編集者:ルラら
20XX年の地球のある場所にて…
「うえぇ…この計算めんどくせー。ー」
「春ねーちゃん〜華菜が〜」
「うええええん」
「何コr…キエエエ!シャベッタアアア!」
「アンタらうるさい!」
この、カオスな会話を繰り広げているのは、5人の少年少女たち。
一見、普通な人たちに見えるだろう…。
が。
実は、「殺し屋」だった…!?
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
過去を振り返っている暇はないので、任務こなします。
ピピピピピピピ
バシッと音を決めて朝に聞く不快な音「目覚まし時計」を止める。
あぁ…また一個犠牲に…。
二度寝しようかn「春乃ー!二度寝しちゃダメだよー!?」OH…。
叫んでいるのは、韮山凛花。
ふと思い出す。この子、怒らせると怖い。
…早く…起きよ…。
睡魔と格闘しながら着替えなどを済ませる。
「おはよ…。」
「春乃!おはよ!他の3人見ておいてー!」
「りょ。」
私の名前は佐倉春乃。中学2年生。目の色は桃色と紫色。髪色は、薄いピンク。
武器は…なんでも使えるね。
現役の殺し屋ですッ☆
あ、テキトーに「や」ってる訳じゃないよ?
本部ってとこから、任務が伝えられるからそれをこなすの。
んで…今は、他の3人を見てる。
簡単にその3人の説明をしよう!(唐突)
1人目。
小野 啓。中学2年生。栗色の目と髪を持っているんだけど……ぶっつけ本番タイプ。整理整頓が苦手。大雑把。めんどくさがり屋。
もっとあるけど…啓のためにやめておこう。
武器は短剣。
2人目。
柏原 華菜。小学5年生。緑色の目と髪。人見知りが激しくて、よく泣いちゃう。でも、めっちゃ可愛い!!あとは、語尾が独特。
武器は矢。
3人目。
大田 博人。小学6年生。藍色の目と髪。華菜のお兄さんみたいな存在。啓とよく一緒にいる。まぁ、男子は啓しかいないからね…。
武器は、銃だっけ。
見ててって言われたのはこの3人。
で、現在進行形で朝ごはんを作ってくれているのが、
さっきも言った韮山 凛花。中学2年生。黒色の目と髪。手先が器用で、朝に強い。(羨ましい〜!)
武器は、銃。
私を含めたこの5人で今は生活中。
本部から伝えられたグループで生活し、任務もこなす。
当然のことながら、親はいない。
義務教育は、これが義務教育だから問題なし。
親も承諾済み。
当然、私たち本人もこういう任務があることを知っての上で入学した。
どれだけ任務をこなせ、仲良くできているか。この二つの観点から本部の人たちに採点され、順位が表される……つまりは、ランキングというのがある。
ちなみに、私たちのグループは1位。
1ヶ月ごとに更新されていくんだけど…えっと…今は6ヶ月連続かな。
嬉しいし、モチベも上がる。
きっと、これが目的なんだろうと思う。
「朝ごはんできたよー。」
「「「「はーい。」」」」
3人を連れて食卓に向かう。
「「「「「いただきまーす」」」」」
今日は洋食。
パンとサラダとココア。
どれも簡単なものばかりだが、それでも美味しい。
数分後〜
朝ごはんや歯磨きを終え、まったりしていた時。
ヴーヴー
バイブ音が聞こえる。
それは、本部からの任務のメールだった。
件名:新規任務
内容:今回の任務は、人身売買の会場にいる者たちの排除。
全、5名。下記の者だ。
期間は特に設けない。情報収集等も各自で行うこと。
一番下に、その5人の名前、性別、年齢などの簡単な情報が書いてある。
「えー。人身売買って、違法のやつじゃん。」
「違法だから任務になってんでしょ。」
凛花がツッコミ(?)を入れる。
「まずは、情報収集だな。」
華菜がノートパソコンを持って、こっちにくる。
「えっと…今回の場所は、〇〇町の、MY会場にだ…。」
でた。華菜の語尾。
なぜか。華菜は語尾に「にだ」を付けている。
「MYは、『マイ』って読むんじゃなくて、『エムワイ』って読むみたいにだ…。『マジで、ヤバい』の略みたいにだ…。」
www
思わず笑ってしまう。
マジでヤバいってwww
そのまんまじゃんw
「春乃、笑わないの!」
「凛花だって笑ってるじゃんwww」
「なっ…w」
これには、凛花も笑っちゃったみたいw
さて…
「いつ攻める??」
急に堅苦しい雰囲気になる。
あっは。こういうの好きじゃないな。
「…今月の20日、その5人しかいないみたいにだ…。」
「いつに間に調べたんだ。」
博人が華菜のノートパソコンを覗き込む。
「春ねーちゃん。どう思う?」
博人が聞く。
あ、一応私、このグループのリーダーだからね!?
