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目次
極闇異変ノ章 壱
「もう、暇ね」
わたし__|有可由有《ゆかゆゆう》__は何でも屋『有可屋』を営む。
「なあ、由有!」
「うるさいわね、紅」
彼女は|積夢紅《せきむくれない》、放ビーム魔法という豪快な魔法を扱う魔法使いだ。
ちなみにわたしは空を舞う程度の能力を持っている。
「空も、何もかもが真っ暗なんだ!」
「そうなの?気づきもしなかったわ」
「この引きこもりめ!」
「引きこもり!?そっちこそ、こもりっきりじゃない!」
紅が放ビーム魔法を放とうとしたとき。
「たすけてくださぁい!」
「ゆめ!」
|八十島《やそじま》ゆめ、夢を喰い、作り、操る程度の能力を持つ。頑張れば残像を生み出すこともできる。
「もう暗くて、みんな眠ってるんです!夢の管理が大変で⋯8000円でどうですか?」
「分かったわ」
---
紅の放ビーム魔法を応用して作ったライトをつりさげ、わたしは空を舞う。
「ったく、めんどうくさい異変!」
「もう⋯あ、そうだ。ムーンだったらわかるはず」
スター・サファイア・ムーンはかつて星空をあやつって財を成したスター・サファイア家の末裔である。妹のサニーは家を出て、いまは吟遊詩人となっている。レイン・クラウ・サニーと名を変えた。でも未だムーンが恋しくて会いに行くんだとか。
「あ、由有さん」
「サニー!帰ってたんだ。ムーンは?」
「知らない。姉さんがつくるご飯が恋しくて。それにしても、この闇は何?」
「極闇異変、かな。ムーンが関与、なにか知っているかと」
ドレスの音が聞こえた。
「姉さん!」
「サニー、かえってたの」
深い青のドレスに星屑を散りばめたようなドレス。
「この世界が闇に包まれた異変のこと、なにか知らない?」
「いえ、何も。ただ、これだけはわかるわ。わたしの能力、星空と月と星座を操る能力でも、なにも起きなかったわ」
「わたしの天気を操る能力でも、効かなかった」
「そう。情報提供ありがとうね」
強力な力の持ち主だろうか?
わたしは空を飛んだ。紅も、ついてきた。
二次創作タグつけたほうがいいかな。。(一応東方を参考にしてる)
極闇異変ノ章 弐
「誰なのかしらね。ゆめから取るのは気が引けるわ」
「由有が言うなんて…」
ゆめは夢の管理人、最近は昼間も眠るやつらがいるせいで、忙しいらしい。もちろん、ゆめだって夜勤などで眠らざるを得ないひとは百も承知。でも居眠りは完全にスルーしているだとか。
そんなゆめのお金__ただでさえ忙しくて給料もろくにないのに__をもらうのはあまりにもかわいそうだった。でも、タダ働きでは私だって困る。
「まあ、ムーンは気前よく出してくれるはずよ。どうせ、きれいな星空がみえないから困ってた、ありがとうって言われるわ」
「ああ、ムーンか。…あれ?ライトが…」
「光らない?ウソ!じゃ、このあたりに極闇異変の元凶が?」
もう、暗闇でなにも見えない…。
「許さない!!」
聞いたこともない声が、わたしたちの行く手を阻む。
「誰よ?話は聞くわ」
「…その声は、人間?なら、尚更…!」
いきなり、眩しい光が突き刺さる。
「おい、落ち着けって、攻撃しないって!わたしは魔法使い、ニンゲンじゃない!」
「…じゃ、聞いて」
人間に恨みを…?
「わたしは生前、とある能力を持っていた。ひかりを操る能力。その能力でわたしは人気者になった。でも、その噂を聞きつけた大人が、わたしを改造し始めた!わたしの能力のひみつは、目にあると知ったらしい。闇を操れるよう、闇を操る目を開発した。それを植え付けられて、わたしはこんなに醜い義眼の容姿となったのよ!もちろん、自殺したわ。ここには人間がいるらしいから、鬱憤晴らしとしたの!」
「…そう、か。ごめん、軽く見てて」
どうすればっ…?
「ごめん、こんなことするつもりはなかったの。でも、やっぱりもやっとして。あなた、魔法使いだよね?隣の人間もいい人そうだし、もう鬱憤晴らしはやめたわ。
改めて自己紹介するね。わたしは|極光 闇《きょっこう やみ》。生前の名前じゃないけど。闇を通して出会えたんだから、闇も好きになったな。よろしくね」
闇がなぎはらわれ、光が差し込む。
そこには大きなコートをきて、ボブヘアの少女。片方は金色の目を、もう片方は深い黒の目をもっていた。
「よろしくね、闇。さ、まずは宴。新人がきたら宴で祝うのが、わたしたちの、この世界のルール。ほら!」
久しぶりの光が、わたしたちを優しく照らしていた。その裏には、影という闇__それは、光を際立たせるためのもの__があった。
依存異変ノ章 壱
「平和ねぇ〜」
「由有?そんな話で注射は逃れられないよ?」
わたしはいま、『はなねクリニック』で注射を受けている。予防接種である。
彼女は新聞記者兼看護師の|書物文《しょもつふみ》。能力は念じたことをそのまま書き記す程度の能力。ちなみに医者は|医籐花音《いとうはなね》、相手の症状と気分がわかる程度の能力。
「ぎえええええええっ!!おねがいっ!!痛みを!感じないっ!!能力をぉぉぉおお!!いやあああああああっ!!」
いったああああああ!!う…
「由有〜、見に来たけど、大丈夫か?」
紅?
