SnowMan 短編集
編集者:月光
今やアイドル界を牽引する、トップアイドルのSnowMan。
そんなSnowManだって、人間だし………?
SnowManさんの短編集です。
ご本人様には関係ありません。
体調不良(病系)などが中心です。
ーーー
パクリとかじゃないです‼︎
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目次
mm.1
一応練習って感じです、、、
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目黒side
蓮「はぁ…」
思わず溜め息を吐く。
今日の朝からずっと体調が悪い。
あたまが痛い。
なんかふわふわするし…
だるい………
早朝からのドラマの撮影はなんとか気合いで乗り切ったけど。
次は新曲の振り入れ。
今、やっとレッスン室に着いた。
ガチャッ
蓮「おはよ〜」
SnowMan-蓮「おはよー‼︎」
うぅ、、、
みんなの声が頭に響くんだよなぁ………………
蓮「…あれ、今日は振付師さんいないの?」
照「うん。今回は俺が振り付け担当したから」
蓮「あー…」
照「あと、めめごめん。来てくれたばっかりなんだけど、確認したいことがあるから、もう始めちゃってもいい?」
蓮「ぇ………あ、うん、いいよ?」
照「ごめん、ありがと‼︎じゃあ始めるぞ〜」
はぁ…
最悪だ。ちょっと休もうと思ってたのに。
仕方ない。
頑張るか………。
ーーー
はぁ、はぁ、、、、
まじできつい。
そろそろぶっ倒れそう。
時折、目の前が霞んで、俺の平衡感覚が奪われそうになる。
照「めめー、そこ手が逆ね」
蓮「あ、ごめん………」
その上ミス連発。
あまりのミスの多さに…
辰哉「大丈夫か〜?」
涼太「ちょっと休憩入れる?」
照「めめ大丈夫?休む?」
みんなに心配されてしまう始末。
蓮「うん、ちょっと疲れてるだけだから大丈夫。続きやろ」
照「…そっか。無理はすんなよ?」
蓮「うん」
また振り入れの続き。
なんだけど…
今度は本格的にやばいやつ。
頭痛、倦怠感、悪寒、吐き気、、、、
息切れも酷くて、本当に倒れる気がする。
あ………やばっ、、、、、
ふらっ…ばたん‼︎
「「「「「「「「え…⁉︎」」」」」」」」
mm.2
※シェアハウス設定
目黒side
「あ…」
目の前で倒れた康二。
蓮「こーじ、、、、⁉︎」
翔太「康二、ずっと体調悪かった?」
亮平「体調悪かったの?」
康二「ごめんなぁ、、、、ちょっと、、、だけ、、、、、、、、」
ラウ「こーじくん…………」
あぁ………まずい。
どうしよう。
康二が倒れた以上、俺が倒れる〜なんて馬鹿なことはできない。
体調不良だってこと、隠さないといけないじゃん。
そう思ってた矢先、
照「めめ、医務室行って体温計とかそういうのもらってきてくれない?」
と言う岩本くん。
よりによって遠くまで行かないと行けないやつじゃん…
最悪。
照「めめ?聞こえてる?めめ?医務室…」
蓮「…あ、ごめん。行ってくるね」
ふらふらする体のまま、医務室へ向かう。
ガララッ
蓮「すみませ〜ん、体温計とかください」
看護セットを手渡される。
蓮「ありがとうございました」
やばい………倒れそう。
でも、倒れたら迷惑かかっちゃう…………
近くにあったベンチに倒れ込むように座って、休憩する。
…康二、スポドリ欲しいかな。
そう思ってそばの自販機でスポドリを買う。
あーあ。なんで康二と同じタイミングで体調悪くなるかなぁ。
気づいたら涙が零れ落ちていた。
…精神的にも弱ってんのかな。
…行かなきゃ。
涙を袖で拭く。
ゆらりと立ち上がって、さっきのレッスン室に倒れそうになりながら入る。
蓮「ただいまー、、、」
康二「めめ、、、ありが、とな、」
蓮「あー………ううん、いいよ、、、」
みんながバタバタし始める。
康二の体温測ったり、冷えピタがどうのって騒いだり。
俺は何もする事がなく…っていうか頭が追いついてなくて。
ただぼーっとしてるだけ。
ラウ「めめー?手伝って〜?」
蓮「あ…」
翔太「…めめさ。さっきも遅くなかった?」
涼太「…」
蓮「ふぇ、、」
照「たしかに。何してたの?」
岩本くんの鋭い一言に思わず困惑する。
蓮「え、、っと、、、、、」
大介「ほらほら、そんなに蓮をいじめないの〜」
辰哉「そうそう。いじめすぎるとめめ泣いちゃうから」
…泣かないもん。
泣いたのさっきだけだし、、、、
たぶん、、、
翔太「だとしても遅くね?」
亮平「うん。康二がさ、苦しんでるのになんでそんな気楽なの?」
やめて、、、
俺だって、辛いんだもん、、、、仕方ないでしょ、
蓮「っ、、、」
辰哉「あーべーちゃんっ。そこまでにしときなさい」
亮平「〜っ、だって‼︎」
言いかけてた言葉を飲み込んで、文句を言おうとする阿部ちゃん。
次第に空気がピリピリしてくる。
康二「も、、ええから、、、」
ラウ「そうだよ‼︎やめてよっ‼︎」
辰哉「年下は黙ってなさい」
ぴしゃりと言うふっかさん。
空気は最悪。
あー……もう俺のせいじゃん………
ラウこじ「「っ、、、」」
翔太「で?めめは何をしてたわけ?」
っ、やば、、
頭痛くなってきた…
やばい、なんか目の前…よく見えない…
涼太「翔太、そんな強く言わない」
照「めめ?」
…やばい、、、、
ほんっっとに、たおれる、、、
もうまえがぐにゃって、、まがってて、、、
なにがなんだか、、、
わかんな、、、
照「…めめー?」
辰哉「どーしたの?めめ〜」
うぅっ、、
もう、、、、むり、、、、
蓮「ごめ、、、、ぁ、、、」
mm.3
※シェアハウス設定
岩本side
蓮「ごめ、、、、ぁ、、、」
そう言って俺に向かって倒れ込んできためめ。
一瞬の出来事に驚きながらも、めめの体を抱きとめた。
周りにいたメンバーも驚いて固まっている。
照「え、、、」
めめの体がじんわりと熱を帯びている。
蓮「はぁ、、はぁ、、、ご、、め、、、、」
ぽろぽろとめめの目から涙が溢れてきた。
それを指ですっと拭う。
蓮「っ、ぁ、、、ぃぃ、、、、」
突然、じたばた抵抗し始めるめめ。
…俺はどうすればいいの?
困って、めめを支えたまま立ち尽くしていると。
大介「照、ちょっとめめ借りるよ?」
めめを手から奪われる。
そのまま佐久間がめめをぎゅっと抱きしめる。
大介「めめ〜、頑張ったね〜、ずっと辛かったんだもんね。頑張ったよ〜」
そう言ってテンポよくめめの背中をさする佐久間。
…めめ、ずっと辛かったの?
なんで言わないの…
涼太「うんうん、ちょっと休もうね」
大介「めめ頑張ったから大丈夫だよ〜」
そう宥められても、めめの目からはずーっと涙が溢れ続けている。
そこで見かねたふっかが、めめに近づく。
辰哉「めめがどんな気持ちだったか教えてくれる?」
蓮「、、ぐすっ、、、ずっと、、つら、かった、けど、、、こ、じが、、、たいちょう、わるいなら、、おれ、、がんばんないとな、、って、、、おれなりに、、がんばった、けど、、みんなに、、、おそいって、、、おこら、れちゃ、、って、、、、」
そう告白するめめ。
俺はもちろん、さっきめめにきつく言ってしまったメンバーが呆然とする。
特に、いつも怒んない阿部なんか、絶望って感じの顔をしてる。
辰哉「そっかそっか。よく言えたじゃ〜ん」
めめの頭をくしゃっと撫でるふっか。
康二「めめ、、ごめんなぁ、、、、」
蓮「こーじ、悪く、、ないじゃん、、、、、おれこそ、、ごめ、」
大介「ほらほら、ごめんなさい合戦は終わり。めめ、こっちのソファあいてるからどーぞ」
佐久間に支えられてもふらふらしてるめめ。
危なっかしくて、見てられないほど。
倒れ込むようにソファに横になって、そのまま眠りに落ちた。
辰哉「さぁて。めめは寝たし。次はあなたたちかな〜」
くるっとこっちを向くふっかと佐久間と舘さん。
顔は笑顔だけど、どこか怒りを感じる。
照「…ほんとに、、、ごめん…………」
辰哉「それはめめに言ってあげて?謝る相手は俺じゃないだろ。」
翔太「…うん」
亮平「めめ…ゆるして、くれるかな、、、」
不安そうに瞳を揺らす阿部。
佐久間が阿部をぎゅっと抱きしめる。
大介「大丈夫だよ。めめ優しいし、阿部ちゃんがちゃんと謝れば伝わるから。ね?」
蓮「…ぅ、、、っ‼︎」
突如唸り出すめめ。
顔が熱で真っ赤で、苦痛に歪んでいる。
蓮「ぅぅぅ………んっ、、、、うっ‼︎…ゔぅ………」
ラウ「めめ、めめ⁉︎めめ、大丈夫なの?」
康二「きっと、大丈夫、やで、ラウ、ここにいな」
そう言って座ってるソファにラウを呼び寄せる康二。
康二がラウの手を握る。
大介「ねね、起こしちゃっていい?」
俺を見る佐久間。
照「…いいんじゃない?でも俺よりも佐久間が起こした方がいい気がする」
辰哉「そーんなことないでしょ。めめはきっと嬉しいよ?」
涼太「いっそのことみんなで声かけちゃう?」
そうだね、なんてみんなで賛成して。
「めめー‼︎」「めめ」「めぐろーっ」「めめ?」「めめ、起きて〜」「めめ〜」
「めめ、起きてよ〜、みんな待ってるよ〜」「めぃめぃ、、、」
蓮「ぁぅ、、、、ぅ、、、ん、、、」
真っ赤な顔をしたまま、目をゆっくり開くめめ。
蓮「はぁ、はぁ、、ん、、、どこ…?」
周りを見渡すめめ。
辰哉「レッスン室だよ〜。今日はもう終わりだけど」
蓮「…あ、みんな……………」
照「めめ、本当にごめん。康二が体調悪いからってめめにきついこと言っちゃった。…ごめん」
亮平「めめごめん…。めめは悪くないのに怒っちゃったよね、…ごめん‼︎」
翔太「めめごめんな。あんな言い方して悪かった。ごめん」
3人で勢いよく頭を下げた。
蓮「………」
ぽかーんとした顔で俺らを見つめるめめ。
蓮「ううん、いいよ。俺が言わなかったのも悪かったし、俺は怒ってないよ?みんなのこと…大好きだもん」
少し照れながらも、にこっと笑って言うめめ。
俺と阿部、翔太の3人で顔を見合わせ、めめを抱きしめた。
蓮「…ぇ、、?」
亮平「よし、家帰ろっか」
翔太「そうそう。家帰ろ〜ぜ」
照「こんな時間だし」
蓮「うん、分かっ、、、」
ふらりとまた倒れ込んでくるめめ。
同じように抱きとめる。
…熱上がった?
