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目次
天ノ子 零~登場人物紹介~
天ノ子。できるだけ上手く情景を描てるように頑張ります。
〖メイン〗
|五十嵐 圭《いがらし けい》
親が居ず、条おじさんという人に拾われて育ってきた。
学校には行っていず、図書館や本屋の本を読んで勉強している。
多分高校生ぐらい。
おとなしい性格で最近世界に飽きてきた。
いつもダボっとした黒い服を着ている。
真っ黒で韓国アイドル風センターパートな髪型だが、本人は世間知らずなため、気にしていない。
瞳はボルドー色のツリ目。まつげが長い。
手が細く、中手骨が薄っすらと出ているようななんかかっこいい手をしている。
|織斗《おと》
突然現れた死神。
いつも白い深いフードを被っていて顔は見えない。
美しい声で圭を魅了する。
夜が好きで、圭に夜の旅を誘った人物。
圭を昔から知っている。
一般人にも見える時と見えない時がある。
|珀《はく》
織斗と同じ死神。
織斗にすごく執着心があり、織斗を探しにやってきた。
圭が嫌いで、2人を引き離そうとしている。
おじさんにあったことがある。
クリーム色のさらさらなショートヘアにエメラルド色の瞳。
〖その他〗
|五十嵐 条《いがらし じょう》
雪が積もるほどの寒さの冬に湖の近くで見つけて、拾った。
47歳なくせに顔はもっと若く見える。
有名な電化製品の会社の社長でお金持ち。
家は屋敷で、執事やメイドもいる
評判のいいおじちゃん。
|真梨《まり》
圭の専属メイド。
ロマンが強く、圭と織斗を見て色々な想像をしている。
|吉伴《よしとも》
条の専属執事。
敏感で、絵がとても上手。
天ノ子 壱
「圭、今夜は星が良く見えるから外に出てみたら?」
「うん。そうだね。」
条おじさんに言われ、こんなに大きくなくていいんじゃないかといつも思う扉を開け、庭に出た。庭は家と同じぐらい広く、庭もこんなに広くなくていいと思う。花壇に挟まれる幅の広い道には雑草が綺麗に抜かれていて全く見れない。昼と違って道も、家も暗い。そんな世界を照らす、何億ものの星が、俺は好きだった。上を見ると、いつもの何倍もの星が見え、満月が美しく、地球を眺めている。数々の星は全て、違う色、違う大きさ、違う場所に、未知の世界にある。天の川のような部分だけ、星は充満して夜空が輝いている。ポケットに入れていたスマホを取り出し、星にめがけてカシャっと音を鳴らした。
(やっぱり上手く映らないな。)
それほど肉眼でしか見られないほどの美しさなのだろう。スマホをさっきの場所に戻し、キョロキョロと辺りを見回し、座れるところを探しているとふと屋根に誰かが居るのに気が付いた。この屋敷は高いフェンスで囲まれているし、門もあるから入ることはできない。しかも屋根にいるなんてどうやって上ったのか。
(まさか、侵入者だったり?)
