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目次
意外 前編
私、知らなかったんです。
まさか、あんな顔をするなんて、思いもしなかったんです。
いつも通りにしてただけなんです。
彼のことを考えてたつもりだったのに、
かえってそれが彼をあんなに傷つけるとは思いもしなかったんです。
まさかこんなことになるなんて、ちっとも考えていなかったんです。
まさか、彼があんなに郷田君が嫌いだとは思わなかったんです…!
給食のプリンは郷田君が食べたといったときの彼の顔…!
絶望に満ちたものでした。
「これあげる」
と、彼はデザートを配達する係だった私にプリンを返したんです。
彼は甘いものが苦手なのだそうです。
クラスの中で郷田君だけが欲しがったので、郷田君に渡しました。
昼休み、小声で彼が話しかけてくれました。
「プリン、どうなった…?」
「プリン?プリンなら郷田君が食べたよ」
ああ、人はあんなにも絶望に満ちた顔をするのでしょうか。
誰が、あんなにも心優しい郷田君を嫌いな人がいると思うでしょうか。
しかも、天使のような彼が郷田君を嫌いだなんて!
優しい彼は何でもないよ、と言ってくれましたが、あれはどう考えても違います!
ああ、ごめんなさい。
大好きな豊橋君。
私はきっとあなたに嫌われてしまったわ。
意外 中編
俺、知らなかったよ。
まさかあの子が、あんな顔をするなんて。
いつもみたいに、してただけなんだ。
ちゃんとあの子のことも考えたよ。
あの子もきっとわかってくれてると思ってたのに。
まるで俺が悪いみたいな顔をするんだ。
まさかあの子が、あんなに汚物を見るような眼をするとは思っていなかったんだ。
「君の気持ちには答えられない」
といったときのあの子の顔。
疑惑でいっぱいだったね。
今日は給食のデザートがプリンだったんだ。
俺は甘いものが好きだからね。
あの子がデザート一つ余ったからいる?と聞いてきた時はとてもうれしかったよ。
もちろん、ほかにだれかほしい人がいないか聞いたけれど。
とてもおいしかったよ。
でも、おかしい部分があったんだ。
プリンのカップの側面に、「すきです つきあって」
って書かれてたんだ。
側面だったからかな?少し字はゆがんでいたけれど。
このプリンをくれたのはあの子だ。
間違いなくあの子が書いたと思ったんだ。
告白をされることはよくあるけれど、こんな形の告白は初めてだ。
なんにせよ、ちゃんと断らないとね。
昼休みはあの子は別の友達と話していたから、放課後に話すことにしたんだ。
放課後、俺はあの子に声をかけた。
少々気落ちした様子だった。まさか、勘づいたのだろうか?
「お昼はありがとう。でも、君の気持ちには答えられないよ」
丁寧に、はっきりと、断った。しかしあの子は懐疑的な表情を浮かべた。
「何?なんのこと?」
「え、だからお昼の…」
「今時間がないの。申し訳ないけど、また今度でいい?」
いつも優しいあの子からは、とても冷たい声が出ていた。
俺を何か気が狂った人かのように扱った。
ああ、なんでだろうか。
城崎があんな顔をするとは思っていなかったな。
少し残念な気持ちだ。
意外 後編
僕、知らなかったな。
まさかこんなことになるなんて。
でも、終わり良ければすべて良しというし。
今回のことはよかったんだと思う。
僕と同じクラスの城崎は、よく僕のことを見つめてくる。
何回か目が合うたびに確信したよ。
彼女、僕のこと好きだね。
小動物ような雰囲気を持つ彼女は、僕にとっても気になる存在だった。
目が合うたびに顔を真っ赤にしてそっぽむくんだ。
そのくせ、僕と話すたびにうれしそうなんだ。
