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目次
文豪ストレイドッグス×英国出身の迷い犬 season.2
私達は、本当なら逢う事は無かった。
奇跡の様な偶然の様な、必然で出会った人と、再開した時____
この話は、二度目の始まりを告げる。
「中也っ!居るなら居るって、居ないなら居ないって返事して!」
ハイ皆さん、只今ですね、
中也を捜索中の桜月てゃん💕です💕
でもねでもね、か弱い乙女の桜月てゃん💕にはね、
そんな荒仕事無理なんだぁ💕
すみません。ふざけました。
えっとね、真面目に中也が居ないんだよ?
一昨日の任務の後から、急に消息を絶ったがどうとかって。
ねぇもうこれ探すの疲れた!!
え?
何々、中也の事を好き好き大好き愛してるLOVEなんじゃないかって?
昨日から寝ず食わずのまま探し続けてたら流石にこうなるよ?
いや、ちゃんと心配してるからね?
えっとですね、
今居る場所は...
クレェプのお店の近く、山下公園でっす!
此処、結構人が多いし、おまけに花が咲き乱れすぎてる。
その所為で捜索が難航!!
一般人に邪魔される未来があるとは思わなかったよ...
もういいや。
大桟橋行きますか。
「中也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁっっ!!!!」
シーン
「いい加減返事してよぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
シーン
さっきから、やけに静かだと思ったら皆こっち見てたんだけど。
あ、理解。
私が五月蠅すぎたんだな☆
私の超絶美声に聞き惚れたな??
「……お騒がせしました」
疲れた私は、一人で大桟橋のテラス部分の、手摺の所に凭れていた。
潮風が当たって、海の反射する光に照らされて、
とても気持ち良かった。
此処に中也が居たらな、なんて想像してしまう。
「はぁ...」
何だかんだ云って、ちゃんと中也の事心配してるんだからね、私。
そう考えると、急に寂しくなってきた。
「……そろそろ別の処に行くk」
その時だった。
何処となく見た事のある光の筒が__
光の筒??
「落ちる~~~~~っっ!!」
やっぱり落ちた。
これはやっぱり|彼奴《例のボス》の異能?
「っていうか如何しよぉぉぉぉ!!!!!」
っていうかちゃんとルイスさんに貰ったペンダント、付けてるんだよ。
この状況で、ルイスさんならどう動くんだろ、って少し救われるような気がした..
でも、あのボスの異能で落ちてるからもしかして...
「うわぁぁぁあああああああ!?」
そろそろ地面に着いちゃうって思った私は、思わず目をギュって閉じた。
潰れる...
と思ったけれど、何も起こらなかった。
誰かに、優しく支えられてる……?
?「え、きしょ」
「あれ? 私、落ちてた筈じゃ……」
落ちてない……
周りの状況が気になるし、やっぱり目を開け___
「中也君じゃなくてごめんね、桜月ちゃん」
「……ルイスさん!?」
待ってお姫様抱っこ!?
気が付いたらルイスさんの腕の中に居たんですけど!?⁉
えっ何があった⁉⁉
っていうかルイスさん⁉⁉
「ゆゆゆ、夢じゃないっ⁉⁉」
思わず頬っぺたを抓る私。
え、ほ、本当に会えちゃった……
っじゃなくて!!
「た、大変です! あの時のボスと同じ異能力で私落ちちゃって、
もしかしたらボスはまだ私達のことを……って!?」
ルイスさんの方を見た私は、
想像を超える光景に思わず絶句した。
其処には、
ルイスさんがあのボスの首を絞めているという情景が広がって居た。
ん?
ン?
え?
「痛い! ちょ、ギブなんだけど!? 俺はちゃんと転移してあげただろ!?」
「僕達の上に出口を作る必要あったかな? それに《《きしょ》》と云ったのはどの口だろうね」
あ、あの「きしょ」ってボスの発言だったんだ。
いやいや、「きしょ」は無いわ……
っていうかこの状況見ながら話を続けられるのはフョードルだけじゃない?
なんて思いながらルイスさんの方を見ると、その視線が向いていたのは__
「……そのペンダント」
「今、中也が行方不明になってて……その、ルイスさんならどうするかな、って思って……」
一寸見られたのが恥ずかしい。
子供っぽいって思われたら如何しよ※貴女は未だ子供です。
と思ったら、ルイスさんの腕にも...
「そんなことより、ルイスさんも腕時計つけてくれてるんですね」
「……付けない訳ないじゃないか」
「さて、そろそろ本題に入ろう」
ほ、本題とは?
今会った事が既に本題では?
あ、でも中也の事何か知ってるかなぁ、、
「もしかして俺、このまま?」
ボスの存在を忘れていました☆
最早、面倒臭そうにしていたルイスさんは、
彼奴を檻に居れていました☆☆
そして、私達はぬいぐるみのエリアへと移動した。
一度深呼吸したルイスさん。
若しかして、こっちの世界でも何か起きてる?
「少し長くなるんだけど、聞いてくれるかい?」
と言う訳でですねっ!!!!
何と何と何と何と何と何と何と何と何と何と何と!!!
コラボ第二弾キタァァァァァァアアァァァアァアアアァァァ!!!!!!
Fuuuuuuuuuuu!!!!
ね。
今テンション爆上がりっ☆です!!!!
ビックリマーク多っ
(ノ・ω・)ノオオオォォォ-
うん。
今回は桜月ちゃんがルイスさんの世界に!!
ヤバいですね。
嬉しいですね。
テンション宇宙まで届くぐらい高いですね。
それではまた次回、お楽しみに!!
文豪ストレイドッグス×英国出身の迷い犬 season.2 episord.2
本当に今ね、テンションがバグってる!!!!!!!
落ち着けわたしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
ルイスさんの口から発せられたのは、衝撃的な事実だった。
「私の世界の中也がルイスさんの世界に来てるかもしれない!?」
「まぁ、あくまで僕の考察だけどね」
驚きのあまり、表情がコロコロと変化してしまう。
ついさっきまでは喜びと驚きだったのに、今は衝撃でしかない。
「中也君は変わり身なんて用意しなくても十分強い。でも、写真付きで文書が送られていてね」
「そんな……。あの、中也の写真とかありませんか?」
実は、中也とお揃いの物を付けてる。
写真を見たら、其れか如何か分るかもしれない。
ルイスさん、私は、
私は...
ちゃんと向き合ってから、
これから、過ごしたい。
事実に、向き合ってから。
「あの、ルイスさん」
「どうかした?」
「私、ルイスさんの世界の皆に会いたいです。
お姉ちゃんも中也も、私のことを知らないのは少し……
というか、結構辛いです。でもちゃんと向き合うべきだと思うので。」
そう、はっきり言い切った。
正直、心が持ちそうにない。
でも、ルイスさんも私の世界では、そうやって乗り切った。
最後は、私の我儘で終わってしまったけれど。
だから。
そして、少し遊ぶ。((え?
「それに、私のことを誰も知らない訳じゃないじゃないですか」
ルイスさんは首を傾けた。
そう。
《《彼》》が居る。
「私には、ルイスさんがいるので!」
「……君って結構大胆だよね」
「何がですか!?」
えっ?
何の話だろ...
大胆...
え??
まぁいいや。
アハハッ、とルイスさんは笑った。
笑顔。
「この世界の彼らは君の世界の彼らと、対して変わらない。とりあえず一人だけ、会ってみようか」
「はい!」
やった~!誰に会うんだろ...
やっぱりお姉ちゃん?
それとも中也?
どっちでも良い。会える。私の知らない、皆に。
そういうと、私はルイスさんの手を取った。
反対の手には、白い兎のぬいぐるみの手を握って。
「え、ちょま、あの、え?」
「動揺しすぎじゃないですか、ルイスさん」
「それ持ってく|心算《つもり》?」
だって安心するし。
お姉ちゃんの好きな兎。
---
「……この女は?」
「もう一人の君を助ける手伝いをしてくれる人だよ」
「ぬいぐるみはルイスさんのです!」
そう。
私達があったのは中也。
一応、敬語。
違和感の真っ最中!!!!
物凄い違和感!!!
「初めまして、桜月と申します」
そう云って、ぺこりと頭を下げた。
途中で頭を下げたときに流れた髪。
頭をあげると、お姉ちゃんのアホ毛みたいになってしまい、少し面白かった。
顔に出ないように結構頑張ったよ!!
「苗字は?」
「孤児なのでありません」
「ルイスさんとの関係は?」
...うっ
痛い所突いてくる。
あの、とルイスさんに声を掛ける中也。
でも、
「それ以上言ったらどうなるか分かってるね?」
そう云ってニコニコと笑うルイスさん。
普通に怖い。
笑顔の圧。
「そうだ、桜月ちゃんに文書を見せてもらいたくてね」
ルイスさんがそう云うと、中也は諦めた様子で紙を取り出した。
私はじっとその写真を見つめて居ると、少し中也が身動ぎした様に感じた。
でも、その写真に写る中也には、
あのお揃いの物が。
「……ルイスさん」
そう呼び掛けて、小さく頷いた私。
少しショック。
本当に、私の世界の中也が、此処に。
「今から話すことは、あまり他言しないことを奨めるよ。
推測も混ざっているけど、殆ど確定していることだから良く聞いて欲しい」
そう、私とこの世界の中也に向けて云ったルイスさん。
声からして、本当に真剣な様子が伺えた。
「とりあえず、彼の正体から説明しようか」
それは、私の世界の中也、という物かな。
その「彼」が指しているのは、ルイスさんが持って居る、私の世界の中也の写真。
「此方の中也君はただ似ているだけでも、ドッペルゲンガーの類いでもない。
別世界の、桜月ちゃんの世界の君だ」
え
え?
え??
「は?」
「ちょっとルイスさん!? それ云っちゃ駄目じゃ!?」
いや、え⁉ちょ、へ!?
「大丈夫だよ。此方の世界に戻ってきて分かったけど、
『白紙の文学書』によって生まれた可能世界とは少し違うからね」
えっ?もうさっきから一寸頭が破裂しそう...
「どういうことですか?」
「うーん、説明しがたいんだけど……」
暫く悩んで、そしてルイスさんは口を開いた。
可能世界というのは、あらゆる選択によってこの世界とは違う道を歩んだ世界のこと。
ifの世界とも云う。
BAEST...((
「そして、可能世界は認識出来ても行くことは出来ない」
「……ボスの異能が、可能世界じゃないことを証明している?」
うん、と頷くと、ルイスさんは何処からか紙とペンを取り出した。
「この世界と、もう一つの世界。
これらは枝分かれしたわけではなく、元から違う世界だった。
だから越えられる。そうだろう?」
「……なんで知ってるんだよ」
急に後ろから聞こえてきた、存在を忘れてた人物の声。
即ち、例のボス。
「確かに、俺の異能はあらゆる場所に送ることが出来る。可能世界以外ならな」
「じゃあ私達のどちらかが死亡するまで元の世界に戻れないのは、どうやったんですか?」
「……I don't know what the rat did」
私の問うた質問には、英語で何か返ってきた。
私は理解できなかったけれど、
ルイスさんは理解できたようで、溜息を吐いて居た。
「とりあえず、もう一人の君の救出をしないとだね。
この世界のマフィアがなくなると裏社会が大変なことになる」
「私の世界でも大変なことになります。主に私の心が持ちません」
「|手前《テメェ》の世界の俺、一体何をしているんだよ……」
如何しよう。
何て云おうっかなぁ。
もういっその事、、
「秘密です!」
そう云って、ニコっと笑った。
その時に一瞬、中也の顔が赤くなったのは気の所為だと思う。
「それじゃ行こうか」
「何処へ?」
情報収集、と笑みを浮かべながら答えたルイスさん。
何か嫌な予感がしたのは、云うまでもなかった。
そして、中也もその予感がしていた事も、ね。
ルイスさん、結構笑顔が怖い...?
と言う訳で、私達はとある場所へ向かった。
この状況柄、こっちの世界も色々大変らしい。
となると、頼れる場所も限られてくるけど...
「君を特務課に連れていくのは止めたし、誉めてくれても良いんだよ?」
「優しいですね、ルイスさん!」
うん!マフィアを見逃してるのは優しいと思います!!!
「手前、まさかのボケかよ……」
と何やら訳の分からない事をぼそっと呟いた中也はほっといて、
扉を開いたルイスさん。
「ということで、依頼したいんだけど大丈夫?」
「……構わない」
こっちの世界の__、私の世界の__よりも雰囲気っていうか貫禄が...
「改めて確認ね。調べてもらいたいのは『帽子屋』を名乗る異能者集団。
目的はマフィアの解散と森さんの命らしいけど、なーんか気になってね」
「貴君がそう考えるなら、何かあるのだろう。連絡は万事屋の方で構わないか?」
「いや、此方にして」
ルイスさんがが指を鳴らすと、何処からとも無くカードが降ってきた。
そこには、電話番号(?)が書かれていた。
「それじゃ、僕達は行くから」
私と中也が口を挟む間もなく、ルイスさんと__の会話は終了した。
「……彼奴を頼む」
「勿論です」
そう答えた中也。
そして、
「心配しなくても、ルイスさんのことはそれなりに分かってるつもりなので!」
そうか、と笑った社長。そう、私達が向かったのは、探偵社だった。
---
部屋から出た私達は、ルイスさんの元に行くまで少し雑談をしていた。
「手前は別世界の人間なんだよな」
「うん」
「ルイスさんと付き合ってるのか?」
「……え?」
えっと、え?
思考停止する。
え?
なんて?
ルイスサントツキアッテル?????
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
ルイスさんに私が釣り合う訳が無い!!!!!
というか中也(私の世界の)に怒られるよ!!!!!!
ものすごい勢いで首を横に振った。
全力否定。
「私には彼氏がいますし、ルイスさんにはもっとお似合いの女性がいますって!?////////」
「……彼氏いるのか」
何故か、しょぼんとした様子の中也。
外見が私の世界の中也と同じだけあって、心が痛い。
なんか悪い事をした気分です。
うん。
何でだろね。
その後は、なんだか気まずくって。
一度中也がボソッと何かつぶやいた後、一言も会話が流れる事は無かった。
ルイスさんと合流するまでは、沈黙が続いていた。
この物語は、海嘯さんが考えられてるんですよ!!!!
本当にもう想像力と語彙力の塊...
見て下さい!海嘯さんのこの話と私の書いたこの話の差を!!!!
本当にもうやばいですよ凄すぎますよ
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.3
あのねあのね、セリアの文ストコラボあるじゃないですか、
今日の私の戦利品は...
・ポーチ(黒と紫の色の、新旧双黒が書いてある奴)
・太宰キーホルダー
・中也アクスタ
・太宰アクスタ
これだけ買って440円!!!!!
嬉しいょぉぉぉぉぉ
「ということで!」
「どういうことだよ」
「帽子屋に潜入したい人はいますか」
ちょっと待てぇ、と中也が物凄い勢いで立ち上がった。
私達は、ルイスさんの異能空間で____
お茶会中です!!
「え、潜入? 普通に俺の奪還しようとしてます?
いや、俺はここにいるんですけど──」
「中也、パニックしてるね」
普通にこんなパニックを起こしてる中也、珍しい。
まじまじと見ておこーっと。
パニックの顔を頭に焼き付けます!
「いつの間に呼び捨てなってやがる、|手前《テメェ》」
あ、ホントだ。
もう思いっきり元の世界の中也と...
駄目かなぁ...
呼び捨て好きなんだけどなぁ…
「え、駄目だった?」
「駄目じゃねぇよ!」
でも一人で叫んでるし、めっちゃ疲れてそう。
ま、いいや。
取り敢えずルイスさんとの話を進める。
「ルイスさんが行っても良いと思うんですけど、顔バレしてませんか?」
「確かにそうなんだよね。でも桜月ちゃんに何かあったら多分、僕殺されちゃう」
ん-と、誰にだろう。
ルイスさんが殺されたら、、
全力で悲しむよ???
っていうかルイスさんの目が死んでる。
「そもそも潜入しない選択肢は無いんですか?」
「無いね」
「無いよ」
あ、無いんだ。
いや、自分で言っててなんだけど。
無いのね。
「それで君はいつまでぬいぐるみを抱いてるの?」
「……抱き心地が良くてつい」
それにあの兎だし。
お姉ちゃんが好きな兎。
本当にふわふわだしヒンヤリしてて気持ちいいんだよ~!!
今日一日中この兎を抱いてる気がする。
「そういえば、今は自分達で行動しないんですか?」
「しても良いんだけど、情報収集は探偵社と特務課が向いてるからね」
確かに。
ルイスさんは特に、、
異国の人物となると警戒も増すだろうし。
あ~でも何か面白い物無いかなぁ...
あ、
あ。
《《あ》》。
良い事思いついた。
悪戯っ子の様な笑みで、問いかけた。
「中也は好きな人とかいないの?」
「唐突すぎねぇか?」
「暇だったから」
「高尚、というか礼儀作法がしっかりしていて格好いい女性」
「それって紅葉──」
「でも一番は、好きになった人だな」
「……中也、格好いいね」
好きになった人、かぁ...
こっちの世界の中也は誰が好きなのかな。
っていや、
見た目は同じでも中身は全然違う中也だからね!?
おおお落ち着け私!!
「そういう手前は彼氏いるんだろ? どんなところが好きなんだ?」
「え!?」
こっっっっっこのタイミングで!?⁉
いやいや私公開処刑されてる!?⁉
何、中也ワザと⁉⁉
否なんて答えれば善いの此の問いは!!!!
「俺はちゃんと言ったぞー」
_____うっ。
こうなったら腹をくくってやるっっ!!
「……怖そうででも、実は優しくて紳士的で親切で、部下思い。
それに、私の事を大事に思ってくれている。
あと小っちゃくて可愛いけどかっこよくて強くて──!」
「はーい、ストップ」
「へ?」
気が付くと、私の唇に、ルイスさんの綺麗な指が。
いっいやいやいや普通に凄い絵面だからっっ!!!!!!
一寸待って!!!
え!⁉⁉⁉!
パ二クった私に、ルイスさんはチョコレートを勧めてくれた。
それは、英国で人気のチョコレート。
甘くて、中にドライフルーツが。
気が付くと、夢中になって食べていた。
「……ルイスさん、もしかして其奴の彼氏って」
「さぁね、僕はノーコメントでいかせてもらうよ」
んぐっ
喉にチョコレートを詰まらせそうになった。
今のって、
絶対気付かれたよね!!!!!
恥ずかしいってねぇ~~~!!!!
ルイスさん~~~~~っっっっっっっ!!!!
よし、仕返ししてやるっ!
「ほーいえはるいふはんは?」
「え?」
「ですから、ルイスさんは彼女とかいないんですか?」
自分でも吃驚した。
口一杯にチョコを頬張って居た私は、自分でも驚く程情けない声をしていた。
とまぁ置いといて。
気になるよねっ!ルイスさんの恋愛事情!✨
「そういえばルイスさんの恋愛事情、全く知らねぇな」
「中也も気になるよね?」
「あぁ」
キラキラとした目でじっとルイスさんを見つめると、口が開いた。
「……恋人はいないよ」
「じゃあ好きな人のタイプは?」
「タイプか……」
「──I like someone like you」
貴女のような人、ですか?
ルイスさんから見た、「貴女」と呼ばれる人は、とても幸せですね。
だって、ルイスさんは。
どんな過去が有ろうと、素敵な人ですから。
「僕の過去を責めない、優しい人がいいな」
「……ルイスさん」
「まぁ、僕は元々恋人は作るつもりないんだけどね」
私がもし、また別の世界で、
貴方と一緒に暮らしていたら。
きっと私は、隣に居たいって願っています。
「……そうだ」
そう云って立ち上がり、暫く本棚を漁っているルイスさん。
「本当にどこだっけな……」
「探し物ですか?」
「ちょっとね。確かこの本棚に入れてたと思ったんだけど、どっか行っちゃったかな」
「━━ま、いっか」
諦めてる。
「そういえば桜月ちゃん、この世界の横浜とか見て回りたくない?」
「え、横浜観光行きたいです!」
こっちのクレェプの方が美味しい可能性✨
「あ、でも中也が一人ぼっちになっちゃう……」
「俺のことは気にしなくていい。ルイスさんと楽しんでこいよな」
「それは良心が痛むというか……うーん……」
如何しようっかなぁ...
あ。(さっきこれ見た)
あ
良い事思いつきました、と私は満面の笑みを浮かべた。
でもその時一瞬、中也と、ルイスさんと、
何かに引っ掛かったような顔をしていた。
如何したんだろう。
見覚えでもあったかなぁ。
でも直ぐにその表情も治っていたけれど。
「ルイスさん、この空間に洋服とかありますか?」
「まぁ、正装が多いけど色々あるよ。和服とかも無くはない」
その問いを聞き、私は小さく息を吸って次の一言を言葉にした。
さてさて、桜月ちゃんの思いついた事とは?
そして、桜月ちゃんの顔に何故見覚えがあったのでしょう!!
答えは...
言いません!
因みに私は教えて貰った( ・´ー・`)ドヤッ((ドヤるな
と言う訳で、次回もお楽しみに~~!
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.4
今回ヤバいですよ???
尊すぎるので(ルイスさん&中也)心臓にご注意を!!!!
本当に気を抜いたら尊死するからね???
「いやいやいやいや!?」
めちゃくちゃ凄い勢いで椅子から立ち上がった中也。
に対して、私が浮かべている表情は……
太宰さんの、あの悪戯顔です!!
だからお二人とも見覚えがある...みたいに引っ掛かった表情をしてたのかなぁ~…
そしてルイスさんは____
対して驚いた様子も無く、落ち着いて聞き返した。
「ごめん、もう一回云ってもらっても良い?」
いや、多分内心凄い焦ってるんだろうなぁ~。
目が凄い。
丸っていうか点になってる。
そして、私は先ほどの発言を繰り返した。
「だから女装すれば良いじゃないですか! 中也も、もちろんルイスさんも!」
「何でそうなるんだよ!?」
「女装すれば絶対にバレないかと思って」
「俺を置いて行くことに痛む良心は、今何ともないのかよ!?」
「うん」
私は即答した。
に対して中也は頭を抱えた。
あれ、ルイスさんは何処だろ。
服を探しに行ってくれたのかなっ✨
「私、中也と一緒に観光行きたいもん!」
「……手前、結構大胆なんだな」
「え?」
「彼氏持ちなんだから、言動には気をつけたほうがいいぞ」
思わず顔を真っ赤にさせて俯く私。
これは態とですか?
中也さん???
でも、チラッと中也の方を見ると____
同じく顔を赤くして、帽子で隠していた中也の姿があった。
「変装するなら必要かと思って、服を整理してきたよ」
や、やっぱりルイスさんは服を探しに✨
優しいなぁ~…
そうだ、折角ならとびっきり可愛らしいのを着せてみよーっと!
「女性物ってあったり……」
「するんだよなー、これが。これでも戦後は色々としてたから」
「まさかハニートラップ!?」
「いや、あの、うん。……否定はしないでおくよ」
は、ハニートラップとは...
蜂蜜罠???
いや、うん。
(聞いたことはあるけど知らない人)
いや知ってるからね??
知らない訳が無いだろう??
