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目次
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果
この世界には異能といった超能力がある。
空を飛んだり、火を出したり、水を操ったりと色々なことができる。
そして、能力があることによってランク付けがされている。ランクは低い方から、F、E、D、C、B、Aがある。
C以上の能力者は政令異能都市という場所に連れて行かれる。いい能力を持っていてそれを悪用する人もいるため、普通の犯罪とは違うものが起こったりもする。けど、それは主に政令異能都市で起こる。
先ほど述べたランクの内の『ランクF』は最弱の称号だ。無能力者は全員ランクFでそれ以外はもちろん能力者だ。
かくいう僕もランクFの無能力者だ。
僕は普通の学校に通っている。今ちょうど六限目の終了のチャイムがなり、帰り支度する人がいた。
今日この後何しようかな。
そんなことを考えていると、同じクラスの琇火くんに話しかけられた。
「おい、お前今日この後暇だろ?ちょっと俺たちと付き合ってくれよ」
琇火の後ろにツレが数名いた。
「今日この後用事があるからちょっとむり」
適当に嘘をついて早く帰ろうとした。けど、すかさず琇火くんに話しかけられた。
「お前なんかに用事なんてあるわけねぇだろ?ただの嘘だろそんなの」
チッ、バレたか。もう適当に喋ってさっさと帰ろう。
「じゃ、バイバイ琇火くん」
「あっ、おい待てよ」
追いかけてくるけど僕は気にせず歩き続けた。
「待てって言ってんだろ。止まれ、よ」
琇火くんがそう言いながら僕に能力を使った。人に能力を使ってはいけないって教わらなかったのだろうか。彼の能力は火を出し操る能力だ。僕の前に火の壁ができる。けど僕は気にせずそれを通る。
「はっ?なんで平然としてんだよ。100度はあんだぞ」
後ろでなんか言ってんな。僕の体は普通の人よりも丈夫だから別にこれくらいでは火傷はしない。
「じゃあね」
僕はそう言い教室を出た。
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #2
僕は今、先生に呼び出されて学園長室にいる。
僕なんかしたかな。そう思いながら待っていると学園長・神禅瑠奏が入ってきた。
「待たせてごめんね」
「大丈夫です。それで何で僕はここにいるんですか?」
「ん?それは君もわかってるでしょ?」
一つ心当たりがあると言えばあるが、僕はしらばっくれる。
「何のことですか」
「昨日、琇火が自身の能力で火の壁を作ったのは知ってるよね?」
「はい」
僕の行く手を阻むためにね。
「本人曰くそれは100度を超えている火だったそうだ。けど君はそれを平然と潜ったよね?」
うっ、なんとなくそんな気はしてたが見られていたとは。けど僕はしらを切る。
「何のことでしょう」
「しらばっくれても無駄だよ。本人からもちゃ〜んと聞いたんだから。君が潜ったってね」
チッ、おしゃべり野郎が。
「で、何かするんですか?」
「とりあえず能力測定を行なってくれるかな」
断るとめんどくさそうなので了承した。
「はい、わかりました」
僕と学園長は検査場に向かった。
検査場は東京ドームより一回り大きい会場だ。
「では、検査を始めようか」
めんどくさいな。
「何の能力かわからないけど耐熱性があるから、身体強化かな?とりあえず身体測定みたいなことをしてきて」
「わかりました」
どうしようかな。本気でやったらCまでいくと思うけど、手抜くか。
砲丸投げ
おも。これ40kgはあるだろ。とりあえず手抜いて適当に投げるか。
「フンッ」
「えぇと、結果28m」
やべ、加減できてねぇ。まぁいいや全部本気でやろ。
「もう一回できますか?」
「いいですけど」
「ちなみに投げる方向に何かありますか?」
「海があります」
ならいっか。砲丸を渡され、今度は本気で投げた。
ドゴォン
天井を突き破ってしまった。まぁ大丈夫でしょう。
記録測定不能
100m走
「位置についてよーいドン」
足に力を入れて思い切り地を蹴った。
「記録1.31秒」
流石に鈍ってるか。
そうやって次々に種目をこなした。そして、ほとんどが測定不能であった。
「すごいね」
「いえ、まだまだです」
思わずそう返してしまった。
「へぇ?まだまだ?」
「あっ、今のは言葉の綾というか」
「まぁ別にいいよ明日の昼頃にはランクが出てるだろうからもう一回来てくれるかい」
「わかりました」
そう言い僕は家に帰った。
能力が全ての世界で無能力で最弱の僕/俺が最強になって無双した結果 #3
憂鬱だ。昨日能力検査をさせられて僕は疲れていた。
そんなことを考えていると琇火くんが話しかけてきた。
「お前昨日どこ行ってたんだよ」
「先生に呼び出されてちょっと」
「へぇ?なんかしたのか?」
「何もしてないよ。それになんでかは琇火くんは知ってるでしょ」
「あぁ。お前が俺の火の壁を平然と渡ってそれを先生に見られてたんだろ?だから、昨日能力検査場に行って検査してきたんだろ?」
なんで知ってんだよ。
「まぁね」
「けどお前なんか落ちこぼれのFだろ。俺なんかDランクだぞ。お前より上だ。ということで、いつも通りパン買って来い」
めんど。けど、断った方がめんどくさいか。そう思い、わかったと言おうとしたが別の言葉が口から出てきた。
「自分で買ってこい」
自分でも理解できない。なんで僕は反抗してるんだ?
「てめぇ、誰にもの言ってんだ?あぁ?」
「お前に言ってんだよ」
「・・・おい、あとで裏の廃校舎に来い」
めんどくさいな。けど、行かない方が後でめんどくさいし。
「おぉ、怯えずにちゃんときたか。無能力者のランクFくんw」
「お望み通りちゃんと来てやったぞ」
僕は煽るように言う。
「お前、舐め腐った態度とってんじゃねぇ!」
琇火はそう言いながら大きく振りかぶり殴ろうとしてきた。
「・・・単調だな」
僕はボソッとそんなことを言い、避けて左脇腹を殴った。
「ガハッ」
琇火は反吐を吐いた。
「きったねぇな」
僕はそんなことを言い少し離れた。
「てめぇ!ぶっ殺す!」
「わぁ、怖い」
僕は煽るように言った。
「死ね!雑魚が」
琇火がそんなことを言いながら、火の玉をいくつかこちらに飛ばしてきた。けど、僕にはそんなものは効かない。僕は避けずにそれを喰らった。
「なん、で、なんで喰らってない!」
「さぁ、なんでだろうな?」
僕はそんなことを言ってここを後にして、もう一度検査場に来た。
「で、何ランクだったんですか?」
「興味あるのか?」
「そりゃ自分のランクなんでね」
そもそもあんたのせいでランク測定したんだろ。そんなことを心の中で呟いた。
「君のランクはねぇ〜、・・・えっ?」
「どうしたんですか?学園長」
「え〜とねぇ、君のランクはBだった」
「え?」
僕がB?見積もったとしてもCだろ。
「えぇと、まず、政令異能都市への準備をしてくれる?」
「はい、わかりました」
「明日の夕方までにはよろしく」
僕は家に帰った。
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #4
僕は今、困惑している。なぜなら、つい先日能力検査をした結果出たランクがBだったのだ。
とりあえず異能都市に行く準備をして学校に行った。
「えぇ、みんなに報告がある」
朝のホームルームの時間に先生が言った。
「今回、奏夜が政令異能都市に行くことになった。詳しいことは本人に聞いてくれ」
おい、僕に丸投げするな。
「奏夜、後でちょっと学園長室に来い」
「わかりました」
ホームルームが終わるとクラスメートに次々に話しかけられた。
「何の能力なん?」
「まだ、わからない」
「ランクは?」
「・・・B」
「えっ?すご!」
「初めてBランク見た」
みんながそう言ってる中、一人の人物は冷たい目でこちらを見ていた。
「あっ、琇火が拗ねてる」
誰かがそんなことを言った瞬間この場は静まり返った。
「・・・チッ」
琇火が舌打ちをした。
「僕、先生に呼ばれてるからそろそろ行くね」
そう言ってその場を離れた。そして学園長室に着いた。そっと扉を開けた。
誰もいない。とりあえず待っていよう。
「・・・・・・」
来ない。遅い。いつまで待てばいいんだ。そんなことを考えていると近くに気配が現れた。僕はその方向を見た。
「わかるんだ。そりゃBなんだからそれくらいはわかるか」
そこには学園長がいた。
「どうやって入ったんですか」
思わず僕は尋ねた。
「簡単に言えば瞬間移動しただけだよ」
考えても意味はない。それに戦うわけでもないんだから気にしなくていい。
「それで何のようですか」
「君のあっちでの学校についての話」
あぁ、確かに僕は学生だ。それゆえ
学校に通わなければいけない。
「で、どこなんですか?」
「それはね、推薦があったんだよ」
「推薦?」
「そう。それもね大手の所から」
「結局どこなんですか?」
「もうちょい考えてみてよ」
「嫌です。考えるより聞く方が早いです」
「嫌な奴」
「嫌な奴で結構。僕はこう言う人間ですから。御託はもういいです。で、どこなんですか?」
「異鐸魂影高等学校-異能Bクラス」
「えっ、もう一回お願いします」
「異鐸魂影高等学校-異能Bクラスってところ」
「異鐸魂影高等学校ってこの世界で一番規模が大きくてBランク以上の能力者が行くところでしたっけ」
「そう。そんな大きいとこから推薦が来たんだよ」
「僕はそこのBクラスですか?」
「そうだよ。誇っていいんだよ」
学校の問題は解決した、あとは。
「異能都市に行ったら、まず何すればいいですか」
「急に話を変えるね」
「大事なことなので早めに聞きたくて」
「とりあえずさっき言った学校へ向かったらいいよ」
「わかりました」
そうして僕は学園長室を出た。
「・・・・・・」
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #5
着いた。おぉ、ここが政令異能都市。フルで言うと長いな。異能都市でいいか。
まず何しろって言ってたかな。とりあえずフラフラしてよう。あっ、思い出した。学校に行けって言われたんだ。異鐸魂影高等学校だっけ?そこに行けばいいか。ここから17kmか。ちょっと遠いな。何秒で行けるかな。
足に思い切り力を入れ地面を蹴った。
確か1kmを10秒でいけたっけ。ということは単純計算で3分くらいかな?
「疲れた」
ほんとに疲れた。2分半くらいかな?かかった時間。
でかいな、学校。ぱっと見、前の学校の3倍はあるな。校門どこだ?広くてわかんねぇ。
「何してる、貴様」
急に誰かに話しかけられた。振り返るとそこには見知らぬ女の子がいた。
「誰ですか?」
「そう警戒せんで良い。妾はここの生徒じゃ」
「そうですか」
「もう一度問う。貴様は何をしておる」
「ここの学校に転入してきたんだけど、広くてどこから入っていいのかわからなくて」
「なんじゃ、そんなことか。ついてこい。貴様を職員室まで連れてってやる」
「あ、ありがとうございます」
「そう硬くならんでよい。別にタメ口でよいぞ」
「わかった」
僕は彼女についていき、無事に職員室に辿り着いた。
「ありがとう。今度何かお礼を」
「大丈夫じゃ。またな」
僕は職員室の扉を開けた。
「失礼します。この学校に転入してきた永瀬奏夜です」
そう言うと、奥の方から声が聞こえた。
「ちょっと待ってね。あ、・・・痛った」
こっちに来たと思ったら転けた。大丈夫だろうか。
「ごめんね、恥ずかしい所見せて」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫。体が丈夫なのが取り柄だから」
「そうですか」
「場所を移動しようか」
そう言い、近くの空き教室へ向かった。
「改めて自己紹介するね。私は君のクラスの担任の|小鳥遊遥奈《たかなし はるな》。これからよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
「君のクラスはこっちだよ」
僕は先生についていくと自分のクラスについた。
「ちょっと待っててね」
「はい」
多分、中で軽くホームルームをして、転校生がいるみたいなことを言っているんだろうな。
そんなことを考えていると先生に呼ばれた。
「入ってきて」
ガラガラと音が鳴りながらドアを開けて、黒板の前まで行った。
僕は小声で先生に話しかけた。
「何を言えばいいんですか?」
「黒板に名前書いて、自分の名前とどこから来たかとか言えばいいよ」
黒板に名前を書いて、僕は自己紹介した。
「永瀬奏夜です。これからよろしくお願いします」
「えぇと、君の席は|茲葉《ここは》ちゃんの隣だね。あそこの席だよ」
僕は指差された席を見ると今朝の女の子がいた。
「このクラスじゃったのか」
茲葉さんが喋った。
「あれ?知り合い?」
「今朝ちょっと迷子になってて助けてもらいました」
「そうなんだ。私、この後別の仕事があるから、あとよろしく」
そう言って先生は立ち去った。
「よろしく茲葉さん」
「呼び捨てでよい」
「わかった、茲葉」
案外すんなり馴染んだ。少し時間が経つと何人かから質問が飛んできた。
「ねぇ能力なんなの?」
「まだ何なのかわからない」
「好きな動物は?」
「猫」
「身長体重は?」
「身長166cm 体重42kg」
「・・・貴様、身長に対して体重軽すぎないか?」
「そう?」
「あぁ、166cm あって42kgはおかしい。大体50はあるもんじゃろ」
「確かに」
「あ、そうじゃ。一応この学校も部活があるんじゃが、どの部活に入るのじゃ?」
「え、今初めて知った」
「後でホームページ見ておれ」
「あぁ」
ガラガラと音を立てながら扉が開かれた。
「授業始めるぞ」
「潤先生、今日は転校生がいるから授業なしにしない?」
「あ?転校生?あ、本当だ。名簿に新しい名前がある」
え?すぐ気づくもんなの?