さっきよりもあったかいし、かすかにめめの体が汗ばんでるような…
…当の本人は寝てるけど。
照「…さっきよりも熱上がった気がする」
大介「まじ?あと康二はどうなの?」
康二「あ〜、俺?ぜんっぜん大丈夫やで?無理すればライブ一本いけるで?」
ラウ「絶対無理しちゃだめだよぉ⁉︎」
康二「分かってるで〜w」
辰哉「じゃ、そろそろ帰ろっか〜」
その合図でみんなが帰る準備をし始める。
辰哉「あ、照はめめ抱っこして連れてって」
照「オッケー」
俺に寄りかかったまま寝てるめめをお姫様抱っこする。
辰哉「よし、帰るぞ〜」
みんなで家に帰った。
終わり方…
とにかく今日はここで切ります‼︎
mm.4 LAST
※シェアハウス設定
目黒side
気づいたら、俺の部屋のベッドの上だった。
額にはぬるくなって少し乾いてきている冷えピタ。
重いほど乗っけられた大量の布団。
時計は14時をさしている。
蓮「…ひとり、、、?」
なんか物足りない…寂しい…って思ったら、部屋に俺1人しかいないからだった。
寂しい…誰か来てよ…
…ってなんでこんなこと考えてんだろ。
普段だったら全くこんな状態になんないのに。
…体調崩したからかな。
体調崩すと人肌が恋しくなる…?って言うし。
薄めの毛布をマントのように羽織り、少しふわっとした感じの体のままみんながいるであろう1階に降りた。
けど、誰もいない。
え、、、
俺置いてどっか行っちゃったのかな。
なーんて思いながら、玄関の前まで移動する。
8人分の靴が消えていた。
…やっぱり。俺置いてどっか行っちゃったんだ。
その場に腰をおろして体育座りする。
---
あーあ、早く帰ってこないかな〜。
って思ってたら、鍵が開く音がして。
みんなが入ってきた。
蓮「おかえり〜」
SnowMan-蓮「ただいま〜って…えええ⁉︎」
康二「何しとんねん‼︎冷えるやろ〜⁉︎」
辰哉「とはいえ康二も寂しいからってついてきたじゃん」
康二「っ、そ、それは、、別やねん‼︎」
翔太「とにかく上行け?」
涼太「寝てた方がいいよ?」
亮平「風邪悪化しちゃうから、上で寝てよ?」
蓮「うぅ………寂しいんだもん」
照「はい行くよ」
荷物をしょっぴーに預けて(ほぼ押し付けてた)俺を抱き上げる照くん。
蓮「やだぁぁ、寂しいの‼︎」
照「一緒に部屋に居てやるから。な?」
俺も俺も、とみんなが言う。
蓮「…」
唇を尖らせる。
照「…じゃあ一緒に居なくていい?」
蓮「……………………だめ」
…うぅ………
なんか俺が子供みたいじゃん………
大介「はいはい。そう怒んないの。」
ラウール「めめかっわいい〜」
蓮「…」
上に連れ去られる。
みんなも後ろからついてくる。
照「うわ…誰だよ、こんなに布団出したやつ…」
蓮「んぇ?知らないの?」
大介「俺〜」
亮平「佐久間…」
涼太「寝た方がいいんじゃない?」
蓮「いいもん、寝たばっかだし」
照「…熱は?」
そう言っておでこに手を当ててくる岩本くん。
照「…下がった?」
蓮「?」
棚にあった体温計を岩本くんに差し出す。
照「下がったね」
蓮「何度?」
辰哉「さんじゅう……」ニヤリと笑うふっかさん。
ドゥルルル、と誰かがドラムロールを鳴らす。
照「36度台」
蓮「ほんと⁉︎」
SnowMan-蓮「よかったじゃん‼︎」
完璧にハモって、みんなで爆笑する。
翔太「まぁ、もう無理すんなよ?」
康二「せやせや‼︎」
大介「康二もね」
めめこじ「はーい」
---
数ヶ月後…
蓮「けほっ、」
SnowMan-蓮「え⁉︎」
蓮「ぁ…」
翔太「ちょ、めめ大丈夫?」
辰哉「大丈夫?ソファ空いてるよ?」
亮平「体温計とか取ってくる⁉︎」
涼太「ちょっと座る?」
照「一回休憩入れよ、休もう」
ラウール「めめ、大丈夫?」
康二「大丈夫やで、ゆっくりしよ」
蓮「…ごめん、水が変なとこ入っただけ……w」
ほっとした顔をするみんな。
あのことがあってから、俺に…いや、他のメンバーにもだけど。めちゃくちゃ過保護になった。
一回でも咳き込んだら大騒ぎ(今みたいに)。
流石に過保護すぎて怖い…というのが現状…w。
蓮「…あ、でも、ありがとね、?」
SnowMan-蓮「どういたしまして‼︎」
しんどかったらちゃんと言えよ?とか、気をつけてね〜とか、温かい言葉を掛けてくれるみんな。
俺はこんなに優しいメンバーに恵まれて、ほんと幸せだなぁ…
一生このメンバーと過ごしていきたいってぐらい。
SnowMan-蓮「ふふっ」
蓮「ぇ…俺、今声に出してた?」
照「…めめ、いつまでもSnowManにいろよ?」
蓮「…‼︎もちろん‼︎」
はい‼︎
やっと終わりました。
初めてにしては結構頑張ったと思います…(たぶん)………
ということで‼︎
次回もお楽しみに〜‼︎
能力パロ 1
今回は体調不良…病系ではありません
タイトル通り能力者パロです。
さぁ、■■■■■■■へようこそ。
日が少しずつ傾き始めた、黄昏時。
都会のど真ん中、ビル群の蔭にひっそりと佇む、小さな|喫茶店《アジト》。
そこに入っていく9つの影があった。
彼等は一体………
---
2xxx年。
とある研究所から異能力者|<exceed>《エクスシード》が輩出されたのを皮切りに、世界中に|異能力者《exceed》が急増。
しかし、《《とある事件》》をきっかけに|異能力者《exceed》は激減し、現在は0.001%にも満たなった。
様々な能力の発動の仕方、能力の種類がある。
今回、焦点を当てる集団は……
裏社会で暗躍する異能力者集団__【SnowMan】である。
そんな彼等の|日常《あたりまえ》を覗いてみよう。
---
「…」
冷蔵庫を前に固まる我らがリーダー、岩本照。
「ひっ」微かに声を上げ、たじろぐ目黒蓮。
そばで少し口角を上げる宮舘涼太。
2人揃ってソファの裏にひょこりと隠れる。
「おい……康二、、、、、、俺のプリン食ったな⁉︎」
「えええええええ⁉︎俺ちゃうよ⁉︎ちょっと待ってや‼︎証拠は‼︎…てゆーか照にぃこの前俺のショートケーキ食ってたやろ⁉︎」
慌てた様子の康二。
「「「見てたぞっ♪」」」ニヤリと笑う深澤辰哉、阿部亮平、ラウール。
「まぁまぁまぁ、細かいことはどーでも良くね?あんま気にすんな?」
こっちには目もくれず言う渡辺翔太。
ここで岩本の怒りが頂点に到達。
ぎろりと恐ろしい眼を向ける岩本。
「お前ら、、、、まとめて、、、、、んぐっ⁉︎」
そこで深澤が口を塞ぐ。
「はいはい。そんな怒んないの。はい、どーぞ?」
岩本の目の前に高級そうなプリンを差し出す。
「美味そう…」
怒りが収まったのか、表情がふっと緩む岩本。
目の前のプリンに目が釘付けである。
そろそろとソファの陰から頭を出す目黒と宮舘。
「ひっ、、ひかっ、、ひかるっく、、、、ひかるく、ん、、ごめ、、なさ、、、」片言で謝る目黒。
「本当にごめん、仕事終わりでお腹が空いてて……」流れるような動作でお辞儀をする宮舘。
意外に可愛いとこあるんだな…(((by渡辺
「おいでおいで?そこの3人とキョーミ無さそうな翔太も。ちゃーんと《《9人分》》あるから。ね?」
「「「「「「「「ふっか…‼︎/ふっかさん…‼︎」」」」」」」」
ぱあっと嬉しそうな顔をする8人。
「「「「「「「「「いただきまーす‼︎」」」」」」」」」
もうさっきのことなんてすっかり忘れてる様子で、みんな笑顔。
…まあいっか。(((by深澤
あっという間にみんなで平らげる。
なんと平和な集団なのであろう。
__これらの集団が■■■■であるというのを、全く感じさせない程度に。
はい。
意外に続くかも……?