そう思ったが、そんな雰囲気ではなかった。風でさらりと流れるようにスカートのようなものが見える。暗くてあまり見えないため、屋敷の階段を使って最上階に来た。最上階の窓から、恐る恐る屋根に登る。やっと登ったと思い深呼吸すると、さっきの人がまだ屋根に座って、空を眺めていた。後ろ姿だが、何か神秘的なものを感じ、近づいてみることにした。あと1メートルの所で、長いマントを着た人は俺の方に振り返った。
「君は…この家の人?」
透き通るような、フルートのような綺麗な澄んだ声の《《女性》》は左手に大鎌を持っていた。白く深いフードで顔は見えない。やはり侵入者、いや暗殺者なのだろうか。そうなれば俺も危うい。早く逃げなければと戻ろうと足を動かすと、女性は言った。
「ごめんね。|大鎌《デスサイズ》怖いよね。でも大丈夫。貴方の…いや、人の魂は取らないから。」
そう言うと、大鎌をすっと消した。驚いた。下に落としたのだろうかと思ったけど、落ちた音はしなかった。
「私は、織斗。知っているだろうけど、死神です。」
口角を上げ、口を閉じながら笑みを浮かべた。怖い笑みじゃない、優しい笑みだ。俺は本当に大丈夫なのかと考えたが、何となく、大丈夫な気がした。死神と言っていたけれど、大鎌以外はそういう風に見えない。
「なんで人の魂を取らないんですか?」
「私、あんまり好きじゃないんですよね。魂を取ると、《《あの言葉》》を思い出してしまうから。」
あの言葉について気になったが、切ない感情が込み上げてきたので、何かあるんだろうなとだけ考える。すると、下から、メイドさんの声が聞こえた。
「圭様ー?主人がお呼びですよー。」
俺を探している声が聞こえると死神が一瞬でこっちに寄ってきて言う。
「貴方の家に泊まらせてくれないかしら!」
俺の手を握ってねだる死神はなんか死神らしくない、可愛い感じだ。っていうか…泊ま?泊まらせてって言ったか?死神が?そんなことがあるわけ…
「お願い!今逃げてるの。だから泊まらせてくれるだけでいいから。」
(は…?)
混乱していると、死神は俺を軽々と抱えて玄関の方へ向かった。
ウルウルアピールをしてくる死神に呆れて、結局泊まらせてやる事にした。冷たい視線で許可しても、死神は何も言わなかった。死神は、刺々しい目に慣れているようで。
これを描いているときに気づきました。なんか僕の作る作品のキャラクターは2文字の名前が多いな!
天ノ子 弐
「遅くなりました。星が思いのほか綺麗だったもので。」
玄関からシャンデリアが飾られている。なんて豪華なんだ。でもシャンデリアより星の方がよっぽど綺麗に感じる。後ろを見るとしっかりついてきている死神がいる。死神はシャンデリアを見たのか、それとも広い廊下を見ているのか見とれたようになっていた。そもそも他の人から死神は見えるのか心配だが、何事も挑戦だ。
「おぉ、おかえり圭。今日の星々に名前を付けるとしたら何…ん?そこのお嬢さんは?」
階段から降りてくるブランド物のチェックシャツを着た茶髪の条おじさんがスリッパを履いてやって来た。髭が全くなく清潔感のあるこの人は、優しくおすそ分けなどを良くする人で近所からも人気者だ。そんな条おじさんは目を丸くさせて言った。フードで顔が見えていないのにどうして女性とわかるのか…すると死神はすぐに答えた。
「私は織斗と申します。この度は夜中に大変失礼しました。突然で申し訳ないのですが、今日からここに住ませて貰えないでしょうか?」
丁寧な言葉遣いだとは思ったが、住ませてと言うとは。
「お嬢さん、家は?」
「家はありません。親に捨てられてしまって…」
悲しげに言う大噓つきの死神だ。何となくわかる。条おじさんは異常にお人よしだ。これを断るはずがない。
「そうなのか、それは辛かっただろう。いいぞ。困ってる人を助けないのは一生の恥だ。ここは広い。どの部屋を使ってもいいぞ。」
「ありがとうございます!!」
案の定だな。死神も死神らしくない嬉しそうなオーラが漂っている。
すると、条おじさんはハハハと笑いながら執事の吉伴を呼んで部屋を案内させた。条おじさんはニコニコとして二階へ戻っていった。俺は死神が何するか不安があるため、ついて行くことにする。吉伴は一階から部屋を紹介していき、二階へ上がった。俺の部屋は二階。絶対ないと思っていた、俺の部屋の隣に住むなんて―。
