の帰るべき光の場所だった。
だから僕は、もう一度歩き出せる。
君の光を胸に抱いて。
「ありがとう」と心の底から思うんだ。
君がいてくれて、本当に良かったと。
君の存在は、僕にとって何よりの光。
これからもずっと、僕の道しるべでいてほしい。
オリジナルなんで安心して下さい。
静かな決意
もう、終わってもいいと思っていた。
生きるのが、ただ苦しかった。
何をしても報われない。
誰に話しても伝わらない。
がんばっても、笑っても、ちゃんとしても、
心の奥だけは、いつもぽっかり穴が開いていた。
「どうして、こんなにしんどいんだろう」
鏡の前でそうつぶやいた時、ふと、気づいた。
それは誰かへの問いじゃなかった。
自分自身に向けた叫びだった。
答えは、ずっと前から自分の中にあった。
「ほんとうはずっと、助けてほしかったんだ」
「もう大丈夫って言われるより、わかるよって言ってほしかった」
「強くなくても、生きていていいって、許されたかった」
その瞬間、初めて泣いた。
誰にも見せない、静かな涙だった。
ずっと我慢して、抱えこんで、
限界まで黙ってきた自分の心が、そこでぽろりとほどけた。
そして、思った。
この気持ちをわかってあげられるのは、
誰でもない、自分だけだって。
誰かに助けてもらうことを望んでいたけれど、
今は、自分が自分の手を取る番なんだ。
たとえ今日も明日も何も変わらなくても、
自分を見捨てなかったことだけは、変わらない。
苦しいままでいい。
泣いたって、止まっても、進まなくても。
でも、見ててやろう。
この命が、どこまでいけるのか。
今の僕が、昨日の僕を救った。
誰も知らなくていい。
僕だけが、ちゃんとわかってるから。
それで十分だった。
その夜、僕は少しだけ眠れた。
ひさしぶりに夢を見た。
夢の中の僕は、泣いていたけど、
どこか、笑っていた気がする。
——たぶん、これが“生き直す”ってことなんだ。
隣の部屋
深夜2時を回っても、眠れなかった。
ぼんやりと天井を見つめていたら、
ふと、壁の向こうから“何か”の音がした。
コン、コン。
木の壁を爪でなぞるような、低い音。
「……隣、空き部屋のはずだよな」
このアパートの隣室は、1ヶ月前から空いている。
引っ越してくる人が決まったという話も聞いていない。
それなのに、音ははっきりと続いた。
コン、コン、コン。
ドアの前で耳を澄ましてみる。
やっぱり聞こえる。規則的な、何かを叩く音。
人の手で、壁を…いや、「扉を」叩いているような…。
ふと、気づいた。
この音、こちらの部屋の「壁」ではなく、
玄関の向こう――つまり、「隣の部屋の、僕の壁」からしている音だと。
まるで、隣にいる“何か”が、僕の部屋を叩いているみたいに。
翌日、管理人に尋ねてみた。
隣の部屋、誰か入ったんですか?と。
「いいえ、まだ誰も。鍵もそのままですし」
そう答えた管理人の表情に、一瞬だけ、影が差した。
見落としそうなくらい微細な、何かを思い出したような目。
その夜も、音は鳴った。
コン、コン、コン。
寝ている間に目が覚めて、壁を見た。
何かがこちらを見ている気がした。
スマホのライトで照らすと、
そこに――小さな「穴」が空いていた。
直径5ミリほどの、針で突いたような穴。
そして、その向こうに、何かの「黒い瞳」があった。
僕は、悲鳴をあげることすらできなかった。
ただ、その穴から目をそらせずにいた。
すると、向こうから、声がした。
「…見つけた」
その瞬間、部屋の空気が変わった。
壁が、冷たく湿った息をしているように感じた。
部屋を出ようとしたが、玄関の鍵は動かない。
窓も開かない。スマホも圏外になっていた。
まるで、この部屋ごと、世界から切り取られたみたいに。
壁の穴が少しずつ大きくなっていく。
音はもう、壁を叩くものではなかった。
ずる、ずる、ずる。
“何か”が、這っている音。
見えた。
