頑張るます。
ぜひ見て欲しいです。書くことがない☆
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目次
第一話「魔法が使えない少年」
世界は、七つの魔法系統によって分断されていた。
炎、水、風、土、光、闇——それぞれが独自の魔法文化と軍事力を持ち、互いに牽制し合いながら、長きにわたる冷戦状態を維持していた。
そして、どの属性にも属さない“無属性”の地——辺境の村、アーリス。
この村に住む少年・リュカは、生まれつき魔法が使えなかった。
魔法適性検査では、魔力反応ゼロ。属性判定の儀式でも、どの系統にも属さないと記録された。村人たちは彼を「空っぽ」と呼び、魔法の時代において“無価値”と見なしていた。
「お前は魔法のない世界で生きるしかない。兵士にもなれない。村を出る資格もない」
そう言われ続けて育ったリュカは、魔法に憧れながらも、それを拒絶するように生きてきた。
だが、運命は静かに動き始めていた。
──その日、空が裂けた。
七つの魔法国家が、同時にアーリスへ侵攻してきたのだ。
炎の国・ヴァルカナの魔導師部隊が、空に巨大な火球を展開。
水の国・リュミエールの治癒師たちが、戦場の後方に陣を敷く。
風の国・ゼフィロスの空間魔法部隊が、村の周囲に転移陣を設置。
土の国・グラナードの重装兵が、大地を揺らしながら進軍。
光の国・セレフィアの神官戦士が、結界を張りながら前進。
闇の国・ノクティスの呪術師たちが、村人の精神を蝕む幻影を放つ。
そして、彼らを指揮するのは——闇の国の魔導将・ヴァルゼン。
「無属性の地に、世界を変える力が眠っている」
ヴァルゼンは、村の中心に立つリュカを見下ろし、冷たく言い放った。
「お前が“無”であることこそ、最大の脅威だ」
リュカは、ただ立ち尽くしていた。 村人たちは逃げ惑い、炎の魔導師が火球を放つ。 空気が震え、熱が走る。 リュカの目の前に、死が迫っていた。
──その瞬間。
「やめろ!」
リュカの声が、空を裂いた。
それは叫びではなく、“拒絶”だった。 彼の手が、無意識に空へと伸びる。 すると、空に浮かぶ火球が、まるで“消しゴム”でなぞられたように、跡形もなく消えた。
炎が消えた。 熱が消えた。 魔法が、消えた。
「……なに?」
ヴァルゼンが目を見開く。 リュカの周囲に、黒でも白でもない“灰色の魔力”が渦巻いていた。 それは、どの属性にも属さない——“無”の魔力。
「魔法を……拒絶した?」
リュカ自身も、何が起きたのか理解していなかった。 ただ、身体の奥から湧き上がる“拒絶の力”が、彼を動かしていた。
「俺は……魔法を使えないんじゃない。魔法を、壊せるんだ」
その瞬間、風の国の魔導師が風刃を放った。 リュカは反射的に手をかざす。 風が、止まった。 空気が、静止した。
「無属性……いや、“魔法破壊者”か」
ヴァルゼンは笑った。 「面白い。ならば、七国すべてを敵に回す覚悟はあるか?」
リュカは答えた。 「俺は、誰の味方でもない。魔法に支配された世界を、終わらせる」
その言葉を皮切りに、戦場が動いた。
炎の魔導師が再び火球を展開。
水の治癒師が、敵を回復させる。
風の空間魔法が、兵を転移させる。
土の重装兵が、大地を揺らす。
光の神官戦士が、結界を張る。
闇の呪術師が、幻影を放つ。
リュカは、すべてを“拒絶”した。
魔法詠唱を中断させ、術式を崩壊させ、魔力の流れを遮断する。 彼の魔法は、攻撃ではなく“否定”だった。
だが、無属性の魔法には代償があった。 使うたびに、リュカの記憶が曖昧になっていく。
「……俺は、何を守ろうとしてる?」
戦いの中で、リュカは自分の“目的”を見失いかけていた。 だが、村の少女・セラが彼の手を握り、言った。
「あなたは、魔法に抗うために生まれた。だから、私が覚えてる。あなたのことを」
その言葉が、リュカの魔力を安定させた。
そして彼は、七国の魔導師たちに宣言する。
「俺が、魔法戦争を終わらせる。無属性の力で、すべてを壊してやる」
──魔法戦争の幕が、今、開かれた。
---
次回予告:第二話「七国会議」
・七つの魔法国家が、リュカの存在を脅威と認識し、緊急会議を開催
・各国の代表魔導師が登場。属性ごとの思想と戦術が明らかに
・リュカは“無属性の魔導師”として、初の外交交渉に臨む
毎日投稿遅れてすいません!