「え〜じゃあ、転校生との交流も兼ねて遊ぶか」
言い方はそれっぽいけど、多分あんたが遊びたいだけだろ。ちょっと楽しそうにしてんじゃん。
「何したい?」
「椅子取りゲーム」
「マジカルバナナ」
「能力戦」
「しりとり」
「山手線ゲーム」
おい、一個変なの聞こえたぞ。能力戦?何言ってんだ。
「じゃあ能力戦で」
「やったー」
「えぇ〜なんで?」
「なんだっけそれ」
一部知らない人いるぞ。
「よしそれじゃ|塁《ルイ》、いつも通り空間能力よろしく」
「わかりました」
その子がそう言うと僕らは別の場所に立っていた。
妖紅胡桃さんのキャラが登場しました。
キャラ案もっとください!
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #6
前回のあらすじ
異鐸魂影高等学校-Bクラスへ転校し、挨拶をした。そして転校生がいるから遊ぶと誰かが言い出し、先生も満更でもなく遊ぶとなり能力戦と誰かが言い能力戦に決まり、それが始まった。
深呼吸しよう。そして状況を整理しよう。今、何が起こっている?
「貴様、何をしておる」
振り向くとそこには|茲葉《ここは》がいた。
「一つ質問」
「なんじゃ?」
「これは何?」
「能力戦」
「もう一つ質問」
「なんじゃ?」
「能力戦って何?」
「それぞれ己の能力を使い戦うそれだけじゃ」
「なるほど」
めんどくさいな。
「何かメリットは?」
「クラスでの順位が上がる」
「順位?」
「あぁ、貴様は来たばっかだから最下位じゃが、妾は4位じゃ。それで順位を競うのじゃ」
「なるほど。ちなみに順位が上がるとなんかあるの?」
「一位は学費免除、月5万円支給、学食無料、寮費無料。二位は月2万円支給、寮費無料。三位は月1万円支給、寮費無料。だったはずじゃ」
「わかった。ありがとう」
「あとな、たまに先生の気分で何かが追加される」
「OK、理解」
じゃあ、戦って順位を上げればいいんだな。
「じゃ、僕は適当に誰かと戦ってくる」
「いってら〜。妾は自分からふっかけんから相手にしたくなったら来い。相手してやる」
「あとでな」
僕はそう言って適当に走り回る。
「あ、転校生。転校生だからって容赦しねぇぞ」
相手はそう言うと距離を詰めてきた。
「大人しくくたばってくれ」
僕は結構な威力でそいつの腹部を殴った。
「ガハッ」
倒れたか。弱いな。強いヤツ他にいないかな。すると、ここへ転送した人がいた。
「やあ、転校生くん。奏夜だっけ名前。容赦なくやらせてもらうよ」
|塁《ルイ》はそう言うと消えた。と、思った瞬間、腹に衝撃が走った。
「痛った」
「耐えるんだ、これ」
「丈夫なんでね。こっちも本気でいくよ」
僕は一気に距離を詰める。ところが縮まっていた距離が遠くなった。なるほど。そういう能力か。なら対処は容易だ。
「次で決めるよ」
僕はそう言い先ほど同様距離を縮めた。そして累が能力を使った瞬間、速度を上げた。
「なっ!」
驚くだろうな。だって、僕を後ろに移動させたはずなのに逆に距離が縮まってるんだから。
「少しは楽しめたよ」
横腹に強烈な蹴りを入れた。塁は横に飛んでいった。
別に手加減せずにやっていいから楽だ。けど能力は一度も使ってない。自分の能力のことを僕は知らない。発現しているのかもわからない。ただ、おそらく能力によって身体能力が上がっているんだろう。
戦闘中にそんな呑気なことを考えていると、横から気配がした。僕はその方向を向いた。
「すごいなお前。俺の気配を読めるのこのクラスで三人くらいしかいないのに」
そこには潤先生が立っていた。
「一つ質問いいですか?先生」
「なんだ?」
「なんで先生も参戦してるんですか?」
「俺、教師やってるだけあってAランクで強いんだ。だから、これで俺に勝ったらAクラスに飛び級させてやるって言ったら先生も参戦してくださいって言われたんだ。けど弱いものいじめはすんなって言われてるけどな」
「理解しました。で、なんで僕の所に来たんですか?」
「転校生はどれくらい強いのかちょっと見たくて」
「なるほど。・・・逃げていいですか?」
「ダメ」
「なんで?」
「お前強いだろ?」
ギクッ
「別に大して強くないですよ」
「嘘つけ。お前さっき倒したの何位だと思う?」
「その前に質問。このクラス僕含め何人?」
「27だったはず」
「20位」
「ハズレ。7位だ」
チッ。相手を選ぶべきだった。
「そうですか。それじゃ僕は失礼します」
「行かせるわけねぇだろ」
「何ですか?先生と戦わなきゃいけないんですか?」
「あぁ。俺と戦え」
「はぁ、わかりました」
僕は塁の戦い方を真似した。
「あ?どこ行きやがった」
僕は後ろから横腹目掛けて本気で蹴った。すると先生は勢いよく飛んでいった。・・・先生相手なんだから加減しなくていいだろ。
「痛ってぇな、おい」
「戦えって言ったの先生じゃん。手加減なしでやりますから」
「俺を舐めるなよ?青二才が」
先生は距離を詰めるためにこっちに走ってきた。僕は先程同様、塁の戦い方を我流に変え使った。
「また消えやがった」
キョロキョロと先生は周りを見渡している。
あんたには見えないよ。だって、僕は気配と音を完全に消してるんだから。
さっきと同じく横腹を蹴ろうとした。けど今度は防御してきた。
「同じ手は通用しねぇよ」
僕は蹴った右足を軸に回転し先生の頭を左足で蹴った。
「あ、やべぇ。クラクラする」
先生はその場に倒れた。多分、脳震盪を起こしているのだろう。
「終わりにしますか?先生」
「まだ、終わらねぇよ」
先生はスッと立ち上がった。回復すんの早いな。
「能力使わないんですか?先生」
「お前も使ってねぇだろ。多分、身体能力だけで戦ってんだろ」
「僕はまだ能力が分かってないんですよ」
「そうかい。んじゃ、こっちは本気でいくぞ」
「そうしてください」
僕はすぐに気配を消した。
「お前のそれ、もうわかったよ」
とか言いながら変なところを殴っている。
「あれ?いねぇ。どこ行きやがった」
どうしようかなこの状態だと気づかないから逃げようかな。けどなぁ放棄したくないし。
「出てこい。正々堂々勝負しろ」
僕は先生の前に立ち、腹部に向かって本気で殴った。後方に先生は飛んでいき、誰かの叫び声が聞こえた。
「わ!何をしておるのじゃ、先生」
聞いたことのある声だな。そんなことを思いながら、僕は飛んでいった方向に向かった。そこには茲葉が立っていた。
「茲葉、何してんの」
「コイツが妾のところに飛んできたんじゃ」
「なんでか知ってるよ、僕」
「なんでじゃ?」
「僕が吹っ飛ばした」
「貴様が?コイツを?」
「うん。それより先生これ起きてる?死んではないと思うけど」
「多分、気絶しておる」
「どうしよう。このまま放置しておこうかな」
「妾もそれに賛成じゃ」
「ちょっと疲れた」
「誰と戦ったんじゃ?」
「潤先生と塁と雑魚一人」
「待て、先生はここでぶっ倒れておるが塁とも戦ったのか?」
「あぁ」
「貴様、何者じゃ?」
「さぁな。僕にもわからない。ただ一つだけ言っておこう」
僕は一拍を置いてその言葉を言った。
「僕はQ。何者かわからない能力者だ」
登場キャラ(プロフィール)
名前 |重 茲葉《かさね ここは》
性別 女
一人称 妾
二人称 貴様
能力 重力((未公開
特徴 古風な話し方
その他↓
過去のことについて色々研究している考古学者
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #7
「僕はQ、何者かわからない能力者だ」
僕はその言葉を言った。なぜだかわからないが、僕はこの言葉を使ったのが初めてじゃない気がする。まるで、|前にも同じように《・・・・・・・・》この言葉を言っていたかのように。
「貴様が何者かはもう問わん。じゃが一つだけ忠告しておこう。一位はもっと強いぞ。この先生よりもな」
一位が先生よりも強い?なら、なんでBクラスにいるんだ?まぁ、僕には関係ない。また適当に倒してくるか。
「じゃ、僕はまたふらふらしてくる」
「お〜、いってら〜」
僕は強い気配の方向に行った。
「__z__zZ」
「・・・ん?」
呑気に寝ている人がいる。なぜこんなところで寝ているんだろうか。
「そんな所で寝ていると襲われますよ」二つの意味で。
どうしよう。このまま放置しておいてもいいけど、この人に悪いしな。そんなことを考えていると、その人が起きた。
「んぁ?・・・あれ?なんでここにいるんだっけ」
「大丈夫ですか?」
「・・・・だれ?」
「転校生です」
「転校生?・・・・・・あ!思い出した。転校生きて遊びと称した能力戦が始まったんだった」
ご理解が早くてなによりです。
よく見ると、目がオッドアイだな。
「で、めんどくさいから開始早々寝てたんだ」
いや、ここで寝んなよ。
「一つ質問いい?」
「はい、なんでしょう」
「名前なに?」
「|永瀬奏夜《えいせ かなや》」
「奏夜くん、・・・ありを守って?」
「は?」
「あのね、ありね、戦い嫌いだからさ。守って?ね?」
「断るって言ったら?」
「先生にデマを流す」
「たとえば?」
「奏夜くんがありのことを犯してきたって」
「変なのこと吹き込もうとすんな」
「嫌でしょ?だから、私を守って?」
「はいはい。けど名前と能力を明かしてくれ」
「|相哉 有栖《あいかな ありす》。能力はコピー。見たものをコピー、複製できるの。ペンかなんかある?」
僕は|懐《ふところ》からナイフを取り出し、有栖に渡した。
「ずいぶん物騒なもん出すね。これをね」
有栖はそう言うと、ナイフを複製した。
「こんな感じでコピーできるの」
「それって大きさ変えれるの?」
「多分できるんじゃない?やったことないけど。一回やってみる」
有栖は、さっきコピーしたナイフに触れて大きさを変えようとした。すると、一回り大きくなった。
「できた」
「いくらでも活用はできるな」
コピーした時は気づかなかったけど、こいつ能力を使った時、目の色が濃い藍色に変化したよな。
「二人固まるんだったら、他も入れていい?」
「いいよ」
なら茲葉の所に戻ろう。
そう思った時だった。
「おい、お前なに逃げてんだ?あ?」
チッ、起きたか。
潤先生が起きて僕の所に来た。めんどくさいな。
「先生が気絶したんで僕の勝ちですよ」
「まだ負けてねぇよ。もう出し惜しみはしねぇ。殺す気でいく」
先生がそんなことを喋っていると、横から有栖が小声で話しかけてきた。
「なんで先生あんなにキレてんの?」
「僕と戦って途中で気絶して、目が覚めたら僕がいなくなっていたからじゃない?」
「あぁ、なるほど。いわゆる脳筋馬鹿ってこと?」
「そう」
小声で有栖と喋っていると先生がキレてきた。
「おい、お前ら。なにボソボソ喋ってんだよ。あ゛?」
チッ。極力使いたくなかったが、僕は塁の能力を|模倣《コピー》して、有栖を茲葉の所に転送した。
「あれ?有栖どこいった?」
「安全なところに送っただけだよ」
「あぁ、お前も空間能力か」
「いや、違うよ。僕のはそんなのよりもっと使い勝手がいい」
「関係ねぇ。俺はお前を殺す」
「できるもんならやってみろ」
「あぁ、やってやるよ」
まずは、能力の把握だ。相手が何の能力を使うかを見なければならない。
「‘|顕現《けんげん》’〈|瀏槍《りゅうそう》〉」
先生がそう唱えると手元に槍が精製された。そういう能力か?けど何か違う。
「お前はこれに耐えれるかな」
