現在20XX。地球に謎のウィルスが発生。かかればたちまち死に至る…。そんな地球をまもるべく、とある少女たちは光の使者、プユラァに特別な力をもらい、ウィルスをばら撒く奴らを倒し、元凶も倒し、
この世界を救うことになった。そんな特別な力をもらった冬野紫音とその仲間たち、そして敵たち、
そしてプユラァの物語だ。
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目次
Prologue
「そ、そんなっ、陸!」
しんとした都市の路地の中1人の少女が、悲鳴を上げた。彼女の名は冬野紫音。近くの中学生だ。
「陸…頼むから目を開けて!ねぇお願い!ねえ!」
姉が悲痛に叫んでも弟は目を覚さない。
彼女は絶望に飲み込まれた。
「そんな…陸しんじゃいやあ!」
「ハァハァ…。ゲホッ」
弟の口から大量の血が吐かれた。弟が血の泉に飲み込まれてゆく…。
「はあっ」
少女が泣きそうになった時だ。声をかけられた。
「悲しいかい?」
可愛い高めの声。少年的な口調。少女が振り向くとそこには白い犬のような…でも、頭につのが生えている。
「悲しいに決まってる…誰?」
「ボクは光の使者、プユラァ。弟の仇うち…。さあ、特別な力を授けよう」
最近よく見る夢
紫音「はあっ」
少女_冬野紫音は辺りを見回す。変わることなき自分の部屋。桃色のカーテン。そして二段ベッド.唯一変わっているのは弟の「陸」がいないこと。陸は最近やってきたウィルス_「エメシス・ヘム」通常「ヘメシス」にかかってしまったのである。弟は現在入院中だ。溺愛する弟のいない生活など考えれなかった…。
それにしても。ふと紫音には気になることがある。それは毎回見る夢だ。内容は弟がウィルスにかかること。
かかること自体同じなのだが最後に出てくる…謎のツノの生えた犬?が出てくることは違うのだ。
紫音(一体,あの夢はなんなの…?何かの予兆かな…)
考えに耽ていると母親…美智子の怒鳴る声がした。
美智子「何してるのよ!?早くきなさい!もう学校に送れるわよ?」
紫音「ああ,ごめんなさい」
彼女はリビングに行き朝食を食べに行った。リビングでは美智子が憂鬱な表情で待っていた。
美智子「はい,早く食べなさい…送れるわよ」
紫音「わかってるよ〜。あれ?朝ごはん一つ多いよ?お父さんはもう食べたでしょ?ならなんで3個残ってるの?」
美智子「…陸の分…作ってしまったのよ…」
紫音「あ,ああ。。」
そう。紫音だけではない,家族全員、陸が入院してからずっと悲しんでいた。
紫音「なんか,ごめん」
美智子「別に、いいわよ。それよりささっと食べなさい?」
紫音「…はーい」
弟がいないだけでこうなるなんて。紫音は思ってもいなかったのだ。
紫音「行ってきまーす」
私が家を出ると、ドアの目の前には親友の輝夜がいた。
輝夜「しおちゃん、おはよう!ねえ,みた?昨日のshell君のライブ!もう〜私最高すぎていいねめっちゃ押しちゃった〜」
shell君…というのは私と輝夜が推しているアイドルグループ、「Stella」のチームメンバーの1人。ものすごくイケメンなのだ。私と輝夜の大の推しなのである。
紫音「もちろんみたに決まってるじゃない!shell君、やっぱり歌もダンスも得意だよねっ!」
輝夜「ねー!」
いつものように変わらない通学路を歩いていた。その時だ。すぐそばの路地で何かが動いた気がした。
紫音(何…?)
私は気になり目を凝らして路地をのぞいた。うっすら見えたのは白い犬?そう_私のみたあの夢に出ていた犬そっくりなのだ。
紫音(?えっまさかあの犬は…)
私は身体中の血の気が引いていくのに気づいた。アレは…正夢だったのか…?あの夢は…私を何かに招いていたのか…?