…あれ?なんだか…
「文!?大丈夫!?」
花音?
いや、どうでもいい… 紅…
「かっわいい…!」
「ゆっ、由有!?」
「紅、ずうっと一緒にいよお?」
紅を、独り占めしたい…
「花音さまぁ…わたしもぉ、花音さまとずうっと一緒にいたいですぅ!」
「文まで!?文、なにを入れたのっ!?」
---
号外新聞が、わたし・|斎藤空《さいとうくう》のもとへ届く。
文と由有が、花音と紅に依存している『依存異変』が起こっているとか。
わたしは幽霊。幽霊は群れを好まないから、関係ないよね。
「空さん、ですか?」
「誰ですかー?」
誰かがたずねてきた。
「由有さんと紅さんが!あ、失礼しました、わたしは極光闇です。前の『極闇異変』の元凶です」
「ああ、解決したいんだ」
「はい!行きませんか?」
「まあ、暇だし、いいわ」
寂しくなんて、ないけど…
「さ、行きましょ!元凶は北北西の方にいると思う。わたしの能力は空気を操る程度の能力。空気を消すこともできるし、宇宙空間に空気を生み出せる。元凶のいそうな空気は、北北西だから」
「すごい!」
「生まれつきよ、あなたと同じ幽霊。生前空気を読んで生きてたからだと思う」
でも、ほんとうに元凶を倒せるのかしら…
そう思いつつ、わたしは元凶のもとへ向かった。
小説書くひとにとって文の能力は魅力的。
依存異変ノ章 弐
「元凶の空気が濃くなっているわ」
そう、斎藤空さんは言った。そして続けて言う。
「あなたは原因がはっきりしている。死ぬくらいつらい思いをしたなら、それはしかたないとは言えないかもだけど、同情できる。でも、なかにはちょっとしたミス、気分でこうなった、などとあまりにも同情できないものがあるわ。そんなふうな空気がする」
空さんは、周囲の空気だけで誰かわかってしまう。すごいな、と思った。
「見えました!あれは…天使ですか?にしてはちょっとおかしいな」
ふらふらと狂気に満ちた顔をして飛び回っている天使らしきもの。でも、羽は黒ずみ、散りばめられているハートも濁っていた。
「堕天使、というやつですかね?」
そう言って空さんをみた。空さんは呆れつつ、ちょっと悲しそうだった。
「彼女は堕天使リーシュ。ほんとうは恋を司る神に仕えるのに、人間に禁じられた恋をした。そんなわけで追放されて、堕天使となり、いまの能力は『依存心を操る程度の能力』」
「だから、みんな依存したのか」
文さんも花音さんに、由有さんも紅さんに、依存していた。
「リーシュさん!みんなを依存させるのをやめて!」
「え〜?リーシュ、みんなに依存されたぁい」
聞く耳を持たない。
「どうしましょう、空さん!」
「しょうがないわね、この手はあまり使いたくなかったわ。闇、下がってて。危険だから」
「え?」
空さんはできるだけリーシュさんに近づいた。
すると、うっすら息苦しくなる。
「リーシュ、覚悟!」
空さんが手をかざすと、物凄い風が空さんの手に吸い込まれていく。
「むぅうぐっ!あぁっ!」
リーシュさんは力なく、ふらふらとおちていった。
「空さん、これは?」
「空気の濃度を薄めた。殺さない程度にね。気絶しただけだから、大丈夫。天使は丈夫だし。だって、殺されるってかんじなら、観念してくれるし」
「す、すごい、ですね」
空気の濃度を薄めた、としれっとなに食わぬ顔で言う空さん。
この人は怒らせちゃだめな人だ、と思った。
異変解決! 登場人物
テンプレ
能力
種族
職業
二つ名
見た目はあんま似てない。
*はリクエスト頂いたもの。
・|有可由有《ゆかゆゆう》
能力 空を舞う程度の能力
種族 人間
職業 何でも屋『有可屋』の経営者
二つ名 空舞う何でも屋*
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=yaYM1UoWRl
・|積夢紅《せきむくれない》
能力 放ビーム魔法を扱う程度の能力
種族 落ちこぼれ魔法使い
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=ECayekaupG
・|八十島《やそじま》ゆめ
能力 夢を喰い、作り、操る程度の能力
種族 人間×|幻想獣《バク》
職業 夢の管理人
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=nVyDKBXXuc
・スター・サファイア・ムーン
能力 星空と月と星座を操る程度の能力
種族 人間
職業 スター・サファイア家の長女、末裔、姫
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=hiFl10fMdD
・レイン・クラウ・サニー
能力 天気を操る程度の能力
種族 人間
職業 スター・サファイア家の次女、吟遊詩人
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=FKzmDVZS4K
・|極光闇《きょっこうやみ》
能力 光と闇を操る程度の能力
種族 幽霊
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=iHafsXMJRC
・|書物文《しょもつふみ》
能力 念じたことをそのまま書き記す程度の能力
種族 人間
職業 『はなねクリニック』看護師兼『ふみふみ新聞』新聞記者
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=n5UVkS3sJZ
・|斎藤空《さいとうくう》
能力 空気を操る程度の能力
種族 幽霊
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=SAoHl2jPhR
・リーシュ
能力 依存心を操る程度の能力(かつては恋愛を司る程度の能力)
種族 堕天使(かつては天使)
職業 なし(かつては恋愛を見守る)
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=SZLcQLl0vO
*レイン・アイルズ
能力 神器を操る程度の能力
種族 聖光神(半人半神)
職業 なし
二つ名
*|真鏡名真季名《まじきまきな》
能力 たくさんの鏡を用いて逃げやすくなる程度の能力
種族 玉藻前
職業 なし
二つ名
*エディ(本名はアルフェルト・エディ)
能力 ありとあらゆるものを作る程度の能力
種族 堕ちた元神族
