カタツムリみたいなスピードで更新するよ。
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目次
1話
息抜き
「あんたと山内くんって、どういう関係なわけ?」
「親友です。」
クラスメイトの橋田さんに訊かれ、私は即答した。放課後、校舎裏に来て。昼休みに橋田さんに睨みつけられながらそう言われた。橋田さんはクラスの中心人物であり、気が強い。また大変優秀で先生の前では素行も良いので、先生にはかなり信頼されているようだ。そんな橋田さんにいじめを受けた子もいたらしが、先生には取り合ってもらえず泣き寝入り…というのは噂である。そういうわけで、今日で私の人生が終わってしまうんじゃないかなんてドキドキしながら校舎裏にやってきたわけだが、放たれた言葉は冒頭のあれ。
私と山内の関係を訊ねるためだけに、こんな面倒なことをしたのか。私は内心で呆れていた。
「はあ、そんなわけないでしょ?男女の友情なんて成立しないわ!」
橋田さんは腕を組んで眉を寄せた。成立するかもしれないだろう。
「山内にも訊いたらいいんじゃないです?同じ言葉が返ってくると思いますよ。」
「はっ?山内くんにこんなくだらないこと訊けるわけないでしょ?」
なんでだよ。
「でも、私と山内は親友でしかないし…。」
「そんなこと言ってるけどホントは好きなんでしょ?みんなそうだもの。」
「いえ、別に。」
「山内くんが好きじゃない女子なんて、この世に存在しないわよ。」
そんなことはないでしょうに。
「私は別の人が好きなので…。」嘘だったが、橋田さんを落ち着かせるためにはこう言うのが1番に思えた。橋田さんはきっと目を吊り上げた。
「嘘でしょ。」なんでわかるんだ。私に詰め寄ってきて、橋田さんは声を荒げた。「嘘じゃないなら、教えなさいよ。今、ここで!誰が好きなのか!!」ええ。私は視線をさまよわせた。どうしよう、誰って言うべき。誰かの名前を挙げるしかないけど、橋田さんが私が誰々のことを好きらしいよ〜なんて噂を流すようなタイプだったらたまったもんじゃないぞ。じゃあ、噂を流されないような人って誰?考えた。
「橋田さん。」
数秒黙ってそう答えた。もう、なんでもいいやー、やーい!みたいな心境だった。橋田さんは目を見開いて固まった。その整った顔がみるみる赤くなっていく。お?
「なっ、何言ってんのよ!!」おお?「私はあんたのことなんて…。」おおお?「大っ嫌いなんだからね!!」これではもうツンデレヒロインだ。橋田さんはバーっと走り去っていった。あれー、何これ。
カタツムリみたいなスピードで更新する予定だよ