泥棒「月光」は常に目を光らせている――
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目次
月光の下に降り立つ者 プロローグ
※こちらの小説は決して犯罪をそそのかすためのものではございません。
「ね、今日暇?」
「…あ〜、ごめん。今日|盗み《仕事》あるから」
「いっつも仕事じゃん〜」
「ごめんって」
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午前2時
マンションの3階。自室の窓を静かに開き靴を外に落とす。そして下の階の窓のひさしを活用し月光の下に降り立ったのは――
「ふう」
通り名、月光。近頃有名になっている泥棒だ。自転車の鍵をピッキングし、部品ごとに売ることで収入を得ている。しかし、その正体はありふれた学生だ。
午前2時18分
今日の狩り場はどこにでもありそうなアパートの駐輪場。
「お、あったあった」
ピッキングと言っても最近よく見る自転車本体に鍵のついたタイプは開けられない。だから、基本盗むのはママチャリばかりだ。
月光の僅かな明かりだけを頼りにダイヤルを回す。
カチリ。
解錠に成功したロックをポケットに突っ込み、自転車をなるべく静かに動かす。
午前2時41分
自転車を押して無事家についた。バレづらいところにこっそり立てかけ、壁のわずかな窪みやひさしを使って何事もなかったかのように部屋に戻る。
こうして、「月光」は今日の仕事を終えた。仕事をしている合間に事件が起きていることも知らずに、、、
更新頻度激遅になるシリーズと思うけどよろしく(*^^*)