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目次
パラノーマルマジック①
新シリーズになります。
「何だこれ。」
レイヴン通り258番地。私、カスミの家がある。15歳になった今日、ポストに郵便が届いていた。
「パラノーマル魔法魔術学校…」
聞いたことないな。封を開けてみると、私宛の手紙が入っていた。
『カスミ様
突然のお手紙、申し訳ございません。私はパラノーマル魔法魔術学校で教師をしている者です。単刀直入に言います。カスミ様には魔法使いとしての素質があります。ぜひ、私共の学校に入学していただきたく思っております。来年の4月、入学式があります。そこでカスミ様にお会いできるのを楽しみにしております。』
「………は?」
私は目を見開いた。お会いできるのを楽しみに…え、私が入学する前提で手紙書いて来てんの?怖っ。素質とかマジで意味わかんないんだけど。そんなんどこで調べてんだよ。
「おとーさーん。」
「なに?」
私は台所にいるお父さんに、手紙を見せた。
「へえ〜魔法学校ね〜。いいじゃん。行けば?」
「いや、一人娘をそんな簡単に行かせるとは思わなかった。」
こんなあっさりOKが出るとは…
「寮生活だからお父さんにはなかなか会えないよ?」
「連絡手段なら電話なり手紙なりあるだろ。嫌になったら帰ってくればいい。」
そう…なのかも。
「うーん…じゃあ行こうかな。」
「おう。頑張れ。魔法身につけたらホウキで空飛んだりすんのかな。楽しみにしてるよ。」
「それはわからん。
こうして私は、パラノーマル魔法魔術学校への入学を決めたのだった。
(続)
さーてさて、どうでしょうか?短いですよね知ってます。これはどういうストーリーの進め方をすればいいか考え中です。これからキャラがだいぶ増える予定ですので頑張るぞー。
パラノーマルマジック②
2話です。
「重っ…」
私は大きなバックを持って駅にいた。今日入寮式で、明日が入学式。かさばる服とかはまとめて寮に送ってある。
「じゃあね。行ってきます。」
「頑張れよ。」
見送りに来てくれたお父さんに手を振り、乗車券を確認する。乗車券には『2/58乗り場4番列車』と書かれていた。ダメだ、意味がわからない。てかそんな乗り場あったっけ?
「あ、君もパラノーマル行くの?僕もだよ!」
声のしたほうを見ると、小柄で金髪にそばかす顔の少年が立っていた。私と同じ、パラノーマル指定のローブを着ている。
「僕、ケンジ!よろしくね!」
人懐っこいタイプっぽい。あ、もしかしてこの子列車の乗り方知ってるのかな。
「この乗車券ホント意味わかんないよねー。この乗り場に行くには、駅構内を4周すればいいんだよ!」
ちょっと今、信じがたい言葉を聞いた気がする。駅構内ヲ?4周ダト?
「ほら行こ!列車出ちゃうよ!」
「えぇぇぇぇ⁉︎」
ケンジに手を引かれ、駅構内を4周した。途中で段差につまずいたり、人にぶつかりそうになったりなどてんやわんやだったけど何とかできた。ケンジは結構足が速くて、着いていくのが大変だった。
「ここが…2/58乗り場か…」
看板は錆びていて、古い感じがする。ここにいる人たちみんな、4周走り回ったのだろう。ベンチに座り込み息を整えている人や、膝に手をつきハアハア言ってる人もいる。
「2人共、パラノーマル?ボクも。」
オレンジ髪で温厚そうな優しい顔、この人もパラノーマルへ行くのか。
「ボク、ジュン。よろしく。」
「私、カスミ。」
「僕、ケンジ!よろしく!」
早速友達できたな〜。嬉しい。これで向こう行ってもやっていけるかな。
変わらず短めですが短い方がウケいいんでこのまま行きます。眠気がすごいです。おやすみなさい。
パラノーマルマジック③
「新入生の皆様には自分の可能性を信じ、前向きに進んで頂きたいと…」
今は入学式の最中。椅子に座って聞いているけど、やっぱり校長の話は長い。数人寝てるし。ケンジは目をキラキラさせてホールの中を眺めていて、ジュンは寝そうになるのをなんとか堪えているようだ。私はというとステージの右端に並んでいる先生達を見ていた。多分あの中に、私達の担任の先生がいるのだろう。そしてケンジとジュンも、私と同じクラス。なんか安心。
「それでは担任の発表です。一年、オサム先生、二年、リュウ先生、三年、アキ先生になります。」
うわー…もちろんだけど全員知らねえ…
「これにて、入学式は終了です。新入生の皆様は、自分の教室へ向かってください。」
づがれだー。これから教室行かないとかーめんどくせー。てか一学年一クラスしかないのか。まいっか。どーでもいい。
「楽しみだね。新しいクラス。」
「そだね。」
ケンジとジュンと共に、教室へ向かう。お、席も二人と近い。
「全員揃ってるー?私はオサム、今年、この一年の担任をするからよろしくね!」
へえ、男の人なのに一人称『私』なんだ。あと、すごいイケメンだ。
「私は主に、魔術の無効化を教える。それ以外は他の先生がやってくれるよ。てことで、これからよろしく。」
『よろしくお願いします‼︎』
いやー、今年一年楽しみだな〜。
遅くなりましてすみませんお久しぶりぱるしいです。久しぶりなのに短すぎて自分に腹立ってます。このお話結末が考えにくいですね。
パラノーマルマジック④
「はーいみんなおはよー!一限目は、魔術適性診断するから二番ホールに集まってね!」
『うぃーっす。』
翌日。ホームルームで先生がそう言った。適性がどんなものかはよく知らないけど行かなきゃだもんね。
「ねえカスミ、思ったんだけどこの学校人少ないよね。一学年一クラスだしその一クラスも人数多くないし。」
「それな。魔法って多分珍しいもんだけどにしてもね。」
ホールまで移動しつつジュンと話す。
「ふっふっふ。君達が学ぶのは魔法だけじゃないよ。ほら、ホール着いたよ。」
私たちの方を向き、ニヤニヤと笑う先生。ホールはかなり広いけど暗くて、中心には水晶がいくつか置いてあった。
「まず、この水晶に自分の利き手をかざす。一人三つのうち二つは何かの色になる。赤になったら火、水色になったら水、みたいな感じで適性がわかる。大体一人二つぐらいかな。残りの一つは何か文字が浮かび上がって来る。Bだったらビースト、みたいな感じで魔法を出す時に使うものの適性がわかる。」
ざっと説明を受けた。よくわかんないけどやればわかるか。
「じゃ、全員並んでー。で、手かざすと…」
私たちは水晶に手をかざす。私の水晶は普通の黄色と発光する黄色に変わった。残りの一つには『K』の文字が浮かび上がっていた。
「黄色か〜。レアだね。」
「え、そうなんですか?」
いつの間にか後ろに来ていた先生が水晶をのぞき込み言った。
「魔術御三家ってものがあってね。昔から強い魔力を持った人が生まれる一族のことをそう呼んでいるんだけど、『雷の一族』、『氷の一族』、『血の一族』が御三家ね。で、黄色の水晶は雷の適性の色だから……カスミは雷の一族の出身ってことだね!」
「はあ⁉︎」
いや何それ。マジで人生16年目で初めて聞いたよそんな事。
「Kってなんですか?」
「Kか…クナイかな?」
「クナイ?」
「こんなの。」
先生が取り出したのは先が尖った細い持ち手の武器だった。
「魔法関係無くないですか?」
「適性がこれならしゃーない!発光してる方の適性は多分電気だよ。。ケンジとジュンの適性は…ケンジが風と霧、ジュンが雪と煙で…これパワーか。ケンジの適性ビーストってことは魔獣使って戦うんだよ!すごいじゃん!」
私の話に答えつつ二人の方を見る先生。
「ジュンと戦う道具の適性何も出ないね。てことは素手か。」
「素手⁉︎」
「怖いかもだけど魔法使えばそういうの関係無いからね。」
先生淡々と言ってるな…スゴイ。不安も多少あるけど、これからが楽しみだな。
*
「で、ボクの考えは…カスミ?」
「え、ごめん聞いてなかった。」
授業中。グループで話し合う時間なんだけどどうも話が入って来ない。
「あー、お腹空いたね!」
「だよねー。」
食堂のご飯美味しいからな…今日何食べよう。
「カスミ、ノートまっさらじゃん。みんな疲れてるみたいだし、ここまでにしよっか。あ、だいぶ先の話だけど連絡ね。この学校って、レイヴンだけじゃ無くてストリクスにも同じような学校があるのね。で、夏休みになったらそのストリクスの方行ってそっちの生徒たちと交流会的なのするから覚えといてね。」
ストリクスって…めっちゃ遠い街だった気がするんだけど。
「じゃ、また午後にね〜。」
めんどくさくて長めにしましたぱるしいです。レイヴンとかストリクスってのは地名のことです。カスミの家はレイヴン通りにあるので。(覚えてる人いんのかな?)レイヴンってのは確かワタリガラス?だったかな。ストリクスは梟です。鳥の名前にするとかっこいいし楽。
パラノーマルマジック⑤
「ふんっ。」
お昼の食堂。私は力任せにカレーパンの袋を開けた。
「カスミなんかイライラしてるの?」
「べっつに。」
ゴロッとした牛肉とピリッとしたルーが美味い…じゃなくて。パンの感想言ってる場合じゃない。入学してから一週間が経つけど、特にトラブルも何もない。多少なんかあったほうが面白いのにー。
「適性のあれ、何だったんだろーね。」
「わはんない。」
「パン喉に詰まらせないようにね。」
ジュンが差し出してくれた水をありがたく飲む。
「ぷはっ。ホントにさー、意味わかんないよね。何だよ御三家って。初めて聞いたわそんなの。」
「僕も聞いたことないなー。」
「初耳だよね。」
そこについて考えることはやめて、とりあえずパンを平らげた。
*
「ふぅー…あったか…」
夜。寮にある共同のお風呂に入る。一人でぽやーんとしていると同じクラスの子が来た。確か…メリだっけ。
「あら、カスミもいたのね。」
「うん。」
お互いにあまり話したことが無かったけど、二人だけなので打ち解けた雰囲気で話す。
「メリの特技って何?」
「そうね…裁縫とか?」
「すご。私ミシンがめっちゃ苦手。」
「そーゆーカスミは何なのよ?」
えーなんだろう……とっさに思い付かないな…
「スポーツ…とか?走るのは割と得意なほう。」
「へえ〜。そういえばあなた、雷の一族の出身なんだっけ?」
「私もよく知らない。コセキトーホンとか見たことないし。」
「戸籍謄本なんて子供が見るもんじゃないでしょ。」
「それもそうだね。」
それから二人で先生がどうだの先輩が気になるだの色々なことを話した。すると、メリがおもむろに立ち上がった。
「私、負けないから。」
「え?」
「どんな家柄だろうと私、カスミに負けない。」
「……友達と書いて、ライバルと読むってことね。」
「はあっ⁉︎私たちいつから友達になったのよっ!」
のぼせたのか照れなのか顔を真っ赤にして言うメリ。
「ま、まあ、ライバル…ね。そうね。友達なんかじゃ…」
ツンデレだな〜。
「それはそうと、これからよろしくね。」
「ん。よろしく。」
サーティワンではマスクメロンを必ず食べるぱるしいです。最近は食べたいもの多すぎてよくわかんないです。なんでかわかんないけどパラノーマルは長めに書きやすいんですよね。次回どうしましょう。
パラノーマルマジック⑥
「サンダーディストピア、とか?」
「魔法っぽくなくない?」
それから1ヶ月後。5月。あれからケンジとジュンと私の輪にメリが加わり、仲良く賑やかに過ごしている。魔法の訓練もだいぶ慣れて来て今は自分の技に名前を付ける会、なるものを授業でやっている。
「てかディストピアってなんなの?」
「暗黒世界とかそんな感じ。」
「このお話魔法使いの話なのにそんなバトル漫画みたいな…」
「ストーップ!それ以上メタい話しないっ!」
メリってそういうこと言うタイプだっけ…?
「スノーなんとか…スノー…」
「目眩しとかに使うからスノーラビリンスは?」
「雪の迷宮か。いいじゃん。」
男子たちはかなりいい感じで話が進んでるみたい。
「メリの適性なんだっけ?」
「花と幻惑。」
「幻惑…イリュージョンメシアとか?」
「メシアって何?」
「救世主のこと。」
直訳すると『幻惑の救世主』ってことかな。
「イリュージョンがダサいのよね…」
「えー、じゃあ…ペルソナメシア!」
「人格の救世主ってこと?幻惑だからまあ合ってるかな…」
「じゃ、採用で。私どんなのにしよっかな〜。」
サンダーなんとか…サンダーなんとか…
「サンダーラジカル!」
「稲妻の過激?それならラジカルサンダーの方がよくない?」
「ラジカルサンダー。いいじゃん。」
「あとはサンダーテンペストとか?雷の嵐的な…」
さらに良き!メリよく思いつくなあ……
「メリセンスあるね!サンダーテンペストにしよ。」
ケンジはどんなのにしたんだろう。
「ねえねえ、ケンジはどんなのにした?」
「アンノウンウィンド!」
「未知の風かあ…かっこいいね!」
「君たち、かっこいい名前考えるの楽しいしいい感じだと思うけどその技の名前の通りのことができるようにね。」
そばで見ていた先生が言う。
「来月から本格的に適性外の魔法もやるから、覚悟しときなよ。」
おお、先生の笑みが怖い。
「とりあえず来月やることについて。三番ホールでリュウ先生の授業。黒魔術の授業ね。アキ先生の授業は治癒魔法の授業。私の授業めっちゃ減るけどそういう決まりだから覚えといてね。近いうちに三年生との合同訓練もやる予定だから。」
イベント盛り盛りやん。頑張ろう!
*
「貴様らが一年だな。二年の担任のリュウだ。俺の適性は闇だが貴様らに教えるのは黒魔術だ。へばった時点で置いていかれると思っておけ。」
六月。早速リュウ先生の授業……なんだけど。怖い。目力で人殺せるレベル。着てる真っ黒の外套暑そう。二年の先輩いわく生半可な覚悟で行くと多分死ぬ、らしい。
「とりあえず黒魔術を使う時には全員この杖でやれ。鉄製で重いが慣れれば手に馴染む。言っておくが黒魔術は魔術と言っているが一種の呪いだ。呪文は大体ブラックが最初に来る。ブラックイージスとかだな。あとは見て覚えろ。とりあえず誰か一人俺のところへ来い。それ以外はペア組んで戦っとけ。」
とは言ったものの、誰も先生のところへ行かない。なので私が行くことにした。
「カスミです。お願いします。」
「貴様、確か雷の一族の者だな。」
「らしいですね。」
そりゃ知られてっか。
「あとで黒魔術の呪文が書かれた本を全員に渡すから呪文と内容はそれ見て覚えろ。一応口頭でも伝える。『ブラックイージス』が主に防御に使う呪文。出したい時は杖を左に振る。『ブラックグラビティ』が重力を操る呪文。右手で杖を回すとできる。やり過ぎると杖が砕けるがな。『ブラックグングニル』は攻撃に使う呪文。相手に突き刺すイメージで杖を振るとできる。『ブラックネクロマンサー』が幽霊などを召喚することができる。正面に円を描くように杖を振るとできる。もっとあるがざっとこんなもんだ。」
重力操れるのか…!楽しそう!
「貴様は地頭が良いようだから今のでざっと理解しただろう。じゃ、手合わせ願おうか。」
「そのために来てますから。」
私は重い杖を構えた。
呪文とか技の名前決めるためにカッコいい英単語調べてたぱるしいです。めちゃ楽しかったけど疲れました。中二病感凄いですね。このお話は鏡の花と未来よりだいぶ長くなる予定です。
パラノーマルマジック⑦
「ブラックグングニル‼︎」
お、早速攻撃だ。槍のようなものが飛んでくるのを間一髪で避ける。
「これぐらいならまあ、避けられるよな。貴様、黒魔術について知っていることを言ってみろ。」
いや何なん急に。
「えーっと…まず魔術と言ってるけど一種の呪いで…。」
あ、先生の姿が消えた。てことは…
「ブラックイージス‼︎」
後ろから感じたえげつない殺気と風を切る音で攻撃が来るとわかった。防御を繰り出し、またも攻撃を避ける。
「よく気づいたな。」
「殺気出しすぎですもん。」
どんどん先生の動きが速くなる。
「これ授業よね…?」
「公開デスマッチだねー!」
「そんな明るいテンションで言うことじゃないでしょ…」
メリたちの声が聞こえる。たしかに授業っぽくないよね。
「貴様ら‼︎喋っているのだったらこちらへ来い‼︎時間は有限なのだぞ‼︎」
うおー、名前の通り龍みたいだな。怖っ。
「カスミ、お前はもういい。次回も期待している。次は誰だ?」
「あ、僕お願いしまーす!」
ケンジか…まあケンジなら大丈夫かな…楽しそうにエグいこと言うからな、ケンジは。
*
「疲れたわー。」
「疲れたねえ。」
授業が終わり、お昼休み。私たちは疲れて机の上に突っ伏していた。
「次の授業何だっけー?」
「座学。私寝るかも。」
もうお昼ご飯を食べる気力もない。とりあえず買った紙パックのジュースを勢いのままに吸う。
「君たち、疲れてるのはわかるけどお昼ご飯抜くと夜までキツいよ。」
めちゃくちゃいい声が聞こえたので聞こえた方を見るとムカつくほどイケメンなオサム先生がいた。
「カスミ、なんか不機嫌だね。」
「顔良すぎて腹立ってきたんですけど。」
「え、ひどい。」
すしすきーの友達からおたおめイラストもらいましたぱるしいです。今日は朝イチで東武動物公園行ってハイキューコラボを堪能してその後駿河屋っていう中古だけどアニメグッズとか色々売ってるとこでヒロアカのでけえ缶バッジとかヒプマイの色紙とか買ってもらいました。それから組長娘と世話係のコミックス3巻までとりあえず買いました。駿河屋はマジでおすすめです。さて、今回は短めでしたね。前回頑張ったのでちょいとお休み回として。次回はきっと番外編。
パラノーマルマジック 番外編①
カ「カスミでーす!」
ケ「ケンジでーす!」
ジ「ジュンでーす!」
メ「メリよ。」
メリ以外「いや揃えろよ!」
メ「アンタ達テンション上げすぎでしょ。あとカスミ、アンタそういうキャラじゃ無い。」
カ「それもそうだね。てことで…」
作「ちょっと待ったーーっ‼︎作者を置いてくなー!今回は番外編ということでこの子達からの質問に答えていきたいと思います!ほら、手短に終わらせるよ。」
カ「作者がそれ言う?まいっか。じゃまず王道の質問するね。
キャラの名前の由来はなんですか?」
作「これ言っちゃっていいのかなあ…とりあえずカスミはマジでなんとなく決めた。ジュン達は文豪ストレイドッグスのキャラから取ってるんだよね。キャラっていうかほぼみんな文豪の名前なんだけど。ジュンは谷崎潤一郎から取ってジュン。ケンジは宮沢賢治から取っててメリはルーシー・M・モンゴメリから。オサム先生は太宰治から、リュウ先生は芥川龍之介、アキ先生は与謝野晶子からって感じかな。でもこれから出てくるキャラ達アキ先生以外文豪から取ってないよ。」
カ「パクリってこと?」
作「私はパクリと思ってないのでセーフ。はい次‼︎」
ケ「強引に進めるねー!次僕!
タイトルはどうやって決めましたか?」
作「マジックとかマジカルを入れるってのは決めてて、横文字にしたら大抵カッコよくなるから『超常』を英語にしたらパラノーマルだったから採用した。非現実的なお話だからね。」
ケ「いいねー。」
ジ「次ボクかな。
この作品のモチーフとなった作品はありますか?」
作「えーモチーフか…あの切符とかはハリーポッターのかなwそれ以外は特にないかも。」
ジ「思ったよりさっぱりしてるね。」
メ「次私?えーっと、
カスミの母親はどうなっているんですか?」
カ「それ私に聞いた方が早くない?」
作「えーと…ネタバレになるので教えられませんwちょっとだけならいっか。カスミの母親は…」
カ「それ以上言ったら雷落とすからな?」
作「ハイスミマセンデシタ。さて、今回はここまで!ありがとうございました〜!