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2355075/complete?cd=OEjhER8JHW
*|九十九心晴《つくもこはる》
能力 自然を操る程度の能力
種族 包神(自然全体を操る神)
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2306681/complete?cd=X0n7kjug84
*|星踏星羅《ほしふみせいら》
能力 星を操る程度の能力
種族 人間
職業 メイド
二つ名 星を愛し愛された少女
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=oUMTy7Znpc
*|夜ノ迷路《よるのめいろ》
能力 天地創造ができる程度の能力
種族 神
職業 なし
二つ名 堕天の夜迷路師
見た目 https://picrew.me/sharecd=i9rIAsR5ZV
*|桜井草花《さくらいくさか》
能力 植物と会話ができる程度の能力
種族 人間
職業 なし
二つ名 桜
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=KIaVNwjOpr
*|座敷堂李子《ざしきどうりこ》
能力 人に幸福を与える程度の能力
種族 座敷わらし
職業 なし
二つ名
*|狐恋《ここ》
能力 あらゆるものに化ける程度の能力
種族 妖怪
職業 なし
二つ名 https://firealpaca.com/get/6nmbWbZY
・|欲賀《ほしが》みつ
能力 欲を操る程度の能力
種族 鬼
職業 なし
二つ名 最強の極上なる欲の塊
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=BcW0i7Fe65
*|猫雪《ねゆ》
能力 人の血を吸う程度の能力
種族 吸血鬼
職業 なし
二つ名
見た目 https://firealpaca.com/get/yRKaz8Pp
*|茨木夜叉鬼姫《いばらきのやしゃきひめ》
能力 眠りを操る程度の能力
種族 鬼と人間のハーフ
職業 なし
二つ名 夢へ誘う案内人
見た目 https://firealpaca.com/get/nnPIQHe6
*|霧洞狐雨《むぎりこさめ》
能力 霧と水と雨と雲を操る程度の能力
種族 霧狐
職業 なし
二つ名 霧の主の狐・灰色の狐
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2262470/complete?cd=tzQnQjKgev
https://picrew.me/ja/image_maker/2306681/complete?cd=HuHig26H7X
・メロ・アスメル
能力 四肢を自由に扱う程度の能力
種族 エルフ
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2611842/complete?cd=YmoGM8bdQj
・メル・アスメル
能力 勘がよく当たる程度の能力
種族 エルフ
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2611842/complete?cd=UZeCuHg5BE
・|酔取打尤《よいどれだゆう》
能力 ことわざなどを具現化する程度の能力
種族 |幻想獣《化狸》
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=ffEL1vmmae
・ミノタ・クレタ
能力 迷路に誘う程度の能力
種族 人間×|幻想獣《ミノタウロス》
職業 危険森の門番
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2611842/complete?cd=6CYc1xWYdX
・|地名伊代《ちめいいよ》
能力 瞬間移動ができる程度の能力
種族 大妖怪(強大な力を持つ妖怪)
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=gc7lK8tA4C
・|不死原昇子《ふじわらしょうこ》
能力 幽霊を仲間にして、操る程度の能力
種族 幽霊
職業 冥界・冥館の管理
二つ名 幽霊を管理する長
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=G3AuXIjtwV
・|不死川白露《ふしかわはくろ》
能力 判決を下す程度の能力
種族 幽霊
職業 閻魔(生前の行いで転生・天国・地獄を決める)
二つ名 白黒つける幽霊
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=rswBpO55NW
・|相関断《あいぜきたち》
能力 関係を操る程度の能力
種族 幽霊
職業 昇子の手伝い
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=traHTMbOvn
・|神野信《かんのしん》
能力 ものごとを信じる分力が増す程度の能力
種族 神人(神の手伝いをする人間。祀っている神の声を聞くことができる)
職業 結也神社の巫女
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=DysItJHSNb
・チリ
能力 乾燥を操る程度の能力
種族 妖精
職業 なし
二つ名 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=U7IoZ27RnZ
・コン
能力 湿度を操る程度の能力
種族 妖精
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=IV3cxrxwvc
・カン
能力 湿気を操る程度の能力
種族 妖精
職業 なし
二つ名 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=w3WO8aOcAf
・|丈六喜楽里《じょうろくきらり》
能力 首を伸ばす程度の能力
種族 妖怪・ろくろ首
職業 なし
二つ名 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=bHrb2LbnHm