先生はそう言うと槍を持ってこっちに近づいてきた。
「それに対抗するよ。『‘顕現’〈瀏槍〉』」
僕も槍を精製した。
「な!なぜお前がそれを使える!」
「僕の能力の副産物だよ」
先生との攻防戦が勃発していた。
「やはり俺の目に狂いはない。奏夜、お前は強い。俺の次にな」
「その言葉、訂正させてやるよ。僕の方が上だ」
互いの槍がぶつかり合い金切音が響き渡っていた。
「‘顕現’〈零式〉」
僕はそう言い短刀を精製した。
「なんだそれ?そんなもので俺に勝てると思ってるのか?」
「あぁ、お前に勝てるよ。これでな」
僕は気配を完全に消した。これでもう先生は僕を認識できない、はずだった。先生は的確に僕に蹴りを与えた。
「何回もされてんだ。それに俺は今、能力を使用している。んなもん通用しねぇよ」
チッ、もう効かないか。学習能力が高いな。なら、これならどうだ。
「あ?チッ、また消えやがった。・・・気配も感じねぇ。逃げやがったか?」
これは絶対にわからないはずだ。この境地に達することができるのは、|屍《しかばね》を越えたものだけだ。
「・・・・・・」
「チッ、どこだ?」
「ここだよ」
僕は、先生の頭上に行き、声を発した。
「あ?」
先生が見上げると同時に僕は短刀を振った。先生は寸前で槍で防いだ。
「んなもんで、防げるとでも?」
僕は力をより入れ、槍を切った。そのまま、先生に向かって振り下ろした。
「チッ、俺の負けか」
先生がそう呟くと、僕は腕を止めた。
「・・・なぜ止めた?」
「別に、殺し合いをしているわけじゃないんで」
「そうか。俺はさっき言った通り負けを認める。お前は強い、俺よりも」
「そうですか。楽しかったですよ、先生との戦い」
「そうか、それはよかった。お前はAクラスに行きたいか?」
「いや、まだいいです」
「そうか。俺もまだまだだな」
そうして、僕と先生の戦いは終わった。
「先生、これいつ終わるんですか?」
「多分そろそろ終わる頃なはずだ」
その後、僕たちは元いた教室に戻ってきた。
登場キャラ(プロフィール)
名前 |相哉 有栖《あいかな ありす》
性別 女
一人称 あり
二人称 あなた
能力 コピー(複製)
(見たものをコピーする能力
特徴↓
右目が緑色で左目が薄いピンク色のオッドアイで、緩めのツインテール。髪色は、クリーム色。背の高さは125cm(チビ)。
その他↓
能力を使うと、オッドアイが一瞬だけ両目の色が濃い藍色になる。
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #8
能力戦をした一限目が終わり、次の授業が始まろうとした。
「ごめんね、遅れて」
そう言いながら、|遼奈《はるな》先生が教室に入ってきた。
「えぇと今日の授業は体育で、転校生もいるから体力テストをします。皆さん全力で挑みましょう」
ということで僕たちはグラウンドに来ていた。
前の能力検査の時にやったんだけどな。
「まず最初は、砲丸投げをします。順位が低い人から投げてください」
となると、最初僕か。
「本気でいいんですよね」
一応確認を取ろう。
「うん、本気で投げちゃって」
「わかりました」
僕は砲丸を手に取り本気で投げた。砲丸が空を斬りながら飛んでいく。
ドゴォン
なんかに当たったかな。
「えぇと、記録測定不能」
まぁそんなもんだろ。最低でも1kmは用意してもらわないと。
「・・・強いな」ボソッ
何か聞こえた気がするが気のせいか
そして次々に砲丸投げが進んでいき、18位の|有栖《ありす》の番がやってきた。
「えぇと、どうしよう」
能力自体は強いが、身体能力がない有栖はどこまで飛ぶのだろうか。
「ズルしちゃお」ボソッ
有栖はそうボソッと呟いたが僕には聞こえた。ズル?何する気だ?
「えい」
そう言いながら腕を振った有栖だったが砲丸は放たれていない。よく見ると、59mの所にポツンとボールがあった。あいつ、その地点に能力を使ってコピーしたボールを生成したな。
「こんなもんよ」
ズルしたやつが何言ってる。
砲丸投げが次々進んでいき、|茲葉《ここは》の番が回ってきた。
「100mは飛ばそうかの」
そんなことを言いながら、茲葉は投げた。身体能力が高い方なため遠くに投げるのは容易であった。
「記録143m」
「まぁ、妾にかかればこんなもんじゃ」
おそらく能力を使ったのだろう。
3位の人が終わり、2位の人が投げようとしていた。
「先生、このほうがん?をあっちに投げればいいんですか?」
「うん、それをあっちに向かって本気で投げて」
「わかりました」
その子は大きく腕を振り投げた。
ドゴォン
僕の時同様、測定不能+何かを破壊した。やべぇやつがもう一名いた。
「記録、また測定不能」
何人かは引いていて、何人かは笑っていた。
最後はお待ちかねの1位の番だ。これで測定不能じゃなかったらおかしいけどな。
「オラッ」
叫びながら大きく振りかぶり投げた。そして3回目の測定不能になった。
「えぇと、頭おかしい人3名いたけど、無事終わりました」
「先生、他のはやらないんですか?」
誰かがそんなことを聞いた。
「今日はもうこれで終わりです。皆さん教室に戻りましょう」
そう先生が言うと皆ぞろぞろ教室に戻って行った。僕も教室に戻ろうとしたが、1位の人に絡まれた。
「よぉ、奏夜だっけ?俺、|昼薙 蒼士《ひるなぎ そうし》。よろしく」
え?なに、急に。
「お前、強いだろ?」
「別に大して強くないよ」
「何言ってんだ?お前一限目の能力戦で先生倒してたろ」
ギクッ。周りに誰もいないと思っていたのに。
「人違いじゃない?」
「いや?俺はこの目で見てたから」
めんどくさいな。
「あぁ、そうだよ。僕が先生を倒した」
「奏夜、友達になろうぜ?」
断るとめんどくさそうだし了承しとこう。
「いいよ。けど、変なことしないでね」
「OK、OK」
そうして僕は蒼士と教室に戻った。
登場キャラ(プロフィール)
名前 |昼薙 蒼士《ひるなぎ そうし》
性別 男
一人称 俺
二人称 お前、その人の見た目の特徴(蒼士で例:ヘアピンデコ出し野郎)
能力 空気
(空気を固体、液体に変化させれる。ちなみにその物質は透明。
好きなこと 走る、戦う、未知を知る
嫌いなこと 遠回りするような事
特徴↓
髪の毛は山吹色で藤黄色のメッシュ。ポンパドール。(ヘアピンで前髪を上に上げてるやつ)
ものすごく口悪くてうるさい。
順位 1位
その他 実力はあるのに口が物凄く悪い。でも色んな事にセンスがある。ノリがいい。永瀬奏夜を何故か気に入って(?)よく傍にいる。いじられキャラ
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #9
三限目に化学、四限目に数学、五限目に座学をし、学校を終えた。
そういや僕、どこに住むの?そう思っていると、|遼奈《はるな》先生がこっちにきた。
「奏夜くん、ちょっと待って」
「なんですか?」
「君の住むところなんだけど、シェアハウスだから」
よかった、ちゃんと住む場所があった。
「場所はね、ここ」
先生はそう言いスマホの地図アプリで場所を示した。
「わかりました。先生、さようなら」
「寄り道せずに行くのよ」
僕は先生に言われた所へ向かった。
ここか。学校から徒歩7分の場所だった。僕はインターホンを鳴らした。
「誰じゃ?」
聞いたことのある声だな。そんなことを思いながら僕は答えた。
「今日から一緒に住むことになった奏夜です」
「ちょっと待っておれ」
そう言われ、待っているとドアが開かれた。
「は?」
ドアの前には|茲葉《ここは》が立っていた。
「一つ質問」
「なんじゃ?」
「なんでここにいんの?」
「ここは妾のお家じゃ」
「あぁ」
シェアハウスとか言ってたしな。
「もう一つ質問」
「なんじゃ?」
「茲葉と僕以外に誰かいる?」
「|藕舲 紗《ぐれい すず》がおる」
「だれ?」
「三位の奴じゃ」
「あぁ、ね。理解」
確かそいつも測定不能かと思ったが、本人は目がいいらしく3427m飛んだらしい。
「ここには妾とそやつと貴様の計3人が住んでおる。・・・いつまで玄関にいる気じゃ?」
あぁ、忘れてた。
「お邪魔します」
「おう、お邪魔しろ」
中に入ると綺麗な内装だった。
ソファで寝ている人がいる。多分、紗だろう。
「おい、貴様。さっさと起きんか。奏夜が来たぞ」
とか言いながら、紗を叩き起こした。
「チッ。なに人が気持ちよく寝てんのに起こすんだよ」
すげぇ機嫌悪そう。
「お、転校生。なんか用か?」
「用も何も僕もこれからここに住むから」
「・・・は?」
「聞こえなかったのか?こいつは今日から妾の家に住むことになった。ちなみに妾には事前に知らされていたぞ。この家の所有者じゃからな」
「・・・OK、理解した」
理解が早くて何よりです。
「あ、ちょっと待ってて」
紗はそう言うとテーブルの上にあった薬を飲んで頭を叩いた。
「んぁ?・・・・茲葉、状況説明よろ」
「奏夜が妾達と一緒に暮らすことになった」
「OK、理解した」
なんだ?人が変わったぞ。
「あぁ、貴様は知らないのか。紗は二重人格じゃ」
「・・・え?」
「もう一度言う。紗は二重人格じゃ」
「・・・OK、理解した」
ちょっとめんどくさそうだな。
「自己紹介しとけ紗」
「はぁい。藕舲 紗です。これからよろしくね、奏夜くん」
うわぁ、さっきとキャラが違う。これが二重人格か。
「よろしく。紗さん」
「そろそろ晩飯の時間じゃ」
「あ、もうそんな時間?」
だいぶ慣れてきた。話していて、いろいろ教えられた。ご飯は紗さんが作るらしい。
「なに食べたい?」
「なんでもいいよ」
「妾もなんでもよい」
「なら、カレーにするね」
「牛肉入れるのじゃ」
「はいはい」
すごい平和だ。
少し時間が経ち、、、
「できたよ」
紗がそう言った途端、 茲葉は走って椅子に座った。
「何しておる。はよ座らんか」
「はーい」
僕も椅子に座った。
「はい、僕の手作りカレー。スパイスも手作りなんだけど、どう?」
僕と茲葉は一口食べる。
「ん、美味しい」
「そう?よかった」
「・・・・・・・・・」
茲葉は無言で、すげぇ勢いでカレー食ってる。ある意味カレーは飲み物だな。噛んでるけど。
「おかわり!」
食べるのはっや。
「はいはい」
茲葉は計5杯くらい食って満足したらしい。
「美味かった」
「いい食べっぷりだったよ」
そりゃすごい食べっぷりだったよ。
「お風呂どうする?誰から入る?」
「妾は最後でよいぞ」
「奏夜くんは?」
「僕も後でいいよ」
「なら僕、一番風呂いただくね」
順番に風呂に入り一日を終えた。
登場キャラ(プロフィール)
名前 |藕舲 紗《ぐれい 紗》
性別 女
一人称 僕
二人称 君、相手の名前
能力 破壊(未公開
好きなこと 寝ること、料理
嫌いなこと 朝起き
特徴↓
うざいほどに元気。
けど、たまに気怠そう
その他↓
二重人格
精神安定剤として薬を常備
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #10
朝目覚めると僕は知らない場所に立っていた。
どこだ?ここ。確か、最後|茲葉《ここは》の家にいたはずだが。そう思っていると、背後から声が聞こえた。
「失礼、あなたをここに呼び出したのは私です」
「誰だ?」
「私は・・・名無しとでも名乗っておきましょうか。ホッホ^ ^」
「なんか用か?」
