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目次
〈水臼宮人狼〉-1- だお(?)
人狼ゲームの動画見過ぎて頭バグった者が書いた話。
「ねぇ、今から人狼ゲームやるつもりなんだけど、人数不足で… どう? 参加してくれないかなぁ?」
お願い! と手を合わせてくる|思唄《おもうた》 |廻咲《みさき》。
「う〜ん、興味ないなぁ、あとでその分の礼を返してくれたら、参加しないこともないんだけどなぁ」
浮巳は何かを企んでいるようで、ニヤニヤしながら独り言だ、というように呟く。
「いいよ全然!!夜琳は?」
聞かれると、夜琳は「いいよ」とだけ答える。
「良かったと思うよ!!夜琳のことが好きな|縷碕《るみさき》も喜ぶと思うから!にひひ」
廻咲は、早速案内するよ、と手招きする。ちなみに最後の台詞は低い声で言った。
人狼ゲーム会場となる水臼宮の神殿壱部屋の中央に、円型のテーブルがあって、それを囲むように皆がカードを持って座っている。
「来たね最後の人員!!」
その円の中の一人、理浪が三人に向かって手を振る。
「じゃあ、早速始めよっか」
ゲームマスター役は水臼宮の巫女、楊芽 妖蓏らしい。
「おい夜琳、ここ、なんか変な感じしない?」
「確かに、妖の気配が」
その時、バサっと音を立てて、窓から鳩が入ってくる。
「えっ、こんな時に伝書鳩!?」
水臼宮でいう伝書鳩は、動物テイマーの弛浪が手懐けた鳩で、とても遠い国で神官をしている住職(妖蓏の父)と妖蓏の唯一の連絡手段だ。
書いていた内容は。
『妖蓏、すまんが俺はタチの悪い妖狐を取り逃した。が、これもいい機会だと思ってな。お前も一応巫女として妖を駆除してみろ。』
「え、えぇ…」
妖蓏は緊張し始めたのか俯く。
「てことは!この中にその妖狐がいる可能性が…」
ある一人が声を上げる。
こうして、〈水臼宮人狼ゲーム〉が始まった。
始まった。
続けたーーーーーーーーーーー~~い
水臼宮人狼ォォ -2-
私はミステリー小説読み過ぎて頭が進化したのかな?クローズドサークルにしたくなっちゃう〜。
窓も無いような暗い密室で…(🤫)
「妖狐ってどんな見た目なの?」
「狐…かな?化け狐って言われてて、人に化けることがあるんだよ」
浮巳が夜琳の顔をちらりと覗く。
もしかしたら友達に化けることができるかもしれない。
浮巳が警戒しているのに対し、夜琳は不思議そうに浮巳の顔を見返した。
浮巳は思った。
見る限りは知った顔だ。
もしこの中にいるとすれば、妖狐はその人のことを知らないかもしれない。
そう考えると、いつもと違うような行動をしていたら、怪しい。
思い返す。
夜琳、今日は何だか様子がおかしい。
妖特有の力、妖力を持っている。
いや、それはいつもか。
だが、妖狐の気配を感じとっていた。
それはいつものことなのだろうか?
あー、なんかキリが無い感じがして、推理に満たない推理を辞めた。
_
夜琳はふとテーブルを見渡す。
縷碕の視線が強い。
ここには神格の者が多く集まっていて、気配を感じにくい。
横から浮巳の強い視線が…。
前からも横からも強い視線を感じて、頭がバグりそうだ。
まあ、とにかく、今の所怪しい者はいない。
皆いつものような素振りで推理している。
カードゲームの人狼ゲームとは推理は要らないような気がするけど。
_
相変わらず縷埼は夜琳の方を眺める。
…何を考えてるのかな。
いつも、縷埼にとって夜琳は無感情に見える。
縷埼はどちらかというと純粋で裏表がない性格。
掴みどころがないように見える夜琳は、縷埼にとって憧れだった。
思考を戻そうっと。
えーと、この中に本当に人狼ゲームでいう『人狼』がいる…。
それ、信じていいのかな?
ただ単に妖蓏の父の悪戯かもしれないし。
うーん…こういう奴、ホラーやミステリーでは一番最初に死ぬんだよね。
やだやだやだやだ。
死亡フラグは嫌だ、死亡フラグは嫌だ。
_
「ねぇ、雨降ってきたよ。」
まあ、それくらいで帰れないことはないだろう。
まだ少し遠くの方で、雷鳴が聞こえる。
「雷神くん、怒った?」
中空に向かって問いながら、妖蓏は窓から空を見上げる。
妖蓏が言う雷神くんとは、以前空に一ヶ月の旅行をしに行った雷使いの神だろう。
えっ?もしかして最初からこうしようと…。
と、誰もが思っただろう。
「じゃ、雨が酷くならないうちに帰りな」
妖蓏は皆を帰そうとする。
が、しかし。
ドンッッ!!!!
