月影亭

編集者:楓鈴🍁🔔
それは、夜の街角にふと現れる、どこにもないはずの不思議なレストラン。 迷い込むのは、悩みや秘密を抱えた人たち。 誰にも言えない想いを胸にしたまま、ひとり扉を開けたその先で、彼らは自分にぴったりの一皿と出会います。 焦げたパン、涙のスープ、猫舌プリン…… 少し風変わりだけど、どこか懐かしくてあたたかい料理たちが、食べる人の心をそっとほどいてくれる―― そんな物語の連作短編集です。 悩みに効くのは、薬ではなく、美味しい料理と、ちょっぴりの魔法。 あなたも、夜のどこかで『月影亭』に出会うかもしれません。
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目次

    🌙1話 『焦げたパンと焦げた心』

    はじめまして。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。 この物語『月影亭』は、「もし悩みや迷いにそっと寄り添ってくれるレストランがあったなら」という思いから生まれた連作短編集です。 誰にも言えない気持ちを抱えた夜。自分のことが少しだけ嫌いになったとき。 そんな心の隙間に、ほんのり温かい一皿が届いたらいいな……そんな気持ちで、第一話を書きました。 千晶のように「焦げてしまった心」を抱えている人が、もしこの物語のどこかに共鳴してくださったなら、とても嬉しいです。 次回もまた、違う誰かがこの店を訪れます。 どうか、その一皿と出会いに、少しだけお付き合いください。 それでは、また深夜のレストランでお会いしましょう。

    🌙2話 『涙のコンソメスープ』

    ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 第二話『涙のコンソメスープ』は、大切な人を失った少女・環の心が、一皿のスープによって少しだけやわらいでいく、そんな物語でした。 人は、突然の別れにどう向き合えばいいのか、正解なんて分かりません。それでも、自分の中に残った「想い」をゆっくり澄ませていくことで、少しずつ前に進めるのかもしれない――そんな願いをこめて書きました。 このお話が、読んでくださった方の心に、少しでも静かな温かさを残せていたら嬉しいです。 次回は、また別の誰かが、月影亭の扉を開きます。 どうぞお楽しみに。

    🌙第3話 『猫舌プリンと秘密のメモ』

    はじめましての方も、おかえりなさいの方も、ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。 第三話では、「言えなかったごめんね」という気持ちにそっと光をあててみました。 誰かとぶつかってしまったとき、謝るタイミングを逃してしまったとき、本当はちゃんと伝えたいのに、言葉がうまく出てこない――そんなことって、誰にでもあるんじゃないかと思います。 でも、どんなに遅くなっても、言葉は届く。 心をあたためることができたなら、ちゃんと届く。 この物語が、そんな希望を少しでも感じてもらえるものになっていたら嬉しいです。 あなたの"ごめんね"も、いつか、誰かの心にやさしく届きますように。 次回もまた、月影亭でお待ちしています。 ――月影亭 店主より(のつもりで書いています)

    🌙第4話 『キャンドルポトフと嘘つきの夜』

    「キャンドルポトフと嘘つきの夜」を読んでくださった皆さんへ 強がってしまうのは、弱いからじゃなくて―― きっと、それだけ誰かを大切に思っているから。 このお話は、「大丈夫」ばかり口にしてしまう少年の、小さな再出発の夜を書きました。 本音を言うのは、勇気がいることです。 でも、ほんのひと匙の言葉で、世界がやさしく変わることもあります。 この物語が、皆さんの中に灯る小さなキャンドルになってくれたら幸いです。 次回もまた、月影亭でお会いしましょう。 深夜の小さな光と、美味しい料理を用意して、お待ちしております。 ――月影亭 店主より(作者のこころ)