「なかったら呼び出していませんよ」
今のところ、殺意は感じられない。下手な動きはしないほうがいいだろう。
「一つ確認いいか?」
「なんでしょう」
「お前は誰の指示で動いている」
「・・・・勘のいい人は嫌いじゃないですよ」
「質問に答えろ。お前は誰の指示で動いている」
「今はまだ知らなくていいですよ。ただ、一つ言うならばあなたの知っている人ですよ」
「なに?」
僕の知っている人?誰だ?こんなことをする奴は。
「その人から私はあなたの実力を確認してくれと頼まれましたので」
「あぁ、そうかい。なら、あんたを倒したらいいのか?」
「まぁ、そうですね」
相手がそう言った刹那、僕は強く地を蹴り、相手の|懐《ふところ》に潜り込んだ。
「・・・早いですね」
僕は前の能力戦の際に|模倣《コピー》した、空間能力を使用し空間を歪ませた。
「歯ぁ食いしばれよ」
僕はそう言い名無しの腹部に打撃を与えた。名無しは少し飛んでいき倒れた。少し時間が経つと起き上がった。
「かなり、重い一撃ですね」
「これで倒れないか」
結構な威力で攻撃を与えたつもりが、名無しは軽々それを受けた。
「殺す気でいく。‘|顕現《けんげん》’〈零式〉」
「ほぉ、その域に達しているのですか。なら私も、‘顕現’〈|創弓《そうきゅう》〉」
チッ。相手も使ってくるか。しかも相手は遠距離武器、かくいう僕は近距離武器。めんどくさいな。
「あんたの真似をするよ。『‘顕現’〈創弓〉』 こいつで相手するよ」
「私のを使えるのですか。あなたの能力は一体なんですか?」
「教えるわけないだろ」
ギチギチと音が鳴りながら弓を構え、弦を引いた。
名無しはもちろん避けたが、矢は奥の岩を貫通した。
「・・・・・・は?」
「どうした?腑抜けた声を出して」
「ただの矢が岩を貫通したことに対して私は驚いています」
なんか英文の日本語訳したみたいな文だな。
僕は気にせず弓で追撃した。
「当たるとどうなるのでしょう。興味心はありますが、恐怖心もあるのでやめにします」
「せいぜい足掻け」
弓は扱いづらいな。あ、いいこと思いついた。そして、僕は行動に移した
「零式〈弐ノ型〉」
そう唱えると、持っていたナイフはハンドガンへと変わった。
「つくづくめんどくさいですね」
僕は照準を名無しに合わせ、撃った。ちなみに、弾は無限だ。
「もっと避けろよ。じゃないと体が穴だらけになるぞ」
ただ、性にあわねぇな。やっぱナイフだな。そう思い短刀に戻した。
「頑張って防げよ」
僕はそう言い、さらにナイフを精製し名無しに投げた。
「少々めんどくさいですね」
時間食うか。なら、次で決める。
「あれ?いなくなりました。どこへ行ったのでしょう」
「上だよ」
僕はナイフを大きく振った。だが、名無しは弓で防いだ。
「そんなもので勝てるとでも?」
「あぁ勝てるよ」
僕はより力を入れ、弓をへし折った。
「あ、お前はまだ出てくるな。うっ」
名無しはそう言うと意識が飛んだ。と、思ったらさっきとは違う人格が出てきた。
「チッ。手こずらせやがって。次で終わらせる」
名無しは火の壁を作った。なんか見たことあるな。
「お前如きに本気でいく必要ない」
次は火の玉をこっちに撃ってきた。別に当たっても何にもならないけど。
僕もそれに対し、ナイフを撃った。
「あ?なにまだ生きてんだよ。さっさとくたばれよ雑魚が」
「雑魚はお前だ」
「チッ、ぶっ殺す」
名無しはこちらに近づいてきた。
「死ぬなよ?」
僕はそう言いナイフを名無しの胸に刺した。
名無しはゴフッと音を立て吐血した。
「は?お前なにして」
「なにって見てわかんない?あんたの心臓にナイフを刺した」
「そんなもので」
名無しが抵抗しようとした時、ナイフをグリュと回した。
「が、あぁ、あぁぁぁあぁぁ」
僕はナイフを抜いた。すると、ナイフで栓をされていた為、血液が大量に吹き出した。
「きったねぇな」
名無しの人格は最初の時のに戻った。
「ありがとう。彼が暴走すると手がつけられませんでしたから」
「あっそ」
僕は名無しを回復させながら言った。
「なにしてるんですか?」
「あんたの傷を治してる」
「・・・あなたの能力は一体何個あるのでしょうか」
「一個だよ。副産物はあるけどな」
「一個?しかし、あなたは今回復の能力を使用している。そしてさっきの戦いの際の空間能力を使用した。一個ではなくないですか?」
「側から見ればそうなるんだろうな。だが、能力自体は一個、いや正確には二個ある。何かは言わないが」
「そうですか。では私はお暇させてもらいます」
「あぁ。てか二度とくんな」
「あなたを元の場所に戻しておきますね」
名無しがそう言うと僕は元の部屋に戻っていた。
状況を整理しようと思ったが、めんどくさくなってやめた。
「お〜い、奏夜。朝飯できたぞ〜」
下から茲葉の声が聞こえた。
「は〜い、今行く」
そして僕は下に降りた。
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #11
「ずいぶん遅かったね」
「うん、ちょっとうなされてて」
僕は咄嗟に嘘をついた。あんなことを|茲葉《ここは》達に言えるわけがない。
「遅かったな。もう少し遅かったら、妾が貴様のを食うところじゃったぞ」
「あんたに僕のをやらねぇよ」
僕は椅子に座り、朝食を取った。
|紗《すず》のご飯は美味しい。評価をつけるとするなら、星5レストランレベルだ。
「そういえば今日の座学で能力についてやるけど、どういうことするんだろう」
「能力の拡張とか言ってなかったか?」
多分、しれっと何回か使ってる『顕現』の事とかな気がする。
「そろそろ出ないと間に合わないよ」
「やべっ、早くしないと」
「早よせぇ」
僕は急いで準備をして、家を出た。
「誰が最初に学校に着くか勝負ね」
紗がそんなことを言い出し、茲葉はそれにのった。
「いいぞ。妾が勝ってやる」
茲葉はそう言って、走って行った。
「どうする?紗」
「奏夜くんも行ってきたら」
「わかった。茲葉よりも先に着いてやる」
僕はそう言い、飛んだ。そのままの意味だ。強く地を蹴り上に飛び、屋根に飛び乗った。
「ほぇ?」
なんか紗が素っ頓狂な声を出してるが気にせず学校に向かった。
下を見ると茲葉が走っていた。僕は道路に飛び降りた。
「うぉ」
驚いたのか茲葉は辺な声を出した。
「なんじゃ、貴様か。脅かすでない」
「遅いな」
僕が煽るように言った。
「なんじゃと?💢」
「聞こなかったか?遅いなって言ったんだよ」
「黙れ、カス💢」
口悪っ。怒らせるとめんどくさそうだな。けど、面白そう。
「ノロマ、僕に追いついてみろ」
「💢殺す!」
こっわ。
「待て」
「待ちません。追いついてみな」
「はっ倒すぞ、クソガキ💢」
どんどん口悪くなってきている。
「そろそろ学校着くぞ」
「その前にキサマを殺す!」
ガチで怖くなってきたので、僕は全力で走った。
「チッ、タイムアウトか。あと少しでキサマを殺せたのに」
・・・本気で殺しにきてたの?
「早いよ。ちょっと、待って」
後ろを見ると、紗が走ってきていた。あぁ、忘れていた。
僕らは合流して、教室に入った。
「よ〜、奏夜」
|蒼士《そうし》くんが話しかけてきた。
「おはよう。蒼士くん」
「今日の座学どんなのだろうな」
「知らない」
嘘。多分知っている。そして、先生が変なこと言わない限りは大丈夫なはず。
「よ〜、生徒諸君。目は覚めてるか?」
そんなことを言いながら、潤先生は教室に入ってきた。今日は一、二、三限目全部、座学で潤先生の授業だ。
「先生、何すんの?」
誰かがそう先生に聞いた。
「昨日も言ったが、能力の拡張だ」
ほとんど知らないだろう。知っていたとして上位三位と僕だろうけど。
「まず、一限目は能力とはなにか、能力の性能についてやる」
そして授業が始まった。
「まず、能力の根源を知っているか?」
先生はそう聞くが誰も答えない。
「わからないか。まぁ、しゃあない。おい、奏夜。説明してやれ」
「え?僕?」
「あぁ、お前だ」
一気に僕に視線が集まった。人に丸投げしやがって。僕は仕方なく説明した。
「今は能力という名称で呼ばれているが、かつては異能と呼ばれていた。異能は元々、誰しもが持っているものではなかった。選ばれたものだけが持っていたものだったが、ある日『創造』の能力を手に入れた人が世界の人間に異能を付与した。先天的に使えるものや後天的に使えるなど様々いた。そして、無能力者も存在した。その異能を持つものが死んだことにより世界の均衡は崩れ、歴史に残る『異能大戦争』が発生した。 でしたっけ」
「お、おう」
あんたが説明しろって言ったからしたのに、なんだその反応は。
「奏夜が言った通りだ。知らないと思ってお前に振ったのに」
上等だ、この野郎。
「異能の歴史はここまでにして、次は自分の能力の把握、能力の拡張について話をする」
自分の能力がなんなのか知らないから、どうすればいいんだろ。
「第一、自分の能力を知っている人は右へ、知らない人は左へ」
僕は迷わず左に行った。・・・え、僕だけ?左。
「・・・どんまい、奏夜」
「慰めなんてしないでください」
「知らないのが一人だけなら合わせてやるか」
それあんたがその方が楽だからだろ。
「能力は三つの段階があるんだが知ってるか?」
二段階目は多分知っている。
「おい、奏夜。言ってみろ」
「なんで僕に振るんですか」
「え、お前なら知ってるから」
そりゃあ知ってますよ。先生にそれで戦わされて、自分も使ったんだから。
「一段階目は基本的に使用する『発動』、二段階目は能力に合った武器などを精製する『顕現』、三段階目は周りの物質や生物に干渉できる『解放』、ですよね」
「ああ、そうだ」
「お前らはまだ一段階目しか到達してないだろう。|蒼士《そうし》、お前は二段階目到達してるよな?」
「まだ曖昧ですが一応できますよ」
「やってみろ」
「‘顕現’〈|蒼刀《そうとう》〉」
蒼士がそう言うと、手に刀が精製された。
「あってますか?これで」
「ああ、だが性能はどうかだ」
「やってみます?」
「いいぜ、やってやるよ。‘顕現’〈|瀏槍《りゅうそう》〉」
先生も手に槍を精製した。よかった。僕は巻き込まれなかった。
「奏夜、お前も来い」
「嫌です」
僕は即答で断る。
「拒否権はない。さっさと来い」
「・・・わかりました」
僕もその場に立った。
「あ、塁。移動よろしく」
「前の所でいいですよね」
「ああ、そこでいい」
「わかりました」
僕らは能力戦の際に来たところに移動させられた。
「ここなら本気でやってもいい。殺す気で来い」
「死んでも恨まないでくださいよ、先生」
僕は見物しとこ。
「奏夜、お前もやれ」
ですよね。
「武器使った方がいいぞ。俺と蒼士両方持ってるし、出し惜しみなしでやるから」
「わかりました」
僕は懐からナイフを取り出した。
「そんな|鈍《なまくら》でいいのか?奏夜」
「お前ら如きこれで十分だよ」
僕がそう言い闘いの火蓋が切られた。
僕は真っ先に先生に詰め寄った。こっちを残すと後々めんどくさいからな。それに、こっちも出し惜しみなしでやる。
「先に先生を狙うのか。なら俺もそっち行こ」
蒼士がこっちにつき2対1になった。
「青二才が、それで俺に勝てるとでも」
「あぁ、絶対勝てるよ」
それにあんた一回僕に負けてんじゃん。
「|壱式《いっしき》”|懺雷《ざんらい》“」
僕はそう唱え、ナイフに電気を纏わせた。
