「なごみ山荘」
………そこは、幽霊が出るという噂があった。
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目次
キャラ紹介andプロローグ
浅葱 玲(あさぎ れい)…中2。あまり喋らないが色々と考えてはいる。肝試しにはただ沙耶香に着いて乗っかってきただけ。
野々村 沙耶香(ののむら さやか)…中2。怜の親友。行動力があり、しっかりしている。明るい。肝試しは泰人の提案が面白そうだったから。
羽田 愛梨(はねだ あい)…中2。これまでに怜と沙耶香と話したことはあまりない。俗に言う陽キャ。怖いものは苦手だが、「肝試しって青春っぽい!」という理由で着いてきた。
吉田 泰人(よしだ やすと)…中3。肝試しの企画者。沙耶香の部活の先輩(バレー部)。幽霊が出ると噂の廃山荘を一周し、ビデオに収め皆んなに自慢しよう、と提案。年のわりに発想がガk…若々しい。
峰 湊(みね みなと)…中3。泰人の親友。声が生まれつき高く、女の子のように聞こえる。幽霊が苦手だが、暗い所と虫は得意。場を整理することも多いが、一旦パニックになるとなかなか治らない。
佐藤 爽屋(さとう そうや)…中2。泰人と沙耶香同じバレー部。沙耶香と怜の友人。2人が参加するので着いてきた。…それと、霊感がある。(らしい)冷え性で年中ベストを着ている。
「じゃ、録画始めるな!
…よし。これから、噂の廃山荘、『なごみ山荘』の中を、一周してきまーす!」
そう言って、ビデオカメラで自分を写し、手をひらひらさせているのは、リーダー格の吉田 泰人。
…私は、話したことさえ無い相手なのだが。
沙耶香が行くと聞いて着いてきてしまったけれど、吉田先輩といい、なんか後ろでハイになっている関わりの薄いクラスメイト、羽田さんといい、こんな陽キャ集団、到底混ざれる気がしない。
「不安だな………」
そう呟くと、沙耶香と、爽屋が声をかけてきた。
「大丈夫、みんな優しいし、探検自体も大したことなく終わると思う。これでみんなと仲良くなればいいしさ!」
「不安なのはわかるなあ…僕こういうところに近づくと寒気するんだよね」
優しい心配をしてくれるのは沙耶香。後の厨二っぽいのは爽屋だ。
爽屋は“自称”霊感少年だ。本当は、“冷感”の方が正しいんじゃ無いかと思ってしまうほどの冷え性で、今もこの炎天下だというのに、クリーム色と茶色のチェックのベストを着ている。
「お、君ら、心配してるー?」
そうしてまた私たちに声をかけてきてくれたのは、峰先輩。
一度会ったら忘れられないかつ二度見必至の3年生だ。
なにせ、声は女の子なのに、見た目は男の子そのもの。
実際男の子である。
しかし、それをコンプレックスに持っているような様子はなく、むしろ堂々と前に立ったり、皆んなに気を配ったりするような、実質リーダーである。…ビデオカメラを持ってはしゃいでいるあの若々しい方よりは、少なくともリーダーらしい。
「…僕、怖がりだから、途中でパニくるかもしんないけど、よろしくねっ!」
…ただ、お茶目なのをどうかしてほしい。可愛いと思ってしまう。
「ね、ね、楽しみじゃない?沙耶香も玲も、あんま喋ったことないけど…よろしく!
ワクワクするな〜何が起こるんだろ?」
…と、羽田さんまで寄ってきた。
一塊になった私達を、ビデオカメラに丸ごと収めながら、吉田先輩は宣言した。
「今から、このメンバーで!
肝試しを、はっじめまーす!!」
おー!と皆んなが拳を突き上げる中、私も小さめに、でもしっかり手を上げる。
…山荘は、そんな和気藹々とした雰囲気に一切染まらず、「なごみ」とは程遠い姿で私達を見下ろしていた。
…始めちまったぜ。新シリーズ。
今回こそは!ちゃんと考えました!(フラグ)
夏休みだから、時間もありますし!(フラグ)
プロローグなのに結構書いちゃいましたねえ…
まあ、僕のやる気によって分量はかわるぞ!