・|一本木《いっぽんぎ》ゆりゑ
能力 脳内に直接話しかける程度の能力
種族 妖怪・のっぺらぼう
職業 なし
二つ名 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=yOYrn8zOhA
・|医村花音《いむらはなね》
能力 医学に長けている程度の能力
種族 人間
職業 医者
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=BC24FotUNQ
・|音間性那《おとませいな》
能力 音楽で性格を操る程度の能力
種族 付喪神
職業 アイドル・歌手
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=IgUEm2EaMc
・|音間感那《おとまかんな》
能力 音楽で感情を操る程度の能力
種族 付喪神
職業 アイドル・歌手
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=aCiuV2WXbO
・ノワール・ミウェイ
能力 ありとあらゆる魔法を習得する程度の能力
種族 人間×魔法使い・未熟魔法使い
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=IgUEm2EaMc
・|乱橋未玲《らんばしみれ》
能力 なんでも乱す程度の能力
種族 元人間の妖怪
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=1mhI1Y5zxE
・|片付清華《かたづけせいか》
能力 なんでも整える程度の能力
種族 人間
職業 掃除代行
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=aB26XNrxmZ
・|如月楓亜《きさらぎふうあ》
能力 温度を操る程度の能力
種族 神
職業 温度の管理
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=DzzV0h3Dr8
・|如月楓衣《きさらぎふうい》
能力 季節を操る程度の能力
種族 神
職業 季節の管理
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=tEtkie6WIM
・アバター・ドッペル
能力 分身を操る程度の能力
種族 正魔法使い
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=t616htb6Tv
・|石崎《いしざき》ぬあ
能力 花と植物を育てる程度の能力
種族 花の精霊
職業 花の管理
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=ii7lJnllAK
*|五条大橋幽以《ごじょうおおはしゆい》
能力 星の力を使う程度の能力
種族 地縛霊
職業 地霊殿での仕事
二つ名 星に魅入られた地縛霊
*|猫又《ねこまた》あゆ
能力 呪いを操る程度の能力
種族 猫又
職業 なし
二つ名 呪術使いの猫
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1744829/complete?cd=IdWtotIdZ0
https://picrew.me/ja/image_maker/4607/complete?cd=ekrn6HHmSy(サブ)
*|雪町翠《ゆきまちすい》
能力 鬼火を操る程度の能力
種族 幽霊
職業 なし
二つ名 血狐
見た目 普通 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=ddeEtGNqT2
嬉 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=3E3l6kAHev
怒 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=aPB1syAFGG
哀 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=O0wZxOFFF5
楽 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=UoLGbJBHYV
*|墓守霊佳《はかもりれいか》
能力 魂を司る程度の能力
種族 幽霊と名乗っているだけの死神
職業
二つ名 霊魂荒らしの幽霊
見た目 https://picrew.me/share?cd=ZvY015l0jT
*|東園院北《とうえんいんきた》
能力 流れを操る程度の能力
種族 人間
職業 なし
二つ名 人隠し
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=sD7dXsWY2p
・|日名川《ひなかわ》みどり
能力 自分自身の存在を無くす程度の能力
種族 幽霊
職業 なし
二つ名 存在不明の幽霊
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=Wr4ggTosv7
*|兎医泉希《といみずき》
能力 創造と破壊を操る程度の能力
種族 月人と神のハーフ
職業 医者の弟子(花音)
二つ名 医学見習の月兎
見た目 url=https%3A%2F%2Ffirealpaca.com%2Fimages%2Fget%2FAlpacaGET_aoZjl7fd.jpg
*|兎医実泉《といみせん》
能力 風と氷を操る程度の能力
種族 月人と神のハーフ
職業 医者の弟子(花音)
二つ名 医者の弟子兎
見た目 https://firealpaca.com/get/YwdVPRET
*|兎医蒼泉《といあおい》
能力 坤と乾を操る程度の能力
種族 月人と神のハーフ
職業 医者の弟子(花音)
二つ名 災強の弟子兎
見た目 https://firealpaca.com/get/LVLxndW9
*|堕雷哀拉《だらいあいら》
能力 人を従わせる程度の能力
種族 堕天使
職業 なし
二つ名 従順な堕天使様
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=1VNsDauOy2
*|立花心寧《たちばなここね》
