イマジネーション力__それはゲンジツをソウゾウで埋める力。
1人の少女が、イマジネーション力で、世界を傾ける。
そんな物語。
ちなみに略称は「今イマ」です。
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今治寧のイマジネーション! 第一話
「あたしはさあ、ただね? あたしなんかが声をかけてもウザいだけかなぁって思っただけで! 自分の思う最善の選択だったのね? ほらさ、たのし〜く友達と話してたらいきなりクラスの陰そのものに声かけられるとかさ? 最悪じゃん。しかも異性よ? だからね、あたしなりに気遣ったのね? そう、そのつもりだったの。でもさー! あいつがさ、あたしにキレてきて! ちょっとォちゃんと話通しておいてよォってえ!! はあ?! って思うわけよ、あたしは! だって意味わかんなくない?! あたしは! そんな大事な仕事頼まれてねえっての!! ちょっと様子見といてくんないうふうふんって言っただけじゃんあいつマジあいつぅ!! 言葉が足りてねえんだって!! そんでその男子も見てくるわけよ? え、お前そういうことだったら早よ声かけてくればええやんっつうもうクッソムカつく顔でぇ……!!」
「あーはいはい。ご主人、ちょっと一旦止まろうか?」
あたしの全力の愚痴が、幼い声に止められる。
声がした方を見ると、十二分の一スケールの少女が呆れた顔をしていた。
「どうやらまた愚痴ってしまったらしい」
「気安くデストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターのキメ台詞を真似しないでくれる? わかんない人多いと思うし」
「よく噛まずに言えたね、フルネーム」
「〈物語〉シリーズは素晴らしいので、是非とも読んでみて。ここだけの話、学のないご主人が脱ボキャ貧できたのはこの本のおかげみたいなものなんだ」
「第一話でここだけの話をされても困るよ?」
あたしの台詞というかボケに対し、小さい少女が突っ込む。
そしてそれにあたしが突っ込む。
__おっと、自己紹介が遅れたね。
あたしは|今治《いまばり》|寧《ねい》、ピカピカの一年生! この子は相棒の|古《いにしえ》|縁《えにし》ちゃん!
あたしらは最強なんだぜ! すっごいパワーで、世界を救う魔法少女戦隊《ウィッチーズ》として__
「黙れ」
「酷いっ?!」
「正しくは『あたしは今治寧、くすんでる中学一年生』でしょ、ご主人。途中からキャラブレもエグいし。十五点」
「十点満点で十五点をつけてくれるなんて、いやあ縁ちゃんってばご主人のこと好きすぎ__」
「万点満点に決まってんだろクソ野郎」
「呼称がクソ野郎に変わってるよ縁ちゃん!」
うん、確かにピカピカっていうのは大嘘なんだけれど、この子が相棒なのは本当。
「ご主人さあ、家に帰った途端に愚痴を溢れかえさせるのやめてくれない? 溺れちゃうよ」
「だって本当にストレスが溜まるんだもん」
「で、課題は出てる? ご主人の馬鹿は知ってるから、手伝ってあげるけど」
「愚問だね。あたしがやるとでも?」
「この問題児が。はいはい、まあ仕事に時間をたくさん割いてくれるのは助かるから勝手にして」
そしてこの仕事っていうのが、世界を救うお仕事なんだよね。
世界を救うって、そんな大袈裟なって感じなんだけれど。
正直、七割くらい盛られてはいるんだけど……。
「しょうじかないで、ご主人。ファンタジー味が薄れちゃうよ」
「そういう縁ちゃんは正直を動詞にしない」
でもまあ、ある程度は真実なので。悪しからず。
「……と。馬鹿な会話はここら辺でやめて、だよ」
「馬鹿って自覚はあったんだ」
「お仕事でしょ、お仕事。プリキュアとかでは敵の目の前でよく着替えるけれども、あたしことキュアイメージは味方の前で着替えるんだよね。ほら、キラキラキラー」
「うん? それはご主人の汚物すぎる下着姿を隠すためのキラキラ?」
「ちげぇわ! いつも通りあたしがヒーロー服に着替えんだろがい! エフェクトを振り撒きながら!」
「……キュアご主人に着替えシーンなんてあったっけ?」
ありませんです。