「なんだ?お前のそれは」
「なぁに、ただの能力だよ。あんたらのより弱いがな」
僕はナイフを大きく振った。
「そんな大振り通用しない」
そんなことはわかりきっている。けど、これはブラフだ。本命は蒼士の攻撃だ。おそらく自身の能力を使って空中を歩いて背後へ回っていた。
「死なないでくれよ?先生」
蒼士は先生の首元へ刀身を振った。
「ぬるいな」
先生はそう言うと刀を槍で防いだ。めんどくさいな。
「‘顕現’〈零式〉弐ノ型」
僕は銃を精製した。
「先生、今の僕は前の僕より強いですよ」
そう言い僕は気配を消した。
「チッ、また消えやがった」
「あれ?奏夜、どこ行った?」
僕は蒼士の能力を|模倣《コピー》し、使った。あぁ、空気操作か。しかも、個体にも変えれる。僕は空中を走りながら、銃を放った。
「ッ!どこから撃ってきてる」
・・・・・・今更だけど、これクラスのみんなに見られてんだよな。さっさと終わらせるか。
「さっさと出て来い!奏夜」
僕は後ろに回り込み、先生の背中を殴り飛ばした。ドゴォンという衝撃音が響き、先生は気絶した。
「次はお前だ」
僕は蒼士くんの方を向いた。
「・・・先生倒れたしやめにしようか」
「・・・まぁ、そうだな」
僕らは戦いを放棄した。
「終わりだ。塁、僕らを教室に戻せ」
「OK」
僕らは教室に戻ってきた。
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #12
前回(数分前)、戦わされた。
「なぁ、先生気絶してるから授業どうする?」
|蒼士《そうし》くんが尋ねてきた。
「ちょっと待ってて」
僕は先生の頬を叩いた。
「さっさと起きろ」
叩いていると、先生が起きた。
「・・・あ?どこだ?」
「教室です」
「・・・なんでここにいる?」
「先生が気絶したから」
「あ〜、ん?」
「とりあえず授業してください」
「OK」
よし、これで授業が再開する。
「どこまでやったっけ」
「顕現をさっきやりました」
「なら、次は解放か。蒼士、できるか?」
「まだできませんよ。顕現も不完全ですし」
「あぁ。なら奏夜、お前は?」
「能力を知らないのにできるわけないじゃないですか」
「顕現使える奴が何言ってる」
あんたのをパクッただけに過ぎないが。
「じゃあ、今日は終わり」
おい、あと二限どうするつもりだ。
「・・・・・・」
「ドアの前におらずに入ってきてくださいよ。|小鳥遊《たかなし》先生」
潤先生がそう言うと、遥奈先生が入ってきた。
「別に盗み聞きしてたわけじゃないからね」
「どの口が言ってるんです?俺らが教室に戻った時点でいたくせに」
「うっ...、気づいてたか」
「逆に気づかないとでも?」
「気にしてなかったから大丈夫かなって」
「後の授業頼んでいいですか?」
「いいですけど、何すればいいですか?」
「やってないスポーツテストでもやればいいですよ」
「おっけ、わかりました」
「じゃ、あとよろしく」
そして、潤先生が出ていった。いざこざに巻き込んで、あんたは逃げんのかよ。
「じゃあ、...めんどくさいし塁くん、お願いできる?」
「いいですよ。グラウンドか体育館どっちですか?」
「グラウンドで」
「わかりました」
塁がそう言うと、僕らはグラウンドに移動していた。毎度のことながら便利な能力だな、空間移動。
「じゃあ、100m走やろっか」
疲れた状態で?嫌なんだが?
「えぇと、奏夜くんと蒼士くんジャンケンして」
僕と蒼士くんは手を前に出した。
「蒼士くん、僕はグーを出す。だからチョキを出してくれ」
「いいよ、けど後で一戦やらせてくれ」
「ならやらなくていい」
少し茶番を交えて、僕らはじゃんけんをした。
「「最初はグー、じゃんけんほい」」
出した手は僕はグー、蒼士くんはパーだった。
「うそ、だろ?」
「じゃんけんの運はすごくいいんだよ、俺は」
チッ、負けたのはしょうがない。素直に従おう。
「・・・あ、先生。一ついいですか?」
「なに?奏夜くん」
「僕と蒼士くん、一緒に走っていいですか?」
先生は一瞬キョトンとした顔をしたがすぐに返した。
「いいよ。勝負してきなさい」
「これで巻き添えだ。蒼士くん」
「余計な事しやがって」
そして僕たちは、スタートラインに立った。
「本気で走ってね?」
「大丈夫だ。勝負はいつだって本気で挑む」
ちょっとした雑談をした後、遥奈先生が言った。
「それじゃ、位置についてよーいドン」
先生の合図と共に僕と蒼士くんは走り出した。
結果、僕の勝ち!
「よっしゃ、勝った!」
「くそ、負けた」
「僕が負けるわけないだろ?」
「うるせぇ、無能力者」
「正確には能力者だから、無能力者じゃありません」
「なら、何の能力だ?言ってみろ」
「言うわけないじゃん。手の内明かしたら対策できるだろ」
「はいはい、喧嘩は終わり」
遥奈先生が仲裁に入ってきた。
「先生、記録何秒ですか?」
「蒼士くんは1.27秒で奏夜くんは.....」
「僕は何秒なんですか?」
「・・・0.94秒」
能力検査の時より早くなっている。よし、次は0.5秒台だ。
「1秒にも満たないってどんな筋力だよ」
「別に、ただの筋トレだよ」
・・・一部を除いて。
「まぁ、それぐらいないと潤先生にも勝てねぇか」
僕らはラインから出て、待機場所に戻った。次は、二位と三位の勝負か(100m走)。
「|紗《すず》ちゃんと|加奈《かな》ちゃん、準備いい?」
「いいよ」
「いいですよ」
「位置についてよーいドン」
二人はその合図に合わせて、走り出した。上位なだけあって速いな。そう思いながら見ていると、加奈が先に走りきった。
「記録、加奈ちゃん1.94秒、紗ちゃん2.01秒」
次々に走っていき、無事100m走は終わった。ちなみに|茲葉《ここは》は2.69秒だった。上位の人は速いな。・・・最下位が一番速いけど。
「他のをするか、寝るかどっちがいい?」
遥奈先生がそう尋ねてきた。そしてクラスのみんなは全員同じことを言った。
「「「寝る!」」」
「でしょうね」
そして、三限目はみんな寝て過ごした。
「・・・・・・」
#11.5
〜登場人物紹介〜 (一部修正)
異鐸魂影高等学校Bクラス
主人公
|永瀬 奏夜《えいせ かなや》
一位 |昼薙 蒼士《ひるなぎ そうし》
二位 |秋麗 加奈《しゅうれい かな》
三位 |藕舲 紗《ぐれい すず》
四位 |重 《かさね》|茲葉《ここは》
七位 |七瀬 塁《ななせ るい》
十八位 |相哉 有栖《あいかな ありす》
先生
|零成 潤《れいせい じゅん》
|小鳥遊 遥奈《たかなし はるな》
https://firealpaca.com/get/Jl9NAzEC
↑永瀬 奏夜のイラスト
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #13
さて、どうしたもんか。
現在、能力についての授業(座学)をしているんだが、いまいちわからん。何言ってるんだ?・・・あとで茲葉に教えてもらおう。
座学が終わる、僕は真っ先に茲葉の所に駆け寄った。
「助けて〜、茲葉。さっきの全然わかんなかった。ていうか聞いてなかった」
「授業は聞いとけ。特に座学はな」
「真面目ちゃんだからノートにまとめてるでしょ?」
「仕方ないのぉ、ほれ」
「やった〜、ありがとう」
よし、頭に入れ込もう。・・・あ、いいこと思いついた。有栖の能力を|模倣《コピー》して、それでこのノートを複製しよう。よし、できた。
「茲葉、ありがとう」
「ん?もう良いのか?」
「あぁ」
だって複製したもん。で、何書いてるかな。
ーーーーーー
能力の基となるもの→霊力
霊力とは
全ての人間に流れてるが、無能力者はそれを体感し使用することはできない。能力者は能力を使う際にそれを消費する。(一部例外)
能力の段階
⒈発動
手元でその能力を使用できる。しかし、人には使用できない。
⒉顕現
能力に合ったもの、もしくは自分の使いやすい武具を精製できる。
⒊解放
第一段階の時のより精度が上がる。他者と触れている間、他者も一部は使用可能。
能力の種類に関係なく使用できるもの
|霊壁《シールド》
自分の霊気を使用し、壁を作れる。
浮遊
ある程度上の者しか扱えないが、霊力を駆使してできる。やり方は知らん。
他にもあるが聞いてなかった。
ーーーーーー
わ〜、しっかり書いてある。&よくわかんねぇ。考えるのをやめよう。
「なにしてるの?」
「うわっ!」
びっくりした。振り返るとそこには序列二位の人がいた。名前なんだっけ?
「えぇと、名前なんだっけ?」
「し、失礼ね。私の名前は|秋麗 加奈《しゅうれい かな》、よろしく!」
「あぁ、よろしく」
そんな話したことないけど。
「何見てたの?」
「さっきの座学のまとめノート。兹葉から借りた」
「ざがく?なにそれ?」
え?何その反応。
「さっきの授業の名称。え、もしかして知らない?」
「うん、知らない」
う〜わ、ちょっとやばいやつだ。
「ねぇねぇ、君ってさぁ|蒼士《そうし》より強いよね?」
めんどくさいな。僕はそう思い気配を消してその場から離れた。
「あれ?消えちゃった。ま、いっか」
僕は気配を消しながらしばらく歩いていた。すると、蒼士くんが現れた。
「何してんの?んでもってなんで気配そんなに薄いの?」
めんどくさいの第二号が現れた。いや、こっちが一号であっちが二号か。どうでもいいんだけど。こんなくだらないことで使いたくないけど仕方ないか。
『|零屍氣《れいかいき》』
「あ?消えた。どこ行った?」
よし。先生も気づかないしあんたが気づくわけないよ。
どこまで移動しようかな。そろそろいいかな?めんどくさいのもいないし。僕は気配を戻した。
「うぉ!」
「わっ!」
すぐそこに茲葉がいた。びっくりした。急に現れんなよ。いや、それはそっちのセリフか。
「な、なにをしておる?」
「めんどくさいのから逃げてた」
「潤か?」
「違う奴」
「・・・頑張れよ?」
何の言葉だよ。適当に廊下歩いてるか。気配消して。
「・・・・・・」
・・・なんか寂しいな。誰も話しかけてこないし。気配戻すか。僕は気配を戻した。
「あ?何してんだこんなとこで」
うげ、めんどくさいの3号が現れた。
戦う
→ 逃げる
よし、逃げよう。僕は潤先生に背を向けその場を離れようとした。すると、急に肩に手が置かれた。
「お前今暇だよな?」
「暇じゃないです」
「ひ・ま・だ・よ・な?」
僕は逃げる。気配を0にして僕は視認できないほどになった。
「んなことしても無駄だよ。俺は今、お前の肩を掴んでんだからな」
・・・一発腹パンかましとくか。僕は先生の腹を本気で殴った。
「ゴフッ」
よし、逃げる。なんか吐いてるけど気にする必要ないか。
僕は先生を置いて教室に戻った。
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #14
・・・僕は今階段裏にいる。
何故かって?先生から逃げているから。
時を遡ること数十分前
「えぇ、明日明後日に何があるでしょうか?」
潤先生が開口一番にそう質問を飛ばしてきた。もちろん僕は知らない。
「クラス対抗能力戦」
・・・変なの聞こえたな。空耳ってことにしとこう。
「あぁ、そうだ」
肯定すんな、否定しろ。
「毎年恒例の夏のクラス対抗能力戦だ」
おい、“夏の”って言ったか?ということは冬もあるのか?僕はやらないよ?