他の人とは違うのにね。
僕は、彼女に告白することに決めたんだ。
でもやっぱりラブレターとかは苦手でね。
今日のデザートのプリンに好きです、と書いたんだ。
そして彼女にあげたんだ。
「これあげる」
彼女は頬を染めながら、ありがとうと言ってくれたよ。
昼休み、僕は彼女に返事を聞いた。
「プリン、どうだった…?」
思ったより小声になってしまった。違う言葉として聞き取られてしまったらどうしよう。
焦る僕をよそに、彼女は口を開いた。
「プリン?プリンなら郷田君が食べたよ」
顔から血の気が引いた。
まさか僕の気持ちが郷田君の手に渡ったとは。
表情をとりつくろえず、慌てた彼女がフォローしてくれる。
「大丈夫、なんでもないんだ」
ああ、なんてことだろう。なんて日だろう。
僕はすぐに、郷田君と話をしなければならない。
放課後、郷田君は一人で帰っていた。
僕は彼に話しかける。
「プリン!給食の!どうなった!?」
「プリン?え、なんで豊橋が…」
彼はきゅうに話しかけられて驚いていた。
それも気にせずまくしたてる。
「あのメッセージは気にしないで!郷田君にあてたものじゃないから!」
「あのカップの横の?あれ、城崎が書いたんじゃないの?」
「えっ!?」
聞くと、郷田君はあのメッセージを城崎さんが書いたのだと思ったらしい。
「なんだ、違うんだぁ!豊橋が城崎に書いたのかよ!」
「なあ豊橋。俺も城崎にちゃんと事情説明はするからさ、お前ももっかい告れよ」
「うっ…」
「おかしいと思ったんだよ。城崎にしては字がゆがんでるし、何より城崎は豊橋のこと好きだと思ってたからさ」
変な告白の仕方をしてしまったせいで、ここまで被害が出るとは思わなかった。
僕は後日謝罪と共に城崎さんに告白した。
無事付き合うことができた。
唐突に思いついた。
実は実話 【いじめの内容はいってるので、レート制限かけてます】
いじめはやめましょう。
文章長いですよ~
私が中学生の時の実話です。今も中学生ですけど…。
私は、当時クラスメイトだったとある男子に超嫌われていました。
そうですね、名前は…葛生君にしましょう。くずおくん。
葛生君はなぜか私のことが大嫌いな問題児でした。
授業は抜け出す連続遅刻魔、人に暴言を吐く問題児オブ問題児。
死ね馬鹿消えろ、お前に生きている価値なんかないこの世のごみ、私が言われたこと、結構たくさんあります。
そうですね、気の弱い子なら言われた瞬間泣き出して最悪自殺しちゃう子もいるんじゃないかな、不登校は出そうだな、ぐらいのことはいわれました。
でもなんだかんだでたまに馬鹿にしつつも仲良く話してくれるとき…ありませんでしたすみません。
馬鹿にされ続けながら会話とは呼べない会話をすることはありました。
一瞬も仲良い瞬間はなかったです。
トトちゃん、根が明るいんですかね。今葛生君のことめちゃくちゃ大嫌いとはいえ学校楽しくいけてるんですけど、やっぱり当初は暴言に慣れなくて、保健室に逃げたこともありました
慣れてしまえば
「死ね」
「そのうち死ぬから待ってて」
とか
「馬鹿」
「お前のほうが馬鹿だよ頭悪いな」
とか
「下等生物」
「現実見れないなんてかわいそうな頭してるね」
とか。私口は回るので、こんな会話日常茶飯事でした。
本題に入ります。今日話したいのはこんな私の武勇伝ではありません。
私がまだ暴言に慣れていなかった頃の素敵なお話を、お届けいたしたいのです。
うちの学校のワイシャツは、かなり透けます。ワイシャツって透けますよね。
そのころ私の後ろの席に座っていた葛生君、授業中に(←ここ大事。テストに出ます。)
「なんでトトって下着二枚着てるの?」
と話しかけてくださいました。うん、迷惑!