「いいんじゃない。5人しかいないのなら尚更。」
「ええと…そしたら…ルートの確認なのにだ…。」
華菜が中央に置いた地図をもとに、みんなでそれぞれの担当を決める。
さぁ。MY会場のみなさん。
覚 悟 し て く だ さ い ね ?
過去を振り返っている暇はないので任務こなします。
「っとぉ…ここか…。」
「そうにだ!」
華菜が敬語を外す。
華菜の敬語の基準…よくわかんない。。
今、例のMY会場にいる。
5階まであるので、一階ずつ受け持つことになった。
私は5階。
凛花は4階。
啓が3階。
博人が2階。
華菜が1階。
華菜以外は、階段を使ってそれぞれの階に行く。
ここの警備、甘すぎてすぐ入れたんだけど??
色々大丈夫か…ここ…。
「んじゃ、みんな、後でなー!」
「うん。」
コツコツと音が響いている薄暗いこの階段は不気味だ。
さっき、凛花とも別れた。
だから、今は私1人だけ。
恐怖に押しつぶされそうな私は、手をぎゅっと握った。
ーー華菜sideーー
「うぅ…。」
こんにちは!柏原 華菜だよ!
え?語尾が違うって?テンションが違うって?
だって…あれ、「偽り」の性格だから!
ま、その理由はまた今度…。
コツコツ…
ほぇ!?誰か来た!?
背中から弓矢を取り出して、いつでも射てるように構える。
「なっ…侵入者かッ!?」
パン!と一本の矢を射る。
これは、警戒を表すための矢なのでわざと外す。
「侵入者ではないにだ…。ネウラさん…。」
「ッ!どうして俺の名を…ッ!」
一息ついてから、目の前にいる人物、ネウラさんに言う。
「菖蒲学園って知ってるにだ?」
「あぁ。あの、偏差値の高え学校だろ。」
よかった。ネウラさん、話は聞いてくれるみたい。
たまに、話も聞かずに突っ込んでくる人がいるから、その点は安心した。
「もう一つのクラス、知ってるにだ…?」
「…?」
どうやら…知らないみたい。
「それは、『菖蒲クラス』にだ…。殺し屋育成クラスにだ…。
菖蒲クラスは、全国殺し屋育成クラスでもトップ。
本部から伝えられた任務をこなす、
つまりは殺し屋として活動することをしているにだ…。」
前、博人さんに教えてもらった。
「菖蒲」じゃなくて、「殺め」だ。ってね。
「お、お、お前は何者だ!」
「私は………菖蒲クラスの柏原 華菜にだ…!個人、5位にだ!」
グループランキングだけでなく、個人のランキングもある。
私は、第5位。
だから…いける!