二日に一回投稿目指して頑張ります。深夜に書きますけどね!
キャラの名前、頑張って覚えてね⭐︎(((((((
1
気合いいれるぞおおおおお(フラグ)
…「なごみ山荘」とは。
バブル景気の影響でちゃちゃっとノリで建設され、バブル崩壊による不景気で忘れさられた、哀れな山荘だ。
巨大なロッジのような見た目をしている。
ホテルほどの大きさで、三階建て、部屋数二十一だ。…なぜ調べられたのかというと、ここが有名な肝試しスポットだから。
肝試しに実際に行った人のブログなどに、こと細やかに書いてあった。
…ちなみに、そのブログの投稿主いわく、「めっちゃ怖かった」。
本当に、私達だけで行っていいのか?と心配してしまう。なんせ、それの書き込みは多分大人だ。
まあ、こんな大人数なら…と安心してしまう自分もいて。
(何かあっても…みんながいる)
---
なんやかんやで、入口付近まで近づけた。
長いこと放置されていたからか、雑草に邪魔されて、近づくのが難しかったのだ。
近くからみると、改めてのしかかるような恐怖を感じる。
(大丈夫…まだ、お昼だから……
でも、もし崩れたらどうしよう……?)
丸太で作られた柱は長年の雨で腐っているかもしれないし、床が抜けるかもしれない。そう思うと、肝試しとは別の恐怖を感じた。
今思えば、ここで帰っておくべきだったのかもしれない。
---
「ドア、鍵かかってんなー…」
吉田先輩が不服そうに呟く。
「まあ、普通はそうだろうね…一階の窓が割れてるし、切らないよう気をつけてそっから入ろっか。」
相槌を打つのは峰先輩。そして、窓を見ると確かにほとんどが割られていた。
「よっ……と。」
「よいしょ」
「とうっ!」
「よっ…」
「…」
「…ふう、これで全員かな?」
個性の違いか、みな掛け声がバラバラだった。
そんなことよりも。
山荘の中は、予想以上に薄暗く、ジメジメとしていた。
辺りを見回すと、部屋の番号札のかかった古びた扉が、いくつか廊下の片側だけにあるのが分かる。
一番近いのは103号室だった。右手には102号室、左手には104号室がある。
…そして、104号室の先には、両開きの木の扉があった。
「…?あれ、何だ?」
カメラで撮影していた吉田先輩も、その扉に気づいたようで、訝しむように言った。
「えっ、なに、なに、、、むりむり、こわいって…急にそんな雰囲気にならないでえ…」
腕に誰かが縋り付いてきたかと思えば、それは場の空気に怯えた羽田さんで、怯えすぎとは思ったが同時に、正直お化け屋敷に一緒に行ったら楽しいタイプだとも思った。
隣でボソッと爽屋が呟いた。
「あの部屋って…参考にしたブログで紹介されてたっけ…?」
「ちょっと、不穏なこと言わないでよ!」
すかさず、沙耶香が答えたが、肝心の質問の答えにはなっていない。
…皆んな、答えられないのだ。
「…部屋数は書いてあったけど、客室限定の話だよね。
宿泊施設な訳だし、ロビー見たいなとこじゃない?…ほら、正面玄関、あの鍵がかかってたとこと繋がってたり。」
峰先輩のフォローに皆ほっとした顔で頷く。
でも、問題はこの後だ。
「……じゃ、入るか。」
吉田先輩は、恐る恐るといった様子で、両開きのドアに近づく。
そして、力一杯に開けた。
さて、どうなるのか!
っていうか、裏話というかメタいこと言わせて下さい。これ執筆時間夜なんです。夜、暗い部屋で、タブレットだけ灯りつけて、一人で書いてるんです。
…部屋が軋むの怖い(ガチで)
ホラー小説家への道は遠い(なれないっつーの)
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
もしよければ、続きもどうぞお願いします。
2〜腐乱〜
あれ?
もっもちろん、前回から2日しか経ってません!