能力パロ 2
結構長めです…
今からx年前…
《《とある事件》》をきっかけに、全世界の|異能力者《exceed》が全滅した、とニュースで報じられていた時のこと。
高校生の頃から縁があった俺ら《《6人だけ》》
__深澤辰哉、佐久間大介、渡辺翔太、宮舘涼太、岩本照、阿部亮平__
は、世界の|異能力者《exceed》の中でも、何故か生存していた。
俺らのように生存している者がいるかもしれない。
そのような|一縷《いちる》の望みに賭け、俺らは【SnowMan】のメンバーを陰で募集していた。
---
ある早朝のこと。
リーダーである岩本照と、SnowManの頭脳担当、阿部亮平がトレーニングも兼ねて散歩とジョギングをしていた。
公園に差し掛かった、その時。
公園のベンチにぐったりと倒れ込んでいる……少年?青年?の狭間ぐらいの男が3人もいた。
見惚れるほど美しい、朝日に煌めく金髪の少年に、黒髪がその美貌を更に際立たせている少年…?青年…?に、少し茶髪の明るそうな青年…?である。
照「…大丈夫か?」
流石に無視は出来ず、声を掛ける岩本。
?1「っ、⁉︎」
亮平「体調悪い?大丈夫?とにかく|家《うち》においでよ」
岩本は、阿部をちらりと横目で見た。
阿部が他人を家に誘うなんて滅多にない。
何かを意味してるだろうな、と思った矢先、3人が|異能力者《exceed》であることを雰囲気で悟った。
?2「えっ、と、、げほげほっ、、、げほっ、ごほっ、、」
照「まぁ、とにかく今日は|家《うち》で休んでけ。歩けるか?」
3人同時に首をゆらりと横に振る。
阿部をもう一度横目で見れば、どうぞ運んでやってください、と言いたげににこりと微笑んでいた。
はぁ、と心の中で大きく溜め息を吐き、前に2人を抱き、後ろに1人を背負って歩き出した。
---
家に帰れば、予想通り大騒ぎ。
とにかくあれこれ看病してやって、寝かしつける。
寝ているその隙に6人での会議が始まった。
議題はもちろん、この3人の能力について、そして今後彼等をどうするか、である。
俺らの|家《アジト》に連れてきてしまった以上、何も無しでは彼等を帰せないのである。
照「とゆーことで。3人の能力について意見がある人〜」
はい‼︎と佐久間が勢いよく空を切って手を挙げる。
どうぞ、とあまり期待せず指名する岩本。
大介「俺の予想だけど…多分闇の能力持ってる子いると思うんだよねぇ」
雰囲気でね〜、と付け加える佐久間。
闇。
その単語に佐久間以外の全員が|慄《おのの》く。
闇の能力は、この世の|異能力者《exceed》が持つ能力の中でも特に強い能力。
世界で2番、3番目辺りに強い能力だと謳われている。
1番は■■■■■■■■■■■能力である。
大介「あ、まだまだ続きあるよん?あとの2人は太陽と霞だね〜」
これも雰囲気ね、という佐久間。
その場にいる全員が、またもや慄く。
太陽と霞。
この能力は双方とも珍しい。
太陽なんて、世界に5人くらいしか存在しなかった筈なのだが、あの事件後は存在すら確認されていないくらいである。
霞も、現在は世界で3人しか存在しないとか。
全員がリビングに敷かれた布団で穏やかに寝息を立てている3人を愕然として見つめる。
こういう佐久間の勘は何故か当たるのである。
その視線を汲み取ってか、ぱちりと3人が目を覚ます。
?1「ぅぅ…だれ、、です、、、か、、、、、、?」
ぽやっとした目で見つめ返してくる金髪の少年。
結構可愛い。
辰哉「ん、おはよ。急に聞くけどさ、3人はなんののーりょく持ってるわけ?」
?1〜3「「「えっ…⁉︎」」」
その場の空気がピリッとする。
辰哉「大体分かる。|異能力者《exceed》でしょ?」
何で知ってるんだ、という目をし、後退りする3人。
|異能力者《exceed》の存在を知っているのは、|異能力者《exceed》自身、そして…
|異能力者《exceed》の《《人身取引を目的とする人》》である。
|異能力者《exceed》は人身取引の中でも特に高額で取引される故、人身取引をする立場の人間では、儲かる為に命を懸けてでも|異能力者《exceed》を探す奴もいるらしい。
自分に起きている危険に気づいてか、3人が此方を睨んでくる。
そばで、黒髪の青年…?がふぅぅ…、と息をゆっくり吐き出す。
青年の目が淡く漆黒に光る。
そして、青年が手を大きく上に振りかざす。
能力を発動される…⁉︎
身の危険を悟り、目を瞑る一同。
…しかし衝撃は来ない。
目を開けば、青年の手が凍りついていた。
渡辺の能力__氷である。
氷の中に収められた手からは、黒煙の様な物が湧き出ている。
しかし、次第に力が弱っていったのか黒煙は青年の手に消えた。
青年「ぅっ、、離せっ‼︎離せよっ‼︎…ぁぅ、、、っ、、、」
?1「⁉︎」
?3「離せや‼︎俺の仲間に何するん⁉︎」
翔太「お前らが最初に仕掛けて来たんだろ?文句言うなよ」
涼太「大人しくしてれば離してあげるから。」
照「まずはそこの椅子に座れ」
3人が諦めた様子で大人しく椅子に座る。
亮平「まずは名前を教えて貰おうか」
カチリとシャーペンをノックし、メモを取る準備をしだす阿部。
完全に仕事モードである。
?1「っ、、ラウール、、、、、、」
?3「向井………康、、、二、、、」
大介「そこのお前は?」
青年「いいからっ、、離せよっ‼︎」
亮平「何?言うこと聞かないならどうなるか分かってんの?」
阿部が手をさっと一振りする。
阿部の目が淡く|翠《みどり》に光る。
その手から蔦が現れ、青年の足に蔦が絡みつく。
此方を睨む青年。
その額には焦りからか冷や汗が滲んでいる。
康二「やめてやぁっ‼︎お願いやから…」
悲鳴に近い声を上げる向井。
大介「言うこと聞かないからでしょ?」
照「正直に答えないと最終的にはこの世界とお別れになるからな?」
ラウール「ひゅっ、、」
青年「っ、、目黒………蓮……」
辰哉「じゃ、次は能力。教えてくれたらその氷も、蔦も解いたげる」
ラウール「………………霞」
康二「………太陽」
悔しそうに唇を噛む2人。
この能力…佐久間の予想通りである。
涼太「…そうか。目黒は」
蓮「っ、、、さっきから………お前らの目的は何なんだよ⁉︎」
照「さっさと答えてくれない?言ってるでしょ?正直に答えないならお前の命を奪うぞ」
蓮「…………………闇…………離せよ‼︎」
亮平「…分かった。解いてやる」
しゅるしゅると蔦が阿部の手に戻り、消えていく。
目黒の手に付着していた氷がぱらぱらと崩れていく。
蓮「っ、、、」
目黒が顔を顰める。
手が先程の氷により、じんわり赤くなっていた。
辰哉「…痛いんでしょ。手当てして欲しい?」
ぐっ、と睨んでくる目黒。
図星だ。
辰哉「手当てして欲しいなら、3人でさっきまでのことを責任持って謝る。そして、目黒が正直に『助けてください』って言えば手当てしてあげる」
他の5人に比べて優しい口調だが、請求していることは中々のものである。
ラウール「…大変申し訳ございませんでしたっ………」
康二「ごめんなさいっ……|赦《ゆる》してくださいっ…」
蓮「………申し訳ありませんでした……………………っ、、助けてくださいっ…」
視線を逸らしながら言う目黒。
辰哉「はい、よく言えました。翔太もやり過ぎないこと。分かってるね?」
目黒の手を取り、じっくり確かめながら言う深澤。
翔太「それは分かるけどっ‼︎…っだって、仲間の命が危なかったんだぞ…」
たまに出るデレ翔太ににやける深澤、岩本、阿部、佐久間。
涼太「はいはい。分かったから。仲間の命を想ってくれてありがとね?」
翔太「っ、、べ、別に…」
その様子をぽかーんと見つめる3人。
辰哉「目黒くん、どーしたの?なんかあった?」
蓮「っ……えと…………だい、、じょうぶ…?です」
辰哉「目黒くん嘘つくの下手だね〜?あとで無理にでも吐かせるからね?」
蓮「…」
辰哉「とにかく、あなたの手の方が今は重要でしょ」
そう言って手にふっと息を吹きかける深澤。
深澤の目が淡く藤色に光る。
それに対応するように手がほのかに光った。
そのまま深澤が目黒の手を握る。
蓮「え…」
とろりとした光が2人の手を包む。
そして、その光が消えた|瞬間《とき》。
目黒の赤く染まっていた手が元の肌色に戻っていた。
辰哉「よし、もう大丈夫そ?」
蓮「…ありがと、、ござ、、ます……」
ラウこじ「「ありがとうございます…‼︎」」
亮平「で?さっき俺らを見つめたのは何なの?」
ラウめめこじ「…」
阿部が怒りを示すようにカチカチとシャーペンを鳴らす。
大介「阿部ちゃん、落ち着こう?」
ラウール「…あの、別に反抗する気は無いんですけど…貴方達って、何ていう|集団《assembly》ですか?」
照「…あぁ、俺ら?聞いたらもうお前らは此処から出れねえけど大丈夫?」
康二「ちょっ、ちょっと待ってや…ぃゃ、待ってください‼︎俺ら、ずっと、【SnowMan】って言う集団を探し…探してるんです‼︎」
照の隣で関西訛りが凄いな…と言う顔をする渡辺。
いやぁ…まさか|【SnowMan】《俺ら》を探してるなんてなぁ、なんて苦笑する深澤。
照「俺らは…」
ラウール「っだ、だめ‼︎俺ら、帰り…」
照「【SnowMan】だけど?」
ラウールの言葉を遮るように言う岩本。
蓮「…え?」
照「だーかーらー。俺らが【SnowMan】だっつってんだろ」
驚きすぎて言葉が出ていない3人。
ラウめめこじ「…ぇと、、、えと、、、、すっ、すみませんでしたッ‼︎」
突然土下座し始める。
涼太「いいよいいよ。顔上げな」
ラウめめこじ「でもっ…‼︎」
大介「いいっつってんだろ」
ラウめめこじ「…ひゃ、ひゃい…………」
照「んで?なんで俺ら探してたわけ?」
蓮「俺らの能力…を活かせる?場所が欲しくて……なんていうか…お互いシンヨウ⤵︎できる…?所?…あと…アンシン⤵︎?して生活、できる所」
翔太「信用⤴︎と安心⤴︎な」
涼太「ふふっ」
ラウール「さっき…めっちゃSnowManが仲良いってこと、、、分かりました…お願いしますっ‼︎」
康二「俺らを【SnowMan】に入れてっ、くださいっ‼︎」
照「…うん。入る分にはいいけどな…その前に|試験《テスト》受けて貰わないと」
ラウめめこじ「てすと…?」
大介「阿部ちゃん説明お願いしまーす‼︎」
亮平「了解。俺ら、【SnowMan】に入るには、テストを受けて合格してもらわないといけないの…テストは|異能力者《exceed》として能力を使いこなすのに必要な五技能。|異能力者《exceed》についての基礎、体力、頭脳、立ち回り、人間としての生活能力。この5つを測定する。」
蓮「えと…一つ…いいですか?人間としての生活能力……って、いるんですか…俺ら……『人間』を、、、捨ててるんすけど…」
亮平「うんうん。そうだよね。|異能力者《exceed》は絶対一度はその道通るもん。だからこそ、じゃない?」
蓮「…?」
亮平「そうなるよね〜。俺らを追いかけてた(?)ぐらいだから、知ってると思うけど、俺らは《《能力者絡み》》のものしか関わらない。だから、他の■■■■とは違う、それを全世界に知らしめる為、って言えば分かりやすいかな。まとめると、他の異能力者を超える為。其故に俺らは人間としての能力も試す。OK?」