後ろから矢を取り出す。
「ネウラさん…さらばにだ!」
パッと矢を放つ。
「なっ……!クソッ!せめて、ひか…りだけ……は……」
意味深な言葉ののち、ぐったりと倒れたネウラさん。
ひかり。
このワードは覚えておこう。
ほんの少し血生臭いこのフロアは行き止まり。
私は、ネウラさんから『カード』をいただいてからこのフロアを背にし、2階の博人がいるフロアに向かった。
「博人さん、無事だといいにだ…。」
続く。
過去を振り返っている暇はないので任務こなします。
〜博人side〜
啓達と別れた僕は、2階のフロアに今いる。
この2回は、取引が行われる場所。
「……ら!……い…よ!」
「……あ?………も……い……ら。」
遠くで話し声が聞こえる。
しかも2人。
念のため、ということで銃を取り出す。
弾は…きれてない。
声のする方に静かに近づく。
「だーかーら!聡太も手伝って!」
「俺はいやだっつーの!」
まさか…な。
この人達が例の5人ではないことでは既に分かっているが、何らかの関わりがあるかもしれないから銃を構えて前に出る。
「その場で立ち止まれ!」
「ヒッ…!」
「んだよ…。」
1人、生意気がいるか…。
身長的に…小4ぐらいか。
「…名は。」
「江森…空デス…。」
「河本聡太。」
「何者だ。」
銃口を向けたまま訪ねる。
「エット、わたs…「俺らは商品だ。」…。」
2人が、か…………。
「お前ら…………
逃げる気はあるか?」
2人とも目を見開いている。
まぁ、そうだろうな。
見知らぬ奴が急に言い出したらそりゃあ驚くに決まってる。
しかも、思ってもいなかった「いいこと」を、だ。
「…ッ…。何のつもり?」
「別に。君たちを助けようと思う善意だよ。」
「そう言って、売ったり、殺したりするんだろ?」
「いいや。そんなことはしない。というか…むしろ助けなくてはならないんだ。任務だからね。」
「誰…ですか…。」
そうだ。自己紹介がまだだった。
「僕は、大田博人。小6。グループランキングは1位。個人は4位だよ。」
「「………?」」
あぁ。
なるほど。
2人とも、菖蒲クラスを知らないのか。
「まぁ、今知ってほしいのは僕の名前だ。
…さぁ。もう一度問おう。
君たちは逃げたい?YES or NO?」
「に、逃げたいです…!」
「お前が危害を加えないならな。」
え、まって。聡太くん、めっちゃ口悪い(((
そっか。反抗期か!(納得)
「OK。じゃあ、逃げようか。」
そのとき。
タッタッタッタッタ
足音がした。
「ちょっと待ってて。」
音のする方に行く。
タッタッタッタタ…
「立ち止まれ!」/「博人さん!いるにだ!?」
……なんだ…華菜か…。
銃口を下ろして華菜に言う。
「僕はいる。華菜、頼みたいことがある。」
「何にだ…?」
「こっちが空、で、その隣が聡太という人なんだが、この2人、商品のようなんだ。
僕は上に行くから、この2人を連れて来てくれないか?」
「いいにだ!でも…気をつけるにだ…。なんか、嫌な予感がするにだ…。」
「わかった。………空、聡太。彼女は柏原華菜。
語尾が特徴的な小5だ。華菜について行ってくれ。
じゃ、僕はここで。」
手につけたリングのボタンを押してワイヤーを出し、上の階の階段の手すりにひっかける。
ここが、螺旋階段じゃなければできなかっただろうな…。
ワイヤーが引っかかったのを確認して軽く前に飛ぶ。
「華菜、頼んだぞ!」
「博人さんも気をつけるにだー!」
シュッ!という効果音が似合いそうな速度で上に上がる。
「ドワっ!?」
「啓さん!?」
目の前には、ナイフを構えた啓さんが立っていた。
続く。
過去を振り返っている暇はないので、任務こなします。
〜啓side〜
「んじゃ、オレはここで!」
「気をつけるんだよー!?」
「もっちろーん!」
とは言ったが…。
一人になるとやっぱ怖い…((
オレの武器、ナイフは今日行く前に磨いているから問題ないが…。
腰につけている革製の入れ物にナイフは入れている。
オレはさっきからずっと入れ物に片手を当てていた。
っは…。
何怖がってんだよ。オレ。
オレらしくないじゃん。
『怖がってたらダメだよ!啓!』
耳に染み付いているのは『あの子』の声。
今も、その時の場面は鮮明に残っているし今もあの子の顔は思い出される。
………
ハッと我にかえる。
そうだ。今は任務中。
あんなことを思い出している暇はない。
前を見て進もうとした。が、
オレの頭と「何か」がぶつかった。
「…あ、ごめんなさい。」
サッと逃げ出そうとした……が……。
まぁ、そう上手く行くはずもなかった。
「ンア?…誰だよ。お前。侵入者カァ!?」
この人は…
「ワトウさん…。」
新島和島。
それは、ぶつかった人の名でもあり今回の人身売買に関わっている人物の名でもある。
つ ま り 。
オレは今、ターゲットの目の前にいるってこと。
本来ならチャンスなんだろうけど…。
『あの子』の声が離れずにいるせいか、手を出すことができなかった。
「ハァ?何でガキがオレの名を知ってんだよ…。」
オレは、自分に喝を入れてはっきりとした声で言う。
「菖蒲学園って知ってますか?」
「あぁ。頭のいい小僧達が入る場所だろ?」
え、口悪。
そんな感想は口に出さずに留めておく。
「菖蒲学園にある、菖蒲クラス…。それはご存じで?」
「んなこたぁ知ってんに決まってんだろぉ!?オレは情報担当なんだからなァ!?」
「そうですか。大変失礼致しました。
では…個人ランキング第3位の人物をご存じで?」
「…小野啓だろ?」
「ご名答。」
このひt((ワトウさん、情報担当だからかなり知ってるみたいだな。
「何でこんなこと聞くんだよ。」
ほぉ。そこを聞きますか。
「…いいでしょう。教えて差し上げます。
オレが、その「小野啓」なんです。」
瞬時に背後に回り込みワトウさんの首にナイフを当てる。
「なっ…!?おい!しんn「言わせませんよ?」…ガッ…!」
スッとナイフを横移動させる。
「高津…ヒカリ…さ……ま……。」
そう言い、ワトウさんは動かなくなった。
………
高津ヒカリ…!?