という轟音と共にこの建物がみしみしと揺れ、軋んだ音が鳴る。
「やば〜〜ッ!!みんな逃げて!」
妖蓏が妖たちを急かして逃げる。
これは地震だ。
そして…
『人狼ゲーム、開始。』
性別の見分けも付かないような、特徴のない声のアナウンスが流れた。
水臼宮は何とか耐えたが、他の住宅など電柱などは酷く傾いたり、完全に倒れてしまっていたり。
浮巳や夜琳には分からないが、この地震、相当な規模だったらしい。
この町の境界線にある高速道路とやらが崩れて、工事が行われていたり、人身被害が無いか調べたりしているとのことだ。
普通こんなことが起こるかという偶然達。
そして、何とか地震に耐えた水臼宮に、皆泊まることになってしまった。
ワタシ、ホラーショウセツアンマリヨンダコトガアリマセン。
水臼宮人狼 -3-
あ〜あ〜〜。
人狼ゲームって何だろ〜。
デスゲームもの、やっぱ面白いな〜。
縷埼はどういう設定にしようか。
この水臼宮、和風建築で床は畳。
ベッドは無く、布団で寝なければならない。
「ねぇ、デスゲームやこういう人狼ゲームではどういう人が一番に死んじゃうんだっけ?」
「え~~~影の薄い人とか?後々の中心人物なる者は残るはず。」
縷埼は、同じく寝られない友達と、夜中まで話していた。
「最初に死ぬの、夜琳君じゃないといいね〜」
「いっ、いや、あ−…うん」
この時、縷埼はそう答えたが実は心の中で
(死なないで死なないで死なないで)
と連呼していた。
「私達…、の役職って何だろ…」
縷埼の友達、咸都は服についているポッケから、人狼ゲームのカードを出す。
「でも、このカードから、微かだけど魔力を感じる…。」
_
「う〜ッ!参加しなけりゃ良かったぁ〜!!」
隣の部屋から大声が聞こえてくる。
浮巳の声だ。
何か聞き取れそうで、夜琳は隣の部屋に耳を傾ける。
「でも、良かった……、私、人狼じゃないから、人を殺さなくて済む…」
夜琳は、自分に配られたカードを見る。
_
翌日。
「皆、おはよ…」
妖蓏は、元気の無さそうな声で呼び掛ける。
真っ先に出て来たのは夜琳。
「誰か何か喋った?」
その問いに、夜琳は小さく頷く。
妖蓏は手でグッドポーズをする。
障子風扉を開いて、人狼ゲームに参加してしまった皆が出てくる。
半数が眠れなかったのか、眠たそうな顔をしている。
「何で私のだけこんな魔力が秘めてあるの!!?」
驚いた顔で浮巳が叫ぶ。
「その前に」
皆が騒ごうとした時、妖蓏が止める。
「人狼ゲーム風に、会議しよ?」
そして始まった、第一回会議。
「出て来てないのは誰?」
浮巳は皆に声を掛ける。
「あれ?粦河ちゃんは?」
「あ、そうそう」
これまでずっと黙っていた然梛が口を開く。
「昨日、誰か叫んだ?夜の…一時くらい?断末魔みたいな甲高い声で……俺、寝ぼけてた気がするから気のせいかもだけどさ」
一時?夜琳と浮巳は、寝ていたと思う。
それは縷埼も。
「聞こえたよ」
「私もそれくらいの時間に…」
皆が次々と声を上げる。
粦河の声だった、と話す者もいた。
「昨夜、行方不明となったのは、粦河ちゃんだね」
「そ、そんな…粦河…?そんなぁっ…」
周りが騒つく。
「まあ、まだ亡くなったとは限らないよ」
えー。
「人狼ゲームならさ?占い師とか騎士とか…?あと、霊媒師も狂人も…」
浮巳が問う。
「はい。私、れi」
ちょっと待て、と夜琳が制止する。
「え?」
カミングアウトしようとした蘭赤は止まる。
「一日目にCOするのは良くない。占い師、霊媒師は特に。騎士に守ってもらう手はあるが、二日目からは…」
蘭赤は「へぇ〜、めっちゃ詳しい!ありがとう」
と感心する。
「蘭赤が役職持ちなのはもうバレた。役職が騎士の者、せめて今夜は守って」
「ねぇ、吸血鬼って明かしたら駄目?」
自分のカードを見ながら、彾々が問う。
「その前に。今日は誰吊る?」
「ほんとの人狼ゲームじゃ〜ん!!」
「吊りたくない場合、何も言わなくて良いよ」
「彾々じゃない?」
浮巳が言う。
「ねぇ!?どうして!?」
彾々は怒りの声で叫んだ。
「だって、みんな、このゲームにおいて、どういう役職があるのか知らないんでしょ?」
この場の全員が頷く。
「なのに、彾々は吸血鬼って言葉喋ったの」
人狼ゲームの役職には、吸血鬼というものがあって、内容は
「第三陣営だとか。」
「第三陣営って何?」
彾々が聞く。
「人間と人狼の勝負がついた時、吸血鬼が生きていると、吸血鬼の者が勝利する。」
「つまり、市民陣営にとっても、人狼陣営にとっても、吸血鬼という役職は良くないもの。」
「ま……まじ?」
彾々は信じられない、というように呟く。
と言うことで、一日目の会議で追放する者が決まった。
彾々。
「知識差なんてずるいよぉぉぉぉぉぉおっっ!!」
物凄い形相で、奈落に落ちていった。
プロット書いてないから難しい😓
妖狐っていう役職もあるらしいけど…。
ここでは人狼です。