「圭様、良かったですね。」
何故か嬉しそうに言うメイドに「良くないよ。俺の隣なんて最悪だ。」と言い返したが、そのまま笑顔で何処かに行ってしまうものだから、また変な妄想をしているのだと思い、部屋に戻った。モノクロの家具で揃えられている部屋はまあまあ気に入っている。風呂に入る気分じゃなかったため、朝風呂をすることにした。俺はそのまま着替え、ベッドに潜り込んだ。空を見ていただけなのに突然死神に出会ってしまった。今日は運が悪かったなと考えながら、眠りについた。
朝カーテンを開き、眩しい日差しが部屋を明るくさせた。死神は何をしているのだろうとほんの少しの興味で隣の壁に向かってノックした。すると壁からにゅーんと半透明の死神が現れて、俺の部屋に入った。
(透ける機能もあるのか、死神は。)
おはようと言うと、死神はおはよう?と疑問系の言い方で返してきた。死神は寝ないのかなと思いながら、部屋を出た。朝風呂に行く。死神はついてくる。
「今から朝風呂するんですけど。」
「えっあっごめんじゃあこの家グルグル周っとこうかな。」
そういうと死神はすぐに俺から離れて立ち去った。引き続きお風呂に向かおうとすると、床に何かが落ちているのに気が付いた。光に反射して美しく輝くものだから高級なものだろう。しゃがんで見てみると、ルビーのようなものがついたネックレスが落ちていた。そのネックレスにはとても不思議な感覚がしてこの世で最も高級なものなのかそれともこの世の物ではないのか、そんな気がした。多分さっきいた人だから、死神のものかなと思ったので、ネックレスを持って死神の部屋のドアに掛けた。やっと風呂に入ると、ストレスが無くなっていくようにとてもほっこりする。何も考えないのが一番いい入り方だと考え、心を無くして入っていた。湯気がもわもわと漂う中、死神に事だけが頭のいっぱいにした。
天ノ子 参
(ふぅ…すっきりした。)
お風呂から上がって髪を乾かしていた。洗面所の鏡の自分と見つめあっていたら、鏡越しで自分の後ろにいる死神に気が付いた。
「なんですか」
ドライヤーの電源を切り、後ろに振り返る。すると死神は少し動いて腕を後ろに組んで言った。
「そういえばさ、君の名前を聞いてなかったね。」
そう言われるとそうだった。死神の名前を言われただけで俺は自己紹介しても意味ないだろうと言っていなかった。死神は俺の名前が気になるのか?そう考えながら、死神に「圭」と答えた。するとどういう漢字と聞かれたので、お風呂からの水でぼやけた鏡にキュキュッと音を鳴らしながら書いた。
「圭かーいいね。」
最初から呼び捨てなのか。なんで圭って名前かも覚えてない。親の顔だって忘れた。今の家族は条おじさんだけだ。
「確か圭っていう漢字の意味は磨き上げられ形の整った宝石って意味だから、圭に純粋で無駄のないすっきりとした心を持つかっこいい人になってほしかったんじゃない?」
「でも俺は親にあったことない。あっていても覚えていないぐらい前に捨てられたんだ。」
「でも、捨てられたっていうのは本当かどうかわからないじゃない。真実は違うかもしれないよ。」
鏡にニコニコを書いて言った死神の姿は、何か見たことあるような感じだった。優しくて、楽しくて、俺を誰よりも大事にしていてくれた人。…誰だったかな、もう忘れてしまった。
「じゃあ死神の名前の意味は?」
「死神じゃなくて織斗ね。ぼんやりと覚えているよ。織姫の織と北斗七星の斗だったかな。どっちも夜空に関係することだから夜空が好きになったんだ。」
窓に手をあて、少し寂しそうな雰囲気の中、死神は言った。
「じゃあ今夜も屋根の上って空を眺めようか。」
そう言ってあげると、死神は振り向いて「うん。」と言いながら頷いた。
夕方。ここまでは勉強したり、折角死神が来たので二人でできるカードゲームやス〇ブラをした。初めてと言いながらやっていたけど、案外上手かった死神。少しいつもより楽しいと自分自身で思えてきた。笑い声が廊下に漏れていたのか、昼食の後からメイドがよく部屋の前を通った。気になるのだろうか。まぜてほしいとかか?