…2日…?(3日です)
…
本文行きますね((((
「おお…凄い」
思わず私は感嘆の声を漏らす。
両開きのドアの向こう側は、思っていたよりもずっと広い空間だった。
峰先輩の言っていた通り、どうやらここは鍵のかかっていた正面玄関から通じているようだった。
ロビーのような場所なのだろう。古びたり植物が生えたりと、今は荒れ果てているが、おとなしい色のカーペットが敷いてあり、木製の大きなテーブルと椅子が並んでいる。
そして、なによりも目を引くのが、天井…いや、『吹き抜け』だ。
二階、三階を貫く吹き抜けがあるのだ。
どうやら、二、三階の廊下は、吹き抜けで半分に分けられているらしく、手すりのようなものがチラリと見えた。
…しかし、劣化が激しいようで、正面玄関から見て右側にある二階廊下の手すりが、一階のテーブルの上に落ちていた。
(本当に、大丈夫かな…)
しかし、そう不安になっているのはどうやら私だけのようで、吉田先輩なんかは嬉々として撮影しているし、羽田さんも、沙耶香もはしゃいでいる。…どうしろと。
とりあえず峰先輩と爽屋に近づく。
そして、思った事を、二人に確認した。
「先輩、爽屋…
これ、危ないですよね……?二階とか三階とか、床が抜けたらシャレになりませんよ…?」
「え?でも……そこまですぐ崩れそうには…見えないけど…うーん…」
峰先輩はそこまで心配していなさそうだ。私の考えすぎ…だろうか。
「いや、でも、僕も玲の意見には賛成…
やっぱ、ここは危ないと思う。絶対、何かいる。」
思わぬ賛成を得たかと思えばこれだ。やめてくれ《《冷感》》少年。
「はあ…そんなこと言わないでってば爽屋…」
「いや、でもなんか…変な匂いしない?」
「え?私臭い…?」
「いや、そうじゃなくて、何かが腐った…みたいな…」
皆んなが静まり返った。爽屋の顔を全員が凝視している。
そして、吉田先輩が辺りの匂いを嗅いだ。…そして、少し顔を顰める。
「確かに、なんか匂いがするかも…」
「えっ、うそ!!!!」
羽田さんがビクッとする。
私も、周囲を注意深く見てみる。確かに、変な匂いがどこからともなくする。木の腐った匂いか、とは思ったが…
「あれは…?」
私が指差したのは、小さな山。
それは、よく見ると、蛆虫とハエと、『何か』でできていた。
「ひっ……」
沙耶香が身をすくめる。…私も、あまり見たくない。
「あの、誰か…」
あれを確認しよう、と促すが、誰も動こうとしない。
皆んなの視線が、今度は私に注がれる。
…確認してこいと?
…
私は、鳥肌の立った腕をさすりながら、恐る恐るそれに近づいた。
はいごめんなさい🙇♀️
昨日、すっかり忘れてました。
まあでも、ちゃんとストーリーは考えてます!
…当たり前ですね本当ごめんなさい。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
よろしければファンレターも…(((
そして、続きも、もしよければ読んでください!