壁から、何本もの指が伸びてきている。
爪が黒く、指が異様に長い。
そして、そこに“顔”が。
僕とそっくりの顔だった。
「…代わって」
そう言って、壁の“僕”が笑った。
気づけば、僕は壁の内側にいた。
何もできず、ただそこから“見て”いる。
僕の部屋では、“僕の顔をした何か”が、
僕の生活を代わりに始めていた。
笑って、食べて、仕事に出かけて、
まるで、最初からそこにいたみたいに。
壁の中から、僕はずっと見ている。
声も届かない。触れることもできない。
でも、今日、新しい音がした。
コン、コン。
隣の部屋の壁を、“僕”が叩いている。
また、見つけたのだろうか。
次の「誰か」を――。
なんか無意識のうちに小説作ってました。
時の狭間に消えた面影
歴史です。
江戸時代の終焉が近づくある春の日、長崎の街は賑わいを見せていた。商人たちは異国の品々を掲げ、観光客たちの笑声が響く中、一人の武士、名を藤原直人といったが、静かに街を歩いていた。彼はかつての名門の出身であったが、戦乱の波に飲まれ、今は失意の中にあった。
直人の心の奥には、かつて自らが仕えていた藩の栄光が色濃く残っていた。彼の父は名将であり、直人もまたその血を引く者として期待を背負っていた。しかし、時代は彼に厳しく、藩の衰退と共に家族も崩壊してしまった。彼は一人、未来を見失い、ただ過去の栄光に思いを馳せる日々を送っていた。
そんなある日、街の広場で異国の船が入港するという噂を耳にした。興味を持った直人は、広場に足を運んだ。そこには、異国の衣装をまとった商人たちが、色とりどりの品々を並べており、見物人たちがその様子を楽しんでいた。直人もその中に身を置き、彼の心は少しずつ高揚していった。
「この国にも、まだ新しい風が吹いているのかもしれん」と、直人は思った。しかし、その思いと同時に、彼の中には焦燥感が芽生えた。異国の人々が自らの文化を誇る一方で、彼は自国の名誉を失いかけている。直人は、その心の葛藤に苦しみながらも、何か新しい道を模索する決意を固めた。
数日後、直人は町の一角で偶然、外国人の学者、ジョンソンと出会った。ジョンソンは日本の文化に興味を持ち、直人に近づいてきた。「お前の国の武士道について、ぜひ教えてほしい」と彼は熱心に言った。直人は驚きつつも、そこで彼の心にかつての誇りが蘇るのを感じた。
「武士道とは、忠義や誠を重んじる道であり、名誉を守るために命を懸けることだ」と直人は語った。ジョンソンはその言葉に感銘を受け、直人を通して日本の文化を深く学びたいと望んだ。彼の目には、直人の中に眠る力強さが映し出されていた。
直人は次第にジョンソンとの交流を通じて、自らのアイデンティティを再確認していった。彼は自国の文化を守りながらも、異文化と共存する道を模索するようになった。直人の心には、かつての武士としての誇りと、新しい時代に生きるための希望が芽生えていた。
しかし、時は急激に流れ、幕末の動乱が迫ってきた。直人は自らの選択を迫られる。伝統を守るのか、変化を受け入れるのか。彼は葛藤の中、自らの道を見つけるために立ち上がった。ジョンソンとの友情を胸に、異国の思想を学びつつ、直人は自らの武士道に根ざした新たな生き方を模索し続けた。
やがて、直人は新しい世代の武士たちと共に、国を守るために戦う決意を固めた。彼の中にあった過去への執着は、未来へ向かう力に変わっていった。歴史の大きなうねりの中で、彼は自らの道を切り開き、時代の変革を迎え入れる武士としての生き様を見出した。
そして、直人の心には、異国の風が吹き抜け、彼を成長させていった。彼はただの武士ではなく、歴史の証人として新しい時代の一端を担う存在へと成長を遂げていったのであった。
ファンレターをたくさん頂きました!お名前は、びすというそうです。有難うございます!今から学校なので紹介はできません。未来の自分に託します。それでは!おつあやー!