能力 怪我を治癒する程度の能力
種族 天使(見習い)
職業
二つ名 天使の失敗作・見習い天使
見た目 https://firealpaca.com/get/eDINLjJF
・|挑実《いどみ》
能力 なんでも挑む程度の能力
種族 人間
職業 なし
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=ac6rBHgpkb
・プロレット・レイジョン
能力 人を洗脳する程度の能力
種族 神
職業
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=oEMDs39ZhK
・プロジョン・レリジオ
能力 人を誘う程度の能力
種族 神人
職業 教徒
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=OikbZ4N9aP
・|色音《いろね》
能力 色を取り込む程度の能力
種族 妖精
職業 画家見習い・絵画教室の生徒
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=K46djymvbT
・|彩色色華《さいしきいろか》
能力 色を操る程度の能力
種族 人間
職業 画家・絵画教室の先生
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=aoIUYsAAsR
・|鬼頭玲莉《きずれり》
能力 最高の頭脳を持つ程度の能力
種族 鬼
職業 なし
二つ名 最高の極上なる頭脳の持ち主
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=mY5Ho0BRRb
・|狂木紗良《きょうきさら》
能力 なんでも狂わせる程度の能力
種族 鬼
職業 なし
二つ名 最狂の極上なる狂気の沙汰
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=m4hngV8E7d
・|窮田加羅《きゅうたから》
能力 ピンチになると戦闘能力が上がる程度の能力
種族 鬼
職業 なし
二つ名 最恐の極上なる困窮の支配者
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=vCjX13o9BP
・|幻夢《げんむ》
能力 幻を操る程度の能力
種族 妖怪以上神以下
職業 ゆめの手伝い
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/1904634/complete?cd=yaYM1UoWRl
・シツン
能力 失恋させる程度の能力
種族 堕天使
職業 なし(前は失恋させて、恋愛のバランスを保つ)
二つ名
見た目 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=VHX7yLV3Pk
・|御坂真守《みさかまもり》
能力 御守りを作る程度の能力
種族 神
職業 御守りの販売
二つ名 https://picrew.me/ja/image_maker/2307052/complete?cd=2KJ2osXmJY
・アストレア
能力 正義と戦いを司る程度の能力
種族 神
職業
二つ名 https://picrew.me/ja/image_maker/1744829/complete?cd=GFUhycIwlE
・|百万命《ひゃくまんみこと》
能力 百の魂を持つ程度の能力
種族 最高神
職業 世界のバランスを保つ
二つ名
キャラデザはここに載せてます。
https://oekakiart.net/oeb18/index.cgi?no=001351
二つ名募集中〜
極寒異変ノ章 壱
「あーあ、寒いわねぇ」
「何呑気に言ってるんだっ!!」
もう、紅はうるさくて困るなぁ。
「異変だって思わないの!?」
「だーかーらー、極闇異変の時も言ったじゃない。頼んでお金を払う人がいなきゃ、商売は成り立たないの。じゃああんたが払えばいいじゃない」
「ぐっ…!」
極闇異変、とは極光闇がもたらした異変だ。真っ暗闇に陥り、そのときはゆめが出てくれたが__
「まあムーンかサニーあたりが払ってくれるとは思うけど、カツアゲみたいなことはしたくないのよね」
「由有!??」
びくっと、した。鋭い声。
「異変なんだけど、解決してくれる!?」
「ぬあ」
ボブヘアにカーディガンを羽織った彼女・石崎ぬあだ。
「ここらしくないわね」
「金に糸目はつけないわ。明後日までに解決してくれたら、どんな金額でも払う」
「え、まじ!?」
「おい由有、がめついっ!」
どんな金額でも払うってことは、もう一生働かなくて済むってこと?
「ただし、時間がかかったら、木っ端微塵よ」
「いいわよ、やってやろうじゃない。成功払いでいいわよ、100万円」
「…あなたらしい額」
100万円!!
「紅、今日はわたしだけで解決する。だから、手を出さないで!」
「…はぁ」
ぬあは、花と植物を育てる程度の能力を持つのだ。
ただ、育てる植物はたいていぬあが調合した毒物で、特別調合のじょうろ水を浴びると生きて帰れないという…
っていうか、もうだいたい目安はついている。
ただ、それまでの道が長いんだけど。
---
「何の用ですか?」
|唯也《ゆいなり》神社の28代目巫女の神野信だ。
「楓亜に会いたくて」
「ふぅん、そうなのね。楓亜に聞いてみるわ」
少しの沈黙。
「いいって。ただ、忙しいらしいわ」
「いいから!」
「はー。召喚」
信がお札を放り投げたところに、不思議な紋章がうかぶ。その紋章は、唯也神社の紋章と、信の巫女服のそでと胸元の模様と一致していた。
温度計を剣がわりのように突き刺しているセーラー服を着た楓亜。めんどくさそうに尋ねる。
「何?いま、季節の変わり目で神界は忙しいの!姉さんもいそがしそうだし…手短にお願い」
ふう、とため息をつく楓亜。
「あんたが、異変の元凶よね!?」
そう、びしっと言ってやった。
冬桜異変ノ章
「ふふふっ、今日も咲いてるわ」
「ぬあ…」
嬉しそうに、ぬあが桜をまじまじと見入っていた。わたしの家の近くには桜があって、ぬあが見物してくる。そして見物料といってお金をくれるのでありがたい存在。
「…それにしても、おかしいな」
「何がおかしいのかしら?」
冬なのに、桜のつぼみがつき、早いところは咲いている。異変?