「先生、今年はどっちのタイプですか?」
「全生徒が参加だ」
よし、当日休もう。絶対やらねぇぞ。
「奏夜、お前は絶対参加だ」
「嫌です」
「拒否権はない」
「絶対に嫌です」
「もう学園長にも話は通ってる」
「よし、学園長と話しつけてくる」
「ちなみに今日は学園長いないぞ」
「・・・チッ」
クソめんどくせぇ。
「一回霊力測定してみろ」
先生はそう言い何かの機械を取り出した。
「なんですか?この機械」
「霊力測定器だ」
「やる理由は?」
「対戦相手を決めるのに使う」
「なら僕は逃げる」
そして今に至る。僕はめんどくさいのに首突っ込みたくない主義なんでね。
「逃げても無駄だ」
「うぉ!」
急に後ろから声をかけられた。そして、反射的に腹部を殴った。
「ゴフッ、、」
「じゃあな先生」
僕は走って逃げた。向かった先に蒼士くんが立っていた。
「邪魔すんな」
「面白い方に傾く人だから」
『|零屍氣《れいかいき》』
僕は気配を完全に消した。
「チッ、前のと同じのか」
・・・このままずっと気配消してれば僕の勝ちじゃね?だって、これがわかんのはこの学校で一人しかいないし。そんなことを考えていると後ろから叩かれた。
「あだっ」
「あだっじゃねぇよ。なに気配完全消失してんだ」
「うるせぇクソ親父」
そこには僕の父さん、もといこの学校の学園長がいた。
「お前は何から逃げてんだ?」
「潤先生」
「なんで?」
「自分で考えろ」
言い合いしていると当事者の潤先生が来た。
「潤、俺の息子に何かしたか?」
「何もしてませんよ。ただ、霊力測定をしてもらおうとしただけです」
うわ〜、潤先生が敬語で喋ってる。
「奏夜見ませんでした?」
「ここにいるぞ」
おい、バラすな。
「え?どこですか?」
「ここだここ」
父さんは僕の持ち上げた。
「?」
わかってないじゃん。
「とりあえずこいつを教室に連れてきゃいいか?」
「はい」
父さんは僕を持ち上げながら教室に向かっていた。
「おいコラ放せ」
「黙れクソガキ」
「誰がクソガキだ?あ?」
「お前に言ってんだ」
(・・・声は聞こえんだけど姿が見えねぇんだよな)
教室に着いてしまった。
「よし、奏夜さっさとやれ」
チッ、父さんに急かされたら断れねぇな。僕は素直に従い測定した。液晶にはこう映された。
『霊力:測定不能
能力二種顕在』
スゥー、霊力は置いといて能力二種顕在の情報はいらなかったなぁ。僕自身それは知ってるけど周りに知られるとめんどくさいし。
「は?」
潤先生は驚いているが、父さんは誇らしげにしている。少しの殺気を除いて。
「奏夜、お前能力二個あるのか?」
「・・・・・・まぁ」
めんどくさいな。
「で、どうなるんですか?対戦相手」
「Aクラス一位とやらせようかな」
「は?なんて言った?」
「Aクラス一位とお前を戦わせる」
「Bクラス最下位の僕と?」
「あぁ、Bクラス最強のお前と」
変な肩書き付けんな。
「そっちより、霊力測定不能の方については?」
「霊力が無いのか機械が読み取れないほど強大か、のどっちかだ」
僕は前者であることを望む。強大だと色々とめんどくさい。まぁ、霊力がなくても|別の力《・・・》があるし。
「|月雲《つくも》とやらせるか」
「月雲?」
「Aランク二位の能力者、|夜桜《よざくら》 |月雲《つくも》」
「ちなみに潤先生より?」
「強い」
「・・・貶されてんのか?俺」
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #15
「全クラス能力戦が始まりました。今回は、全生徒参加型トーナメント形式になります。司会はこの私、|小鳥遊《たかなし》 |遥奈《はるな》が担当します。学園長、今回の見所は?」
「え〜、Bクラス最下位とAクラス2位の戦いですかね。ちなみに俺がトーナメントを設定しました。意義ないよな?」
「・・・あれがお前の親父?」
横にいる|蒼士《そうし》くんが尋ねてきた。
「・・・まぁ。けど血は繋がってないんだよね」
「確かに似てねぇな」
僕と父さんは血が繋がっていない。父さん曰く僕は捨て子だったらしい。そして、僕を養子として引き取った。名前は僕と一緒に保険証があったらしく、その名前をつけた。苗字も保険証ので登録しているため父さんと苗字が違っている。そもそも、その保険証が本物かどうかの真偽は知らない。
「最初の対戦相手はBクラス一位の|昼薙 蒼士《ひるなぎ そうし》VS.Bクラス二位の|秋麗《しゅうれい》 |加奈《かな》。ちなみに学園長、なぜBクラスの一位と二位が当たってるのでしょうか?」
「二位の方がそいつとやりたいって言ってきたから」
「ほお、なるほど。両者10分後にステージに来てください」
初っ端から面白そうな対戦相手だな。
「チッ、相手はどうでもいいけど初っ端からってめんどくせぇな」
「頑張れ、蒼士くん」
「あぁ、圧勝してくる」
そして、蒼士くんはステージへ向かった。
「両者、用意はいいですか?それでは、スタート」
蒼士くんと加奈の戦いが始まった。蒼士くんの能力は空気操作だったはず。加奈の能力はなんだろう?
ーーーーーーーー
「よう、加奈。序列二位の気分はどうだ?」
「うるさい!今日こそはあなたを超える!」
「できるもんならやってみろ」
こいつの能力なんだっけな?まぁ、俺より弱いから大丈夫か。それにこいつは基本的に自分の素の身体能力で戦うし。
「殺す気でこいよ。じゃないと負けるぞ?」
「言われなくてもあなたを殺す気でいく」
こいつのレベルを|視《み》ねぇと変に手出し出来ねぇな。こいつとて模擬練をしてるし。
十分な間合いをとった状態で考え事をしていると、加奈は空中で指を動かしていた。何してんだ?
そう思った瞬間、あいつの手に槍が精製された。あいつは顕現使えねぇはずだが、何をした?
「驚いた?そうだよね。だってあなたは|これ《・・》覚えていないし」
あぁ、本当に覚えていない。
「私の能力は|実現化《トレース》。描いたものをなんでも出せる。この世に存在しないものもね」
少し厄介だな。適切な間合いをとっとけば対処できねぇだろ。俺はそう思い間合いを取りながら考察していた。
あいつの能力の欠点はなんだ?
「考えながら戦うなんて余裕ね」
「あぁ、お前如き余裕だよ」
・・・チッ、考えても無駄だ。行動に移せばいい。
「‘|顕現《けんげん》’|蒼刀《そうとう》」
俺は刀を精製して、一気に間合いを詰めた。加減はいらない。刀を腕に向けて、放った。
「所詮その程度?一位は」
まぁ、ただの大振りはくらわねぇよな。どうしよっかな。刀だと間合いの取り方がめんどくさいし、もう一段階上げるか。
「蒼刀〈双刃ノ型〉」
俺は刀を短刀サイズにして両手に持った。・・・一本いらねぇか。奏夜がこれを好んで使用しているし。手に馴染む方を残して、もう一本は加奈に投げるか。
「やるよ、これ」
俺はそう言い加奈に向かって短刀を投げた。
「武器を捨てるなんてだいぶ余裕ね」
「まだ一本あるんでね」
俺は空気を足場にして、加奈の背後に回り、短刀に霊気を纏わせそれを振った。
「ッ!」
有効打にはなってねぇがダメージは入ったはずだ。
・・・あ!いいこと思いついちゃった。こいつが|それ《・・》に気づいてなきゃいいけど。
「ギア上げるぞ?」
どうやって|それ《・・》を当てるかだが、まず意識を逸らさないとな。
「ちょこまかと鬱陶しい!」
「うぉ!」
加奈が槍を俺に向かって放ってきたが、俺は間一髪避けた。
あぶねぇ、あぶねぇ。
・・・そろそろいいかな。
俺はちょっと前に投げた短刀を空気で持ち加奈に向かって放った。短刀は横腹を掠った。
「痛ッ」
体勢を崩した。よし、今の内にトドメを刺す。そして、俺は一気に距離を縮め腹部目掛けて殴った。
「ゴフッ」
加奈はそのまま項垂れた。
「お前は強いよ。けど俺のが上だ」
そして俺と加奈の戦いの幕が降りた。
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #16
「お前は強いよ。けど俺のが上だ」
蒼士くんの一撃で戦いが終わった。
「勝者、|昼薙 蒼士《ひるなぎ そうし 》!」
この戦いを見て僕は思った。
強い。蒼士くんも加奈も。多分、Aクラスの人たちはもっと強いのだろう。
さて、次は誰だろう?
「二回戦の相手は、こちら!」
先生がそう言うと、中央のモニターにこう映された。
『 二回戦出場選手
Aクラス 2 位 |夜桜 月雲《よざくら つくも 》
Bクラス27位 永瀬 奏夜』
・・・よし、帰るか。けど相手を無下にしたいわけじゃないしなぁ。
「頑張れよ?」
横を見ると、蒼士くんがいた。
「早いね、戻ってくるの」
「怪我はしてねぇから。まぁ、加奈はしばらく保健室だとよ」
「誰にやられたんだろうな」
僕は嫌味ったらしく言った。
「馬鹿にしてんのか?」
「してない、してない」
「それよりさっさと行ってこい。次お前だろ?」
「あぁ、そうだな」
僕はステージに向かった。
「両者ステージに上がりましたか?」
ステージの上には僕と対戦相手と思われる女子がいた。
「それでは、スタート!」
合図と同時に月雲はこちらに走り出していた。
「先手はもらった」
(相手の動きを読むより先に動く)
とか思ってんだろうな。
僕は横に少し避け、攻撃を捌いた。
「Aクラスなんだろ?少しは楽しませてくれよ?」
僕は挑発するように言った。
「いいよ。本気で戦ってあげる」
月雲はその言葉を言った。
「‘顕現’ |桜蘭《おうらん》〈月夜ノ型〉」
月雲の手には三日月の形をしたナイフが握られていた。
ん?月夜ノ型?また別の型もあるのか?そんなことを考えていると、詰め寄ってきた月雲が切りかかってきた。
「うぉ!あぶな」
僕は間一髪それを避けた。
さすがに能力を使用しないとやられるか。そう思い、僕は加奈の能力を|模倣《コピー》した。|実現化《トレース》だったか?描いたものを生成する。まぁいい。物は試しだ。
ペンどこやったっけな。あった。これをこうして、よし出来た。
「|実現化《トレース》」
僕がそう唱えると、目の前にゴーレムが現れた。もちろんさっき僕が描いたものだ。
「・・・なにそれ?」
月雲は口を開けてゴーレムを見ていた。
「ゴーレム。僕の能力で出したものだ」
正確には|模倣《コピー》した能力だけど。
「召喚系の能力か。そんなんで勝てるわけないよ」
「いや?勝てるよ」
僕はゴーレムを盾にしながら言った。
「ゴーレムを盾にして言われても」
一方その頃の観客席は、
「あいつなにしてんんだよw」
本当になにしてんだ?あいつ。多分勝てるんだろうけど、そんなんして大丈夫なのか?いろいろ。
「勝てると思うか?あれで」
俺は横にいる|茲葉《ここは》にそう聞いてみた。
「勝てるんじゃろうけども、大丈夫なのか?あいつ」
「多分大丈夫だろ」
多分。
・・・よく考えたらあの能力、加奈のじゃねぇか?だとするとあいつの能力は他人の能力を使用できる能力か?まぁ考えても意味ねぇか。どっちにしろ俺はあいつには勝てねぇし。
「さて、勝利の女神はどちらに傾くのか」
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #17
僕は今、Aクラス二位の|夜桜《よざくら》 |月雲《つくも》と戦っている。
現状はというと、月雲は顕現を使用し僕は加奈の能力を|模倣《コピー》してゴーレムを召喚している。客観的に見れば僕の方が劣勢に見えるかもしれない。けど僕のが優勢だ。
「ゴーレムが、鬱陶しい!」
月雲はゴーレムとひたすら戦っている。僕は座ってそれを見ている。
え?見ずに戦えって?やだね。めんどくさいもん。そもそもゴーレムを倒さない限り僕に攻撃は通らない。だってゴーレムが守ってくれるもん。
あ!いいこと思いついた。ゴーレム大量複製すればいいじゃん。
|有栖《ありす》の能力で、対象をゴーレムにして4体複製!