あと一通だけ手紙が届くなら
一応恋愛です。
春の終わり、彼女がいなくなってからちょうど一年が経った。
部屋のカレンダーには、手つかずのままの4月。
彼女が最後に書き込んだ「病院10時」の字だけが、まだ濃く残っている。
あの日、言い出せなかったことが山ほどある。
なのに彼女は「大丈夫だから」って、全部笑って飲み込んで、そして静かに消えていった。
引き出しの奥から、ふと一通の封筒が出てきた。
薄くて、やわらかい手紙。
表には俺の名前、そして彼女の癖字。
震える手で開くと、彼女の文字がまっすぐに並んでいた。
「たぶん、これを読んでる頃には、私はもういません。」
「最後までちゃんと伝えられなくてごめんね。でも、全部を話すのが怖かった。
弱っていく私を見て、あなたが壊れてしまうのが、なにより怖かったから。」
「だから私は、たくさん笑うようにした。
あなたが“今日の君も変わらず明るいね”って言ってくれるたび、
それだけで一日頑張れた。」
「あなたに出会って、本当に幸せでした。
最後まで、私はちゃんと愛されてたよ。」
「どうか、次の春も、あなたが笑えますように。」
「あと一通だけ、手紙が届くなら。
『ありがとう』って書いて、あなたに送りたい。」
俺は手紙を胸に抱え、そっと窓を開けた。
春の風がカーテンを揺らして、部屋に新しい空気を運んでくる。
たぶん、これでいいんだ。
ちゃんと愛して、ちゃんと別れて、そして今、ちゃんと生きている。
彼女が願ってくれたように。
「……ありがとう。俺も、ちゃんと、幸せだったよ。」
春がまた、始まっていた。
びすさん!ネッ友、是非なりましょう!あと、曲パロ作っているので、それも見て欲しいです。リレー小説やってます。リクエストボックスでファンマファンネ募集中です。来てください。これで終わります。
活動休止について【本編じゃないです!でも見て下さい!】
こんちゃ!彩り豊かな小説を。です!今日は、1週間の活動休止を宣言します。理由は、勉強や行事に集中したいからです。応援してくださっている皆様にはご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。また、投稿するものを決めました。水土日は小説、月金は日記、火木は休みということにします。1日3話を限度とし、ゆっくりと更新していきます。これで終わります。
復活!【本編じゃ無いです】
はい!彩り豊かな小説を。です!無事、復活しました!待ってくださった方、ありがとうございました♪今後も迷惑かけると思いますが、よろしくお願いします。小説を今日の夕方4:00頃上げます。楽しみにしていて下さい!
コラボやお誘い、関係者や曲パロの曲など、いろいろなものを募集しております!受けたものはほぼほぼやろうと思いますので、是非!それでは?おつあやー!
春になったら、また会おう。
ファンタジーです!今日はご迷惑をおかけした分、5分ごとに小説をあげようと思います、
■登場人物
木崎 澪(みお)・17歳(高校3年)
内向的で人付き合いが少し苦手。読書が好き。自分の感情を表に出すのが苦手。
白石 湊(しらいし みなと)・享年7歳
澪の幼なじみで、同じ団地に住んでいた。明るくておせっかいで、澪にとって唯一の「本音を言える相手」だった。病弱で、小学1年生の春に亡くなる。
■
澪は、昔から感情を人にうまく伝えるのが苦手だった。
でも、小学校の入学式の日に隣に座った少年――湊だけは、澪の沈黙も涙も全部分かってくれた。
彼は何も言わなくても、ずっと一緒にいてくれた。
2人は放課後、近くの空き地で草むらの「秘密基地」を作った。
そこが、澪の世界のすべてだった。
けれど、湊はある日、急に学校に来なくなった。
