連載小説第二弾です。第一弾と比べかなり厨二要素が強いです。
あと、多分グロ表現あります。それでもよろしければ、ぜひお楽しみください。
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目次
𝑃𝑟𝑜𝑙𝑜𝑔𝑢𝑒
20□△年、深夜。
俺は暗闇に覆われた部屋の中央に立っていた。
目の前には、禍々しく光る魔法陣があった。
魔法陣は紅く輝いている。
青年「これでいいんだな…」
俺は用意していたナイフを手首に当てる。
そしてそれに思い切り力を込めた。
**ズブッ…**
__ポタポタポタ…__
手首から血が溢れ出す。
俺はそれを、魔法陣の前へ突き出し、ナイフを魔法陣の中央へ投げた。
すると俺の血を受けた魔法陣は、歓喜を示すかのようにさらに光を強めた。
俺はゆっくりと目を瞑る。
爛れた左目の傷痕が、あの時の苦痛を思い出させた。
---
--- *「全てはあの方のためなのですよ。」* ---
--- *「あなたは穢れています。存在自体が罪なのです。」* ---
--- *「あの方が全てです。あの方が我々をお救いになります。」* ---
--- *「ああ、神々よ。どうかこの哀れな穢れし者に天誅を…!!」* ---
いたい…
苦しい…
なんでこんなことするの…?
僕はなにもしてない…
返してよ…
家族を返してよ…
友達を返してよ…
みんな返してよ………
許さない。
絶対に許さない。
殺してやる。
呪ってやる。
俺が死んでも呪い殺してやる。
地獄をみせてやる。
---
俺はゆっくりと目を開けた。
あの日から、俺は一度たりともあの痛みを忘れたことはない。
俺はあの日から、ずっと決めていた。
`いつかあいつらに地獄をみせると。`
俺は息を深く吸った。
そして、一言一言、ゆっくりと唱えた。
--- *`「|𝔇𝔞𝔯𝔨𝔢𝔫𝔢𝔡 𝔭𝔢𝔱𝔞𝔩𝔰, 𝔟𝔩𝔢𝔢𝔡𝔦𝔫𝔤 𝔯𝔢𝔡.𝔄𝔴𝔞𝔨𝔢 𝔱𝔥𝔢 𝔭𝔞𝔠𝔱, 𝔫𝔬 𝔩𝔬𝔫𝔤𝔢𝔯 𝔡𝔢𝔞𝔡.《暗き花びら、紅に染まり。契約を目覚めさせ、死にあらず。》」`* ---
***バッッ!!***
その瞬間、魔法陣が突然強く光りだした。
暗かった部屋が禍々しい光で満たされていく。
密室に風が巻き起こり、思わず目をつぶってしまった。
青年「……っ…」
やがて風も光も闇に呑まれ、静寂が帰ってくる。
俺はゆっくりと目を開ける。
青年「………」
そこには、明らかに異様な光景が広がっていた。
紫の炎が灯る無数の蝋燭。魔法陣の上に蝋燭と共に浮かぶ大きな玉座。
そして、その上で足を組んでいる小さな少女。
俺は驚かない。
そんな感情は、あの時全て捨てた。
この先の俺の人生で不要なものは全て捨てた。
その少女は俺を一瞥し、口を開いた。
***`少女`「…この`大悪魔`である私を呼び起こしたのはお前か?」***
青年「ああ。」
見た目とは裏腹に、重くのしかかるような重圧感のある声だった。
いや、実際は女児の声なのだが、どこかに恐怖を掻き立てるものがあった。
*`少女`「私を呼んだということは、よほどの願いがあるのだろう?」*
青年「そうだ。」
*`少女`「…では、先に《《代償》》をいただこうか…」*
***ブチッッッ!!!***
よろっ…
少女がそう言った瞬間、俺の身体は大きく傾いた。
*ドサッ……*
俺はそのまま地面に倒れる。
身体を見ると、俺の左足がなくなっていた。
引き千切られたような痕から血が溢れ出ている。
俺は前を向く。
そこでは少女が俺の左足を片手で掴み、笑みを浮かべてジロジロと俺を見ていた。
少女は暫く俺を観察したのちに、不思議そうな顔になり口を開く。
*`少女`「なんだ?痛がらないのか?悶えたり泣き叫んだりしないのか?」*
青年「そうすれば俺の望みが叶うのか?」
***`少女`「……はははっ!お前既に頭がイカれているなぁ!!?」***
少女は部屋中に響くような声で笑った。
ひとしきり笑った後、ゆっくりとこちらを向き直した。
*`少女`「面白い。気に入った。この私がお前の望みを叶えてやろう。」*
青年「気に入ってなかったらどうするつもりだったんだ?」
*`少女`「ここでお前を殺すまでだ。」*
その時の笑みは、恐らく俺でなければ震え上がるような不気味な笑みだった。
しかし俺は、もう『生』などどうでもいい。
ただ、望みを叶えたいだけだった。
*`少女`「言え。何が欲しい?富か?権力か?それとも永遠の命とでも言うのか?」*
青年「そんなくだらないものいらない。」
*`少女`「…ほう?では何が欲しいんだ?」*
青年「…俺は……」
俺の未来を自らの欲のために消したあいつらを。
俺の幸せを奪っていったあいつらを。
俺の全てをブチ壊していったあいつらを。
**青年「…あの屑共に地獄以上の地獄をみせてやれる力が欲しい。」**
** 「あのニヤニヤした気色悪ぃ顔面をぶっ潰せる力が欲しい。」**
** 「あいつらの言う『神』とやらをブチ殺せる力が欲しい。」**
*`少女`「……ははっ…なかなか興味深いことを言うなぁ…」*
青年「そうか。」
*`少女`「いいだろう。名乗れ。お前の名前はなんだ?」*
青年「《ルーカス・グレイ》だ。」
*`少女`「そうか。《べルリア・アリス》だ。よろしくな、`ルカ`。」*
ルカ「`ベル`か。」
ベル「大悪魔にあだ名とは、やはりお前イカれているな。」
ルカ「恐怖心も畏敬の念も俺にはもうないからな。」
そんなことを話していると、突然視界が歪んだ。
どうやら出血量が多すぎたらしい。
手首に加え、足が千切れているのだ。当たり前のことだ。
ベル「安心しろ。私もその話を詳しく聞きたいからな。ここでは死なせない。」
ルカ「そうしてもらわないと困る。」
俺はそう言い残して目を閉じた。
---
この日から、俺の復讐劇が幕を開けた。
ルーカス・グレイ
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ベルリア・アリス:
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