男子「また本編で会おうね〜。」
女子「バイバーイ。」
質問コーナー楽しいんですよね。
パラノーマルマジック⑧
今日は治癒魔法の授業。アキ先生はボブカットの美人で、適性は花と虫らしい。
「前々から聞いてると思うけど、今日は治癒魔法の授業だ。実演したいとこなんだけどあいにく自分にはこの魔法が使えなくてね。誰か怪我してるやついないかい?」
授業が始まっていきなりそんなことを言うもんだから、みんな開いた口が塞がらない。
「じゃ、わざと怪我してもらうしか無いね。誰か痛みに強い奴、こっち来な。」
「じゃあ僕行きまーす!」
これから怪我するってのにいつものテンションのケンジ。
「じゃ、ちょっと失礼するよ。フラワーヴァイン‼︎」
先生が魔法で蔓を伸ばし、ケンジの腕に絡みついた。そのまま蔓を振り回す先生。
「うわーーっ!結構楽しいですねー!」
「ご協力ありがとね。」
魔法を解くと、ケンジの腕にはしっかり傷が付いていた。
「で、まずは傷があるとこに手を置く。そしたら治癒の呪文を唱える。色々あるが今回使うのは『ライトヒーリング』。軽めの怪我にはこれを使う。じゃあやってみるがケンジ、動くんじゃないよ。」
「はーい。」
「ライトヒーリング。」
黒魔術や私たちの技と違って治癒は技名叫ぶ感じじゃないんだ。
「治癒に関しては怪我した時にしか使わないから授業も少ない。その分他の授業で怪我した時に使えるから、覚えておきな。治癒魔法についてまとめた本的なの後で渡すから。あと、慣れるまでは魔術と一緒にこれ使え。」
と、包帯のようなものを全員に渡す。
「これはアタシの魔力が込めてあるから、怪我した箇所に巻くだけで自然と治る。足りなくなったらいつでも言いな。」
そこで、治癒魔法の授業は終わった。
*
「みんなお疲れ様ー!明日は三年との戦闘訓練だから、くれぐれも死なないようにね!」
帰りのホームルームで先生がいきなりそんなことを言った。
「そんな死ぬようなことでは無いと思うんだけど?」
「いや、リュウ先生よりはマシだけど君らより二年分多く経験積んでるからね。手加減無しで行くみたいだし頑張ってねー。」
メリの質問を笑ってぶった切る先生。この人が一番怖い。
「あ、対戦の組み合わせはこっちで決めとくからね。」
次回は長くなりまあす↑↑
パラノーマルマジック⑨
戦闘訓練当日。私達はあまり授業では使わない、学校の校庭に立っていた。一年生は9人、そして三年生も9人。
「えーっと、カスミはヒカゲと、メリはドーラと、ジュンとケンジはニードルと戦ってね。」
それから他の人の組み合わせを発表していく先生。ヒカゲってどれ?誰?
「カスミって君だっけ。俺、ヒカゲ。適性は炎と血。あ、わかると思うけど俺血の一族なんだ。カスミは雷の一族なんでしょ?よろしくね。」
向こうから声をかけてきた。赤い短髪にオレンジの瞳。マジで血の一族って感じの見た目してらっしゃるな。
「あ、はい。」
「カスミ。ちょっと来て。」
「?」
アキ先生に呼ばれた。
「カスミ、ヒカゲに勝ちたければ速さだ。とにかく速く動きな。あと、場所を広く使え。戦う時は先輩後輩関係ねえんだ。煽って行け。」
「それ言っちゃって良いんですか?」
「ヒカゲは一年生の時当時の三年生を戦い始めてから2分ちょいで吹っ飛ばしたんだ。お前がヒカゲに吹っ飛ばされちゃ困るからな。期待してんだよ。」
「はいはいどーも。」
適当にお礼を言い、ヒカゲ先輩と向き合う。
「よろしくお願いします。」
「よろしく。先攻俺からでいい?」
「別になんでも。」
*
早速鞭の様に変化した血が飛んでくる。鋭く、刺さったら痛そうなやつ。
「うーん。これ大体の人避けられないんだけどなあ。」
先輩が縦横無尽に動き、技を繰り出して来る。
「避けるばっかじゃなくてさ、やり返して来なよ。俺すごい一年生と戦うの楽しみにしてたんだよ?」
「ホントに手加減無しなんですね。」
私は先輩の腕から伸びているヒモの様に変化した血をひっ掴み、死なない程度の電気を流した。
「あ゛ぁ⁉︎」
電気のせいかイラ立っているのか先輩のがなり声が聞こえた。そして私はひっ掴んだ血をその先にいる先輩も含めてぶん回し、地面に叩きつけた。
「痛ぇ…強いね君。」
結構強めに叩きつけたけど、先輩はすんなり起き上がった。
「にしても、よくそんな真顔で人ぶん回せるね。慣れてる?」
「まさかまさか。」
「おや、そっちは勝負が終わるの早いね。」
お、オサム先生が来た。
「せっかくだからメリ達の戦い見学したら?」
「そうします。」
私と先輩はメリが戦っている校庭の東側に走った。
*
ああ鬱陶しい。ドーラ先輩の魔術に私はさっきから苦戦している。ドーラ先輩の適性は人形。人形を生み出し自由自在に操れる。それのせいでさっきから先輩の方に近づけない。
「ほーら、早くこっち来なよー。」
ふわふわしたセミロングの髪を揺らし、笑う先輩。性格悪いなホントに。
「さっきから、全然こっち来ないのね。先輩。」
「は?」
先輩の綺麗な眉がピクリと動く。私は畳み掛ける様に続けた。
「人形任せで、自分の力で戦おうとは思わないわけ?適性が出てるから一応先輩の力だけど、自分自身が動かずに私が戦ってるのは先輩じゃなくて先輩の操り人形達よね。」
「目上の人には敬意を払って敬語。わかんないの?」
さっきとは違い、ずっと低い声で言う先輩。
「そうよね。敬意を払うのに値する人格の人ならば、私だって敬語を使う。私は、先輩がその敬意を払うべき人格だと思えないだけ。」
「テメェなあ…」
「私はカスミと一緒。自分の思うまま、相手に遠慮なんかしないのよ。」
私はそう言い放ち、バラの棘を先輩に向けて飛ばした。
*
「目眩しだけじゃ、魔法使いはやって行けないよ。逃げるのは、魔法使いじゃなくて弱い一般人の仕事。」
クソッ、クソッ……さっきから煙で煙幕を目眩しをすることしかできてない。ケンジ起こすの風でなんとか動けているけど、先輩に全く攻撃を入れられていない。そもそもボクの適性もケンジの適性も戦闘向きじゃ無い…針をズバズバ飛ばして来る先輩との相性は最悪だ……!
「ジュン!」
「何!」
「雪でも煙でも無い適性あるでしょ?使いなよ!」
そうだ…この拳が…パワーがあるんだ。煙で目眩しを続けつつ、先輩の背後に回る。
「お前っ…いつこちらに…⁉︎」
「ついさっき、です。」
力をつけた拳で、先輩の脇腹をぶん殴った。
私にしては長くなりましたね。もうあとがき書くのめんどくなって来ました。にしても鏡の花と未来は九話だと結構終盤の方だったのにパラノーマルはまだまだ始まりですよ。次回はどうなるんでしょう。
パラノーマルマジック⑩
「てことで、合同訓練という名のデスマッチ、一年生の勝利〜!」
「疲れた。」
「私も。」
「嬉しいですー♪」
「寝たい。」
訓練終了後。一年生はケンジ以外疲れ果てた顔で立っていた。三年生達も何人か座り込み疲れているようだった。
「じゃ、来月はいよいよ夏休みだね〜。まあ一週間はストリクスで合宿だけど。みんな疲れてるみたいだし今日はここで解散〜。お疲れ様〜。」
*
時は過ぎ夏休み。私達はストリクス行きの列車に乗っていた。
「着いたらすぐ、戦闘訓練。一年は向こうの三年と、二年は二年と、三年は一年との訓練だからな。組み合わせは向こうで言うからとりあえず今はダラダラしとけ。」
ちなみに私の隣の席にはメリが座っており、向かい合わせにケンジとジュンが座っている。私もケンジもジュンも外出ということでワクワクしている中、メリは浮かない顔だった。
「どしたの?」
「会いたく無い身内がいるのよ。」
そうこぼし、メリは窓の外をじっと見つめていた。
*
「なあオサム。」
「なんですかー?」
相変わらずふざけた調子のオサム。いつもこんなんだがコイツはこういう奴だから放っておこう。
「カスミの相手、いくらなんでも強すぎやしないか?」
「ワタシはカスミに期待してるだけですよ。」
「でも学生最強とか言われてる奴に、ヒヨッコ一年が勝てるのかい?」
「アキ先生は心配性ですねえ。カスミはもう、というか最初からヒヨッコじゃ無いですよ。あんな躊躇なく三年をぶん回す一年なんてなかなかいませんから。」
確かに、あのヒカゲを容赦なくぶっ飛ばすのは私でも驚く。
「同じ御三家とはいえ、格の違いを見せつけられなきゃいいけどねェ……」
「大丈夫ですってw」
オサムの薄っぺらい笑みに不安を抱えつつ、手元の書類を見つめた。
ついに…ストリクス編に入るぞァァァ‼︎どうもぱるしいです。これからのお話は前々から構想を練っていたので書くのにワクワクしてます。やっと書けるぜェェェ‼︎一体このお話は何話まで続くのでしょうか?
パラノーマルマジック11
「久々の長旅だったねー。眠いわ。」
「よかった、酔わなかった。」
「ここも気温とかレイヴンとそんな変わんないね。」
二時間ほど列車に揺られ、無事ストリクス校に着いた。
「向こうにあるどでかいホールで待ってくれてるみたいだから行くよ。知らないところだけどはぐれないでね。」
先生の後ろに着いていく。学校の作りはウチと同じような感じだったけど、校舎が少し古びていてレトロな感じがした。
「じゃ、戦闘訓練のルールね。一対一で相手を殺さなければ基本何してもいい。はいお互いに握手!」
私が握手したのは、多分私の対戦相手の人。髪長いけど、男の人だよね。多分。手を触ると夏なのにだいぶ冷たい手をしていた。
「えっ、驚かないの?」
「何がですか?」
向こうがすごい驚いた顔をしている。
「いやだって…僕の手すごい冷たいでしょ?」
「別に、ひんやりしてて今の時期気持ちいですよ。」
そんな気にするほどじゃ無いと思うけどね。
「じゃあ解散。あとは各自で勝負してて。時々見にいくから。」
*
「改めて、カスミです。適性は電気と雷。なんか雷の一族らしいんですけどよく分かってません。よろしくお願いします。」
先輩は薄い青色の長い髪と同系色の綺麗な瞳が印象的で、めっちゃ美青年だった。
「僕、カルマ。氷の一族で適性は水と氷。手が冷たかったのは適性の影響っていうか氷の一族は基本みんな体温が低いんだ。僕は平熱が30℃ぐらいかな。」
低っ。普通の人だったら低体温症のレベルだけども。
「じゃあ、始めようか。ずっと話してると怒られる。」
「そうですね。」
私は先輩と向き合い、戦う姿勢を取った。
*
「わお。」
小さく風の音がし、氷の粉が舞う。瞬きした瞬間、先輩は氷を生成し、私の手が届かないほど上まで行っていた。一軒家で言うと3階の屋根ぐらいかな。
「すごいですねー。文字通り手も足も出ないですよ。」
「君の能力じゃここまで届かないと思ってこうしたんだよ。」
すると私に向かって氷の刃が飛んできた。
「ブラックイージス‼︎」
黒魔術用の杖ではなくいつものクナイだったけど、ちゃんと防御が繰り出せた。
「スカイハイ。」
私がそう言うと、私の体が一気に先輩の方まで上昇している。今の呪文は、この魔術界で『無属性魔術』とされている。今のような飛行魔法や変身魔法は無属性魔術だ。適性じゃないから覚えるのは大変だけど、時間をかけてちゃんとした人(先生とか)に教われば使いこなせるようになる。
「アイスアロー!」
今度は氷の矢が飛んでくる。近距離だったからクナイで弾き、お互い地面に着地した。
「すごいね。ホントに一年か疑いたくなる。」
「ありがとうございます。」
先輩が大量の水を放出し、私は膝ぐらいまで水に浸かっている状態になった。ふふふっ。なんと都合の良い。
「サンダーペンデュラム!」
私は水面に手を置き、雷を放った。振り幅の大きい技で、多い出力と少ない出力が数秒繰り返される。私だけじゃ無く先輩も水に浸かっているので、先輩にも電気は伝わってるはずだ。
「ゔッ…」
やはり痺れたようで、先輩は座り込んだ。あれ、これ私の勝ち?
「相変わらず早いねェ。アタシの心配は杞憂だったみたいだね。」
「あ、アキ先生。」
いつものように凛とした立ち姿の先生。
「他の奴らはまだ始まったばっかだよ。まだまだ時間あるから、二人で雑談でもしてな。」
先生はそう言うと、他の人たちの方へ行ってしまった。
*
「メリ〜、久しぶり〜♪元気してた〜?」
「はあーー………」
何でよりにもよってコイツとやんないといけないのよ…私の対戦相手は、マリ。私の姉だ。
「もー、久々なのにそんな顔しないでよーっ!」
このやたら間伸びした話し方も動きも好きじゃない。またドーラ先輩みたいな人と戦うのは嫌なのよ性格的に…
「まあ、お話は後でかなっ!早く戦お?」
「無駄話してきたのそっちでしょ。」
マリが嫌いなもの…毛虫だ!私は幻で毛虫を作り出し、マリの前にばら撒いた。
「は?何これキモ!」
私の適性『幻惑』は幻を作り出すことができる。小さいものや大きいもの、実際に使ったらすぐ消滅してしまうけど武器だって作ろうと思えば作れる。
「フラワーエクスタシー!」
大きくいい香りのする花を生み出す。
「フラワーヴァイン!」
そしてそこから蔓を生やし、マリを拘束した。
「あーもう瞬殺じゃーん。」
「ヘラヘラしてっからだよ。負けても反省とかしない訳?」
「しなくても勝てたからさあ。」
「アホらし。」
私はそう言い捨て、魔術を解いた。
もうどこで区切ったらいいかわからなくて過去最高の1910文字になったw
パラノーマルマジック12
「カスミがパラノーマル入ったのって何で?」
「いきなり家に手紙届いて私が入学する前提で書かれてたから…ですかね。」
「なるほどね。僕にもその手紙届いたけど、一番は…実家を離れたかったからかな。」
「?」
集合まで時間があるとのことなので、私は先輩と話していた。
「なんでですか?」
「ご存知の通り僕は氷の一族でしょ?父は優しい人だったけど、母が高慢というかなんというか…一族最強の魔力を持つ僕を立派に育てて他の一族とかに自慢しようとでも思ったのか、幼い頃から厳しい訓練を僕に課してたのね。自分の名誉のために実の息子に容赦なくムチを振るう母の元になんか居たく無かったから、パラノーマルに来た。パラノーマルに入ってからは一度も実家に帰ってないんだ。執事達も虐待のような訓練を見て見ぬ振り。父は別の一族から婿入りして来たから本家の母に指図したりできないんだよ。」
うわぁ…過酷。よく生きてるな…先輩は。
「僕、体弱い方だから厳しい訓練に耐えられなくてしょっちゅう体調崩してたんだ。それで体調戻ったらさらに厳しい訓練。精神への負担もかなりのものだった。」
なんか、聞いてるこっちが鬱になりそうなんだけど。
「クセ強いけど楽しい仲間に囲まれて、今はすごく楽しいよ。カスミは両親どんな感じなの?」
「そんなすごい人じゃ無いですよ。父は普通の製造業?だし。あ、母が雷の一族の出身らしいけど私は最近知ったので詳しくはよくわかりません。魔法使いの中じゃ有名人で、私が10歳の頃に死んだのは覚えてます。」
「あ、そうなの……なんかごめんね、辛い事話させて。」
申し訳なさそうに笑う先輩。
「大丈夫ですよ別に。」
「カスミ、全員終わったから集合だって。」
あ、ジュン来た。
「行きますか。」
「そうだね。」
*
「はーいみんなお疲れ様ー!あ、レイヴンの一年生は僕のこと知らないよね?僕はリン!ストリクス校で二年の担任してるよ!」
声デカいオサム先生って感じがするな。キャラ被りすぎじゃない?
「一応合宿期間は一週間だけど今日と明日と明後日頑張ればあとは遊びだから!頑張ろうね!」
あ、ちゃんと遊べるのか。よかった。
「でもさあー、僕としてはずーっと遊んでていいんだよね。夏だよ?夏休みだよ?プールとか花火とか楽しいこといっぱいあるし、何より君たち高校生なんだから青春しないと!まあもう春じゃ無いけど。もう合宿を交流会という名目に変えて遊ぶのもアリじゃない?」
「それもそうですね。」
「夏休みだものね。ちゃんと休みたいわ。」
「勝手に決めたら上層部が怒りそうだけどそれはガン無視で、一週間思いっきり遊ぶぞー!」
『イェーイ!』
*
「何故に大部屋…?」
「解せぬ。」
夜。先輩達と話しながらお風呂に入って着替え、荷物を整理しようと自分に割り当てられた部屋に行くと…大部屋だった。私てっきり学校の寮みたいに個室で寝泊まりすると思ってたんだけど。
「六泊七日だよね…なんでマリと一緒に六回も寝ないといけないのよ…」
「昔一緒に暮らしてたのに何言ってんのー。」
マリ先輩とメリか…似てない。髪型も雰囲気も。
「カスミ…だっけ?」
「あ、はい。」
誰だっけこの人。あ、そうだセイカ先輩だ。確かストリクス校の三年生。ドーラ先輩とかマリ先輩と違って大人っぽい。なんか私めちゃ失礼なこと言った気がする。
「よくカルマに勝ったね。カルマって学生最強って言われてるんだよ、知ってた?」
「いえ全く。」
「一族の中でも最強の魔力で…ってこれ本人から聞いたか。多分。」
「なんか聞きましたね。」
めちゃ過酷な話聞いたなー。
「私その話をカルマから聞いた時絶句したよ。コイツよく生きてんなって。」
「同感です。」
セイカ先輩ってなんか私に性格似てる気がする。私こんな面倒見よくないけど。
「カスミって自分の自慢できるとこ何?」
「そうですね…聴力、記憶力、諜報力ってとこですかね。あ、あと勘が鋭いとか。小学生の頃はその年の先生全員覚えてたし、クラスでみんながコソコソ話してるのは大体聞こえてたし……」
「流石雷の一族なだけあるね。」
「多分関係ないですね。」
先輩の褒め言葉(?)をバッサリ否定する私。
「そうだねw」
笑いつつ、浮かない顔になる先輩。
「どうしたんですか?」
「カスミ、滞在中にカルマのことちゃんと見ときな。」
「はい?」
「勘でしか無いけど、近々カルマがピンチになる。」
「はい?」
同じことしか言えないな。ガチで意味わかんないんだけど。
「とりあえず、カスミはピンチの時人を助けられる力付けた方がいいかもね。」
「あ、はい。」
何が何だかよくわからないまま、その日は眠りについた。
今回も思ったより長くなりました。次回どうするか全く考えてません。あと今作詞したいんですよね。(唐突)
パラノーマルマジック13
「カスミって飛行魔法スカイハイしか使えないの?」
「それ以外にあるんですか?」
「知らんのかい。」
二日目。私はセイカ先輩に稽古をつけてもらっていた。他のみんなは近くの川で遊んでいる。
「スカイハイは高く上がるだけでそれ以外に繊細な動きはできないでしょ?『フライシャドウ』っていう魔法はね、自分の影を具現化?してその上に乗って飛ぶ技なんだけど、それなら前後左右に飛び回れるの。ただ影を具現化するってことは影がある場所、要するに光のある場所でしか出せないの。無理矢理光を作り出せばできないこともないけどね。」
「私が雷を出してその光による影で発動させたりはできますかね。」
「んー、できるんじゃない。試してみよっか。」
とりあえず雷を自分の前に落とし、素早く呪文を唱える。
「フライシャドウ!おおっ。」
影がゆらゆらと浮かび上がり、私を上に乗せた。
「すごいですね。これからはこっち使うのもありかも。」
前後左右上下、自在に動く影に乗りながら思った。魔法使いってホウキ使うイメージだけど全然使ってなくね…?って。
「っしょ。」
「うん、降りる時も大丈夫そうだね。」
「魔法使いってホウキ使って飛ぶイメージでしたけど、全然使ってませんよね。」
「ふふっ。いつか習うよ。」
よかった。やることはやるんだ。
「カスミ、私カスミの過去知りたい。」
「唐突すぎるんですけど。」
「いいじゃん別に!減るもんじゃないし。」
「高三が何言ってんだか…いいですよ。」
「やったー。」
二人で涼しい場所に移動し、私は話し始めた。
短めなの久しぶりですね。ちょいと休憩しましょうや。
パラノーマルマジック14
話したく無い部分とかもあるのでめっちゃざっくりですよ。保育園から小3ぐらいまではめっちゃ自己中で気が強かったですね。今もですけど。小4の時に母親亡くして、それから仲良い子とクラス別れるし急にクラスでぼっちになるし散々でしたよ。中学の時は演劇部で割と楽しくやってました。上下関係めんどくさかったけど。それ以外は特記事項無いですね。
*
「マジでざっくりじゃん!カスミって人に昔の話しないの?」
「する必要が無かったので。」
「ごもっともw」
ガチで話せば10分ぐらいはかかるけどね。特記事項全部抜いて私の人生の流れだけとりあえず。
「そんなことより今日の夜なんか特別なことするらしいよ。」
「野宿だけは嫌ですね。」
「流石にしないでしょ。」
*
夜。私たち生徒はお風呂に入った後宿舎のでけえキッチンに集まっていた。
「皆今日一日どうだったー?カスミとセイカはなんかの特訓してたみたいだけど遊び倒すのも悪く無いよね!夕飯はこのデカいキッチンで自分達で作ってね!メニューも皆で話し合ってね、僕ら手伝わないから!」
『はーい。』
料理か〜。私あんまやったことないんだよな〜。ま、頑張るか!