「中也君、余計なこと考えてたら舞踏会用のドレス着せるよ」
「何でですか!?」
わぁ絶対中也何か要らないこと考えてたな。
心の中読まれた、とか思ってそう。
ワイワイしながら私達は服のある場所へと向かって行った。
「すっご~い!✨✨✨✨」
其処はウォークインクローゼットの様になっていて、
吃驚するほど沢山の服が掛かっていた。
「中也はどんなのが似合うかなぁ……」
「僕達、桜月ちゃんの人形にされるの確定だね」
えへへ、と笑った私。
さて、どんな服にしようかなぁ...
「あ、これとか良いかも」
私が見つけたのは、
薄い緑色のロングスカート。
でもこれだけだと何か高っぽすぎ(?)そうだし...
此処は敢えてカジュアルなロゴ入りTシャツ!!
「普通にスカートを着せにくるね、君」
「だってこんな機会は中々ないですって!
中也はもちろん、ルイスさんにだって次いつ会えるかなんて分からないんですよ?」
確かに、とルイスさんは納得していた。
あ、そこ納得するんだ。
っていうか中也如何しようかなぁ...
赤色のスカートで、上に黒を合わせたい...
あ、黒のブーツとか良さそう。
これじゃん。
「はい、中也はこれ」
「因みに拒否権は━━」
「こっちのミニスカでも良いよ?」
「ヨロコンデキサセテイタダキマス」
私的にはこっちでも良かったんだけどな~…
だって面白そうじゃん!
絶対面白い!
「ルイスさんはこっちです!」
さんざん悩んだ末に、初めの方に見つけたロングスカートにした。
そして、二人が着替えてる間は勿論後ろを向く私。
何だか話して居るようだったけれど、細かく聞き取れなかった。
「どうかされたんですか?」
何でも無いよ、と返すルイスさん。
絶対可愛いんだろうなぁ。
っていうか私よりダントツで可愛いだろうな。
うん。
「もう良いですか?」
「大丈夫だよ」
「え、俺まだ心の準備が……!?」
慌てる中也をの言葉を小耳に挟みながら振り返る私。
其処には、
美少女が二人居ました。
え、
待って、えっ!?
へ!?
女の子らしく振舞うルイスさん。
可愛い。
可愛い。
可愛いです。
そして、剝れてる中也もまた___
可愛いな。
元の世界の中也でもやってみたいな。
向こうでは私が人形だし。
可愛い。
っていうか、
「二人とも違和感なさすぎるんだけど、何で?」
「俺の方が聞きたいわ!」
本当に女の子だよ!!!
あなた女子!!
いま此処の三人で出かけたら、
女子三人旅じゃん((
ナンパされそうだなぁ…
主にルイスさんと中也が。
「それじゃ、早速観光に行きましょう!」
「その前に君も着替えようか」
「へ?」
えっ?
工エエェェ(@д@)ェェエエ工
私も着替えるの⁉
っていや私変装する必要ないんじゃ!?⁉
「桜月ちゃーん! 中也君がこれ来てほしいってー!」
いきなり現れたルイスさん。
能力を使って来たのかな。
というか、ツッコミどころは其処じゃなくて...
「はい、良かったら着てあげてよ」
持って居た服が...
猫耳カチューシャ付きのメイドエプロンなんですが。
っていうか今中也がこれをきて欲しいって⁉
え!?
「こ、これを中也が?」
「着ない?」
中也の願いなら仕方ない...
着ない選択肢はない!!!
「着ます!」
着替えながらでも既に凄く恥ずかしいです。
いや、ね??
メイドエプロン、一度とある人に着せられたからね??(太宰さん)
それでも恥ずかしいんですよっっ!!!!
うぅ...
絶対似合わない...
「ど、どうでしょうか……」
顔が耳まで熱い。
火が出そう……
っていうか、二人とも顔が「無」なんだけど。
呆然としてるって正にこの事...
「あの、ルイスさん? 中也?」
「ごめん、可愛すぎて思考停止してた」
えっ!?////////
えっ??
いやさらっと凄い爆弾発言かましてますよ⁉⁉
「君が見てたメイド服を着てもらったわけだけど、どう?」
「……。」
「おーい、中也?」
「……凄く似合ってると思う、ます」
_____あくまで別の世界の中也だから!!!
勘違いするな私!!!
てか敬語とため口混ざってる。
何かそんなに吃驚する事あったかなぁ...
でも、一寸??これで観光に行くんですか?
丁度そう思った処に、ルイスさんが一着の服を持ってきてくれた。
「君に一番似合いそうな奴。まぁ、サイズが合うかは分からないけど」
シンプルな白トップスに、デニムのガウチョパンツ。
か、可愛い。センスよすぎ。可愛い。
そしてもう一度着替える。
「着替え終わりましたー!」
鏡の前でクルっと回ったりして、服を見てた。
やっぱり可愛い。
「めっちゃかわいい...」
思わず声に出ちゃうぐらいかわいい服。
シンプルだけど本当にかっわいい!!!
「この服で観光行っても大丈夫ですか?」
「もちろん」
「やったー! それじゃ、今度こそ観光に行きましょう!」
「おー!」
「……おー」
---
「おぉ……ここが山下公園……」
「そこまで君の世界と変わらないでしょ?」
「でも何か、季節が違うせいで全く違う場所に感じます!」
私が最後に見たあそこは、花盛りで人も沢山居た。
そうだ、此処に来た一番の目的...
「あ、クレープ屋だ!」
「多分一緒だよね。買いに行く?」
行きたいです!と目を輝かせて言う私。
美味しそぉぉぉぉぉぉ!!!
その時、中也が何か呟いた。
ちゃんと聞こえなかったけど。
「ねぇ、中也もクレープ買いに行こうよ!」
「え、あ、俺は席取っておく。立ったまま食べるのはあまり良くねぇからな」
その答えに少し落ち込む私。
でも確かに中也の話にも一理ある。
仕方ないか。
「それじゃあ買ってくるね。中也は何がいい?」
「別に要らな━━」
「じゃあ私のおすすめ買ってくるね!」
「聞いた意味は!?」
多分、今は甘い気分じゃ無いはず。
照り焼きチキンとか如何かな。
私の彼氏観察力舐めんなよっ!!( ´ω`✨)キラン
食べたいメニューを考えながら、ルイスさんと他愛も無い話をして列に並ぶ。
思いのほか早く列が進み、席に戻った。
「たっだいまー! はい、これが中也の分ね」
私が手渡した照り焼きチキンのクレープを見て、不思議そうな顔をする中也。
「おすすめにするって云ったけど、
あまり甘いものの気分じゃないのかなーと思ってこれにしたんだけど……」
「……よく分かったな」
( ・´ー・`)、と少しドヤる。
ま、甘いほうが良かったら自分のと交換してたし。
「そういや手前、支払いはどうしたんだ?
下手したら別世界の通貨は偽札扱いにされるんじゃねぇのか?」
「……ルイスさんに払ってもらいました」
「桜月ちゃんの世界に行った時に払ってもらったからね」
自分で払いたかったぁ~っ!!
悔しい!!
「……うまっ」
「本当!?」
純粋に中也が美味しいって言ってくれて嬉しい。
思わず私も、良かった、と、笑みが零れた。
其の儘クレープを食べていると、急に中也が顔を赤くした。
如何したんだろう、、
真坂、熱!?
顔をずいっと近づけて聞く。
「あれ……もしかして中也、熱とかある?」
「べ、別にねぇよ!」
自棄になったようにクレェプを食べ続ける中也。
でも、やっぱり様子が可笑しい...
苦しそう。
何か、変……?
急にふらついたと思ったら、倒れこんだ中也。
「る、いすさ……」
「中也君!」
「ルイスさん、とりあえず異能空間に!」
「分かってる!」
「しっかりして、中也!」
その時、一寸だけ見えた中也の腕。
其処には、...
《《あの》》痣が浮かび上がっていた。
桜月ちゃんが2人に着せていた服のイメ画乗せておきます!
https://c.imgz.jp/902/51373902/51373902b_b_07_500.jpg
↑ルイスさん
https://cdn.mine-3m.com/asset/news/detail/bfeece44177b07685bc135980bd4fcb8c5c7caa9.jpg
↑中也
https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-1458/rssitem-3202821/35245af2f3f34c2ea3efde5fc6f9405a25a78154.jpg
↑中也への脅し用の
さてさて、中也、どうなっちゃうんでしょうか!!!
っていうか、痣……天才よね海嘯さん。
いや海嘯様。
様様。
主様。
ヤバくないっすか⁉
ストーリー考える力っていうか、小説の才能っていうのかな?が半端ねぇ...
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.5
迷ヰ犬、野良犬、捨て犬。
道に迷いし|迷子《アリス》の、行きつく先に或る物とは?
---
ルイス「中也君、着替えられる?」
中也はまだあの服の儘。
私が普通の服を選んでいれば、直ぐに皆の元に届けられたのに。
自責の念に駆られる。
ルイス「……桜月ちゃん、一つ頼みたいことがあるんだけど良いかい?」
「私に出来ることなら、何でもやらせてください!」
ルイスさんは私と目を真っすぐ合わせて云った。
ルイス「探偵社に行って、太宰君を待機させておいてほしい。
福沢さんには先に話を通しておく」
私は静かに頷いた。
心配だけど、こうするのが一番良いって、ルイスさんが考えるのならそれが正しい。
何て考えながら、私はワンダーランドから現実世界に行って居た。
---
奔る。
滅茶苦茶に、
思いっきり、
腕も、
足も、
決して止めずに。
止めたらその時は、中也の命が危ないと思って。
奔る。
そして、思い切り探偵社の扉を開く。
「さ、桜月です! 太宰さんはいらっしゃいましたか?」
社長「あぁ。そこにいる」
それを聞いた瞬間、私は携帯電話を片手に叫んだ。
「ルイスさん!」
すると、何処からかルイスさんが現れる。
その背には、中也が居た。
ルイス「太宰君、とりあえず──」
太宰「はい」
--- 『|人間失格《ニンゲンシッカク》』 ---
太宰さんが触れた瞬間、中也の表情が少し柔らかくなった。
少し、楽になったんだ。
良かった。
少しでも、苦しくなくなった。
その時、ルイスさんが何か呟いた。
はっきりとは、聞こえなかったけど。
ルイス「福沢さん、少し桜月ちゃんを社長室に置いてくれません?
色々と説明するのは落ち着いてからが良いので」
社長「……あぁ、了解した」
ルイス「桜月ちゃん、それじゃあまた後で」
「はい!」
---
社長「ぉ」
「は、はいっ⁉」
うわぁぁぁぁぁぁぁやらかした!!
言葉遮っちゃったよ⁉⁉
ヤバい滅茶苦茶緊張するって!!!
こっちの世界の社長、滅茶苦茶威厳が凄いんだって!!!!
二人きりなのもだしっっ!!
「すすすすみませんっ!!」
社長「いや、何度か会ったと思うが?」
「でっででっでも緊張するんですっっっっ!」
社長「フッリラックス効果のある茶でも出すか。少し待ってもらえるか?」
「は、はいぃっ」
コトン、と置かれた緑茶はとても暖かくて、落ち着いた。
「とても美味しいです。ありがとうございます。」
社長「あぁ。話が変わるが、」
「ルイスさんの事でしょう?」
社長「!……その通りだ。」
「勿論。とても心配している様な優しい目で、ルイスさんの事を見ていましたから。」
社長「少し、無理をし過ぎる処があるからな。」
「大丈夫です。」
だって、彼は、
「弱い所も、強い所も、ちゃんと併せ持っているので。」
だから、本当に辛い時、辛いって、
お姉ちゃんにちゃんと伝えられていたから。
「もしも何かあったら、私が絶対助けるので!」
社長「そうか___貴君なら、心強い。」
心強い、か。
「ありがとうございます。」
社長「処で、貴君はルイスの事を如何思っている?」
「えっ⁉」
社長...恋愛的な意味っすか?
えっ?
ん……?
耳が可笑しくなったかな...
社長「フッこの話はまたの機会にしよう。」
絶対私の事見て遊んでる!!
あぁ~!!趣味悪いですよ!!!
そう云えば、途中で何か云いかけてた。
私がはっきりと聞き取れなかった、ルイスさんの言葉について、だったのかな。
もう聞こうにも聞けないけど。
その時立ち上がった社長。
ドアを開けるとそこには、
ルイスさんが。
えっ聞かれてないかな?!
ヤバいよ⁉⁉
えっどうしよ⁉⁉
社長「盗み聞きは感心しないぞ、ルイス」
ルイス「あはは……」
「中也、大丈夫そうでしたか?」
「太宰君が触れていなくても問題なさそうだったよ。
異能空間にいてもらう必要もなさそう」
よかった...
何せ、中也は中也だから!!
社長「今、国木田が『帽子屋』について分かった情報をまとめているところだ。
あと数分もすれば貴君らに報告できるだろう」
ルイス「ありがとう、福沢さん。やっぱり僕が直接動くことは難しいからね」
社長「……全て自分でやる必要はない」
ルイス「そういえば、二人で何を話していたの?」
「ひ、秘密です!」
社長「貴君のことを少しな」
社長、と呼びそうになって危なかった。
この世界での私は社員じゃないって!!
「福沢さん!?」
?「あれ、ルイスさん……?」
え、この声って真坂...
ルイス「福沢さんに用かな、鏡花ちゃん」
「うん。郵便に社長宛にきてたから持ってきた」
「……政府からか」
ぉぉぉ姉ちゃぁあぁ
医務室に向かう時に、軽い自己紹介をした。
「私の名は鏡花。年齢は14。好きなものは兎と豆腐。よろしく」
……知ってまーす。
年齢が...年下って変な感じっっ!!!!
「私は桜月だよ。好きなものは可愛い物と甘い物! ……鏡花ちゃんは甘い物好き?」
知ってる、答えは、
「好き。特にクレープ」
そっか、って私は笑ってた。
ちゃんと笑えてたかな。
歪んでないかな。
話をしながら歩いて居ると、
医務室に着いた。
事務作業があるらしいから、お姉ちゃんは此処でお別れ。
ルイス「桜月ちゃん━━」
「心配しないでください」
思わず堅くなってしまう顔。
頑張って笑おうと思ったのにな。
ルイス「……はい、これ抱いてなよ」
ルイスさんから渡された兎のぬいぐるみは、何時もよりも柔らかな気がした。
これを見ている皆さん!
今直ぐ海嘯さんの小説を読みに行きましょう!!
天っ才ですからね!?!?
医務室にて、太宰さんと中也、ルイスさんの会話も読めたり...?
桜月ちゃん曰く、海嘯さんの小説を読みに行かなかった人は、
「人生9割損してる」らしいです。
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.6
今先輩が修学旅行中(´;ω;`)
現在学校の中での最高学年になっています(ノ・・)ノオオオォォォ-
医務室に入った私。
其処には太宰さんも居た。
一寸だけ、嫌な予感が…
太宰「あ、ルイスさん。それに後ろにいるのは先ほど話してい……た?」
ルイス「紹介するよ。彼女は━━」
太宰「美しい!」
ほら。
って云うかその手に持って居る花束は何処から?
太宰「睡蓮の花のごとき果敢なく、そして可憐なお嬢さんだ」
いや待てそれはひぐっちゃんに云った物でしたよね!?⁉
そして片膝をつき、私に花束を差し出す。
あぁ~。
次のセリフ予想つく!!
笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑((
太宰「どうか私と心中していただけないだろうか!」
「無理です。頑固拒否!」
元の世界と同じ断り方をした私。
そして、
太宰「えぇ! ちょっとでいいから!」
同じグズり方をする太宰さん。
そして不貞腐れる。
全く、大きい子供が多すぎる!!
と思った矢先、太宰さんの頭を誰かが踏んだ。
ルイスさん。
踵で、頭を無言でぐりぐりし続ける。
ルイス「……。」
太宰「あの、重っ、ちょっと、痛っ、ルイスさ、ねぇ、何で無言なの?」
中也「普通に手前のせいだろ、|放浪者《バカボンド》」
太宰「私のせいなの!?」
いやそれ以外何があるの⁉
国木田「先程は太宰が見苦しいところをお見せして済まなかった。
探偵社員の国木田と申します」
「桜月です。まぁ、慣れているので気にしないでください!」
まぁ慣れてるからね☆
太宰さんと情報収集してたらしいけど、半分も仕事してなかったらしい。
国木田「とりあえず『帽子屋』のメンバーは三人しかいません。あとは雇われの兵でした」
ルイス「三人?」
国木田「リーダーであるマッドハッター、そして三月ウサギと眠りネズミ。
全て二つ名で本名は不明です」
それって私が読んでた本の...?
あ...でも記憶が曖昧で判らない。
まぁ多分そうでしょ。
と、一人で納得する私。
国木田「目的は矢張りポートマフィアの解散と、|首領《ボス》森鴎外の命。
しかし、花袋に電子機器の方を頼んだところ、このようなやり取りが」
国木田さんが資料を茶封筒から取り出した。
それを見るなり、皆が言葉を失った。
帽子屋と取引していたのは、シヴァ、と名乗る人物。
しかも、その内容は中也の身柄を渡すこと...だった。
そんな事、させる訳が...
ルイス「シヴァ……。確かインド神話に同じような名がなかったかな?」
国木田「はい。ヒンドゥー教の神で《《再生の為の破壊》》」
「……つまり破壊の神様ってことですか?」
ルイス「中原中也。破壊を司る神シヴァ。そして再生の為の破壊、ねぇ……」
分かってきたよ、とルイスさんは天井を仰いだ。
ルイス「そいつの目的は中也君の異能力、正確には《《荒覇吐》》だろうね」
あらはばき。
アラハバキ。
荒覇吐。
なんだろう。
聞いたことがあるけど、靄が掛って居るように思い出せない。
なんでだろう。
でも、覚えてる。
荒覇吐
蘭堂さん
15歳
歴代最年少幹部
《《羊》》
暫く、皆の話が頭に入ってこなかった。
国木田「その荒覇吐って何ですか?」
太宰「チビの意思も聞きたいところだけど、
色々と考えてるっぽいから簡単にだけ教えてあげるよ」
太宰「荒覇吐というのは中也の異能そのもの。まぁ、色々あって神を飼ってるんだよ」
国木田「神を飼ってる!?」
神を、飼ってる...
虚ろな頭に、途切れ途切れに言葉が入ってくる。
ルイス「正確には違うんだけど……ま、いっか」
中也「おい、クソ太宰」
太宰「何?」
中也「荒覇吐を奪おうとしているのは分かった。
だがシヴァとやらはどこで俺を知ったんだ?」
太宰「君が羊にいた頃にも蘭堂さんの一件で色々と情報が出回ったし、
その翌年にも色々あった。情報規制が敷かれたとしても、
人の噂話までは規制できないからね」
ルイス「──中也君、考えるのはそこまでだよ」
ルイスさんが、中也の肩をポン、とした所でハッとした。
ルイス「現在の状況が分かった。
なら、今すべきことは最悪な事態を考えるんじゃない。
僕達がこれからどう行動するべきか。それだけだよ」
中也「……はい!」
太宰「さて、これからどうしますか?」
ルイス「兵を雇ってるらしいし、そこに紛れ込むことにするよ。
シヴァの方を頼んでもいい?」
国木田「勿論構いませんが……潜入はルイスさんが?」
ルイス「いや、僕は顔が割れてるからね。彼女が適任だよ」
...!
靄が掛って居るのは未だ晴れていない。
でも、
私に出来る事がある。なら其れをする以外にない。
「任せてください!」
私は、笑顔でそう云った。
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.7
うぇいうぇい
パーリーピーポーだぜいぇい
ハイテンションが通常運転だぜイェイ
は??
いま自分でも何言ってんだ此奴って思った。
ルイス「準備できた?」
「はい! 忘れ物もありません!」
まるで遠足……?
え、っと、異能は出来るだけ使わないように、と云うのがルイスさんの話だった。
まぁ特務課に登録されてないからね。
バレたときの対処が面倒なんだろうなぁ。
中也「気をつけろよ」
「うん! 中也も外出る時は女装してね!」
中也「しねぇわ!?」
あ、しないの?
へー。
そうなんだ。
ふーん。
しないんだね。
って云うか、単純に中也もルイスさんも大丈夫かなぁ。
二人とも無理しやすいから。
ルイス「……桜月ちゃん、君にこれを預けても良いかな」
その声を聴いて、
私は掌に載せられた《《それ》》を見た。
懐中時計。
兎が描かれていて、とても可愛らしい時計。
きっと、ずっと大事にしてきたであろう、ルイスさんの時計。
それを、私に預ける...
ルイス「暫く、僕らは会えなくなるかもしれない。
ただ何かあったら、絶対に助けに行くから」
「……分かりました」
それじゃあ、とルイスさんが異能力を発動させようとした時、
私はルイスさんの腕を掴んだ。
「無理はしちゃダメですよ。私を送った後はしっかりと睡眠を取って、
異能力を使わないでください」
ルイス「……うん、ちゃんと胸に留めておくよ」
「絶対ですからね!約束ですよ!」
だって、ルイスさんは他人の為に、とことん自分を犠牲にしちゃうから。
まだ安心できなかった私は、ルイスさんと指切りげんまんをする。
ルイス「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます」
「指切りげんまん、嘘ついたら中也に舞踏会用のドレスを着せる」
中也「はぁ!?」
「「指切った」」
此方を物凄い目で見てくる中也に、
舌をペロッとして手を合わせる。
ごめんねっ☆(絶対思ってない)
こうでもしないと、中也はルイスさんの事止めないだろうから。お互いに。
ルイス「気をつけてね」
「はい!」
正直不安はある。
でもそれ以上に、
やっと中也に会えるっていう安心感が凄かった。
だから、私は行く。
アジトへ着いた。かもしれない。
え、何々どういう事かって?
詰りこう云うこと!!
迷子ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
ここで合ってるか分かんないよ~💦
もー如何したら善いんですか⁉
あ~あぁぁぁあぁああぁぁぁあぁあ
あ、周りに居る人に聞こ。
あ、あそこに居る金髪の女の人と、黒髪の男の人と、銀髪の男の人...
日本人かな???
髪染めてるだけ??
だと信じたい……
よし、聞こう。
「あの~、道に迷ってしまったんですけど...」
?「何処に行こうとしていたのですか?」
。
。
。
何て答えろと⁉⁉
一般人に聞いた私が莫迦だった!!!
太宰さんより莫迦!!!
?「名前を聞いても善いかな?」
そう云ったのは銀髪さん。
何この人めっちゃ大人っぽなんだけど!?
落ち着いた性格憧れる✨
「|鏡月《みづき》です。」
※いい子は知らない人に名前を教えちゃ駄目だよ☆
偽名を使う事になってる。
勿論、上の鏡はお姉ちゃんから。
下の月は其の儘持ってきた感じ。
?「なら新入りの子ですか?」
「え、あ、あの?」
?「鏡月ちゃんだったら帽子屋の新しく入る子でしょぉ?」
「え、じゃあ……」
?「僕達がその【《《帽子屋》》】だよ。」
「……顔面偏差値高っ」
?「いやいや鏡月ちゃんも可愛いよぉ」
「え、あ、ありがとうございますっ!」
そう云えば名前聞いて無かった...
ウサギ「私は三月ウサギだよぉ!」
金髪の、赤い帽子をかぶった女の人。
マッド「僕はマッドハッター。」
銀髪の、緑の帽子をかぶった男の人。
マッド「もう一人居るんだけど、今は居ないから後で紹介するよ。」
「改めて、私は鏡月です。好きな物は甘い物とか可愛い物!