「冬なのに桜が咲いてる。あなたが元凶?」
「いいえ?」
わたしは久々に1人で出向くことにした。
---
「李子ぉー」
「…由有」
「ねえ、この冬に桜が咲いている異変、何か知らない?」
李子に聞いてみる。
「何も知らない。でも、草花といえばぬあさんじゃない?あと、顔の広いムーンに聞けば…」
「なるほどねぇ。情報提供ありがと」
ぬあじゃない、じゃあムーンに聞けばいっか。
---
「只今、お嬢様は外出中でございます」
新しい顔が出てきた。
「あんた…メイド?」
「はい。スター・サファイア・ムーン姫様のメイドをさせております、空踏星羅と申します。サニー姫様の姉様です」
「様様うるさいわね。で、この異変のことについて知らない?」
「知らないです」
個性が強いのか、弱いのか。
「さて、わたしは屋敷の掃除がありますので」
「あのねぇ、一軒家を屋敷って…」
「わたしは一応、秘技も習得しているのですが」
「あーあー分かった!じゃあね!」
ったく、ちょっと手こずっちゃった。
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「2人目の座敷わらし発見ーっと」
空を飛んでると、また座敷わらし。今度は座敷堂李子。
「…由有」
「この異変の元凶でも知らない?」
「…ぬあは?」
やっぱり、花のことだとぬあが疑われる。
「ちがう」
「…ぬあの親しい人あたりを探してみたらどう?」
「なるほどねぇ。あんたはいいヒントをくれるわ。じゃあね」
李子は本当に、いいヒントをくれる。なのになんで異変を解決しようとしないのかが、不思議でたまらない。
---
「ぬあの親しい人はあんただけよね、草花?」
シュッと、草花が消えそうになる。植物と会話できる彼女が、咲かせたのだろうと睨む。
「消えても無駄だから!消えるなら、攻撃するわよっ!!」
いいもん、というように草花の姿が薄れゆき、きえる。
「そうなのね?ふー。飛符『天空裂斬』!」
ゴゴゴゴゴッと、凄まじい音が聞こえる。
「きゃーっ!」
「そこねっ!飛符『天駆ける一撃』!」
「うっ!」
秘技を撃ち抜くと、草花が現れた。
「さあ、観念しなさい!あなたがこの異変の元凶でしょう?」
「…そっ、そうよ」
観念したように、草花が言った。
「でも、早く桜が咲いて何が悪いの?なんの害もないじゃない」
「…」
論破されちゃった…
---
今年は、桜が長く咲いた。
そのせいで、宴が始まって、後片付けが大変になったけど…
ぬあと草花は、満足そうに、桜を眺めていた。
神隠異変ノ章 前編
「はぁ!?何物騒な異変が起きてんの!?」
その異変の内容を聞いた時、わたしは絶句した。
いままで、暗くなったり、戦闘意欲が普通じゃないレベルで収まっていたけど…
「そうなんです…草花さんと、メルがさらわれちゃったんです。お金に糸目はつけません、どうか、この異変を解決してください!!」
「いや、まあ、やるけど…」
このレベルの異変はなかなかない。
「やあやあこんにちは」
「どうしたのよ…この異変もめんどくさいけど、それを上回るくらいにめんどくさいやつ」
「誰ですか?」
ああ、新入りのメロ・アスメルは知らないっけ。
「酔取打尤」
「えっ?よいどれだゆう?」
「儂は酔取打尤。ことわざや慣用句を具現化する程度の能力を持つタヌキさ。いまの異変、儂なら解決できる。ただし、報酬はそれなりにもらう」
ことわざなどを具現化する…これが厄介で、敵に回したらきついタイプのやつだ。
でも、ことわざになっていなければ通用しない。あるいは言えないようにしたら武術には長けていないので大丈夫。
「酒一瓶。これでどうだ」
「ああ…メロ、こいつはかなりの酒飲み。いっつも酔っていて、|素面《しらふ》のときは見たことがない。酒さえあげればなんでも言うことを聞く、ある意味単純なやつよ。この会話も、ちょっと小さくするだけで酔ってるから普通に聞こえてない」
「へぇ…相変わらずクセの強い人」
はーー、とため息をつく。
「こんなやつでクセが強いって言ってたら、この先どうなるか分かってんの?」
「…なんかすごいのが見えた気がします」
腰にかけている瓶はいつも酒が入っている。無限に湧くのだ。
「んで、何をしってんの?」
「壁に耳あり障子に目あり。儂の仲間が何かもくろんでいた。協力しようじゃあないか」
「いいんですか!」
あーあ、新入りはやっぱり純粋なんだから。
「こいつは相当なやつ。下手に一緒に行動したらどんなめに遭うかわからないから覚悟しておきなさい」
「あ、はい…」
はなねクリニック付近の森には、危険な奴らが集まっている。
そこに、狸の集団もいたはずだ。頭領は、打尤である。敵対している狐の頭領が、多分、異変の元凶だ。
「さあ、行くよ。思い立ったが吉日、いまから行こうじゃないか」
メロ・アスメルと打尤とわたし、なんて異色なメンバーなんだろう。
神隠異変ノ章 中編
さっそく森に入ると、誰かがいた。
「どうした」
「誰?」
暗やみから姿を現したのは、わたしですら知らない妖怪みたいなものだった。
「あたしはミノタ・クレタ。古代ギリシアに、迷路に封印されし上半身牛、下半身人間の体を持つ獣の末裔。幻想獣と人間のハーフってところだ。
ここはあたしの能力・迷路に誘い込む程度の能力で迷路となっている。空を飛べばいいとかいう問題じゃないのだ。ここに来るのはとんだもの好きか野次馬ばかりだ。餓死した奴らだって数えるのをやめた。悪いことは言わないから、立ち去れ。仮に迷路を突破できたとしても、ここにいる凶暴な奴らに殺されるだけだろう」
「知らない。こっちには狸の頭領がいるから。あと、とっとと姿を現せ、この獣野郎!」
え、と若干な悲鳴が聞こえた。
「なんだと…?もう知らない、行け。餓死しちまえ!」
「え、行くんですか?」
「行くに決まってるだろう」
ったく、本当に性格がひん曲がっているどころじゃない奴らが多すぎる。
---
「おや?誰だ?」
「…そっちこそ誰よ」
家らしきものが少しみえる。明かりがつくと、そこにいたのはまた知らない人だった。
「誰って聞いてる。答えて」
「えー?先にそっちが名乗るのが礼儀ってもんじゃないの?…そっか。で、名前だよね?エディだよ。覚えておいてね〜2度は名乗らないから。」
「エディさん…っていうんですか」
「静かにしたほうがいい。下手に貫入しないほうが、きっとうまくいく」
あーあ、また個性的な人が…
「わたしたちは異変を解決してんの。なんであんたは立ちふさがってんの?」
「この先は危険だからさ。ミノタはそんなに強くない。本当に危険なんだ」
「はあ…何度も言わせないでくれる?こっちはここの森に住む狸の頭領がいんの!だから大丈夫!」
しつこいなぁ、この森に住むひとは…
「行くよ!剛速球でいくから、はぐれないで!」
エディの声も振り切って進む。
「こっちを右、左、そのまま!」
打尤の指示を聞いて進む。
「いた!」
あの人が、異変の元凶?
