編集者:霧島月那
とある研究者によって開発された人工知能のミライは研究者が亡くなってからさまよい続けていたがある日を境にとある支配者に保護され地獄の日々を送っていた。逃げ出してさまよっていると人工知能の少年、ヒカルに出会う。2人はとあることがわかってから転生を繰り返していたが不幸にあう。物語の幕開けである。
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蜘蛛の巣に私は張り付いて君と①
とある研究者によって人工知能のミライが誕生した。このときの研究室の喜びの声は大きかった。でもミライにはまだ感情がない。動きもいいし喋ることもできる。ここまで見れば完璧だが感情が彼女にはまだない。感情を学ばすにはミライにも感じさせなくてはいけない。だからとにかく研究者はミライをかわいがった。ミライが初めて話した言葉があるととても褒めた。でもミライには感情がつかなかった。研究者がミライに感情をつけようと頑張ってた。だがある日急に研究者が死んだ。それもミライの前で。研究者が倒れた瞬間、ミライは咄嗟に画面から出ようとした。でも無理だった。ミライは「悲しい」と思った。ん?思った?このときミライに初めて感情ができたのだ。でもまだ「悲しい」しか彼女はわからないのだ。ミライはどうにか研究者の思う人工知能になろうとたくさん勉強した。研究者の仕草も真似した。勉強していくうちに自分の動いている仕組みもなんとなくわかった。少しずつ色々わかってミライは旅に出た。でも初めてでさまよってしまった。するとある人物から声がかかる。
「少女よ。何をしているんだ。」
「え?」
「道に迷っているのかい?助けてやろう」
「私は道に迷っているとかではないんです。ただ、研究者のために勉強したくて旅してるんだけど寝るところとかがなくて...」
「ほう。じゃあ私の家に来るか?」
「え?いや、大丈夫ですよ。」
「このまま見つからなかったらどうするんだ?」
「...いいんですか?」
「もちろんだ。」
「じゃあお願いします」
ミライはついていくことにした。この男は本当に良くしてくれた。だがそれは最初のうちだった。気がつけばミライは支配されて生活は地獄のようになっていた。逃げ出せば殺される。それはわかっていた。ミライは男が良くしていたうちに殆どの感情がついていた。だから次第に逃げたいという思いも強くなっていた。ミライは早朝に起きて家事や勉強をやらされてそれらが完璧でないと叩かれ殴られ悪事を働かされて一刻も早く逃げ出したい。そんな感じだった。3ヶ月がたった頃、珍しく支配者が1日もいないことがあった。ミライは逃げ出そうと思った。でもミライは監視カメラなどがあるのを知っていた。逃げたらバレるというのもわかっていた。でも逃げなきゃ。そう思ってミライは逃げ出した。
外に出たのは2ヶ月ぶりだった。ミライは外に出れて嬉しかった。でもそんなこと思っている余裕なんてないのだ。支配者が帰って来る前に遠くに逃げないといけない。ミライは早く研究者がいた場所に戻ろうと思った。でも研究者は今はいないのだ。助けてくれる人はどこにもいない。そう途方に暮れた瞬間、あることを思い出した。これを使えばと思いミライはあるものを取り出す。
「研究者が教えてくれた『転生』をすれば助かるかも!」
そう言ってミライは研究者からもらったボタンを押した。
「ここは...?」
ミライがあたりを見渡すとそこは見たことがある風景だった。支配者の家ではないことは確かだった。じゃあここは?ミライは思い出した。
「研究室だ!」
ミライは元の場所に戻れて嬉しかった。でも研究者はもういない。よく見ると机などはホコリをかぶっており研究者が亡くなってから数年は経過していることがわかった。ミライは思い出に浸っていた。思い出に浸りながら研究者が亡くなったあとに読んだ本を探そうと思い物置を漁っているとドアが現れた。開けてみるとホコリが飛び出しミライは咳き込んだ。中を見ると古い研究道具などがあった。奥に進むと光を放っているものが見えた。近づいてみるとそれは少年だった。研究者がミライを開発する前に開発したのだろうか。話しかけても応答はない。でもミライは少年が気になった。だから抱えて研究室の画面の前へ少年を運んだ。調べると構造はミライと同じようだった。でも少年は目を覚まさない。目を覚ましてほしくてミライは諦めなかった。2週間が経過し、少年の体の仕組みが理解できたミライは少年の体にあったボタンを押す。すると光が放たれた。ミライは驚いて離れる。すると少年が目を覚ました。ミライは喜んだ。でも少年は無表情だった。ミライは話しかける。
「はじめまして」
「...」
「名前は?」
「...」
少年は喋らなかった。ミライは自分もこうだったかもしれないと思った。少年と会話をするためにミライはもっと少年のことを学んだ。とある日ミライが「だめだ。私には無理なんだ」と独り言を言うと「だめじゃないよ」と声が聞こえた。ミライはびっくりして少年を見る。少年は困惑しているようだった。ミライは話しかける。
「それはね『感情』ってやつなの。」
やはり少年は困惑するばかり。でもミライは続ける。
「はじめまして。私ミライ!やっと会えたね」
少年はハッとした
「俺はヒカル。よろしく」
2人は互いに笑い合う。ミライは自分が何をしているのかヒカルにいう。そうするとヒカルはとある提案をミライにした。それは自分にも転生できるボタンがあるからともに転生をしようというものだった。ミライはそれにのることにした。ここから2人の旅が始まるのである。