ちょっと勉強などがありまして…(こいつの言い訳です。聞かないでください。)
新しいシリーズを作りました!ぜひファンレターを待ってるぜ★
第二話:七国会議
リュカが“無属性の魔法”を発動した翌日、世界は揺れた。
七つの魔法国家は、緊急会議を招集した。 場所は中立地帯・セントラルホール。
かつて魔法戦争の停戦協定が結ばれた聖域だ。
炎の国・ヴァルカナからは、戦闘将軍・バルグレイ。
水の国・リュミエールからは、治癒の巫女・ミレナ。
風の国・ゼフィロスからは、空間魔導師・シェイド。
土の国・グラナードからは、重装騎士・ロム。
光の国・セレフィアからは、神官戦士・セラ。
闇の国・ノクティスからは、魔導将・ヴァルゼン。
そして、無属性の地・アーリスからは、リュカが招かれた。
会議の目的はただ一つ—— 「無属性の魔導師をどう扱うか」
セントラルホールの円卓に、六国の代表が座る。 リュカは、円卓の中央に立たされた。
「君の力は、魔法の均衡を崩す危険がある」
光の国のセラが、静かに告げる。
「魔法を拒絶する力など、存在してはならない」
炎の国のバルグレイが、拳を握る。
「だが、彼を排除すれば、無属性の地が反乱を起こす」
水の国のミレナが、冷静に分析する。
「ならば、彼を封印するしかない」
闇の国のヴァルゼンが、提案する。
リュカは、黙って彼らの言葉を聞いていた。 だが、心の中では怒りが渦巻いていた。
「俺は、魔法に支配されるために生まれたんじゃない」
その言葉に、円卓がざわめいた。
「ならば、証明してもらおう」
風の国のシェイドが立ち上がる。
「七国代表による“魔法試練”を受けてもらう。君が本当に魔法を壊せるのか、我々が見極める」
リュカは、静かに頷いた。
「望むところだ。俺の魔法は、誰の魔法にも屈しない」
2個目!調子いいぞ〜
これはパパッと完結できるかも
魔法試練:第一戦炎の試練
試練の舞台は、セントラルホール地下の闘技場。 最初の対戦相手は、炎の国の将軍・バルグレイ。
「俺の炎は、戦場を焼き尽くす。お前の“無”がそれを止められるか、見せてもらおう」
バルグレイは、詠唱なしで火炎剣を展開。 炎の刃が、リュカに向かって突き刺さる。
リュカは、手をかざす。 灰色の魔力が、炎を“無”にする。
だが、バルグレイは笑った。
「炎は、形を変える。空気を熱し、地を焦がし、心を燃やす」
彼は、周囲の空気を加熱し、リュカの呼吸を奪う。 リュカは苦しみながらも、魔力を集中させる。
「俺の魔法は、属性を拒絶する。ならば、炎の“概念”ごと、消してやる」
リュカの灰色の魔力が、空気の熱を吸収し、闘技場を“無温”に変える。
炎が消えた。 熱が消えた。 バルグレイの魔法が、崩壊した。
「……見事だ。お前の“無”は、確かに魔法を壊す」
バルグレイは、剣を収めた。
「だが、次はもっと厄介だぞ。水の試練は、心を揺らす」
何…書こうかな
ちなみにこれは予約投稿だよ
10時ぐらいにやってるはず。
ファンレターとか待ってるよ。それじゃ
魔法試練:第二戦 水の試練
闘技場の空気が一変した。 炎の熱が消えた直後、静寂が訪れる。 そして、空間に水の気配が満ち始めた。
リュカの前に現れたのは、水の国・リュミエールの治癒の巫女・ミレナ。 白銀の髪を揺らし、青い法衣を纏った彼女は、静かに歩み寄る。 その足元には、水が湧き出し、彼女の周囲を優しく包んでいた。
「水は、癒しであり、記憶であり、感情そのもの」 ミレナの声は、まるで泉のささやきのように、リュカの心に染み渡る。 「あなたの“無”が、心を拒絶できるか……試させてもらいます」
リュカは構えを取る。 だが、ミレナは攻撃の構えを見せない。 代わりに、彼女は両手を広げ、詠唱を始めた。
「水よ、彼の記憶を映し出せ」
すると、闘技場の床に水面が広がり、鏡のように変化する。 そこに映ったのは——幼いリュカが、村人たちに罵られている姿。 「空っぽ」「無価値」「いなくなればいい」 その言葉が、水の幻影となって、リュカの耳に響く。
「やめろ……」 リュカは耳を塞ぐ。 だが、水は彼の心に入り込み、過去の傷を暴き続ける。
「水は、心を揺らす。あなたの“拒絶”が、心に届くかどうか……」 ミレナの瞳は、悲しみを湛えていた。
リュカは膝をつく。 灰色の魔力が、揺らいでいた。 記憶が、感情が、彼の力を曇らせていく。
「俺は……魔法を壊す者だ。だが、心まで壊してしまえば……俺は、何になる?」
そのとき、再び声が響いた。
「リュカ!」
セラが、観戦席から叫ぶ。 「あなたは、心を壊すために戦ってるんじゃない。魔法に支配された“痛み”を、終わらせるために戦ってる」