約一週間ぶりですね、パラノーマルは。今日唐突にネタが降ってきたんで頑張ります。
パラノーマルマジック15
「はーい!じゃあメニュー会議しましょう!皆さん意見出してください!」
ケンジの一言で、テーブルに全員が集合する。
「カレー!」
「肉!」
「パスタ!」
「とりあえず一人ずつ言ってくださーい。メモしますね!」
皆すごい勢いで食べたいもの叫んでるな。私は青魚と辛いもの以外ならなんでもいいので後ろに下がり皆を眺める。すると、端っこのソファーにぽつんと座っているカルマ先輩が目に入った。
「先輩はなんか食べたいもの無いんですか?」
「うん、特には。僕そもそもこういうわちゃわちゃした暑苦しいとこ苦手なんだよね。」
「私もです。クーラー付いてても人の熱気で室温上がっちゃいますもんね。」
あのムンムンした感じ、あんま好きじゃ無い。
「カスミっていっつも手首にヘアゴム付いてるけどなんで?髪結んでるよね?」
割とどうでも良さそうなことを聞いてきた先輩。
「いつでも髪型アレンジできるように…?いや違うな、人に貸すためか……?」
「そんな深く考えなくてもいいのにwにしても、カスミって髪サラサラだね。綺麗。」
「先輩もなかなかですよ。あ、先輩の髪結んでもいいですか?暑そうですし。」
やっぱこういう長い髪は結んでみたくなるんだよなあ……
「ええ……まあずっと下ろしてると暑いし、お願い。」
「はい、じゃあ後ろ座りますね。」
んー、先輩ってどんな髪型似合うかな。無難にポニーテールか?でもハーフアップとかも似合いそう….よし、編み込みしてポニーテールにしよう。えーっとここをこっちに…やばいズレたな。ちょ、やり直しやり直し。
「できそう?」
「最後にここで結べば、はい、完成です。」
結構いい感じになった気がする。なんか、女子と間違えそうなレベルで美人。
「ありがと。なんか首元スッキリしたよ。」
「お役に立ててよかったです。」
これ女の私でも惚れそうなんだけど、やばい。
「ちょっとカスミ!先輩!何のうのうとヘアアレンジしてるんですかっ!めっちゃ似合ってるからいいけど!」
メリが人参持ってブチギレてるw
「とりあえずアタシのポテサラ作り手伝って!」
「あ、ごめんね。」
「エプロンどこ?」
*
『いただきま〜す!』
色々揉めたらしいけど、夕飯のメインは無難にハンバーグ。他のおかずには私たちが作ったポテトサラダや緑に輝く茹でたブロッコリーや味噌汁。
「ん〜、やっぱポテサラおいひいね〜。」
「アンタ呑気すぎなのよ。完成度はいいからもう怒らないけどねっ。」
「ツンデレだ〜。」
「はあ〜?ツンデレじゃないし!アタシのどこにデレ要素があんのよ!」
「そういうとこだっての。」
ハンバーグはいい感じに肉汁が出てきているし、デザートのグレープフルーツジュースが美味しい。
「肉には柑橘類必須だね。」
「そうね。」
この青春って感じ私はあんま経験したことないけど、好きだな〜。
最近バトル要素というかファンタジー要素どっかに行ってるのは許してください。コイツら後々大変になるんd……これ以上は内緒です。
パラノーマルマジック16
それから3日。私たちはあまり無い休みを使い思いっきり遊んだ。今は皆水着姿で近くの川で遊んでいるところ。2日目にも皆は川遊びしてたらしいけど私はセイカ先輩と特訓していたのでよく知らない。
「カスミって泳げるんだね。知らなかった。」
「こういう普通じゃない学校では水泳の授業無いもんね。」
ジュンはクロールぐらいなら泳げるみたいだけど、得意では無いらしい。夏の川なんて足浸けてるだけでも涼しいよね。
「川とか何年ぶりだろうな〜。」
「僕こういうとこ初めてかも…」
川辺の岩に座り足を水に浸けている先輩。
「そうなんですか?」
「ほら、うちって親厳しいじゃん。」
「ああ……」
休みは無いのね。しんどいな。
「皆〜!かき氷しよ〜!」
そして私たちよりはしゃいでいるリン先生。
「あ、シロップも選べるんですね!」
「私絶対イチゴ。」
「レモン以外全部味一緒じゃない?」
一人一人氷をかき氷器で削り、器に盛ってシロップをかける。私はレモンにした。ブルーハワイだと舌青くなるし。
「先輩はシロップ何にしたんですか?」
「僕?メロンとブルーハワイ半分半分にしたよ。一口食べる?」
「………いただきます。レモンも一口どうぞ。」
「ありがとう。」
出会ってまだ5日しか経ってないのに、もうここまで仲良くなれてるのすごい気がする。私コミュ障だったはずなんだけどな……うん、でも人と普通に話せるようになってるのはいいことだ。前向きに捉えよう。
「あーあ、明後日には帰るのかー。帰りたく無いなー。」
「別に、9月の連休にも合宿あるみたいだからそっちでまた会えるでしょ?」
「あ、9月にもあるんですね。」
なんか安心。
「でもそうだね……ちょっと寂しいの、わかるかも。」
と言って先輩は微笑んだ。その先輩の笑みは美しく、同時に寂しそうでもあった。
*
「一週間ありがとうございました!」
最終日。今は午後2時。レイヴンまで列車に乗っても時間がかかるからお昼ご飯を食べて、私たちは少し早めに出発する。
「セイカ先輩、色々ありがとうございました。また9月に。」
「うん。どういたしまして。あと、いいこと教えてあげる。」
「?」
先輩は私に小声で言った。
「カルマ、誕生日7月30日なの。」
「え、マジすか。」
明後日じゃん。
「だからね、次来る時……まあカルマの誕生日過ぎちゃうけど、なんかプレゼント持ってくると、カルマ喜ぶかもね。」
「ありがとうございます。そうします。」
「ふふっ。じゃあね。」
*
「カスミ、一週間どうだった?」
列車に乗ると、オサム先生が話しかけてきた。
「楽しかったです。色々勉強になったので。」
「9月のも楽しみだね。」
「先生なんもしてなく無いですか?」
「ひどいなあw」
このお話は何話までできるんでしょうか。もしかしたら30話とか行くかもしれないですね。
パラノーマルマジック17
8月。私は久しぶりに実家の前に立っている。なんと、夏休みとか長期休みは2泊3日で実家に帰れるらしい。メリはすっごい嫌そうな顔してたけど。
「ただいまー。」
「おかえり。久しぶりじゃん。」
「なんか長期休みは2泊3日で帰れるんだって。とりあえずお腹空いた。」
「はいはい。何食べたい?」
「オムライス。」
私は小学生の頃から休日には一回でもオムライスを食べるって決めてる。お父さんが作るのもお母さんが作るのも美味しくてすごい好きなんだ。
「荷物置いたら、お母さんに挨拶しなよ。」
「うん。わかってる。」
私は自室に荷物を放り出すと、隣のお母さんの部屋に入る。綺麗に掃除されているけど、もうここにお母さんはいない。たくさんの本や家族写真が飾ってある机の隣にある仏壇にはお母さんの写真。もうこうやってしか会えないのか。私は胸元のペンダントをぐっと握りしめ、泣くのを堪える。
「お母さん。私4月から魔法を学ぶ学校に入ったんだよ。面白い先生と、クセ強いけど優しい友達と、強くて面倒見のいい先輩に会って、色々学んだ。まだ一年生の8月だけど、これからお母さんを超えるぐらいの強い魔法使いになるから、ちゃんと見ててね。」
そう言い、手を合わせる。入学してまだ半年も経ってないのに、私少し変わった気がする。
「カスミー、できたよー。」
「はーい!」
*
「いただきまーす。ん、美味しい。」
「カスミはなんでも美味しそうに食べるよねー。」
「本当に美味しいからだよ。」
「そう言ってもらえると作った甲斐があるなあw」
もう8月か……季節って結構あっという間だな〜。
「あ、私後でちょっと出かける。」
「ふーん、どこ行くん?」
「友達が誕生日近いから、プレゼント買いに。」
「いいね。いくらかあげようか?」
「大丈夫。そういうお金はまた別の機会にもらうよ。」
先輩は友達に入るのだろうか。入ってると思いたいけどな。
「ごちそうさまでした。じゃ、行ってきます。」
「皿は置いといていいよ。」
「了解。」
投稿頻度爆上げなのは許してください。いいネタがバシバシ降ってきて続きを早く書きたくてほんっとウズウズしてるんですよ。午前だけで2話分投稿してる自分すごい。
パラノーマルマジック18
久しぶりの帰省を楽しみ、夏休みも明け9月。あと数分後にはストリクス校の人達が来るということでみんなワクワクしている。約2ヶ月ぶりに、カルマ先輩やセイカ先輩に会える。
「皆ー!もうそろそろ来るってー!」
「ハア……」
「何ため息ついてんの。」
メリが女子とは思えぬ顔をしている。多分、マリ先輩に会うのが嫌なんだろうな。
「メーリっ!久しぶりっ!」
「チッ。」
「1ヶ月ぶりに会う姉に舌打ち⁉︎」
そっか。二人共実家で会ってるのか。
「カスミー!久しぶり!」
「あ、セイカ先輩。お久しぶりです。」
「もー、堅苦しいなー!タメ口でもいいんだよ?」
「いや、落ち着かないので敬語のままで。」
後ろから髪を結んだカルマ先輩も来る。うん、相変わらず美人だ。
「お久しぶりです。」
「久しぶり。」
「あの…これ……」
「?」
私は買っておいたプレゼントを差し出す。
「だいぶ遅れましたけど、お誕生日おめでとうございます。」
「ふふっ。ありがとう。嬉しい。」
「先輩、髪結ぶの気に入ったみたいなので……」
私があげたのは青色の雫形の飾りがついた水色のヘアゴム。
「こういう女子っぽいもの使わないかもですけど、腕に付けてるだけでもいいかなーって。」
「本当に嬉しい。大切にするね。」
「はい……!ありがとうございます。」
なんか、視線を感じる。セイカ先輩か。
「カッスミー、ラブラブじゃんかー。」
「茶化さないでもらっていいですか。」
「照れんなよ〜。」
「雷落としますよ……」
「あ、ハイ。スミマセン。」
茶化されたので軽めに脅しておく。噂広められたらたまったもんじゃ無いわ。
*
「うーん、なんかしっくり来ない……」
「何が?」
やっぱり今回はがっつり魔術の教え合いをするらしい。で、私はセイカ先輩とペアを組み練習中。
「飛行魔法。フライシャドウでもいいんですけど、なんか違う気がするんですよね。コンパクトにパッと飛んでパッと移動して、みたいな感じにしたくて。」
「翼……かなあ。」
「翼?」
魔術で翼を作り出すってことかな。
「『ウイングクリエーション』って技があってね、それなら背中に翼を作り出して飛ぶ、ってこともできるよ。あんまり使ったこと無いけど。」
「あんまり使ったことないんですね。何でですか?」
「風の影響結構受けるからね。」
「なるほど。」
でもフライシャドウだと光がないとできないもんな…んー、スカイハイが一番いいんだろうか。
「でも、翼の方にします。」
「あ、そう。何で?」
「唱えるだけでできるの、楽なので。」
「ズボラかい。」
試しにやってみるか。
「ウイングクリエーション!」
お、マジで翼できた。ちゃんと飛べる。
「あ、もう夕方じゃん。そろそろ戻る?」
「そうですね。」
*
「じゃ、またね。次いつだっけ?」
「年末……とかじゃないですか?」
こうして、2泊3日の合宿が終わった。今回はくつろぐ時間がそこまで無かったけど、夏休み散々遊んだしいっか。
「カスミ、プレゼントありがとう。次会う時成長したカスミのこと楽しみにしてるよ。」
「期待に応えられるよう、期待の上を行けるよう、精進します。」
「頑張って。またね。」
なんか私、顔熱くない?
本日でパラノーマルを合計3話分投稿してます。休みっていいですね。
パラノーマルマジック19
僕、カルマは夜になっても眠れずに起きていた。次カスミに会えるのは年末だから、約1ヶ月半か。もう11月になり、朝も夜も冷え込む季節だし早く寝ないと。その思った時、部屋の窓のガラスが割れ、誰かが入ってきた。
「おいテメェ、氷の一族のカルマで合ってるよな。」
いきなりそんなことを聞かれた。そうだけど、なんなんだ急に。あなたは誰だ、と口にするより先に手足の自由を奪われていた。手は後ろで縄に括られ、足にも縄が巻かれて逃げようにも逃げられない。
「ボス、とりあえず捕えました。今から向かいます。」
長身で片眼鏡をかけた男は、電話で誰かと話している。
「お前、助けを呼んだり暴れたりすんじゃねえぞ。」
突然ドスの効いた声で言われ、黙ってうなずくしかない。男達は僕を抱え、星が瞬く冬の夜空へ飛び出した。
パラノーマルマジック20
「ジリリリリリ……」
「ぅあ?」
11月の朝4時。めっちゃ寒い中私は電話の音に起こされた。電話の音と言ってもいつも使っているスマホじゃなくて部屋についている職員室から直通の固定電話の方。
「はぁい、もしもし?」
『カスミ?今、ケンジとか他のみんなにも繋げてるけど、とんでもないトラブルが起こった。』
切迫した様子のオサム先生の声。いつものふざけた調子はどこ行った。
「何すか?」
『カルマが拐われたらしい。』
「は?」
そこで、私の目は一気に覚めた。
*
私は急いで寮を出て、パジャマのまま猛ダッシュで職員室へ向かった。バシーンと引き戸を開けると、ケンジやジュン、急いで飛んできたらしいリン先生やセイカ先輩、マリ先輩などストリクス校の人達もいた。
「先生、どういうことですか。」
「夜中、大体4時間ぐらい前に、カルマの部屋から大きな音がして何のことだろうって見に行ったの。そうしたら窓のガラスが割れててカルマを抱えた男数人が空を飛んでいくところだった。男達は私に気づいていないみたいだったけど、カルマだけは助けを求めるような顔でこちらを見てたわ。」
先生の代わりにセイカ先輩が説明する。いつも強い光を湛えている目も、今回ばかりは不安そうな感じだった。
「今はとにかくカルマを救出することを一番に考えよう。とりあえず作戦を……」
リン先生もいつものうるさい感じを封印して真剣な眼差しだ。
「ちょっといいですか。」
私は手を上げた。
「作戦も大事ですが、まずは先輩の居場所の確認を最優先にすべきでは?ここからその位置までどう行くか、それも作戦の一部です。ただ問題は、どうやって居場所を確認するかです。」
私は一息に行った。先輩をさっさと助けることも大事だけど、まずは一つ一つ、ステップを踏んで行かないと。
「それもそうだね。じゃあ、居場所を確認する方法をまずは考えよう。」
「今アタシが思いついたのをとりあえず言わせてもらうね。一、メリが幻を作り出し、その幻にカルマがいる場所に行けと命令し行かせ、場所を特定する。二、アタシが目立たない小さい虫を操り、カルマの元に行かせ、場所を特定。三、気配を消すのが得意な奴が上空を飛び回り虱潰しに居場所を見つける。一番成功率が高いのは多分三だけど、風を切る音とかでバレる危険性がアリ。一は、メリの作る幻がどれだけ持つかが問題。二は、虫が途中で鳥などに捕食されカルマの元まで辿り着けない可能性アリ。」
アキ先生がキツい眼差しで意見を述べていく。こんな時になんだけど、かっこいい。
「メリ、アンタの作る幻はどれだけの時間持つ?」
「今は丸一日ってとこね。めっちゃ頑張れば3日は持つけど。」
「丸一日あれば充分かな。とりあえず一度全員身支度をして、また集まろう。」
*
制服に着替えて朝ごはんを食べ、今度は多目的室に集まった。
「じゃあ、幻を作り出すわね。どんなものがいいのかしら?」
「とりあえず何かの鳥にしよう。早く移動できるし、見つかっても不自然じゃないからね。」
「わかった。出てきなさい、スパロウ。」
メリが言うと、可愛い雀の幻ができあがった。
「いい?あなたは今から『カルマ』という長髪の青年の元に向かいなさい。」
「チュンッ!」
そう鳴くと雀は窓から飛び立っていった。
「スパロウは先輩がいるところに着いたら私にその場所の座標を教えてくれるわ。」
「了解。じゃあそれ以外のところを考えよう。まず、カルマを助けにいくグループを戦闘班と救助班に分けよう。カルマを拐った男達は、カルマがいる場所に確実にいるはずだから戦闘班は場所に着いたら男達をシバこうか。救助班は、戦闘班が男達をシバいている間にカルマを救助。怪我をしている可能性も考えて男達のアジトから救出したらうちの学校の医務室まで運ぶ。どうかな?」
「賛成です。」
「いいんじゃない?」
オサム先生はどうしたらこんな短時間でこんな作戦を考えられるんだろう。ちゃんと見習わないと。
「あの、スパロウが居場所を突き止めたみたい。」
え、早くない?15分ぐらいしか経ってないけど。
「大体ここら辺かしらね。」
多目的室の大きな机に広げられていた地図の左端を指差すメリ。
「ここら辺、確か大きくて古びた石の塔があった気がするな。多分、カルマはそこにいる。」
「居場所を突き止めたね。次は救助班と戦闘班のメンバーかな。」
私どっちに入るんだろう。でも私、派遣されるほどの力ない気がするな。
「魔術を無効化できるオサム、力で相手をねじ伏せるリュウ、救助班のための目眩しとしてジュン、幻獣を召喚できるケンジ、花の蔓で相手を拘束できるメリ、戦闘班のメンバーはこのぐらいでいいと思う。カルマとも親交があってとっさの機動力に長けているカスミ、救助班は君一人で充分だ。」
「え、マジですか?」
「このテンションで冗談に聞こえるか?」
「はい、すみません。」
リン先生の圧に押されて、私は少々ビビる。
「作戦遂行日は明後日、11月17日。今日から3日間は授業を中止して、救出作戦に備える。作戦に派遣されない者たちも、いつ呼び出されても駆けつけられるように気を抜かないように。」
『はい‼︎』
ここにいる全員が、殺気立った表情を顔に浮かべていた。
今までで一番いい感じになりました。
パラノーマルマジック21
「行くよ。」
「はい。」
作戦決行当日。私は翼を出し、ケンジは幻獣に乗り、オサム先生やリュウ先生、ジュンとメリはフライシャドウに乗り学校を出た。
「カスミ。」
いつもより静かなケンジに話しかけられる。
「んだよ。」
思いつめていたからか、思わず昔の口の悪さに戻る。
「そんなに先輩が好きなんだね。」
「好き……か。私にはよくわかんないよ、そういうの。」
「カスミらしいね。」
そんなことを話しているうちに、塔が見えてきた。
*
「おじゃましまーす!」
「あぁン⁉︎」
ケンジがまず幻獣ごと塔に突っ込んだ。ガタイはいいけど目つきが悪い男数人の後ろに、手首と足首を縄で縛られた先輩が見えた。
「テメェらっ……」
「はいはい。先に攻撃して来ないでねー。」
先生がパッパと男達の魔術を無効化していく。
「先輩、行きますよ。」
「カスミ……っ」
不安なのか、私のローブの袖をグッと握っている先輩。ジュンが煙で私達を見えないようにしてくれている間に、ケンジが突っ込んで壊した所に走る。
「おいおい。簡単に逃げられちゃ困るなァ。」
「‼︎」
あと一歩のところで目の前に立ち塞がったのは、黒い帽子に黒いジャケット、黒いズボンという全身真っ黒の服装をした小柄な男だった。
「邪魔なんだよ。そこ退けや。」
高校生になってから、ほとんど使って来なかったこの口調。今は先輩最優先だ。邪魔な奴は退いてもらわないと困る。
「ボスがそう簡単に退くわけねェだろ?」
こいつ……あのガタイいい奴達をこの小柄な体躯でまとめてるのか?