「えっ、もう!?もう解決しにきちゃったの!?狐恋、ここはわたしに任せといて!」
「ありがと、狐雨!」
ごそごそと、茂みで何かをやっているように見えた。
「ったく、面倒くさいわね!メロと打尤は先行ってて、倒したらすぐ行くから!」
「わかった!」
狐雨…霧で隠れられたりしたら厄介だな…
「え、大丈夫ですか、由有さん!?」
「大丈夫、儂よりも戦うのには慣れているからな。ほっといたほうが足手まといがなくなって〜とか言うんだろう」
「全く、その通りよ。さ、さっさと行って、異変の元凶をとっ捕まえちゃって?」
「は、はいっ!」
神隠異変ノ章 後編
打尤さんの後をついていく。ここは本当に、目を5秒でも閉じたら迷いそうなくらい、複雑で入り組んでいる。
無朝迷路異変の時、これがさらにどれくらい複雑になるのだろう。そうやって想像すると色んな意味で鳥肌が立つ。
「いた」
「えっ、いたんですか」
「静かに。ここは儂が引き付ける、下手にお主が出たらそれは儂もお主も由有も困る。ここは静かに」
うぅ…ほんと、怖すぎる。
暗くて迷路、というところもまた恐怖だ。
「でも、儂もどうすればいいか…そうだ!言技『三人よれば文殊の…』」
「由有さん、今いないですよ!?」
一気に信用度がガタ落ちする。
「うーむ…鬼に金棒」
「みつさんも夜叉鬼姫さんもいませんよ…」
いや、そもそもあのお二人が来たらこうやってしないで住むのだけど。
「じゃあやぶから棒。これでお主の攻撃をしかける」
「まあ、いいですけど…大丈夫ですか?」
最初に言ってるのとちがうんだけど。
「ピンチになったら窮すれば通ずで思いつく。儂も口は災いの元で災いを招くから大丈夫」
「本当に…?」
大丈夫なのかな…
「言技『やぶから棒』」
「おらっ!」
「あっ!?」
連続攻撃…
これなら、きっと一発は当たる。
「秘術『化け狐の牡丹』!」
「おらあっ…!!」
うっ、避けていてもやっぱり弾幕が当たっちゃう…
やばい、このままじゃやられちゃ…
メルが…
「飛符『天駆ける一撃』!!」
「わっ!?」
ピンチのときに現れたのは__
「あのねぇ…まあ、ごめん。打尤みたいな攻撃力皆無のやつと、秘技もろくに使えないあんたに先を任せたのがミスだったわ。妹の方だったらもう少しマシだったんだけどねぇ。ま、取り敢えず攻撃するから、突破しなさい。奥の方にいるって言ってたから」
「わかりましたっ!」
急がなきゃ、メルが…
---
「いたっ、メル!」
「草花もいた。お主ら、怪我はないか」
「だいじょうぶです」
奥の茂みに隠されていたのだろう。
「よかった…今、由有さんが元凶とたたかっているの」
「そうなんだ、お姉ちゃん…」
取り敢えず、無事でよかった。
---
「クソっ、強い…!!」
「由有さん!」
「あ、来たの!じゃ、手伝って!!」
メロたちが戻ってきた。よかった、こっちも正直きつかったから。
「…あれ、狐恋は?」
「元凶、狐恋さんっていうんですか」
ったく、なんで知らないのよ草花…
「秘術『化け狐の牡丹』!」
「メロッ…!?」
なんでメロが…
「草符『リーフストリート』!」
ばああん、とバリアが貼られた。
「危なっ、ありがと」
「勘符『インスティンクル・アサルト』!」
「きゃあっ!?」
---
狐恋はぐったりとしていた。
回復してあげると、正直に告げた。
「究極の妖狐になれると思った。そのために、手当たり次第人をさらって力を吸収した。なのに、なのに…」
「はー。ったく、人の気持ちも考えなさいよ」
「すみません…」
まあ、素直に謝ってくれたところは評価するけどさ…
さて、森を抜けよう。倒した後、狐雨にもきっちり言ったからね。
「さあ、メロ。酒をもらおうじゃぁないか」
「あぁ、そうでしたね…」
無縁異変ノ章 前編
ある時__
わたしは、異変を感じた。
不穏な空気がする。異界じゃない、この冥界に、異変を感じる。ひょっとしたら、異界、現界に異変が生じてしまうかも___
---
「今日もいいわねえ」
緑茶とほうじ茶を飲み比べながら、わたしは桜を見ていた。
「不死原様」
「あらぁ、何かしら」
「そちらの仕事は滞っておりませんか」
「平気よぉ。でも、なんだか、堅苦しいわねぇ、白露」
「そうですか?昇子様の方が、おかしいです。ビジネスですので、礼儀正しくしなくては」
「そうかしらぁ。じゃあ、不死川さん、そちらはどう?」
わたしの親友である、不死川白露。閻魔兼三途の川の管理者である。
なんだか、変。いつもは、もっとフランクな人なのに。
「ちょっとだけ、冥館を開けるわぁ。昇那に、冥界を任せるわねぇ」
「何故ですか」
「ちょっと事情ができちゃったのよぉ」
「そうですか。速やかに戻ってください」
「わかったわぁ」
やっぱり、変。いつも、明るい人なのに…
---
久しぶりに現界に降り立ってみる。そこは、冥界と同じくらい静まり返っていた。