その言葉が、リュカの灰色の魔力を再び安定させた。 彼は立ち上がり、水面に向かって手を伸ばす。
「俺は、過去を拒絶するんじゃない。過去に縛られた魔法を、壊すんだ」
灰色の魔力が、水面を覆う。 幻影が、消える。 記憶が、静かに沈む。
ミレナは、微笑んだ。 「……あなたの“無”は、心に届いたようですね」 彼女は一礼し、試練の場を去る。
リュカは、静かに息を吐いた。 だが、次の試練がすでに始まろうとしていた。
風の国・ゼフィロスの空間魔導師・シェイドが、闘技場の上空に浮かぶ。 「次は、空間そのものを拒絶できるかどうか……楽しみだ」
魔法試練:第三戦 風の試練
闘技場の天井が開き、空が覗く。 風が吹き抜け、空間が揺らぐ。
リュカの前に現れたのは、風の国・ゼフィロスの空間魔導師・シェイド。 彼は黒いローブを翻しながら、空中に浮かんでいた。
「風は、自由であり、移動であり、存在の境界を越える力」
シェイドの声は、風に乗って響く。
「君の“無”が、空間そのものを拒絶できるか……見せてもらおう」
リュカは、灰色の魔力を纏いながら構える。 だが、次の瞬間、彼の足元が消えた。
「……っ!」
空間が歪み、リュカの身体が宙に浮かぶ。 重力が消え、方向が失われる。 シェイドは、空間魔法で闘技場そのものを“無重力領域”に変えていた。
「空間とは、位置と距離の概念。君の“拒絶”が、それを壊せるか?」
リュカは、空中で体勢を崩しながらも、集中する。 灰色の魔力が、彼の周囲に広がる。
「俺の魔法は、属性を拒絶する。ならば、空間の“法則”ごと、否定する」
彼の手が、空間の歪みに触れる。 すると、重力が戻り、リュカは地に足をつけた。
だが、シェイドは笑う。
「空間は一つじゃない。並行世界、虚空、転移座標——無限に存在する」
彼は、次々と転移魔法を発動。 リュカの周囲に、無数の“偽の闘技場”が展開される。 幻の空間。偽の位置。偽の敵。
「君は、どれが“本物”か見極められるか?」
リュカは目を閉じる。 幻に惑わされるな。 灰色の魔力が、空間の“真偽”を見極める。
「俺は、魔法を拒絶する。だからこそ、魔法の嘘に騙されない」
彼の手が、幻の空間をなぞる。 すると、次々と偽の闘技場が崩壊し、シェイドの本体が現れる。
「……見抜いたか」
シェイドは、静かに降り立つ。
「君の“無”は、空間の欺瞞すら拒絶する。見事だ」
リュカは、息を整えながら言った。
「魔法がどれほど複雑でも、俺の“否定”は、真実を見つける」
シェイドは微笑み、次の試練を告げる。
「次は、土の試練。物理の力、重さ、圧力——君の“無”が、耐えられるか」
はい!頑張ったよー
マジで書くことがない…
最近星にハマったって話する?
文章の後に★とか入れるじゃん、そういうこと(は?)
そんじゃばい
魔法試練:第四戦 土の試練
闘技場の床が震えた。 地鳴りとともに、土の国・グラナードの重装騎士・ロムが現れる。 全身を岩の鎧で覆い、背には巨大な戦槌。 彼の一歩ごとに、地面が沈み、空気が重くなる。
「土は、物理の力。重さ、圧力、耐久——それらを拒絶できるか?」
ロムの声は、地の底から響くような重低音。
リュカは、灰色の魔力を纏いながら、静かに構える。 だが、ロムは言葉を待たずに動いた。
「試練に言葉はいらん。力で語れ」
戦槌が振り下ろされる。 地面が割れ、衝撃波がリュカを襲う。 リュカは跳び退るが、足元が崩れ、バランスを失う。
「地は、逃げ場を与えん」
ロムは、地面を操り、リュカの足を岩で絡め取る。 動けない。 重力が増し、身体が沈む。
「……っ、重い……!」
リュカは、灰色の魔力を集中させる。 だが、土の魔法は“物理”そのもの。 拒絶するには、概念ではなく“存在”を否定しなければならない。
「俺の魔法は、属性を拒絶する。ならば、土の“存在理由”を壊す」
彼は、地面に手をつける。 灰色の魔力が、岩の構造を分解し始める。 分子の結合が崩れ、岩が砂へと変わる。
「……なに?」
ロムが驚く。リュカは立ち上がる。
「土は、支える力。だが、支配のために使われるなら、俺はそれを拒絶する」
灰色の魔力が、地面全体に広がる。 闘技場が、重さを失い、浮遊する砂の海へと変わる。
ロムは戦槌を収め、静かに頷いた。 「お前の“無”は、物理すら否定するか……見事だ」
リュカは、息を整えながら次の試練を見据える。 光の国・セレフィアの神官戦士が、聖なる結界を纏って現れる。
「次は、光の試練。信仰と秩序の力を、拒絶できるか?」
はい!
