俺はキヨヒコ。桜動物園の見もののゴリラだ。 そして、今日、俺の隣の部屋に、テレビ局の奴らが来るらしい。 確か、モリタリング…とか。 俺は今日そいつらをモリタリングすることにした。 入ってきたのは2頭のゴリラ。中身は人間だ。 いかにもゴリラらしい動きをしているが、舐めないでほしい。 本物はもっと貫禄をもっている。 すると、3人の人間が来た。 「わ〜なんかゴリラ増えてるね！マサオとユメコだって！」 すると、ユメコが推しの子の主題歌をラジカセでかけた。 それに合わせてマサオが踊りだす。 俺も負けちゃいられない。 あの曲は推しの子が配信されたあの日に閉園後に5時間掛けて完コピしたのだ。 俺は踊りだす。 指先まで完璧に。 どうだ！これがゴリラの力だ‼‼‼‼‼ ユメコとマサオは呆然とする。 「あっちのゲージは誰入ってるんスカ？」 という声も聞こえる。 こっちは正真正銘本物のゴリラだ。 だが、人間のように振る舞う。 「嘘はとびきりの愛なんだよ！」 そんな声が出てしまうくらいに、本気で踊った。

僕は一体何をしているんだ。 リリィをこんな檻に閉じ込めて。 ああ、そうだ。 世界が壊れてしまったんだ。 世界が、ねえ。世界が壊れてしまったんだよ。 世界は間違っているんだよ。 だから、君は、＿＿ここにいて。 時が戻ればいいのに。 そう考えて私は貴方を檻に閉じ込めている。 おかしくなってしまった貴方を。 でもずっとずっと歌い続ければ、きっと気づいてくれるよね。 ねえ、戻ってきてよ。 あの頃の貴方は帰ってこないの？ また、一緒に手を繋いで歩こうね。 壊れていたのは世界では無くて、貴方なんだよ。 間違っていたのは世界では無くて、貴方なんだよ。 貴方は、勘違いをしていたんだよ。 こんな嘘の世界でも、貴方に生きていてほしいの。 ごめんね。 でも、もう少しだけ諦めている。 貴方には生きていてほしいけど。 この歌を歌い続けるのは、貴方のためだけじゃないの。 私は貴方をこんな檻に閉じ込めてしまった。 だから、私のためにも、歌わせて。 いつか、一緒に春の空を歩こうね。 何も知らない貴方でいいから。 私は、どこにも、行かないよ。 リリィ、リリィ、君の幸せは叶わないよ。 願ってたあの頃には、もう、戻れないんだよ。 もうどうにもならないことも、知ってるよ。 でも嫌いになんてなれなかったよ。 またいつか、手を繋いで歩きましょう。 貴方を忘れることはないよ。元気だったあの頃の貴方を。 リリィ、 なあに？ 僕、本当に君が好きだよ。 リリィ、 なあに？ 君はどう？ 私も貴方が好きよ。

「美楽さん、好きです。つ、付き合ってください！」 なぜか、告白された。 「えーっと、なんで、うちなん？」 「その、他の人と違うところや、優しいところに惹かれて…」 「…まぁ、ええけど。うちが人形人間なのは知ってるやろ？あとうちは｜不具合《バグ》抱えてるで？」 「人形人間、大いに結構です。それにしても、｜不具合《バグ》…？とは……？」 不思議に思われる。 「聞いてがっかりせんでな？うちの弱点は…」 「弱点は…」 「どうしても前髪が外ハネになってまう！（ドヤ顔）」

俺の名前は「種梨小　節香」だ。 言っておくが男だ。 俺は小説家だ。 だがネタがない。 というわけで、今日はネタ探しに動物園に来ていた。 ほのぼの系が書けるだろう。 ここは、ゴリラコーナーか… キヨヒコに、、、ユメコ、マサオ…いい名前じゃないか… ん？これは推しの子のアイドル…？ おお。ラジカセが扱えるのか…？最近のゴリラはすご…ん⁉ マサオが踊りだしたぞ⁉ 一体どうしたんだ？天才か？ ん？ 負けじとキヨヒコも踊っている… 完コピじゃないか… 流石だ。 ここの動物園の飼育はどうなっているんだ… 後日。 ん？これ、「モリタリング」って番組だよな？ 昨日の動物園だ… なんだ。モリタリングだったのか… じゃあ中身は人間じゃないｋ… 嘘でしょ？ キヨヒコはゴリラ？ え？ よし。小説に書こう。 いいネタだ。 その後、小説は売れなかった。