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目次
リセットしますか?〜何でもリセットできる世界の人々〜
リセットワールドへようこそ!ここではリセットワールドで暮らすいろんな人の出来事を紹介します。
今回はとある学生の出来事を見ましょう
俺の名前はハルト。今日は学校に行っているはずだった。俺はこの日のためにずっと心の準備をしていた。なのに...なのに...!
なにがあったって?
昨日、クラスの女子が交通事故で亡くなった。俺はその女子が友達と帰っているところを後ろから歩いて見ていた。そしたら車にはねられて頭を強く打った。もう一人は骨折とかですんだらしい。でも。俺はあまりにもショックでその時、立ち尽くしていた。俺がそばに駆け寄ってすぐに心臓マッサージとかを他の通行人と手伝ったりできれば助かったのかもしれないのに...なんでできなかったんだろう?
...実は俺は今日亡くなった女子(ユキ)に告白をするつもりだった。俺はユキに一目惚れした。あんな可愛くて優しい女子を俺は取られたくなかった。でも告るにしてもやっぱり勇気が出なかった。だから時間をかけて準備した。昨日、準備が整って今日、近所の公園で放課後、告るはずだった。なのにユキは昨日交通事故で亡くなってしまった。俺が遅かった。ここは何でもリセットできる。だからリセットしてもう一度ユキに会いたい。でも同じ人生を歩んだ人たちはリセットされない。それがこの世界の約束なんだ...だから俺はどうしたらいいのかわからない。
「もうどうしたらいいんだよ!」
死ねば俺の記憶もないままユキと転生できるかもしれない。でもここで自殺したら二度とこの人生で関わった人と会えなくなるらしい。だからどうしたらいいかわからない。さっき村長さんが家にきて少し喋ったけどでもやっぱりどうすればいいかわからない。
「...もうリセットしようかな?」
俺は引き出しを恐る恐る開けて怪しい瓶に入った錠剤を出す。
「はぁ...はぁ...ユキ、ごめん。助けられなくて。」
俺は錠剤を飲もうとした。
「ハルトくん!なにをしているんだ!」
「え...村長さん?」
「さっき学校を訪れたら先生がれんらくしたんだけど返事がないって言っててなにしてるのかと思ったら...リセットしたくなったのか?」
「はい...」
「女の子のことだろう?確かにハルトくんの行動は遅かったかもしれないがハルトくんに罪はない。そうじゃろう?」
「はい...」
「女の子は生まれ変わったかもしれないがその子の分ももうちょっと生きないか?リセットしたらもうそこで終わりになってしまうぞ?リセットしても同じ子には会えないんだ。それは知ってるじゃろ?」
「...はい」
「リセットするしないは別としてもうちょっと考えたらどうだ?わしはリセットしないほうが良いとは思うがそこはハルトくんの意思だ...どうするんじゃ?」
「...」
「わしはそろそろいかないと行けないから行くけどリセットしたいならしてもいいと思うぞ。それじゃあな。」
「あ、あの!」
「どうした?」
「あの、やっぱりユキの分も生きてみます!ありがとうございました!」
「そうか。じゃあな。」
俺は深くお辞儀する。
そうだな。ユキのことも考えてからじゃないとリセットできないな。お葬式までリセットできないな。今度こそ悲しいけど思いを伝えないと。ありがとう、村長さん。
はじめまして!筆者の霧島月那(きりしまるな)です。このお話どうでしたか?好評だったら連載しようと思います。初めて小説サイトを使ったのでよくわからないことも多いですがよろしくお願いします。後で自己紹介作ろうかな...
リセットしますか?〜何でもリセットできる世界の人々〜②
リセットワールドへようこそ!ここは何でもリセットできる世界です。ここではこのリセットワールドでクラス人を紹介します。今日はとある女性の話です。
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「なんで...なんでよぉ!!!」
私の名前はリナ。最愛の娘が死んで1ヶ月たった今日の朝、夫は離婚届を残して家を出ていった。夫のものが日に日に少なくなったなぁとは思ったけど部屋が汚かったからそんなに気にはしなかったけどこんなことになるなんて...娘が病気で亡くなったあとは私に寄り添ってくれた。でも娘の葬儀が終わると夫は愛想をつかしたようだ。毎日「娘が死んだのはお前のせいだ」などと言われるようになった。まぁ確かに娘のリリカは病弱であの時私がいつもの体調不良と変わらないと思って熱が出たときに病院に連れてかなかったのも悪い。熱をだして夜に嘔吐してすぐ病院に連れてけば良かったのに次の日に後回しにしたのは私だ。結局悪いのは私なのだ。リリカはあの時病院に行って白血病と診断された。一時は良くなったが再発して治療が難航して亡くなった。
「リリカ...ごめんねぇ」
こんなこと言ってもリリカも許してくれないだろう。夫にも捨てられた私を許さないだろう。私は娘をなくし夫にも捨てられた今、どうしたらいいかわからない。家にある家電などは残されているからここで生活はできなくもない。でも置き手紙もなく離婚届があるのが気になった。きっとリリカをなくしてから私とは離婚するつもりだったんだろう。でもなんで...?もう私の家族は両親しかいないのだろうか?