めでたく6話目まで書きました!なになに何話ぐらいで終わるか…?
完結?ナニソレオイシイノ?
魔法試練:第五戦 光の試練
闘技場に、柔らかな光が差し込む。 空から降り注ぐような神聖な輝きが、空間を満たしていく。 リュカの前に立つのは、光の国・セレフィアの神官戦士——セラ。
彼女は白銀の鎧を纏い、背には光の翼の幻影を宿していた。 その姿は、まるで神の使いのように荘厳で、静謐だった。
「光は、秩序であり、信仰であり、希望そのもの」
セラの声は、澄んだ鐘の音のように響く。
「あなたの“無”が、それを拒絶するなら……私は、あなたの信念を試す」
リュカは、彼女の姿を見て、言葉を失っていた。 かつて村で唯一、自分に優しくしてくれた少女——その面影が、セラに重なっていた。
「……セラ。君は、俺のことを覚えているか?」
セラは、静かに頷いた。
「私は、あなたの“記憶”を守る者。だからこそ、試練を与える」
彼女は、光の結界を展開する。 闘技場全体が、聖なる領域へと変わる。
「この結界の中では、嘘も憎しみも消える。あなたの“無”が、それを壊すなら——それは、希望の否定になる」
リュカは、灰色の魔力を纏いながら、結界に手を伸ばす。 だが、灰色の魔力が、光に触れた瞬間——弾かれた。
「……拒絶できない?」
セラは言う。
「光は、拒絶されることを許さない。それは、世界の“善”だから」
リュカは、苦悩する。 自分の魔法は、すべてを否定する力。 だが、“善”を否定すれば、それは自分自身の存在理由をも壊してしまう。
「俺は……魔法を壊すために生まれた。だが、希望まで壊してしまえば……」
そのとき、セラが歩み寄り、リュカの手に触れた。
「あなたの“無”は、壊すだけじゃない。選ぶこともできるはず」
その言葉に、リュカの灰色の魔力が変化する。 拒絶ではなく、“選択”の力。 彼は、結界の一部だけに手を伸ばす。
すると、光の結界が“裂ける”。 秩序の中に、自由が生まれる。
セラは微笑む。
「あなたは、光を拒絶したのではない。光に“選択”を与えた」
リュカは、静かに頷く。
「俺の魔法は、支配を壊す。だが、希望は……残す」
セラは剣を収め、次の試練を告げる。
「最後の試練は、闇。最も深く、最も危険な魔法。あなたの“無”が、それに触れたとき——何が残るのか」
ふーーーーー
書くことがない!ので
ばいばい
魔法試練:第六戦 闇の試練
闘技場に、静寂が訪れた。 光の試練が終わった直後、空間が沈み込むように暗転する。 まるで太陽が消えたかのように、光が吸い込まれていく。
そして、闇の国・ノクティスの魔導将——ヴァルゼンが現れた。 漆黒のローブに身を包み、瞳は深淵のように冷たい。 彼の周囲には、形のない影が蠢いていた。
「闇は、恐怖であり、忘却であり、支配の根源」
ヴァルゼンの声は、耳ではなく心に直接響く。
「お前の“無”が、闇を拒絶できるか……それを見せてもらおう」
リュカは、灰色の魔力を纏いながら、静かに構える。 だが、次の瞬間——彼の視界が、消えた。
「……っ!」
闇が、彼の五感を奪う。 音が消え、光が消え、空間が消える。 リュカは、何も“感じられない”世界に閉じ込められた。
「これは、闇の牢獄。お前の“拒絶”が、何もない空間で通じるか?」
ヴァルゼンの声だけが響く。 リュカは、灰色の魔力を集中させる。 だが、闇には“形”がない。 拒絶するには、対象が必要だ。
「……俺の魔法は、壊す力。だが、闇は“無”に近い。ならば、どうすれば……」
そのとき、リュカの記憶が揺らいだ。 村の人々の声。
「お前は空っぽだ」
「何も持っていない」
「存在しない方がいい」
闇は、彼の心を蝕む。 “無”であることの孤独。 “拒絶”する力の代償。
「……俺は、本当に空っぽなのか?」
だが、微かな光が差した。 セラの声が、記憶の奥から響く。
「あなたは、空っぽじゃない。あなたの“無”は、誰かを守るためにある」
その言葉が、リュカの魔力を再び安定させる。 灰色の魔力が、闇の中に広がる。
「俺は、闇を拒絶するんじゃない。闇に“意味”を与える」
灰色の魔力が、闇の牢獄を裂く。 五感が戻り、空間が再構築される。
ヴァルゼンは、目を細めて言った。
「お前の“無”は、闇すら包み込むか……ならば、次は“世界”そのものを試す」
リュカは、静かに答える。
「俺は、魔法に支配された世界を終わらせる。そのためなら、すべてを拒絶する」
──七つの試練は終わった。 だが、試練の先に待つのは——世界の“選択”だった。
はい。魔法試練は多分全て終了いたしました。
続きを〜待て!