よろしくお願いします!」
そう言って、頭を勢い良く下げる。
ウサギ「鏡月ちゃん可愛いぃ!!」
「三月ウサギさんも可愛いです!」
ウサギ「えㇸㇸ...ありがとぉ!」
「ウサギ好きなんですか?」
ウサギ「可愛い物は好きだよぉ!」
「同じ✨嬉しいです(∀`*)」
ウサギ「やっぱり鏡月ちゃん可愛い」
「三月ウサギさんも可愛いです」
ウサギ「じゃあお揃いだぁ♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪」
マッド「そ、そろそろアジトの中に行こうか」
「は~いっ!」
この人たちはとても楽しそう。
私は、本心からの言葉を此処に来て出してない。
確かに三月ウサギさんは可愛い。
でも、
きっと心の綺麗さだって、お姉ちゃんたちの方が上だから。
あいさつで、宜しくお願いしますを云うのは当たり前。
でも、
宜しくする気は更々ない。
そんな本心は、胸の奥底に隠す。
「アジトの中、綺麗ですねっ✨」
ウサギ「エヘヘ(*∀`*)ありがとぉ!」
マッド「此処が会議室。あっちはキッチンとか。
で、あっちは其々の|構成員《メンバー》の個室。風呂とかは向こうだよ。」
「お風呂あるんですか!?」
ウサギ「女子同士一緒に入ろうよぉ」
多分そんな機会無いと思うけど←
「|は、はいっ《嫌に決まってる》!」
マッド「君の部屋は此処だよ。」
「わぁ~✨°˖✧◝(*ˊᗜˋ*)◜✧˖°」
其処は、先ほどに比べると小さめの、綺麗な部屋だった。
全体を白を基調とした家具でまとめられてて、
すごく可愛い。
これは本当。
マッド「そうだ、最後にもう一つ案内する所があるから、来てくれる?」
ウサギ「今、とある作戦を遂行中なんだけどぉ、それで結構重要な人なんだぁ」
「その人が居る所、という事ですか?」
マッド「正解。半分は、だけど。正確に云うと、その人を__」
最後の方は聞き取れなかった。
でも此れはきっと中也の事だ。
やっと、会える。
やっと、見つけた。
話せる状態かな。
元気かな。
心配だよ。
マッドハッターさんが扉を開けた。
私は息を呑んだ。
三月ウサギさんは相変わらずニコニコと。
「____っ、!」
小さく上げた悲鳴は、絶対誰の耳にも届いてない。
中也は、何か電気椅子の様な物に座ってて、其処からは沢山のコードが伸びていた。
何、これ。
海嘯さん天才。
海嘯さん神。
海嘯さんこそ私の主。
海嘯さんは...
神。
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.8
深夜テンションなう!!!!!
もうちょっとで午前一時!!!
暇すぎて死ぬ!!!!!
私は息を呑んだ。
三月ウサギさんは相変わらずニコニコと。
「____っ、!」
小さく上げた悲鳴は、絶対誰の耳にも届いてない。
中也は、何か電気椅子の様な物に座ってて、其処からは沢山のコードが伸びていた。
何、これ。
心臓がバクバクする。
これは何のための機械…
荒覇吐を取り出すみたいな事言ってたっけ…?
なら、これは中也を、
最悪の場合
死に至らしめる物。
「こ、れは誰ですか?」
声が震えそう。
体も、心も。
頭が、ふらふらする。
ウサギ「桜月ちゃん、大丈夫~?具合が悪そうだよぉ?」
「は、い、。」
マッド「知っている人、だとか?」
「いいえ、知りません。初対面です。」
ウサギ「本当に大丈夫なのぉ~?」
疑わしげな三月ウサギさん。
「大丈夫、です。」
マッド「ふぅん…大丈夫じゃあ、困るな。」
「え、っ?」
その時、私の立っていた部屋の鍵が閉められた。
中也と、私しかいない部屋。
二人は外に居た。
「だ、出してくださいっ!何するんですかっ!」
マッド「君が|潜入者《スパイ》なのは既に知っている。」
ウサギ「お友達になりたかったなぁ~…でも、
--- 無理そうだねぇニヤ」 ---
バレてた。
なら仕方ないね。ニコッ
「ボソ其方こそ…」
マッド「ごめん、聞こえなかった。もう一度言ってくれるかな。」
「貴方達こそ、私の大好きな人を…こんな目に合わせて、唯で済むとでも思って居るんですか⁉」
中也を傷付けた分、仕返しさせてもらわないと。
絶対に、許さない…
神からの、天罰を。
「絶対に、許さないです…!」
今、私は異能力を使ってはいけない。
しかも、相手は2人でこっちは一人。
中也は、流石にこの状況じゃあ戦えない。
ハンデ多すぎじゃない!?
年齢的な物もあるし。
酷いなぁ…
まぁ、中也に叩き込まれた体術。
実践と行きますか!
「取り敢えず、鍵開けて貰えます?まともに話も出来ない。」
ウサギ「別にいいよぉ~!」
そうして開けられたカギ。
莫迦だなぁ。
私は、三月ウサギさんが鍵を開けた瞬間の隙を突いて、
蹴り技を繰り出した。
ウサギ「(、迅いっ!)」
「子供だからって舐めないで下さい。」
見事踵は彼女が|防御《ガード》した腕に当たる。
マッド「僕は見てる。子供を二人で苛めるのは趣味じゃ無いんだ。」
「そうですか。面倒が減って助かります。」
ウサギ「フッ余所見禁止だよぉ~!やっと楽しめるっ!」
「ツッ!!」
凄い威力。
ギリギリ後ろに避けたけど、かすった。
あれが若し諸に当たったら…
考えただけでゾッとする。
でも、
「体が小さく、身軽に避けられるのは長所なので。」
そして、其の小さな身長から威力を跳ね上がらせる。
中也の動作。
何千回も何万回も見てきた。
ウサギ「凄いねぇ、そんなに小さいのに凄い威力だぁ~!嬉しいなぁ~!」
「ありがとうございます。」
マッド「武器は使わないのか?」
「えぇ。だって、使いたくありませんから。」
ウサギ「使いたく、無い?」
「…武器は、本当に悪い人にしか使いません。」
ウサギ「…私達は悪い人じゃ無いのぉ~?」
「逆に聞きます。本当に悪い人なら、何故それ程、、
悲しそうな光を、瞳の奥に宿しているんですか?」
ウサギ「何そr」
マッド「知らない。僕等は、そんな物知らないよ。」
「…そうですか。なら良いです。見間違え、だったかもなので、
やっぱりボコボコにします。」
ウサギ「でもね、所詮一人。」
「三月ウサギさんも一人で、っ」
急に後ろから走った衝撃。
頭から、生暖かい物が流れるのを感じた。
マッド「僕も居るよ」
「…最初から騙していたんですか。」
参加せずに、見学するなんて嘘だったんだ。
ウサギ「壁際に追い詰められちゃってるよぉ~?」
思わず尻餅をつく私。
頭からの出血は、朱雀で治すことが出来るから大丈夫。
だけど、なんだか眩暈がする。
この人たちは、やっぱり本当に悪い人…
だとはどうしても思えない。
でも、これじゃ私は殺される。
どうしよう。
ねぇ、
中也、。
ルイスさ、
「えぇえぇえぇぇぇっっ!!!」
突然床に空いた穴。
これは…
「何でまたぁぁぁあああああああ⁉」
下を見ると、案の定ルイスさん、、ではなく、
中也ととても綺麗な女性が立っていた。
三月ウサギちゃん好き。
みんな好き。
かわいい。
皆で皆を推そ??
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.9
ねーねー!海嘯さんとルイスさんを推す会を作ろーよ!!!
勿論私入るよ!!!!!!
入らないという選択肢がない
「何でまたぁぁぁあああああああ!?」
何だろ、私、落下運とかあるのかな(?)
勿論落ちる瞬間に目を瞑る私。
怖いもん。
だって怖いもん。
と思ったら、誰かが受け止めてくれた。
デジャヴ。。。。。。。
ルイスさんかと思って目を開けると、其処には__
「ちゅ、中也!?」
中也「大丈夫か?」
「だっ、だだだ!?」
え、一寸待って色々状況把握が!?⁉
私さっき迄三月ウサギさんとマッドハッターさんと...?
え、何々どういう事????
っていうか、
「中也、この美人な方は?」
中也「#アリス#さん。簡単に云うならルイスさんの人格だ」
#アリス#「初めまして、で良いかしらね。
私の方は此処で色々と見させてもらってたから、勝手に知ってる気になっていたわ」
ほわぁ~...本当に美人...
私とは大違いだ……
綺麗って云うか凛としてるって云うか…
ルイスさん似てる。
#アリス#「中也君、余計なこと考えてたらウエディングドレス着せるよ」
中也「何でですか!?」
わぁ待ってやっぱり中也よくドレス着せられるよね~!!
中也「てか手前、帽子屋に潜入していた筈だろ? 何で戻ってきたんだよ」
...鋭いとこっていうか、痛いとこ突いてくる。
一寸は気持ち読め???
「えっと━━」
???「俺が転移させたんだ」
あーもう此奴嫌い。
声聞くのも嫌だ。
ルイスさん殺しそうだったんだよ⁉?
「私の世界にルイスさんが来た時もそうだけど、
謎に私とか皆のことを転移しまくってる、例の組織のボスで、名前知らないけど、
とりあえず私はアンタのことが嫌い」
ボス「えぇ……」
中也「嫌われ過ぎじゃないか、彼奴」
#アリス#「まぁ、色々あったから仕方ないのよ」
一寸可哀そうではあったけど、やっぱりスンとしたままにする。
ボス「其奴が頼んできたんだよ。《《自分が倒れたりした時には桜月ちゃんを頼んだ》》ってな」
今気づいたけど、ルイスさんがぬいぐるみに埋もれて寝てる。
可愛い。
え、待って可愛い。
「……それ本当ですか」
ボス「急に敬語になるじゃん」
ふふん!!
お前の事は信用しないのだっ!
信用しない、信用しない、抑々お前は大嫌いだ((((((
どっかで聞いたけど忘れた。
何だっけ。
#アリス#「一つだけ聞かせてちょうだい。桜月ちゃんを何故、
さっきのタイミングで転移したのかしら?」
ボス「危ない状態だったからだよ。まぁ、其奴が一番分かってるんじゃねぇか?」
桜月「……帽子屋に潜入しに来たと即バレして、人質にされそうになりました」
中也「はぁ!? 大丈夫だったのか!?」
まぁある程度は不死鳥で治してもらった。
でもねでもね。
#アリス#さんが診てくれた。
クッソカッコいい。
ねぇ分けてぇぇぇぇぇぇ
その綺麗さ分けて~~~~!!!
それから、中也がいる場所が分かったことも話した。
勿論、私の世界の。
中也「まだ一時間経ってねぇよな?」
大体中也が考えてる事が分かる。
潜入向いてんなァとか何とか。
まぁ、探偵社に潜んだり、周りの人達騙して吃驚させてたり…
演技は結構あれだから。
自信ある。
#アリス#「中也君?」
中也「あ、えっと、すいません。考え事してました」
そっか、と、ふわっと微笑んだ#アリス#さんはとても綺麗だった。
その笑顔が何所と無く、やっぱりルイスさんに似てた。
それと、
ほんの少しだけ、
#アリス#さんに見とれている中也を少し、悲しげに見てたのは秘密。
綺麗だ、とか思ってるのかな。
私はテレパシーが無いから分からないけど。
よし、切り替えるよ、私。
「そういえばルイスさんは寝てるんだね」
中也「手前を送った直後にぶっ倒れたぞ」
「えぇ!? 大丈夫なの!?」
…大丈夫じゃ無くない⁉
あ、でも。。
「……でも、ちゃんと休めてそうなら良かった」
#アリス#「それで、これからどうするつもりなのかしら」
そうだなぁ、と私は考え込む。
#アリス#「桜月ちゃんの世界の中也君がいる場所は分かった。
でも、正直貴方達三人で相手できる人間じゃないわよ」
異能使っちゃ駄目かな、私。
敦くン"ン"ッ白虎とか呼び出したいなぁ。
あと新降した四季も使いたいんだけどなぁ。
でも二人とも強かった。
悔しいけど、やっぱり年上だって感じ。
中也「……ルイスさんが動けない今、俺達だけで動くのは危険だ。
シヴァについての情報もないからな」
シヴァ、か…
でも、こんな悠長な事をしていたら、中也は…
悔しくて、俯いた。
唇を嚙んで、
手をギュって握った。
「待機、しか無いんですか……?」
自分の声かと疑うほど、
か細い小さな声だった。
中也も、#アリス#さんも、
如何声を掛けて良いのか分からないんだろうなぁ。
やるせない自分に、物凄く腹が立った。
こんなの、如何したら、、
?「探偵社の報告を待っている暇はない。今ある情報だけで動くよ」
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2episode.10
#アリス#「……その状態で行くつもりかしら」
#アリス#さんは、私の肩に手を置いたルイスさんに問うた。
#アリス#「私がそんな状態で行かせると思ってる?」
ルイス「分からない。でも、君は無理させたくないのと同時に、僕の意見を尊重させたいと思っている」
#アリス#「……。」
きっと、否定はできない、っていう所かな。
味方で居たい、っていう表情が、顔に出てる。
ルイス「僕のせいで桜月ちゃんの世界の中也君が死ぬだなんて、許せないよ」
#アリス#「……全く」
#アリス#さんは優しく笑った。
でも、私は少し申し訳なかった。
私の世界の事なのに、ルイスさんに責任を…
#アリス#「貴方はいつでも誰かのために一生懸命なんだから」
ルイスさんも笑った。
ルイス「というか、桜月ちゃんのこと助けてくれたんだね」
ボス「お前が頼んできたんだろ。俺がすぐに送れるように色々と渡しやがって」
え?え、?
ん?
( ,,`・ω・´)ンンン?
(。´・ω・)ん?
「どういうことですか?」
ルイスさんは私に預けた懐中時計に発信機、そして盗聴器を仕掛けておいたらしい。
用意周到すぎる...
ルイス「さて、そろそろ話を進めようか。桜月ちゃん、中也君の居場所について詳しく聞いても?」
「は、はい!」
中也がいるのはアジトの最深部。
コードが沢山ついていて、後ろには大きな箱があった。
もう一つ、言いたいことがあった。
「あ、あと帽子屋なんですけど──」
だけど、…
私は言葉を止めた。
言いにくい。
苦しいんじゃないかって。
ルイス「無理して話す必要はないよ」
「え?」
ルイス「話しにくいと思うなら、話さない決断をしてもいい。だって僕も君に隠し事してたんだから」
違う。
違うんです。
私は、
話さなくちゃ。
覚悟を決めた。
話すからには、ちゃんと。
「いや、話します」
「こんなこと云うのはおかしいと思うんですけど、本当に帽子屋は《《悪人》》なんですか?」
#アリス#「──!」
「マッドハッターと三月ウサギと交戦した時、瞳の奥に悲しそうな光が宿っていたんです」
見間違えたわけじゃない。
確かに、あの光は在った。
「多分、何か事情があると思うんです。マッドハッターが無理に話を終わらせてました」
中也「話を聞いてみても良いかもしれねぇな」
ルイス「……桜月ちゃん、眠りネズミとは会えてない?」
「え、あ、はい。帽子屋の二人と、何度か傭兵とすれ違ったぐらいですね」
…ごめんなさい。
嘘を付きました。
だって。
いえない。今は、未だ。
ルイス「さて、異能力を分離する方法はある。僕が知っているものだと高電力を流し続ける、とかね」
中也「……普通の奴より丈夫だろうが、そんなに耐えられねぇぞ?」
#アリス#「彼方の中也君も同じと考えたほうがよさそうね」
「やっぱりあの機械──」
当たってるなんて、考えたくなかった。
あの機械は、____
一度中也が倒れてしまったのは、電流に当てられたから。
何も知らずに、同じ存在があるなんて制御が効かなくなっても当然だ。
皆黙りこくってる。
#アリス#「……中也君」
そう#アリス#さんが云うと、着信音が鳴り響いた。
鳴っていたのは、ルイスの携帯電話。
相手は、社長かな?
中也「……すいません、俺も電話です」
中也も電話。
此処に居るのは、私とアリスさんだけだった。
「あの、#アリス#さん」
#アリス#「ん? どうかしたのかしら?」
「ルイスさんって、どうして自分のことを犠牲にするんですかね」
如何しても聞きたかった。
二人が居ない、此処でしか聞けない事だから。
#アリス#「そういう貴女こそ、仲間の為に死のうとしてたじゃない」
「──!」
#アリス#「云ったでしょ。私はずっとあの子を見てきてるから、貴方のことも知ってるって」
それは、だって、___
「……中也を助ける為に、私もルイスさんも無理をする気がするんです」
私は、小さく呟いた。
「ふにゃ!?」
むぎゅ、と頬っぺたを掴まれた。
吃驚した…、
#アリス#「貴女はまだ子供なんだし、グダグダ考えなくて良いのよ。もしも自己犠牲しそうならルイスが止めるわよ」
「で、でも……」
#アリス#「待って。自分で自分を撃つほどの馬鹿だったわ。逆に、桜月ちゃんに見てもらわないと駄目じゃないかしら?」
冗談交じりにそういうアリスさんが面白くて、
思わず笑ってしまった。
#アリス#「ま、私から云えることは大したことじゃないわ」
#アリス#さんは、私から離れて笑って見せた。
#アリス#「自己犠牲をする前に、未来を見なさい。
|中也君《囚われの姫》は助かっても|桜月ちゃん《姫を助けに来た王子》がいなければ悲しみ、一緒に過ごせたはずの未来がなくなる」
「……経験されたんですか?」
#アリス#「顔に出てたかしら」
私が王子、か。
現状を見たら私が中也を助けてるように見えるかな。
でも、きっと、
何時も中也は私にとっての王子。
だから、今度は私が王子になって、助けて見せる。
桜月「#アリス#さんのお陰で、少し緊張がほぐれたような気がします。ずっと中也のことで頭がいっぱいだったので」
#アリス#「……頑張ってね」
言い方に引っ掛かったのは、きっと、彼女が帽子や相手に戦うことが出来ない事を、暗示してるように聞こえたからだと思う。
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.11
迷い犬たちの運命は、何処へ__?
帽子屋のアジトである廃墟。
その入口には二人の大柄な男が立っていた。
見張りだ。
???「すみませーん、お届け物を持ってきたのですが──」
帽子を深く被った郵便屋の少年が辺りを見渡す。
男1「何か届くなんて聞いていたか?」
男2「いや、聞いてねぇ」
少年「ほぇ!?」
受け取って貰えないと困ります、と少年は慌てる。
仕方なく、男達は郵便物を受け取ろうとした。
ふと、片方の男が問い掛ける。
男1「一体届け物はなんだ?」
少年「そりゃあ勿論──」
カチャ、と|安全装置《セーフティ》の外された音が廃墟に吸い込まれるようにして消えた。
少年「──君達が外の空気を吸える、最後の時間だよ」
帽子を放り投げた少年の髪は金色。
若葉のような緑色の瞳は、しっかりと眼前の相手を捕らえている。
少年──ルイスが二人を戦闘不能にすると同時に、背後に沢山の人が現れた。
──帽子屋のアジト制圧開始から、約30分前。
---
桜月side
私達は今、探偵社で、
中也を助ける作戦を立てていた。
「シヴァ」について分かった事がある、との電話が来たらしい。
ルイスさんに。
国木田「お手元の資料をご覧ください」
私にとっては少し懐かしい、そんな会議室では、人の数に対して椅子の数が足りない。
ルイスさんとボスが後ろに立っていて、少し申し訳ないです…
ホントスミマセン……
前では国木田さんがホワイトボードに色々と書いている。
やっぱり国木田さんは司会、書記なんだ、、。
同じ。
でも、国木田さんに敬語を使って貰うのも変な感じで少し新鮮、かな。
国木田「シヴァの正体は《《一般人》》でした。特務課に協力してもらい指名手配してもらってますが、未だに捕まっていません」
中也「……シヴァの目的は俺でいいんだよな」
太宰「中也改め、荒覇吐。荒神と呼ばれた彼奴が顕現することで世界をやり直そうとしてるんだろうね」
世界をやり直す、か。
中也が居なくなるのは嫌だから却下。
ルイス「協力者の件はどうなった?」
国木田「そちらも指名手配していますが、まだ情報は……」
眠りネズミ、についても分かった事は無いらしい。
、、やっぱり後ろめたい。
嘘付いた時の事が、胸にぐあぁって!!!
こう、ぐぉぉって圧し掛かってくるの!
分かる!?
ねぇ分かる!?
私に語彙力ないとか云わせないから!!!
ルイス「僕達の目的は二つ。中也君の救出と、帽子屋とシヴァの捕縛。優先順位は云った通りだね」
ルイスさんみたいな、しっかりした感じが私にもあったらなぁ~。
何言ってもふざけてる感じになっちゃう。
ルイス「警備の強化はしただろうけど、アジトの場所は変わっていない。なら、其処で決着をつけよう」
「中也は最深部にいました」
太宰「それなら、もう一人の中也を助けに行く人以外が傭兵に対応した方がいいですかね」
太宰さんの作戦は其の儘採用。
乱歩さんや与謝野先生の場所や、傭兵の相手も必要。
かなりの動員だなぁ…
ルイス「──誰が行くべきかな」
乱歩「助けに行くのはルイスと桜月を中心に、太宰と素敵帽子君とかが良いと思うよ」
中也「素敵帽子君って」
少し嬉しそうに言ってる中也。
その帽子が素敵って言われたから?
