大人に指図され同居することになった”H””RIA””ナナセ””冬”
軽々しく”シニタイ”の言葉が飛び交う世界で息苦しい毎日を生きていく小さなお話。
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目次
軽々しく人は“シニタイ“と。 ぜろ
「しきたい」
「きえたい」
どこからか流れてくるその言葉。
「自殺してくる」
「誰か殺して」
なにそれ、じゃ一回死んでみなよ。死ぬ勇気なんてないくせに。
ねえ、
「誰か教えてよ」
わたしはだれなんですか?
*
「……莉杏ちゃん」
「なに?」
「本当に帰る場所、ないの?」
「……あったらお世話になってないよ」
ああ、わかっている。
あたしの居場所なんてない。とうの昔に消えた。
ねえ、
「もうわかんないんだよ」
何が正解?何が不正解?
*
「相談があったら遠慮なく言ってね」
「……じゃあ相談です。私は生きていていいですか?」
「そんなの決まっているじゃない!人間は生きるために生まれたんだから!」
なにもわかっていない。なにも私のこと、わかっていない。
ねえ、
「たすけてよ」
もう歩き疲れたの。もういいでしょ?
*
「遠慮しないで」
「私は大丈夫だよ」
口から出る嘘。吐き気がする。
もう嘘はつきたくない。でも嘘をつかなければ生きてはいけない。
ねえ、
「私を誰が守ってくれるっていうのよ」
ほら。じゃあ、もういくしかないよね?
*
軽々しく人は”シニタイ”という。
わかったようなふりして「私もシニタイ」と平気で言う。
そうして今日も、
「たすけて」
とは言えないまま。
軽々しく人は”シニタイ”と。 いち
星野 灯色
この文字を見るだけでなぜか吐き気がする。自分の名前。それだけなのに、どうしようもない不快感が私を襲うのだ。
まず、星野という苗字。あの親と同じ呼び方をされるだけで体が拒否反応を起こす。一生独身でいるつもりだが、苗字を変えられるのならすぐにでも結婚してしまいたい気分だ。
そして、灯色、という名前。
『なくなった貴女のお姉ちゃんの名前よ』、と、母親は私を諭した。
まるで、灯色という名前をつけることで、私を私の姉と同じに仕立て上げるように縛り付けるみたいに。
まるで、呪いをかけるみたいに。
貴女のお姉ちゃんはもっと優秀だったのよ、と。
貴女のお姉ちゃんは理系じゃなくて文系だったのよ、文系になりなさい、と。
またあるときは、なくなるのがひいちゃんじゃなくて灯色だったらよかったのに、と。
「……しらないよ」
私は誰?私の本当の名前は……何?
*
ネットに流れる”シニタイ”の文字。
簡単に”シニタイ”と歌詞に入れるアーティスト。
全てにイライラとする。目を塞ぐ。耳を塞ぐ。そして、塞ぎ込む。
こんな自分に存在価値なんてきっとなくて、いつしか自らを傷つけることに自己満足していて。すぐ飛び降りてすぐ薬を飲んで、そして、両親は何も言わなくなって。ただ、迷惑そうに札を出すだけで。
「……」
やっと登れた、廃ビルの頂上。
見下ろしたこともない高さに立つ。
古びた手すり。私は躊躇いなく、手すりに足をかけ、飛んだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
みはなだです!
前は「だめだ私がシリアスな雰囲気壊しちゃいけないだめだ自制しよう」ってあとがき的な何かを書くの頑張ってやめたんですよね。でもね、難しいんだなそれが()
今回Hちゃん編ですね。いやー、見事に自殺だ()大丈夫です死にません。次はRIAちゃん編です!
そうそう爽夢向日葵様からファンレターを合計4つもいただきました( ;∀;)本当に感謝です!これからもよろしくおねがいします!
そう、どうでもいいんですがね、わたくし「ピグパーティ」ってアプリで「あや」という名前で色々やってるんですよ。お絵描き投稿したりとか。それでこの”H”ちゃんと”RIA”ちゃんと”ナナセ”ちゃんと”冬”ちゃんのイメージ絵を投稿しましたのでよかったら覗いてみてください!タグは「#短編カフェ」とつけてありますので検索すれば出てくると思います。このタグ使ってるの多分私だけなので。(乗っけてなかったらすいません💦4月30日までには載せておきます!)
はい。めちゃくちゃ宣伝して長くなりました。それではー、次回えっと2週間以内には投稿します!
追記:ごめんなさいねこねこさん。文章の書き方からしてねこねこさんが書いてくださったのかと思ってましたが爽夢向日葵様が書いてくださっていました!本当にごめんなさい。あれですね、あの調子に乗って一気に書いた「死にたいとか消えたいとか、」のファンレター書いてくださっていた方ですよね。あれ爽夢向日葵様だったんですか……!訂正しておきました。本当にすいませんでした!それでは!