明日だからね
魔法試練:第七戦 無の審判
七つの試練が終わった。 炎、水、風、土、光、闇——すべての属性が、リュカの“無”によって拒絶された。 だが、試練の場に静寂は訪れなかった。
セントラルホールの円卓に座る六国の代表たちは、沈黙の中で互いの顔を見合わせていた。 そして、ヴァルゼンが立ち上がる。
「試練は終わった。だが、答えは出ていない」
彼の声は、冷たく、鋭く響く。
「リュカの力は、確かに魔法を拒絶する。だが、それは“世界”を否定する力でもある」
セラが言う。
「彼は、破壊者ではない。選択者だ。魔法に支配されない未来を示した」
バルグレイが拳を握る。
「だが、力はいつか暴走する。無属性の魔法は、制御不能だ」
ミレナが静かに告げる。
「ならば、彼に選ばせるべきだ。この世界をどうするか——その意思を」
リュカは、円卓の中央に立ち、六国の視線を受け止める。 彼の灰色の魔力は、静かに揺れていた。
「俺は、魔法を壊すために生まれた。そう思っていた」
彼の声は、静かで、確かな響きを持っていた。
「だが、試練を通して気づいた。俺の“無”は、壊すだけじゃない。選ぶことができる」
彼は、六国の代表たちを見渡す。
「炎の力は、情熱を燃やす。水の力は、心を癒す。風の力は、自由を与える。土の力は、支えとなる。光の力は、希望を照らす。闇の力は、真実を隠す」
「それらは、すべて必要だ。だが、支配のために使われるなら——俺は、それを拒絶する」
ヴァルゼンが問う。
「ならば、どうする? 世界を壊すか? 再構築するか?」
リュカは、答えた。
「俺は、魔法の“意味”を変える。力が人を支配するのではなく、人が力を選ぶ世界へ」
その言葉に、円卓がざわめいた。 セラが微笑み、ミレナが頷き、シェイドが静かに目を閉じる。
そして、ヴァルゼンが言った。
「ならば、最後の審判を下すのは——世界そのものだ」
その瞬間、セントラルホールの天井が開き、空に七つの魔法紋が浮かび上がる。 それぞれの属性が、リュカの“無”に問いかける。
「お前は、我々を拒絶するか?」
リュカは、空を見上げ、静かに手を伸ばす。 灰色の魔力が、七つの魔法紋に触れる。
だが、拒絶は起きなかった。 代わりに——融合が始まった。
七つの魔法が、灰色の魔力に包まれ、ひとつの“輪”となる。 それは、支配でも破壊でもない。 “選択”の象徴。
世界は、震えた。 魔法の時代が、終わりを告げようとしていた。
世界の動揺と新たな秩序
リュカが七属性の魔法を“拒絶”し、融合させたその瞬間——世界は震えた。 セントラルホールの天井に浮かんでいた魔法紋は、灰色の輪へと変化し、空に刻まれた。
その光景は、瞬く間に世界中へと広がった。 魔法国家の民衆は、空に浮かぶ“無属性の輪”を見上げ、言葉を失った。 それは、神話にも記されていない、新たな魔法の象徴だった。
──魔法の秩序が、崩れ始めていた。
炎の国・ヴァルカナでは、軍部が動揺し、魔導師たちが力の不安定化を訴えた。
水の国・リュミエールでは、治癒魔法が一部機能しなくなり、病院が混乱した。
風の国・ゼフィロスでは、転移陣が誤作動を起こし、空間魔法の事故が続発。
土の国・グラナードでは、大地の魔力が沈静化し、鉱山が崩落した。
光の国・セレフィアでは、神官たちの祈りが届かず、結界が弱体化。
闇の国・ノクティスでは、幻影魔法が暴走し、精神障害者が急増した。
各国の魔法体系が、リュカの“無”によって揺らぎ始めていたのだ。
セントラルホールでは、六国の代表たちが再び集まり、緊急会議を開いた。 だが、今回はリュカが“円卓の一席”に座っていた。
「君の力が、世界の魔法を不安定にしている」
バルグレイが言う。
「それは、魔法が“支配”に依存していた証拠だ」
リュカは静かに返す。
「ならば、どうする? 魔法を捨てるか? 技術に頼るか?」
シェイドが問う。
「魔法を“選択”する時代にする。誰もが、自分の意思で魔法を使うか否かを決められる世界へ」
その言葉に、会議は沈黙した。
ミレナが口を開く。
「それには、新たな魔法体系が必要です。無属性を中心とした、共存の魔法」
セラが頷く。