「逃げるようなら、ここで始末するしかねえよな?」
ニヤリと笑うと、そいつはヒカゲ先輩を上回りそうな程の火力の炎を出した。
「先輩‼︎」
炎の勢いのせいか、私たちが入ってきたところから先輩が下の草むらに落ちた。頭は打ってなさそうだけど一軒家の3階ぐらいの高さから落ちたから体の痛みは尋常じゃないはずだ。
「なーにが一族最強だよ。俺の一撃で落ちるとか、弱えじゃん。」
は?
「テメェはどこ見て言ってんだよ。」
「あ゛?」
「先輩はさあ、辛いことにも耐えてきて、強くなったわけ。辛いことがあったのに、私みたいなクソ自己中野郎にも優しくしてくれてさあ、本当にいい人なわけ。先輩は、テメェなんかよりよっぽど強くて優しいよ‼︎」
「お前は何が言いたいんだよ。」
少し動揺したような表情でそう言う。
「これ以上、先輩や私達に危害を加えるな‼︎
サンダーテンペスト‼︎」
私は先輩への想いとこいつへの怒りを込めて、必殺技を放った。
あのね、あの、ここら辺のお話先月から考えててやっと書けるー!ってノリノリで書いてるから投稿頻度えげつないのは許して。
パラノーマルマジック22
私が放った雷はそいつに一直線に向かい、かなり強い電力を浴びたそいつは気絶した。
「カスミ?なんか大きい音したけど……」
「あ、メリ。こいつなんかあのガタイのいい奴らのボスらしいから拘束しておいて!」
「え、うん。」
メリにそいつを預け、私は塔の下へ飛び降りた。
「先輩!」
意識はない。多分落ちた衝撃で気絶しているんだ。私はクナイで先輩を縛っていた縄を切った。その時、先輩の手首に私があげたヘアゴムが見えた。先輩、ずっと付けててくれたんだ。私は先輩の腕や足の傷に応急処置をし、先輩をお姫様抱っこの体勢で抱き上げ翼で飛んだ。
*
「お疲れ。二人共死んで無いから無事だね。」
自分の出せる最高速度で飛んだので行きより早く10分ぐらいで医務室に着いた。先生が素早く先輩の容体を診ていく。
「切り傷、打撲、火傷、あとは脱水と栄養失調かな。切り傷とかはアタシの能力使えばなんとかなるけど脱水と栄養失調は点滴しないとダメだな。」
先生はパパッと点滴の用意をし、先輩の右腕に注射の針を刺した。
「1時間半ぐらい掛かるから、アンタも休んでな。1時間半したら、また戻ってこい。」
「はい。わかりました。」
私は小さい声で返事をして、自室に戻った。
*
着替えてからうっかり、疲れのせいか寝てしまいいつのまにか約束の1時間半が来ていた。
「すみません、遅くなりました。て、どこか行くんですか?」
何やら大きいカバンを持っている先生。
「あいにくこれから出張が入っちゃってねえ。期間が一週間とかクソ長いけどちゃんと行かないと上層部がうるさいんだよ。その間は看病頼む。何かあったら連絡しな。」
「はい。」
先生が行ってしまうと、私は途端に暇になった。先輩が起きるの待つか……
「カスミ。」
「あ、オサム先生。」
いつのまにか戻ってきたらしいオサム先生が医務室の入り口に立っていた。
「一応カルマを拐った奴らは一通りシバいた。ボスに関してはカスミがやってくれたんでしょ?お疲れ様。」
「いえ。炎から先輩を守れなかったので。お疲れも何もまずはそこの反省をしないとです。」
「カスミは真面目だね。それはそうと、カスミに話がある。」
「なんですか?」
「カスミ、自分の親戚について知ってることを言って。」
*
「親戚……ですか。母親に姉がいる、て言うことぐらいしか覚えてないですね。なにせ小4で亡くなってから父親と二人暮らしなので。」
「ホントに覚えてないか……」
「は?」
覚えてない、とは一体?
「単刀直入に言う。カスミはワタシのいとこだ。」
「は?」
えーっといとこって……親のいとこの子供…違うそれはとこか。親の兄弟の子供ってことか。え、ちょっと待てどういうことだ。
「要するに、カスミのお母さんの姉っていうのはワタシの母親ってことだね。」
「先生は雷の一族の人ってことですか?」
「そういうこと。いつ言うか迷ってたんだけどね、入学してすぐだと混乱するだろうからある程度知識が付いた今言った。」
「よくわかりませんけど……まあ、今まで知らなかったことを知れたのでよかったです。」
すんごい複雑。ホントに意味わかんない。
「ん……先生?」
あ、先輩が起きた。
「カルマおはよう。調子どう?」
「すみませんでした……僕のせいで手間とか迷惑かけちゃって…カスミも、ちょっと怪我してるみたいだし……」
少し泣きそうな顔で謝る先輩。
「こういう時は、謝罪じゃなくてお礼でいいんだよ。」
「私は気にして無いです。先輩のためなら、こんな怪我大したことないですよ。」
なんか告白みたいになったけど、私にそんな意図は無い。ホントに。
「じゃ、ワタシ戻るから。しばらくカルマのことちゃんと見ててあげなよ。」
「はい。」
先生が去っていき、医務室には私と先輩が二人きりになった。私はなんとなく、先輩が寝ているベットの足を置くあたりに座った。
「カスミ。」
「っ、はい。」
なんか緊張しちゃう。
「!」
「………僕のそばにいて。」
背中に衝撃があったと思ったら、先輩の綺麗な顔がすぐ横にあった。お腹のあたりに先輩の腕が回っていて、あまりに一瞬で、あまりに優しい感触だったから、抱きしめられたと理解するのに3秒かかった。
「お願いだから、近くにいて。僕もう独りになりたくないんだ。」
「……はい。」
その声の寂しげな感じというか、悲しげな感じが、頭に残って離れなかった。
*
夜。医務室には二つベットがあるらしく、私はしばらくそのうちの一つで寝ることになった。隣のベットでは、先輩がウトウトしている。
「寝ないんですか?」
「んー……」
「私ならずっと隣にいますし、大丈夫ですよ。」
そう言うと先輩は、安心したように眠りについた。
どこで区切ったらいいかわからんので詰めました。
パラノーマルマジック23
僕は、独りだった。幼い頃から、母親は厳しい訓練で僕をしごいていた。執事もメイドも、年が離れている実の兄も、僕を見捨てた。あとあとわかったことだけど、兄は母親から「落ちこぼれのアンタが天才のカルマに近づく権利は無い。」と言っていたらしい。それに嫌気が差したのか、僕が小学校を卒業した時に兄は家を出て、一族とも縁を切った。中学の時も、そこまで変わったことは無かった。魔術の訓練だって学校から帰ると必ずあって、部活なんてやっている暇が無かった。パラノーマルに入ってから、僕は少しだけ心が落ち着いた。小中の時は、とにかく辛くて、死にたい、消えていなくなりたい、と思っていることが日常だった。この一族に生まれて無ければ魔術が無ければアンタには何の価値も無い。散々母親に言われていたそんな言葉を言う人はいなくて、面白い先生とクセが強いけど優しい同級生に囲まれて、僕はすごく幸せだった。そんな中、カスミに出会った。カスミは最初、冷たい僕の手に触れても全然驚かなかった。むしろ、僕がそれに驚いたくらい。戦ってみて、たった2、3撃で、僕は負けていた。戦う時は少し怖いと思ったカスミの笑みも、普段はただの女子高生の笑みだった。照れながらプレゼントを渡してくれた時も、愛おしくて抱きしめてやりたいぐらいだった。セイカが見ていたからできなかったけど。僕を助けに来てくれた時のカスミの表情は、怒りと使命に燃えていた。ボスに吹っ飛ばされ、意識が薄れていく中で、カスミの声だけがはっきり聞こえ、その姿だけがはっきり見えた。
いつの間にか僕は、広い湖のような場所に座っていた。湖と言ってもかなり浅くて、僕の足首も浸からないぐらいだった。透き通った水は、どこまでも広がる群青色の空と、頼りなく座る僕の姿を映していた。と、いきなり吹雪が吹き、周りが見えなくなった。そして目の前には、さっきまでいなかった、泣き笑顔のカスミが居た。
『雷の一族らしいけど、よくわかってません。』『先輩の髪結んでもいいですか?』『はい、完成です。』『レモンも一口どうぞ。』『帰りたく無いなー。』『お誕生日おめでとうございます。』『先輩髪結ぶの気に入ったみたいだから……』『期待の上を行けるよう、精進します。』『先輩、行きますよ。』『テメェはどこ見て言ってんだよ。』『これ以上、先輩や私に危害を加えるな‼︎』『先輩のためならこんな怪我大したことないです。』『私ならずっと隣にいますし、大丈夫ですよ。』
今までカスミが言っていたことが脳内に流れ込んでくる。なんでだろう、涙が溢れて止まらない。初めてあってから約4ヶ月。やっとわかった。僕はカスミが好きなんだ。
『先輩———』
目に涙を浮かべながら微笑んでいるカスミが差し出してくれた手を、僕は握った。芯が強くて優しくて、僕みたいなのとも仲良くしてくれて、強いけど年相応に可愛くて真面目なカスミを、ずっと手放したくない。誰にも渡したくない。カスミの笑顔を見て、そう思った。
*
私はかなりの自己中だった。保育園の頃から、大声で怒ったり、バカだとか言えばみんな私に従うと思ってた。そのクソみたいな態度のせいで、周りの子とは喧嘩ばかりだった。小3の時、友達グループ内の階級が嫌になって背いた。そうしたらいつの間にか、無視されるようになっていた。本人達はなんかの準備が忙しかったらしいけど、私が外されていたことに変わりはない。小4になる直前、正体不明の魔獣が世界に溢れた。私のお母さんは魔法使いだから、討伐のため家を空けていて、子供や魔術を使えない人達は家から出ないように言われていた。何ヶ月もかけて魔獣は討伐されたけれど、その平和は私のお母さんの命と引き換えにやってきたのだった。小3の11月、ちょうど無視されていた時期の私の誕生日に、お母さんはペンダントをくれた。誕生石であるトパーズのペンダントで、辛くなったり不安なことがある時になったらこの石を見ればいい。石言葉を調べたら、その意味がわかるよ。お母さんはそう言って笑った。それから半年ほどで、お母さんとはもう会うことができなくなった。それから私は、グレた。アニメや漫画に出てくるようなヤンキーじゃないけど、口は悪いし目つきは悪いし、宿題もちゃんとやってこない。絵に描いたような不良だった。5年の時、クラスに同じような子がいて、すぐ仲良くなった。ただ一人、大っ嫌いな子がいた。児童文庫の主人公になりそうな、優しくておっとりした真っ直ぐな子。校外学習の班活動で、私のその子の仲はぶっ壊れた。班で行く方向に揉めて、段々と大喧嘩になり、仲裁に入ったその子の一言が私を一気に怒らせた。
「ね、喧嘩辞めようよっ。仲良くしよっ?」
気づいたら私は、頭に血が上りその子の頬を引っ叩いていた。
「うるせえんだよいっつもいっつも‼︎元から仲良くねえのに仲良くとか無理だよ‼︎お前ってすぐそうやっていい子ぶってさ、みんな仲良くーとか言うじゃん。ウチそういうの一番嫌いなんだよ。もう、ウチに話しかけんな。」
そう言い放ち、校外学習はいい思い出なんか一つも残らなかった。
中学では演劇部に入った。
「性格が悪い役ならできるけど、演技をする人は何にでもなれないとダメ。変にバカ真面目にならなくてもいいけど、自分らしさ、を履き違えないようにね。」
演劇部に入ってすぐ、部長にそう言われた。それからはある程度更正した気がする。パラノーマルに入ってから、私は変わった気がする。前より表情が豊かになって人と関わることを嫌がらないようになった。カルマ先輩のおかげもあって、私はそのようになれたんだ、きっと。先輩が拐われた時は、セイカ先輩の嫌な予感がホントに当たっていて気が気じゃ無かった。ボスを倒す時、何年かぶりに汚い言葉を使った。家族以外の誰かのために、あそこまで必死になるのは初めてだった。
私は綺麗な湖に立っていた。だいぶ浅くて、水たまりぐらいだけど。空も湖もどこまでも広がっていて、すごく綺麗だった。と思ったら、吹雪が吹き、私が経っている場所は雪の大地だった。そして目の前には何故か、先輩が座っていた。じっとこちらを見ていて、何も言わない。
『えっ、驚かないの?』『クセ強いけど楽しい仲間に囲まれて、今は幸せだよ。』『カスミって髪サラサラだね。』『ありがと。なんか首元スッキリしたよ。』『僕こういうとこ初めてかも……』『一口食べる?』『ちょっと寂しいの、わかるかも。』『本当に嬉しい。大切にするね。』『次会う時成長したカスミの姿を楽しみにしてるよ。』『カスミ……っ』『僕のそばにいて。』『もう、独りになりたくないんだ。』
先輩の言葉が、頭からずっと離れない。優しい笑みも、楽しそうな言葉も、ずっと忘れられない。どうしよう、涙がやばい。なんでだろう、本当にわからない。私はきっと、初めて会った時から先輩を好いていたんだ。恋なんかしたことないし、何なら初恋かもしれない。それなのに——
『先輩——』
溢れる涙を拭うのも忘れ、先輩に手を差し伸べる。強くて優しくて、すごく綺麗で美しい先輩。この人と、ずっと一緒に居たい。私はそう思った。
パラノーマルマジック24
「スミ、カスミ……」
先輩呼ぶ声で、私は目覚めた。外薄暗いし、まだ夜中の3時か4時ぐらいかな。
「どうしました?」
頬に涙の跡がある。どうしたんだろう。
「夢にカスミが出てきてね、それで……」
「私も、夢に先輩が出てきました。」
「ホントに?僕ら、同じ夢を見てたのかな。」
「だといいですね。」
どこか幼い喋り方に、本当にこの人は18歳なのかと疑いたくなる。
「先輩、まだ朝というか夜中ですけど。寝れます?」
「いや、多分無理。」
「じゃあなんか、映画でも見ますか。」
私は自分の部屋からタブレットを持ってきて、アニメや映画が配信されているアプリを開く。
「何がいいですか?」
「……なんか感動するようなやつ?カスミが見たいのでいいよ。」
「じゃ、これにしましょう。」
先輩の寝ていたベットに乗り上体だけ起こして右手はタブレットを持つ。毛布の中で温めていた私の左手を先輩の右手がきゅっと握った。
「先輩、手暖かいですね。」
「え?ホント?」
毛布で温められていたのかもしれないけど、いつもの冷たさじゃない。とりあえず体温計を持ってきて、熱を測ってもらう。
「何度ですか?」
「36.4℃。」
私の平熱ぐらいか……でも先輩平熱がめちゃくちゃ低いから発熱してる….のか?
「体だるいとか、頭痛いとか、その他風邪っぽい症状無いですか?」
「んー、特に大丈夫だよ?」
「そうですか….」
私は一度、再生していた映画を止め、先輩の方を見た。
「先輩が手冷たかったのって、家系関係無いかもしれないです。」
「なんで?」
「先輩、初めて会った時より笑顔とか増えた気がします。なんかきっかけでもあったんですか?」
私が変わったのは先輩のおかげだな……本人には恥ずかしくて言えないや。
「ナイショ。」
「知りたかったのになあ〜。でも、気持ちって結構重要だったんですね。」
「そう…みたいだね。」
私達はまた横に並び、映画を鑑賞した。
*
「おい‼︎離せってんだよ‼︎」
「ダーメ。どうせ無効化してんだから魔術使えないよ。」
二人で映画を見て感動の涙を流し、少し寝て起きると朝の7時だった。朝ごはんを食べ、土曜日なのでゆっくりしていると廊下から大きな声が聞こえて来た。一人はオサム先生の声だけど、もう一人の口悪いのは誰だろう。少なくともパラノーマルに通う誰かでは無いよね。リュウ先生ならブチギレると口が悪くなる時あるけどオサム先生にそんなことはしないはず。うーん、誰だろう。
「二人ともおっはよー。ちょっとお客さん連れてきたよ。」
「だから、いい加減離せって‼︎」
「兄さん……?」
「カルマ…..か?」
え、ちょっと待て。この人先輩の……お兄さん?
