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目次
カラントについての説明と、僕のお仕事。
僕たちの世界には「神様」がいてね。その神様は人間が大好きで、たまに「贈り物」をくれるんだ。
あ、贈り物なんだから、もちろん拒否権はないよ?
その贈り物の名前は「カラント」。英語だと「currant」って書くらしい。
カラントはいろんな姿で現れるんだ。刀だったり、本棚だったり、ネズミだったり……。そして、それぞれが特別な力を持っている。言ってみれば「秘密道具」さ。
これらは、いろんな企業や政府が厳重に管理しているらしいけどね。
……え?スピってる、だって?
そんな冷たいこと言わないでくれよ〜。まあ、君たちの世界じゃ、信じられないのも無理はないか。
そうそう、僕がもらったこのカラントは、君たちの世界にこうやって文章を残せるっていう秘密道具なんだ。結構すごくない?
……ほしい?
ダーメ!ちゃんとしたカラントを入手する方法は僕も知らないし、これも上の人から渡されたもの。おまけに、このカラント、僕にしか扱えないんだよ。文章書くの苦手だから、正直いい迷惑だよ、本当に。
まあ、そんなわけで、僕はとある人から、こっちの世界のことを書き記せって頼まれたんだ。
理由は……あ、書いちゃダメなんだっけ?
その“とある人”の名前は言えないよ。契約というか、お願いというか……。まあ、この世界ではよくあることでね。名前を書くな、って釘を刺されてるんだ。
理由は……うん、これも言っちゃダメなんだって。
僕の口じゃなくて、カラントが止めてくるんだよ。書いた文字が勝手に消えるんだ。怖いでしょ?だから消えないように、何度も表現を変えて書き直しているのさ。
とにかく、僕はただ頼まれたから書いてるだけ。“記録係”みたいにかっこいい役目があるわけでもないし、使命感があるわけでもないんだ。
だからさ、あんまり期待しないでくれよ?これは僕が選んだ仕事じゃないんだ。
本当にただ……*事情があって、“書かされてる”だけ。
でも、君に読んでもらえるなら、それはちょっとだけ救いかもね。
僕ひとりで背負うには荷が重い話だからさ。
カラントのことを伝えるって、そんな気軽なテーマじゃないんだよ。
あいつら、見た目はかわいかったり変だったりするけど、人類にとっていいものばっかりでもないからね。
まあ、暇なときにでも、そっと覗いていきなよ。
僕がちゃんと仕事していれば、きっと更新されてるだろうからさ。