そう。
この名前はさっきから言っている『あの子』と同一人物なのだ。
ヒカリは…
ヒカリは…
全部……
全部……
オ レ の せ い な ん だ 。
何が何だかわからなくなって、オレは走っていた。
ただ走っていた。
階段に向かって走って行った。
その時のオレは物事を考えることがほぼ不可能だった。
「あああああああああああああああああああああああああ」
「啓さんっ!」
オレは、急停止した。
「あぁ、博人…。」
「啓さん…無理しないでください。」
「あぁ。」
俺の頭の中はごちゃごちゃしてるとは、一言では言い切れないくらい混乱していた。
続く
過去を振り返っている暇はないので、任務こなします。
~凜花side~
「じゃ、凛花、またね〜。」
「うん!春乃、気をつけるんだよ〜?」
「もっちろーん!」
春乃と別れる。
…カチャリ
弾を入れ直す。
正直、めっちゃ怖い。
「あっれれっー??何で君がいるのかなぁ〜??」
バッと声のする方を振り向く。
「セロ…。」
山口世路。
ターゲットの一人だ。
パリピらしい。
「へぇ…。俺の名前、知ってんだ〜?」
「只者ではないので。」
「ふぅん…。」
「君は誰だい?」
「…菖蒲学園、菖蒲クラス。個人2位の韮山凛花よ。」
一旦、言おうかどうか躊躇したが、相手に逆らわない方がいいと考え、簡単な自己紹介をする。
「あ、君があの凛花ちゃんか〜。聞いたことあるよん♪
…ねぇ、君がいるってことはさ、佐倉春乃も来てるんだろ?」
「さぁ?」
ここは答えない。
はぐらかすだけだ。
「え〜教えてよ〜。居るの?YESorNO?」
「答えられないです。そもそも、誰ですか?」
セロの顔を見て言う。
今思えば。
それがいけなかったかもしれない。
言った直後に気づいた。
セロは、表情から色々読み取れるってね。
「そっかー。でもね、凛花ちゃん。顔に出てるよ?
『春乃はいる』ってね。」
焦った。
春乃には危害を与えたくない。
「俺ねー。嘘をつく人って、大っ嫌いなんだー。」
キラリと光るセロの目。
まずい!と思って
後ろに引く。
でもそれは少し遅れてしまって。
私は地面に仰向けになって倒れていた。
「っ!」
「さーて。どうしようかぁ…。
嘘をついた君にはきつーいお仕置きが必要みたいだね。」
「な、なにをするのっ!?」
「ねぇ、君にとってつらいことって何だい?」
顔をそらす。
私にとって、辛いこと。
それは、春乃が苦しんでいること。
「なるほどねぇ…。春乃が苦しんでるところ、ねぇ…。
君、本当に殺し屋?
気持ちが表情に出すぎ。」
そうい言った後、セロは私の首に手刀くらわす。
私は、意識が遠のく感覚を覚えた。
過去を振り返っている暇はないので、任務こなします。
〜春乃side〜
階段を上がった先にあるのは広間。
今回のターゲット、つまりは、人身売買の主催者とその部下たちはここで話し合いなどをしているらしい。
他にも、あまり良い言い方ではないが…仕入れ等もしているのだとか。
そろそろみんな終わったかな…。
広間の先にもたくさんの廊下があり、未だ誰一人会っていない。
耳につけた通信機のボタンを押して話しかける。
「こちら、佐倉春乃。担当の階が終わったのであれば教えてほしい。」
返事はすぐに来た。
「こちら、柏原華菜にだ!任務終了。ネウラ一名を仕留めたにだ〜!