いや、もう少し言い方…
あ、太宰さんがこの前言ってた、
「え、双黒(小)じゃないの!?」
中也「はぁ!?」
太宰「あははっ、桜月ちゃん最高だよ!」
乱歩「あと君もだ」
ボス「……俺?」
乱歩さんが指差したのは、ボス。
乱歩「君の事はルイスから色々聞いたよ。異能力とか色々、ね。僕の推理だと、君は絶対にルイス達と行動を共にした方が良い」
正直言って、此奴と一緒に行動するのは本当に嫌だ。
でも、今はそんな事言ってられる状況じゃない。
国木田「傭兵は全員異能力者ではないことが分かりました。なので警戒するのは帽子屋の三人だけで良いかと」
ルイス「ありがとう、国木田君」
そう云って、電話を架けるルイスさん。
ルイス「これから迎えに行くから。あと、裏ルートの監視を引き続きよろしくね」
???『……構わないけど、本当に《《あれだけ》》で良かったのかい?』
ルイス「それは此方の台詞だよ。幹部一名と、構成員約50名。僕が貸して欲しいと頼んだとは云え、よく許可だしてくれたね」
あ、首領だったんだ。
っていうか、貸すってw
何か話して居ると、急に首領の興奮した声。
と思ったら、ブチっと通話を切るルイスさん。
「き、切ってよかったんですか……?」
ルイス「あの状態の森さんを相手することほど面倒くさいものはないよ」
「……否定しないでおきます」
中也も頭を抱えてた。
…珍しく太宰さんも。
ルイス「さて、作戦をもう一度確認するよ。まず今の騒ぎを聞き付けた傭兵の相手を黒蜥蜴」
広津「任せておけ」
ルイス「国木田君、谷崎君、賢治君。君達三人は細雪を上手く活用しながら屋上を目指して」
谷崎「はい!」
ルイス「乱歩と与謝野さんの護衛を福沢さん、紅葉、鏡花ちゃん。桜月ちゃん用に振り分けられた部屋を拠点にするよ」
福沢「あぁ、任された」
ルイス「残りのメンバーは中也君のところへ向かうよ」
「……はい」
少し緊張してきた。
如何しても顔が強張る。
駄目だ。
ちゃんと、会えた時に笑えるようにしとかないと。
ルイス「もう一度云うけど、最優先事項は中也君の救出。次に帽子屋の三人とシヴァ。何かあったらすぐに連絡を取ること」
全員が、静かに頷いた。
ルイスさん、指揮を取るの上手だなぁ。
結局中也の下に向かうメンバーは、先ほどの5人+敦くんと芥川。
この二人も居てくれたら心強いからね。…喧嘩しない限り。
「此方です」
一度来た事のある私が道案内。
途中で何度か傭兵と擦れ違ったものの、大した数でもなかったし、
直ぐに斃せた。
「次はこの角を右で──」
角を曲がろうとした瞬間、敦くんに腕を掴まれた。
あっと声も出す間もなく、後ろに引かれ、芥川が前に出た。
芥川「空間断絶」
ルイス「……中也君の方の警備を固めていたか」
「あ、ありがとう、っ」
敦「ううん、大丈夫。」
芥川「…あぁ。」
どうしようかな、とルイスさんは顎に手を添える。
狭い廊下には銃声が鳴り響く。
来た道を戻ったら…全体を把握しきれて居ない私にも、道案内が務まらない。
ルイス「太宰君」
太宰「まぁ、強行突破ですね。少し廊下が狭いのであれですけど、|閃光弾《フラッシュボム》などを使えば問題ないかと」
ルイス「じゃあ、その作戦で行こうか」
ルイスさんは異能空間から|閃光弾《フラッシュボム》を持ってきて、ピンを抜いた。
芥川が一瞬だけ空間断絶を解除して、投げ入れる。
こう見ると、芥川って結構器用だなぁ。
ルイス「耳も塞いで!」
目と耳を閉じながら考えていると、
閉じた視野でも一瞬明るくなったことが分かった。
光が収まると、私達はすぐに敵を制圧した。
太宰さんって、作戦っていうか、見通しが凄いよね。
ルイス「……今ので人が寄ってきたか」
芥川「僕達が対応します。ルイスさん達は進んでください」
中也「二人で大丈夫か?」
敦「大丈夫です。倒したらすぐに追いかけますね」
「……死なないでね、敦くん、芥川。」
あぁ、敦くんと芥川ありがとう。ガチで。
桜月ちゃん死ぬところだったぁぁ笑笑笑←
っていうか、最初のルイスさんかっこかわよ。
マジ可愛い。
かっこいい。
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.12
よし、これを読んでいる方々、
ルイスさんファンクラブ作ろうぜ👍
傭兵に何度か出会う事はあるものの、着々と進むことは出来ていた。
敦くんと芥川の方に、皆行っているのかなぁ。
ボス「俺は冗談とか、そういう類いが嫌いだ。特に嘘や裏切りだな」
心臓が跳ねた。
今、何て云った?
「……別に隠してなんか」
中也「俺は隠してるぞ」
その言葉に、少し吃驚して足が一瞬止まった。
太宰「はぁ……やっぱりか」
「え、やっぱりって、え?」
え、、?
え、太宰さんは気づいてたの?
私に気付けなかった?
仲間の変化には、逸早く気付かなきゃなのに。
ルイス「……まさか荒覇吐が」
中也「正確には、異能の細かい制御が難しくなっています。
もう一人の俺が、危ないかもしれません」
ルイス「少し、急いだ方がいいかもね」
嘘。
嘘だ。
いやだ。
中也が。
危ない。
嫌だ、っ、…
太宰さんが気付けたのは、元相棒だから、。
今は、太宰さんに感謝して。
前に進まないと、中也が危ないって判ったんだから。
太宰「……一寸待ちたまえ」
「どうかしたんですか?」
太宰「少しおかしいと思わないかい?」
可笑しい、とは思わなかった。
少し不自然だとは思ったけれど。
だって、
開けた空間に出て尚、傭兵が一人も居なかったから。
#アリス#「そんなこと無さそうね」
いきなり私の前にナイフが現れた。
驚きすぎて声を出す間も___
と思ったら、鏡がナイフを弾いた。
ルイスさんの方を見ると、其処には予想通りアリスさんが。
ボス「……一体何処から」
???「そりゃあ、君達の行き先からさ」
アリスさんが振り返ると同時に、蹴りを入れた。
相手は、マッドハッターと、三月ウサギ。
#アリス#「──ッ」
マッドハッター「こんな蹴りじゃ誰も倒せないよ、#アリス#」
少し躊躇ったアリスさんの攻撃は、簡単に止められてしまった。
マッドハッターと三月ウサギに。
もう、此の二人に「さん」は付けない。
敬うべき相手では、ないとはっきりした。
二人の事は、哀しいと、苦しいと、思う。
でも、
#アリス#さんを、ルイスさんを、中也を、太宰さんを、、。ボスも、
私の大事な人たちを傷つけるなら、どんな事情があっても私には、容赦出来ない。
マッドハッター「それにしても、流石と言ったところかな。三月ウサギの攻撃に反応できるんだから」
三月ウサギ「流石は#アリス#ちゃーん!」
えへへ、とかわいらしく笑った三月ウサギ、さん。
あぁ、やっぱり駄目だ。
自分自身に蓋をして、苦しんでいる二人を無碍には出来ない。
三月ウサギ「久しぶりぃ! 鏡月ちゃん元気だったぁ?」
それは、鏡月は、私だっけ。
桜月「……貴女達に受けた傷ならもう治りました」
三月ウサギ「そうなんだぁ! 凄いけどそれはぁ──」
--- 三月ウサギ「あんま嬉しくないかなぁ」 ---
#アリス#さんとの距離を、一瞬で詰めた。
狙っているのは、誰なの?
アリスさん、?
中也「──重力操作」
三月ウサギ「はわわっ」
桜月「中也!」
中也「これぐらいなら問題ねぇよ」
大きな剣が床に突き刺さった。
これは、重力がなかったら到底受け止められるものじゃ…
っていうかこんな重い物を扱う三月ウサギさんスゴっ
三月ウサギ「それならぁ!」
ボス「何もないところから剣が!?」
太宰「異能力なら──!」
違う、!
直感で動いた。
前に出た太宰さんを庇う様にしてナイフで攻撃を受け止める。
三月ウサギ「残念。鏡月ちゃんが守らなければ血が飛び散ったのになぁ」
彼女は文句を言いながら、マッドハッターさんの元へ戻った。
___後ろでアリスさんが葛藤して、震えているのがはっきりと分かった。
マッドハッター「良かったね、そこの包帯だらけの君。
残念ながら三月ウサギの武器は全て本物だよ。
異能無効化の君じゃ、血だらけになっていただろうね」
太宰「……物質転移系の異能力者か」
「いや、多分あれは大きさを変えてます」
三月ウサギ「正解だよぉ! でも、気づいたとしても貴方達には止められないよねぇ?」
私が、異能を使える状況だったら。
もっと、良かったのになぁ。
でも、
止められない、じゃない。
何としても止める、だ。
中也「見えねぇ攻撃は防げねぇぞ!」
ボス「……チッ」
私達に当たる直前で、武器のサイズを変えて…!
なら、反射能力をもっと底上げするだけ。
と思ったら、足元に穴が開いた。
気がつけばあの空間に出る少し前の廊下に。
ボス「とりあえず後退したのはいいが……」
太宰「この一本道での戦闘の方がツラいだろうね」
「#アリス#さん、大丈夫ですか?」
一人で悩んでいるのが判った。
相談できるくらいの器量が、私にもあればよかったのに。
乱歩『今、どういう状況?』
太宰「乱歩さん」
急に、乱歩さんからの電話が。
道を戻っているのを見て、連絡してくれたんだ。
良かった。私達だけじゃない。
乱歩さんだけじゃない、私たちの見えないところで、皆戦ってくれている。
乱歩『一番の目的は素敵帽子君だ。誰かが残って相手するのが良いだろうね』
ボス「……やっぱりそうか」
桜月「でも、誰が残ったら──?」
「私達が残ります」
「君達に頼みたい」
二つの声が、綺麗に重なった。
「ルイスさん!?」
なんで?
太宰さんも、中也までも欠けてしまえば、あのコンビが居なくなっちゃったら、。
乱歩『理由を聞いても?』
太宰「ルイスさん達は先に進むべきだと思ったからです。
それに、中也と私なら戦力としては十分かと」
乱歩『ルイスは?』
殆ど同じだよ、といった後に、小さく呟いていた。
ルイス「二人を止められるのは太宰君だけだ」
何が云いたいのかは、私は分かれなかった。
判る事が出来なかった。
敦『太宰さん、全員倒せたので今からそちらに向かいます!』
中也「芥川達も来るならすぐ片付くだろ」
良かった、敦くんも芥川も、応援に来れる位なら大きな怪我は無いんだ。
心底ほっとした。
ルイス「今のところ味方の負傷者は?」
乱歩『大怪我はいないよ。ここにも何人か傭兵が来たけど、特に問題はないね』
「敦君たちの合流を待った方がいいですかね」
ボス「いや、そんな時間はくれないってよ」
ルイス「──。」
ルイスさんが太宰さんに何か云うと同時に、一発の銃声が響き渡った。
弾は私達に当たることはなく床に転がる。
マッドハッター「……君、動けたんだ」
#アリス#「いつまでも震えてるわけには、いかないでしょ」
ボス「走り抜けるぞ、泉桜月、赤の女王」
「云われなくても!」
当り前だ。
私の世界の中也を、救うためなのだから。
他の誰が倒れても、私だけは斃れることは出来ない。
後ろを少し振り向くと、太宰さんが不安そうな表情をしていた。
カメラ持って居たらよかったな。
中也「珍しく弱気じゃねぇか」
太宰「……なんで分かるの、気持ち悪い」
中也を無視して、三月ウサギの相手を始める太宰さん。
それを見て、中也はマッドハッターの相手として立った。
マッドハッター「行かせないよ」
中也「それは此方の台詞だよ、狂人」
マッドハッター「狂人、は心外だなぁ」
太宰さんの方を見ていた私に、マッドハッターはナイフを振りかざした。
反応できない、
避けれない、。
怖い物があると、真っ先に目を瞑ってしまう私の悪い癖。
駄目、なのに、、、
薄目を開けた私の目に飛び込んできたのは、
ナイフを振るおうとしたマッドハッターに、
中也が横から蹴りを入れた姿だった。
中也「|桜月《アイツ》を傷つけるなら、俺を先に殺すんだな」
「中也……!」
中也「早く行け。手前の世界の俺を、助けに行くんだろ」
「……ありがとう」
そっぽを向いたまま、云った中也に向けて感謝を伝えた。
私の世界の、此処の世界の、中也の為にも進むんだ。
また後で、と再会を願う言葉も届けて、
私は#アリス#さん達に着いていった。
最初のボス地味にかっこいいの少しツボった。
いや、普通に一寸かっこいいなって思った。
後ルイスさんとアリスさんと中也と太宰さんと…
皆カッコいいな。
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.13
中也の下へ、走っていた。
誰も口を開かない。
静かな中、只管に走っていた。
その静けさを破ったのは、ボスだった。
ボス「桜月、いい加減何を隠しているのか云え」
「無理」
ボス「はぁ!?あのな!!」
「多分、もうすぐ、分かるから。」
もう、此処迄来て中途半端に言う事は出来ない。
多分、もうすぐ言わなければならない時が来るから。
「此処です!」
勢いよく扉を開いた。
中也の部屋の。
扉を開いたその奥には、
先ほど見た姿と同じ、沢山の管を付けられた中也が居た。
異能を分離させる装置、。
ルイス「──!」
急に、誰かに突き飛ばされた。
真っ暗な中で、何も見えなかった。
ルイス「君は《《シヴァ》》かな?」
???「……いえ、違いますよ」
其処には、左腕を赤く染めたルイスさんが居た。
銃口を此方に向けたその人____眠りネズミ、いや、フョードル・ドストエフスキー。
気づいていたけれど、その事は誰にも言えなかった。
いや、云いたくなかった。
眠りネズミ「僕は眠りネズミ。帽子屋の一人……と傭兵の人には自己紹介してましたね」
ボス「フョードル・ドストエフスキー……!?」
ドストエフスキー「先刻ぶりですね、桜月さん」
ルイスさんの腕は、私の所為で、、
嘘までついて、
こんな事に。
私の我儘で、
「ルイスさん、あの、ごめんなさ、」
ルイス「謝る必要はないよ。僕は大丈夫」
ドストエフスキー「早く止血した方が良いですよ。いや、毒抜きですかね」
ルイス「……!?」
「ルイスさん!」
ドストエフスキー「敵を前によそ見は感心しませんね」
ボス「それはお前の台詞だ」
もう一発の銃声。
フョードルかと思ったら、其れはボスの撃ったものだった。
彼奴の銃に当たって、カランと音を立てて落とした。
ボス「お前じゃないお前に結構な恨みがあってな」
ドストエフスキー「言葉遊びですか?」
ボス「いいや、言葉の意味はあっているんだよ。まぁ兎に角、大人しくやられてろ」
ドストエフスキー「それは難しいですねぇ……」
あっ、察したわ。
うちの世界のフョードルね。
何かごめんなさい、こっちのフョードルさん。
私の所為で、恨みを転換させちゃいました☆
ボス「解毒できるか?」
「ふ、不死鳥ならできるかもしれないけど……」
出来るかも微妙。
異能を使っていい状況かの判断も曖昧。
思わず小さくため息を吐く。
ルイス「桜月ちゃん、君はサポートに入って。僕のことなら心配要らないから」
「でも……」
ルイス「大丈夫。早く中也君を助けてあげて」
ルイスさんは、そう云って笑って見せた。
この人がそう云うのなら、私はそれに応えられるだけの事を、してみせる。
「……完全に信用した訳じゃないから」
ボス「へいへい」
ドストエフスキー「二対一は此方が不利ですね」
なので、とフョードルは両手を挙げて笑った。
ドストエフスキー「僕はこの一件から手を引くことにします。彼のことはお好きにどうぞ」
「は?」
ドストエフスキー「高電圧を一度流されているので少し火傷してたりしてますけど、
《《まだ》》命に別状はないと思いますよ」
ボス「……何が目的だ」
中也をこんな目に会わせておいて、不利な状況になったから手を引く?
《《まだ》》命に別条は無い?
巫女戯るのも大概にしてくれないかなぁ。
ずっとニコニコしているフョードルを見ていると、
やっぱり本当の事を言っているとは俄に信じがたい。
ボス「……あぁ、なるほどな」
「何か分かったの?」
その問いに答える事は無く、ボスは銃口を、
ルイスさんに向けた。
ルイス「君、冗談とか好きなの?」
ボス「さっきの話をもう覚えてないのか」
ルイス「……ははっ、本当に笑えない冗談だね」
、待って状況が理解できない。
ルイスさんに銃口を向けている、ボス。
乾いた笑いを漏らすルイスさん。
何が起こって居るの?
ボス「今回の事件について全部、洗いざらい話せ。そうすれば撃たないでやる」
「待って! 裏切りってまさかルイスさんのこと!?」
そんな訳ない、!
ルイスさんに近づくボスを、必死に止めようとした。
けど、成人男性の力に私が適う訳が無い。
ルイス「本当に撃つ気かい?」
ボス「……。」
「待って、ねぇ、なんでルイスさんを──!」
ルイスさんが目を閉じると同時に聞こえる発砲音。
音が聞こえると同時に目を閉じた。
もう一度目を開くと、先ほどの場所とは別の処に立つルイスさん。
完全に避けてた、。
なのに、何で血が、?
ボス「俺の異能力は『対象を|穴《ホール》を通して空間を越える』だけだ。
でも、この異能力を使うに当たって人の気配には敏感になってるんだよ」
残念だったな、と黒い笑みを浮かべるボス。
何か、色々と太宰さんといい勝負な気がする。
あ、これルイスさん同じこと考えてるな。
ボス「失礼なこと考えてたろ」
ルイス「ナンノコトカナー」
ボス「で、お前は何を隠してるんだ」
あー、と少し目を泳がせたルイスさん。
何だろ、悪い事じゃないのかなぁ。
ルイス「実は魔人君、味方なんだよね……」
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.14
うぇーい!
今、お気に入りの曲を新しく見つけて少し喜んでいますw
聴いて泣いてたら親にドン引きされたのは内緒((
「え?」
え、っと、ルイスさん、なんて???
ボス「は?」
ドストエフスキー「もうネタバレですか。つまらないですね」
そう云って、ドストエフスキーはルイスさんに解毒剤を渡した。
あれ、味方なのに態々本物の毒にするとか、趣味悪っ、、
ドストエフスキー「演技じゃ面白くないじゃないですか」
っていうか、最早この人魔人っていうより悪魔…いや、それは太宰さんかなぁ…?
ドストエフスキー「悪魔ではなく、僕の通り名は魔人ですよ」
ルイス「いや、心を読まないで?」
少しふざけた空気になって居た時、急にルイスさんが後ろを向いた。
釣られて其方を向くと、…
白髪の青年が、血を流してそこに立っていた。
ルイス「姿を消すことができるが、気配までは消せなかったようだね」
???「アンタ、いつから裏切ってた」
ドストエフスキー「初めから、でしょうか。僕の方は元から貴方の仲間ではなかったので」
シヴァ、。
舌打ちをしながら、青年は右肩を抑えて止血している。
え、えっと、フョードルは私達側だけど、
此奴らの味方の演技をしていた、って事で良いのかな?
状況の整理が追い付かない…
「あの、えっと、とりあえずフョードルは味方ってことで良いですか?」
ルイス「今のところはその認識で構わないよ。いつ、裏切られるか分かったものじゃないから」
ドストエフスキー「信用されてませんね、僕」
ボス「どの世界でも裏切ってるから仕方ないだろ」
凄い、初めてボスと同じ意見になったかもしれない.…。
っでもよかった。この人を敵には回したくないからなぁ。
とりあえず、とルイスさんは拳銃をシヴァへと向けた。
ルイス「大人しく捕まるなら何もしない。戦う気があるなら、相手になるよ」
シヴァ「あの力は、荒覇吐は|器《中原中也》によって制限されて良いものではない!
僕は世界を一からやり直すんだ!」
ルイス「……後悔しないことだね」
フフッ、莫迦だなぁ、この人。
中也によって制限されてる?
違う違う、中也によって能力は倍増してるような物だもの。
器が良いって、楽じゃ無さそうだね。
シヴァさん、私は何があっても貴方を斃すから。
然し、彼は私達に向かってくる事は無く、中也の方へと向かった。
ドストエフスキー「っ、前回から十二時間経ってます。不安定なところに電圧を掛ければ──」
ルイス「荒覇吐が顕現する……!」
詰り、アラハバキが暴走して、中也が死、ぬ…。
そんな事させない、と走り出すも、ルイスさんが走ろうとした途端に
倒れるのが視界に入り、思わず足を止めた。
太ももに刺さって居るナイフ、。
ルイス「──!」
いいや、足は止めない。
さっきも言った、他の誰が倒れても、私だけは斃れてはいけない。
私は先回りして、シヴァに蹴りを入れる。
けれど、後ろに飛んで避けられてしまった。
うっっっっざ。
「避けないでよ」
シヴァ「それは聞けないお願いだね」
でも、私は只の_。
ボスとルイスさんの方を向く。
ボス「泉桜月にだけ集中していると痛い目を見るぞ」
『|不思議の国の入口《welcome to the wonderland》』
ボス「──ははっ、振り出しに戻ったな」
私は只の囮だよ。
ボスが手を伸ばすと、シヴァの足元に穴が開く。
っていうか、
「普通に異能名がかっこよくてイラつくんだけど」
ボス「えぇ……俺、助けてやったよな?」
「誰も頼んでない」
ボス「はぁ!?」
ま、感謝して無い事も無くは無くは無いけど。
い、一応感謝はしてるってこと!!
でもやっぱり信用しきったわけじゃないもん。
…ボスと私の息がぴったりなのが無性にイラつく。
シヴァ「これじゃ中原中也に近づけない……!」
フフッ、後悔させてあげる。
---
ボスと目で合図する。
如何やらルイスさんの作業が始まったらしい。
中也の機械は、電源を落とす方向で行くらしい。
でも___
問題は私達。
此奴、強すぎ。
シヴァ「その程度の攻撃じゃ当たらないよ」
異能を使えないからだもん。
そういう事にしておくんです!!!
その時、携帯電話が鳴った。
昔の名残で夜叉か奇獣かと身構えるも、直ぐに乱歩さんだと気づいた。
乱歩『……ぇ……こ……てる……』
「乱歩さん?」
ボス「最深部で電波が悪いんだろ。シヴァは俺が相手するから聞いてこい」
「でも、」
躊躇う私に、ボスは溜息を吐いて私の肩を押した。
私が担っていたボスの背中はこれで空いた。
私らが守り合う事は出来ない。
でも、
ボス「その際だから云わせて貰うが、普通に邪魔だ」
「はぁ!?」
ボス「お前は異能力を使ったシヴァが見えない」
いや、心外なんですけど…
事実だけどさ、、
その時、だから、と言ってボスは何もない空間に蹴りを入れた。
シヴァ「──ッ!」
ボス「連絡を聞いてこい。お前には勝てないが、あの組織の長を出来るぐらいには強いんだよ」
聞こえるシヴァの呻き声に思わず感嘆する私。
これで確信した。
ボスが負ける事はきっとない。
もしくはその前に私が戻ってきて助けられる。
少し云いたい事はあるけれど、私は背を向けて走り出した。
扉を開き、外の廊下に出た。
向かう先は、大体見当がついてる。
それに走るのは慣れてる。
だって、
色々な出来事があって、その度に誰かの為に奔って、
だから、。
乱歩『桜月ちゃん、聞こえる?』
「乱歩さん!繋がりました!」
乱歩『単刀直入に言う。兎に角先に進むんだ。急がないと皆が不味い。』
「分かりました。」
乱歩『気を付…て……』
また悪くなってきた通信。
でも、これで確定した。
行き先は、乱歩さん達の下へ。
廊下を抜けた場所に出た。
其処は開けていて____
「中也、っ!其れに太宰さん、芥川に敦くん、、、!?」
其処に居る皆は、見るのが辛い位血だらけだった。
そして、マッドハッターさんと三月ウサギさんはシヴァに連絡してるっぽい。
中也「ッ悪ぃ、少ししくじっちまった。ゲホッ」
太宰「っ、向こうの状況は?」
「ルイスさんが此方の中也の機械を。ボスが、シヴァの相手をしています。」
敦「向こ、うは大丈、夫だった?、ッ」
「勿論。こっちは大怪我をしてる人はいない。
ただ、…ルイスさんが太ももを刺されて。」
でも、皆の為にも私は話してる場合じゃないの。
通信中の二人を、不意打ちは悪いと思いつつ攻撃した、けれど、
三月ウサギ「タイミング悪いねぇ、鏡月ちゃん」
丁度終わった様で、弾かれた。
マッドハッター「君も苦労人だね、自分以外全員が深手を負ってるって。」
「お生憎様、私は本気を出せない状況なんで。手加減とかお願いしますよ。」
三月ウサギ「其れは一寸無理かなぁ」
「えぇ、先輩頼みますよ~」
三月ウサギ「可愛い元後輩の願いだけど…
やっぱり裏切られたからなぁ」
駄目か。
普通に少し傷付いたからな!!