「由有〜」
「こんにちは、不死原さん」
「どうしたのぉ、由有らしくないわよぉ」
「どういった要件ですか。《《関係ない》》あなたは帰ってください。そもそも、わたしたちは知り合いなんかじゃありません」
え、と思う。
由有とは結構親しいのに、知り合いではない、と返された。
紅も、闇も、空も、みんな「誰?」やら、「関係ありません」と返すばかり。
「どうしたのかしらぁ」
「異変をいっしょに解決しよう」と誘っても、「どこに異変が起きているのですか」と返された。
そして、ただならぬ霊気も感じた。わたしは数多の幽霊を、能力で仲間にしてきた。まだ、仲間じゃない幽霊がいるのだ。
「誰かしら。恵子、一緒に頑張りましょう」
「誰ですか。恵子とはわたしのことですが、あなたなんて微塵も知りません」
出てきた幽霊・恵子は、そっぽを向いた。
「どうしたのぉ。親友でしょう?」
「親友、ですか。笑えますね、そんなものは物語にしか存在しません。少なくとも、この世界に存在しませんよ」
そう言って、ひゅるひゅるひゅる、と恵子はどこかへ行ってしまった。
「…ふぅん。手強いわねぇ、久しぶりに楽しめそうだわぁ」
西の方に、霊気を感じた。そこに、異変の元凶がいるはずだ。
無縁異変ノ章 後編
「誰だ」
「あらぁ?」
曇っていた空に、ふわふわと幽霊が浮いていた。
「誰かしら。知らない子ねぇ。幽霊なら、みんな仲間なのにねぇ」
「煩いやつだな。とっとと始末してやる。縁符『切縁斬』」
しゅっ、しゅっ、と、日本刀が降りかかる。それを避ける。
「反撃するわね。霊符『幽霊連打』」
「バカだな。幽霊はいなくなったというのにな。そんな技、無駄。さあ、その秘技との関係もぶった切ってやる!縁符『切縁斬』!!」
「霊符『霊幻連打』」
「ハッ…!?」
---
「わたしが分身できるってこと、知らなかったのかしらぁ?ふふふ、熟練された幽霊は、分身ができるのよぉ」
「クソッ!なんで、あたしが負けるんだよっ!!うぅ、負けた。クソッ、どうしてそんなに強い!?」
「修行したからよ。さあ、異変を解決しなさい。さもないと、もう一度」
「やめろやめろっ!あんな痛いやつはもう嫌だ」
観念したように、彼女は言った。
「あたしは相関断。なあ、どうしてそんなに強い?」
「ふふっ、わたしのところに弟子入りしたら分かるかも知れないわね」
「…弟子入り、か。笑わせる。そんなの、入るしかないだろう」
「よく言えました。さあ、帰りましょう」
「…__うん__」
晴れやかな光が差し込み、断は言った。
「あたしは、学級委員だったんだ。一生懸命まとめようとしても、全然まとまらなかった。だから、死んだ。もう絶望したんだよ。気づいたら、関係を操る程度の能力を得ていた。だから、あたしは、関係を断ってやろうと目論んだ。…まあいいや。今日は弟子入りする、っていう収穫があった」
彼女の顔には、少しだけ、笑みの感情があらわれていた。
極寒異変ノ章 弐
「はあ…冗談じゃないわ。異変なんて起こしてないし…もう嫌になっちゃう。いい加減にして、わたしは起こしてないわ」
「言いがかりなんざやめなさいよ!わたしたちが困ってるの!」
楓亜は深い溜息をついた。
「しばらく我慢して。どっかの世界の管理がずたずたのずさんな状態なの。温暖化の影響とかを受けて、こっちの世界の管理が甘くなってるのよ…姉さんと管理するのも一苦労な状態。さあ、どうしたらいいかしら?」
「うぐっ…」
「しばらくはそっちのサニーさんとやらが天気を操って調節してくださいな。わたしたちは忙しいの」
紅、どうするの…と紅のほうを向く。すると、
「ならこっちもだ。分身を作ってやる」
と言った。
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「えぇえ!冗談じゃない!」
紅につれてこられた彼女・アバター・ドッペル。
「確かに、彼女ならぴったりだわ。よく見つけてきたわね」
「嘘!やめてよっ!さっさと魔法封じの魔法を解きなさい!」
彼女の能力は『分身を操る程度の能力』。楓亜の分身を作って、管理してもらおうというもくろみなのだ。
「お前は管理しないんだからいいだろ!」
「嫌!だって、分身を管理するんでしょ?ってことはよ?間接的に管理してるじゃないの!」
「やかましいわね…じゃあ、ぬあにずたずたにされてきなさい」
「やだあぁああっ!!」
ドッペル曰く、操る系の魔法は体力を大幅消耗してしまうらしい。でも、ぬあの攻撃を受けたらずたずたになって、跡形も微塵もなくなってしまう。
つまり、彼女に拒否権はないのである。
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「よかったわ、これで季節が戻った」
にこにこと微笑むぬあ。わたしは花を眺めて、「そうだなぁ」とつぶやいた。