お疲れ様ですぱるしいです。前回の23話、めっちゃくちゃ頑張りました。前も言ったかもですがカルマが拐われてからのお話1ヶ月前からずっと考えてて書けたの嬉しくてめっちゃご機嫌なんですよ。新シリーズが出るのはこのお話が完結してからかもしれないですね。
パラノーマルの裏話
どうもおはこんにちばんは指先冷え冷えぱるしいです。今回は現在休載中のパラノーマルマジックの裏話をしてきたいと思います。
実は、カスミが雷の一族という設定は最初はありませんでした。それどころか魔術御三家とかも無かったんですよね。ただ主人公が実は強いみたいな設定に憧れがあったので入れたのと今のところカルマが作中最強に近いんですけどその最強をどう出すかてま悩んで御三家も入れました。説明意味わかりませんね。とりあえずジャンプの主人公でもよくある『血筋すごい』『才能すごい』『最後は最強』みたいなのを自分の作品でもやりたかったんですよ。
一応パラノーマルはラストまでのお話考え終わってるんですよね。心配な方に言っておきます。ちゃんとハッピーエンドです。なんですが、昨日パラノーマルの展開妄想してた時カスミのお母さん生きてる設定にしようかなと思ったんですよ。その方がなんか嬉しくないですか?(誰がやねん)ただどうやってその展開まで持ち込むかがどうしてもわからなくてそれはボツになりました☆
あとはカスミの過去についてですね。カスミの過去は実話が多く混じってます。カスミが小4の時正体不明の魔獣がこの世に溢れて、みたいな話あったじゃないですか。あれは新型コロナウイルスの話を元にしてます。コロナで休校になったのがちょうど私が小4の時でなのでそれっぽい感じでこのお話でも入れました。カスミが幼少期態度が悪かったのも小3の時友達グループ内の階級が嫌になって背いたりしてグループから外されたのも作者である私の実話です。やっぱり想像したことだけだと微妙なんですよね。想像だけだも私の場合物語の展開にパクリとかが多くなってしまうので実話もある程度ぶち込んでます。
カルマの元になったキャラについては明かしていなかったんですけど、ここで教えますね。夢王国と眠れる100人の王子様っていうゲームがあってそこにいるカルトってキャラがカルマのモチーフです。(パクリみたいですねスミマセン)調べてみてくださいマジで美男なので。あのー、暗殺教室(見たこと無いけど)赤羽業ってキャラいるじゃ無いですか、それ見てカルマって名前に憧れあったんですよ。で、丁度カルマの名前が全然決まらなかったので採用しました。(本当にパクリのつもり無いです。なんかごめんなさい。)
あとはそうですね、オサムとカスミがいとこ設定も最初無かったですね。家族系書くの好きなんで、こう意外な人が家族だった的な親戚だった的な関係をどんどん派生させてくの面白いんですよ。
以上ですね。これ以上言うとネタバレになりそうなので我慢しましょう。パラノーマルは今週の土曜から連載再開予定です。
パラノーマルマジック25
「先輩って….お兄さんいたんですか?」
そもそも兄弟がいるとかも聞いたことない。でも、口は悪いし目つきは悪いしメガネかけてるし髪色も濃い青だけど、色素の薄い綺麗な瞳やシュッとした輪郭は似てる気がする。
「うん。僕の兄のリイル。なんでここにいるのかは知らない。」
「カルマ、気づかなかった?君を拐った奴の中に、コイツ、いたんだよ?」
え、嘘。
「気づかなかった…というか、暗くてよく見えなかったけど、メガネをかけた人がいたのは覚えてます。」
「なんで連れてきたんですか?」
一刻も早く状況を把握するため私も質問する。
「んー、なんかねー、コイツが弟に謝りたいとかなんとか言うから。」
「違っ、そんなんじゃねえって‼︎」
「ツンデレだー。」
メリ思い出すな〜。あれ以降会ってないもんな〜。
「カルマ、テメェ高校卒業したら家出る気ねえか?」
*
その質問に私も先輩も首を傾げる。
「俺さ、お前が小学校卒業する時一族と縁切って家出たろ?お前もそうする気ねえかなって。」
じゃあお兄さんも高校卒業してから家出たとすると…先輩とは6歳差かな。
「縁切るならさっさとした方がいい。卒業してからじゃ遅いかもしんねえ。」
「あの、質問いいですか?なんでそこまで家を出ることを勧めるんですか?」
「アンタ……カスミだっけか。アンタも知ってんだろ、ウチの母親がクソ野郎なこと。俺には落ちこぼれとか言って、天才にも厳しくして、その割に自分には甘い。大人になったら更に期待を掛けてくることは確実だ。俺は……俺はもう、カルマの辛い顔を見たくないんだ。」
最初はヤベェ兄貴だなって思ったけど…ただの弟思いのいいお兄ちゃんじゃんか……
「そう…しようかな。土日で時間あるし今から行ってこようかな。」
「え、ちょ先輩?怪我全然治ってませんよね?」
「治癒魔法あるから、大丈夫だよ。」
答えたのはオサム先生だった。
「一応ワタシ着いてくけど、どう行く?アポ無しでぶっつけだよね。」
「はい。」
先輩の目に、静かな炎が灯るのが見えた。気がする。
「じゃ、さっさと行こっか。カルマ、着替えて。カスミはリイルとでも話してな。」
「あ、はい。」
*
先輩と先生が行ってしまうと、私は途端に暇になった。お兄さんとも何話したらいいかわかんないし。
「アンタさ、カルマのことどう思ってんだよ。」
「はい?」
なぜいきなりそんな事を。
「看病任されるってことは相当カルマとか先生に信頼されてるってことだろ?」
「そうですね……先輩は強いし優しいし美人だし、普通にいい人だと思います。」
「なるほどな……じゃあもう一つの質問。カスミ、自分の大事なものランキングを作ってみろ。」
いや何それ。うーん……
「1にペンダント、2に自分、3に家族、ですね。」
「ペンダント?」
「母親が亡くなる前最期にくれたプレゼントです。」
「あ、そう。なんかごめん。」
こういうとこ先輩と似てるなあー。
「やっぱり自分は入れるよなー。」
「それがどうしたんですか?」
「カルマはそういうのに、自分を入れないんだよ。いっつも自分は二の次で、他人を一番大事にしてる。」
「そこがいいところなのでは?」
私みたいな自己中よりはいいと思うけど。
「兄の俺としては、もうちょい自分を大事に生きてほしいんだよ。」
「弟思いのいいお兄ちゃんですね。」
「そんなんじゃねえっての‼︎」
うん。ツンデレだ。
「カルマは割と天然な方だし、鈍感な部分もある。……ちゃんと気づいてやれよ。じゃ、俺はなんか取り調べ受けないといけないみたいだから、またな。カルマのことよろしく頼むよ。」
ちゃんと気づいてやれって…何を?え、もしかして私も鈍感?
*
私はなんとなく落ち着かなくなって、時々自主練に使っている運動場に来た。
「あら、カスミ。先輩といなくていいの?」
あ、メリがいた。後ろにケンジとジュンもいる。
「先輩、実家に挨拶しに行くとか言って行っちゃったから戻ってくるまで私暇なんだよね。」
「あらそう。」
何しよう…やっぱ自主練するか。
「ねえカスミ。」
「何。」
クナイを磨いていると、メリがやけに神妙な顔で話しかけてきた。
「カスミ、貴方先輩のこと好きでしょ。」
「どストレート大正解。」
「アンタにしてはあっさり認めるのね。」
いやもう隠しよう無いし。
「恋とか、アタシにはよくわかんないけど、二人一緒にいること多かったもんね。お似合いだと思うわ。」
「そう?ありがと。」
こういうの言われたこと無いけど、割と嬉しい。
「まだ出会って数ヶ月だけど、カスミってなかなか気が強いし強情なのは知ってる。先輩から想いを伝えられるかもしれないし、カスミの方から伝えるかもしれない。でも伝える時は相手を不安にさせないように、ハッキリ伝えるのよ。」
「ありがと。ハッキリ、ね。」
告白…した方がいいのかな。
パラノーマルではお久しぶりですぱるしいです。休載などファンの方にはご迷惑をお掛けしました…(何故か雑談の方がウケ良いけどそっちの方にファンがいるのでは?)朝早起きして書いたものなので誤字脱字あったかもですが、私的にはよくできたと思います。感想も頂けたら嬉しいです。あとリクエスト箱の説明修正しました。
パラノーマルマジック26
「フウーー………」
「約3年ぶり、か。緊張するよね。」
「まあ、はい。」
大きく深呼吸した僕の横で、オサム先生は穏やかに笑っている。
「なんて言うかとか、考えてる?」
「んー、まあ……」
正直、緊張よりも恐怖が大きい。また何かされるんじゃないか、とか。こんな時カスミが横にいてくれたらなあ……
「今、カスミのこと考えた?」
「………なんでわかったんですか。」
「へへっ。なーいしょ。」
うーん、どこか読めないんだよなあ、オサム先生は。
「ほら、もう着いたよ。」
約3年ぶりの実家。相変わらず豪華でオシャレだけど、僕は家主の本質を知っている。
「頑張ろう。カルマ。」
「はい。」
僕は、大きな扉を開けた。
*
「あ?カルマじゃない。3年ぶり?背ぇ伸びたのね。」
久しぶりに会う母親は、何一つ変わっていなかった。気位の高そうな声と、他人を黙らせる目の圧。
「でも、なんでいきなり来たの?」
「ちょっと話が「そんな事より貴方、最近どこかの山賊に攫われたんでしょう?その中にリイルも居たって。私の息子なのに、ほんっとダメね。」
今僕が話していたのに、それを遮って嫌味ですか。
「実は、高校を卒業したらこの家を出ようと思ってるんです。」
「は?貴方、何を言ってるの?私と居れば、もっと強くなれるのよ?あんな、リイルみたいな生き方をするの?家族を捨てて目標に向かっていくような。私は許さないわ。」
「いいんです、貴方が許さなくても。僕が…僕自身が決めた事ですから。」
僕の人生は、僕のものだ。こんな人に指図される権利はない。
「アンタっ……」
「はーいはい。手出しはダメです。ホントろくでもないお母さんですね。」
魔術を発動しようとしたお母さんの背後に回り、しれっと無効化する先生。やっぱ、この人はすごすぎて僕じゃ追い付けなさそうだな。
「わかったよ。勝手にしな。その代わり、家を出んならもう二度と戻ってくるな、あとリイルみたいになるな。それが約束できんなら、もうどうでもいい。」
「大丈夫ですよ。兄さんみたいにはなりません。正しいとか正しく無いとか考えず、兄弟にも手を出すような人には。でも、兄さんみたいになります。目標に向かい、強い意志で突き進むような人に。」
僕の言ったことは、矛盾しているだろう。でも、これが本心だから。
「カルマ、アンタなんか変わったね。何がアンタをそこまで変えたんだい?」
「大切な人が…てきたんです。」
パラノーマルマジック27
「カスミ、ただいま。」
「あ、おかえりなさい。大丈夫でした?」
約1時間後。先輩が戻ってきた。行く前よりも、少し表情が明るい。
「あのさ……カスミ。」
「なん、でしょうか。」
真剣な先輩の顔に、少し緊張する。
「傷口開いちゃったから手当てしてくれない?」
「だから言ったのに……」
先輩に肩を貸し、血が滲んでいる先輩のズボンを見ながら医務室まで運んだ。
*
「そんなことがあったんですね〜。なんかかっこいいな〜。」
「ええ?どこが?」
「いや、兄さんみたいにならない、と兄さんみたいになる、ってなんかいい点も悪い点も先輩ならちゃんと見抜いていけそうじゃ無いですか。」
「何それw」
先輩の足を手当てしながら、実家での話を聞いた。先輩はその場でパッとかっこいいこと言えるのか〜頭いいな…え、顔良くて優しくて頭もいいとか完璧じゃん。
「あと4ヶ月ぐらいで、僕も卒業か……早いな。」
「パラノーマルでの一年ってあっという間ですよね。」
「今年も色々あったな…あ、あと1ヶ月でクリスマスか。」
「なんか、レイヴン校とストリクス校が統合されるらしいですよ。交流会は無くなっちゃいますけど、パーティーとか一緒にできるのでクリスマス会でもしますか?」
「いいじゃん。計画立てて先生に打診してみようよ。」
クリスマスといったらケーキは欲しいよね…ツリーはどうしよう。あと1ヶ月でどこまで準備進むかな……
「楽しみだね。」
「高1でもサンタって来るのかな…そもそも寮制だから来ないか……」
「どうだろうねw僕は高校入ってから来てないかも。」
「え、うそ。」
それはショックだなあ……
「あの二人ラブラブね。」
「もう付き合ってたりすんのかな。」
「それは無いんじゃない?」
「おいそこ。聞こえてるよ。」
「はははっw」
扉の入り口の陰でコソコソ話している3人。
「カスミは、いい友達持ってるね。」
「そうですか?」
お疲れ様ですぱるしいです。あと一週間で冬休みです。嬉しいです。疲れました。二連休わっしょい。
パラノーマルマジック28
『メリークリスマース‼︎』
1ヶ月後、クリスマス当日。レイヴン校とストリクス校のクリスマスパーティーが始まった。私と先輩で計画を立て、料理を作ってツリーを飾って。いい感じにクリスマスになった。
「カスミさ、なんでクリスマスの料理がハンバーグなの?チキンとかじゃなくてさ。」
私の作った輪っか型のハンバーグを見てメリが聞いてくる。
「我が家ではクリスマスこのハンバーグが定番だったんだよね。リースっぽいでしょ?」
「そゆことかー。普通に美味しいわ。」
ハンバーグも、サラダもスープもみんな美味しいと言って食べてくれる。よかった。作った甲斐があったな。
「カスミ、カルマ、お疲れ様。」
「あ、オサム先生。」
「お疲れ様です。」
「ワタシは何もしてないよw」
あー、冬って寒いけどみんなで集まるとあったかいなー。
「カースミっ!ケーキあるんでしょ?僕早く食べたい!」
「ケンジ、食べんの早くない?みんなが食べ終わってからね。」
「えー。」
一応ケーキも用意した。クリームがたくさん乗ったチョコのケーキとイチゴのケーキ。人数が多いから2ホールずつ。
「カスミ、最近カルマとはどうなの?」
おっ、セイカ先輩だ。セイカ先輩と話すのもなんか久しぶりだな〜。
「仲良くさせていただいてます。」
「堅苦しいなあw私さ、カルマ、カスミと出会ってから表情が明るくなった気がするんだよね。」
「そうですか?」
変わる前を知らないからな、私。
*
「プレゼント交換ターイム!今からワタシが音楽を流すから、流れてる間はプレゼントを時計回りに回してってね。2回やって、最終的に自分の手元にあったやつをもらってね!スタート!」
ウキウキでケーキを食べ、パーティーの最後、プレゼント交換をすることになった。
「はいストップ!」
2回プレゼントを回し、私の手元には紺地にゴールドのラメがついた夜空のような袋が来た。
「みんなー!開けていいよー!」
「おお、可愛い。」
「これメリのやつじゃん。」
などなど、各々感想を述べる。私の袋の中にはフカフカな触り心地で白で縁取りがされたマフラータオルるが入っていた。誰のだろう。私のやつは……セイカ先輩に行ったのかな?ちらっと先輩を見ると、私のもらったプレゼントをニヤリと笑った。セイカ先輩のか。カルマ先輩の方を見ると、薄い水色のマフラーを持って、微笑みを浮かべていた。その笑顔に私は見惚れてしまった。やっぱ、卒業してほしくないな。
夜更かしして死ぬ気で書きました。疲れました。今日15分だけ昼寝したんですけど足りませんね。眠気がやばいので寝ます。
パラノーマルマジック29
「カスミ、さっさと来なさい。」
「やーだ。」
「やーだ、じゃないのよ。アンタ今日何の日かわかってんの?」
「わかってるから、行きたくないの。」
3月序盤。私はメリに叩き起こされた。
「嫌なのはわかるけど、一生会えないわけじゃないじゃない。終わってから話す時間だってあるわよ。」
「わかったよもー。」
そう。今日は、カルマ先輩やセイカ先輩……三年生の卒業式なのだ。
*
「ケンジ、寝ちゃダメだよw」
「ん〜?」
卒業式が始まった。私たち下級生はホールの端の椅子に座り、三年生はホールの中心のほうの椅子に座っている。生徒1人につき1人、家族も見に来ていいことになっており、カルマ先輩の家族はあのツンデレお兄さんが来ていた。後ろの方に、知らない顔もいるから、卒業生も来れるのかな。
「次は、卒業生代表の言葉。三年、カルマ。」
「はい。」
卒業生代表として、先輩がステージに上がる。壇上のスタンドマイクの前に立ち一礼すると、先輩は話し始めた。
「僕は、今日でパラノーマル魔法魔術学校を卒業します。僕は入学する前から、魔術には触れていましたがやはり学校はすごいと実感しました。友達ができ、競い合うライバルができ、先輩ができ、後輩ができ……ここには僕にとっての『はじめて』がたくさんありました。11月には大変なこともあったけど、色んな人の協力で何とか助かりました。その節は、本当にありがとうございました。僕は卒業したら魔術からは離れますが、魔術以外の事…仲間と協力することや行き詰まったら人にちゃんと頼ること、常に自分を磨き続け努力を忘れないこと、これを大事に生きていきたいです。同じ三年生達、そして自分。卒業おめでとう。これからも夢を持って自分らしく行きましょう。先生、たくさん迷惑をかけました。けど、いつも楽しく魔術も、魔術以外のことも教えてくれて、ありがとうございました。いつかまた、成長した姿を見てほしいです。改めて、見に来てくれた家族の皆様、三年間切磋琢磨した同級生、たくさんのことを教えてくれた先生、いつもお手本になってくれた先輩、分け隔てなく接してくれた後輩。全ての人に伝えます。ありがとうございました。」
ホールにたくさんの拍手が響く。すごい、感動した。しかも、先輩のお兄さんちょっと泣いてない?まあ私も泣きそうだけども。それからは、合唱や校長先生のお話を聞き、卒業式は終わった。
*
「カスミー。」
「あ、先輩。」
卒業式が終わると、全員一度外に出た。まずは三年生だけで写真撮影をし、その後全校生徒で写真撮影。あとは各自先生にお礼を言ったり、後輩と話したりしている。
「卒業したくないよーカスミに会えなくなるのやだよー。」
セイカ先輩が半泣きで抱きついてくる。
「連絡先は交換してありますし、会おうと思えば会えるじゃないですか。それより、合宿ではお世話になりました。先輩に教えてもらった飛行魔法のおかげで、カルマ先輩を助ける時にも応用できました。感謝してます。卒業おめでとうございます。」
「泣かせてくんのやめてよー(´Д` )でも、ありがとう。」
先輩はキリッとした顔で私を見据える。セイカ先輩は、私の憧れだな。
「カスミ!」
「あ、カルマ先輩。」
花束と卒業証書を抱え、桜をバックに走ってくる先輩。最近先輩も私も忙しくてなかなか話せてなかったもんな〜。
「あの…先輩…」
「ありがとう。」
「えっ?えっ?」
いつの間にか私は、先輩にハグされていた。
「初めて会った時から、カスミはすごい子だと思った。魔術の使い方も、家族を亡くしても引きずらずに前に進んでるとこも、僕を助けてくれた時のカスミ、すごくかっこよくて、優しくて、凛々しかった。カスミのおかげで、僕は前に進めた。カスミのおかげで、僕は助かった。本当にありがとう。カスミのこと、大好きだよ。」
その一言で、私の目から涙が溢れ出した。
「ありがとうございます……」
「僕よりカスミの方が先に泣いちゃったじゃ〜んw」
「私も、先輩のこと好きです!」
「え?ホントに?ありがとう!」
その笑顔、殺人レベルですよ先輩。
「あのさ…僕と付き合ってくれる?」
え、ウソウソウソウソ。
「夢なら覚めるな夢なら覚めるな夢なら覚めるな夢なら覚めるな夢なら覚めるな夢なら覚めるな夢なら覚めるな」
「怖いってw」
いやこれは本当に夢かと疑うって。
「はい。よろしくお願いします。でも、一つだけお願いいいですか?」
「なに?」
「私の卒業式の日、またここに迎えに来てください。その時、改めてまた想いを伝えます。オサム先生!私の卒業式の日っていつですか?」
私の先輩のやりとりをこっそり見ていたオサム先生を見つけ、聞く。
「え、いや3月7日だけど。」
「ありがとうございます。先輩、2年後の3月7日に待ってますから。絶対来てくださいね。約束ですよ。」
「うん。約束。指切りしよう。」
指切りげんまんをし、私と先輩はもう一度ハグをして笑顔で別れた。
急いで書いたので瀕死のぱるしいです。あの、突然ですが、次回最終回です。土曜か日曜には出します。
パラノーマルマジック 最終話
「襟良し、髪型良し、………ペンダント良し。」
「カスミー。そろそろ行く?」
「うん。」
先輩と約束してから2年、私は卒業式の日を迎えた。あと30分で、卒業式が始まる。気持ちを落ち着かせると、ホールへ行くため自室を出た。
*
何故だか、今年の卒業生代表の言葉は私になった。証書も全員受け取ったし、そろそろかな。
「卒業生代表の言葉。三年、カスミ。」
「はい。」
落ち着け、落ち着け。私は一度息を吸うと、話し始めた。
「私は、今日でパラノーマル魔法魔術学校を卒業します。少々自分のことが多くなりますが、聞いてください。私は小4の時に母親を亡くしてから、心が荒み、周りとも不仲な状態で小学校を卒業しました。中学の時は、演劇部の先輩に言われた言葉のおかげで、周りとも仲良く、気持ちよく中学は卒業できました。パラノーマルに入ってから色々なことがありました。雷の一族ということを知り…合同試合や合宿で先輩と出会い、一年の11月には先輩を助け出すという大事な役目も任されました。自分のやるべきことを全うし人から「ありがとう。」と言われた時、人に頼ってもらった時、今まで生きてきた中であまり感じたことがない『嬉しさ』を感じました。それまでは人に頼るのも苦手で、自分のやることに責任を持てていなくて、絵に描いたようなダメ人間でした。でも、パラノーマルで私は変われました。たくさんの人に出会い、たくさんのことを教わりました。先生も、家族も、先輩も、後輩も、同級生も、今までありがとうございました。人との出会い、一期一会を大切に、これからも歩んで行きたいです。」
話終わると、ホールに拍手が響き渡った。一礼して顔を上げると、ホールの後ろの方でカルマ先輩とセイカ先輩が笑顔で拍手しているのが見えた。
*
「カスミ、卒業おめでとう。本当に成長したね。」
「お父さん….ありがと。」
ちゃんと、卒業できてよかった。
「カッスミー!」
「あだっ。ちょ、メリきついって。」
メリが痛い程に抱きしめてくる。そっか、お別れなんだ。急に寂しさが湧いてくる。
「三年間、ありがとう‼︎」
「………うん。」
鼻をすする音が聞こえるから、多分泣いてるよね。メリ。
「カスミ、久しぶり。」
「セイカ先輩、お久しぶりです。」
キリッとした目つきと、ツヤのある紺色の髪は相変わらずで、少し安心する。
「大きくなったねー、私より大きくなって生意気なー!」
「しばらく会ってない親戚が言うやつでしょ、それ。」
「へへっ。」
この笑顔も、見るのは2年ぶり。元気そうで良かった。
「カースミ。」
頬をつつかれ振り向くと、綺麗なカルマ先輩の笑顔があった。身長は少し伸びており、腰まであった長い髪は肩ぐらいまでに短くなっていた。
「お久しぶりです。………本当に来てくれたんですね。」
「大好きなカスミとの約束だから。破る訳ないじゃん。」
「ありがとうございます。」
笑顔の殺人レベルは変わらず。
「改めて言います。私は先輩のことが好きです。これからの未来を共にしたいと思っています。」
「それは…プロポーズってことでいいのかな?」」
「ご想像にお任せします。」
プロポーズみたいになったのは私も予期してなかったけどね。
「好きだよ、カスミ。」
「私もですよ。」
今までで4回目ぐらいの先輩とのハグ。前よりも、特別な感じがする。
『カスミ—————大きくなったわね』
視界の先に見えたのは——————もう会えないと思ってたのに。
「どうかした?」
「いえ、別に。」
これからも、きっとずっと、見守っていてくれるよね。
お疲れ様ですぱるしいです!無事完結しましたね〜。紆余曲折ありありでしたが、完結できてよかったです。てことでカスミからコメントをもらいました!