「条おじさん、今日は先にご飯を食べるよ。」
「そうか。分かったよ。」
条おじさんは死神を見ながら優しい笑みを浮かべて言った。それからは暗くなるまでテレビを見ていた。ふと天気予報を見ると、今夜の天気は曇りだった。思わず死神の方に顔を向けると、残念そうにしていた。
「今日は星が見えないんだって。残念だけど、また明日にしよう。」
「そうだね…」
見えない顔が見えてくるかのように悲しそうだった。俺は「北海道とかに行ったら、快晴だったのに。」と呟くと、死神はピンと背筋を伸ばして俺の手を握った。
「そうだ!それだ!北海道、日本全国周ろう!」
…え?
「日本全国からの夜空の景色をこの目で見てみたい。違うところや似たところを気づきたい!」
さっきまでの雰囲気がなかったかのように死神は飛び跳ねた。
「全国…?」
混乱したが、曇りで見れなかった分をこれからのことについて死神と話した。普通の人には早々出来ないことだろう。南から全国を周って夜空を見る。その夜空を地域の景色と共に写真に残す。そのためならまず、お金という物が必要だが、こちらは大手企業の社長だ。問題はない。自分的にもその案には興味があったため、行こうとOKした。条おじさんは相変わらずいいよとニコニコしながら言った。すると、条おじさんは胸ポケットから袋を取り出した。かなり分厚い。何が入ってるのと貰いながら言うと、「百万円分の札束。」といってカードも渡してきた。同じく「千万分のカード」と言っておよそ千万ぐらいは入っているであろうクレジットカードを貰った。
「気を付けて行けや。」
そう言われて俺たちはキャリーバッグを持って大きすぎるドアを開いた。
「行ってきます。」
死神と俺の声は綺麗に重なった。
天ノ子 肆
ヘッドホンから洋楽が流れ、飛行機の音なんか聞こえない穏やかな時間を過ごしている。隣では死神がぐったりと寝ている。死神なのに。余程ソファーの居心地が良いのだろう。俺だって思う。久しぶりの飛行機がまさかファーストクラスになるなんて。
家を出る前に条おじさんが飛行機を予約したと言ってくれたので乗ると、キャビンアテンダントに「五十嵐様の息子様はファーストクラスです。」と言ってきたのだ。死神は初めてだったのか凄く興奮していた。食事は豪華、ソファーは快適、テレビも見放題。いわゆる人をダメにするやつだ。飛行機で北海道までは約2時間半。それまですることがなく、持ってきたヘッドホンで音楽を聴いていた。目を瞑って、想像する。俺がもし死神だったらどうするだろうか。人の魂を迷うことなく取ってしまうのだろうか。それとも俺は死神じゃなくて天使とかだったら...?そう考えているといつの間にか死神は起きていて窓をすり抜けた。
「はっ死神⁈」
窓から死神は覗いて言った。
「大丈夫。飛べるしこんなの死神だったら当たり前。」
そう言って死神は飛行機と共に空を泳ぐように飛び始めた。人にバレたらどうするんだと思っていたが、死神なので普通の時以外は見えないのかと思う。でも、それならどうして俺は見えているのだようか。名前がない晴天の色は美しく飛ぶ死神と相性が合っている。まるで死神は死神ではない美しい天使のような存在に見えた。俺と真逆のよう。俺はゆっくりとソファーにもたれながら死神の飛ぶ姿を眺めな、一時を楽しんだ。
「ゆたしくうにげーさびら!」
沖縄では初めまして、お見知りおきくださいという意味の言葉を簡単に死神は言う。俺たちはまずホテルに向かった。ハルクラニ沖縄という海を望むシックなリゾートだ。死神はまたもやテンションが高い。受付にてヴィラという部屋に向かった。