「わ!増えた!・・・おい!自分で戦え!」
「やだ。それにゴーレムに負けるくらいじゃ僕に勝てるわけないし」
「チッ、・・・能力使うしかないか」
月雲がそう言った直後に能力を使用した。そして僕はそれを見逃さず、すかさず|模倣《コピー》して使用した。
あ?なんだこれ。時空というべきなのか?あ〜なんとなくわかった。
時空移動。それが月雲の能力か。
けど、あっちの場合最善の道はこれしかないはずだがな。時間軸は弄れないだろうし。だって僕は相手の動きに対応して動いた。それ以外は多分、僕の方から動いているから負けているだろう。
僕はとりあえず戻ってきた。
「なに、これ?全部負けてる?」
ビンゴ!僕の予想は当たっていた。
「勝ちたいのならこれのままの方がいいぞ」
「・・・・・・」
どうしよう。とりあえずゴーレム解除しとくか。僕はゴーレムを消した。
「あんたの望み通り僕が相手してやる。少しは楽しませろよ?」
「やっとその気になった?ならあなたを殺す気でやる」
「殺せるもんならやってみろ」
そして僕は唱えた。
「‘顕現’零式」
手元にナイフが精製され、僕は月雲との距離を詰めた。
「せいぜい足掻けよ?」
僕は|空間移動《塁の能力》で背後に周りナイフを振り翳した。
キィン
ナイフ同士がぶつかり合い金切り音が辺りに響いた。
耳痛った。やべ、耳鳴りする。
「手加減してやろうか?」
僕はそう言って挑発した。
「バカにしてんのか?」
「バカにはしてない」
「おい、’バカには’ってなんだ」
「さぁ、なんだろうねぇ?」
そう会話を続けながらも僕らは戦っている。
さぁて、誰のをパクろうかな。蒼士の刀でもパクろうかな。刀と槍をパクるか。
『‘顕現’蒼刀type.zero&瀏槍type.zero』
本来の形ではなく、自分に合わせた形のを精製した。やりやすい。
「なに?それ」
「見ればわかんじゃん。顕現だよ」
「一人一つなはずでしょ?それって」
「そうだっけ?」
会話しながら戦っている。
次の手をどうするか。もう次で決めてもいいけどな。
「考え事なんて余裕ね」
「まぁね。絶対あんたには負けねぇよ」
「すごい自信ね。私にもそれくらいあったらよかったのに」
「だったら僕に勝って自尊心を保ったらいいだろ?」
「それが出来ないから、出来ないからこう言ってるんじゃん!・・・君の場合はそんなの関係ないもんね」
「だったら、そのあんたの思考を上書きしてやるよ。勝っても負けても自分が生きてりゃ別にそんなの関係なくなる。それに絶対勝つって思い込むことで生きてられる。どの時代もそうだった」
|今の僕《・・・》にしてはくさいセリフを言ったな。まぁ一応事実だし。
なんとなく僕の本来の能力がわかってきた気がする。けど、何かが足りない。何かが。今そんなことを考えていても無駄だ。
「あんたを倒して、あんたの思考を上書きする」
「なら、頑張って私に勝ってそうして」
そうなると、することは一つだ。月雲を倒しこいつの思考を変える。・・・一発で終わらすか。
僕は月雲の頭上に移動して、結構な威力で頭を叩いた。
「あっ、」
月雲はその場に倒れた。おそらく気絶したのだろう。
『えぇと、戦いは終わったってことでいいのでしょうか?それでは結果発表!勝者、Bクラス永瀬奏夜!』
遼奈先生がそう言うと、観客席から拍手やら歓声が飛んできた。
「奏夜!」
その声の方向を向くと蒼士くんと茲葉がいた。僕はそれに手を振って反応した。
さて、月雲を起こすか。
僕は月雲に近づき、とある能力を使用した。
「|全回復《フルリカバリー》」
僕がそう唱えると月雲の傷が癒えていった。ちなみにこれは誰かの能力を|模倣《コピー》したものだ。誰かは忘れた。
「ん、んぁ?」
「起きたか。月雲」
「あれ?何してたんだっけ?」
「僕と月雲の戦い」
「・・・あぁ、思い出した。で、結果は?」
「僕の勝ちだよ。それに約束したろ?僕が勝ってあんたの思考を上書きしてやるって」
「やってみなさいよ」
「あぁ。言葉であんたの思考を上書きする。・・・・・・今回のはあくまでただの競い合いだ。戦争とかで寝言は通用しない。生か死か、その選択が迫られる。そんななかで負けると思ったら負けてしまう。だから勝つって思わないといけない。なにがなんでも勝つって。それに、あんたは強いよ。僕が保証する。最後の一言だ。勝てる勝てないの問題じゃない。絶対勝つって思う心だ」
本当に臭いセリフだな。
「あはっ、私の負けね。何もかも」
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #18
「疲れた」
|月雲《つくも》との戦いの後、観客席に僕は戻ってそう呟いた。
「お疲れ」
蒼士くんが僕に声をかけた。
・・・それは煽りか?
「次、だれ?」
「次は、知らん奴同士の戦い」
「面白くないな」
蒼士くんと話していると、実況の声が聞こえた。
「えぇ、次の対戦相手はAクラス4位|杏羅宜《あんらぎ》 |麗《うらら》VS.Aクラス8位|瑠壊《るかい》 |凪《なぎ》」
実況とともにステージへ二人の人物が上がっていった。
---
めんどくさいな。
そう思いながらも俺はステージへ上がった。
相手は麗か。相性は良くも悪くもって感じか。
「それでは、バトルスタート」
合図と同時に俺は空を飛んだ。
「麗、こっちこいよ」
挑発するように言うと麗は指をこっちに向けて振った。その瞬間、俺に風が吹いてきた。俺は咄嗟に地面に戻った。
あぶねぇ、飛ばされるとこだった。
・・・よく考えたら避けなくてもよかったわ。
「なぁ、能力で戦わずに|霊具《れいぐ》で戦わないか?」
俺の提案に麗は答えた。
「いいよ。けど空飛ばないでね」
「わかったよ」
・・・どうしよっかな。飛ぼうかな。
そんな雑念を振り払い俺はその言葉を発した。
「‘|顕現《けんげん》’〈霙〉」
俺の手元には日本刀が出現し、俺はそれを掴んだ。
「じゃ、私も。‘顕現’〈夢〉」
麗の手元には、薙刀が出現した。
リーチとしてはあっちに分があるかな。
「俺から行くわ」
そう言いながら俺は麗に近づき首元目掛けて刀を振った。瞬間、麗は薙刀でそれを止め振り払った。
俺は追撃して次は足元を狙った。けど、俺の足は進まなかった。
よく見ると俺の足に植物の|蔓《つる》が絡まっていた。
俺はそれを能力を使用し解いた。正確には|消した《・・・》。
俺の足は踏みとどまらずに進み麗の目の前まで来ていた。その刹那、横から木が飛んできた。吹っ飛ばされたが俺は衝撃を消し去った。
チートだろ、その能力。ていうかその木、どっから持ってきた。
砂埃が舞う中、俺めがけて石の残骸が飛んできた。しかし、俺に当たることはない。能力を使用しているから。
どうしよっかな。全くやんねぇけど、|あれ《・・》やるか。ただなぁ、負荷がデカいからな。けど、勝つにはやらねぇとな。
「もう一段階いくわ。“解放”〈無零威神〉」
そう言った途端、辺りが薄暗くなり影に呑まれていった。
「ん〜。私もする。“解放”〈森羅万象〉」
やべぇ。
麗がそう言った直後会場の至る所に木々が生えた。けど、範囲を制限しているのかギャラリーの方には生えていない。
一方その頃、観客席の方では、
「急に暗くなったぞ!?」
「レベルが違ぇ。やばすぎだろ」
蒼士くんがそう言った。
「何の能力だと思う?」
加奈がそう話を降った。
「男の方はわかんないけど、女の方は自然を操る能力じゃない?」
「十分チートだろ、それ」
自然を操る。名称で言うなら〈|自然《ナチュラル》〉かな。活用するに十分な情報はあった。あとはどう使うかだけど、見て学習するか。
久しぶりの投稿!
曲パロで誤魔化してたけど久しぶりのシリーズ投稿!
頑張って書くので応援ください!
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が無双した結果 #19
|麗《うらら》も解放しやがった。
俺に分はまだあるのか?なさそうだが。
考えても無駄だ。動け。
「|染影《せんえい》」
そう言った直後、俺の体は影に沈んだ。
どこまで移動すっかな。麗の上空にするか。
そして俺は、麗の頭上まで移動して影から降りた。
「あなたどっから出てきてるの?」
とか言いながら薙刀ぶん回すな。
防御したがすぐに木による追撃が来た。
「んな物騒なもん飛ばしてくんなよ」
能力は使用せずに刀でそれを切り裂いた。
「刀で切れるんだ」
え?お前も薙刀で切ったことあるだろ?いや正確には割った、か。
「お前のそれズルくねぇか?」
「ズルじゃないよ。ちゃんと正規だよ?」
「そういう意味じゃねぇ」
制限時間あったけな。・・・なかったわ。
どうしよっかな。片鱗だけ使うか。
「耐えろよ?」
俺は能力を刀に纏わせ、それを構える。
『斬』
刀を振りながらそう唱えると、能力の斬撃が飛んでいった。
それは普通の人は見えない。だがあいつならギリ見えるだろ。
斬撃は麗の正面に向かって飛んでいっていたが間一髪避けきれ、後ろにあった木にあたり真っ二つになった。
「あぶなっ」
そりゃ危ないよ。当たったら当たった場所が消えるんだし。・・・普通に切れているだけかもしれないけど。
「こっちこいよ。なんだ?ビビってんのか?ひよってんのか?」
こん中にひよってるやついる?いねぇよな!
心の中で俺は付け足した。久しぶりにこれ言った気がする。もう流行りじゃねぇのか。時間が経つって早いな。
「バカにしてんの?」
「バカにはしてない」
「バカにはってなに?バカにはって」
「さぁ、なんだろうな?」
このやりとりさっきの戦いの時に見た気がする。
「出し惜しみなしで本気でやる。お前も本気でこいよ」
殺されそうな気もするが、俺はそう挑発した。
「いいよ。殺してあげる」
・・・殺すって言っちゃってんじゃん。
「んじゃ、先手は俺が打つ」
俺は刀を鞘にしまった。
「抜刀術・|霙《みぞれ》」
腰を軸に回転しながら刀を抜き斬撃を飛ばした。
「へぇ、強くなってんじゃん。それが私に当たるかな」
麗は木を持ってきてそれで斬撃を防ごうとした。しかし、木が切れそのまま麗めがけて飛んでいった。
「蔓で縛れるかな?」
多分無理じゃねぇか?