真剣な顔付きの阿部。
ごくりと唾を飲み込み、こくりと頷く3人。
それを懐かしいな〜と眺める5人。
亮平「まぁとにかく、明日でいいから、|試験《テスト》を受けてもらう。それの結果によって入れるか入れないかは変わるから。今日はゆっくりお休み」
ふっと表情を緩める阿部。
ラウめめこじ「ありがとうございます‼︎」
さぁ、果たして3人は【SnowMan】に入る事ができるのだろうか…
能力パロ 3
ラウめめこじ「…‼︎」
宮舘が作った大量の御馳走を前に、目を輝かせる3人。
涼太「どうぞ、召し上がれ」
SnowMan-3人&涼太「いただきまーす」
今日の夕飯は結構豪華である。
和洋折衷で、唐揚げや卵焼きなどといった和食、パスタやピザ、シチュー、グラタンなどの洋食、餃子や青椒肉絲、炒飯などの中華料理が大皿で出されている。
大介「…3人は食べないの?」
いつまで経っても食事に手をつけようとしない3人に向かって佐久間が聞く。
ラウール「え…だって、、、」
亮平「そういえばさ、一個聞いてもいい?」
ラウめめこじ「…?」
亮平「俺の質問にyesかno…まぁつまり、はいかいいえで答えてね?」
阿部の言葉に3人が頷く。
亮平「3人は『防衛軍』に所属していましたか?」
ラウめめこじ「っ‼︎」
言葉に詰まる3人。
亮平「…俺の質問にyesかnoで答えて下さい」
睨む阿部。
ラウめめこじ「…yes」
亮平「そっかぁ。やっぱり?そーゆー記録が残ってるんだよ」
表情を緩めて話し出す阿部。
蓮「え………は?きろ……………く?」
困惑した顔の目黒。
亮平「記録。調べたら出てくるよ?…って俺が調べないと駄目か…w」
阿部はハッキングのプロである。
阿部の隣で苦笑いする佐久間。
康二「その記録…消してくれへん⁉︎」
亮平「うん。別に構わないよ?けどあなた方が【SnowMan】に入ってからじゃないと駄目かな」
ラウール「…分かりました」
亮平「でさ、防衛軍って相当偉くなんないとまともに生活できないんでしょ?」
照「あー、それは聞いたことあるかも」
康二「…」
亮平「違う?食事って確か、規定の量超えて食べたら罰として上司から鞭打ち…あれ、何回だったっけな…100?200?ぐらいだったよね」
蓮「…はい」
半泣きで肯定する目黒。
辰哉「やっばい労働環境だねぇ」
亮平「…だから食事がトラウマなんでしょ」
ラウめめこじ「っ‼︎」
またしても言葉に詰まる3人。
亮平「図星だね。俺の予想だけど…多分3人が軍に入って初日、そんなルール知らなくて普通に食べたら鞭打ちされたんでしょ」
ラウール「…」
亮平「あと、軍の中にはやばい上司がいる訳でさ…3人の上司はハズレだったんでしょ?それで初日の罰のせいで、言いがかりつけてストレス発散の為かなんかに毎日鞭打ちされてたんじゃない?」
康二「…」
翔太「阿部。そろそろそこまでにしとけ、3人が泣きそうだぞ」
亮平「…トラウマ思い出させちゃったよね。ごめんね?」
首を横にふる3人。
涼太「無理しなくてもいいけど…此処なら幾らでもご飯食べていいからね?」
ラウール「…でも………………」
照「俺らと軍一緒にすんなよ?あんな奴等には何があってもなりたくねえし」
康二「…ほんまにええん?」
涼太「勿論。あ…でも、」
亮平「拒食症?確かにそれだけは心配かも」
ラウめめこじ「キョショクショウ…?」
亮平「これって説明した方が良い?」
辰哉「あー…確かに。様子見て怪しそうだったら言おう」
亮平「りょーかい。とにかく3人好きなだけ食べて…いいのね?舘さん」
涼太「うん。好きなだけどうぞ」
ラウめめこじ「いただき、、ます、‼︎」
さっきまでの拒食症の心配を打ち消すように勢いよく食べ始める3人。
その中でもやっぱり好みがあるのか、段々食べる物に偏りが生じる。
その様子を笑みを溢しながら見守る6人。
照「www」
辰哉「こーら。子供じゃないんだから偏食しないのw」
ラウめめこじ「…うぅ」
ラウールは唐揚げばっかり自分の皿にのってるし、目黒は9人分のグラタンをほぼ1人で食べ切った。康二も2人に劣らず青椒肉絲を大量に食べている。
涼太「まぁまぁ。最初だし好きなもの食べさせてあげなよ」
大介「なーんか久しぶりに年下見たからさ…嬉しいよね」
阿部「…でも佐久間からしたら俺らも年下じゃない?」
大介「んー…新規っていうの?新しく増えた…ってまだ決まってないけど。じゃん」
翔太「…?」
---
ラウめめこじ「そろそろ寝ます‼︎」
辰哉「威勢がいいねぇ。ベッドあるからそ…」
ラウール「大丈夫です、床で寝ます」
照「…辞めた方がいいぞ、肩とかが凝る」
蓮「とはいえ毎日床で寝かせられてたし…」
康二「辛くないねん、大丈夫やで‼︎」
照「嘘つけ」
そう言って立ち上がり、目の前の康二の肩をマッサージしだす照。
照「ほら。めちゃくちゃ凝ってんじゃん」
大介「にゃはっw照がマッサージしだしたら照が満足するまで終わんないからね?」
康二「気持ちいねんなぁ…」
亮平「結構凝ってるでしょ〜」
翔太「床で寝るなよ…」
照「…あ、ラウールと目黒もやる?」
めめラウ「…お願いします」
そう言って30分ぐらい3人がマッサージされてるのを見る時間が流れる。
暇かなーって思ってたけど、マッサージされていくに連れて表情が和らいでいくのが尊いから良し(((by深澤
ラウール「ありがとうございます‼︎」
蓮「気持ち良かった…です」
康二「ありがとなぁ…」
辰哉「まぁ…肩凝りは俺の能力よりも照のマッサージの方が何故か効くからねぇ」
涼太「うん。今日はベッドで寝な?ベッドあるから」
ラウール「み、皆さんの分は…?」
亮平「いや…ちょっと…まぁ色々ありまして…ちゃんと9つあるから寝てください」
ラウめめこじ「はぁい」
---
次の朝。
6:00きっかりに3人が階段から降りてきた。
1階に居た6人の目が一斉に階段の方に向く。
ラウめめこじ「ぉ…おはよう、ございます」
亮平「そんな早くなくてもいいんだよ?此処は軍じゃあるまいし」
そう言う阿部だが、心の中ではどーせ軍の時の習慣が身に染みちゃって嫌でも起きちゃうから治しようがないな〜などと考えている。
涼太「朝ごはんをどうぞ」
テーブルに並べられたトースト、スープ、目玉焼き諸々に目を輝かせる3人。
ラウめめこじ「いただきます‼︎」
10分も経たない内に完食した3人。
涼太「おかわりいる?」
ラウール「大丈夫‼︎丁度いいです‼︎」
涼太「よかった。あ、でも食べたい時は好きなだけ食べていいからね?」
嬉しそうににこにこする3人。
照「阿部〜?用意出来たよ」
亮平「あ、ほんと?ありがとね?」
大介「阿部ちゃん、なんか手伝うことある〜?」
亮平「んー…あ、じゃあ俺の補佐して?」
翔太「佐久間に出来んの?」
大介「ひどいなぁ。俺にだってできるし?」
ソファに座っている翔太を見くだすように背伸びする佐久間。
隣で呆れたように見る岩本。
亮平「まぁまぁ。3人もテストの準備大丈夫そう?」
え、急に?と言う顔をする3人。
亮平「逆に|何時《いつ》でも出来ないと困るでしょ?」
康二「あ〜………」
唇の端をくいっと上げて微笑む阿部。
ラウめめこじ「やります‼︎」
---
亮平「はい‼︎じゃ、説明するね〜?前も言った通り…五技能を測定します‼︎各技能100点満点、つまり五技能で500点だね。えっと………475点以上とれば合格。まぁ特別な場合を除く、って事にしとくね?何かあっても面倒だし。つまり、各技能95点はとんないといけないわけ。此処までオッケー?」
こくっと頷く3人。
亮平「完璧。てゆーことで、これから全部で1時間ぐらいかかるテストやってもらうんだけど…あ、休憩はいつでも大丈夫だから、遠慮せず言ってね?心の準備は大丈夫?」
もう一度こくっと頷く3人。
亮平「…よし、始めようか。(やばい、初めて言う奴だ…)|試験《テスト》開始‼︎」
---
3人のテストが終わった頃。
疲れて眠りこんでいる3人の横で、|試験《テスト》結果について会議が始まっていた。
照「…阿部、結果はどうだった?」
さっきから会議が始まっても上の空な阿部。
亮平「………んぁぁ、てすと?」
無理矢理と言う感じの笑顔を貼り付ける阿部。
大介「…っ駄目だった?」
亮平「っ、、、それがさ……見た方が早いか。見て」
3枚の紙が差し出される。
それを我先にと見る5人。
数秒も経たない内に、はっと息を飲む音が聞こえてきた。
その音に顔を歪める阿部。
涼太「やっぱり其処か………人間としての生活能力、な…」
照「しかもさ、これ。心理的な問題の方が点数の獲得率下がってる」
それを見てほぼ同時に頭を抱える6人。
空気がピリつき、重くなる。
3人のテスト結果は中々のものである。
人間としての生活能力を問うもの以外はほぼ満点に近いのだが、人間としての生活能力は一桁台。
辰哉「んー………迷うな」
翔太「不合格……とはいえそのまんま放置っていうわけにもいかねえしな」
照「…でも、提案が一つあるんだけど…」
大介「?」
照「もう、いいんじゃね?合格で。まぁ、彼奴等の能力__俺らの利益を見込んでと言う所もあるけど…一番は、一緒に居たい…?って言うのかな。こんな感情、初めてだからよく分かんねえけど……人間としての生活能力なんてさ、俺らが教えれば良くね?心のケアもこの6人でとことんやってけば良いし。」
その提案に重かった空気がすっと軽くなるのを感じた。(((by阿部
それいいじゃん、という声が上がる。
照「でしょ?笑」
涼太「いいじゃん。」
辰哉「んね。…ていうか関係無いんだけどさ…3人の寝顔可愛すぎじゃね?」
すやすやと眠る3人を覗き込む。
亮平「と、尊っ、、、」
文字通り、昨日の敵は今日の友。
昨日はあれほどにに警戒していた敵同士。今日は守りたくなるような仲間。
すぅすぅ、と耳をくすぐる寝息が健気さを感じさせる。
見惚れてしまうほどの可愛さである。
見惚れる事10分。
ひくり、と微かに体が動き、ほぼ同時に目を覚ます3人。
ラウめめこじ「んぅ………?っ、あ、」
辰哉「おはよ〜」
康二「おはよ〜さん…」
蓮「てす、、と、、、」
亮平「…あー………」
6人で目を合わせる。
ラウール「だめ、、です、か?」
うるっとした目で見てくる3人。
亮平「…とにかく見て?」
先程の紙を渡す阿部。
段々と3人の顔が青ざめていく。
照「…それでさ、提案なんだけど」
険しい顔つきで話し出す岩本。
蓮「ひっ…」
康二「やめ、辞めてや、おね、がい、、、やからぁ‼︎」
照「【SnowMan】に入ってくれない?」
ラウめめこじ「へっ?」
気が抜けたように返事する3人。
照「…入ってくれない、っていうか入れって感じだけど」
ラウール「え、え、だって、、え?俺ら、、|不合格《だめ》だったんですよ…⁉︎」
照「よく見てみ?3人の欠点って何処?」
ラウめめこじ「…人間、としての、、生活、のうりょく………」
照「だろ?そんなもん、俺らが叩き込めば終わる話じゃん。このまま3人を野放しにしてもさ…人間としての生活能力って身に付かなくね?」
亮平「そうだよ。駄目な所が体力とか。能力とかだったら考えてたけど」
涼太「うんうん。俺らが叩き込んであげる」
翔太「…そうだよ、俺らを頼れ」