輝夜「どうしたの?顔色,悪いよ?ねえ,早く学校にいこう?」
紫音「え、ええ。そうね…」
私たちはなんとか遅刻せずに教室に入ることができた。教室に入ってすぐさま輝夜は何かに気づいたようだ。
紫音「どうしたの?」
輝夜「ねえ,転校生かな…?」
輝夜はまじまじと増えている席を見つめていた。本当である。席が増えている。。ちょうど私の後ろ,だ。
輝夜「わかんないけど…ドキドキするわね」
紫音「そうね」
席につき、約5分後、先生が教室から出ていき、そしてまたまた3分後にくすんだオレンジの長い髪をした美しい女の子を連れてきた。先生は黒板にその少女の名前を大きく書いた。
紫音「… 穂積雪希…?」
教室がざわつく。なにしろその少女は輝夜並みに美しいのだから。
先生「はい,雪希、自己紹介をしろ」
雪希「…私は穂積雪希。よろしく」
そういうと雪希さんはそそくさと席に着いた。人見知り…なのだろうか?なかなか喋らなかった。
先生「新しい仲間だぞ。仲良くしろよな!じゃあ一限目を始めるぞ」
絶望の中で…
教子先生「えー、なんとかが、なんとか…そしてこうなります…」
今は数学の時間だ。数学教師の教子先生は厳しいことで有名。しかし私はそんなの忘れてぽーっとしていた。転校生の雪希、そしてあの夢…気になることがたくさんなのだ。私が消しゴムクリクリしている…と、教子先生が声を上げた。しまった…!
教子先生「紫音さん!集中してますか!?全くもう…」
教子先生の口癖、「廊下に行きなさい」が聞ける…そんな時だった。
「うわああ!?」
「きゃああ!」
いきなり学校が激しく揺れたのだ。
輝夜「何!?地震!?」
雪希「いや!違う…見なさいっ!」
雪希さんは鋭く叫び窓の外を指差した。そこには…
紫音「は!?」
空に浮く黒髪の男子がいたのだ…その男子はバズーカを持っていた。そうか。バズーカで学校を壊そうと_!私の予感は当たった。彼はもう一発バズーカを放った。
ドンッ…。
学校は鈍い音を立て崩れて行く。
みんな「きゃああああ!」
私たちは学校と共に落ちていった_。
---
輝夜「紫音ちゃん!」
私が輝夜の声に目を覚ますと、破片の上で横になっていた。片足と片腕は骨折してしまったようだ。動かない。輝夜も頭に包帯を巻いていた。
紫音「か、輝夜…これは…」
輝夜「変な奴が学校を壊したじゃない…。あ、先生!紫音、無事ですっ!」
担任の先生「よし、これで全員無事か…?」
「あ、穂積さんがいません!」
担任の先生「なに!?おい、穂積!」
先生がドラ声で叫ぶが、雪希は姿を表さない。
紫音「ま、まさか…」
その時だ。
バズーカ!
バズーカが私たちに放たれた。
「うわああ!逃げろうっ!」
「きゃあ!?」
みんな背を向け走って行く。
紫音「あ、あ…!」
私は足が動かず、前へ進めない。みんな、我を忘れ走って行く。
紫音「まっ、て!」
みんなは走り続ける。ダメだ…私は死を覚悟した。バズーカがぶつかる…その時だ。
ドダッ。キーン!
紫音「え?」
私の目の前に、髪を靡かせた少女がいた。そして…
「くっ…」
バズーカを持ち上げていたのだ。
男子「なっ…!?また、貴様か!?」
「ふんっ!」
彼女はバズーカを男子に投げた。
男子「ぐわっ!?」
男子はバズーカをまともにくらいボロボロになった。
「ふ、ふう…」
彼女が息ついたところへ少年的な声が響いた。
「やったね、ゆーき、こいつは処理しとくよ」
この声…私が夢で聞いた…。
ゆーき「…プユラァ…なんでいるの?素人名前よ?」
紫音「え…」
ゆーき?はなんと会話を交わしているのだ。
てか、素人って…ひどいよ。
プユラァ「何言ってるんだい?紫音ちゃんはね、とても価値あるんだよ?」
紫音「え?」
こいつ…私の名を知っている!?そして…価値…あるって…何、よ…!?