とある国の姫様が突然『人の心が読める』特殊能力を持ってしまう。
その姫様の長くでも、短い時間の話をしよう。
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目次
幸福でも不幸な話。一話
とある国のとあるお姫様。
名前はエンジュ。
エンジュは両親、兄二人に大切にされる幸せ者だ。
もちろん次女や従者たちにも大切にされていた。
この国には魔法というものが存在する。
貴族、平民にかかわらず16歳の成人の儀で教会から授かるのだ。
エンジュもその一人。
今日その儀式の準備に追われていた。
エンジュ「とうとう成人の儀。私どんな能力を授かるのかしらね」
侍女「エンジュ様ならきっと素敵な能力を授かりますよ」
私を小さい頃から見守ってくれている侍女はそう言った。
侍女「そろそろ出発のお時間です」
エンジュ「分かったわ、行きましょう」
エンジュは教会へと向かった。
自分の運命がこれからいい方向へ向かうと信じて・・・。
幸福でも不幸な話。二話
馬車に揺られること数分・・・。
エンジュが緊張してる中、あっというまに教会についてしまった。
エンジュ「(ここが教会・・・。何度も来てはいるけれど緊張しますわね・・・。)」
大司教「エンジュ様この度は成人おめでとうございます。」
白い衣に身にまとった大司教様が深々と頭を下げた。
エンジュ「ありがとうございます、私もこの日を迎えられた事感謝しております。」
軽く挨拶を済ませ、教会の中へ入っていった。
魔法を授かる方法はいたってシンプルだ。
水晶に両手をかざし、光った色で属性、そして大司教様が持っている紙に
どういった魔法なのかが浮かび上がってくるのだ。
大司教「さぁ、エンジュ様。こちらの水晶に両手をかざしてください」
エンジュ「はい・・・。」
心の中はずっと緊張していた。
エンジュ「(落ち着くのよエンジュ、私ならきっと国の役に立てる魔法を授かる事ができるわ)」
エンジュが水晶に触れ数秒後、水晶の色は黄金色に輝いた。
大司教「こんな綺麗な色見たことがございません!」
大司教様が驚く中、光は徐々に収まっていった。
エンジュ「私の魔法はどうなりましたか?」
大司教様に尋ねる。
大司教「・・・。これは見たことがありません。」
エンジュ「??」
大司教「人読術でございます。」
エンジュ「人読術・・・ですか?」
大司教「はい、人読術とゆうのは、人の心を読む力でございます。」
エンジュ「人の心を・・・。」
大司教「はい、エンジュ様。」
大司教様はこちらを真っすぐ見た。
大司教「この魔法は人を幸福にも不幸にもする力でございます、どうか使い所をお間違えのないよう・・・。」
大司教様は深々と頭を下げた。
エンジュ「分かりました、私はこの国の為にこの魔法を使うとここで誓いましょう。」
大司教「エンジュ様に幸福を訪れることをお祈りしております。」
エンジュは儀式を一通り済ませ、王宮へ帰った。
幸福でも不幸な話。三話
エンジュ「ただいま戻りました!」
??「おお!エンジュ!帰ったか!」
この方はこの国の国王。私のお父様だ。
エンジュ「はい!お父様!成人の儀を無事に済ませて参りました」
お父様に会釈をする。
国王「どんな魔法を授かったのだ?」
エンジュ「人読術でございます」
国王「人読術・・・?」
エンジュ「はい、人の心を読める能力だそうで・・・。」
国王「そんな・・・まさか・・・。その魔法はおとぎ話ではないのか?」
エンジュ「いえ、大司教様がそうおっしゃられまして・・・」
国王「エンジュ、一度部屋へ戻りなさい。それと人読術の話は誰にもするんじゃないぞ」
エンジュ「え?はい・・・。承知いたしました・・・」
謁見の場を後にしたエンジュ。
エンジュ「(お父様どうされたのかしら、すごく深刻な顔をされていたわ・・・。)」
エンジュは興味本位で魔法を侍女に使った見ることにした。
エンジュ「(あの庭を歩いてる子で試してみようかしら)」
【人読術】
侍女「(王宮なのにどうしてこんなに忙しいのにお給金はあの程度なのかしら・・・。)」
エンジュ「!!!」
侍女の声が頭の中に響いた。
エンジュ「これが人読術・・・。」
人の心を読めるってなんて・・・。なんて楽しいの!!!!!
エンジュはまだ知らない。
この人読術が運命を変えてしまうことを・・・。