大介「デレ翔太が2日連続だ〜‼︎ま、でも翔太に賛成だけどね〜」
辰哉「そーそー。だから、【SnowMan】の|仲間《メンバー》になってくれない?」
蓮「いいんすか…‼︎」
辰哉「も〜ちろん」
康二「やたあああああ‼︎」
騒ぎ立てる向井に苦笑いする一同。
この調子なら、いつか人間としても生きれるんじゃないかな、と微笑む6人。
亮平「そーいえば記録消しといたよ」
ラウめめこじ「ありがとうございますっ‼︎」
辰哉「元気だねぇ」
蓮「…あ、一ついいっすか?」
亮平「うん、幾らでもいいよ?」
蓮「えぇっと………皆さんの…能力…?って何ですか…?」
あぁ、と納得した顔をする6人。
照「俺らの能力ね…もう知ってるのもあると思うけど…見たほうが早いっしょ」
そう言って6人が立ち上がった。
能力パロ 4
立ち上がった6人を期待を込めた目で見る3人。
辰哉「誰から行く?」
大介「んー、、、化け物からかな」
一瞬の沈黙。
側で化け物…?と首を傾げる3人。
辰哉「…俺は化け物じゃねえかんな⁈」
照「反応しちゃってんじゃんwww」
辰哉「ちげえよ⁉︎あくまでも沈黙を破ってあげる、という気遣いだかんな⁈」
翔太「ふ〜ん…w」
辰哉「何だよその笑みは‼︎」
亮平「まぁまぁ、誰から行く?」
大介「そこはやっぱ化けm」辰哉「おぉーい⁉︎」
涼太「私が行きます」
翔太「突然の涼太…w」
亮平「はっ⁉︎ゆり組…⁉︎」
照「ちょちょちょ…落ち着こ?|3人《あっち》が混乱してる」
ラウめめこじ「………ばけもの?ゆりぐみ?……んんん?」
辰哉「あぁー…ごめんごめん。いつもこんな調子だからさ…ていうかそれに加えて3人が来てテンション上がってるし…?」
大介「なはっw確かにwww」
辰哉「…て言う事で……1番能力として見応えある人から行く?」
亮平「そーだね。………………|照《リーダー》?」
照「俺…?笑」
舘さんとか翔太の方が見応え良いだろ、と言う岩本。
涼太「いいよいいよ。リーダーって事で先やりな」
翔太「…そうだよ」
照「…分かった」
岩本が指先をじっくりと眺め、人差し指をすっとなぞる。
そしてその人差し指にふっと息を吹きかける。
岩本の目が淡く、黄色に光る。
指先から小さな閃光が走り、枝分かれしていく。
そして、段々と光が大きくなり、大きな雷鳴を轟かせながら眩しい程に強く光り輝いた。
その姿に魅入っている3人__いや、8人。
照「こんなもんでいい?」
SnowMan−照「………」
照「ねぇ?」
SnowMan−照「………」
照「ねぇぇ。聞いてるんだけどぉ‼︎」
拗ねて唇を尖らせる岩本。
大介「ごめんごめん。完璧だよ‼︎次は?舘さん?」
涼太「何すればいいの?なんか燃やす?」
亮平「あ、じゃあこの要らなくなった資料燃やしてよ」
涼太「オッケー」
宮舘が手を数回擦り合わせて、その手に息を吹きかける。
宮舘の目が淡く、赤く光る。
間も無く、手から紅の炎が立つ。
そして炎を阿部から渡された資料に近づける。
じゅっ、と言う音を立てて、あっという間に黒い炭へと化した。
翔太「やっぱすげー。次俺やる」
亮平「…ゆり、、、組………?」
翔太「…………」
阿部を一瞥してから掌に細い息を吹きかける渡辺。
渡辺の目が淡く、蒼く輝く。
その掌から透き通った氷が現れ、何かを造形していく。
翔太「あー、、、やべ、失敗したかも」
そう言う割には結構形が整っている。
可愛らしい、3羽の鳥だ。
それを3人に1羽ずつ渡す。
康二「めちゃかわええやん‼︎」
蓮「可愛い…」
ラウール「可愛い‼︎」
翔太「…しばらくしたら溶けて…いや、崩れてくるけどそのまんまでいいよ」
大介「プレゼント方式いいな〜‼︎俺もそうしよ‼︎じゃ、次俺行くわ‼︎」
指先に息を吹きかける佐久間。
佐久間の目が淡く、桃色に光る。
すると、指先から糸のようなものが紡ぎ出され、花を造形していく。
あっという間に大量の花束になり、佐久間がそれを3人にプレゼントした。
その花をじっくり見つめる阿部。
亮平「その花ってさぁ、キキョウ?」
大介「えっ⁉︎何で知ってんの⁉︎」
亮平「まぁこれでも一応【SnowMan】の頭脳担当だからね。あとポピュラーだし…。ちなみにキキョウの花言葉は…」
大介「ああああ‼︎いいっ、そう言うの言わなくていーいーの‼︎知りたきゃ自分で調べておいて‼︎」
くすっと笑う阿部。
この会話を聞いて3人は「花言葉絶対に調べよ。」と心に誓ったのである。
亮平「じゃあ、次俺行くわ」
そう言って手に息をふっと息を吹きかけ、さっと一振りする。
阿部の目が淡く、翠に光る。
手からしゅるしゅると蔦が現れる。
蔦は伸び続け、遠くにあったお茶が入ったコップに絡みつき、阿部の手に戻ってくる。
阿部が蔦からコップを受け取り、お茶を飲む。
亮平「…これ、俺だけが楽しくなっちゃってない?大丈夫?」
大介「うん、多分大丈夫」
辰哉「じゃ、最後俺か〜…って説明しづらいな…んー、、、まぁとにかく薬ね?」
薬ね、他のに比べたら安全そう、と囁き合う3人。
亮平「そうそう。…ちなみにさ、『薬と毒って紙一重』って言うよね…?」
意味ありげな顔をする阿部。
表は笑顔だけど、何処か不安を煽るような表情である。
その表情に怯える3人。
辰哉「そーんな脅かさないの。まぁ事実だけどね…」
蓮「…っと、、あり、がとう、、、ござ、います…?」
辰哉「あー…約束はしっかり守るからwww」
照「…てことで。改めて、【SnowMan】として、よろしくな?……あ、あと合格(なのか?)おめでとう」
大介「あぁー‼︎美味しいとこ持ってったぁ‼︎」
照「リーダーだからな」
そう言ってあどけない笑顔を浮かべ、ピースする岩本。
大介「そろそろ照にもあざとい警察が出動しそうだな…」
亮平「えぇ…?俺だけのあざとい警察じゃないの?」
翔太「…阿部、死刑にするぞ」
大介「www」
其処でぱん、と手を叩く心地良い音が響き渡る。
照「はい‼︎もう面倒だから此処で切るぞ。折角俺がいい感じにまとめたのにさぁ………」
涼太「…w」
大介「何だよその自慢…w」
その後も暫く騒がしかった。
---
時は戻り、現在……
ラウール「ねぇぇ…ふっかさん‼︎」
ソファに寝っ転がっている深澤をぶんぶんと揺さぶるラウール。
辰哉「ん〜?ラウ、どーしたの」
ラウール「めめが拗ねてる‼︎話しかけても無視される‼︎なんで‼︎」
目黒を一瞥する深澤。
其処で状況を悟ったのか、軽く溜め息を吐く深澤。
辰哉「めめ、めめ、おいで」
ひらひらと手を振る深澤。
それでも端正な顔立ちにそぐわない無愛想な表情を崩さず、びくともしない目黒。
辰哉「…。ひかるーーー‼︎」
照「…ん、ふっか、どうした?」
辰哉「ちょっとさぁ………そこのめめを引っ張ってきてくんない?」
その言葉に目黒を見る岩本。
照「了解」
目黒の服の襟元を握りしめ、ずるずると引き摺ってくる岩本。
蓮「ぇ、、ぅっ、っょっ、、、ぁぅっ」
深澤の目の前まで引き摺られて来た目黒。
蓮「ぅはっ、、、ちょっ、、窒息死、する、っ、、て、、」
深澤「んで?めめはさっきから何を拗ねてるの」
蓮「…それは関係無いもん」
ふいっと顔を背け、口を尖らせる目黒。
ラウール「教えてよぉ…」
照「何あったの」
蓮「だぁって………あいす………」
SnowMan−蓮「まぁだ拗ねてたの⁉︎」
いつから話を聞いていたのか、9人全員が揃った。
この件は…9つあったアイスを《《誰かが》》2つ食べてしまったせいで目黒が食べられず、未だに拗ねているのだ。
蓮「だって俺の分が無いんだもん‼︎悲しい‼︎」
やだやだ、とばたつく目黒。
こいつ結構可愛いな…と言う顔をして見下ろす翔太。
翔太「約束しただろ…?」
涼太「アイス買うって」
康二「うん。約束したで」
と、其処で。
亮平「あ、…依頼」
照「…じゃあ分かった。今回の|依頼《しごと》、《《誰も》》怪我せず無事に終えたらアイスを買う。それでいい?」
蓮「うん‼︎」
照「よし、じゃあ行くぞ‼︎」
SnowMan「おー‼︎」
その日の仕事はほぼ目黒が敵を倒したとか………
とまあ毎日僕らはお粗末です…?(((byラウール
やっと能力パロシリーズ終了。
キキョウの花言葉は………
何でしょうね(?)
たまに続きを書くかもしれません…
次回もお楽しみに〜‼︎
照「…以上?」
SnowMan「SnowManでした〜‼︎」
幼児化1
岩本side
次はSnowManのYouTubeの撮影か………
エレベーターに入り、10階のボタンを押し……たつもりだったけど。
手が滑って10階のボタンの隣、5階のボタンを押してしまった。
5階ってどうなってるんだろうな〜(スタジオとか楽屋とか無いから…)なんて考えてたらあっという間に5階。
とにかくドアを「閉」のボタンを連打した。
『ドアが閉まります』
というアナウンスが流れる。
その中で…
「ぐすっ…」「うわぁぁぁん‼︎」「ぐすん…」
泣き声が聞こえた。
…誰だろ。
流石に心配になってきて、次は「開」のボタンを押した。
薄暗い5階の廊下を恐る恐る歩き始めた。
未だにこう言うところは慣れない。
スマホを取り出し、ライトをつける。
すると、廊下の端っこにうずくまって泣いている、3人の子供が俺の視界に突如現れた。
照「ぅぉっ………どうしたの?」
俺が声を掛けると、一斉にびくっと涙でぐちゃぐちゃの顔をあげた3人。
見たことないな……
子役だったりするのかな?それともジュニアの子?
1人は座ってても分かる完璧なモデル体型の子で、1人は真っ黒な髪に整った綺麗な顔の子で、もう1人は少し茶髪で優しい顔つきの子だった。
照「なんかあったの?」
しゃがみこんで視線を合わし、持っていたタオルで3人の顔を拭く。
なんか見たことあるような…
「ぐすっ、ひくっ………まいご、なちゃた、泣」と茶髪の子がしゃくり上げながら言う。
照「そっかそっか。どこから来たの?」
「「「⁇」」」
首をこてんと傾げて、不思議そうな顔をする3人。
…この仕草、阿部よりもあざといんじゃね?
照「あー…じゃあ、どこで仕事するの?」
「んーとねぇ…ここぉ‼︎」
側にあったフロアマップを指そうと必死にぴょんぴょん飛び跳ねる3人。
しかし、届いていない。
少し笑ってしまいながらも1番近くにいた黒髪の子を抱き上げる。
「ここぉ‼︎」
指した先はこれから俺らが使う予定のスタジオ。
照「…んー。そこのスタジオ、|SnowMan《俺ら》が使う予定なんだけどな…」
「ほんと?おしょりょい‼︎いっしょ‼︎」
俺と目を合わせて可愛い笑顔を見せる黒髪の子。
俺の足元でも嬉しそうに「いっしょー‼︎」とか、「おなじぃ‼︎」とか、騒ぐ声が聞こえてくる。
黒髪の子を下におろしてあげる。
3人で嬉しそうに「いっしょだねぇ」とにこにこしている。
照「そっかそっか。…あ、お名前は?聞いてなかったよね」
「おにゃまえ?」「にゃまえ‼︎」「?」
照「そう。名前教えて?」
「うりゅ‼︎ぼく、りゃうーりゅ‼︎」「りぇん‼︎めぐりょ‼︎」「むかい、こじ‼︎」
照「…え?」
「りゃうってよんでぇ」「りぇん‼︎」「こじっ‼︎」
照「えーっと………?」
「しゅのーまん‼︎」「ひーくんでしょぉ‼︎」「りぃだぁ‼︎」
俺を指して嬉しそうに話す3人。
俺がSnowManのリーダー…ってこと?