「ひろー⁈」
「これホテルじゃないだろ。」
普通の家ぐらいの広さの部屋は爽やかで贅沢だ。荷物を端に置き、死神を連れて海に出た。
「夜空もいいけど海も綺麗だね。」
「今は昼だけど、一番は夕方が綺麗かな。」
死神は長い裾を持ち上げ、海に足を入れた。
「気持ちー、って言ったって感覚は分からないけど。」
少し寂しそうにチャプチャプとと遊んでいた。すると一気に顔に水が掛かった。なめるとしょっぱい。
「ブハッ、おい掛けただろ!」
「えへへ、だって圭は全然遊んでないじゃん。私は感覚ないからせめて圭が味わって!」
その瞬間俺の胸はときめいた気がした。ドキッと一瞬感じたことない何かだ芽生えたような。俺は両手を胸に当てた。死神といると調子がおかしくなる。普段星を見て、本を読んで、いつ死んでもいいぐらいつまらない生活を送っていたはずなのに、死神が来てから少しこの世界が楽しくなった。まだ知られていないものを見つけたくなった。よくわからないがこの事はそっとしておこう。
「圭、ありがとね!夜旅を許してくれて、私が知らなかった景色に連れて行ってくれて!」
そう言われると、俺は自然と笑顔になった。
それからは砂の城を作ったり海の中を探索して、お昼になるとソーキそばを食べ、3時にはちんすこうを買って食べ、街を歩き、夜まで沖縄を満喫した。
「あっという間だったね。」
眩しい夕焼けを海が反射し、誰もが見とれる茜色の空を見ながら死神は言う。「そうだね、でも本番はここからだ。」と俺は返した。死神は笑顔になったのか、フードからちらり見える微笑んだ口が見えた。柔らかく自然なその微笑みは死神ではない、天使だった。夕焼け空がその微笑みを引き立て、死神は美しくほのかに輝いた。
夜の11時、辺りは暗く、ホテルの光以外は皆真っ暗。しかし、真っ暗が引き立たせる星々が満点の空に浮かんでいた。家よりもさらに星が見えていて、都会では絶対に見ることのできない絶景だ。紺色や薄い紫や青紫やら、夜空は沢山の色に包まれて、俺を魅了していた。思わず声の出てしまう程の星の輝きと夜空の色は海が反射して、まるで宇宙に居るかのようだった。
「綺麗…五十嵐家から見える夜空と全然違う。なんていうか、その…言葉に言い表せないな。」
「言い表せなくていいよ。それぐらい美しいってことだから。」
「…そうかもしれない。この夜空は…あの人と同じ目の色をしていて、あの人のような優しく、輝く姿をしている。」
「あの人って?」
「あの人はね、昔よく仲良くしてくれていたんだ。顔も、声も、名前も覚えてる。大好きだったな。…けど、あの人は突然姿を消した。原因は分からないけど、この世界にいる。」
きっと…ではなく?確実にこの世界にいるのは分かっているのだろうか。それにしても《《あの人》》の瞳がこの空と同じなら、とても綺麗な人なのだろう。それならその人が羨ましい。俺みたいな汚い人間じゃない、逆の立場の人はきっとこの世界を好きなのだろう。
「あの人の名前はね…」
死神が言おうとした瞬間、空から死神と同じく白いフードを被った男がやってきた。クリーム色のさらさらなショートヘアにエメラルド色の瞳、《《あの人》》ではない。誰だ…?死神は男を見て震え怯えて俺を抱きしめた。小さな声で「怖い…どうしてここがわかったの…」と呟いた。
「やっと見つけたよ、愛しい織斗。君を探して何日かかったと思ってるの?」
男は死神を見て笑顔を見せた。