3〜異変〜
さんわです
私は、注意深く「それ」に近づく。
こんなの、絶対近づいちゃやばいやつだ。
でも…でも…
好奇心が少しだけ、私の中で勝っていた。
(廃山荘に探検に来たんだし、こんなイベントも楽しみの一つじゃん。)
悍ましい物体を前にそんな事を考えている自分に驚きさえもしたが、お陰で冷静にそれを観察することができた。
「ねえ、玲…どう?」
沙耶香が恐る恐る聴いてきた。私は答える。
「多分ね………
これ、猫の死体。ここで死んじゃってそのまま腐った…んだと思う。」
「なんだ、猫かあ〜」
急に場の緊張がほぐれ、吉田先輩も撮影を再開した。
「猫が死んでたみたいでーす、っと、
え……あ、あ…………………………っ………………………」
急に、吉田先輩が黙り込んだ。カメラを構えたまま、ぼーっと全く関係の無い一点を見つめて、でも、その瞳は恐怖で見開かれていた。
そして、ずるずるとその場にへたり込んでしまう。
「だ、大丈夫っ!?」
慌てて近くにいた峰先輩が駆け寄り、背中を支える。
再び緊張が走り、羽田さんは顔を真っ青にしている。爽屋も、沙耶香も、もちろん私も、固唾を飲んで吉田先輩を見つめる。
「何か言ってみて、お願い。
大丈夫?調子悪い?…それとも、何かいたの…?」
峰先輩が問いかける。
吉田先輩はゆっくりと目線を上げ、何回か目を瞬いてから、辺りをきょときょとと見回し…
ゆっくりと口をひらいた。
「いや、なんでもない」
「「「なんやねん!!」」」
はい、今回はちょっと短めに終わった、かなー
猫ちゃんかわいそう
ばいびる〜
4〜遭遇〜
お久しぶりです
投稿しただけで褒められてぇ…
ごめんなさい
よんわです
あれから吉田先輩におかしな様子はなかったから、何かのアドリブだったのだろうか。
「じゃ、二階行きまーす!」
と言うわけで、今私達は一階から二階へと続く正面玄関から見て右側の階段を登ろうとしている。
階段の先は、窓から漏れている灯りはあるとはいえ薄暗く、またしても羽田さんが腕にしがみついてきた。
「羽田さん、なんか毎回こうしてない…?」
「ごめん、怖いし…あ、あと私の事は愛梨って呼んでね!」
みんなでゆっくりと階段を登っていく。一歩踏み出すごとに、ぎし、ぎし…と階段の音が響き、自然と不安が掻き立てられる。
先頭を歩く吉田先輩も口数が減ってきたし、爽屋はなんだか顔色が悪い。
「爽屋、大丈夫…?またいつもの、冷え性かなんか…?」
「いや、ただやっぱり嫌な予感がずっとしてて…頭痛くなってきたし…」
「嫌な予感って………はあ」
爽屋に言い返してやろうかと思ったが私は口を閉じた。
私も、嫌な予感がしないことはないのだ。
ただ、言ってしまったら、それが現実になりそうなだけで。
---
二階にたどり着いた。
こちら側には201、202、203、204号室までがある。
とりあえず、端の201号室から中を見ていこうと言う話になったのだが、案の定鍵がかかっていた。
202、203号室も同様だったが、204号室の扉は、腐って木材が痛んだところを誰かが無理矢理ぶち抜いたらしい荒く大きな穴が開いていた。
「うわ、誰だろ、こんな穴開けたの…怖っ………」
沙耶香がボソリと呟く。確かに、何か大きなハンマーか何かを使わないとここまで大きな穴は開けられないと思う。
「こういう人の寄り付かないところが犯罪者の隠れ場所になったりすることもあるからね…」
峰先輩が沙耶香に続く。確かに、今は幽霊云々よりも犯罪者の方が現実味を帯びていて怖い。
しかし、外から204号室を覗いても、犯罪者の痕跡など全く見当たらない普通の部屋に見えるので、私達はしばらくドアの前で話し合ってから、意を決して中に入ることにした。
敷居をまたぐように大股でドアの穴をくぐり抜けると、そこは『元は』温かみのある木製の部屋。
今は、壁の至る所に開いた穴や、できた染みがおどろおどろしい。
「見た感じ、普通のロッジの一室…みたい、ですね。」
私の意見にみんなも黙って頷く。
本当に普通の部屋だなあ…
そう思って、客用の大きなキャビネットをなんとなく開けてみようと思い、手をかける。
「玲、開けるなっ!!」
爽屋が慌てた様子で止めようとしたが、少し遅かった。
きい、とドアが開き、爽屋の大声に驚いた全員が振り返る。
しかし、その中身を皆んなが目にする前に、爽屋がドアに飛びつき、閉めてしまった。
「え、爽屋くん!?何が、何が中に入ってるの!?」
目を見開いて峰先輩が問いかける。しかし、爽屋は答えようとしなかった。さっきの比でないほど顔を青くして、肩で息をしている。
たまらず沙耶香がまたキャビネットに手をかけると、爽屋はそれを厳しい声で止めた。
「それを開けるなっ!」
「え…?爽屋、おかしいよ………
本当に、何があったの……」
一歩思わず後退り、問いかける沙耶香。
爽屋は、ゆっくりと顔を上げた。青くて、汗の垂れた顔を。
「いや……大したことはない。本当に、何でもないよ。とにかく、早くここを、」
出よう、と爽屋が続けようとした時、どんっ、と大きな衝撃が部屋に走り、部屋全体が小さく揺れた。
「きゃああああ、なにっ、なになになになにぃっっ!!!」
私は、《それ》を見て、隣でパニックになっている羽田さん…愛梨の腕を取り一目散に部屋から駆け出した。
ほぼ同時に、皆んなも部屋から飛び出した。
---
部屋の天井から、ほぼ原型をとどめていない、『首吊り死体』が落ちて来たから。
朝の四時半に一人部屋でホラー小説を書く馬鹿は誰でしょう?
