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目次
白いドアを閉めてください
お祖母ちゃんと海に向かっていた
お祖母ちゃんの友達もいた
たくさんのお年寄りがいた
空は灰色で、海も灰色で、砂も灰色だった
係の男の人がいて、順番に入ってくださいと言った
たくさんのお年寄りが海へ歩いていった
お祖母ちゃんも海へ歩いていった
お祖母ちゃんの友達も海へ歩いていった
私も海へ歩いていった
みんなが海の奥へ奥へと歩いていった
一人ずつや二人ずつや大勢ずつ、波に呑まれて見えなくなっていった
海へ足をつけたとき、私はやめた
お祖母ちゃんが私の手を引っ張った
「tIMxtst/t」
私は言った
「nkDaj#」
お祖母ちゃんが言った
夢から覚めた
ねこが丸まって足元にいた
カーテンの閉まった朝だった
母さんは起きていなかった
寝ていた
死んでいるかと思った
父さんも起きていなかった
寝ていた
死んでいてもいいかと思った
部屋のドアが二つあった
赤いドアと白いドアがあった
注意書きがあった
「白いドアを閉めてください
赤いドアを閉めないでください
白いドアを開けると@jtになります
赤いドアを開けると@dになります
青いドアはまだ生まれていません
黄色いドアはazaw/pzy子供のためのものです」
黒いドアはEAc#bです
ピンクのドアはg(Ac行きです
いずれもあなたのためにはありません」
そうかそうかと私は思った
ねこを蹴飛ばした
ねこは背骨が曲がってクッションになった
私は立ち上がった
室内にひまわりが咲いていた
制服がハンガーに絡みついて束縛していた
深層心理のうちで私はその制服と同義だった
赤いドアを開けた
ドアの外は何もなかった
黒だった
目を閉じた視界だった
螺旋がくるくる回って落ちていくのと同じ軌道で私は落下していった
「赤いドアは@jt#bです」
放送が聞こえた