こんな人生終わりにしたい。リセットしたい。...ん?もしかして夫は本当はリセットした?でも出す前にリセットしたら離婚してないことになるはず...本当に出ていっただけか...?あ、夫がリセットしてないならリセットするための錠剤があるはず!それで確かめればいいんだ!
「えっと...確かここに...あった!」
夫はリセットしてないのがわかった。きっと夫は本当に離婚したかったんだろう。まぁいい。さっさと提出してリセットしようかな。...でもそしたらリリカはここに置き去りになる。そしていずれリリカの写真などはこの家と一緒に処分される。リリカはこんなこときっと望んでない。...そうか感情だけリセットすればいいのか。感情だけリセットすれば悲しい気持ちもなにもなくなる。そうしてリリカとともに生きることができる。すべてをリセットするんじゃなくて感情のリセット剤だけ飲めば成功するはず...でもいざ飲もうとすると怖い。これを飲むと1時間意識を失うことになるらしい。目が冷めたらリセット完了という感じらしい。でも一部だけリセットしようとしたら失敗した人もいるらしい。だから怖い。リリカもこれは望んでない。だから怖い。リセットする前にシオンに会おうかな...
「え?!リセットって...まじ?」
「うん、夫も家を出てったしリリカもいないしこのままなんも失った状態で生きるのもなって...」
「ちょっと!リリカちゃんは望んでないよ!絶対に!」
「リリカが望んでないのは知ってる...でも私が幸せにならないとリリカは嬉しくないはずだから。」
私はそう言ってリリカが闘病中に私に言った一言を思い出す。リリカはあの時すごい辛かったはずなのに見舞いに来ている私に対して「リリカはお母さんに見守られて幸せだなぁ。もっと幸せになりたい」と言った。私はこれを聞いたとき泣きそうになった。なんでこの子を幸せにできないんだろうって思った。私は少し考えて「ありがとう、お母さんもリリカといられて幸せだよ」って返した。私はあれからリリカが幸せを感じられるように努力した。でもリリカは感じられたのだろうか?
「リナ、私はあなたのこと少し羨ましく思う」
「え...?」
「私は親友として、ママ友として少し羨ましい。リリカちゃんのような優しい小さい子がいて羨ましい。リリカちゃんが幸せを感じられるように努力できてたのが羨ましい。私なんか子どもたちの幸せのために努力なんてこれっぽっちもできてないよ。旦那は子供の世話をしなくて私にすべてを押し付けて私は考えるヒマがないって言っているのが悔しいよ...」
「シオン...でもシオンはそれでも働きながら子供を第一に優先できてるからすごいと思うよ。私はリリカが病弱でもリリカのために仕事をやめなかった。リリカというより夫のわがままを聞いていた気がするの。もちろんリリカも優先したけど夫がリリカに危害を及ぼすことがあったから夫を優先したりもした。だから私はリリカにたくさん謝ってた。」
「リナはすごく頑張ったよ。リリカちゃんが亡くなって今日まで本当によく頑張ってたよ。きっとリリカちゃんはまだ頑張っているリナの姿をみたいと思うよ。リリカちゃんは今は悲しいだろうけどリナが新たな道を進むの応援してるはず。私はまたなにかあったら話を聞くし助けてあげる。とりあえず今までの夫のことは忘れな。リリカちゃんはリナが頑張れば嬉しいと思うから」
「ありがとう...シオン。ごめんねこんな話して...私リセットしないから...リリカのために頑張るから」
「うん!応援してる!」
なんかわからないけど私はシオンに背中を押され今は亡きリリカと暮らすことにした。ずっとリリカは見守ってるはずだから自分のことも大切にしながらリリカの面影と暮らそうと思う