蔓で縛ろうとしたが、もちろん縛れずどんどん麗に近づいていった。
「・・・普通に避けるか」
そう言って横に逸れた。
俺はその隙を逃さず、間合いを詰め刀を振った。
「だろうね。そう来ると思ったよ」
麗は俺を挟んだ位置から木を俺に飛ばし薙刀を振った。
さすがに限界か。
「死ぬなよ?」
俺はそう言い能力を解放した。
「|失せろ《・・・》」
そう言った直後、あたりの木々、麗の武器が消え去った。
「お前は俺に対抗する手段はまだあるのか?」
「それが本気?」
「いや、もう一段階あるぞ」
あくまでハッタリだが十分効果はある、はず。
麗は手をこっちに向けた。
「降参。これ以上は身の危険があるし」
そう言って手を上げた。
「もうちょいギア上げれただろ?」
「ギャラリーがいる中でやるとマズいからね。あと、厄介なのが混ざっているから」
「厄介なの?」
「ま、そのうち分かるよ」
そして俺らの戦いの幕は降りた。
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #20
『勝者、|瑠壊《るかい》 |凪《なぎ》』
実況の声と共に歓声の声がステージに広がった。
「へぇ、結構使えるじゃん」
僕は思わず口角が上がっていた。
すると、蒼士くんが指摘した。
「お前、何笑ってんの?気持ち悪」
「気持ち悪ってなんだよ」
「そのまんまだよ。何笑ってんだ?」
「いや、こっちの話」
僕は少し頭の整理をした。
|消失《しょうしつ》 に |自然《ナチュラル》 か、使えるな。にしても、|自然《ナチュラル》の本領が発揮されてないな。本人が制限してんのか、器の問題か。どっちでも関係ないか。
僕は考え事を済ませ、現実に戻ってきた。
「で、次は?」
僕がそう聞くと茲葉が答えた。
「妾とAクラスの下の奴じゃ」
「名前は?」
「知らん。覚えておらん」
「・・・・・・」
「なぜ黙る?貴様が聞いてきたのだろ?」
「・・・・・・」
「なにか喋らんか」
「なんの話だっけ?」
「キサマ、一回殴るぞ」
「ごめんごめん」
「・・・妾はステージに行く」
「いってら〜」
ずいぶん拗ねてんな。じゃ、能力の観察といきますか。
---
なんじゃ、あやつ。自分から聞いてきて話をろくに聞かんとかモテんぞ。
今はそんなことは関係ない。目の前の事に集中すればよい。
『次の対戦相手は、Bクラス4位 |重《かさね》 |茲葉《ここは》VS.Aクラス17位 |氷上《ひのかみ》 |彩起子《さきこ》。
両者、ステージに上がってください』
そう言われた後、妾と対戦相手はステージに上がった。
『それでは、バトルスタート』
合図と同時に対戦相手の彩起子は手をこっちに向けながら走ってきた。
・・・前の戦いで凪がやってたみたいにできるかな?
そう思って自分にかかる重力を0にした。結果、浮いた。妾はやったぞ!
心の中で歓喜の声をあげていると彩起子の手元に氷が生成され、こっちに飛んできた。
「うぉ、あぶな」
「へぇ、避けるんだ」
間一髪避けれた。
速度を数値化するなら秒速10m以上か。・・・あぶなっ!
勝てるのか?妾はこやつに勝てるのか?能力差がありすぎる。
考えても意味はない。動いて勝てばいいのじゃ。
「|重力《グラビティ》・side」
そう唱えると彩起子は横にとんでいった。
「うぉっ」
勢いのまま壁まで飛んでいくかと思ったが、彩起子は氷で壁を作り、勢いを静止した。
「重力操作かぁ、ちょっとめんどうだな」
効かないのか。
「貴様はその程度の能力か?」
挑発するように彩起子に言う。
「ハッ、全力なわけないだろ」
これで全力なら妾よりも弱いことになるしな。
潰しにいくか。
「50%開放‘|反重力《アンチグラビティ》’」
自分にかかる重力を自力で操作できる範囲で反転させた。
「浮いたとしてどうするんだ?」
「ん?どうにもしないぞ?ただ移動を楽にするため」
「さて、どうやってお前を潰そうかな」
そう言った直後、距離を詰められた。
「不用意に近づいていいのか?」
妾は手を彩起子に向けた。
「次はどういった重力操作だ?」
「重力加重50倍」
彩起子の体重が50kgなら、今は実質2500kgの重力がかかっている。そんな状態で普通の人間が立てるわけがない。
「ぐ、なんだ?これは」
理解が追いついてないらしい。
「体が、重い。一体どうなってる」
「貴様にかかる重力を50倍にした。普通なら立てるわけがないぞ?」
まだ50倍じゃが、もっと加重も可能じゃ。
「ここから妾に勝てる自信はあるか?」
挑発を含めた笑みで妾はそう言った。
すみません、かなり間が空きました
能力が全ての世界で無能力で最弱な僕/俺が最強になって無双した結果 #21
「ここから妾に勝てる自信はあるか?」
挑発の笑みを浮かべ妾は目の前にいる|彩起子《さきこ》に向かって言い放つ。
「クソガキが」
「ガキは貴様もじゃろ?」
「黙れ」
彩起子は50倍の重力重力に耐えながらも立ち続ける。
普通にすごい。普通の人間ならこの時点で失神しているはずじゃが、こいつは意識を保てている。
「今の状態の貴様に勝機があると思うか?」
「あるに決まってんだろ。お前は所詮はBランクだ。Aランクの僕が負けるわけないだろ」
「顕現もろくに使えないくせに?」
「ならやってやるよ」
彩起子は見た感じ顕現を使用できる器を持っていない。ものによるが使用条件も存在する。
顕現は器を成して段階を踏まえた上で使用できる。それを飛ばして使用は不可能だ。
・・・一つの|例外《・・》を除いて。現時点でその|例外《・・》に当てはまる人物は二名いる。
そして、こやつがその|例外《・・》の枠に収まるとは到底思えない。実力も大してないし。
異能の暦で言うならば可能段階だあろうが実力がそれに伴っていない。
しかしそれは現時点でのこと。
妾との戦いにより進化し使用はできる可能性もある。
果たして、顕現を使えるのか。
「顕現〈| 氷杭 《アイスパイル》〉」
彩起子がそう言うと手元に氷の|なにか《・・・》が精製された。それは簡単に言うならば強化された氷でできた杭のようなもの。
・・・重力で粉砕できるかな?
所詮は強化された氷。脆いはず。
一回やってみるか。
「対象、氷杭。重力過重100倍」
そう言うと彩起子の手からそれは離れた。元が1kgなら今は100kgになっているからな。
そのまま地面へ落ちていき、砕けた。
・・・脆くない?
それはあまりにも脆かった。
「・・・?」
彩起子も理解できていない様子だ。それは妾も同じだ。
「え、何が起こった?」
「重力過重しただけじゃが?」
「何倍?」
「100倍」
「感覚的に元が2kg弱だったから・・・」
「200kg弱じゃな」
「?」
よくわからんw。
「で、どうするのじゃ?」
「と、投降で、、」
「本当にそれでいいのか?」
「そろそろ身体が限界で圧殺されそう(過重により)」
『えぇと、どうなったのでしょうか?』
「彩起子の投降によって妾の勝ちじゃ」
気に食わん結果じゃが勝ちは勝ちじゃ。
『勝者、重茲葉(?)』
---
相手の投降で茲葉の勝ちとなった。
お〜、思ってたより強いじゃん(茲葉が)。
てか、重力操作強くね?いくらでも過重できるじゃん。
そろそろ戻ってくる茲葉が頃合いかな?
「あ〜」
呻き声のような声を吐きながら茲葉が観客席に戻ってきた。
「おかえり〜」
「あ〜、わ〜」
疲労が限界を迎えたか。
「疲れてるなら休んどけよ」
「プライドが許さん」
「どんなプライドだよ」
話せてるってことはまだ元気か。
・・・この全ての試合で僕の使用可能能力が増えていく。
さて、僕を除いた中で最強は誰なのか。
一回データが消えたので少し時間が空きました。
能力が全ての世界で無能力者の僕/俺が最強になって無双した結果 #22
現在、別クラス同士の戦いも含め計7戦が終了した。
「見てる側はこれ楽しいな」
蒼士くんがそう呟いた。
「まぁ、それはそう。観客は楽しい」
「けど、ちょっと暇だな」
「だね」
なにかアクシデントでもあれば面白いのに。
「そろそろ次の対戦が始まるんじゃねぇか?」
「次は誰と誰なんだろうね」
『えぇ、お待たせしました。
今日最後の試合の対戦相手はBクラス6位 |藕舲《ぐれい》 |紗《すず》 VS.Aクラス7位 |紅坂《こうさか》 |涼華《りょうか》』
へぇ、次は紗が出るんだ。
「じゃあ、行ってくるね」
「がんばれよ」
何か胸騒ぎがしつつも紗にそう言った
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|こっち《・・・》で相手すると多分すぐ負けるだろうし、あの子と代わろうかな。
そう思い、あの子と人格交代する。
「はっ、あいつ自身が俺を外に出したか。まぁ懸命な判断だ」
口調はさっきと明らかに異なり、所謂俺っ娘だ。ちなみに男装には興味無い。
「さて、俺の相手はどいつだ?」
「おぉ、なんか雰囲気変わったね?」
あいつか。なんかめんどくさそうだな。それに嫌な予感がする。
『両者準備はいいでしょうか?
それではレディー、ファイト!』
なんかさっきから言い方変わってね?
合図と共にどこからか轟音が鳴り響く。涼華の方からじゃない。俺の後ろの観客席からだ。
その後、生徒の悲鳴と思われる声が聞こえる。何があった?
振り向こうとするも涼華に阻まれる。
「試合中だよ?よそ見してていいの?」
そう言いながら彼女は腰に掛けてある刀を抜き構えてくる。
代わって正解だったな。俺は刀に向け手を構える。そして唱える。
「‘壊れろ’」
その直後、彼女の刀は粉々に壊れた。自身の能力ではあるが実質の言霊だ。
次に地面に手を向け、地面を破壊する。
「そのまま落ちてけ」
刀を失った彼女に能力以外での勝機はない。
それより轟音の正体だ。早く確認を・・・。
「いやぁ、参ったねぇ。地面を壊して落とすとか思いもしなかったよ」
背後から声が聞こえた。さっき確かに落ちたはずだ。
「はぁ、ちゃんと相手しなきゃならないのか」
体術である空手の構えをし彼女に言う。
「さっさと済ますぞ」
---
数分前の観客席...
「何の音だ⁉︎」
瞬時に潤先生が反応し臨戦態勢を取る。
「はぁ、なんでうちらがこんな雑用しなきゃなんないの?先輩にやらせばいいじゃん」
「ノルは別の仕事があるって言ってただろ。ちゃんとやれ」
敵は今のところ2人。いや、もう少し奥にもう2人いる。そのうちの1人は知っている。
「潤先生、僕もやっていいですか?」
「あぁ、構わん。なんなら応戦してくれ。蒼士、お前もだ」
「あ、え?俺?」
急な名指しに困惑しつつも冷静に考え蒼士くんも構える。
「んじゃ、やるぞ」
「了解。潤先生と蒼士くんはその手前の2人を相手してくれ。僕は奥にいる2人を相手にする」
「あぁ、任せた。・・・え、お前1人で2人も相手すんの?」
「そうだ」
「ま、とりあえず死ぬなよ?」
「わかってる」
手前にいる2人を無視して奥に行こうとすると、敵の1人が話しかけてきた。
「俺らを無視して行こうなんざいい度胸じゃねぇか」
僕はそれに苛つきながらも皮肉を込めて言った。
「お前らじゃ弱いんだよ。だから雑用任されてんだろ?奥の奴の方がお前より強いからそっちに行くんだ」
「ごちゃごちゃとうるせぇ野郎だな。ぶっ殺してやるよ」
そう言いながら拳を振ってきた。単調な動き。避けるのは容易だ。けど、それじゃつまらない。僕はその拳を受けながし、そのまま一本背負いをかました。少し鈍い音が響いた。
「痛ってぇ」
その隙に僕は奥の敵に向かう。
「よぉ。名無し、だったか?」
「覚えていたんですね。ホッホ^^」
「なんか気味悪くなったか?」
「え、悪口ですか?」
・・・なんで敵とこんな会話してんだろ。
「おい、お前。私を無視するとはいい度胸じゃないか。なんだ?雑魚だとでも思ったのか?」
あ、ちょっと忘れてた。
「安心しろ。お前ら両方俺が相手してやる。所詮はその程度のレベルだろ?」
「言わせておけば、、」
さぁて、どうやって潰してやろうかな。
はい、ちょっとサボってましたw。