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ドラゴン・ポケット! ~1章~ 1話
「んんっ……」
温かい日差しが顔にあたり、私は起き上がる。
私は緑が広がった草原の上にいた。
「……ここ、どこ?」
ドラマチックな話だと思いましたか?
確かにのどかな場所だけれど、心細すぎます。
ぼーっとしていても何も変わらないことは承知の上です。
私はすっくと立ちあがった。
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ずっと歩いていくと、木々が見えてきた。
……森です。
このまま森を抜けたら、いやもしかしたら森の途中に村があるかもしれません。
しかし、水平線に見え始めただけですから、まだ14kmはあります。
私は自分を奮い立たせて歩き出した。
万が一魔物がいる世界だったら、どうしよう。
そのときはその時で考えることにして、足を動かします。
気がつくと目の前には木々が生い茂っていて、森に入ったことに気がつきました。
初めに気がついたところからアオキらしき植物やツタのような植物が生え始めていたので、いつ入ったのかはわからぬままです。
ふと上を見ると、丸い桜のような葉っぱをつけた木が並んでいました。
広葉樹林だということは、もうこの森は長くはありません。
枯れてはいないので、私が生きている頃になくなることはないと思いますが。
そのままずんずん進んでいくと、オオカミの遠吠えのような声が聞こえた。
「オオカミがいるのかな? じゃあ、ここは地球のどこかということ?」
私はうーんと考え始めましたが、このままだと日が暮れてしまいそうなので、考えるのはやめることにします。
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私が森の奥のほうまで来たところでふと思いつきました。
(今の私の服は学校のブラウスの下に紺色のスカート……学校の通学鞄はどこかに行ってしまったようだけれど、一応ハンカチとティッシュ、絆創膏などが入った肩掛けのポーチはある……、楽な恰好ではあるけど、もしここが異世界だったとしたら変な格好だと思われそうだな)
まあ、死ぬよりかはマシでしょう。
深く考えずに私はもっと森の奥のほうまで進んでいった。