僕です!!
書く書く言っといて、また遅れましたね…
ちゃんと完結させます。はい。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
もしよければ、ファンレターお願いします!
5〜 〜
なんやかんやでおくれました
すみません(土下座)
私は、とにかく走った。
走って走って走った。いつのまにか、手を引いて連れてきた羽田さん以外はだれも周りに居なくなっていた。
悲鳴も足音も、話し声も、何も聞こえない。
羽田さんは、さっきの出来事…天井から死体が降ってきた衝撃で、震えながら肩で息をしている。
(あれは……ここで死んだ……人間……)
…現実感が湧かないが、それでも、覚えていること。
それは、一階で猫の死体を見に行ったときの何倍もの濃度の、『死の香り』だ。
あの一瞬。私は、あの首吊り死体に引き込まれるような…なんとも言えない不気味なものを感じた。
もしかしたら、爽屋の普段言う『嫌な予感』とは、こう言うものなのだろうか。
(いやいや、そんなこと)
これ以上考えると恐怖でおかしくなってしまいそうで、ぶんぶんと頭を振り、すっきりさせる。そして、腰を抜かしている羽田さんに、手を貸した。
「羽田さん、立てる…?」
「………」
「、え?」
羽田さんが何かを呟いた。聞き取れず、私は聞き返す。
「愛梨って、呼ん…で。
それと、大丈夫だよ………
その、引っ張って来てくれて、ありがとう。本当に…『あれ』を見た時から、怖くって、力が抜けちゃってっ……怖い………」
そう言って、羽田さん…愛梨は、俯いてしまった。
それでも、私の手をしっかり掴んでなんとか立ち上がり、私と顔を合わせて、少しだけ笑う。
「玲はすごいね!」
「そう…なのかな?」
確かに、冷静だ、とは何回も言われたことがある。
しかし、それを褒められたことは、あまりなかった。
そもそも、冷静な反面全てに対するリアクションが薄いのだ。正直愛梨にとって、自分は苦手なタイプなのではないかと思っていたが。
…案外、そんなことはないのかもしれない。
(少しだけ、愛梨の事がわかってきた)
---
窓の外を見ると、さっきよりも木々が下の方に見える。
どうやら、3階まで上がってきてしまったらしい。見れば、隣のドアは、303号室。
3階の部屋のドアは、不思議な事に全て空いていた。
そして、ほかにも気になる事が一つ。
「誰も……いないね」
「確かに…みんな下に降りて行っちゃったのかな?」
辺りが静まり返りすぎているのだ。いくらこの山荘が広いとはいえ、こんな事があるのだろうか。
きょときょとと辺りを見る羽田さんに、とりあえず私は提案する。
「一旦降りよう。で、みんなと合流しよう。」
「…わかった。」
そして、私達は、どちらからともなく手を繋いで、階段へと歩き始めた。
その時
きい、
そんな、ドアの軋む音が後ろから聞こえて、私達は、凍りついた。
しかし、次の一言で、解凍される。
「え、ちょ、誰〜!?
うそ、ここ人いるの?」
見れば、後ろにいたのは、セミロングの髪にだぼっとしたジャージを着た…
いかにも普通の女子高生といった感じの少女。
いかにも、普通だった。ある一点を除いて。
彼女の手には、硬く結ばれて一つの輪が作られている…所謂、『首吊りロープ』が握られていたのだ。
メインキャラがようやく出揃いました。
あの子…ロープ持ってる子(仮称)もメインの一人です!