そして「入院中に容体が急変した」と聞かされ、あっけなく亡くなってしまった。
澪は言えなかった。
「行かないで」
「さびしいよ」
「ありがとう」
どれも、言えなかった。
■
高校生になった澪は、すっかり人と関わらなくなっていた。
そんなある日、家のポストに古い紙が1枚入っていた。
それは、湊の筆跡だった。
「春になったら、また会おう。秘密基地で待ってる。」
澪は信じられなかった。でも、どこかで「これは自分の心のどこかに残っていた言葉だ」と感じていた。
■
澪は、かつての秘密基地に向かう。
そこには変わり果てた空き地――だけど、そこに「湊の姿をした誰か」がいた。
姿かたちは小学校1年のときのまま。
でも、確かに湊だった。
湊は言う。
「今度こそ、ちゃんとバイバイしようね。ちゃんと笑ってね」
どうして会えたのかもわからない。
けれど澪は、湊と一緒に一日だけ過ごすことになる。
2人で秘密基地の修理をして、昔話をして、くだらない遊びをして、
そして、湊が残していった「手紙の意味」を知っていく。
■
湊は、生前最後に「澪にありがとうが言いたい」「ちゃんとお別れがしたい」と書いた手紙を、母に託していた。
けれど澪は当時、その手紙を受け取れなかった。
なぜなら、湊の葬儀の日――泣きすぎて倒れてしまったから。
手紙は保管され、湊の母が最近、ふとそれを澪の母に預け、ようやく澪の手元に届いたのだった。
■
「湊、また遊ぼうね」
「うん。…でも、もう行かなきゃ」
「今度こそ言うよ」
「ありがとう」
「だいすき――って言うと湊が照れるから、やめとく」
「…またね」
湊は、笑って手を振った。
春風のなかへ、すっと消えていった。
そして澪は、はじめて心の底から泣いた。
何年も閉じ込めていた涙を流しながら。
「…バイバイ、湊。
また、春になったら――思い出すからね」
■エピローグ
澪は進路を決め、新しい環境へ向かう。
もう人を避けず、自分の言葉で話すようになった。
春の空き地にふらりと寄ると、小さな花がひとつだけ咲いていた。
それは、昔2人で「ここに花が咲いたら魔法みたいだね」と言い合った、あの場所だった。
1話目!活動休止が終わり、ファンレターを見てみると、温かい言葉が溢れかえっていました。ほんっとうにありがとうございました!
どれほど救われたでしょう
1.投稿ボタンが押せない
???は、机の前でじっとモニターを見つめていた。
画面には、自分が何日もかけて書いた短編小説と、その下にある「投稿する」ボタン。
たった一回クリックするだけのことなのに、指が動かない。
(ほんとうに、これを世の中に出していいの?)
自分の言葉が誰かを傷つけるかもしれない。
文章が下手だと笑われるかもしれない。
誰にも読まれず、ただ流れて消えてしまうかもしれない。
そんな不安が、胸の奥からじわじわと広がっていた。
2.「短編カフェ」という場所
「短編カフェ」は、最近話題になっている投稿サイトだった。
3,000〜6,000字程度の短編小説だけを集めた投稿サイトで、読む人が「ファンレター」を送れる仕組みがある。
ランキングも、評価点も、いいね数もない。
ただ、読んだ人の言葉だけが返ってくる。
⁇は、そんな仕組みに惹かれた。
それでも、「本音が返ってくる」ということが、逆に怖かった。
3.送信と、沈黙の時間
深夜2時。
思い切って、⁇は「投稿する」ボタンをクリックした。
一瞬、心臓が大きく跳ねた。
タイトルは『夜を歩くひと』。
社会から距離を置いた主人公が、夜の街で偶然出会ったホームレスの老婦人と、静かな対話を交わす物語。
「この人には、物語があるんだな」
というたった一言に、⁇は全てを込めたつもりだった。