授業中、静かなときに大声で話さないでいただいてよろしいでしょうか。
無視しました。うん。
それから数分後、じっくり考えていたらしい葛生君、
「あ!ブラか!」
うるさい黙れ。
「お前貧乳のくせにブラ付けてんの?」
とても恥ずかしかったです。とても嫌でした。先生も何も言いませんでした。
女子の皆さんならわかってくれると思うんですけど、胸が膨らんでくると揺れて痛いですよね。だからブラジャーという素敵なものがあるんですよね。
確かに貧乳ですけど、揺れる程度にはあるんです。
痛いんです。
どうしてこのことを触れてくるんだろうと。
どうしてわざわざ大声で授業中に言うんだろうと。
どうして先生は何も言ってくれないのだろうと。
静かにしろって言ってくれればまだ救われたのに。
とても、悲しかったです。
とても、辛かったです。
この話はここでは終わりません。
葛生君はほかの男子にも話し始めました。
休み時間、
「トトって貧乳のくせにブラ付けてるんだ」
と。それにふーんというだけの男子の存在が腹立たしくて、何を考えているのか想像したら嫌になりました。
時は変わって数日後の家庭科の授業の時でした。
教室の席の事情で、葛生君はテーブルは違えど私と席が隣りでした。
葛生君と同じテーブルには、変態で有名な男子くんが一人、いらっしゃいました。
授業中、幸い小さな声で葛生君は男子くんに話しかけます。
「こいつ、ひn(以下略)」
またか、と思いながら、何も知らないふりをしました。
あの時の感情は忘れられません。
変態の男子くんのことです。どうせ、二人にやつきながら話すのでしょう。
しかし、予想は外れました。
「そういうの言うのはだめだって」
男子くんはこういいました。
葛生君は、まーたかっこつけやがって、と笑いながらほかの話題に移りました。
泣くかと思いました。
本当に、うれしかったんです。
誰も何も言わなかったのに、男子くんは彼を止めてくれました。
たった一言が、私をすごく安心させてくれました。
男子くんはクラスの中ではお調子者の若干問題児、提出物を出さないとか、中学生らしい反抗期のようなことをする子です。
どうせ一緒に笑うと思っていました。
でも、そうではありませんでした。
ほっとしました。
皆さんに言いたいのは、このたった一言が誰かを救いえる、ということです。
私は自殺願望こそなかったものの、かなり学校が嫌になる状態でした。
きっとこの世には、私よりつらいいじめに出会っている人が、私と同じように傷ついて
いる人がいるでしょう。
自殺は簡単です。その気になれば一瞬です。
死ぬのが怖い以前に、現実に嫌気がさすのです。(個人の感想です)
不登校だって一瞬です。学校に行かなければいいのです。
教室に入らなければいいのです。
保健室登校も、毎日投稿している人からしたら不登校のように思われています。
誰かの他愛ない一言に、誰かがひどく傷ついているかもしれないことをわかってください。
死ねといわれてもそのうち死ぬから安心してと答えた私は、
「この子は大丈夫だ」
という偏見とともに死ねという言葉が日常化しました。
その子の笑顔は本物ですか?
今でも思うのです。
あの時、死ねと言われて私が泣いていたら、だれか何か言ってくれただろうか、と。
誰もそういうこと言っちゃいけないということを教えてはあげませんでした。
本当にそれは言っていいことですか?
悪ふざけなら何でも許されるわけではありません。
その人がいじめられていると感じたらそれはいじめです。
このたった一言を、私は忘れることなくありがたいと思いながら思い返すのです。
もちろん男子くんのことまだ正確に難がある問題児だとは思っていますが、
この一言を、忘れることはないのです。
学校の先生さえ言ってくれなかった、一言なんです。
思い返してください。
誰かが傷つくかもしれないことを言ってはいないですか?
仲がいいことに甘えて、暴言を吐いていませんか?
相手が平気そうだからと、続けて汚い言葉を吐きかけていませんか?
身の回りを想像してください。
誰か悲しんでいる人はいませんか?
いじめを見て見ぬふりはしていませんか?
隣で笑っているその子の笑顔は、本物ですか?
いじめている本人に声をかけるのもいいことかもしれません。
先生に相談することも、親に相談することも、悪いことではありません。
いい子ぶってるとか自分がいじめられるかもしれないなんて思うから、
誰かがつらい思いをするのです。
自己犠牲をしろと言っているのではなく、
「そういうこといっちゃだめだよ」
たったこの一言だけで、私が救われたように、
あなたのたった一言が誰かの心を温めるかもしれないのです。
暖かい一言は、「あなたを思っているよ」のサインです。
どうか皆がやさしくあれますように。
この話はノンフィクションです。
くだらなくないはなし。
最後にもう一度聞きます。
あなたの一言はだれも傷つきませんか>
見ている笑顔は本物ですか?