「既に戦闘で疲れてるっていうのに二対一とか酷くないですか?」
中也「俺等は何処にゲホッ!」
立ち上がるも、又膝をつく中也。
「私が自分ひとりで行けるところまで行くから怪我人は休んでて!!
私が出来る事も出来なくなる!!」
不死鳥でも手遅れになるなんて、駄目だから。
三月ウサギ「戦いながらお喋りなんて、余裕だねぇ」
「いいや、結構ギリギリでやってますよ。」
マッドハッター「三月ウサギにばかり集中して居たら痛い目を見るぞ」
マッドハッターさんに鳩尾を殴られる、も、
辛うじて、
持って居た小刀で腕に細い切り傷を付ける。
「っゲホッ」
マッドハッター「さっき迄の余裕は何処に行った?」
三月ウサギさんの攻撃が、後になってから効いてきた。
ヤバい、頭を殴られた衝撃が____
マッドハッター『…あぁ、
最後切れてるの態とですよ⁉
まぁその先マッドハッターが連絡した相手とか、内容を知りたい方は海嘯さんの方へ
Let`s Go!!!☆
っていうか全員強制的にレッツゴーしましょう(*^-^*)y←
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.15
マッドハッター『…あぁ、全員死んだよ』
私は、辛うじて残る意識だけに集中した。
体が動かない。意識だけが、少し。
きっと、少し休めばマシになる。何があっても、招き猫が居てくれるはず。
傍耳を立て続けた時、話し声が聞こえて、思わずハッとした。
その声が、
太宰さんと中也だったから。
太宰「……中也」
中也「何だよ」
二人の声には、悔しさが滲んでいた。
太宰「どうにか、マッドハッターと
三月ウサギに隙を作れないかな?」
思わず叫びそうになった。
動いちゃ駄目だ、って。
下手したら、皆死んじゃうよ。
駄目。
止めて。
太宰「君も気づいているだろう? マッドハッターは『…あぁ、全員死んだよ』と報告した。でも、私達はこうして生きている」
中也「──!」
…マッドハッターさん、。
そんな、
まだ、
想いを、?
太宰「彼らは抗っているんだよ。
洗脳されても尚、
本当の想いを決して忘れてはいない」
中也「ルイスさんが手前にだけ云っていた
のは、その事についてか」
仕方ねぇ、と中也は立ち上がった。
異能で無理矢理動こうとしている、?
なら、私も。
動かない体を、それでも私は無理矢理立たせた。
中也「……にしても」
中也はさっきの私の動き方を、体術を思い返していた。
大方、私の世界の中也に教わってるんだろうと思ってるんだろうな。
中也「俺に教わってるのかも知れねぇな、彼奴の世界の」
小さく声に、ぁー、と出す。
誰にも聞こえない程度に。
大丈夫、声もちゃんと出る。
声帯は無事だ。
「中也! 動いちゃ駄目!」
三月ウサギ「よそ見は感心しないねぇ……って、ぇ?」
マッドハッター「っ、莫迦!」
中也は横向きに重力を流して、?
その勢いで三月ウサギさんを殴った。
中也「おぉ、飛んだ飛んだ」
かなり飛んだ三月ウサギさん。も、直ぐにマッドハッターさんが助けに入った。
っていうか!!
「中也の莫迦! 怪我酷くなってるじゃん!」
中也「手前も鳩尾殴られたりしてるだろ。対して変わらねぇよ」
「変わるからね!?」
いや、怪我の程度違うって!!!
全然違う!!
文句を云おうと思った時、急に中也に、
抱き寄せられた。
っえ、!?//////
そして中也は重力で銃弾を止めた。
いや、あの、っ////////
マッドハッター「せっかく殺さなかったのにどうして動くのかなぁ……本当に死ぬよ?」
中也「生憎と、俺は相棒に良いように使われる《《牧羊犬》》らしいからな。
仕方なく羊の相手をするしかねぇんだよ」
マッドハッター「僕は羊じゃ──!」
その時、何かに気がついたっぽいマッドハッターさん。
マッドハッター「待て、太宰治は何処だ──」
三月ウサギ「──マッドハッター?」
あの、ずっと抱き寄せられ続けて(?)いるんで、近距離過ぎて思考停止してるんですよ…
いや、えっと、取り敢えず顔見ないで!!!////////
思い切り声に出していた心算が、声になって居なかったらしいのは後に聞いた話。
そしてようやく少し頭が働き始めた時、
三月ウサギさんと太宰さんが並んで座っているのが見えた。
え?
どういう状況?
っていうか三月ウサギさんの瞳に、さっき迄なかった光が…
三月ウサギ「何で貴方、銃なんか持って……いや、それ以前に此所は何処……」
マッドハッター「何を、云って……?」
「え、太宰さん、中也、どういうことですか?」
もう私混乱です(???)
簡単なことさ、と何時ものように笑おうとする太宰さん。
でも、怪我のせいか笑顔が少し引き攣っている。
太宰「彼女も、彼も、《《洗脳》》されていたんだよ。シヴァとは違う異能者にね」
じゃあ、シヴァじゃない首謀者が居るって事、?
--- 「太宰君、どうにかマッドハッターと三月ウサギに触れて異能を解除してほしい」 ---
太宰「そう、ルイスさんがあの時云っていたんだ」
中也「だから手前も大人しく触れられてろ、マッドハッター」
戸惑いと驚きを隠せていないマッドハッターさん。
相当深手の太宰さんがゆっくりと近づいても、余裕で触れられていた。
って云うか、あの、未だ先程と同じ状況なんだけどさ、
「ねぇ、中也」
中也「何だ?」
「そろそろ離してくれない?」
あ、と思考停止した中也。
中也「わ、悪ぃ……」
いや、私も恥ずかしくて声が震えなかったの奇跡だし、
顏が赤くなってるのも見られなくて良かった。
いや、神様に感謝しなきゃこれは。
さて、と太宰さんが洗脳が解けた二人どう説明しようか迷っていると、
私達の頭上に穴が開いた。
これは、
ボスの異能。
中也は取り敢えず移動する事にするか、って。
そして穴を通ると、
さっき居たあの開けた空間だった。
ボスの方を見ると、此方を見て一瞬固まっていた。
あ、思考読み取れた。
マジ何なの此奴!!!
リア充め((
とか思ってるよね!?
許さないからな!!!!
と思いつつ、自分でも何故怒って居るのかは分からなかった。
理解しとけよって思うだろうけど。
いや、多分怒って無いのかな。
分からない…。
ルイス「っ、これは……」
太宰「あ、ルイスさん。約束は果たしましたよ」
ルイス「……ごめん、僕の判断ミスだ。君達がこんなに怪我してしまうなんて」
ルイスさんは、そういって俯いた。
ルイスさんになんて声を掛けて良いか分からなかった。
その時、
三月ウサギ「まーたルイスはそうやって自分を責めるんだからぁ。
いつも駄目だって云ってるでしょ?」
ルイス「……っ、ごめん」
何だか、彼らの在りし日が垣間見えたようで、少し悲しくなった。
私達はそんなルイスさん達を横目で見ながら、通信機を使っていた。
ボス「おい、重傷四人をどうにかしたいから指示をくれ」
乱歩『悪いけど、今は無理だ。
僕らもそうだけど、増援が来て黒蜥蜴も国木田達も大変なことになっている』
「増援!?」
中也「何処かに潜んでやがったのか……」
敦「僕はまだ動けそうですけど、芥川が……」
芥川「問題などない……僕はまだ戦え((ゴホッ」
嘘、吐血してる…
本当に異能使っていいか聞きたい!!
使っていいですか!!
ねぇ!!!
その時、通信機から銃声が聞こえた。
其処に居る皆は銃を使わない筈じゃ…
それに、銃を使われる前に倒せるんじゃないの…?
「乱歩さん!」
乱歩『……大丈夫。やられたのは《《敵》》だよ』
内心ホッとしてしまった私は、悪いコだよね。
人が死んでるのに、味方じゃないからって。
可哀そうだって、思うけど、良かったって思った。
でも、と乱歩さんは少し声を低くした。
如何したんだろう、
乱歩『どうして君が僕達を助けるんだい?』
???『今、貴方達を失うのは違う気がしましてね』
この声、っ!
ボス「……フョードル・ドストエフスキー」
フョードル『心配しなくても、他の二ヶ所にも僕の仲間が行きました。誰も死んでないですよね?』
???『勿論だよー! ドス君もギリギリ間に合ったようで何より!』
???『……此方も問題ない。差ほど援軍はいなかったしな』
???『それじゃまた後でねー!』
この人たちは、
天人五衰、!!
この世界ではテロを企てているんじゃないの⁉
時間のズレはある筈。
未だみんな無事だから、テロは来ていない。
こっちの世界の彼らは、私達の味方、?
フョードル、ゴーゴリ、
もう一つの、変声機を通した声の主は、、?
フョードル『それでは、シヴァさんによろしくお伝えください。では、またお会いしましょう』
…また会う機会があるなら、問い詰めてやろうっと。
「あれ、そういえばシヴァは?」
ボス「え、そこにいるぞ」
ボスが指差したのは、
上!?
その指が示す先を見ると、
天井にぶら下がっているシヴァが。
思わず口をポカーンと開けてしまった。
他数人も同じだろうなぁ。
中也「これは一体どういうことだ?」
ボス「頑張った」
敦「いや、その説明だけじゃ分かりませんよ!?」
芥川「あまり大きな声を出すな、人虎……腹の傷に響く……ゴホッ」
敦「ちょっ、芥川喋るなって、吐血しすぎだぞ、死ぬぞ、」
そうだ異能使っていいか聞くんだった!!
でも聞く前にボスの種明かしが。
ボスの異能力で作られた|穴《ホール》を通る間に縄で縛って、気絶する方へ移した。
あまり変化は見えないが、一応アルビノみたいになってる筈だ。
成程、幾つか部屋があって、其々特性があるって事か。
お姉ちゃんが入れられたのもこっちって事ね。
「ほへぇ……」
なんか凄いなぁ.......
中也「よく判らねぇが、凄いな」
中也がルイスさんの方に行くのを見て、私も着いて行こうとした時だった。
三月ウサギさんが、近付いてきた。
やっぱりこういうのって、恐怖心が勝っちゃうのかな。
思わず小さく脅える声が。
あの時こそ勝ち気で居れたし、味方も居たけど、今は一対一。
それに、今も正気かどうか分からない。
怖い。
「あっ、あの、」
三月ウサギ「ごめんなさい!!!」
急に頭を下げた彼女。
いきなりの事で私も吃驚していると、
三月ウサギ「本当にごめんなさい!!怖い思いさせたり大事な人を傷つけたり、
痛い思い、苦しい思いさせたり酷い事ばかりしちゃって…」
あぁ、
良かった。
やっぱり、根は良い人だったんだ。
私の勘は、間違えてなかった。
「中也をあんな目に合わせた事は、皆を傷付けた事は、
やっぱり本人だからっていう事もあるし、心の底からは許せないと思います。
たとえそれが、操られていたからだとしても。」
三月ウサギ「っ、、」
「でも、」
少し、声を、表情を和らげた。
「私は三月ウサギさんが悪いとは思っていません。それに、」
三月ウサギ「それに、?」
「初対面の時、正直、敵じゃなかったら仲良くしたかったって思いました。」
三月ウサギ「えぇ!?」
「だから、もし良ければ、これからはお友達になって頂けませんか?」
三月ウサギ「っ、ありがとぉ桜月ちゃんっ!勿論よろしくお願いします!」
「良かったぁぁ…」
三月ウサギ「此れからは敬語も外そうよぉ!」
「わ、分かった!」
三月ウサギ「これからよろしくねぇ、桜月ちゃん!」
「こちらこそよろしくね、三月ウサギちゃんっ!」
すっごく嬉しい、、!!
やっぱり可愛いなぁ。
仲良くなれてよかった。
敵のままなんて、悲しすぎるもん。
其の儘少し雑談していた。
「そういえば、マッドハッターさんは…」
三月ウサギ「、、あぁ、少し、一人にしてあげて。」
、彼は誰よりも、優しいから。
そんな心の声が聞こえてきそうで、辛かった。
本当に辛いのは、仲間の三月ウサギちゃんにルイスさん、アリスさんなのに。
「、少し立ち直れたら、マッドハッターさんともお友達になってこよう、かな」
三月ウサギ「、いいねぇ…きっと、マッドハッターも喜ぶと思うなぁ。」
「、だと良いなぁ…!」
でも、
一つ困ったことに、
はしゃいでいる間も、鳩尾の痛みは癒えなかった。
あぁ、皆かっこよ。
やヴぁいですねやヴぁい。
一寸尊死してきまs((
っていうか海嘯さんルイスさんマジで神様ですマジでいつもありがとうございます
それと桜月ちゃんいつもお世話になってます。これからもよろしくお願いします。
今学校でテンションが少しおかしな方に↺行ってるののはなです。
何方か私を真面目にしてください((
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.16
ボスの名前、ジョン・デニエルに決定!!!
でも桜月ちゃん、ボスって呼び続けるだろうなぁ…
馴染んでて草www
嫌な気配。
それを皆も即座に感じたらしい。
その源は…
三月ウサギ「……マッドハッター?」
ルイス「テニエル! 何処でも良いから全員逃がせ!」
ボス「はぁ!?」
ヤバい、。
マッドハッターさんが、っ!
ボス「重傷者優先で構わないよな!?」
そう云った瞬間にに太宰さんや敦くん、芥川に中也を送ろうとしたボス。
でも、誰も送られることはなかった。
不思議に思い、ボスの方を見た。其処には…
指一本動かせなくなっているボスの姿。
ルイス「#アリス#──」
#アリス#さんと入れ替わろうとしたルイスさん。
けれど、
、マッドハッターさんの蹴りが腹部に入った。
呆然と、そして動けそうにないルイスさんの様子。
そん、なっ…
マッドハッター「いやだ、そんなめでみないで、ぼくは、おれは、ただみんなを、
--- まもりたかっただけなのに、」 ---
「ルイスさん!」
ルイス「僕は大丈夫……それよりボスを助けない、と……」
ルイスさんの焦点が、合ってない。
不味い。
これじゃあ、マッドハッターさんは、
ルイスさんは、
ボスは、
皆は…
マッドハッター「あはは、とけいがこわれちゃった、きみのじかんも、とまっちゃった、」
…やっぱりボスは動けない状態なんだ。
時間を操る、?
マッドハッター「みられたくない、なら、めを、かおを、あたまを、なくせばいい、」
何て無茶苦茶な、っ!
マッドハッターさんは三月ウサギさんが使っていた、大きな剣を手にしていた。
此奴、真坂、ボスの事を___!
マッドハッター「くびをはねたら、もう、だいじょうぶ、」
ルイス「駄目だ、彼が死んでしまったら……君が殺してしまったら……」
駄目だよ、マッドハッターさんの罪が、、
想い、が壊れちゃう。
駄目だよ。
駄目。
それに、っ
私も、中也も、元の世界へ戻れなくなる、!!
そんな事、させるもんか。
私は兎も角、中也にこれ以上苦しみを与えるなんて許さないから。
--- 奇獣『朱雀』 ---
ボスに体当たりして、そのまま別の場所へと移動した。
「すみません、異能使っちゃいました」
ルイス「……いや、謝らなくて良いよ」
めっちゃ真剣に感謝を伝えられた、けど、
それよりも、今は、。
「怪我はない?」
ボス「……お前、何で俺を助けた?」
「死にそうな人を助けるのに、理由なんて要らないでしょ」
迷いなく、そう答えた。
ポートマフィアが何を、って言われるかも知れない。
人を殺してきた極悪非道な罪人が、何を云っている、って思われるかも知れない。
それでも、私は。
助けるべき人は助けるの。
理由の、意味の、価値の、意義のない殺しは、しない。
って云うか、私は_________________。
ま、此処は未だ内緒ね。
三月ウサギ「私も一緒に洗脳されたのが問題だから、ルイス君達は逃げて良いよぉ」
ルイス「君との共闘は久しぶりだね、三月ウサギ」
逃げる訳ないでしょ。
三月ウサギさんを、友達を置いて。
マッドハッターさんを、友達になりたい人を放って。
逃げたりしない。
三月ウサギ「……私の話、聞いてたぁ?」
ルイス「もちろん。でも、少なからず僕にも責任はあるからね」
「私にも手伝わせてください。お二人と、ちゃんと友達になりたいので」
三月ウサギ「桜月ちゃん……」
ボス「流石にルイス・キャロルでも二人のサポートは無理だろ。俺も手伝ってやるよ」
そういって私の隣に立ったボス。
…少し俯かせた顔を、前髪が撫でるように揺れた。__風がある訳でもないのに。
私の表情は、ボスに見えていたのかな。
見えていたなら気付いていたはず。私が、
口角を少しだけ挙げて、微笑んでいた事に。
ボス、私はあなたの事を信用していいって判断した。
信用を失う出会いから、今度は味方として命を預け合うような立場に。
さぁ、
--- 君はどんな|祝宴《パーティ》をあげてくれる? ---
三月ウサギ「……時を操る。それがマッドハッターの異能だよぉ」
「え、時間!?」
ルイス「正確にはちょっと違うんだけど……ま、いっか」
ボス「いや、良くねぇよ」
ルイス「桜月ちゃん、一度僕の傷を治してもらってもいいかな。
その後は、自分の鳩尾をどうにかするといい」
「え、あ、はい!」
ルイス「……中也君たちは、心配しなくて大丈夫だから。絶対に守るから」
…足を引っ張る事は、絶対にないようにしないと。
っていうか、鳩尾の痛み、最早忘れてた。
三月ウサギ「さーて、私達も頑張るよぉ!」
一個、ボスに対して聞きたいことがあった。
「……ねぇ、ボス」
ボス「質問は後だ。全部終わってからでも、遅くはないだろう」
全部終わってから、か。
確かにそうだね。
なら、最後まで終わらせてちゃんとケリを付けるからね。
マッドハッターさん。
三月ウサギ「怪我は?」
ルイス「刃が少し掠ったけど問題ない」
ルイス「マッドハッターの異能力は時を操る。
正確には《《対象の時の流れを遅くする》》んだけど、
判りやすく云うなら動こうとしても通常の約31,536,000倍の時間が掛かる」
ボス「そりゃ、一ミリも動いてないように思うわ」
ルイス「この異能の唯一の弱点は、その対象に誰かが触れたら解除されてしまうこと」
あ、朱雀と一緒に私が突進したやつ。
朱雀も”誰か”に含まれたんだ。
三月ウサギ「だから、動きが止められたらすぐに助けに行ってねぇ。
因みに止められる対象の数に制限はないけど、異能効果の及ぶ範囲はあるからぁ」
「遠距離でどうにか出来たら一番いいかな」
三月ウサギ「まぁ、気絶させないとだからリスクを冒してでも近距離になるけどねぇ。あ、そうだぁ!」
「……これは?」
三月ウサギ「桜月ちゃん、多分だけど武器あんまり使わないでしょ?
一番|小刀《コレ》が使いやすいだろうから、持っておいてよぉ。
必要になったら私が異能力で大きくしてあげるから云ってねぇ」
お礼を言って受け取る。
思わずお姉ちゃんを連想する様な、綺麗な小刀だった。
まるでお揃い。
いいや、唯似てるだけかな。
ルイス「……さて」
誰かの為に、私は戦う。
その”誰か”の中に、嘗ての敵だった者が混ざっていても、
私は”今”守るべき人を、判断する。
守る為に、戦う。
あのですね、やっぱり海嘯さん&ルイスさんのファンクラブ作らないと駄目だと思うんですよね。
え、思いません??
ですよね思いますよね!!!((相手の話を聞け
っていう、今異様にテンションが高くて低いののはなでした!!
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.17
ルイス「──始めようか」
「四季『夏・五月雨』」
ルイスさんの声に、火蓋が切られた。
私とルイスさんで先陣を切る。
雨は、しとしとと小さな傷を負わせていた。
次は、___これかな!
「四季『夏・花火』!」
半数以上が目を覆うほどの眩しい光の中、足を止めない人が。
ルイスさんは、そのままマッドハッターさんへ蹴りを食らわせた。
私も、それに続くっ!!
マッドハッター「いのうりょく──」
ボス「残念、遅かったな」
マッドハッター「な、んで……さっきまではんいないに……」
黒笑みを浮かべるボス。
残念でした。
私達は既にマッドハッターさんの異能の範囲外です☆
三月ウサギ「ちゃんと背後も見ないとダメだよぉ」
この間に後ろに回って居たのは三月ウサギさん。
マッドハッター「もちろん、みているさ」
三月ウサギ「……わぁ」
三月ウサギさんの動きが止まる。
…読まれてた、!
彼女の首元へ、刃が近付いていく。
私が止めに入るも、マッドハッターさんは此方を振り返った。
それでも、私は走る速さを遅める事は無い!
「奇獣『四神・玄武』!」
マッドハッター「……かたい」
「玄武の甲羅が……」
…大丈夫、四神だ。
他の奇獣に比べて治癒のスピードは段違い。
甲羅だから痛みも無い。
____良かった。
ルイス「……僕は彼ほど足技の優れた人を見たことがない。絶対に喰らっては駄目だよ」
私も息を整え、一旦後ろへと下がる。
三月ウサギさんはボスが助けていた。
三月ウサギ「ありがとねぇ」
ボス「とりあえず助けたのは良いが、強すぎやしねぇか?」
「気絶させるのは難しい、ですかね」
ルイス「最終手段としては、気絶するほどの傷を負わせる。でも下手したら──」
死んじゃ___
急に響き渡った、金属の触れ合う音。
目の前に現れた、大きな盾。
盾の向こうに転がって居るナイフ。
ハッとした。
三月ウサギ「大丈夫だったぁ?」
「ありがとう、三月ウサギちゃん」
互い互いをフォローし合ってくることは出来ている。
けれど、作業開始から1時間。
疲れが見え始めてる。
ボス「短期決戦で行くぞ」
急に全員が落ちた…
場所は、マッドハッターの四方。
これなら一気に落とせる。
簡単だけど、一番単純で解り易い作戦。
と思ったけど、
「動けなっ……!?」
三月ウサギ「今まで四人同時に止めたことなんてなかったのに……」
如何やら全員の動きを封じてる感じ、かな?
凄いなぁ…
でも、とルイスさんが気がついた。
先程までは微塵も動けず、話せなかった。でも、今は会話ができる。
人数が増えるほど、威力は弱まる。
ボス「どうする! このままじゃ全滅するぞ!」
ルイス「そう言われても今、#アリス#は手が離せないんだよ!」
幾ら会話ができても、攻撃を防ぐこともできない私達は手も足も出ない。
ギラリと嫌に光る刃は、止まる事を知らない。
こんなの、如何すれば___
---
「桜月、狼にはね、悪い物を追い払う力があるのよ。」
「悪いもの?」
「人、とか物じゃなくて、人の中に在る、悪い心をね。」
「すごいっ!」
「おおかみ、可愛い。」
「そうだね、お姉ちゃん!でも兎の方が好きなんでしょ?」
「桜月だって」
「フフ、二人とも可愛いもの大好きね。」
「(∀`*ゞ)エヘヘ」
---
「……ぁ」
懐かしい。
これが、走馬灯?