『2ヶ月半ぐらいの間ありがとうございました!あ、ちょっとした裏話ですが私が言った「人との出会い、一期一会を大切にこれからも……」的なのは作者が係で作った卒業の時用の動画で言っていたことらしいです。あとカルマ先輩の「これからも夢を持って自分らしく行く。」というのは作者が卒業文集の締めに書いたことらしいです。改めて、今までありがとうございました!また会えたら会いましょう!』だそうです。では、次の作品で会いましょう!
パラノーマルマジック番外編 星の欠片。
私、セイカはレイヴンで生まれた。小5になる時、ストリクスに引っ越して、それからはずーっとストリクスに住んでいた。学校では、なかなか友達ができなかった。というか、みんな近寄って来なかった。別に近寄りがたい雰囲気を出しているとは思わなかったけど。遊ぶ人もいなくて、趣味の天体観測をずーっとしていた。私の魔術の適性は『星』と『月』。私は、星の一族の生まれだった。親は2人共魔法使いじゃない一般人で、魔法についての知識もなかった。7歳上のいとこがパラノーマルに入った時に、魔術や魔法のことを知った。
*
「みんなはじめまして!今日から君たち一年生の担任をするリンだよ!よろしくね!」
手紙が来て、パラノーマルに入学した。先生への第一印象は『うるせえ』だった。だってマジで声でかいんだもん。隣の席だったカルマに、私は一目惚れした。美人で背が高くて、優しくて強い。非がない人物だった。どんな訓練の時も、勝てたことはない。私が攻撃を繰り出す前に、カルマに凍らせられていたから。カルマの手はいつも冷たくて、私に笑顔を見せたこともなかった。カスミに会ってからは、笑顔が増えて、私は少し悔しかった。
「感謝してます。卒業おめでとうございます。」
最初は、疎ましいというか、羨ましかった。自分のことを話さないカルマに対して、私は必死に誕生日や趣味を聞き出した。2年生になってカルマの過去のことを教えてもらった時、やっとここまで話せる仲になったんだ、と嬉しかった。それなのに、初対面の、たった数時間でそこまで聞いていたカスミに少し腹が立ってしまった。でも、礼儀正しくて向上心のあるカスミを見ると、その感情が不思議と消えていった。
*
卒業してからは、魔術から離れて大学に入った。自分の適性でもあり、昔から好きだった星と月に詳しくなって、天文学者になりたかった。星は綺麗だ。たくさんの色があって、たくさんの大きさがある。何万年か前の光が、今自分が見ている光だと思うと、ロマンを感じる。月が好きだ。毎日違う形を見せてくれて、時には大きく丸く、私たちを包み込むように光る。私は魔法が使える。星のような光で、相手に攻撃し、月のような円で自分を守る。強くはない。カスミのような勢いも、カルマのような汎用性もない。でも、あれが私らしさだから。人と比べたって、しょうがないもん。いつか、もしまた魔法を使うことがあれば、自分の出す光で暗い気持ちの人たちを照らしたい。
*
〜おまけ①〜キャラの名前を漢字にしてみよう!
カスミ 香澄
メリ 芽理
ジュン 潤
ケンジ 賢治
オサム 治
リュウ 龍
アキ 秋輝
ヒカゲ 火影
カルマ 業
セイカ 星華
マリ 茉理
リイル 里衣琉
〜おまけ②〜キャラの身長
カスミ 168
メリ 163
ジュン 172
ケンジ 167
オサム 181
リュウ 173
アキ 172
ヒカゲ 183
カルマ 177
セイカ 161
マリ 159
リイル 179
おはこんにちばんはぱるしいです!セイカ先輩のお話でした!今日の昼過ぎにやっとお話思いついて結構忙しかったです!セイカ先輩推しのリア友よ!これでいいかい?
パラノーマルマジック番外編 秋の訪れ。
アタシ、アキは最初は魔法使いになるつもりも教師になるつもりもなかった。両親は2人とも医者で、治癒の魔術で治療をしていた。アタシもそれを受け継いでいたけど、それ以上でもそれ以下でも無かった。そもそも魔法使いの家系じゃないし。ただなんとなく、手紙も来たしパラノーマルに入った。医師になるほどの頭の良さは無いし、せめてもの特技が欲しかったから。卒業してから、アタシ宛てに国から手紙が来た。正体不明の魔獣が世界に溢れ、討伐のため怪我をした魔法使いを治療しろ、という命令だった。パラノーマルを卒業して本当にすぐで、19歳になる少し前だった。怪我しては治し、また外に送り出す。医療テントの中でのほぼ不眠不休の生活は3ヶ月ほど続いた。眠れるのは3日に一回。パラノーマルでさらに磨きをかけた魔術のおかげで腕や足が欠損しても治せるようになっていた。何度も怪我をして全部アタシが治した魔法使いが1人いた。カレンという女性で、休んでいる間にアタシに色々なことを教えてくれた。その人には娘がいて、カスミという名前で少しヤンチャなところもあるけど家族想いで良い子だと語っていた。もしこの魔獣たちをみんな追い払えたら、その子に会わせてくれますかと冗談で聞いてみた。OKだった。今は大変だけど、お互い頑張って生きて帰りましょう。そう言っていた。なのに、カレンさんは死んだ。いくらアタシでも、死者を蘇らせることはできなかった。会ったことがないカスミのことも、カレンさんの想いも考えると涙が止まらなかった。その戦いで死んだのは、カレンさんだけだった。
*
大学を卒業して、パラノーマルの教師になった。教師になって3年目、アタシが25歳になった時に、カスミは入学してきた。本人は雷の一族だったとは知らないようで驚いたが、カレンさんの言っていたことを考えて納得した。
「カスミには、雷の一族だって教えてないの。」
「何でですか?」
「それがカスミの重荷になってしまったら嫌だもの。あなたのように魔法学校に入ったとしても、魔法使いにはなってほしくない。何か目標とか、好きな人を見つけてくれたら、私はそれでいいの。」
カスミのことを思って、カレンさんはカスミに伝えなかった。完璧主義の氷の一族、楽観的な血の一族とは違う。ちゃんと人のことを思って生きているのが、雷の一族。優しさに溢れた一族で、優しさに溢れた母親のもとに生まれたカスミはすごく恵まれていると思う。カスミが初対面のヒカゲに魔術一発、体術一発で勝った時は本当に驚いた。カスミを弱く見ていた訳じゃない。まだ魔法に触れて2ヶ月と少ししか経っていなかったのに、何倍もの経験値の3年に易々と勝ったこと。カルマとの戦闘時も、カスミが攻撃として出した魔術は一発だ。それなのに、勝った。カスミは天才だ。そう思った。
*
卒業のスピーチの時のカスミは、すごく堂々としていた。2年の時は、アタシが担任だったけど、教えることが無いぐらいに既に成長していた。カスミ自身の向上心と素養。そのどちらか一つが欠けていたら、カスミはここまで強くならなかっただろう。アタシは、カスミの卒業後もパラノーマルの養護教諭兼教師という形で続けているが、カスミは何をしてるんだろう。カレンさんの想いが、ちゃんと伝わっているといいな。
*
〜おまけ①〜キャラの誕生日
カスミ 11月17日
メリ 3月14日
ジュン 9月6日
ケンジ 8月7日
オサム 6月19日
リュウ 12月3日
アキ 5月8日
ヒカゲ 1月7日
カルマ 7月30日
セイカ 4月20日
マリ 2月25日
リイル 9月22日
〜おまけ②〜 キャラにインタビューしてみた
Q1.好きな食べ物は?
カスミ「鯖の味噌煮。青魚苦手だけど味噌煮なら好き。」
メリ「うーん……アップルパイね。甘いものが基本好きだから。」
ジュン「チーズかな。溶けてるやつも普通のやつも好き。ひとくちモッツァレラ美味しいからおすすめ。」
ケンジ「基本なんでも好きです!でもそうだなあ……トンカツとか特に好きです!揚げ物って食べると元気出るので!」
オサム「チョコ。ビターとか苦いやつが特に好きだよ。」
リュウ「そうだな……生ハムが好きだ。レタスに巻くと丁度良い美味さだからやってみるといい。」
アキ「そうだねェ……和菓子かな。あんこ系が好き。こしあん派だね。」
ヒカゲ「うーん……オレンジ。昔皮に顔描いて愛着湧いて食べられずに腐らせたことあるけど!w」
カルマ「冷たいもの…かな。かき氷とか。」
セイカ「金平糖。部屋に常備してる。」
マリ「生クリーム系のスイーツ!」
リイル「肉。特に牛肉。」
Q2.苦手、嫌いな食べ物は?」
カスミ「辛いもの。好きな人の舌が意味わからない。」
メリ「ゲテモノは無理ね。虫とか蛙とか。」
ジュン「トマト。酸っぱいの好きじゃないから……」
ケンジ「ゴーヤとか苦いものは嫌いですね!ピーマンも苦手です!」
オサム「そうだなあ……海藻かな〜。ワカメはギリいけるんだけど昆布とかめかぶはやだ。」
リュウ「脂っこいものは無理だ。体に悪い。」
アキ「うーん……カブとニラだな。風味と食感が無理。」
ヒカゲ「あのー、あれ。生クリーム!オレンジと合わせるとオレンジの良さが消えちゃうから!」
カルマ「熱いもの…かな。坦々麺とか多分一生食べられないと思う。」
セイカ「納豆。あのネバネバには一生勝てない。」
マリ「魚。特にお刺身とか生魚。」
リイル「きのこ類。椎茸が一番嫌い。」
お気に入りの店が2月に閉店になりショックなぱるしいです!リア友からの期待で連続で投稿しております!セイカ先輩のお話リア友にめちゃくちゃ好評でした。今までのお話で一番好きらしいです。嬉しいですね。アキ先生のお話でした。アキ先生は25歳なんですね!結構若い!次のお話は……内緒ですw
パラノーマルマジックについての質問
リア友からの質問とか曖昧な点を答えます。
Q.無属性魔法ってなんですか?
A.花とか氷みたいな属性が無い魔法です。適性診断でも適性が出てこない人がほとんどです。魔術無効化魔法、飛行魔法、変身魔法、黒魔術、治癒魔法が主な無属性魔法です。
Q.オサム先生が雷の一族で魔術無効化が使えるならカスミも使えるんですか?
A.使えます。一応。さっきも言った通り魔術無効化は無属性魔法でカスミや他のみんなもオサム先生とか先生から教わっています。オサム先生は無属性魔法が生まれつき適性に入っている珍しいタイプの人で、やり方さえわかれば教わらなくても使えるんです。
Q.先生は自分の適性外の魔法を教えることの方が多いと思いますが、ちゃんと教えられるんですか?
A.一応できます。ただ、適性外の魔法を習得するのは無属性魔法を習得するより難しいです。属性は20種類ぐらいはあると思いますがオサム先生は1年、アキ先生は1年半、リュウ先生は2年かけてその適性外の魔法を全部習得してます。
Q.お話の中の最強キャラを教えてください!
A.戦闘面では1位カルマ、2位カスミ、3位がオサム先生。精神面では1位ケンジ、2位カスミ、3位オサム先生。頭脳面では1位オサム先生、2位リン先生、3位アキ先生です。総合力での最強はオサム先生です。魔術の攻撃は絶対効かないし物理攻撃もあの人なら大抵避けられます。
Q.作者の推しキャラは誰ですか?
A.女子はメリが好きです。ツンデレ可愛いです。男子はカルマ先輩です。彼氏にしたい。カスミは強くしすぎました。
Q.パラノーマルの初期設定はどんな感じだったんですか?
A.カスミは雷の一族ではなくて何なら御三家なんてなかったです。オサム先生とのいとこ設定も。ストリクス校も夏の交流会もありませんでした。最初は一学年3クラスで1組オサム先生2組リュウ先生3組アキ先生でした。他のクラスの人考えるのがめんどくさくなったので()
オサム先生とカスミはマジで強くしすぎました。
パラノーマルマジック番外編 流れ。
俺、リイルは氷の一族に生まれた。6歳年下の弟であるカルマは俺より優秀で、幼い頃から母親に魔術を教え込まれていた。一応俺もカルマが成長するまでは、ずっと母親に魔術を教えられたけど、カルマの才能が目覚めてからは俺は放っておかれるようになった。カルマが小学校を卒業する時、俺も高校を卒業した。そして、家を出た。
*
スマホと、金と、少しの着替え。家を出るときに俺が持って行ったのはそのくらいだった。マンションの部屋とかを契約するのも面倒だし、かと言って働くのも嫌だ。魔法使いになろうもんにも、教えが中途半端だからダメ。適当にコンビニで飯を買い、人通りのほぼない路地裏で食べる。上着を羽織って寝て、風呂は時々銭湯に行った。財布に入っていた分と、今までの小遣いをまとめた金だけでは2ヶ月暮らすのが限界で、俺は完全に路頭に迷った。そんな時、レンに出会った。178cmある俺よりチビで、164、5cmぐらいしかなさそうな男だった。ただ、魔術は強かった。適性は炎。盗賊集団のボスで、俺を勧誘しに来たのだ。金がもらえて、住む場所もあって、3食昼寝付き。こんな好条件を持ち出されて、俺はなんの躊躇も無く首を縦に振った。
*
罪悪感なんてものは無かった。母親の重圧からも、小汚い路地裏での暮らしから解放されて、美味い飯を食い、盗みを働く。レンと俺の適性は対になっているから、逆にやりやすかった。お前の弟を拐う。家を出て、集団に入ってから6年経ちレンはそう言った。カルマを仲間にし、さらに俺たちの勢力を広げる。そうすりゃ、もっと豪華な暮らしができる。もしカルマが仲間になるということに応じなかったら、縛って監禁する。応じたら、高校を卒業するまでは俺たちは何も手を出さない。俺が拐う役になった。カルマは、久しぶりに会う兄に気づいていないようだった。6年ぶりに見る弟は、背が伸びていて、もうそんなに時が経ったのかと少し驚いた。カルマを拐ってから2日、カルマの仲間たちがアジトにしている塔に突っ込んできた。ボスと対峙していたカスミという少女の叫びが聞こえた。心の底から、カルマを想っているようだった。オサムという男に捕まり、1日だけ学校に泊まった。そして、6年ぶりにカルマと話した。家を出る旨を伝えに行くカルマを見送り、カスミと少しだけ話した。母親からもらったペンダントを大事にしていて、カルマのことも、俺のことも、よく見ていた。こいつになら、カルマを任せても大丈夫だ。そう思って、俺はそこで立ち去った。
*
卒業式でのカルマの堂々とした様子に俺は思わず泣いてしまった。
「卒業おめでとう。あの時は……済まなかった。」
「いいよ全然。気にしてない。」
責めて当然の俺のことを恨まず、また、兄さんと呼んでくれた。カスミと抱き合っているカルマを見て、俺は、母親に言いたくなった。バーカ。カルマはとっくに、好きな人見つけて、やりたいこともきっと見つけてんだぞ。って。
土日なんだしなんか投稿しないとっていう危機感のもと書きました。
パラノーマルのバレンタイン
カスミが一年生の頃のお話です。
「はあー……どうしようかしら……」
「何が。」
2月。放課後の教室で、私はメリと話していた。ケンジとジュンは外で自主練中。
「バレンタインよバレンタイン!カスミはどうせカルマ先輩にあげるんでしょ?」
「ああ……まあ……」
レイヴンとストリクスが統合されたおかげでいつでも先輩と会えるから渡そうと思えば渡せるよな……
「一応先生たちにも義理チョコっていうかいつもの感謝を込めてあげるつもり。カスミにもあげるわ。友チョコ。ジュンとケンジにも義理であげる予定よ。」
「本命は?」
「いるわけないでしょうが。リア充は黙らっしゃい。」
「えっ、ごめん。」
メリに恨みがましい目で見られ、反射的に、謝る。
「何を作るかが決まってないのよ……」
「私毎年あれだよ、市販のチョコとかしていい感じの型に入れてデコって友達にあげてる。」
「そんな地味なのじゃ家庭科好きの私の魂が許さないのよ。」
魂って……バレンタインに命懸けてんのかメリは……
「じゃあ、一緒に作ろうよ!セイカ先輩とか誘って。女子だけでさ。」
「いいじゃない。いつにする?」
「明日に材料買って、明後日にやろ。今日のうちに声かけとくね。」
「了解。私寮のキッチン借りる手続きするわね。」
*
「てことで、何作りましょうか!」
翌々日。私、メリ、セイカ先輩は寮のキッチンに立っていた。
「私ガトーショコラがいい。」
「私簡単なものならなんでも。チョコ餅とかは?」
「二人共、そこは王道のトリュフでしょ。」
『う〜ん………………』
と、5分ほど黙考する。
「じゃあいっそのこと、別々に作ろうよ!どうせレシピはわかってるんだし。」
「いいっすね。」
「私も賛成!」
セイカ先輩の提案で、話し合いはいい感じにまとまった。
*
「よいしょ、っと。よし切れた。」
「うーん……もうちょい足した方がいいかしらね……」
「まだまだいい感じにならないなあ………」
私はいい感じにチョコを溶かすために、傍らで餅を水に浸しながら板チョコを刻んでいた。メリは材料を厳しい顔で測り、セイカ先輩は溶かしたチョコを生クリームと混ぜている横で何故かバナナをもうバナナには見えないぐらいに刻んでいた。
「セイカ先輩は何作ってんすか。」
「んー?トリュフだけど。」
「いやバナナですよバナナ。なんでそんな恨みでもあるのかレベルで刻んでるんですか。もうほぼペーストですよ。」
「これを溶かしたチョコと混ぜるの。そしたらいい感じに味つくし、美味しくなるでしょ?」
ふむふむ。面白いことを考えるんだな、先輩は。
「絶対味見させてくださいね。」
「え、じゃあチョコ餅も味見させてよ。メリー、ガトーショコラの味見もいいよねー?」
「先輩が言うならしょうがないわね……わかりました。じゃあ多めに作らないと。」
改めてお互いのものに向き合うと、しばし黙っての作業が続いた。
*
そして、バレンタインデー当日。お互いに味見をして完成度を確認し、ラッピングもいい感じにして当日を迎えることができた。メリは先生達にチョコを配り、セイカ先輩も同級生にあげていた。で、私は……
「カースーミ。元気?」
「あ、カルマ先輩。」
放課後。先輩は私が呼び出したのにも気にせず来てくれた。
「これ、どうぞ。」
「ん?何?これ。」
「…………ハッピーバレンタイン。」
私は真っ赤であろう顔をあまり先輩に見せないようにそう言い、チョコ餅を渡した。
「くれるの?」
「はい。一応、ほ、本命、です。私が作りました。」
うーん、こういうの自分で言ったらおこがましいかな……
「ありがとう。すっごく嬉しい。美味しくいただくね。」
「はい!」
私は大きく頷き、先輩の美しい笑みを見つめていた。
カルマ先輩の登場だいぶ久しぶりですね。
桜月たちがパラノーマルにれっつごーした話
「えっ、待って、ここどこ⁉︎」
「桜月、落ち着いて。変な人来たら私が斬る。」
「お姉ちゃん、みんながみんな悪い人じゃないだろうから……刀仕舞って。怖い。」
「誰ですかね、あれ。」
「僕知らないな。カスミ、知り合いじゃないよね?」
私、カスミは休日ということでカルマ先輩と自主練をし、校内を歩いていた。何やら和装の女の子が2人いる。ぱっと見私より小さいからちょっと年下……かな。
「あのー、2人とも誰?ここの人……じゃないよね?」
「私は泉鏡花。こっちは双子の妹の桜月。」
「桜月、です、よろしく、お願いします。」
その子———桜月は、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。なんかビビってる?