軽々しく人は”シニタイ”と。 に
ひゅー。
風が吹く。髪を靡かせる。私は後ろを見る。
ひゅー。
風が吹く。頬を掠める。どこか痛いような冷たさ。
ひゅー。
風が吹く。私を嘲笑うように。勝手な妄想を広げる。
ひゅー。
ひゅー。
痛い、風はやまない。
*
居候を初めて早3ヶ月。時がたつのは早いもので、私は放課後閉店までの時間働くことを条件に、ファミレスの休憩室に寝泊まりさせてもらっている。
「あら、莉杏ちゃん。ところで親御さんとはどうなったの?」
「……あはは、それが、上手くいかなくて」
「そう。……早く、ここから出れるといいわね?」
常連の家族の母親を適当にあしらう。お辞儀をして見送ってから、声を漏らした。
そんなこと、
「わかってるよ……」
わかっている。私の存在はここで迷惑でしかない。接客は苦手なままだし、そして、働いている人にとっても休憩室が一部屋乗っ取られていることは鬱陶しいだけである。
「……だって、あっちには居場所がないんだよ」
「莉杏ちゃーん!お客さんお願い!」
「……はい、今いきます!」
*
学校へ行っても居場所はない。人付き合いが苦手で話すことも得意ではなく、自然と友達も消えていく。
家に帰っても居場所はない。あそこに私を歓迎する人はいない。
少し前までは、一つだけ居場所があると思っていた。まぎれもない、ここに。私を入れてくれた店長さんがいるから、まだ、生きていてもいいと思った。
「なにそれ、滑稽すぎて笑える」
1人、自嘲の笑みを。
*
シニタイ。シニタイ。ああ、うるさいほどにその言葉は絶えない。
シニタイ。シニタイ。どこかでまた誰かが呟く。
シニタイ。シニタイ。
「もう、しんじゃいたいな」
自分の口から出たのは、今までずっと避けてきたはずのこの言葉。
私は、25時の空気を切って、当てもなく走り出した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
こんにちは最近なんだかんだ人生が楽しいみはなだです。推しが尊い毎日。楽しい学校。そして、地獄のような塾の宿題(訪れる現実)。
さて、今回はえとなんだっけな、そうそうRIAちゃん編ですね。この子一番闇浅めなんですよ。うん。
それではー誰も望んでいない主の近状報告コーナー。ぱちぱちー。うわー22時にこれを1人で書いてる自分悲しすぎる。
さて、わたくしちょい前にテラーっていうチャット系小説投稿サイト(かなり有名)に手を出しました。垢作りました。いっぱい性癖丸出しの小説書きました。塾の宿題を放棄しました(おい)。
なのですが、たくさんの方が読んでいるっぽいことを知り、急に謎の恐怖が湧き上がり(?)現在なにも公開出来てません。短編カフェくらいの隠れ家的小説投稿サイトのほうがまだ性に合ってますね。いつもありがとうございます運営様。
はい、これだけで368文字行きましたね(小説書く気わかなくてこれ最初に書いている人)。このへんで自制しますそれでは!
長々と読んでくれてありがとうございます(雑談で現在460文字)。
軽々しく人は”シニタイ”と。 さん
こんにちは。ついにまえがき機能が…!運営様大好きです(突然の告白)
さて、今私の隣におなじみAちゃんがいます。わたしと私。の二章目を手伝ってくれてる聖母Aちゃんです大好き(告白Part2)
まえがきに書くことがなさすぎてAちゃんになんか書く?って聞いたら秒で断られた。本編へどうぞ!
夜を照らす街灯。どこかに消えた人の声。
風に揺れるぶらんこ。かさかさ音を立てて流れていくビニール袋。
人の気配を感じさせない、この街の夜が小さな頃から好きだった。
まるでこの世界にひとりだけになったみたいに、心地の良い孤独を感じられたから。
人と接するのが怖くて。誰かと喋ってしまうと必ず傷つけてしまうと思い込んで。傷つけることが、傷つくことが恐ろしくて仕方がなくて。
だから、外に出られるのは夜だけだった。
わたしの住む街ではないところ。
誰もいない廃街のようなこの街が、わたしは大好きだ。
*
今日も誰か知らないカウンセラーと名乗る人が来た。
人と会ってしまうと、話してしまう。駄目だと頭の片隅でわかってるのに、誰かの胸に顔を埋めて大声で泣きたいと思ってしまう。
そしてまだ、わたしは誰かを傷つけていく。
人を前にすると、頭が真っ白になって、意味のわからないことばかり口走ってしまって。
ずっと独りで生きていきたいな。
でもそれは許されないみたい。じゃあ、
「しんじゃいたい」
*
「ゆゆ@死にたい消えたい」
「めんだこ*絶賛病み期誰か殺して」
ネットの書き込みで、様々な形の「シニタイ」が見つかる。
軽い気持ちで「@死にたい」をつけたり、死にたいという題名をつけたストーリーを公開する。
馬鹿馬鹿しい、と思った。
軽々しくシニタイと言葉を呟く人たちが認められなかった。
だから、その言葉は心の奥底に閉まって。見えないくらいずっとずっと、奥底に。
でも自らがその言葉を徐々に掘り返していく。見ないふりをしても、その言葉はわたしのすぐ目の前に。
「シニタイ」
嫌っていたはずの言葉が、ぽつりと溢れた。
*
その日、ある病院に小さな背丈の少女が運ばれた。
少女の両親は泣いた。もうこの子の親を続けるのは無理だと。
行き場をなくした少女は、意識が戻らないまま行き場を決められた。
自殺未遂を起こした少女らをまとめて同居させるプロジェクトに、参加させる、と。
やっと書き上げました(泣)書き始めたらあっという間ですね。でも書くまでが長いんですよね私の場合((
一昨日Aちゃんとオンラインで話してたら「そういえば明日小説投稿すんじゃないの?」って言われたんですね。ええ。
……いやすっかり忘れてたんですねええ←
ということで塾に行った後泣きながら書きました。楽しかったけどね(なんなんだ)
違うんですよ!ちゃんと言い訳があって!仲良しの小説書きネッ友がいるんですけどそいつがなんか急に病んだんですよ。一応書けないとき慰めてくれた方なので相手してたら(言い方悪すぎる)時間が立っていました。すいませんでした(土下座)ちなみにネッ友は回復してます。
さて次は2022/05/20までには投稿できるといいなぁ…?って感じです(締切破り常習犯)「軽々しく人は”シニタイ”と。」よろしくおねがいします!