いいや、違う。
ありがとう、お母さん。
「奇獣『オオカミ』……!」
マッドハッター「なっ!?」
狼が咆哮をあげる。
銀の鬣を振り被り、遠吠えを上げる。
その瞬間には、4人とも動けるようになっていた。
すると、すぐさま距離を取るマッドハッターさん。
マッドハッター「おおかみは、むり、こわい」
三月ウサギ「……そういえばマッドハッター、オオカミ嫌いだったなぁ」
ルイス「あー、そうだったね」
「もしかして、オオカミ出してたら勝てます?」
ボス「いや、それで勝てたら苦労しないわ」
そっか、、、
自分の元に戻ってきた狼をわしゃわしゃと撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。
お母さんが、思い出させてくれた。
お姉ちゃんが、助けてくれた。
ホント、ありがと、。
ルイス「……あれ、そういえばシヴァは?」
ボス「縄で縛って吊るしてる。ほら、彼処に──って」
ボスが彼奴を指さすと、マッドハッターの視線も其方に勿論ついていた。
そして、運悪くもそこで目覚めるシヴァ。
え、ちょ、まっ、
「え、これヤバいんじゃ!?」
三月ウサギ「……っ、マッドハッター!」
彼女の声は虚しくも届かない。
其の儘落ちていた短剣で斬りかかった。
止めるにも、、っ
--- ___間に合わないっ!! ---
マッドハッター「ぼくを、みないで」
その時、パリンと何かが割れる音がした。
其処には、粉々の鏡と、真っ赤な血。床に、ポタポタと垂れ落ちて行く血の雫。
シヴァとマッドハッターさんの間に長い、綺麗な金髪が揺れた。
あれは、!
#アリス#「……っ」
鏡を突き通し、粉々にした剣を手で止めていた。
地面にある赤い水たまりが刻一刻と広がっていく。
マッドハッター「くびをはねなきゃ、じゃないと、おれは、」
「#アリス#さん! 逃げて!」
ほぼ悲鳴のような自分の声を、張り上げて叫んだ。
#アリス#さんは、シヴァの縄を切り解き、彼を此方に投げた。
私の言葉に、優しく笑ったアリスさん。
だけど、
嫌な予感がする。
#アリス#さんは、ほとんどの攻撃を鏡で防ぐことが出来る。
出来た。
のに、
防がなかった。
紅く血飛沫が空に舞った。
その血は、辺りを見る間に染めていった。マッドハッターでさえも。
#アリス#さんはいまだに優しく笑っていた。
#アリス#「……自分の血で染まったのは、初めてね」
そう呟きながら、#アリス#さんはマッドハッターに倒れかかった。
駆け寄りたい一心で居る自分を、必死で抑えていた。
此処は、私が出る幕じゃない。
マッドハッター「#アリス#……?」
#アリス#「えぇ、私は#アリス#よ」
マッドハッター「ぼく、いったい、いや、それよりも……!」
#アリス#「これぐらい問題ないわよ。もっと大変なことは戦場で経験してきたわ」
マッドハッター「僕、きみを、傷つけて、」
#アリス#「貴方が想いを壊すのと比べたら大したことないわ。
本当に貴方、話を聞かないわねぇ」
マッドハッター「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、」
#アリス#「……謝って欲しい訳じゃないのだけれど」
自身の血で赤色に染まった手で、彼女はマッドハッターさんの頭を撫でた。
#アリス#「悪いけど、後は任せたわよ。ルイスが|異能空間《ワンダーランド》で待っている、から……」
「#アリス#さん……」
心配で心配で仕方がない、という自分の気持ちは頑張って隠している。
此処で私がバタバタしたら、迷惑を掛けちゃう。
ボス「さっさと転移するぞ。それと、お前は逃げれると思ってるのか?」
シヴァ「──!?」
あ、此奴のこと忘れてた。
ボスがシヴァの肩を掴んで満面の笑みを浮かべる。
あ、とシヴァは何かを察した。ような顔になった。
ボス「|不思議の国の入口《welcome to the wonderland》」
あぁ、アリスさん強いなぁ…
カッコいい…
っていうか!
やっぱストーリーが!
最高です海嘯様!!!
やっぱりこの世に神は存在したんだなぁ…
次話もお楽しみに!
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.18
ルイスさんのワンダーランドに着いた瞬間、与謝野先生は沢山の人の治癒を始めた。
尊敬するよね、与謝野先生。
あれ、そういえば、
「あれ、太宰さんがいない?」
敦「人間失格のせいで与謝野|女医《せんせい》じゃ治せないから大きな病院に行ってるよ」
中也「……終わったのか」
「あ、中也」
これは向こうの中也。
私の世界の中也では無く。
中也「怪我してなさそうだな」
「うん」
中也「……手前は無事で良かった、桜月」
普通にありがとう、と返す心算だった。
と思ったけど、
いっしゅん目を見張った。
「名前! やっと呼んでくれた!」
中也「……うるせぇ」
「あははっ、顔真っ赤だよ~」
中也「赤くねぇ!」
ボス「うわ、リア充うぜぇ……」
中也「誰がリア充だコラ」
私の恋人は私の世界の中也ですよ~!www
顔真っ赤な中也も可愛いなぁ…
中也はボスに掴みかかろうとする。
それを見て笑っていた私の肩が、不意に何者かに掴まれた。
振り返るとすると___
「ふにゅ」
頬を指でつつかれた。
あぁ、誰か分かった。
ずっと、、会いたかった。
中也「心配かけたな。ルイスさんから色々聞いたが──」
「中也ぁ!」
中也「ちょ、泣くことねぇだろ!?」
「だって、私、中也が死なないか、ずっと不安で、」
ずっと大粒の涙をこぼし続ける私。
大泣きする私の頭を、中也が優しく掌で撫でてくれた。
「っあ、そ、そうだ、る、ッルイスさん所、行、こっ?」
未だにしゃくり上げ乍ら私が云った。
中也「そうだな。探すところから始めるか…」
中也「俺が2人居るってなんか変な感覚だな」
「み、見分けつく、から大丈夫だよエヘヘ」
中也「だな!…ぁ、首領から連絡___太宰も問題なかったってよ」
「ルイスさんに伝えてくるね!中也は此処で待ってて!」
中也「ん~。」
「あ、ルイスさん見つけた!」
ルイス「どうかしたの?」
「中也に|首領《ボス》から連絡が来て、太宰さんも問題ないそうです!」
携帯を確認すると、通知の量に驚いているルイスさん。
っていうか、マッドハッターさんに三月ウサギちゃん、着替えてるよ⁉
「三月ウサギちゃん可愛い!」
三月ウサギ「ありがとぉ。あ、一応マッドハッターも自己紹介したらぁ?」
マッドハッター「え!?」
三月ウサギ「桜月ちゃん、友達になってくれるってぇ」
マッドハッター「いや、普通に迷惑じゃ……」
「迷惑じゃありません! 私は泉桜月。好きなものは可愛いものと甘いものです!」
まず!何で私が迷惑?なのかが知りたいです!
マッドハッターさんはルイスさんに目線でヘルプを求めた。__も、笑顔で返されていた。
マッドハッター「僕はマッドハッター。好きなもの、は……」
三月ウサギ「何で照れてるの?」
マッドハッター「ちゃんと自己紹介する機会なんてないからだよ!」
ルイス「それで、好きなものは?」
マッドハッター「……紅茶です」
紅茶っておしゃれ!!
ケーキとかにも相性いいし良いなぁ…
「良いですね!」
中也「あ、桜月こんなところにいたのか」
「中也!」
中也「この世界の|首領《ボス》からの連絡伝えたら帰ってくるって云ってただろ」
「ごめんごめん!ちょっと話が弾んじゃって…」
中也「別に良いけどこんな事があった直ぐ後じゃ、心配するだろ?」
「以後気を付けまーす」
ルイスさんやマッドハッターさん、三月ウサギちゃんも何か話して居た。
ルイス「中也君、今回は巻き込んで申し訳なかった。
僕に理解できるとは言わないが、大変だっただろう」
中也「謝らないでください! この世界へ来る異能に巻き込まれた俺の落ち度でもありますから」
え、マジで!?記憶あるの⁉異能に巻き込まれたって⁉
「中也、この世界に来たときのこと覚えてるの?」
中也「え、あぁ……。普通に歩いてたら足元に穴が開いて、気がついたら捕まってた」
…え、。
「……穴?」
次の瞬間、私は走り出した。
…何も、考えなかった。
中也「おい桜月!?」
ただひたすら、悲しかった。
苦しかった。
分からなかった。
あの後、私は彼を信用した。
味方になってくれた。
…そう思ってた。
あぁ、莫迦だな。
誰にも見られないように私は涙を一粒落した。
ボス「……。」
金属と金属のぶつかる音。
小刀とナイフの間で飛び散った火花。
ボス「急に何だ」
「……たの」
…ちゃんと声に出来なかった。
あまりにも、………だったから。
--- あまりにも、 中也を傷付けた怒りで真っ暗だったから---
ボス「は?」
「何で中也をこの世界に連れてきたの!出会いは最悪だったけど、信用してたのに……!」
自問自答、そして自己解決していたボス。
何考えてるか知らない。
けど、
私はアンタを許さない。
ボス「……てか」
、私の事普通に強いんだが、とか思ってるでしょ。
当たり前。
これでもマフィアの幹部だから。
ボス「このままだと──」
「謝っても、許さないから」
無感情で声を出す。
今の私はまるで、感情が無かった頃のお姉ちゃん。
でも、其れで、良い。
そうしたら、裏切られても辛くない。苦しくない。
今は只、
中也を傷付けた天罰を。
四季の、神の怒りを。
四神の、獣神の怒りを。
--- ___思い知れ。 ---
続けて繰り出す蹴り。
地面を染めていくボスの血。
ボス「……おい、少しは話を」
「中也を傷つけた人の話を聞くつもりはない」
ボス「……こりゃダメか」
「--- |不思議の国の入口《welcome to the wonderland》 ---」
逃げようとしたボス。
残念、私は先まで読んでるから。
「奇獣『四神・朱雀』」
ボス「流石に無理か」
捕まえた、と声を出さずに口にする。
私の目の前には反射できないボス。
今なら、
此奴を殺れる。
私は迷いなく小刀を振るった。
ボス「……後悔はするなよ」
「──!?」
私は一瞬、動きを止めた。
その一瞬の間に脳にあふれたのは、ボスと笑い合った思い出ばかり。
でも、
中也を傷付けた事は変わらない。
やっぱり私は小刀を振るった。
___少し遅れて来た、人の肉の感触。
ナイフ越しに、ゾクゾクとした感じがあった。
そして、ボスは斃れた。
マッドハッター「異能力!」
遠くから声が聞こえてきた。
この声は、…マッドハッターさん。
ルイス「テニエル!」
そして、ルイスさん。
…なんで、?
ねぇ何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で¿¿?¿?
なんで、
ルイスさん。
何で、こんな奴の傷口を抑えてるの???
此奴を庇うんですか、??
私は、鏡を見ていなくても分かった。
今の自分は、きっと、
深海のように暗い瞳だろうって。
そして、
紅い天使。
紅い妖精。
あの頃の自分の様なんだろうって。
でも、一つ違う。
今のこれは、自分が望んでやった事。
前のあれは、状況が仕方なくさせた事。
今の私なら、躊躇わず、いや、むしろ喜んで此奴を殺せると思う。
…ウワァオ↺
凄い展開!!!!!
海嘯さん天才!!!!
っていうか、桜月ちゃんの病み具合が好き()
後、海嘯さんの方で見れる、ボスの思考回路!!!
絶っっっっっっっっっっっっっ対読んで!!!
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.19
ルイス「クソッ、全然血が止まらない……!」
沢山焦って、沢山心配して、…
何で、なの?何で此奴を心配なんかするの?
「──ねぇ、どうして?」
ルイス「──!?」
マッドハッター「いつもなら話すことも出来なくなるのに……!」
私は、マッドハッターの異能で動きを封じられた。
でも、話せる。
何故かなんか、如何でも良い。
私は、誰にともなく問いかけた。
何が、「何で」なのか分からない。
中也が苦しんだ事?ボスが共犯だった事?そのボスを庇っている事?
もう、何でもいい。
「何で、どうして庇うの? そんな奴の味方するなんておかしいよ。
中也はそいつのせいで傷付いて、なのに、」
ねぇ、何でなの?
ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねえ、ねぇ、何で¿??
何でも、如何でも良い、から、
私は唯一信じられる彼らに、云った。
「ねぇ、皆」
マッドハッター「ルイス!」
「ボスを殺して。邪魔する人も、中也を傷付ける奴を守る人も──!」
皆が唸り声を上げる。
私の味方の、奇獣たちが。
「……さよなら」
???「させねぇよ」
「っ──!?」
この声は、!
奇獣たちがパッと散るのが、スローモーションで見えた。
中也「……すいません、遅くなりました」
中也「大丈夫ですか、ルイスさん」
「……どうして中也達もそんなやつ庇うの? 判らないよ、ねぇ、なんで?」
中也「……彼奴のことは俺に任せろ」
中也「あぁ。ヘマすんじゃねぇぞ」
私の世界の中也がこっちを向く。
中也「オイ、桜月、もう辞め__」
「奇獣、傷つけずに中也を私から放して」
そういうか否や、青龍が中也を吹き飛ばす。
何で、ねぇ中也、私は何で中也に止められなきゃ駄目なの?
私は中也を傷付けた人たちを、許してないだけ。
「……。」
中也「重力操作」
中也が奇獣を手あたり次第殴って近づいてくる。
でも残念。奇獣は囮。私が奥で待ってる。
そして破壊した奇獣たちも__
「……残念」
中也「幻覚か──!」
小刀を構える私。
殺気も気配も気取られぬよう、暗殺者の名において。
中也「……正面から戦ってやるよ」
小さく私は呟く。
「奇獣、私の世界の中也は傷つけないで。」
傍に居た蝶が他の奇獣に伝えに行った。
そして、私は__
「じゃあね、中也」
中也の後ろに瞬時に回り込む。
ありがと、中也。
永遠に、バイバイ___
「──!」
中也「……っ、捕まえた」
お腹を刺した感触はあった。血も流れてる。
なのに、何で__
不器用に、歪みながら笑った中也。
彼が、私の腕を掴んでいる。
「いやっ、離してよっ!」
暴れる私。
でも、流石に成人男性の腕力には勝てない。
だけど私は暴れ続けた。
それでも中也は私を放さない。
なら、_
「四季『春・蝶蝶』」
中也「っ、毒か……」
もう一度、お別れを告げようとした、その時だった。
急に、見覚えのある、《《腕時計》》が飛んできた。
「この、腕時計は──」
感情が揺らいだら、暗殺者は負け。
それを、忘れた時点で私の負けだった。
一瞬でも、中也に、皆に、情が戻ってしまった時点で。
ルイス「……少し、話をしよう」
「話すことなんてありません。裏切り者を庇う人達の話なんて聞きたくない」
ルイス「その気持ちはよく分かるけど、聞いてほしいんだ」
「分かるわけないでしょ! 私の気持ちなんて!」
ルイス「……そうだね。簡単に分かるなんて云ってごめん。でもちゃんと理解してほしいんだ。ボ
ス……テニエルは君と本気で戦っていたかい?」
「──!」
嫌だ、聞きたくない。
嫌だ。
いやだ。
いわないで、っ。
いやだ、っ…
中也「桜月、俺の話を聞いてくれ」
私の、世界の、中也。
「……。」
中也「俺がこの世界に来た時、確かに穴を通った。でも、その異能力はボスじゃなかったんだよ。穴を出たらボスとよく似た、違う奴がいたんだ。そして其奴はとっくに死んでいる」
「死んで……?」
中也「あぁ。穴の先には帽子屋の二人と、魔人と、シヴァ。あともう一人いたな。でも其奴はこの世
界のボスと一緒に殺されてんだ」
中也「だから、俺達の世界のボスが呼んだわけじゃない。俺や太宰だって二人いるんだ。この世界のボスがいてもおかしくないだろ?」
「それじゃあ、私は……」
中也「……悪ぃ。ちゃんと説明してなかった俺に落ち度がある」
ルイス「いや、僕が確定していない状況でも伝えなかったのが悪かった。とにかく、僕達と一緒に戦ったテニエルは味方だ」
そん、な、、
私は、何も悪く無い人を、。。。。
きずつけた、の、?
直ぐに視界が揺らいで、滲んで、何も見えなくなった。
でも、さっきみたいに、暗く黒く何も見えないんじゃなくて、
光に照らされた、透明な液体の所為だった。
「わ、たし、ボスの話も聞かッ、ないで、後悔しないで、って、最後まで私の、ッことを考えてくれて、たのにっ、」
中也「……桜月」
「ボスも、ルイスさんも、中也のことも、傷つけて──!」
その時、何か温かいものが、私を包み込んだ。
中也、。
中也「まだ誰も死んでねぇ。大丈夫だ、ちゃんと謝れば許してくれる」
「そんな、わけ……」
中也「何だ?彼氏の言うことは信用できねぇか?」
、感情が爆発して、何も考えられなかった。
ただ只管、私の瞳がずっと濡れていた。
ただ只管、中也の胸の中で泣いた。
ルイス「そういえば中也君、大丈夫?」
中也「……正直なところ、腹の傷がすげぇ痛いです。」
ルイス「与謝野さんに治療してもらおうか。瀕死状態にさせられるけど、まぁこのままよりは良いでしょ?」
中也「またあの治療か……」
向こうの世界の中也も、刺しちゃってた。
中也は中也。
物凄く申し訳ないというかなんというか…
と思ったら、急に与謝野先生が大声を上げた。
その言葉を聞いて私は、動き出した思考回路がまた止まったかのように感じた。
ルイス「テニエルが……」
「何度治療しても瀕死のまま……?」
何で、私はそんな力持って無い、。
ねぇ、?、なんで、
傷付けたのが奇獣だったから?
何で、!
ルイスさんは、怪我している方の中也も私に任せて、向こうへ走って行った。
私は、行って良いのかもわからずに、見送る事しか出来なかった。
きゃあああああルイスさんっかっこいいぃぃぃぃぃっ!!!!
あ、ヤバいです今テンション。
マジでやばいので巻き込まれ注意です()
え、ヤバくないですかルイスさん。
かっこよすぎませんか?
うん。
え?
ですよね前々から分かってた事ですよね!!!!
お邪魔しました(?)
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.20
如何しよう、ボスが、私の所為で、いやだ、っ…
何も悪く無い人を、私の勘違いの所為で死なせちゃうの、?
また、私の所為で、人が死ぬ、の?
その時、急に猫の鳴き声がした__
「……え?」
この、真っ白の猫、…呑気に、ふわぁと欠伸をしながら、首を掻いて居る猫、は、、
幸福の招猫。
ルイスさんを真っすぐに見つめる猫。
猫「……。」
ルイス「喋ってくれないと、判らないよ」
猫「……。」
ルイス「君は、何を伝えたいの? 僕にどうしてほしいの?」
ルイスさんは、猫の言葉が分かるのだろうか、。
猫「にゃあ」
ルイス「──!?」
猫「みゃーお」
ルイス「……そうか。君も桜月ちゃんのことが大切なんだね」
私は、この猫の異能の持ち主、、云わば、媒体。
だから、大体何を云っているかは分かる____
でも、なんだか今は聞き取り難くて、何を云っているか分からなかった。
話し終わると、ボスの額をポン、と叩いてルイスさんにすり寄っていった。
やっぱり、猫は可愛い。
ルイス「……ありがとう」
猫「にゃーん」
って言うか遠くからじゃ状況があまり見えない!
私は2人と一匹?の方に急いで駆け寄った。
「ルイスさん、ボスは──!」
ルイス「大丈夫。もう、大丈夫だよ」
そう、ルイスさんは私に笑いかけた。
…全身の力が抜けて行った感じがした。
もう、大丈夫。
その言葉が、頭の中で何度も響いた。
---
結局あれから一週間。
私は毎日こっそりボスの様子を覗きに来ていた。
薬品棚からこっそり。
ルイス「おはよう、ジョン・テニエル」
「、!」
そんな言葉が聞こえてきて、私は少しびくっとする。
つまり、ボスの目が覚めた、って事…。
テニエル「あれから何日経った」
ルイス「一週間」
テニエル「……流石に寝過ぎたな」
ルイス「それにしても、よく桜月ちゃんを傷つけなかったよね。
自分が負けることを判っていたとしても、多少は抵抗するものじゃないかい?」
どうしても、それに対しては私は言葉を出せなかった。
ボスは、何で其処までして私を、____。
少し考え込んだボス。
もしかすると、昔の、
私がルイスさんと初めて出会った時の事を思い出しているのかもしれない。
テニエル「……それが罰だと思った。この答えじゃ満足できねぇか?」
ルイス「いいや、充分」
それで、とルイスさんは薬品棚の方を__こちらに向けて云った。
ルイス「まだ隠れているつもりかい?」
「いや、その、えっと……」
頭だけを少し出してあたふたする私。
中也🌸「今行きまーす」
「中也!?」
中也🌸「元よりルイスさんに声が掛けられたら出る予定だったろ。ほら、棚にしがみつくな」
「でも、心の準備がぁ~」
中也🌸「重力操作」
嘘でしょ⁉中也棚ごと私を運んでっ!?
ルイス「棚、戻しておいてね」
中也🌸「判ってます」
あ。
「中也、私が戻すよ」
中也🌸「手前そのまま逃げるつもりだろ」
はぁ、何で見抜くかなぁ…
テニエル「何でそんなによそよそしいんだ」
「いやぁ、あの、そのですねぇ……」
何を云ったら善いか分からず、私は口籠る。
テニエル「俺を殺しかけたこと、後悔してるなら一言だけ云わせてくれ」
深呼吸をしたボス。
と思いきや、全力で笑い始めた。
テニエル「莫ァ迦」
「……はぁ!?」
事態を理解できずに、タイムロスが発生した…?
テニエル「俺はちゃんと『後悔するな』と云ったし、話を聞かなかったのはお前だ。
後悔してる暇があるなら過去の自分ぶん殴ってこい」
「殴れるわけないでしょ!? 過去に戻る方法があるならとっくに全部やり直してるよ!?」
テニエル「じゃあいつもみたいに莫迦やってろよな!? 何か俺が悪いみたいじゃねぇか!」
「いや悪いからね!?
この世界のボスがシヴァに協力してなかったらこんなことになってないからね!?」
テニエル「うるせぇよ! 俺のせいにするんじゃねぇ!」
ルイス「仲直りできて何より」
中也🌸「俺には喧嘩してるようにしか見えないんですけど」
ルイス「よく云うでしょ? 喧嘩するほど仲が良いって」
ボスとの言い争いも一段落。
息が切れてるボス。
あ、
これじゃ私と同じ莫迦だ、とか思ってるな⁉
「私は莫迦じゃないもん!」
テニエル「心を読むんじゃねぇ」
あ、合ってた。
溜息を吐いたボス。
テニエル「疲れた。寝る」
「はぁ!?」
ルイス「桜月ちゃん、少し落ち着こうか。ボスも起きたばっかだから。ね?」
「絶対起きたばかりじゃないですって。喧嘩売るぐらい元気ですよ、この人」
なんか色々考えてる様子のボス。
テニエル「悪かったな、桜月」
ルイス「これは……ツンデレって奴かい?」
テニエル「うるせぇ」
「……フルネーム呼びじゃなくなってる」
一寸ずつじわじわ嬉しいの来る…
「そういえばルイスさん、この子のことなんですけど……」
ルイス「あぁ、ちゃんと説明してなかったっけ」
私は白猫を抱きかかえた。
欠伸していて、すごく可愛い。
ルイス「──じゃなくて」
急に全力で首を左右に振り始めたルイスさん。
めっちゃ否定…?