それと、例の二人。
私が預かってるにだ〜。」
「こちら、大田博人。ターゲットはいない。代わりに例の二人を発見。」
「こちら、小野啓。ワトウを仕留めた。現在、4階と5階に博人と向かっている。」
………。
「韮山凛花。応答できるか?」
………。
「凛花さん…?」
………。
「凛花……?」
………。
応答なし、か…。
きっと忙しいのだろう。
そう思っていた矢先。
「あーあー。聞こえるー?」
凛花ではない、何者かの声が聞こえた。
「アンタ……誰。」
通信機を通じての会話。
「んー?俺ー?」
「あなた以外に誰がいるにだ…。」
華菜は若干呆れ気味。
「俺はー。
山口世路。」
ッ!?
「凛花さんは。」
博人が声を低めて言う。
「あっは、博人君。怖いねーw
大丈夫だよー。ま、さっき寝ちゃったけどねw」
「何をするんだ!?」
啓が声を荒げる。
「んー?そうだねぇ…ちょっとした『お仕置き』をしようと思ってね。
凛花ちゃん、俺に嘘をついたからねー。」
「何をするにだ!?」
「あ、そこ聞いちゃうー?」
まだ、私はターゲットを見つけてすらいない。
声を上げたい気持ちは山々だが、不意打ちを避けるためになかなか喋れない。
「凛花ちゃんの辛いこと。つまりは………
佐倉春乃。君が苦しむ姿を見せるために移動させようと思ってんだ♪」
「ハァっ!?」
つい、声を出してしまう。
「あ、そうそう。1階で1人。2階は0人、3階で1人。4階では俺1人。
つ ま り ?」
「5階の私がいるところには…2人……!?」
「そゆこと。で、今から俺も向かうからー?」
「3対1ってことか…。
ただ、啓達が来るわ。」
「ざんねーん。まず、華菜はその、例の2人と一緒にいるわけでしょ?
博人は、啓と一緒にいる。
心の優しい博人は先輩でもある啓を置いていけないんだ。」
「啓さんと、今5階に向かってますが?」
「うん♪知ってる。今から足止めするんだよー♪」
「啓、通信機外してッ!」
でも、それは遅くて。
「ねぇ、啓。
高津ヒカリが不幸にあったのは、
君 の せ い な ん だ よ ? 」
「君が弱虫だから、ヒカリも巻き込んだんだ!
いい加減、認めたらどうだい!?
全部、啓のせいだ!
啓が、ヒカリの人生を狂わせたんだぜ!?
何年経ったかなんてわからないほど月日は経った。
それなのにまだ、謝りもしてないじゃないか!?
何も変わってないんだよ!
結局、啓は弱虫のままだ!」
一気に捲し立てるセロ。
「俺の……せい……。」
「そうだ!君のせいなんだよ!弱虫君!」
「や………。」
「やっぱり君はノウナシだ!」
「うわあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」
「「「啓さんッ!?/啓にだ!?/啓!」」」
「博人、啓は!?」
「ダメだ…。塞ぎ込んだ…。」
「ッ…。博人。例の2人をそこに置かせて。
華菜!急いで5階に!」
「わ、わかったにだ!」
「ハハッ。いい気味。華菜ちゃんが来たところで3対2だし、大人と学生という大きな差があるだろう!?
華菜ちゃんは来ない方がいいよ。
来たところで…ね?」
「それでも行くにだ!」
「ハハッ。じゃあ、ハンデをあげよう。華菜が来るまで待ってあげよう。
代わりに、華菜が来たことが分かれば一斉にかかろう。
……どうかな?」
悔しいが、ここはYESとしか言えない。
正直言って、今のところ勝ち目は薄いということがハッキリしている。
まさか、こちらが3対1になるとは思っていなかったから。
それなら、勝率が上がるように、華菜が来るまで待ってもらったほうがいい。
「いいよ。そのルールでいきましょう。
華菜。聞こえた?」
「聞こえたにだー!」
「いい?『確実に』2人を博人に渡してからなるべく早く来て。
博人。啓のことは後で聞く。無理に話は聞かないで。
それと、2人をよろしく。」
「わかりました。」
「話は以上かい?」
「……えぇ。」
「では、」
「「「また後でお会いしましょう。」」」
そう言ってから通信を切る。
さーてと。
中々厄介で、面倒なことになったな…。
そんな考えを胸の中に収めて、華菜が来るのを5階の入り口で待つのだった。