軽々しく人は”シニタイ”と。 よん
こんにちはああああみはなだです。
まず謝罪と感謝をっ......!
更新おやすみしていてすいません!アンチ心配してくださった方が予想以上にいっぱいいてめちゃくちゃ申し訳ない気持ちになりました...。ちなみに、アンチがきたサイトはやめました。もうなんかめんどくなって(なんなんだ)短編カフェでこれからも書き続けたいなって思っています!
2週間とかなんとか言ってましたがファンレターが絶えず送られてきてもうこれ泣きながら書きましたねはい(なんなんだ)みなさんから頂いたファンレターが気づかないうちに23通突破してたし!!泣きましたね!!はい!!ずっと読んでくれた人がいたんだってことに感謝しかないです。これからもよろしくおねがいします!
はい1週間前にはぎゃあぎゃあ言ってたくせにファンレターで立ち直る単純なみはなだからお送りしました。それでは、やっと一区切りついた4話どうぞ。
「素直」「純粋」
そんな言葉を聞くたびに、罪悪感に苛まれていたあの頃。
……馬鹿みたいだったあの頃を捨てて。
*
オルゴールが好きだった。
なぜかは、自分でもよくわからないけど。小さな箱から音が飛び出してくる感じが、とっても素敵だと感じたから。
ネジを回すまではなにがでてくるかわからない。わくわくしたし、オルゴールの音色が単純に好きだったから。
オルゴールは部屋に並べられている。
茶色い木箱からプラスチックの安っぽいものまで。全部、それは私の宝物。
「……」
ベッドに寝っ転がった。
黄土色の木箱を手に取った。
ネジを回した。
不安定で規則性のないメロディが、流れた。
「……」
不安を煽るような音程。もやもやとするリズム。全て、人々が顔をしかめるような”不良品”のオルゴール。でも、このオルゴールが一番好き。
綺麗な音色で、安定感のあるメロディよりは寄り添ってくれるような気がする。から。
*
生きることは難しい。そう嘆く人もいるが、生きることなんて簡単なことだ。飲んで、食べて、排泄すれば人間何十年も生きられる。
……まあ、そんなことを言いたいわけじゃないと思うけど。
取り繕えば、簡単に上手く生きられる。
嘘を吐けば、嫌な自分ではなくなる。
嘘は、自分を守ってくれる保護具。
上手く取り扱えば、武器にも、なるのだ。
*
「冬ちゃんって、」
「如月さんって、」
「冬乃ちゃんって、」
「”いい子”だよね」
「……っ、」
耳をふさいで、そして、
「ばいばい……っ」
嘘だらけの人生にさよならを告げて。
*
「ねえ、あなた起きてる?」
「んっ……?」
金髪の少女が、目に入った。
周りを見渡す。そして、頸をかしげる。たしか、死んだはずなのだが。
「うん、起きてる」
「やっと全員起きたー!あなたの名前は?」
「え……?」
なまえ。ナマエ。名前。そう、名前。
……なんとなく、本名を明かすのは嫌で。
「”冬”」
「ふゆ?」
「うん」
「わたしは、”りあ”」
「りあ……」
「冬が呼ぶと英語の”RIA”に聞こえる」
”RIA”は笑った。屈託のない、笑い方。
「こっちの子は、”H”と”ナナセ”」
「よろしく、ね」
状況を上手く理解できずに、言葉を発する。
長髪の少女。小さな背丈の少女。そして、目の前の金髪の少女。
……なにがあったのかは、よくわからないけど。とりあえず、死ねなかったことだけは理解できた。
うわあああああ(?)
続き書きたくて仕方ありません多分めっちゃ早く投稿しますそれではああああああ!