ルイス「それは君の異能だよ。というか君、異能持ちすぎじゃない?」
「ルイスさんだって二つ持ってるじゃないですか!
というか、やっぱり『幸運の招猫』だった……。澁澤のときに一度会ったよね?」
猫「にゃ!」
まぁこの子のお陰で色々後付けされたようなものだし!異能が多いのは!!
ルイス「それで、テニエルの傷が治らなかった理由なんだけど、その子が関係していたみたい」
「え?」
この子が?
ルイスさん曰く、
『幸運の招猫』は私に幸運を招く。
その異能が発動していて、決して治らない傷となったらしい。
ボスが死ぬことが、私にとっての幸せ。
元々、奇獣達は実体の生物と異能生命体の狭間に位置するから傷自体も治りにくい。
そんなこんなで色々作用して、与謝野さんの異能が効かなかった。
って。
それは、つまり、
中也🌸「テニエルの傷が治るようになったのは、
『幸運の招猫』が本当の桜月の幸せを知ったからか」
ルイス「そんなところだね」
「……やっぱり私のせい、だったんですね」
しかもその所為で、|この子《招き猫》に殺人なんかさせそうになった。
本来は、幸せを招く笑顔の、幸福の子なのに。
中也🌸「手前は何でもそうやって自分のせいだと思い込みやがって!」
急にほっぺを引っ張られた。
「ひはい! ちゅーやひはいっへ!?」
中也🌸「全部が手前のせいなわけないだろうが!
次自分のせいだって云ったら一日話さねぇからな!?」
「へ!?」
中也🌸「ムス」
「えぇぇ嫌だぁ!其れはやだぁぁ!!」
中也にしがみ付く私。
一日中中也と話せないとかゾッとする…
ルイス「いいなぁ、若いなぁ」
中也🌸「ルイスさんだって若いですよね!?」
ルイス「一応、桜月ちゃんより10歳上だからね?」
え、嘘、!?、あ、そっか…
「そういえばそうでした……」
中也🌸「|首領《ボス》とそんなに変わらないと思ってました。話し方とか、振る舞いで」
「中也、それは流石に失礼だよ。
そしたら|首領《ボス》がルイスさんと違ってめっちゃ老けてるってことになるよ?」
ルイス「まぁ、結構なおじさんだよね。桜月ちゃんの世界の森さんも、この世界の森さんも」
エリスちゃんにも中年おじさん?だっけ…って云われてた。
「あ、私この世界の|首領《ボス》に会ったことありません!」
ルイス「そういえばそうだったね。今度会えるか聞いてみるよ」
え、ルイスさんの世界のボス、怖いかなぁ…
ま、まぁ当たって砕けろ!(?)
ヤバいね、
みんな可愛いね、
ボス面白いね、((
ヤバい楽しすぎる((
テンション変なので皆様お気をつけて(?)
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.21
ポートマフィア壊滅を目的とした帽子屋の最初の犯行である“中原中也の捕縛”。
それはシヴァ改め***との契約だった。
シヴァの目的は“荒覇吐”であり、現場には異能を分離させるための機械が揃っていた。
救出に向かったルイス・キャロルと探偵社、マフィアの尽力によりシヴァと帽子屋の二名の身柄を捕縛。
死者は百近いが、全員帽子屋によって雇われた傭兵であった。
首謀者であるシヴァは特務課に身柄が拘束された。
又、帽子屋のマッドハッター改め***と三月ウサギ改め***は、シヴァに利用された異能者(数日前に死亡)によって洗脳されていたことが分かった。
事実確認の為の一時的な身柄の拘束はあったものの、現在は釈放されている。
眠りネズミ改めフョードル・ドストエフスキーについては逃走された為、詳しい情報が分からない。
フョードルが仕組んだことなのか、はたまた別の者なのか。
真相は闇の中である。
---
ルイスさんの世界と、現実世界。
此処を、ボスがつなげて行き来できるようにしていた。
私は何となく、ルイスさんの世界に行ってみることにした。
何故は分からない。
なんとなく、そんな気がしたから。
歩き出すと、隣に現れたのは私の世界の中也。
中也「…俺も行く」
「…うん、一緒に行こ、!」
するとそこに居たのはボスとルイスさんだった。
ボス「もうシヴァの事件から二週間だぞ。泉桜月達は帰さなくて良いのか?」
あ、フルネーム呼びになっちゃった。
ルイス「もちろん帰そうとしたよ。でも──」
「
「#アリス#さんが起きるまで帰れません!」」
急に背後からそういった私に、驚いた様子で振り返るルイスさんたち。
え、と驚く声がルイスさんと重なる。
だって、当り前だと思ったから。
「まだ帰れるわけないじゃないですか。#アリス#さんと話したいこと沢山あるんですよ!」
中也🌸「俺も。まだ感謝を伝えられてねぇし」
テニエル「ま、もう一週間ぐらいはいいんじゃないか?」
ルイス「……君、結構桜月ちゃんに甘いよね」
テニエル「元は敵だが、共闘したり殺されかけたりしたからな」
あはは、なるほど。
其処のベッドで眠っているのは#アリス#さん。
まだ起きないんだ…
「お願い、だから、起きて…」
私は誰にも聞こえないように、そっとつぶやいた。
すると、いつの間にか___
招き猫が私の傍に居た。
真坂、!
猫はルイスさんの膝に飛び乗って、
#アリス#さんの枕元で丸くなった。
それにつられて、ゆっくりと目を開く#アリス#さん。
#アリス#「ん……」
招き猫が、?
いや、
それはどうでもいい。
今はただ、
#アリス#さんが起きた。その事が、ただ___うれしい。
#アリス#「あ、るいす……」
ルイス「#アリス#!」
莫迦、と#アリス#さんに抱き着いたルイスさん。
ルイス「どれだけ僕が心配したと思っている!もし目を覚まさなかったらと、
本当に僕、君も失ったら──」
ルイスさんは、まるで子供かのように、泣いていた。
ルイスさんが心の底の感情を、こんなにはっきり出しているのを見たのは初めてだった。
---
ルイス「そのッ、お見苦しいところを、お見せして、すみませんでしッ、た」
#アリス#「まだ泣いてるじゃない」
ぺしっと#アリス#さんがルイスさんの頭を叩く。
そして号泣してしまうルイスさん。
「ルイスさん、そんな風になるんですね……ちょっと意外……」
テニエル「てか、俺の時みたいに招猫が触れて目覚めるなら変に外でなかった方が良かったんじゃないか?」
ルイス「……また僕間違えた?」
「ボス!?ちょっと黙って!?」
テニエル「いや、すまん」
まったく、ボスは余計なことを言わないで!!
#アリス#「大切な人が増えたようで何より」
ルイス「すやぁ……」
#アリス#「あら、寝ちゃったわね」
「え、ルイスさん可愛い」
テニエル「泣くだけ泣いて寝るとか|子供《ガキ》かよ」
「ちょっとボス!」
いったん黙るんだルイスさん!!!
そして、#アリス#さんが寝ている間に起きたことを説明することになった。
…あまり思い出したくないけど。
#アリス#「……殺し合い?」
中也🌸「テニエルが死にかけたな」
「いや、その、私が皆の話を聞かなくて……」
テニエル「結果こいつは莫迦だってことだ」
ぇ……えっ!?
「私、莫迦じゃないもん!」
そして、#アリス#さんは眠っていた間のリハビリを___
「え、なんでそんな動けるんですか?」
#アリス#「あくまで私は異能生命体と変わらない存在だから、かしらね。詳しい説明してあげましょうか?」
テニエル「いや、ダルいからパス」
フフッ、と笑う#アリス#さん。
中也🌸「#アリス#さん。俺を助けるために色々と動いてくれてありがとうございました」
「私、ちゃんと助けれました! 本当にありがとうございました!」
#アリス#「……貴方達は上手くいって良かったわ」
「でも自己犠牲はダメって云ってましたよね!? なんで#アリス#さんがしてるんですか!」
#アリス#「あれしか方法がなかったから」
ぃゃぃゃ……いやいや駄目ですよね絶対!!!
#アリス#「でも、こんなに眠ることになるのは完全に予想外だったわ。マッドハッターは大丈夫? 病んでない?」
「ちゃんとルイスさんと仲直りしてますよ。今は特務課のところですけど……」
テニエル「ん? もう彼奴ら釈放されてるぞ?」
…え?
えっ、?
思わず大声で叫んでしまった私。
「え、マッドハッターさんも三月ウサギさんも釈放されてるの!? 何で!?」
テニエル「いや、普通に洗脳されてたことが分かったんだよ」
中也🌸「この世界の特務課にも|坂口安吾《記憶を読む異能者》がいる。彼奴らには洗脳されたとき
の記憶があるらしいし、多少牢に入ることはあってもすぐに釈放されるだろ」
「な、なるほど……」
中也🌸「ま、流石に今なにしてるかは知らねぇけどな」
#アリス#「帽子屋として活動してると思うわよ。想いを、今度こそ護るために」
そういって微笑んだ#アリス#さん。その笑顔は、とても優しかった。
---
ルイス「お見苦しいところをお見せして誠に申し訳ございませんでした」
「だから謝らないでいいですって!?」
起きたルイスさんは速攻、謝罪の山。
いや、頑張って止めて___
ました。
#アリス#さんと一緒に頑張って謝罪を止めて、私達は帰る前に横浜を回ることにした。
「まずは何処から行きますか?」
ルイス「僕に付き合わせることになっちゃうんだけど、ずっと待たせてるし彼処に行きたいんだよね」
中也🌸「彼処?」
そうして向かった先は___
森「君達が別世界の人達だね」
ポートマフィア、首領室。
普段なら慣れている場所だけど、別世界だからか何だか緊張する。
森「そんなに緊張しなくていいのに……しくしく」
中也🕰️「|首領《ボス》、ふざけないでください」
エリス「リンタロウの嘘泣き、気持ち悪い」
紅葉「あまりふざけてると口を縫い合わすぞ」
「……もしかして、私の世界より仲良い?」
中也🌸「いや、そんなわけ……。でも、|首領《ボス》が虐められてるようにしか見えねぇ……」
テニエル「お前達の世界の方がカッコいいんじゃねぇか、ポートマフィア首領」
ルイス「僕もそう思うよ」
森「嘘でしょ!?」
さて、とルイスさんは首領に書類を渡した。
ルイス「これ、今回の件の資料。特務課から預かってきました」
森「ありがとう」
ルイス「詳しいところは省かれてるので、直接答えに来たんだけど……聞きたいことある?」
森「君がどれぐらいこの件に関わっていたのか」
ニコニコとしている首領。
いや、無言の圧。
ルイス「云っておくけど、ポートマフィアを潰そうとしたのは僕じゃないよ。シヴァをどうにかするついでに、彼が自分の作戦を進めようとしただけ」
ルイス「ま、真犯人が誰かと聞かれたら──」
--- 「魔人君と僕だね」 ---
紅葉「それは、どういうことかえ?」
ルイス「別に、そのままの意味だよ。シヴァを止める為に僕は魔人君と一時的な協力をしていた」
ルイス「だから森さんの質問の答えは《《最初から最後まで》》だね」
森「……なるほど」
ルイス「他に聞きたいことは?」
中也🕰「質問、とは違うんですけど結局シヴァの犯行動機は何だったんですか?」
すると、簡単なことだよ、と笑ったルイスさん。
ルイス「破壊したいほど、この世界に絶望していた」
世界に絶望、か。
世界を変える事、。
ルイスさんはきっと知っているんだろうなぁ。
まぁ、
私は何があっても、あの人を嫌いになれないんだけれど。
ルイス「さて、僕達はこの辺で──」
森「ルイス君。この後は暇かい?」
紅葉「そう嫌な顔をするでない、ルイス」
いやな顔、というのは、、、
うげぇ、と眉を顰めているルイスさん。
なんだか一人で自己解決している様子のルイスさん。
仕方無く、首領の提案を聞き入れることにした。
”仕方なく”をめっちゃハッキリ言ってたけど。
え、コラボ終わっちゃう???
嫌だよ私???
悲しいよ泣くよって言うか泣いてるよ???
はい、
すみません。土下座します。なんとなく。
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season2.episode
ルイス「……。」
「あの、ルイスさん…?」
ルイス「何かな、桜月ちゃん」
ルイスさんを見て小さく悲鳴を上げた私。
あの、色々と情報量ヤバいんですよ。
あとルイスさん可愛い。
そして、中々シュールな空気の中、
一眼レフを構えているのが……
首領マジでなにやってるんですか!?
エリス「すごく似合ってるわよ、ルイス!」
森「桜月ちゃん可愛いよ!あ、勿論エリスちゃんもね!」
私達………ルイスさんにエリスちゃん、それから私は、首領に渡された服を着ていた。
その服というのも、
《《ロリータ服》》なんだよね…!?
首領の脳内思考は空を飛んでるのかな??
あの、しかも、エリスちゃんは勿論、
ルイスさんもすごく可愛くて似合ってて、
そんなところに私が来たら明らか変でしょ!!
わかる?ねぇ分かります!?
ルイスさん可愛いしさ!!
カッコ可愛いはずるいもん!
中也🕰️「違和感が仕事してねぇ……」
ルイス「中也君?」
中也🕰️「ア,ナンデモアリマセン」
「ルイスさん、そんなに怒らないでください!あの、もしかして、私が選んだ服も着るの嫌でしたか?」
ルイス「そんなことないよ!普通に森さんが選んだという事実と、こんなゴスロリを成人男性に着せて喜んでいる森さんに吐き気がするだけだよ!?」
紅葉「ルイス、事実とはいえ云いすぎじゃ」
森「じじつ……?」
どうしよ私めっちゃ申し訳無いことしちゃったよぉ……
ごめんなさいルイスさんっ………
森「ルイスくん、君に依頼をしたい」
ルイス「無理です」
森「即答……」
泣き真似をする首領。
結構本気でイラッとしてるルイスさん。
紅葉「|私《わっち》と|首領《ボス》は今から会合がある故、エリスの行きたい喫茶店に行けなくてのぉ……ルイスに付き添ってもらいたいんじゃ」
ルイス「なんで僕が──」
エリス「今日限定のパンケーキがあるのよ。ほら、美味しそうじゃない?」
差出されたチラシを覗くと、凄く美味しそうなパンケーキが載っていた。
「美味しそう……」
ルイス「あの、僕まだ良いとは……」
中也🌸「確かに美味そうだし、可愛いな」
エリス「良く分かってるじゃない!」
ルイス「だから僕は──」
中也🕰️「お願いします、ルイスさん。そのパンケーキが実は……」
テニエル「ブフォッ」
え、ボス急に吹き出したんだけど何?
めっちゃ嫌な予感するの私だけかなぁ…
もう一度チラシを覗き込んだ私。
私が反応する前に、ルイスさんが無言でキレた。
ルイスさんが首領にむけて、銃を放つ。
ニコニコと擬音語が聞こえてきそうなくらいの笑顔を浮かべながら。
首領の頬をかすめて、弾は後ろの本棚へと着弾した。
ルイスさん、目、目、笑ってないですよ……??
死んでますよ………??
テニエル「何だよこの条件!カップル、それにロリータ服じゃないといけないって!馬鹿じゃねぇの!」
「パンケーキは三種類あるのに一組どれか一つまで……?」
エリス「本当、酷いわよね」
出来るなら私、全種類食べたかったのに……
悲しい。
憤慨するように言ったエリスちゃんもまた、頬を膨らませていた。
そしてまだ笑っているボス。
中也🕰️「あの、ルイスさん……」
ルイス「行けば良いんでしょ、行けば。でも森さんは後で絞める」
森「え?」
ルイス「よし、早速行こうか」
森「ねぇ、ルイスくん、絞めるって何、」
紅葉「ほら早く会合に行くぞ」
そんなこんなで私とルイスさん、
ダブル中也にボス、そしてエリスちゃんは
例の喫茶店にやってきた。
中也🌸「で、どうするんだ?」
ルイス「普通に君は桜月ちゃんとで、エリスは中也君とでしょ?」
テニエル「ちょっと待て、俺もメンバーに入れられてるのか?」
「逆にボス入らないと三種類ならないじゃん」
エリス「そうよ! 早速入りましょ!」
腕を引かれるままに町中を歩いてきたけど、……
エリスちゃん行動力凄っ……
そして早速「例のやつ」を頼んだ。
店員「いらっしゃいませーご注文をどうぞー」
エリス「カップル限定パンケーキの苺!」
「私はカップル限定パンケーキの桃で!」
ルイス「……カップル限定パンケーキのチョコバナナお願いします」
……ルイスさん顔が死んでる……………
???「カップル限定パンケーキのチョコバナナお願いします」
急に聞こえてきた聞き覚えのある声に、
私は隣を見た。
え?
「お姉ッ……鏡花ちゃん!?」
鏡花「……桜月?」
中也🕰️「似合ってるじゃねぇか、鏡花も」
「中也の言うとおり!和服じゃない鏡花ちゃんも可愛い!」
鏡花「桜月も可愛い」
敦「……今日もルイスさんはいないんですね」
鏡花「敦、いる」
敦「え?」
ルイス「……ドーモ」
い、色々私も思考回路バグってるんだけど、敦くんは敦くんで、すごい勢いで弁明を始めた。頑張れ……で合ってるかな、?
店員「お待たせしました!」
テニエル「早ッ」
うわめっちゃ美味しそ〜!!✨
ヤバッこれ考えた人天才?!
とりあえず中也と分け合いながら、
黙々と食べ勧めていた。
エリス「ここの喫茶店、ティーカップも売ってるのよ。ルイスが好きそうなのもね」
ルイス「……そうなの?」
エリス「えぇ。それにクッキーとか紅茶も美味しいから後で見てみたら?」
…三月ウサギちゃんに、
マッドハッターさん___。
ふと、自分の世界の皆を思い出した。
鏡花「ルイスさん、何か楽しそう」
「そうだね。多分、大切な仲間のことを考えてるんだと思う」
中也🕰️「……寂しくなったか?」
「ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、ね」
テニエル「……今頃だが、そっちの中原は何でライダースーツなんだ?」
あ、そうだ。
こっちの中也が着ているのは、
深い暗緑色のライダースーツ。
ルイスさんと私で選んで着せた。
「趣味嗜好が一緒で私服が被るから。女装してくれないし」
中也🌸「普通に女装とかしたくねぇよ!?」
ルイス「……中也君が着てくれたら僕は女装しなくて済んだ説ある?」
テニエル「あるな。まぁ、その場合俺かお前が中原の彼氏になってたわけだが」
桜月「ルイスさんが彼氏役……」
少し想像してしまった。
絶対めちゃかっこいい…。
中也🌸「なに顔赤くしてるんだよ。ルイスさんが格好いいのは否定できねぇけど」
「中也の方が格好いいよ!」
テニエル「うわっ、リア充ムカつくわ……」
笑顔でふざけながら云ったボス。
そして私達は一度、向こうの中也とエリスちゃんと別れ、街を散策することにした。
…服はくれるんだって。
思い出。大事に、持っておこうと思った。
早く着替えて、皆の所へ戻ろ、っ。
………。
ボスは、仲間、。
色々なことがあって、仲間になって、
私は正直もの凄く分からない。
なんでこんなに敵対し合って、
傷つけ合って、それで、
一方的に殺されかけたような相手に対して、
こんなに、………
まぁ、いいや。
ボスは私の仲間。
私が命を懸けてでも守る人の一人だ。
「ルイスさん、着替え終わりました!」
ルイス「……ロリータも良かったけど、いつもの服も似合ってるね」
唐突な褒め言葉に、思わず顔を赤く染めてしまった私。……え、いや、
き、急にそんな事言われたら吃驚するに決まってるもん!
ルイス「とりあえず敦君達のところへ行こうか」
「は、はい……」
何とか顔を元に戻し、私達は散策し始めた。途中では買い物したりと、すっごく楽しい。
それから、クレープの移動販売を見つけた。
私と鏡花ちゃんと敦くんの3にんは、
ベンチに座って待っていることに。
「ところで、二人共どういう関係なの〜?」
敦「へっ!?」
鏡花「え?」
「さっきのパンケーキ、二人で来てたから…」
敦「い、いや、特に深い意味はなくてですね!!」
アワアワする敦くんに、
ほんのり頬を染めている鏡花ちゃん。
可愛いなぁ〜……
そういえば、こっちの鏡花ちゃんは私より年下だったっけ。
「もう2人共、かわい〜!」
すると急に、ハッとした様子の鏡花ちゃん。
鏡花「桜月、あの人との関係は」
「えっ?あ、あの人…?」
え?ボス?ルイスさん?えっ?
鏡花「|あの人《中原中也》」
「ぁ……」
敦「それは僕も気になってた…何となく聞くタイミングがなかったし」
「敦くんまで……」
敦「桜月ちゃんだけ言わないのは無しだよ!」
その言葉にゆっくりと頷く鏡花ちゃん。
えぇ……
「っていうか二人共気づいてるでしょ?」
鏡花「でも確認」
「うっ……」
この二人のキラキラの目からは逃げられないよぉ………
「……お察しのとおりです………、」
「「えぇええぇぇぇぇぇっっ!!」」
流石の鏡花ちゃんも吃驚顔。
「いや気づいてるんじゃなかったの!?」
鏡花「確信はなかったから」
敦「さ、桜月ちゃん……」
「え、どうしたの?」
敦「頑張ってね……」
「な、何を…??」
敦「太宰さん」
「太宰さんがどうかしたの?」
太宰「やぁ、桜月ちゃんに敦君に鏡花ちゃん。良い天気だね」
声を上げそうになったのを堪えた。
これが噂をすればってやつ、?
敦「あ、太宰さん」
太宰「一体何の話をしてたんだい?」
「ひ、秘密です!」
鏡花「恋バナ」
「鏡花ちゃん!?」
めっちゃ暴露してる!?
えっ、話の内容までは聞かれないよね、?
すると、なるほど、と顎に手を添えた太宰さん。
そして悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
太宰「因みに二人から見て私は彼氏としてどうだい?」
「「ない」」
太宰「ない!?」
敦「ふ、二人とも即答したね……しかも息ぴったり……」
鏡花「自殺癖のある人は、普通に嫌」
「私には中也がいるから!」
見事にバサッと振られた太宰さん。
膝をつくと同時に、足元に穴が空いた。
そのまま逆さに落ちていく。
ルイスさんの方を見ると、笑顔でこちらに手を振っていた。
「アハハ、それにしても息ぴったりだったね……」
敦「だね……」
鏡花「あの状況なら誰でもあんなふうに答えると思う」
「めっちゃ言うじゃん鏡花ちゃん」
すると敦くんが急に話題を変えた。
敦「次はどこに行くのかな…」
鏡花「桜月は?」
「んーとね、私は……」
皆と一緒なら、
どこでも楽しいかな、って思った。
あっ、ロリータ服のルイスさん、絶対かわいいですね。
好きです。結婚してくださ((
はい。スミマセン。
ライダースーツの中也も意外と似合ってそうで笑うwww
次回、最終回かも!?