ていうか、え?俺の存在知ってる…?
…え?まって、名前さ、ラウールと目黒蓮と向井康二って言ってなかった?
ええええ?
照「…3人なの?ラウとめめとこーじ?」
蓮「うぅ…めめしりゃないひとなにょ‼︎りぇん‼︎」
照「あ、ごめん…」
康二「ゆりゅしゅ‼︎」
いや、何で康二が許すんだよ…w
ラウール「ひーくん‼︎しごとのじかんだよぉ!」
そう指摘されて腕時計を見る。
もう集合時間まで1分もない。
照「やばっ‼︎ラウ、ありがと、行くぞ」
わしゃっとラウの頭を撫で、3人を抱き上げてエレベーターまでダッシュで向かう。
エレベーターに乗り込む。
エレベーターには1人の男性が乗っていた。
人差し指を立ててしー、とジェスチャーする。
こく、と3人が頷いたが、3人が男性を見た途端、尋常じゃない程に震え始めた。
俺にぎゅっとしがみついて、怖がっているような表情をする。
ちらっと横目で男性を見る。
特に違和感は無いというか…別に普通にどこにでもいそうな人、って感じ。
どうしたのかな、なんて考えているうちに10階について、エレベーターから降りた。
男性はエレベーターに乗ったままで、別れると3人の震えは止まった。
照「3人とも、どうしたの?」
ラウめめこじ「…」
3人とも揃ってぎゅっと唇を結んで、涙を堪えているような、そんな様子だった。
照「あの人が怖かったの?」
ラウール「わかんな、っ、けど、こわいぃ…」
蓮「りぇんも…こわぃよぉ…」
康二「ひーくん…」
3人が泣きそうに目を潤ませたその時。
大介「ひーかるー‼︎じかーん‼︎」
スタジオから佐久間が走ってくる。
タイミング最悪すぎだろ…
3人がびくりと体を震わせ、大声を上げて泣き始めた。
照「ちょっ…ほら、佐久間‼︎」
大介「えっ…?ごめん……」
亮平「何やってんの…って誰それ?…一回迷惑になっちゃうかもだしスタジオ入ろ」
照「うん」
スタジオに入れば、驚いた顔のメンバーたち。
辰哉「え?……ひかる、貸してみ」
ソファにどかっと座っていつでも来い、と構えるふっか。
仕方なくふっかに3人を託す。
一瞬戸惑ったような、そんな顔をした3人だけど、あっという間にぴたりと3人が泣き止んだ。
照「ふっか、なんかした?」
辰哉「してねーよw」
大介「ごめん…」
普段と違ってしゅんとした、萎れた蕾の様な佐久間の姿に思わず笑いそうになる。
ラウめめこじ「ゆりゅしゅぅ‼︎」
大介「ほんと⁉︎ありがと‼︎」
3人が誰かも分かっていないはずなのに、当たり前のようにぎゅっと3人を抱きしめる佐久間。
ラウール「しゅのぉまん」
大介「へっ⁉︎」
翔太「…え、知ってんの」
蓮「しゅのーまん‼︎だいしゅき‼︎」
涼太「本当?嬉しい…w」
亮平「やばい…可愛すぎてもう…」
辰哉「え?俺らそんな有名だっけ…?w」
照「だってこの3に…」
康二「にゃまえ‼︎」
ラウール「してりゅ‼︎ふっかしゃん、しゃっくん、しょぴ、だてしゃ、ひーくん、あべちゃ‼︎」
SnowMan−3人&照「「「「「え⁉︎」」」」」
蓮「あー。りゃう、じゅりゅいんだぁ。りぇんだってしってりゅし」
康二「こじもぉ。しってりゅにょに。りゃう〜…」
SnowMan−3人&照「「「「「え⁉︎」」」」」
照「…まぁまぁ、落ち着けって。」
大介「いやいやいやいやいや‼︎落ち着いてられないでしょ⁉︎」
照「落ち着かないとまた怒られるぞ」
うっ、と口を閉じる佐久間。
亮平「え…」
翔太「嘘だろ?」
涼太「照…?本当?」
照「事実だって」
辰哉「えぇ?なぜ?」
照「それは不明なんだけど…」
亮平「心当たりあるね?」
痛いところを突いてくる阿部。
こう言う時に阿部の頭の良さを妬んでしまう。
照「…なんでわかるの」
亮平「なんとなく?勘だよ、勘」
そう言いながら、阿部の顔はどこか優越感が浮かんでいる。
照「はぁ…さっきさ、エレベーター乗ったら誰かは知らないけど男性がいてさ…そいつを見た瞬間3人とも急に震え出して。なんかそいつと関係あんのかなーって」
亮平「ねぇねぇ、ラウールくん、蓮くん、康二くん、ちょっと来て?」
ラウめめこじ「はーい‼︎」
ちっちゃな手を挙げて可愛らしい返事をする3人にみんなが幸せそうな表情をする。
亮平「なんかさ、怖かったことある?」
康二「ひーくんがおばけこわいこわいだよぉ?」
佐久間が俺のそばで爆笑しだす。
ちょっと怒りが出てきて、佐久間をじろりと睨む。
亮平「違う違う、w。そうじゃなくて、3人が怖かったこと」
蓮「えぇっとぉ…」
ラウール「くしゅり」
亮平「薬…?」
蓮「りぇんも‼︎くしゅり、こわぁい」
阿部が俺を見る。
大体分かったような…
亮平「うんうん。どんな薬が怖いの?」
康二「のむ、ちっちゃい」
亮平「うん…?」
照「…だから、薬飲まされたらちっちゃくなったって事じゃないの?多分だけど俺がさっき会った男性が3人に薬飲ませ…」
翔太「今からそいつb…」
涼太「やめなさい」
辰哉「とにかく今日はリスケしたし、家に帰るぞ」
がちゃっ‼︎
SnowMan「「「「「「「「「⁉︎」」」」」」」」」
はい‼︎
変な所で切りました…w
照「以上‼︎」
SnowMan「SnowManでした〜‼︎」
幼児化2
※多少のいじめ表現有
岩本side
SnowMan「「「「「「「「「⁉︎」」」」」」」」」
ドアを開けて(勝手に)入ってきたのは、先程の男性。
3人が俺たちの後ろのに逃げるように隠れる。
3人の目にじわじわと涙が溜まっていく。
辰哉「何の用ですか」
流石は最年長、落ち着いて冷静に対応している。
男「3人の様子を見にきたんだよ?」
辰哉「俺らは仕事でここに居るんです。邪魔をするなら帰ってください」
男「で?3人は?」
辰哉「うちのメンバーに何の用ですか?」
男「いいから見せろ」
辰哉「明確な理由が無ければ来ないで下さい」
男「面倒臭えな。分かってるんだろ?」
辰哉「メンバーに変な物与えないで下さい」
男「…与えるも何もねえよ」
辰哉「じゃあどうしてうちのメンバーがこうなってるんですか⁉︎」
だんだんふっかの口調が強くなってくる。
男「いい度胸だな、仕方ない。見せてやるよ」
そう言ってポケットからスマホを取り出し、ふっかの目の前に突き出す。
辰哉「…ぇ、は…⁉︎」
何を見せられたのかはよく分かんないけど、ふっかの顔に青筋が立っていく。
ふっかが乱雑に男の手からスマホを奪い、俺らに見せる。
男「そんなに気に入ったのか?」
辰哉「そんな訳ねえだろ」
目の前のスマホから流れる映像は全て残酷な物。
3人がいじめられている様子だった。
数人の男に囲まれて、殴られたり蹴られたりする様子。
その痛みに涙を流し、悲鳴をあげる3人の様子。
そして、最後に映った映像では、薬のような物を無理矢理飲まされていた。
多分…これが原因なんだよな。
辰哉「どう見たってお前らが無理矢理与えてんだろ」
男「お前音声ちゃんと聞いてたのか?」
辰哉「はぁ?」
男「反撃してきてねえだろ?w」
辰哉「関係ねえだろ⁉︎」
男「反撃してないってことは無理矢理では無いだろ」
亮平「あのね。頭大丈夫?」
男「どの口が言ってんだよ」
亮平「少なくともお前よりかは頭いいから」
男「…」
亮平「いじめはしてはいけないって事すら分かんないお前よりかはね」
男「別にいいだろ。この3人は俺らの操り人形だから反撃とかいじめとか関係ねえし」
亮平「いつからこの3人がお前の操り人形になったの?」
男「最近」
亮平「なるわけねえだろ。お前みたいな道徳がなってない奴に従うと思うか」
男「それが従うんだな」
亮平「それはお前の惨めな勘違いだろ。そんな事すら分かんないの?」
男「とはいえ俺らの操り人形だぞ?」
亮平「…そんなに俺に精神壊されたいの?辞めといた方がいいと思うけど」
男「別にいいだろ。お前如きに俺の精神を崩壊できるわけねえじゃん」
亮平「うん。そういうところが勘違い……いや、そもそも理解できてないね。この3人がお前の操り人形になるわけないじゃん。そんな事もわかんないで3人を操り人形にでもしようとしたの?」
男「当たり前だろ。こいつらが操り人形にさえなればお前らも操り人形同然だからな」
亮平「あー…操り人形にはならないよ?ただメンバーを救いたいだけ。いじめをしてはいけないという幼稚園児でも当たり前に出来る事が出来ない奴とは俺まで汚れちゃいそうでもう話したくないし、帰ってくんない?俺ら忙しいんだよ?お前と違って。…存在が邪魔なんだけど」
男「そ、存在が邪魔は悪口じゃね?」
亮平「…なーんだ。存在が邪魔ってぐらいの悪口に動揺しちゃうの?それだけ俺様は偉いとでも思ってるんだね」
男「違うし…」
亮平「拒むだけで反論は出来ないの?お子様だねぇ」
男「おま、‼︎今すぐにでもあの世へ送ってやる」
その言葉に、危険を察知して阿部の隣に立つ。
阿部がまぁまぁ、大丈夫だから、と俺を宥める。
亮平「そうやって自分の語彙では何も出来なくなったら暴力を振るうの?そんな事しか出来ないんだね、小学生じゃん」
男「…」
亮平「あーあ。結局黙っちゃった。まだ俺には勝てないね」
男「…」
亮平「此処から逃げたいなら今から俺が要求する事を全て行なってね?」
男「…」
亮平「じゃあ、まずは質問に答えて貰おっか。3人はどうしたら元に戻る?」
男「2日ぐらい経ったら自然に戻る…」
亮平「うん。そっか。他に方法は無いの?」
男「無いに決まってんだろ」
亮平「お前はそうやって後先考えずに行動するんだね。忠告しておくけど、そういう行動取るの辞めた方がいいよ?」
男「…」
亮平「じゃあ次。仲間は何人いるの?」
男「それは言えない」
亮平「理由は?」
男「…上に排除される」
亮平「中々ブラックな組織だね。よくそんな脳味噌で組織入ろうと思ったよ」
男「…」
亮平「じゃあ次、いつから3人をいじめてたの?」
男「2週間ぐらい、前から…」
亮平「何故?理由は?」
男「…上に指示された」
