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目次
狐塚
リクエストのお話。
日本のどこかにある『旧狐塚村』
その山奥には『決して手を触れてはならぬ』
と、伝えられる石塚があった。
長期休みに帰省してきた大学生、蓮は、不気味さを笑い飛ばしながらスマホのカメラを向け、ふざけて塚の|頂《いただき》に鎮座する狐石の頭を軽く叩いた。
……その夜から、ずっと。
蓮の耳元で『コッ、コッ』と硬いものを叩くような音が響き始める。
蓮は気になって仕方がなく、部屋の明かりをつけ、鏡を覗き込んだ。
鏡に映っていた蓮の額に小さなひび割れが走っている。
蓮は怖くなり、震え出した。
その視界で、ヒビは蜘蛛の巣状に広がる。
ポロポロと皮膚が剥がれ落ちていく。
下から覗いたのは、生々しい肉……ではなかった。
硬く冷たい白磁の質感。
パリン、と音を立て顔が割れた瞬間、鏡の中の|男《蓮??》は不敵な笑みを浮かべた。
つり上がった瞳。
鋭く尖った頭に生える耳。
身体中に生えた真っ白な毛。
「代わり、みーつけた。」
翌朝、山奥の石塚には、新しく頭をすげ替えられた狐石が、静かに鎮座していた。