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season.2 episode.23 完結
国木田「太宰! 貴様は毎度仕事もせずに社を抜け出して──!」
太宰「怒りすぎは禿げるよ」
探偵社の扉の向こうには、全社員が揃っていた。
何時も通りの賑やかさ。
乱歩「桜月ちゃんに彼氏君、そしてテニエル。この世界のヨコハマはどうだった?」
「私達の世界と変わらないな、と思いました。あとはパンケーキとクレープが美味しかったです!」
テニエル「ま、楽しかったぞ」
乱歩「それは何より」
彼氏君「なぁ、名探偵。もしかしなくても彼氏君って俺のことか?」
乱歩「君以外いないでしょ。ちゃんと名前も変わってるし」
彼氏君「本当じゃねぇか!?」
凄いメタい話してる。
というのは置いといて。
ルイスさんは探偵社に来る前に買った駄菓子を乱歩さんに差し出した。
わーい、と直ぐに開ける乱歩さん。
可愛いぃ…
するとチラッとこっちを見て、駄菓子を差し出し______
……差し出した!?
乱歩さんがお裾分けっ…!?
取り敢えずお礼を云ってお裾分けを受け取った。
めっちゃ嬉しいし、かわいすぎだよね!?
かぁいいよ…
そして美味しい。
福沢「済まない、ルイス」
ルイス「別に気にしないで良いよ。いつものことだし」
テニエル「いつものことなんだな」
福沢「……桜月、始めてあった時に云ったことを覚えているか」
えーと、…社長室で色々あったことは一旦置いといて、
「はい! あ、でも全然ルイスさんのこと守ったりは……」
福沢「いや、充分だ。ルイスと共にいてくれたこと、感謝する」
何か大した事出来てないのにこんなに感謝されちゃうと逆に申し訳ない…
最後の方とか私がやらかしちゃったし…
でも、そんな感情も、社長の柔らかい表情を見ると一瞬で消えた。
よかった、って。ただそれだけ。
ルイス「……僕、別に無理してないんだけど」
福沢「銃で撃たれ、毒を盛られ、足にナイフを刺され、蹴り飛ばされ、自ら剣に刺されにいったと聞いたが?」
ルイス「ちょっと待て、最後のは#アリス#だ。僕じゃない」
あ。
案の定こちらを振り向くルイスさんに、目線を逸らす私とボス。
まぁバレバレな訳で。
ルイス「桜月ちゃんはともかく、君は後で絞める」
テニエル「嘘だろ」
「|首領《ボス》の時も気になってたんですけど、絞めるって何するんですか?」
ルイス「あー……」
皆が此方を見た。
…あれ、誰も知らな___
太宰「縄で縛って身動きを取れなくして、屋上から命綱なしのバンジージャンプだよ」
何で知ってるんですか太宰さん。っていうか結構物騒…
太宰「こんな風にね」
そう云って縛り付けられている太宰さんは立ち上がった。
私の世界では縛り付けられてるのは見たことないなー、
今度国木田さんに教えてあげよっと。
何て呑気な事を考えていた。
そして太宰さんはと云うと…
窓を全開で落ちようとしている。
国木田「太宰!?」
ルイス「あの馬鹿ッ──!」
異能力を発動させるルイスさん。
無事に戻ってきた太宰さん。
ルイス「馬鹿じゃないの!?」
太宰「失礼な。私は馬鹿じゃありませんよ」
ルイス「助けが間に合わなかったらどうするつもりだった!」
太宰「……DEATH?」
「カッコよく云っても面白くないですからね?」
太宰「DEATHだけに?」
「「……。」」
福沢「……国木田」
すると国木田さんは返事をしながら太宰さんを引き摺って行った。
あーあー、世話がかr……お母さんは大変だ。
福沢「さて、貴君らはそろそろ元の世界に帰るのではないか?」
彼氏君「そうだな。#アリス#さんにも感謝を伝えられたし、探偵社もマフィアへも挨拶が済んだ」
「後は特務課かな?」
微妙な表情をする中也。
安吾さんの事、好きじゃないんだろうなぁ…
ルイス「改めて、今回はありがとう。特に、太宰君のお陰で仲間を救えた。お礼をしてもしきれないよ」
福沢「貴君は探偵社の一員だ。仲間を助けることなど、当然だろう」
すると一瞬固まったルイスさん。
も、すぐに復活。
ルイス「じゃあ、そろそろ行こうか」
微笑みながら、そう云った。
敦「また会いましょうね」
ありがとう!また、会おうね。…あぁ、敦くんは何処の世界でも優しい……。
太宰「元の世界に戻る前に私と心中してはくれないだろうか!」
心中はダメですけどまたお喋りしたいですね…!
国木田「貴様、それが別れの言葉で良いのか?元の世界の太宰にも気を付けろよ!」
ありがとうございます!国木田さんも、太宰さんの世話頑張ってください!
乱歩「バイバーイ!」
ニコニコの笑顔で手を振って居る乱歩さん、可愛い…!
ばいばいっ!
福沢「無理はしないようにな」
ありがとうございます!
社長……探偵社の皆さんも、この世界の皆さんも、これからの出来事に気を付けて。
鏡花「またクレープ食べに行こうね、桜月」
ふふ、ありがとう、鏡花ちゃん。次はいつもと違うクレープを食べてみようかな。
一人一人の別れの挨拶に、心の中で答えて云った。
「うん、またね!」
彼氏君「世話になったな」
テニエル「異能使うぞ」
そしてボスの異能で特務課入り口に到着。
安吾「……いきなり落ちてこないでくれます?」
ルイス「しょうがないでしょ。それがテニエルの異能なんだし」
解り易くため息を吐く安吾さん。
隈が酷い。寝てないんだろうなぁ…。
これ以上の厄介を招かない状況だったら、不死鳥を使ってたんだけど…。
安吾「とりあえず中に入りますか?」
ルイス「大丈夫なの?」
安吾「長官に許可は取ってあります」
流石安吾さん。
会ってからハッとした。
私の世界の安吾さんとは違って、私の世界でのギクシャク?はこの人は知らない。
私とどのような関係なのかも多分。っていうか絶対だけど知らない。
今は気にしないで話そーっと。
種田「待ってたぞ、ルイス」
ルイス「……本人がいるのは聞いてない」
安吾「云ってないので」
種田「今回の件は大活躍だったな。もう会えないかもしれないと知ったときは驚きを隠せなかった
が」
ルイス「#アリス#が起きなかったからね」
その節は本当、お世話になりましたしご迷惑おかけしましたし、すみません…。
そのあたりの話をするために、ルイスさんと種田長官は席を外すらしい。
え、こっちの面子大丈夫じゃ無くない…?
「「……。」」
ルイスさんが居ないって…
めっちゃ気まずいし何この空気。
誰も喋らずに、5分が経とうとしていた。
安吾「……お二人はいつ元の世界に帰られるのですか?」
「今日……だよね?」
中也「あぁ」
中也一寸は愛想よく!!
ねぇ!!
会話終わるの早いよ!!
えー、なんだろ。
「あ、あの……私と中也のことを誤魔化してくれてありがとうございました」
安吾「政府関係者としては絶対に駄目なのですが、ルイスさんとの約束でしたので」
テニエル「約束?」
安吾「……いえ、何でもありません」
すると一息置いてから安吾さんは話し始めた。
安吾「ルイスさんから説明があったかもしれませんが、登録されていない異能力者というのは中々に面倒なんです。中原さんやテニエルさんはまだ良いのですが、泉さんの場合は同じ人物がいない」
中也「つまり、もう一人がやったことに出来ないのか」
テニエル「俺に関しては、もう死んでるんだろ? どうしたんだ」
安吾「……泉さんとテニエルさんの異能を見たのは誰でしょうか」
「えっと、最後の方に戦った人達だから──」
三月ウサギちゃんとマッドハッター。それから、シヴァ。
その人達以外は、私を見ていても異能力者なのは知らない。
テニエル「……なるほど」
「え?」
テニエル「帽子屋の二人は俺達の味方だ。俺達三人なんて居なかったことにしたのだろう。シヴァの方は虚言として特務課は判断した」
中也「表向きにはルイスさんと探偵社、マフィアの一部のみで対応したことにしたのか」
安吾「はい。お三方の活躍を消すようなことなってしまい、本当に申し訳ありません」
「謝らないでください! 安吾さんのお陰で助かったこともありますから」
中也「桜月の言うとおりだ」
テニエル「でも、異能を使わざるをえない状況にしたルイスが悪いよな」
ルイス「はいはい、僕が弱かったせいですみませんねー」
ボスに反論しようとすると、後ろにルイスさんが立っていた。
吃驚して振り向く。
種田「ほら、大丈夫だっただろう?」
ルイス「喧嘩とかはしてなかったけど、僕の悪口で盛り上がってたね」
笑顔なんだけど目が笑って無い。
怖い。怖いですルイスさん。
安吾「此方、僕や長官しか閲覧できない方です。一応ご確認よろしくお願いします」
何か書類を差し出す安吾さん。
ルイス「ありがと」
種田「安吾が担当したし、不備はないと思うが大丈夫そうか?」
ルイス「……何徹したの?」
苦笑いの安吾さん。
ルイス「ま、此方の資料も貰っておくよ。三人とも何かやり残したことない?」
中也「特に思い付きませんね」
自分の世界に行ったら多分私がされる側になっちゃうし、今のうちに言っとこ…((
「中也に女装してもらってないです! ついでにボスも!」
テニエル「何で俺まで」
中也「絶対しないからな」
ルイス「それじゃ、僕達は行くね」
ルイスさんが指を鳴らすと、ワンダーランドに戻っていた。
#アリス#「あら、おかえりなさい」
「アリスさん!」
そして、ただいまです、と駆け寄る私。
「あ、そういえば帰る方法は……」
ルイス「予想通り、テニエルの異能力だよ」
中也「あの落ちる感じ少し苦手なんだよな。まぁ、仕方ねぇけど」
テニエル「忘れ物とかないならすぐ送るぞ」
「ちゃんとお別れさせてよ!?」
ルイス「最後まで楽しそうだね、君達」
何だか、切なくなってきた。
ここ数日ずっと一緒に過ごしてきたけど、お別れ。
こんなにのんびりと会うことが出来る事も少ないだろうし…。
何て、しんみりと考えていた。
???「だーれだぁ!」
「え、三月ウサギちゃん!?」
???「声に騙されたね、桜月ちゃん」
思わず勢いよく後ろを振り返った。
「マッドハッターさん!?」
三月ウサギ「ドッキリ大成功だねぇ」
マッドハッター「これ、ドッキリなの?」
#アリス#「思ったより嬉しそうじゃないわね」
「いや、会えると思ってなくて吃驚が勝っちゃいました……」
マッドハッター「元の世界に帰るなら見送りに来るさ。迷惑も掛けたしね」
三月ウサギ「えへへっ、ヨコハマ観光は楽しかったぁ?」
「はい!」
そして、行く先々での出来事を話す。
「あ、そういえば、ルイスさんがロリータ服着てたんですけど…」
三月ウサギ「えぇ!?ルイスが…」
マッドハッター「え、一寸見て見たいんだけど。写真とかある?」
半分笑いをこらえているような感じのマッドハッターさん。
そう聞かれて、一枚の写真を差し出した。
「これ、さっきこの世界の|首領《ボス》から貰ったんです!」
三月ウサギ「これはぁ……」
マッドハッター「まぁ……うん、似合ってるんじゃないか?」
ルイス「ちょっと待てぇ!?」
テヘペロ(((
お願いしたら印刷してくれた。
持って帰ったら額縁に入れて飾ろうかな…
#アリス#「良いじゃない、ルイスちゃん?」
ルイス「ここぞとばかりに弄らないでくれるかな?」
三月ウサギ「今度、一緒に可愛い服着ようねぇ」
ルイス「嫌だよ!?」
マッドハッター「僕は良いと思うよ。カメラマンは任せてくれ」
ルイス「なに勝手に話を進めてるのかなぁ?」
中也「エリス嬢巻き込んだら、|首領《ボス》が洋服代とか出してくれそうだよな」
「絶対出してくれるね。あ、その時に中也も女装──」
中也「しねぇからな!?」
えぇー、と残念そうに呟く私の顔を見て、ウッと言葉に詰まった中也。
私は、してやったり!と笑みを浮かべた。
ルイス「そういえば、君はどうするの?」
テニエル「……俺?」
ルイス「元々彼女達の世界の住民でしょ。帰るなら、このタイミングがいいと思うけど」
少し考え込んでいるボス。
でも、私は云った。
「一緒に帰ろう」
テニエル「……え?」
「ボスは悪い人じゃないし、説明すればみんな判ってくれるって!」
ルイス「まぁ、僕としても架け橋になってくれると嬉しいかな。|異能空間《ワンダーランド》なら
いつ来ても構わないし」
テニエル「……良いのか?」
「うん!」
中也「桜月を傷つけたら許さねぇがな」
良かった。
出会いの時はどうなる事かと思ったけれど、仲良くできそうだなぁ…。
「ルイスさん、本当にお世話になりました!」
ルイス「此方こそ、色々ありがとね。……巻き込んで申し訳ない」
「謝らないでください。またこうやって会えたから±0ですよ」
ルイス「……そっか」
お別れは笑顔で。
最初からそう決めていた。
だから、泣くのは今じゃない!
ルイス「本当はもっと早くに渡したかったんだけどね」
そう云って、ルイスさんは一冊の本を私に手渡した。
「あ、中に鏡……?」
ルイス「これは面白い鏡でね。どこでも通信できるんだ。それこそ、世界が違くてもね」
「へぇ……って、え!?」
テニエル「お前の異能力か?」
#アリス#「正確には私達の異能、だけどね。異能力で創ったものだから太宰君に触れられたら消滅し
てしまうわ」
「絶対太宰さんに触らせないようにしよう……」
ルイス「中也君と喧嘩したら気軽に連絡して良いからね!」
中也「何でそんな満面の笑みで云うんですか!?」
フフ、と笑った。
時間があるときは連絡して、無理しちゃ駄目だとかちゃんと云っとこ…。なんて。
ルイス「ほら、僕が引き留めてたけどあまり遅くなると君の世界のみんなが心配するよ」
「あ、二週間ぐらい開けてたんだっけ……」
中也「……|首領《ボス》に報告書を出した方がいいな、これ」
#アリス#「また会いましょうね、二人とも」
三月ウサギ「あ、そうだぁ!」
三月ウサギちゃんがマッドハッターさんと急に内緒話を始めた。
と思ったら、私に云った。
アーサーに、エマ。
「あの、それって……!」
三月ウサギ「私達の本名。この名前は英国軍にいた頃を思い出しちゃうからあんまり使いたくないんだけど──」
マッドハッター「君と友達になるなら、僕達自身のことを知ってもらいたいからね」
思わず、笑みが零れる。
三月ウサギ「あ〜、ルイスが話に入れなくて拗ねてるぅ!」
ルイス「ちょ、拗ねてなんか──!」
マッドハッター「拗ねてるな」
中也「あれは拗ねてるだろ」
「拗ねてるね」
#アリス#「話に入れなくて残念だったわね」
テニエル「顔真っ赤にして面白いわ」
ルイス「皆して馬鹿にするなぁ!」
本当に、楽しい。
そして、帰る時間。
時刻を見ると、もう日付が変わろうとしていた。
ルイス「……またね、桜月ちゃん」
「はい! また会いましょうね、ルイスさん!」
そう云って瞬きをしたら、既に元の世界だった。
「…本部に、戻ろっか。」
中也「あぁ。そうだな。一応行方不明だった訳だし、早めに説明した方が良いか。」
「ね、ボスもマフィアに来ない?」
ボス「は?」
「だって、」
中也「だって?」
「…やっぱ何でもない!、何となく、離れたくないから!」
ボス「…まぁ、今は取り敢えず行く。その後の事は、行ってから考える事にするか。」
「じゃあ、帰ろっか。」
元の世界の皆に、思い出話をしてあげるんだ。
それから、ボスの事も紹介して、それから、今も手に持って居る本で、ルイスさんに連絡を取るの。
だって、早くも寂しくなってきちゃってるもん。
先ずは何から話そうかなぁ。
戻ってきた私達を見て慌てた様子の黒服さん達を横目に、
私はそんな事を考えていた。
はい。
終わっちゃった。
楽しかったよぉぉぉーーーーー!!!!
完結嬉し悲しいーーーーーーーー!!!((どっちやねん
うん。
えっと、ストーリ-最高でしたね。
脚本最高物語最高伏線最高全部最高神。
中国語みたいになってるけど全部日本語の漢字です。
さて、凄くふざけた変な🍄テンションは此処で終わりで、挨拶に入りたいと思います。
ここまで素敵なストーリーを書き上げてくださって、
二度目のコラボをして下さった海嘯さん、本当に素敵な物語をありがとうございました。
そして、最後まで読んでくださった皆様、沢山の応援とファンレター、ありがとうございました。
このコラボに関わってくださった皆様に感謝を伝えたいです。
改めて、本当にありがとうございました。
もしかしたら完結後の話少し投稿するかもです。
良ければ其方もご覧ください。
英国出身の迷い犬×文豪ストレイドッグス!season2.after story.
はい。というわけで、マフィアビルに戻った後の3人、そしてマフィアたちの話をお届けします。
「「良かったよぉぉぉぉ!!」」
「帰って来たぁぁぁぁ!!」
「もう逢えないかと思ったぁぁぁ!!」
「僕は心配などせぬ」
「僕は普通に檸檬爆弾作ってて考えてなかったよ☆」
「桜月お姉ちゃんなら大丈夫だと思ってた!」
「で、横の奴誰だよ」
「あ、そっか。皆ボスの事知らないっけ。」
「あと何があったか一から説明しろ」
「其れに関しては俺から云う。桜月に喋らせっぱなしも良くねェからな。」
「先ずこの人はボス。と云っても、ボスは呼び名で本名はジョン・テニエル。」
「テニエル君…か」
「出会いは最悪だったけれど、今回行方不明の間に仲良くなった。」
「はぁ!?仲良くなんか」
「なーに照れてんだよ俺の桜月に!!ぶっ殺すぞ手前!!」
「五月蠅いなチビマフィア」
「アァ!?やんのか⁉」
「で、異能は人をいろんな場所へ転移させれる能力。能力名は、」
--- 『|不思議な国の入り口《welcome to the wonderland》』 ---
「彼は何故此処に?」
「一旦来て貰っただけです。じゃあ取り敢えず、今までの事を中也に」
「あぁ。全部、説明する。」
そして、行方不明になった時の事、私が行った時の事、そして中也とアラハバキが狙いだった黒幕。
それからシヴァとマッドハッターさんと三月ウサギさん、ルイスさんの事も。
戦って中也を取り戻して、
私が話を聞かずに暴走した事。
それを止めた皆の事。
ボスに何があって、私とどういう関係なのか。
ルイスさんと出会った時の事も話した。
それから少し観光してきたことも。
鏡の本の事も。
「…つまり、とんでもない大冒険をしてきました。」
立原「うゎ……えげつない事しすぎだろ」
首領「二人とも生きててくれて良かったよぉぉぉ」
「え、首領、とうとう中也も守備範囲に…?」
首領「違う違うよ桜月ちゃん引かないで??」
取り敢えず、一通り皆に話した。
「報告書は…」
首領「取り敢えずとんでもない枚数になりそうだから免除とするよ」
「やったぁぁ!!」
中也「(よっしゃ)」
紅葉「で、そのテニエルとやらは如何するのかえ?」
「え、っと、もし良ければ…」
「「マフィアに入って欲しいーーー!?!?」」
ボス「いや、俺、いや……」
芥川「貴様、強いな」
ボス「は?」
芥川「後で僕と勝負しろ」
ボス「いや、俺お前の事知ってるから。エグい異能持ってんの知ってるからな。」
「世界は違っても人は同じだしね…」
中也「首領、如何思います?」
首領「うーん、いいんじゃない?」
中也「えっいや、軽っ…」
首領「だって、話を聞いている限り大丈夫そうじゃないかい?」
紅葉「まぁ、桜月の願いなら仕方ないのう」
--- ジョン・テニエル、マフィアに入る!? ---
「ね、こういってるんだし、良いでしょ?」
ボス「え、いや、」
「お願いっ!!」
手を顔の前で組んで、ボスの顔を見上げる。
すると何か一瞬ボスが痺れたような気がした。
ボス「…マフィアの人達はそれでいいのか?」
中也「…桜月が良いって云うなら」
「とか云って、実は結構嬉しかったりする中也」
中也「五月蠅ェよ!!」
芥川「強者なら僕に与えられた試練。喜んで受ける」
「戦おうとしないで下さいー」
芥川「…プイッ」
紅葉「桜月の願いなら喜んで叶えるのう」
黒蜥蜴の人達も頷いた。
首領「最終判断は、君に任せるよ。テニエル君。」
ボス「俺は、____」
少し迷っているボス。
もしかすると、もう一度「組織」の「仲間」が出来る事に抵抗とか、不安があるのかもしれない。
フョードルにも裏切られてるわけだし。
でも、
私はボスの目を見て頷いた。
ボス「…入り、ます。」
とうとう折れた?様子のボス。
「やったっっ!!ボスがマフィアに入るっ!!」
中也「手前と仲良しこよしすんのは癪だが、まァマフィアの仲間としては宜しく頼むぜ?」
そんな訳で、ボスはマフィアに入る事に…?
一寸びっっっっっっっっくり。
でもまぁこれから馴染んでいければいいや。
何だか今までと違う、新しい日常が始まりそう。
---
探偵社にて
敦「桜月ちゃん行方不明って聞いたけど大丈夫だった!?」
「まぁ色々あったけど帰って来たよ~!」
鏡花「無事で良かった…」
「鏡花ちゃ…お姉ちゃん、ただいま!」
国木田「……本当に色々あったみたいだな」
「本当、そうなんですよ!お母さん!」
国木田「はぁ!?」
「向こうの世界でも太宰さんのお母さんやってるし、お母さんしすぎですよ!」
太宰「桜月ちゃんそれ最高!」
どっと笑った周りの笑顔に釣られて、私も笑顔に。
太宰「向こうの私も格好良かったかい?」
「相変わらず変人でした」
賢治「お疲れ様です!」
「本当、ありがとうございます!」
さっと挨拶しに行っただけで今日は帰った。
皆も変わりなさそうで良かった。
さて、私も帰ろう。
私の、居るべき場所へ。
---
ボスのプロフィール
名前:ジョン・テニエル
年齢:25
異能力:|不思議な国の入り口《welcome to the wonderland》
好きな物:ルイスさん、帽子屋の二人((違う!!
初めて出会ったメンバー(コラボ1期の時を参照)((それも違う!!
猫、クッキー
嫌い(苦手)な物:苦いもの
乗り物(異能で行ったほうが便利だから、態々乗る意味が分からん)
栗色に近い、暗めの金髪。
オレンジに近い目の色で、身長は167cm。
その他知りたいことがあれば聞いて下さい!
なんか凄い遊んでる感が半端ない…やばい。
結構本気でやったのに…
何でだろ、私どうしても遊んじゃうんだよなぁ…
でも、楽しかった。
コラボ、ありがとうございました!
何か、一人で考えるよりもずっっっっと楽しかったです!!
またあわよくば第3弾を…なんて思ったりしてます。
本当にありがとうございました。
あと、やっぱり思った。
海嘯さん神だよね…。って。
改めて実感したシリーズでした。
これからもルイスさん達の登場する「英国出身の迷い犬」
そして、私と桜月ちゃん、それから皆で紡いでいく物語を、宜しくお願いします!
桜月「また会おうね。それじゃあ、次の物語で!」