亮平「ふーん…指示されたら動くしか無いんだね。w」
男「…」
亮平「で?上はなんでお前に指示したの?」
男「んなもん知らねえよ」
亮平「理由も分からず動いてたの?そういう所が脳味噌が足りないって言ってんの」
男「…上が……9人体制のSnowManが嫌いだから…って…」
亮平「は?くだらない理由だね。そんな事で俺たち9人の絆を切り裂けるとでも思ったんだ。あなたの上の人も中々に脳味噌無いじゃん」
男「…」
亮平「ていうか俺に嘘ついたよね?お前。」
男「っ…」
亮平「…まぁいいよ。もう用は済んだから、帰って」
逃げるように男がスタジオから出て行った。
翔太「阿部…お前凄えな…w」
亮平「ありがと♪」
大介「あざとい警察でーす‼︎」
亮平「うわっwww」
ラウール「ふぇ…」
大介「あ、ごめん。怖かったよね?大丈夫?」
ラウール「あべちゃがまもてくりぇた‼︎ちゅよい‼︎」
亮平「かっわいい…ありがとう…泣」
大介「いいなー。阿部ちゃんずるい」
蓮「じゃ、しゃっくんにはりぇんをぷりぇじぇんと‼︎」
そう言って佐久間に抱きつく目黒。
大介「わぁ〜♡可愛いんだけど⁉︎」
康二「おうちどこ?」
辰哉「ほら、帰るぞ〜」
涼太「あれだよね…明日OFF誰かいる?」
大介「俺だ‼︎」
蓮「ビクッ‼︎ぅ~…」
大介「れんごめーん…‼︎」
蓮「ゆりゅしゅ」
涼太「他にOFFいる?」
沈黙。
照「さ、佐久間だけ…⁉︎」
大介「ひかる、文句あるの〜?」
亮平「いや…ちょ、色々不安で…」
大介「酷いなぁ。一応世話は得意だよ?猫とか好きだし」
ラウール「りゃうにゃんにゃんじゃにゃい」
翔太「そうだそうだ〜」
大介「ごめんごめんw」
蓮「だいじょぶ、しゃっくんもちゅよい」
大介「だよね⁉︎」
康二「ぱわぁ」
じとり、とみんなが佐久間を睨む。
大介「よし、家帰るぞ‼︎」
---
家に到着。(展開早くてすみません‼︎)
やっぱり子供の機嫌ってころころ変わるんだよな。
さっきから目黒が不機嫌。
ずっと口を尖らせてる。
大介「れぇん。どうしたの〜?」
蓮「ぅ~…」
ラウール「りぇん‼︎あしょぼ‼︎」
蓮「やぁ‼︎」
康二「りぇん…」
はっ、と康二が思いついたような顔をして、ふっかのところでぴょんぴょん飛び跳ねる。
辰哉「康二、どーしたの?」
康二「ざぃがに」
辰哉「…?」
康二「ざーぃーがーにぃー‼︎」
辰哉「ざ…?」
康二「うぅ〜…」
理解してもらえず、康二まで不機嫌に。
辰哉「あー…‼︎ザリガニ?」
康二「しょりぇ‼︎ざぃがにしゃん‼︎りぇんだいしゅき」
辰哉「たしかに」
そう言って財布だけ持ってふっかがどこかに出掛ける。
数十分後。
袋を提げて帰ってきたふっか。
辰哉「ザリガニの…」
涼太「party time‼︎」
大介「調理しないであげて?」
翔太「ぐははぁ⤴︎」
袋から山積みになったザリガニのぬいぐるみを3人に見せるふっか。
照「ふっか、それ何匹?」
辰哉「9匹」
照「獲りすぎって怒られなかった?w」
辰哉「いや…一応声掛けられたんだけど…1回で獲れちゃいましたって言ったら許されました」
翔太「ふっか嘘ついたの?」
辰哉「…いや、事実」
涼太「ふっかすごいね」
蓮「じゃりがにしゃん‼︎」
あんなにご機嫌斜めだった目黒も嬉しそうに笑みを見せる。
亮平「これどれが誰のザリガニか分からなくなりそうだね…」
大介「リボンとかで結んじゃえば?メンバーカラーで色分けすれば分かりやすいと思う‼︎」
確かに、と声が上がり、みんなでリボンを結び始める。
蓮「じゃりがにしゃんであしょぼ‼︎」
ラウール「あしょぶ〜‼︎」
康二「こじも‼︎」
そう言って仲良く遊び始めた3人。
よく飽きずに遊び続けられるな、と思った(笑)
涼太「ご飯だよ〜」
その言葉にみんなが反応する。
大介「ご飯何〜?」
涼太「パスタ」
やったー、と声が上がる。
辰哉「ほら、そこの3人も食べるぞ〜」
ラウール「まだあしょんでる」
蓮「今じゃりがにしゃんつるとこなの‼︎」
康二「とちゅ〜だからまだむり」
…いつもだったら真っ先に席に座る3人なのにな。
照「食べなくていいの?冷めちゃうよ?」
ラウール「とちゅうなの‼︎」
亮平「遊んでからでもいいけど、3人で食べることになるよ?こぼしたりしても片付けないよ?」
そこで、ぅ~…と唸る3人。
蓮「わかっちゃ…たべりゅ」
SnowMan「「「「「「「「「いただきます‼︎」」」」」」」」」
仲良く9人でご飯。
久しぶりに9人でご飯を食べた。
SnowMan「「「「「「「「「ごちそうさまでした‼︎」」」」」」」」」(早…)
食べ終わると3人はもう眠そうで。
翔太「風呂入れるか」
ラウール「にぇむい…」
大介「超高速でお風呂入ろ‼︎」
照「とはいえ誰が風呂入れるの?」
あ…と全員が固まる。
辰哉「男らしく…じゃんけんしようじゃないの」
望むところだ、と腕まくりする。
大介「あえての…ソーシャルディスタンスじゃんけん、じゃーんけん‼︎」
ぽん、と6人が手を出す。
6人「「「「「「うわああああああああ‼︎」」」」」」
蓮「うりゅちゃい」
康二「ねりぇにゃい」
ということで。
公正なるじゃんけんの結果、風呂に入れる人が決まりました。w
ふっかです…w
あれこれして9人全員風呂入り終わり、寝る時間。
3人を真ん中にして、大人が3と3で分かれて子供を挟む方式でベッドで横になったんだけど…
さっきまで眠そうだったのに、いざ寝るとなると寝付けないのか、ずっともぞもぞ動いてる3人。
料理を一人で全部作ってくれた舘さんや、朝から忙しかったふっか、翔太、勉強しまくってた阿部はもう既に疲れて寝てるんだけど…。
照「…寝れない?」
ラウール「ぅぅ…」
大介「どうしよっか」
照「…一回下行く?」
大介「そ〜だね」
3人を抱き上げて、一階に戻る。
蓮「あしょぶっ」
康二「こぉじも」
ラウール「りゃうもぉ」
大介「照、俺が遊び相手しておくから調べてくれない?」
照「了解」
スマホを開き、検索する。
…主な原因としては…?
過剰な刺激、生活リズムの乱れ、メンタルヘルスの不調、過度な疲労、寝室環境の問題、発達障害か。
過剰な刺激…はなさそうだけど。
生活リズムも俺が厳しくしっかり管理したから大丈夫なはず。
寝室環境もそれほど…悪くないと思う。いや、むしろ良い方だと思う。
発達障害は無さそうだし…
メンタルヘルスね…精神って事でしょ?昼のことはあると思うけど…
過度な疲労、か。
俺ら大人にとっては子供が3人増えてまぁ疲労っちゃ疲労だったけど…そこまで大して疲れるってほどでもなかった。
けど、子供にとっては新しい環境だし、色々振り回されて忙しかったもんね。
照「3人さ、疲れた?」
ラウール「ちゅかれた」
蓮「りぇんくたくた」
康二「こぉじもうちゅかりぇりゃりぇない」
大介「ひかる、原因分かった?」
照「うん、多分」
佐久間にさっきの画面を見せる。
大介「あー…確かに。そりゃ疲れるよね」
3人の頭をふわっと交互に撫でる佐久間。
それに気持ちよさそうに目を細める3人。
康二「しゃっくんのなでなでしゅき」
大介「ほんと〜?ありがとね」
照「どうしたら寝てくれるかな」
大介「んね。俺ら疲れ溜まってていつも秒で寝るからねwww」
…いや、それも笑い事じゃないんだけど。
事実だけど…
蓮「…りぇんたちがにぇにゃいとしゃっくんとひーくんいやになりゅ…?」
照「…?別にそんな事はないけど」
大介「うん。大丈夫だよ〜?」
蓮「りぇんわりゅいこ…?もうきりゃい…?」
照「そんな事ないよ。大好きだよ」
不安そうな目をする目黒を優しく抱きしめる。
ラウール「にぇりぇにゃくてごめんなしゃい…」
康二「ごめんにゃちゃい…」
大介「大丈夫だよ〜。気にしなくて全っ然いいよ?」
照「どうする…?本人たちも不安そうにしてるし…」
大介「尚更寝づらいよね〜…」
照「うーん………なんか他にも原因ありそうだけどね」
蓮「…?」
大介「あー…確かに」
照「なんか………なんか…なんていうの…?寝たくない…?理由?ってある…?」
ラウール「こわいゆめ、、、」
俺と佐久間で、はっ‼︎と目を合わせる。
康二「ゆめ、、いじめりゃりぇりゅ…」
蓮「いたいよぉ…って」
照「いつから…?」
ラウール「に」
大介「2週間前…ってこと?」
照「丁度3人がいじめられ始めた時期と同じだな」
大介「これは3人が戻った時に吐かせるしかないな〜」
照「そーだな」
康二「ねりゅ…?」
大介「3人が寝れるなら」
蓮「…」
照「寝たくないならいいよ?寝なくても(体調崩さなければ)」
大介「ひかる…」
照「ん?」
大介「俺は明日OFFだから朝まで起きててもいいけど…ひかる…明日朝から仕事…」
珍しくはっきりと喋らない佐久間。
照「あーうん、別にいいよ」
大介「そーじゃなくて…」
照「いいって」
大介「ひかる、だめ…いや、絶対だめ‼︎寝てよ」
照「…」
大介「3人だってただでさえ寝れなくて責任感感じてるのに照が寝れなくて明日とかに体調崩したら絶対悲しむよ?」
照「それも…そうだけど……………」
佐久間の正論に思わず口籠ってしまう。
大介「ね?でしょ?」
照「…はい。すみません。寝ます…」
大介「うんうん。寝ておいで」
照「…ぁ、でも、佐久間も無理すんなよ?」
大介「だいじょーぶ。この3人と一晩過ごせるなんて天国だから」
じゃ、おやすみ、と佐久間と会話を交わして4人(ふっか、翔太、舘さん、阿部)が寝ている寝室に戻った。
布団に入れば、すぐに睡魔が襲ってきて、眠りに落ちた。
はい‼︎
結構長くなってしまいました…
照「以上‼︎」
SnowMan「SnowManでした〜‼︎」
約束
__大切な人と別れることになったらどうしますか?__
---
ある時。
将来、地球に巨大な隕石が衝突する、ととある宇宙機関の研究員が声明を出した。
だが、それほど名も知れていない研究員の声明を信じる者などいる訳が無い。