「ここって……どこなんですか?貴方達2人は……誰なんですか?」
「ここはパラノーマル魔法魔術学校。魔法を学ぶところ。で、私はカスミ。」
「僕はカルマ。」
「魔術……異能とは違うの?」
異能……とは一体。私はそっちを知らんのだが。
「多分違います。よね?」
「うん。多分違う。逆に聞くけど、異能って何?僕たちが使う魔術とは多分違うよね。」
「私の異能は夜叉白雪。マントで、仕込み杖を持った夜叉を具現化して出すことができる。」
「私の異能は、四季・奇獣です。春夏秋冬の四季のものと、奇獣……えーと、ユニコーンとかが出せます。」
ユニコーンって……あのツノ生えた馬のことか。
「僕たちが使う魔術には、適性があってね。適生外のものも習得するけど、主にその適性の魔術を習得して使いこなせるようになるんだ。僕は、氷と水が適性。」
「私は雷と電気。適性外のものだと、空飛んだりもできるよ。」
「空飛べるんですか?すごい!」
「私たちの異能じゃ、人にもよるけどそこまでできないから。」
ふーむ……じゃあ魔術の方が便利なのかな。
「あ、ねえどうせなら私たちと戦ってみようよ!」
「いいアイデアだね。僕も戦ってみたいなあ。」
「え、え、勝てるかな……お姉ちゃんはどうする?」
「夜叉白雪は、殺戮に特化した異能。この人たちぐらいなら、すぐに斬れる。」
「お姉ちゃん怖いよお………」
この鏡花って子の方、結構真顔で怖いこと言うな。
「じゃあ、私が桜月と戦いたい。」
「僕は鏡花の方かな。」
「よろしく。桜月。」
「よろしくお願いしますっ!」
まだ少し怯えた様子の桜月。よし、絶対勝ってやる!
*
「私から……いいですか?」
「いいよ。」
私がそう返事すると、桜の花びらが舞った。だが、ひらひら舞い落ちる感じではなく鋭く尖っている。それが私の方に一直線で向かって来た。このくらいなら、クナイで弾ける。私はクナイを構え、腕をそのまま左右に動かした。金属を弾くようなガキンガキンという音とともに周りに花が落ちる。
「えっ、弾かれた⁉︎」
へへ、甘く見るなよ双子の片割れ。
「くっ………」
桜月はさらにたくさんの花びらを出し、自分の姿を隠した。目眩しか。だったら……
「アンノウンウィンド‼︎」
私は風で花びらを一掃した。ケンジに教えてもらった、風の必殺技。桜月の姿が見える。後は……
「サンダーペンデュラム。」
私は桜月に一直線に雷を放つ。桜月は、痺れたようでそのままうずくまった。これ……私勝った?
「負け……ました。完敗です。」
「ううん。そっちも強かったし、異能ももっと見たかった。せっかくだから、先輩と鏡花の戦いも見ようよ。」
私は先輩が勝つと思う。
「いいですね。カルマさんって強いんですか?」
「うん、強いよ。私勝ったけど。」
「か、勝ったんですか⁉カスミさんすごい...」
*
「よろしくね。」
「よろしく。」
僕は、自分より30cmほどは身長が低い和装の少女に向き合った。
「先手はどっち?」
「常に先手が勝つ。私が過去に所属していた組織の首領がよく言っていた。」
「つまり?」
「私が先手でやらせてもらう。」
うーん、僕カスミと初めて戦った時先手で負けたんだけど……ま、いいか。
「夜叉白雪、カルマを斬って。」
和装の少女……鏡花は首に下げていた携帯を開くと、そう命令した。すると、マントに仕込み杖という格好の夜叉?が現れ、僕に斬りかかって来た。
「アイスウォール。」
僕は厚く高い氷の壁を構築する。透けて見える向こう側で、夜叉が壁を斬ろうと刀を押し当てている。これが破られたら、僕は斬られる。
「スカイハイ。」
ある程度の高さまで上がり、下を見下ろす。
「夜叉白雪、私を乗せて、カルマの高さまで上がって。」
鏡花を自身の頭の上に乗せ、夜叉が接近してくる。
「ブラックグラビティ。」
重力を操作し、夜叉と鏡花を一時的にふわふわと浮いている状態にする。なるほど、やっとわかった。あの携帯で、鏡花は夜叉を操作しているんだ。だったら、携帯を奪えば話が早い。
「フラワーヴァイン!」
アキ先生に教えてもらった、花属性の魔術。ぶっちゃけ一番苦手だけど。
「なっ……」
僕が伸ばした蔓は、そのまま鏡花の携帯を引き寄せた。
「夜叉白雪、戻れ。」
僕は携帯にそう命令すると、夜叉はフッと消えていった。
*
「お姉ちゃんが負けた………!」
「おお、流石先輩。」
私と桜月は、先輩と鏡花の戦いを見学していた。すごい、あの夜叉もなかなかだけど先輩の戦法恐ろしやだわ。
「疲れた……」
「カスミー、僕勝ったよー。」
「お姉ちゃん、お疲れ様!」
「先輩、お疲れ様です。」
お互いに労わる。ていうか先輩花属性苦手じゃなかった?あんなすんなり出せるんだ。
「いやー、疲れたけど楽しかったです。ありがとうございました!」
「疲れたし負けたけど……強くなるための課題が見つかった。ありがとう。」
「こちらこそ!せっかく来てくれたのに本気で倒しちゃったけどwまた……会えたら会おうね!」
「あれ、でも僕もうすぐ卒業だしな。来ても会えないかな。いいや、鏡花たち来たらカスミに呼んでもらおう。」
「ええ……w」
そんなすぐ来れるかなあ……
「じゃあ、私たちは戻ります!なんかゲートが見えてるので。」
桜月が指差した方には、キラキラと光り渦を巻いたゲートが見えていた。
「また、会いましょう!」
「今度は、2人が私たちの世界に来て。」
「うん!絶対行く!」
「桜月、鏡花、待っててね。」
どうもどうもぱるしいです。リクエストで書かせていただきました!誰がリクエストしたかは……まあ、大体の人がわかるでしょう!せっかく他作品のキャラと絡ませるのにがっつりバトルですみませんでした。最近書いてなかったのd(((言い訳すな 口調合ってますか?w 改めて、リクエストありがとうございました。
キャラにインタビュ〜
Q.出身地は(日本で言うと)どこですか?
カスミ「えーとね、横浜のあたり。」
メリ「東京の青山……って言ったらわかるかしら?」
ジュン「福井の方……だよ。あんま有名じゃないよねw」
ケンジ「岩手の山の方です!家に畑と田んぼと牛舎がありますよ!」
オサム「え?カスミと同じ横浜だよ。」
リュウ「……滋賀だ。海はないが、美味い牛肉はあるぞ。」
アキ「栃木の日光だよ。竜頭の滝ってあるだろ?実家はあそこの近くだから、毎年綺麗な紅葉が見れんだ。」
ヒカゲ「福岡の博多。グルメがすごいよね、博多って。」
カルマ「北海道の稚内だよ。地図見ればわかるんだけど、かなり先っぽの方。」
セイカ「長崎!ハウステンボス行ったことある?楽しいよ。」
マリ「メリと一緒だよ!青山!」
リイル「カルマと同じ。え、盗賊団の拠点?それは内緒。」
Q.きのこの山とたけのこの里どっち派?
カスミ「きのこでしょ。」
メリ「きのこ派よ、もちろん。」
ジュン「たけのこ派...です。」
ケンジ「どっちも好きですけどきのこですね!」
オサム「たけのこ派だよ。」
リュウ「どちらかといえばたけのこだな。」
アキ「きのこだけど。」
ヒカゲ「きのこかな!」
カルマ「きのこの方が食べやすいからきのこ派。」
セイカ「たけのこ!」
マリ「たけのこかなぁ~。」
リイル「たけのこ。」
Q.休日は何してますか?
カスミ「土曜は自主練。日曜は部屋にこもって音楽聴いてる。」
メリ「実家にいたときはよく服買いに行ってたけど、最近は校内の普段行かないところ散歩したりしてるわ。」
ジュン「うーん、大したことやってないからな......自主練と宿題やってるよ。実家にいた時は弟たちに付き合って遊んでたかな。」
ケンジ「最近はずっと自主練とかですけど.....実家では牛の世話とか畑の様子見とかしてましたねー。」
オサム「教師たるもの、みんなの成績つけたり自主練付き合ったり万年人不足だし休みなんてない..............って言いたいところだけどまあ、時々先生たちだけで飲み会したりかな~。」
リュウ「部屋の掃除。自室は常に清潔に保ちたいからな。」
アキ「料理の研究。和菓子作るの楽しいんだよ。今度一緒にやるかい?」
ヒカゲ「筋トレと自主練。(即答)」
カルマ「一人で部屋で本読んだり.....あとは課題とか?」
セイカ「昼まで寝て、あとは趣味に打ち込む。」
Q.座右の銘はなんですか?
カスミ「生きてりゃ勝ち。」
メリ「強く可愛く大人っぽく。」
ジュン「普通に生きる。シンプルイズベスト。」
ケンジ「スマイル絶やさずポジティブ笑顔!」
オサム「凡事徹底フリーダム。」
リュウ「吠えても噛むな、噛んでも殺すな。」
アキ「百花繚乱、十人十色。」
ヒカゲ「常に明るく太陽のようであれ。」
カルマ「正しさは自分で見極める。」
セイカ「星のように煌めき、月のように光れ。」
リイル「天上天下唯我独尊。」
リン「世界を広く見て、自分らしさを追え。」
Q.一億円もらったら何に使う?
カスミ「半分は将来のために貯めてもう半分は好きなことに使う。」
メリ「自分磨きに使う。スキンケアとか、あと洋服とか?」
ジュン「実家に全部あげる。弟たちが将来楽に暮らせるように。」
ケンジ「畑と田んぼと牛のメンテナンスに使いたいです!」
オサム「うーん.......将来の結婚資金として貯めるかな。相手いないけど。」
リュウ「物欲があまりないからな.......実家に送金する。」
アキ「旅行行く。」
ヒカゲ「筋トレ設備を整える!」
カルマ「カスミとどこか出かける.....とか。今までのお礼をしたいな。」
セイカ「まだ見ぬお菓子をたくさん買う。」
リイル「美味いモンを食う。」
リア友と作者がパラノーマルの世界に行っちゃった⁉
リア友からのリクエストです。
ウチはエマ。このパラノーマルマジックの作者であり、今回は友達とこの世界にワープしたのだ。
「うわー……えー……魔法?えー……」
何やらブツブツ呟いているのは、親友のカリン。小学校に入ってから2番目にできた友達であり、私が小説を書き始めたきっかけの友達。うるさい本好きの変人で、初対面の時の私に話しかけた一言目が「マナって名前?」という謎の人物である。あ、何故だかワープしたことで魔術も使えるようになり、私の適性は闇と風で、カリンの適性は星と幻惑。らしい。
「まあまあカリンちゃん落ち着いて。いいじゃん、魔術使えるみたいだし。」
今のはもう1人私とワープした、友達のスズだ。スズの適性は音と月。カリンと違い割と普通の子で落ち着いているけど、脇をくすぐられるのには弱い。そして、双子の姉であり、二卵性双生児にしては妹と入れ替わっても気づかなそうなほどそっくりだ。
「ていうか私音の適性書いた記憶ないんだけど。いいなー、レアでしょ?音って。」
「そうなの?」
「いや、私は知らない。」
「作者なのにw」
適当に校内を歩く。うーん、カスミとかに会えないかな〜。スズはセイカ先輩とカルマ先輩好きって言ってたし、その2人もいるかな。
「え、待って。」
「急にどうしたの?」
いきなり足を止めた私に、スズが心配そうな顔で聞いてくる。
「あれ、カスミじゃない?」
「ホントだ。カルマ先輩とセイカ先輩もいる!」
スズには、前々からキャラの見た目などの特徴を教えていたから大体見た目でどれが誰かわかる。
「あのー先輩。あそこの3人誰ですかね。」
「僕も知らない人なんだけど....ねえ、そこの女の子3人、迷子?」
とうとうカスミとカルマ生で拝めた!
「ウチ、エマ。この物語の作者。」
「初手からメタいな。てか、エマって身長いくつ?年齢は?」
お、カスミがウチのことを名前で呼んだ。
「身長は162cm。年齢は12。もうすぐ中学生だよ。」
「小6で162!?大きいね。で、あと2人は誰?」
カルマ先輩もなかなか大きいけどね。
「私、スズ。エマちゃんの友達で、パラノーマルは最初から最後まで読んでるよ。」
「ちょっと話が生々しいんだよなー........ま、いいか。最後そこの眼鏡の子。君は?」
カリンの方を見て、セイカ先輩が聞く。
「え、あ、ウチ?カリンです。」
「エマ、スズ、カリンね。よろしく。せっかく会えたけど、何する?」
「3人とも、|ウチ《パラノーマル》のローブ来てるけど、魔術は使えるの?」
うーん使えるけど使いこなせる訳じゃないからなー.......
「適性は何なの?」
「ウチ、闇と風。」
「私、音と月。」
「ウチたしか星と幻惑かな.....?」
そういえばケンジの幻獣とかそういう適性は何かわからないな。何なんだろう。
「星と月に関しては、私が教えられるけど、他は先生とかに聞かないとわかんないかな。」
「音が適性に出てる人、あんまいませんよね。」
「とりあえず、先生に聞いてみようか。僕、呼んでくるね。」
---
「で、なんだそこの3人は。敵襲なら容赦なく殺るが。」
「事情説明しましたよね......」
「まあまあ、知り合いが増えるのはいい事だからね、リュウ。あ、そうだカスミ。メリも呼んできて。このカリンって子、幻惑持ってるんでしょ?」
うわ、リュウ先生とリン先生だ!
「あ、君だっけ。音の適性の子だよね。知ってるかもだけど僕、リン!僕の適性、音と風だから。色々と教えるよ!」
「何なのカスミ。ドラマいいとこだったのに....その子ね。幻惑の適性。カリンだっけ?メリよ。よろしく。」
「じゃ、魔術の力つけたら僕らと戦おうよ。3対2なら大丈夫じゃない?」
てことは......カスミとカルマ先輩と戦うのか.......うわ勝てる気しねえな。うん、まあ、頑張ろう。
---
「いいか。闇の魔術は聴覚への負担が大きいが、汎用性は高い。自身の影を媒介として幻獣を生み出したり、相手を闇に吞み込ませることもできる。」
「で、幻を出すときはできるだけ完成型を詳しくイメージするの。まずは......そうね、食べられないけど何かの果物を思い浮かべてみて。で、そのイメージを....」
「音の魔術って相手に大音量をぶつけるだけなんだけど、他の人がその音で耳ぶっ壊れたらヤバイから音を出すと同時に結界を張る。その結界の.....」
それからは、外でただひたすら魔術を教わっていた。闇属性の魔術、結構楽しい。
「ダークネスアビス、が相手ごと闇に呑む魔術の呪文だ。ダークネスケイアスが、影を媒介とした幻獣が出せる呪文。あまり使ってほしくないのだが、ダークネスカタストロフィという技はこの世を闇で包み込み、全てを支配できる技だ。やりようによっては世界が滅びるから、安直に使うな。ダークネスカタルシス。これが一番安全で、一番ローリスクだ。これ以外の技を使った後は必ず、この技を出せ。でないと闇の残骸が世に蔓延る羽目になるからな。」
うーん否めない厨二感....まあ、世界の平穏を守るため(?)には気をつけないと....
「かつて、その技のせいで闇の一族は....」
「え?」
「.........いや、何でもない。続きをやるぞ。」
なんだったんだろう、今の。
---
「じゃ、実際に技を出してみよ〜!」
「は、はい。」
私、スズはリン先生から音の魔術を教わってるんだけど.....正直テンション高すぎてキツい。普段からカリンちゃんという変人を相手にしてるからうるさい人には慣れてるはずなんだけどな〜。
「さっき、僕が一番簡単だって言ったやつ覚えてるよね?それ、やってみて。」
「はい。」
息を吸い、構える。
「サウンドディメンション。」
直訳すると、音の次元。らしい。大きな音が響いたけど、エマちゃんたちには聞こえてなさそう。
「うん、結界も上手く張れてるよ。セイカー!今なんか大きい音しなかったよねー?」
「大丈夫ですー!」
よかった。ちゃんとできてた。
---
「うん。幻を出すのはもう大丈夫ね。次はセイカ先輩から星の魔術教えてもらってね。」
「はいっ!ありがとーございましたっ!」
ウチ、カリンはメリから幻惑の魔術を教えてもらい、それなりには使えるようになった。ていうか、この世界ってウチの好きな本無いじゃん!早く帰って新刊を読みたい!