「それを築くには、各国の協力が不可欠。リュカを中心に、魔法再編の枠組みを作るべきです」
ヴァルゼンは、しばらく黙っていた。 そして、言った。
「ならば、我々は“魔法再編評議会”を設立する。リュカを議長とし、七国の代表が参加する」
こうして、世界は新たな秩序へと動き始めた。 魔法は、支配の道具ではなく、選択の力へと変わる。
だが、その動きに反発する者もいた。 各国の旧魔導派、魔法至上主義者たちが、地下で集まり始めていた。
「無属性など、魔法の冒涜だ」
「魔法は神の力。人間が選ぶものではない」
そして、彼らは一つの名を掲げる。
──“純魔連盟”。
魔法再編に抗う者たちの反乱が、静かに始まろうとしていた。 リュカはまだ知らなかった。 自らが築こうとする世界が、再び戦火に包まれる可能性を孕んでいることを。
イェイ
無属性の反乱:アーリスの覚醒
魔法再編評議会の設立から数日後。 世界は新たな秩序へと動き出した。 だが、その裏で静かに燃え上がる“反乱”の火種があった。
舞台は、リュカの故郷——辺境の村アーリス。 かつて“無属性”として蔑まれた地。 今や、世界の中心となったその村に、異変が起きていた。
村の地下に眠っていた“封印の祭壇”が、灰色の魔力に反応し、目覚め始めたのだ。 そこには、かつて魔法国家によって“無価値”とされ、封印された者たちの記録が刻まれていた。
「我らは、拒絶された者。だが、拒絶こそが力となる」
その言葉に導かれるように、村の若者たちが次々と覚醒していく。 魔法適性ゼロだった者たちが、灰色の魔力を操り始めたのだ。
「俺にも……魔法が使える?」
「いや、これは魔法じゃない。魔法を壊す力だ」
リュカは、村に戻り、彼らの覚醒を目の当たりにする。 かつて自分と同じように“空っぽ”と呼ばれた者たちが、今や“魔法破壊者”として目覚めていた。
だが、その力は不安定だった。 拒絶の魔力は、使うたびに記憶を曖昧にし、感情を揺らがせる。
「リュカ……俺たちは、どうすればいい?」
リュカは答える。
「まずは、自分の“目的”を持て。魔法を壊すだけじゃなく、何のために壊すのかを」
その言葉に、村人たちは静かに頷いた。
だが、彼らの覚醒は、世界に新たな波紋を広げていた。 魔法国家の旧派たちは、これを“無属性の反乱”と呼び、危険視し始める。
そして、純魔連盟が動き出す。 彼らは、各国の魔法至上主義者を集め、地下都市“エルグラ”に拠点を築いていた。
「無属性の拡大は、魔法文明の崩壊を意味する」
「リュカを排除せよ。アーリスを封鎖せよ」
純魔連盟は、秘密裏に“灰色の殲滅作戦”を開始する。 その第一波として、闇の国の呪術師部隊が、アーリスへと向かっていた。
リュカは、村の広場に立ち、仲間たちに告げる。
「俺たちは、拒絶された者だ。だが、拒絶されたからこそ、世界を変えられる」
「魔法に支配されない未来を築くために——戦う覚悟はあるか?」
村人たちは、灰色の魔力を纏い、静かに頷いた。
──無属性の反乱が、今、始まる。 そして、リュカは“指導者”ではなく、“共闘者”として、仲間と並び立つ。
次なる戦いは、魔法国家との全面衝突。 その先に待つのは、魔法文明の崩壊か、再生か。
…書くことなし☆
最終決戦:ヴァルゼンとの対峙
アーリスの空が、闇に染まった。 純魔連盟による“灰色の殲滅作戦”が始まったのだ。
闇の国・ノクティスの呪術師部隊が、村の周囲に幻影結界を張り、村人たちの精神を蝕み始める。
「見ろ、お前たちは空っぽだ。何も守れない。何も残らない」
幻影の中で、村人たちは過去の記憶に囚われ、動けなくなっていた。 だが、リュカはその中心に立ち、灰色の魔力を解き放つ。
「俺たちは、拒絶された者だ。だが、拒絶されたからこそ、選べる」
彼の魔力が、幻影を裂き、村人たちの意識を呼び戻す。 灰色の魔力が、呪術を“否定”する。
そのとき、空から黒い雷が落ちた。 ヴァルゼンが、姿を現した。
「ようやく、ここまで来たか。魔法を拒絶する者よ」 彼の背後には、純魔連盟の精鋭部隊。
炎、水、風、土、光、闇——各属性の最強魔導師たちが揃っていた。
「お前の“無”は、世界を壊す。ならば、我々は世界を守るために、お前を消す」
