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目次
部屋の番号
出張で地方都市のホテルに泊まったサラリーマンの健太。 フロントで鍵を受け取ると、部屋番号は「404」だった。
(なんだか不吉な番号だな)と思いながらも、部屋に入ると、意外と清潔で快適だった。
夜も更け、風呂に入り、就寝しようとしたとき――部屋の内線が鳴った。
「……はい」
何も聞こえない。 無言のまま、電話は切れた。
その直後、部屋のドアが、ノックされた。
「フロントの者ですが、少々お時間よろしいでしょうか?」
健太がドアを開けると、誰もいない。廊下は静まり返っていた。
不気味に思い、翌朝フロントで事情を話すと、受付の女性が困ったような顔で言った。
「お客様、昨晩はどちらにお泊まりでしたか?」
「404号室です」
彼女は数秒黙ったあと、小声で言った。
「……お客様。404号室は、4年前に自殺があった後、封鎖されたままでございます。今も鍵は保管庫の中にあります」
健太が持っていた鍵――それは、フロントが渡していない“はず”のものだった。
あ、過ぎてる(毎日投稿が)まいっか
いいねが消えた日
大学生の亜美は、日常を切り取ってSNSに投稿するのが日課だった。 カフェで撮ったラテ、友達とのプリクラ、自撮り。彼女の投稿はいつも「いいね」で溢れていた。
そんなある日、彼女は何気なく“鏡越しの自分”の写真を投稿した。 タイトルは「眠れない夜、鏡に話しかけてみた」。 投稿直後、異変が起こった。
最初は「いいね」の数が極端に減った。 次第にコメントも消えていく。
「写真、ちょっと変じゃない?後ろに誰かいる?」 そんなコメントも削除されたかのように見えなくなっていった。
翌日、彼女は通知が止まらないスマホを確認して青ざめた。
“あなたの投稿は規約違反のため削除されました”
理由は「不適切なコンテンツの共有」。
でも、写真はただの自撮り――のはずだった。
彼女は改めてその写真を見返す。 鏡の中の自分。その隣に、知らない顔が“鏡の外”に写っていた。 それは、自分の部屋の中にはいないはずの、黒い服の男。
彼女は怖くなって過去の投稿をすべて削除した。
しかし、翌朝、彼女のSNSは“別のアカウント”にすべて復元されていた。
そこには新たな投稿がひとつ。
“次はもっと近くで撮るね”
その投稿は、自分が寝ている姿を、真上から撮った写真だった。
これが意味怖なのかいまいちわからない