「やっほーカリンちゃん。私、セイカ。よろしくね~。で、君がスズちゃんだよね?」
「はい。スズです。」
「一気に二人も後輩できちゃった〜!嬉しいなあ。じゃ、着いてきたまえよ、小6ちゃん!」
---
「あとは風の魔術か。闇の魔術はどうだった?」
闇の魔術を習得し終え、次はリン先生に風の魔術を教えてもらう。
「結構面白かったし、勉強になりました。ただ.......」
「? どうかした?」
「リュウ先生が言ってたことが気になって....」
ウチはさっきのやり取りのことを話した。
「へえ~。リュウがそんなこと言ってたんだ〜、へえー。」
「ちゃんと聞いてました?」
「聞いてたよ!それに関しては、あんま突っ込まないほうがいいよ。リュウ、なんだかんだそういうの気にするから。」
「あ、はい。」
こんなテンション高い子供みたいな人でも人のこと思いやるんだ。あ、ウチ今すごい失礼なこと思ったな。
「リュウ先生と親しいんですか?」
「まあ、後輩だしね。あと僕、オサムと同級生だよ。」
「え、知らなかった。」
「初対面なんだから、知らなくて当然でしょ。さ、魔術の授業の方に入るよ!」
---
「セイカ先輩の授業どうだった?」
「楽しかった!セイカ先輩美人だった!」
スズはセイカ先輩推しだからな〜。w
「うん、それはよかった。カリンは?」
「まっちゃんの授業に引けを取らないぐらいには良かった。」
「アンタはまっちゃん好きすぎ。」
まっちゃん、というのはカリンの塾の算数科の先生のこと。カリンはそのまっちゃんとやらをめっちゃ尊敬しているらしい。
「おっ、準備できたんだ。」
「楽しみですね。君たち、ハンデはいる?」
「魔術のバトルにハンデもクソもないっしょ。」
まあハンデは欲しいけども。
「いいですよ、別になくても。」
「カリン運動音痴だけど大丈夫?」
「大丈夫!多分!」
「怪我しても知らないよ。」
何も無いところで転ぶからね、カリンは。
---
「じゃあ、カルマ・カスミvsスズ・エマ・カリンによる魔術バトル!スタート!」
リン先生の合図で、戦いが始まる。
「ダークネスアビス。」
早速ウチが、闇の空間を作る。
「短時間で覚えたにしては、様になってるね。サンダーペンデュラム。」
やばい、避けらんねえ........
「エニグマサウンド。」
スズが技を出して、電気は分散していった。
「スズコンヌ、ありがと。」
「ここでもそのあだ名なんだね。」
いつものあだ名じゃないと落ち着かないんだよね〜。
「ダークネスケイアス‼」
影から幻獣たちを生み出す。これで、ある程度の攻撃はウチに当たらなくなった。
「アイスアロー。」
わっ、カルマ先輩の氷の矢だ。
「スターファンタジア!で合ってるよね!」
カリンが星の光線を氷の矢に放つと、矢は砕け散った。その砕けた破片を、私の幻獣が食べる。これで、幻獣が少し強くなった。影から生み出す幻獣には、相手の攻撃を「喰う」効果があるらしい。
「アンノウンウィンド!」
強風で、闇の中のカスミとカルマ先輩を空へ吹き上げる。
「2人とも!あとよろしく!」
ここからは、私じゃない2人の役目だ。
「任せといて。」
「待って、次なんの技だっけ?」
「ムーングングニル!」
「マジックハレルヤ!」
2つの技は、空中のカスミとカルマ先輩を直撃した。
---
「ダークネスカタルシス。」
闇の魔術を出し、闇の空間を浄化する。
「勝った.....よね。」
「やったー勝ったー!......けど疲れた。」
「お疲れ様。結構強かったね。」
「久しぶりに負けた.....」
一応ウチらが勝ったけど、慣れないことをした疲れがどっと来た。
「もう帰っていいですか?本読みたい。」
「うーん駄目とは言わないけど.....こんな早く帰るなら次来た時もうちょい長居してよ?」
「わかりました。」
カリン私欲丸出しじゃん。
「次は、カスミたちがこっちの世界来てね!」
「わかった。またね。」
「次に会うの、楽しみにしてるよ。」
最後にみんなと握手をして、ウチらは自分の世界に戻るため、歩き始めた。
疲れました、ぱるしいです。(この物語の中での)スズがリクエストをくれました。カルマ先輩たちに会ってみたい!と言われたので書きました。ちなみに、エマは私の本名.....かもしれません。感想、よければファンレターにくださいね。
パラノーマルマジック番外編 闇の中の龍。
俺、リュウは闇の一族の生まれだった。闇の一族は、魔術が生まれた2000年前から1000年前まで御三家として君臨していた。魔術が生まれた時のことについては、ある程度両親から教わった。2000年前、ある科学者は、新たな薬品の開発中にその薬品を浴び命を落とした。科学者の死後、遺体から出た謎の光が、科学者の実験室のある山の上から麓の住民に宿った。その謎の光が、魔力だった。光が多く宿った者たちが御三家となり、それ以外の魔法使いたちも生まれた。魔術の技は、その光にあらかじめ組み込まれており、宿った者たちは何一つ教わらずに魔術を使えるようになった。何一つ教わらなかったのが、いけなかった。1000年後、当時の闇の一族の当主は禁忌とされていた闇の魔術の技を使った。世界は闇と混沌に包まれ、一般人にも被害が及んだ。当主は処刑され、闇の一族は没落した御三家として、蔑まれるようになった。俺も家族も、三下だと石を投げられ、色々な目で見られた。侮蔑、同情、憐れみ........気色悪かった。侮蔑なんて勝手にしろ、同情なんかいらない、憐れみなんてしたところで何になる。どす黒い感情が心に渦を巻き、闇に飲まれていくような気がした。
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高校は、一応、手紙も来たことだしパラノーマルに入った。どうせここでも、色々な目で見られるのだろうと、最初から何かを諦めていた。が、全くそんなことは無かった。三年生の先輩に、後々教師としての先輩にもなるオサム先輩とリン先輩に出会った。年齢は自分の3歳上で、なんと2人は留年していたらしい。だが、魔術は強いし頭も良く何故留年したかが全く理解できなかった。
「2人とも、成績は優秀なのに何故留年しているのですか。」
「えー、なんでだろうねー。」
「なんとなく.....かも。」
いやなんとなくで留年する阿呆がいるか、と言いたくなったが先輩なのでなんとか我慢した。
「僕らさー、教師になりたいんだよね。」
「3年間で、魔術は一通り覚えたから。あとはもう教師としての心得を学ぶだけって感じだし。パラノーマルの教師になるのは、普通の大学じゃダメなんだ。一番近くで、勉強したくて。君は、夢とかあるの?」
オサム先輩に言われたとき、何もわからなかった。自分にできることも、得意も。
「......わかりません。何が向いているのかとか、考えたことすらないので。」
「じゃ、私たちと教師になるのはどうだい?」
「教師.....ですか?」
当時の俺は、全くイメージが湧かなかった。
「別に魔術とか教えるだけだし、君才能あるじゃん。」
「実は、さっきの実技練私とリンで見てたんだよ。その時、君が一番輝いていたというか.....一番魔術の扱いが上手いなーって思ってさ。」
「リュウって目つき悪いし性格も荒い感じするけど、魔術は上手い。僕、人を見る目には自信あんの。まあ魔術にも自信あるけど。」
「どう?無理にとは言わないけど。」
そう聞かれた時、答えはもう心の中で決まっていた。
「.....やります。パラノーマルの、教師になります。」
『そう来なくっちゃ!』
「教師になってもよろしくね、闇の中の龍さん。」
「約束は、絶対守ってね。」
---
「これが、俺が教師になったきっかけだ。」
『おお~!』
リュウ先生の授業後、時間が余ったので私たちは先生の過去の話を聞いていた。
「オサム先生が先輩って呼ばれてるの、新鮮ね。」
「それな。ていうか二人とも留年してたんだ。」
「高校時代のリン先生とオサム先生、すっごい想像つくなあ.......」
「闇の中の龍って、なんかすごいかっこいいですねー!」
そういう通り名的なの、私も欲しいな。電撃のカスミ、とかどうだろ。うーん...........
ぱるしいです!実はこのお話、全て学タブで書いていますw まあそんなことは置いといて、なんか今回ラノベっぽくないですか?
パラノーマルマジック番外編 夏祭り
時系列的にはカスミもカルマも卒業した後です。
「ねえねえカスミ。」
「なんですか?」
夏。暑いのが苦手な私とカルマ先輩が同棲している家では、エアコンをガンガンに効かせていた。
「これ、一緒に行かない?」
先輩が見せてきたのは、夏祭りの案内だった。屋台とかも出るみたいだし、花火も打ち上げられるらしい。でもなあ……
「人多そうだし、暑くないですか?」
「それは僕も思ったよ。でもカスミ安心して。僕も氷ならいくらでも出せるから涼しくできる。それに人多いのはもうわかってることだし、仕方ないかーって割り切っちゃえばいいと思う」
「それもそうですね。花火見たいし、行きますか」
「楽しみだね」
---
「すみません。準備に時間かかっちゃって……」
当日。先週、先輩に選んでもらった浴衣を着て、髪の毛をアレンジした。普段あんまりアレンジしないから大変だったけど、なんとかなった……気がする。
「いいよ全然。すごい可愛い」
「ありがとうございます……」
しれっとそういうこと言わないでよ!惚れ直しちゃうよ!
「じゃ、行こっか」
「はい」
こういう時、どういう会話をしたら良いのかわからない。休みなんだから魔法の話はしたくないし……と思っていると、先輩がいきなり私の手を握ってきた。
「先輩?手、繋ぐんですか?」
「だって、人混みではぐれたくないもん。ほら、行こ」
と言うと、先輩はいきなり走り出した。
「え、浴衣じゃ走りにくいですよ!」
「あははっ!」
---
「うわあ………」
「想像以上に人がいる……」
祭りの会場に着くと、かなりの人がいた。いや、そりゃ当たり前だけど。年に1回しかないし人が多いのはわかった上で来てるけど。
「カスミ、かき氷食べようよ」
人混みに驚いて固まっていた私に、先輩がそう提案してくれた。
「いいですね。味どうしますか?」
「僕はブルーハワイとメロン半分ずつにしようかな」
「じゃあ私はレモンで」
「懐かしい組み合わせだね」
高1の時の合宿、私たちはそこで出会ったんだ。ちょうど今ぐらいの季節だったっけ。
「カスミ、一口いる?」
笑ってる先輩が綺麗すぎて、直視できない。
「………ありがとうございます。レモンも一口どうぞ」
「ありがと!」
もう何年も経ってるのに、あの時の会話が昨日のことのようにハッキリ思い出せる。冷たい甘さが口の中に広がり、耳の下がきゅーっとなる。夏だけど、青春だな。めっちゃ甘酸っぱい。
「なんかさ、出会ってすぐの頃思い出すよね。かき氷一口ずつ食べるのとか。味もそうだし」
「ですね。周りも、自分も、変わりましたよね」
「僕のカスミへの想いは、全然変わってないよ」
「?」
私は、どういうことかと首を傾げる。
「前も今も大好きってこと。なんなら毎日惚れ直してるよ」
こういうことサラッと言うの、ホントずるい。
「私も、大好きです」
「また、来年も来ようね」
指切りげんまんをした私たちの前の空には、美しい光の花が咲いていた。
おはこんにちばんは、ぱるしいです。明日始業式で憂鬱すぎてもう無理です。実はこれ書き始めたのが去年の7月で、書き上げるのに1年かかりました。1年かかって文字数この程度なのは許してください。
配役を決めましょ〜
どうも、始業式でしたぱるしいです。初日から担任に呼び出されました。草ですね。
てことで!とりあえず!パラノーマルの番外編のお話のリクエストをもらったので!配役を!決めていきます!
やるお話はね、スタジオジブリの『ハウルの動く城』で行こうと思います。リクエストあざす!自分もハウル大好きなんで嬉しいっす!(口調どした)
配役はね、これムズいですよねw
とりあえずキャラの一覧です↓
ソフィー(ヒロイン)
ハウル(魔法使いの青年)
荒地の魔女(ソフィーをおばあちゃんに変えた奴)
カルシファー(火の奴)
マルクル(ハウルの弟子的なキャラ)
カブ(カカシの奴)
サリマン(王宮付の魔法使い)
ヒン(サリマンの犬)
レティー(ソフィーの妹)
ハニー(ソフィーの母)
いや、キャラ多くない?w とりあえずカスミがソフィー、ハウルがカルマ、レティーをメリ、マルクルをケンジ、あとは多分ほぼセリフないけどカブをオサム先生にします!
えーっととりあえず、荒地の魔女、カルシファー、サリマン、ヒン、ハニーの配役を考えて欲しいです!
死ネタ的な
カスミが死ぬ時、カルマは何を言うのか。カルマが死ぬ時、カスミは何を言うのか。そんな感じで書きました。魔獣がこの世界線に溢れ出した設定です。(適当)
カスミが死ぬ時→カルマが死ぬ時
で書いてます。
……………やってしまった。気を抜いていた、そうとしか言えない。こんなに周りが混乱してる中で、自分の強さを過信していた。馬鹿だ。
背後からの奇襲。何とかして技を出したけど、攻撃の方に意識が向いていて防御を全くできなくてこの有り様だ。多分、いや絶対肋骨折れてる。右の脇腹を抉られて、ズキズキと痛み続けている。回復魔術を使ったけれど、魔力が減っていて大して役に立たなかったから、致命傷を受けたことに変わりはない。残ってた魔力も逃げるために使っちゃったし。頭も打ってる。どうしよう。
なんとかして逃げて、隠れた空き家。割れたガラスが床には散らばっていて、私が寝そべっているソファもバネの一部が見えていた。血の匂いはしないから、ここに住んでる人は逃げたんだろうな。
カルマ先輩、来てくれないかな。そんなことがふっと頭に浮かぶ。さっきまで一緒にいたけど、別の魔獣の攻撃で位置が分かれちゃって、私を探し出すなんて無理だろうな。
夏の合宿で初めて会って、戦った。カルマ先輩の髪を結った。かき氷を一緒に食べて、シェアした。誕生日のプレゼントをあげた。さらわれた先輩を私が助けた。沢山のことを一緒にやって、沢山のことを2人で話した。
「……………楽しかったな」
せめてあと10年、いや5年でも3年でも何なら1年ぐらいでもいい。先輩と一緒に居たかった。まだ行ったことがないところに2人で出かけて、カルマ先輩だけじゃない。メリとかケンジとかジュンとかともっと遊んで、セイカ先輩にも稽古をつけてもらって。
死ぬのってどんな感じなんだろう。死ぬのちょっと怖いけど、天国行ったらお母さんにも会えるかな。ずっと、私のこと見守っててくれたのかな。でもせっかくなら、死ぬ時は誰かと一緒に死にたかった。なんて、良くないこと考えちゃダメだ。死ぬ時は潔く独りで死のう。
「カスミ!!!!」
「先………輩?」
ガラスの欠片を踏む音がして、私を呼ぶ声も聞こえた。_______先輩が、来てくれた。
「カスミ!!なんでっ……」
今にも泣きそうな顔をして、私の上半身を優しく起こしてくれる先輩。
「絶対に助けるから………」
そう言いながら、回復魔術を使おうとする先輩を、私は止めた。
「良いです……もう。私、多分手遅れですから……」
「ごめんね。もっと早く僕が来てれば……そもそも分かれちゃうことが無ければ…………ごめん。本っ当にごめん」
「そんなに謝らないでください………先輩が来てくれてよかったです……」
先輩を安心させるために。自分自身が泣かないように。精一杯の笑顔を作る。
「…………僕も、カスミが死んじゃう前に会えて良かった……」
先輩は優しく私の頭を撫でた。そして私の頬に、私のものではない涙が落ちる。
「カスミっ…………」
______________先輩の涙だった。
「僕………カスミのことが大好きだよ。本当に大切にで、愛してるよ」
足の感覚がだんだん無くなってきた。手の感覚も無くなる前に。先輩に、泣かないで、と伝えるために。
私は上半身に力を入れて先輩を引き寄せ、抱きしめて頭を撫でた。
「カスミ………どうして………」
「泣かないでください…先輩。今までありがとうございました。また………会いましょう………」
私は最後にそう言って瞼を閉じた。
「僕からも、ありがとう。何があっても、僕はカスミだけを想い続けるから………大好きだよ」
最期にそう聞こえて、抱きしめられる感覚がして、私の目から涙が落ちた。
---
もう、僕の事をかっこよく助けてくれるカスミはいない。もう、あの明るい笑顔を見ることも出来ない。でも、最後に見られてよかった。
涙を必死に堪えながら、着ていたローブをカスミに掛けた。もう、カスミは冷たくなり始めている。今さらやっても意味が無いとわかっているけど、外は雨が降り出しているし、カスミがこれ以上冷えないように。
「また……来世で会おうね。カスミ」
カスミの頬にキスを落として立ち上がり、雨の降る外に出た。
---
死ぬ間際って、体とか全然痛くないんだな。死ぬ間際になって初めて知った。
カスミと一緒に街のパトロールをしつつ必要に応じて魔獣を倒してて、不意打ちで来た魔獣をカスミから庇って、魔獣の出した棘でお腹を刺されてしまった。棘を抜いたら血が止まらなくなるから抜いてないけど、もう手遅れだろう。
生まれた時からずっと、辛い時間の方が多かったけどカスミに出会ってからは楽しくて幸せなことばっかりで、本当に嬉しかった。僕も幸せになっていいんだって、カスミが僕に価値を与えてくれた気がする。カスミはお母さんを亡くしてるから、カスミにとってまた大切な人がいなくなることになるけど、ごめんね。カスミ。
「輩……カルマ先輩!!」
ぼんやりと考えていたところでカスミに名前を呼ばれ、意識と思考が現実に戻ってくる。そうだ、お腹を刺されてからカスミが魔獣を倒して、どこかの公園の遊具の中まで連れてきてくれたんだ。この遊具の外にもいくつか人の死体があって、魔獣の恐ろしさが伝わってくる。
「先輩……本当にごめんなさい………私を庇ったばっかりに……」
カスミが泣いている。その涙が、僕の頬に落ちる。僕は腕の力を振り絞って起き上がり、遊具に背中をもたれかける。そして腕を伸ばし、カスミの頬に指を滑らせた。
「泣かないでよ……カスミ…………」
「!!」
カスミが、驚いたように目を見開く。
「カスミには………笑顔が一番だよ………だからさ……ね……?僕もう最期なんだから……カスミの笑顔を見たいよ………そんなに謝らないで……」
目の前で人が死にそうなのに笑えだなんて、酷なことを言っているのはわかる。でもこんな時でも、カスミが笑っている顔が、僕は大好きなんだ。
僕の言葉から少し遅れて、カスミが涙を浮かべたまま微笑んだ。やっぱり、カスミは笑ってるのが一番だ。
僕は手を震わせながら、カスミがくれたヘアゴムを腕から外し、着ていたローブを脱いでカスミの方に差し出した。
「これさ………これからも持っててくれない……?僕の形見みたいな感じで………僕が生きてた証は……カスミに持っててもらいたいんだ……」
カスミは少し戸惑いながらも、僕が差し出したヘアゴムとローブを受け取った。
「カスミ、大好きだよ………」
僕はそう言い、カスミの頭を撫でた。自分の手が傷まみれで血も出てることに気づいたけれど、そんなことより最期にカスミに触れたかった。それから、手の感覚も無くなってしまった。
「たくさん…助けてくれてありがとう………また…会おうね………本当に大好きだよ………」
僕はそう言って、目を閉じた。
「私も大好きです、先輩。いつまでも絶対に、先輩だけを想い続けてますから………」
人間が死ぬ時、最後まで残るのは聴覚。カスミから僕への言葉がたくさん聞けて、僕は本当に幸せ者だ。
---
さっき私の頭を撫でてくれた先輩の手が、もう冷たくなり始めている。初めて出会って握手したあの日のように、冷たい先輩の手。あの時は何とも思わなかったけど、今はただ寂しい。
でも、もう泣いている場合じゃない。立ち上がって、前に進まなきゃいけない。私は自分が着ていたローブを先輩に掛けて、先輩から渡されたローブを着た。そして、同じく先輩から渡されたヘアゴムで髪をまとめる。
「先輩、今までありがとうございました。………またいつか、会いましょう」
最後に先輩の額にキスをして、私は公園を出た。外は雪が降り出し、静寂に包まれていた。
どうも、夜の11時半に寝て朝の9時に起きたぱるしいです。鬼滅の遊郭編見てたら11時半でした。あとがきを書く気力がどっか行っちゃってますが、感想貰えると嬉しいです。