リュカは、仲間たちと共に前に出る。 アーリスの若者たちが、灰色の魔力を纏い、並び立つ。
「俺たちは、魔法に支配されない世界を選ぶ。そのために、戦う」
戦いが始まった。
炎の魔導師が火球を放つ。 灰色の魔力が、それを消す。
水の治癒師が精神を揺らす。 灰色の魔力が、感情を安定させる。
風の空間魔導師が転移を仕掛ける。 灰色の魔力が、座標を遮断する。
土の重装兵が地を揺らす。 灰色の魔力が、重力を無効化する。
光の神官戦士が結界を張る。 灰色の魔力が、秩序を裂く。
闇の呪術師が幻影を放つ。 灰色の魔力が、真実を照らす。
そして、ヴァルゼンが動いた。 彼は、七属性すべてを融合させた“完全魔法”を放つ。
「これが、魔法の極致。お前の“無”で、これを拒絶できるか?」
リュカは、灰色の魔力を集中させる。 だが、七属性融合魔法は、概念の塊。 拒絶するには、魔法そのものの“意味”を否定しなければならない。
「俺の“無”は、魔法を壊す力。だが、今必要なのは——魔法の“再定義”だ」
彼は、灰色の魔力を七属性に分解し、それぞれに“選択”の意志を与える。
炎に情熱を。
水に癒しを。
風に自由を。
土に支えを。
光に希望を。
闇に真実を。
そして、それらを再び融合させる。 だが、今度は“支配”ではなく、“共存”の魔法として。
ヴァルゼンの魔法が、崩壊する。 彼は、膝をつき、呟いた。
「……お前は、魔法を壊したのではない。魔法を、救ったのか」
リュカは、静かに答える。
「俺は、魔法に選ばれたんじゃない。魔法を、選んだんだ」
──最終決戦は、終わった。 純魔連盟は解体され、魔法国家は再編へと動き出す。
だが、リュカの旅は、まだ終わらない。 世界には、まだ“拒絶された者”がいる。 そして、彼らのために——新たな章が始まろうとしていた。
「魔法の再編:新世界の誕生」
最終決戦が終わった。 純魔連盟は解体され、七国の魔導師たちはそれぞれの国へと帰還した。 だが、世界はもはや元の姿には戻れなかった。
魔法の支配は終わりを迎え、代わりに“選択”の時代が始まろうとしていた。 リュカは、セントラルホールに再び立つ。 今度は、魔法再編評議会の議長として。
円卓には、七国の代表だけでなく、無属性の地・アーリスから選ばれた新たな魔導師たちも座っていた。 彼らはかつて“空っぽ”と呼ばれた者たち。 今や、魔法の未来を担う者たちだった。
「魔法は、属性によって分断されていた」
リュカの声が、会議場に響く。
「だが、これからは“目的”によって魔法を選ぶ時代だ」
新たな魔法体系が提案された。
属性魔法は、個人の意思によって選択可能とする。
無属性魔法は、拒絶ではなく“調停”の力として位置づける。
魔法教育は、属性の優劣ではなく、目的と倫理を中心に再構築する。
魔法の使用には、個人の“選択権”を尊重すること。
この提案に、各国の代表は静かに頷いた。
バルグレイは言う。
「炎は、戦うためだけの力ではない。守るためにも使える」
ミレナは微笑む。
「水は、癒しだけでなく、心を繋ぐ力にもなる」
シェイドは静かに言う。
「風は、逃げるためではなく、旅立つためにある」
ロムは拳を握る。
「土は、閉ざすためではなく、支えるためにある」
セラは祈るように言う。
「光は、裁くためではなく、導くためにある」
そして、ヴァルゼンは最後に言った。
「闇は、隠すためではなく、理解するためにある」
こうして、魔法は再定義された。 支配ではなく、共存。 強制ではなく、選択。
世界中の魔法学校が、新たな教本を手に入れた。 “魔法とは、選ぶ力である”——その一文が、すべての始まりだった。
リュカは、アーリスの丘に立ち、空を見上げる。 そこには、七色の光と灰色の輪が共に浮かんでいた。
セラが隣に立ち、言う。
「これから、どうするの?」
リュカは答える。
「世界を見て回る。魔法がどう変わっていくのか、見届けたい」
彼は、旅立つ。 魔法の再編を見守る者として。 そして、必要ならば——再び“拒絶”する者として。
エピローグ:リュカの旅立ち