そして、ちょっとだけ…進みましたね…
とはいえ、毎回千文字くらいはキープしてますし!
珍しく、深夜投稿じゃないんです。すごない?(自慢)
数日空いてごめんなさい…「ねこさま」書いたとはいえ…
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
よければ感想、展開予想も、待ってますー(調子乗んな)
ばいびる〜
6〜捜索〜
謝らせていただきますっっっっっっっっ土下座ぁああああああ゛!!
「え………あ………、」
「え、だっ誰ですか!?」
情報過多で言葉が出てこなかった私に代わって、愛梨がまさに私の言いたかった事を言ってくれた。
お姉さんはえへへと笑うと、腰を抜かした私たち二人に手を差し伸べながら自己紹介した。
「あたしは〜、うん、麹町 樹(こうじまち いつき)
なんか男の子っぽい名前だけど、ちゃんと女の子だし!で、二人とも、驚かせちゃったね…ま、よろしく!」
「は、はい…よろしくお願いします…私は浅葱 怜です…」
「あ、私は羽田 愛梨です…」
なんとか自己紹介をおわらせたものの、私たちの視線はある一点に釘付けだ。
そう、樹さんの握っている、『首吊りロープ』に。
樹さんも、私たちの視線に気づいたのか、気まずそうな顔をして天を仰いだあと、ぱりぱりと後頭部を掻きながら、「あーこれねー」、と口を開いた。
「みんな、ここの山荘の『いわく』知ってる?」
私は、首を横に振る。思えば私たちはここが心霊スポットであるということは確かに調べたが、どんな曰くのある場所なのかは知らなかった。
隣では愛梨も同じようにしていて、その様子を見た樹さんはそっと言う。
「なるほど。
ここはね…………
首吊り自殺の、名所なんだよ。」
「……!」
自殺の、名所。
例えば樹海などはその典型例だが、まさか心霊スポットが自殺の名所とは。
あるいは、自殺の名所だから、心霊スポットとなったのか。
そして、それよりも。
彼女がここにいて、そんなものを持っているという事は。
「樹さん、も……………?」
「ああ、そうだね、うん。えへへ。」
困ったように笑い眉を下げる彼女の目は暗いままだった。
---
とりあえず、樹さんは普通の調子で接してくれたので、私たちも今までの事を話す。
肝試しに六人で来た事、探検の事、そして腐乱した首吊り死体の事、そこからみんなとはぐれた事。
樹さんは黙って頷きながら聴いてくれた。
「なるほどね、やっぱり死体もここにはあるのかあ…
ま、切り替えよう!そこまで山荘も広くはないし、まずはお仲間と合流するぞー!!」
「確かに、そうですね…!」
「…はい!」
こうして、私たちは樹さんを加えて逸れたみんなを探す事にした。
ここまで空気を盛り上げてくれた樹さん。
お姉さんのような樹さんに、
何があったのだろうか…?
---
しばらく歩いていると、何かがジタバタと暴れて床を蹴っているような、不思議な騒音がした。
一瞬息を飲んだが、沙耶香たちの可能性があると思い、三人で顔を見合わせてから音の源へと駆け出す。
音の源は203号室。
そこには。
「死ぬんだっ………離せ、離せ離せっ!!」
「やめて、本当にどうしたの!?やめてってば!!」
「爽屋、降りて来て!絶対ダメだからね!!」
今にも首を吊ろうとする爽屋と、それを必死で止める峰先輩と沙耶香の姿があった。
ストーリーが動きましたねー
そして。
はい、なんと謝ればいいのでしょう。
サボって怠けてました。
気力がなくて…いや言い訳ですね本当すみません…
こんな駄作でも、読んでいてくれたら嬉しいです。
嬉しすぎて狂気山脈行ってきます()
まあそれはいいとして。
はい、本当お待たせしました。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!さて、これからどうなるのか…?吉田先輩はどこなのか…?
ばいびる〜