だが――投稿後、1日、2日、3日……なにも起こらなかった。
4.はじめての「ファンレター」
4日目の夜、学校終わりにいつものようにサイトを開いた⁇は、目を疑った。
「1通の感想レターが届いています」と表示されていた。
どきどきしながら開く。
はじめまして。夜を歩くひと、読みました。
わたしも、少し人と距離を置いて生きてきた人間です。
でも、誰かが「あなたにも物語がある」って言ってくれるのを、心のどこかで待っていた気がします。
泣きながら読みました。
本当にありがとう。
文章の最後には、「菜月より」とだけあった。
⁇は、声を出さずに泣いた。
机の上に顔を伏せ、ずっと張りつめていたものが、ふっとほどけたようだった。
5.あたたかい山
それから、感想レターはぽつりぽつりと増えていった。
誰かの心の奥に響いた言葉、
自分と同じ気持ちを持っていた人、
「あなたの小説を読んで少しだけ楽になれました」と、名前も顔も知らない人たちが書いてくれた。
届いたファンレターは全部印刷して、⁇は一枚ずつファイルに綴じた。
机の引き出しの中には、ファンレターが重なり、小さな“あたたかい山”ができていった。
6.エピローグ:あなたに届いた
ある日、⁇は返信ができないシステムを抜けて、初めての投稿欄にこう記した。
たくさんの感想をありがとうございます。
ほんの少し、自分の言葉を信じてみようと思えました。
あなたの読んでくれた時間が、どれほど自分を支えてくれたか、言葉では言い尽くせません。
それは、物語を書く誰かの背中を、そっと押すようなメッセージだった。
画面の向こうに誰がいるかはわからない。
でも――確かに誰かが、そこにいた。
そして悠はまた、静かに物語を書き始めた。
2話目!ん?『夜を歩く人』が何かわからないって?あたしゃかんのいいガキは嫌いだよ。(((はい。えっと、夜を歩く人は、5分後に投稿します。先にそっち読んだ方がいいかも、、、?です。
夜を歩く人
冬の夜はいつも、街を冷たく包み込む。
澄んだ空気の中、ネオンの灯りがぼんやりと揺れている。
僕は駅前のバス停を抜け、普段は通らない路地へ足を踏み入れた。
理由は特にない。何かから逃げているのかもしれない。
街灯が切れかけて、薄暗い坂道の途中で、ひとりの老婆を見つけた。
古びたコートを纏い、段ボールに腰かけていた。
「こんばんは」
声をかけると、老婆はゆっくりと顔を上げて、僕を見た。
透き通った青い瞳だった。
その目には、長い年月の悲しみと優しさが宿っているように見えた。
「こんばんは、若い人」
老婆は穏やかに笑い、膝に乗せていた小さな犬を撫でた。
僕は黙って隣に腰を下ろした。
しばらくの間、言葉はなかった。
風が冷たく、通り過ぎる車の音だけが響いた。
やがて老婆が言った。
「こんな夜にひとりで歩くのは、寂しいのかい?」
僕はうなずいた。
「なんでそんなふうに思うの?」
老婆はじっと僕の顔を見つめた。
「誰にも話せないことがある。誰にも見せたくない本当の自分がある。
そんな気持ちが、夜になると押し寄せてくるんだ」
僕は声にならなかった。
「でもね、若い人。夜に歩くひとは、みんなそういうものだよ。
ひとりじゃないんだ」
老婆は犬を抱き上げ、僕の手をそっと握った。
「人生には、いろんな夜がある。
悲しい夜、怖い夜、希望を失った夜。
でもね、その夜を歩くことができるなら、明日はまた違う光が見えてくるんだよ」
僕はその言葉を胸に刻み、静かに微笑んだ。
夜の街はまだ冷たいけれど、もう少しだけ、歩いてみようと思えた。
3話目!あと2話!頑張る!
『どれほど救われたでしょう』の、⁇は、いつか明かします。たまぁーにぶんかえるんで!