季節が巡り、世界は静かに変わり始めていた。 七つの魔法国家は、それぞれの魔法体系を見直し、無属性との共存を模索していた。 魔法学校では“選択魔法学”という新たな科目が導入され、子どもたちは自分の意思で魔法を学び始めていた。
アーリスの村も、かつての辺境ではなくなった。 無属性の魔導師たちが集まり、灰色の魔力を研究する“調停の塔”が建てられた。 そこでは、拒絶ではなく“調和”の魔法が育まれていた。
リュカは、塔の頂に立っていた。 彼の灰色の魔力は、以前よりも穏やかで、安定していた。 記憶の曖昧さも、仲間たちの支えによって少しずつ回復していた。
セラが隣に立ち、言う。
「世界は、あなたの選択で変わった。でも、まだ終わっていない」
リュカは頷く。
「だから、旅に出る。魔法がどう変わっていくのか、自分の目で見たい」
彼は、杖ではなく、灰色の布を巻いた小さな石を手に持っていた。 それは、無属性の象徴。 拒絶ではなく、選択の証。
村人たちが見送る中、リュカは歩き出す。 炎の国へ。水の国へ。風の国へ。土の国へ。光の国へ。闇の国へ。 そして、まだ見ぬ“無属性の地”へ。
彼の旅は、戦いではなく“対話”だった。 魔法に傷ついた人々と語り、魔法に迷う者に寄り添い、魔法を恐れる者に希望を示す。
ある日、彼は小さな村で、魔法を拒絶する少年に出会う。 その少年は、かつてのリュカのように、魔力反応ゼロだった。
「君は、空っぽじゃない。君の“無”には、意味がある」
そう言って、リュカは灰色の石を少年に渡す。 少年の手に触れた瞬間、微かな灰色の光が灯った。
──魔法は、選ばれる時代へ。
そして、リュカは歩き続ける。 誰かのために。 世界のために。 そして、自分自身のために。
空には、七色の光と灰色の輪が並んで浮かんでいた。 それは、魔法の終焉ではなく
——新たな始まりの印だった。
──物語は、ここで一度幕を閉じる。
だが、リュカの旅は、まだ続いている。
灰色の未来
リュカの旅は続いていた。 彼は、七国を巡りながら、魔法の変化を見届けていた。
炎の国では、戦場の魔導師が火球ではなく“灯火”を使い、避難誘導を行っていた。
水の国では、治癒師たちが感情の安定を重視し、心のケアを魔法に取り入れていた。
風の国では、転移魔法が物流に応用され、孤立した村々に物資が届けられていた。
土の国では、重装兵が地を揺らすのではなく、地盤を整えるための魔法を使っていた。
光の国では、神官戦士が結界ではなく“祝福”を施し、人々の希望を支えていた。
闇の国では、幻影魔法が芸術に転用され、心の傷を癒す舞台が作られていた。
魔法は、変わった。 支配ではなく、共存へ。
恐怖ではなく、理解へ。
そして、無属性の魔法——灰色の力は、世界の“調停者”として受け入れられていた。 各国に“灰の塔”が建てられ、無属性の魔導師たちが、魔法の暴走を防ぐ役割を担っていた。
リュカは、ある日、セントラルホールに再び招かれる。 今度は、七国の代表ではなく、世界中の魔導師たちが集まっていた。
「リュカ・アーリス。あなたは、魔法の時代を終わらせ、選択の時代を築いた」
「あなたに、世界魔導評議会の初代“灰の守護者”の称号を授けたい」
リュカは、静かに首を振った。
「俺は、称号のために戦ったんじゃない。魔法に傷ついた者たちのために、ただ選び続けただけだ」
その言葉に、会場は静まり返った。 そして、誰かが拍手を始めた。 やがて、それは大きな歓声となり、ホールを包んだ。
リュカは、灰色の石を掲げる。 それは、かつて自分が“空っぽ”と呼ばれた証。 今や、世界を繋ぐ“選択”の象徴。
彼は、壇上から降り、群衆の中へと歩き出す。 誰かの上に立つのではなく、誰かと並び立つ者として。
──灰色の未来は、まだ始まったばかりだった。 魔法は、これからも変わり続ける。 人々の意思によって。 選択によって。
そして、リュカはそのすべてを見届ける者として、歩き続ける。
空には、七色の光と灰色の輪が並んで輝いていた。 それは、世界が選んだ“未来”の色だった。
──完。
最近後書きないなーって思ったでしょ?
書きたくなかったんだー。それより……これで、完結!拍手!
人気だったら、続編書くかもよ…
ではさよなら!
(裏設定集書くかも)