編集者:紫陽花
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目次
一次元の挿し木
︎🌟 8/10
・私が興味のある化学系の分野を中心としたSFミステリだったから、読んでいて楽しかったし、ちゃんと面白かった。
ネットでは「紫陽がクローン体なのが予想できてしまう」という声があったから、この小説は小説初心者の頃に読めて良かったなぁと感じた。
・タイトルの言葉が物語の真実の根幹になっている小説だった。
「一次元」「挿し木」の表す意味が分かった時には、この物語の最大の謎と、細かな謎達が一直線に繋がって感動した。
・妹の紫陽が植えられた”挿し木”の”紫陽花”に親近感を覚えていることを描写したパートでは、最初はただ”紫陽”という名前からの親近感から思っていたけど、読了後に”クローン体”という出生からの親近感であることを知ったときには作者の伏線の貼り方が凄いなと思った。
・解説の章で書かれていた「どうすれば読書の興味を引き、それを持続させられるか、この書き手はちゃんと理解している。」の部分には共感した。
⤿〖失踪した妹と二百年前の人骨 の”DNAの一致”〗
これはまじで面白そうって感じた。
この物語最大の謎がちゃんと強い。
なんか”天才が突拍子に発想した謎”とかの類いじゃなくて、なんか捻れば私でも思いつきそうだけど、絶対に思いつかない、って感じの謎を作って真実に向かわせられることが出来る作者さん尊敬する。
フェルマーの最終定理のような感じ。
⤿〖担当教授 石見崎の死〗
さっきの二百年前の人骨のDNA鑑定の依頼者が死ぬことで、物語になってきた感じをさせているのが良かった。(伝わってない)
さっきの最大の謎に立て続けて、関係者が何者かに殺されるというイベントを発生させることで読者を飽きさせないようにしているの尊敬する。
私もこんなミステリ書けるようになりたいなぁって思った。
・読了後の満足感は結構あった。
もう何周かしたい。
・クローン体を作成した理由付けとして 宗教 を使うのは上手いなと思った。
宗教を使えば倫理観を超えて、いかれたおもろい謎を作れることを学んだ。
・主人公が美青年、魔性の人間設定なのでご都合主義があったのがうーんってなった。
特に友江パートが 都合良すぎるなぁと感じてしまった。
あと最後結びが微妙。
紫陽がクローン体であることを明かして、これから逢いに行く―――。
みたいな所で終わればよかったと思う。最後の牛尾パート全カットでもまた良かったかもっていう意見には賛同。
でも自分は後日談とかしっかり結末を書いてくれた方が好きなので、それもまた良しかなと思った。
まとめ
面白そうなあらすじから、ずっと飽きさせないで最後まで読ませることが凄かった。
タイトルの意味がわかった時は感動した。
読み応えはある方だった。
記録日︰11月25日