明日、教室に僕はいない
1.はじまりの春
加藤悠(かとう ゆう)は中学2年生になったばかりだった。
クラス替えがあって、新しい環境に少し緊張しながら教室のドアをくぐる。
でも、そこで待っていたのは、想像していたものとは違った世界だった。
最初の日、席に着くと隣の席の男の子が小声で言った。
「お前、変だな」
悠は何の意味かわからず、黙って目を伏せた。
それから、次第に無視されることが増え、誰も話しかけてくれなくなった。
2.孤独の日々
毎日、学校は戦場だった。
休み時間は誰かの笑い声が僕の方を向いて止まる。
給食の時間は誰も僕の隣に座らない。
廊下ですれ違う時、みんなが僕を避けていく。
「変な奴」
「キモい」
「お前がいると空気が悪くなる」
言葉は鋭い刃のように、僕の心を何度も刺した。
でも、誰にも言えなかった。
家では母が忙しく、父は単身赴任中でほとんど家にいなかった。
妹はゲームばかりで、話を聞いてくれるわけもなかった。
毎晩、ひとりで涙をこらえ、明日のことを考えた。
「明日も、僕はここにいるのかな」
3.LINEグループの地獄
ある日、スマホが震えた。
それはクラスメイトだけのLINEグループの招待だったが、僕だけ入れてもらえなかった。
でも、誰かが誤ってスクリーンショットを流し、それを目にしてしまった。
グループ名は「ナカマ」――「仲間」だと思っていたのは僕だけだった。
画面には僕の写真と名前、そして罵倒の嵐。
「キモすぎ」
「顔、見たくない」
「消えろ」
「誰もお前なんて必要としてない」
その瞬間、胸が締めつけられた。
涙が止まらなかった。
4.先生の無関心
学校に助けを求めようと、勇気を振り絞って担任に相談した。
「いじめられてます」
先生はため息をつき、何度も言った。
「そんなの、中学じゃよくあることだよ。
大人になれば忘れるよ」
僕は、無力感に打ちひしがれた。
「助けて」と言ったはずなのに、何も変わらなかった。
5.ひとりぼっちの帰り道
放課後、いつも通る帰り道。
誰もいない街灯の下、僕は足を止めて振り返る。
「僕は、誰にも必要とされていない」
寒さ以上に心が冷えていった。
何度も思った。
「もう、いなくなりたい」と。
6.ノートに綴った想い
ある夜、ベッドの下からノートを取り出した。
ページには、心の叫びが綴られていた。
「なぜ僕だけがこんな目に遭うの?
僕は、普通の子になりたかった。
だけど、どこにも居場所がない。
明日もまた、誰かに嫌われるんだろう。
これ以上、もう耐えられない。」
涙で文字がにじんだ。
7.最期の朝
翌日、悠は目を覚ました。
いつもの朝とは違った静けさがあった。
遅刻するかもしれないという焦りもなく、制服の上着を手に取りながら、ふと心に決めた。
「もう、いいんだ」
8.教室のざわめき
その日、悠は学校に来なかった。
1限目が始まると、クラスはざわつき始めた。
「加藤くん、体調悪いって」
「そうらしいよ」
「ずっと休んでるんだな」
誰も、本当のことを知らなかった。
9.知らせ
昼休み、先生が慌てて教室に入ってきた。
「皆さん、加藤悠くんが…自宅で亡くなりました」
言葉が教室に重くのしかかった。
誰もが目をそらし、涙を流す者もいた。
だが、どこか遠い話のようだった。
10.母の言葉
後日、母親が学校を訪れ、担任にノートを手渡した。
「読んであげてください」
ノートには、悠の最後の言葉が綴られていた。
「僕は、いなくなっても、誰にも悲しまれない。
だけど、ひとつだけ願いがあります。
どうか、誰かが“いじめ”を見過ごさないでほしい。
ひとりぼっちの気持ちを、どうか、わかってあげてください。」
11.その後
クラスメイトは徐々に気づき始める。
「もっと、気づけたら」
「助けてあげられたかもしれない」
先生も、深く後悔した。
けれど、悠の戻ることはなかった。
■終わりに
この物語は、誰かの心が壊れてしまう前に、気づいてほしいという願いを込めています。
いじめは小さな傷の積み重ねで、簡単には見えません。
でも、助けを求めている人の声を聞くことは、誰にでもできることなのです。
4話目!実体験をもとにしているよ。みんな、人間の心はたった二文字や三文字で壊れてしまう。まるでガラスみたいに。だから、言葉は選ぼうね、
とあるベンチの上で
1】
公園のベンチに、彼は毎日座っている。
季節は冬の終わり。
朝の空気はまだ少し冷たく、木々は裸のまま揺れていた。
彼の名前は、西村 透(にしむら とおる)、68歳。元・中学校の数学教師。
数年前に定年退職し、妻を三年前に病気で亡くしてから、毎朝この公園に通うようになった。
手には古びた文庫本。けれど、ページはあまりめくられない。
読むというより、「ここにいるための何か」として手に持っているだけだった。
毎日決まった時間に、決まったベンチに座る。
それが「生きている」ことの、わずかな実感になっていた。
【2】
ある朝、透の横に若い男が座った。
二十代半ばくらい。黒いコートにリュックを背負い、顔色は悪く、目の奥が沈んでいた。
男は少し躊躇ってから、声をかけた。
「……いつもここに座ってるんですね」
透は驚かず、頷いた。
「ええ。もう習慣みたいなもので」
男は黙って空を見た後、少し笑って言った。
「……ここで、死のうと思ってたんです」
透は少しだけ眉をひそめたが、騒ぎ立てることはなかった。
「そうですか」と、静かに返した。
「昨日も来たんです。でも、あなたがいたから……タイミング逃して帰りました」
透は微かに笑った。
「それは、よかったのかもしれませんね」
男も笑った。ほんの少しだけ。
【3】
男の名は、**海斗(かいと)**といった。27歳。
大学を出て就職したが、心を壊して半年で退職。
今は実家に引きこもり、昼夜逆転の生活を続けているという。
「……気づいたら、自分が“死にたい”じゃなくて、“生きる意味がわからない”になってて」
海斗はそう言って、足元の落ち葉をつついた。
「でも、あなたが昨日も今日もここにいて、なんか……面倒になったんです。死ぬのが」
透は笑った。
「それは良いことですよ。“死ぬのが面倒”ってのは、“生きる理由”の一種ですから」
海斗も笑った。目元に少し、光が差していた。
【4】
透は語った。
かつて教師だった頃、生徒の命を救えなかったことがあると。
「その子は、クラスの中で浮いていてね。誰も話しかけなかった。
いじめというより、無視だった。
私は気づいていた。でも、声をかけなかったんです」
「なぜ……?」
「自分が嫌われるのが怖かったんでしょうね。教師なのに、臆病だった」
海斗は目を伏せた。
「俺……高校のとき、同じでした。
クラスで一人の子が無視されてて、俺も何もできなかった。
“普通の方”でいたかったんです」
透は黙って頷いた。
その沈黙が、不思議と心を軽くした。
【5】
数日後、透は海斗に一冊の児童書を手渡した。
透の亡き息子が、小さい頃に好きだった本だった。
「この本がね、妻の命を一度引き止めたんです」
「奥さんも……?」
「息子を亡くしたとき、妻は自殺未遂をしました。
そのとき、この本を病院に持っていったんです。
子どもが生きていた証を、忘れたくなかったから」
海斗は何も言わずに受け取った。
ページの最終章に、万年筆で小さな書き込みがあった。
“人は、誰かの記憶の中で生き続ける。
だから、たった一人でも思い出してくれる人がいれば、死ななくていい。”
海斗はその夜、本を開いて涙を流した。
【6】
春が来た。
ベンチの周りに小さな花が咲き始め、風も少しだけ暖かくなった。
ある朝、海斗が公園に来ると、透の姿がなかった。
翌日も、次の日も来なかった。
その週末、透の娘を名乗る女性が、海斗の元を訪れた。
「父が……3日前、静かに亡くなりました。
病気だったこと、あなたには話してなかったと思います」
海斗は、何も言えなかった。
娘は小さな紙袋を渡してきた。
中には、一冊のノートと、手紙が入っていた。
【7:手紙】
海斗くんへ
君にこれを届けるよう、娘に託しました。
私は、君と出会えたことを、人生の最後の贈り物のように思っています。
死にたいと思っている人と、生きたくても命が限られている人が、
同じ時間に、同じベンチに座っていた。
不思議ですね。でも、それは、きっと意味があることなんです。
君が生きてくれるなら、それだけで十分です。
君の命は、誰かの光になれます。
それが、私の望みです。
――ありがとう。
西村 透
【8:終章】
春の陽射しが、ベンチを静かに照らしている。
海斗はベンチに座り、ノートを膝に乗せて空を見上げた。
その顔には、少しの迷いと、少しの希望が混ざっていた。
世界はまだ冷たく、理不尽なことも多い。
けれど、人の言葉ひとつで、心が救われることもある。
今日もベンチは変わらずそこにある。
透の温もりを、まだほんの少しだけ残して。
終わったあー!それでは?おつあや〜!