世界中でくだらない冗談だ、と嘲笑われ、その声明は闇に葬られた。
声明が消された後、その研究員も姿をくらませた。
---
そこから少し時が経った頃__
あるニュースが、世界中を混乱に陥れた。
半年後、『地球に巨大な隕石が衝突する』、と。
初めは前と同じように冗談だと捉える人が多かったのだが、世界的な宇宙機関がデータを確認した所、それが事実だと、しかも半年後ではなく3ヶ月後だと判明したのである。
その上、巨大隕石だけでなく、沢山の隕石が世界中に降り注ぐんだとか。
闇に葬られた研究員の声明のデータを必死で探し出し、解析すれば研究員が予測したのは完璧に同じ時、つまり3ヶ月後であった。
世界中は大混乱。
各国で協力し、隕石の研究を進めたが、人間が生き残る確率は限りなく0%に等しい、と。
そんなこんなしているうちに、残り1ヶ月。
1/22、世界は終わる。
各国で会見を開くまでにもなったのだが…
絶望した人類は生き延びる事を諦めた。
---
時を同じくして__
「ねぇ、阿部ちゃん。隕石落ちんのガチなん?」
「いや、俺も分かんないよ…でも多分、落ちると思う」
そっか、と誰かが呟き、その場の空気は暗くなった。
---
残り一週間。
刻々と迫ってくる、世界終了のカウントダウン。
その恐怖に耐えられず、自ら命を絶つ人も続出。
医療機関などはもう既に機能せず、そこら辺で人が倒れている。
街には鼻を突く、血の匂いが広がっていたり。
外に出れば、道路に血がついてたり。
人の悲鳴が響いたり。
目の前で突然、人が倒れたり。
世界の人口は100万人近くへと減っていた。
様々な世界の都市も荒れ果て、そこら中で子供の泣き声が響き渡っている。
動物も危険を察知しているのか、穴を掘って隠れたり、海の奥深くに潜っていたり…
最後まで逃げる方法を探す者もいれば、自分の所持金__ありったけをばら撒く者も。
家の中でぼーっとしてぴくりともしない人、車の往来が止んだ道路で大の字になって動かない人。
まともに何も食べず、餓死しかけている人やマンションの目の前で飛び降りでもしたのか倒れている人。
世界はもう、『世界』では無かった。
---
隕石墜落、当日。
絶えず悲鳴が響き渡る街。
一方。
世界の終わりの日だとは思えないほど、世界で唯一と言ってもいいほどのんびりとした場所があった。
河川敷。
深澤辰哉、佐久間大介、渡辺翔太、宮舘涼太、岩本照、阿部亮平、向井康二、目黒蓮、ラウール。
その9人が空を眺め、仲良く談笑していた。
蓮「あーあ。世界終わっちゃうんだね」
あんなにも苦労した人生。
やっと掴んだ|希望《デビュー》。
__なのに。
世界は、それほど甘くなかった。
世界が終わると知った時、全員で泣いた。
顔を合わせる度、誰かが泣き、それはみんなにも伝染し、結局みんなで泣く。
1週間は少なくともそんな生活だった。
今日………1/22には、涙は枯れていた。
しかし、泣けないのに、どこか寂しい気持ちが胸に広がっていた。
ラウール「ね。実感が湧かない、と言うよりかはもう気が楽、っていうか」
康二「意外にも終わるときってこんなに気楽なんやなぁ」
へらっと笑いながら言う康二。
その笑い声のどこかに悲しそうな響きがある。
大介「なんかここまで来るとどーでもいいことが悔やまれるよね…www」
照「分かるかも。俺のプリンとか」
康二「俺のショートケーキもな」
涼太「懐かしいね」
翔太「そうだな…」
亮平「あーあ。結局あの数式の解き方思い出せないや、とかね」
それは無いな…と周りが苦笑する。
辰哉「せっかく雪積もってるし、《《雪だるま》》でも作んない?」
1/22……冬。
本来なら子供たちが雪遊びで忙しない頃合いの筈。
例年はこの河川敷は大人気で、沢山の雪だるまが行列をなしているのだが…
今年は、純白の雪が河川敷の芝生を覆っているだけ。
ラウール「いいね。河川敷、今日は俺らの物じゃん‼︎」
無邪気な笑顔を浮かべるラウール。
蓮「どれぐらいでっかいの作る⁉︎」
張り切って立ち上がる蓮。
照「そんなに大きくなくてもいいし……佐久間ぐらい?」
大介「おぉーい⁉︎」
爆笑が巻き起こる。
それをわざと止めるかのように一斉放送が流れる。
『あと1時間で隕石が衝突します 早めの避難を』
照「よし、時間もねえし作るぞ〜‼︎」
おぉー、と声が上がる。
20分後。
綺麗な雪だるまが河川敷に出来上がった。
翔太「出来たな」
涼太「ね。久しぶりだったな〜」
亮平「楽しかった…けど疲れた」
そう言って河川敷に腰を下ろす阿部。
みんなもそれに|倣《なら》い、河川敷に座る。
大介「…あ、星」
遠くの方で、微かに小さな光が走った。
数秒後、爆発音が耳に届く。
一瞬、周辺が静寂に包まれ、誰かの悲鳴を皮切りに爆発があった方と正反対の方向に人の移動が始まる。
5分も経たないうちに、移動は終わり、この街に人は9人以外いなくなった。
康二「ええん?移動せんで」
不安そうに瞳を揺らす康二。
照「無駄に動いても結局駄目なものは駄目。9人でゆっくり終わろうよ」
それもそうか、と康二が表情を緩める。
段々と星は量を増して地球へと降り注ぐ。
どん、とか、きゃー、とか。
悲痛な音が聞こえてくる。
亮平「そうだ。せっかくだし、お願いしない?こんなにも流れ星があるんだし、3回唱えるのも簡単じゃない?」
通常だったらそのような部類の物は信じない筈の阿部が提案する。
いいね、と声が上がる。
翔太「何お願いすんの?」
涼太「…意外に難しいね」
辰哉「そうだ。『次この世界でまた、9人が出逢えますように』とか?」
照「いいじゃん。でも叶うのかなぁ」
蓮「叶う、じゃなくて叶えるんでしょ?そもそも、俺らは1人じゃないじゃん。…ひとりじゃないって」
SnowMan「「「「「「「「「最強だ」」」」」」」」」
蓮「でしょ?9人も願ったら叶うに決まってんじゃん」
何度も俺たちを救ってくれた|このフレーズ《1人じゃないって最強だ》。
ラウール「不安なら指切りもしよ?」
そうだね、と声が上がる。
丁度その時。
『現在地は約10分後、隕石の墜落が予想されます』
と放送が流れる。
それと共に、より激しく星が流れる。
先ほどよりも少し近くなったような…と感じる一同。
康二「ほら。お願いせえへんと」
次に流れてきた少し大きめの星に手を合わせ、心の中で3回。
願いを唱える。
辰哉「願い、唱えられた?」
SnowMan-辰哉「「「「「「「「もちろん」」」」」」」」
大介「じゃ、次指切り‼︎」
そう言って佐久間が突き出した小指に全員が自分の小指を絡ませる。
…だが、どれが誰の小指なのか分からない。
結構|混沌《カオス》な状態。
涼太「…じゃ、雪だるま中心にして円陣組もうか」
そうだね、とみんなが賛成し、雪だるまを囲うようにして円陣を組んだ。
照「なんて言えばいい?」
亮平「んー…じゃあ、『ひとりじゃないって』まで照が言って、『最強だ』をみんなで言おうか」
了解、と照が小さく呟く。
照「ひとりじゃないって‼︎」
SnowMan「最強だっ‼︎」
9人でそのフレーズを言い終えた途端、大きな音を立てて、眩しい光が降り注いできた。
汗が滴り落ちる…いや、蒸発してしまうほどの熱波が襲ってくる。
割れそうな音の地響きと共に、大地が揺れる。
大地の揺れと共に、雪だるまが不安定に揺らぎ、暑さで溶け始める。
円陣で囲った雪だるまが崩れて跡形も無く消えたのを最後に、視界は闇に包まれた。
---
時は戻り、現在に至る。
今をときめくアイドル、《《SnowMan》》。
9人で活動しており、《《1/22》》にデビューを果たした。
メンバーは……
もう分かると思うが。
深澤辰哉、佐久間大介、渡辺翔太、宮舘涼太、岩本照、阿部亮平、向井康二、目黒蓮、ラウール。
その9人である。
MC担当リアコ__深澤辰哉。
ネタバレを許さない男__佐久間大介。
美声で黙らせる男__渡辺翔太。
彼が止まれば時も止まる__宮舘涼太。
Mr.甘党マッチョ__岩本照。
インテリあざと男子__阿部亮平。
甘えん坊Photo Boy__向井康二。
今世紀何してもキマる男__目黒蓮。
最強で最長の最年少__ラウール。
彼等は、SnowManとして活動していたのである。
---
少し時を遡って…
俺、深澤辰哉は驚いた。
目の前に居るのが、いつしか見た、あの3人だ、と言う事に。
岩本照、渡辺翔太、宮舘涼太だ。
目が潤み、視界が霞む。
辰哉「ぇ、ぇ、、、」
学校という公の場で叫びそうになった。
見た目も同じ、名前も同じ。
何と言う運命の巡り合わせなのだろうか。
しかも、俺ら4人とも前世を憶えている。
もう凄すぎて、1日中みんなで泣いた。
そこから4人でシェアハウスを始めた。
ある日の事。
ピーンポーン
インターホンが鳴る。
照が外に出る。
かちゃり、と玄関のドアが開く音と共に、照の叫び声が聞こえてきた。
照「ええぇっ⁉︎」
辰哉「照⁉︎」
照「ふっか、翔太、舘さん、ちょ、来て‼︎‼︎」
玄関に行けば……
阿部亮平と、佐久間大介…⁉︎に似た人…?
とにかくその2人にそっくりな人が玄関に居た。
いや、名前は違うかも知れないし、全くの赤の他人かも知れない。
辰哉「あべちゃん…と、、、さくま…⁉︎」
しかし、驚きで思わずそうこぼしてしまう。
大介「ふっか‼︎ひかる‼︎翔太‼︎舘さん‼︎」
亮平「嘘でしょ…やっぱり…⁉︎」
6人で抱き合って、感動の再会ってやつ。
この2人も前世の記憶有り。
俺らがシェアハウスしている、と言うことは俺らの学校だけでなく、色んな所で結構有名だったため、学校が違う2人だが、噂を聞きつけてやってきたとか。
あっという間に俺らの家(自称深澤家)の仲間入り。
毎日がより騒がしく、楽しいものになった。
---
少し時が経ち…
俺、岩本照は体力づくりのためにジョギングをしていた。
道端にカメラのレンズキャップ…?見たいな物が落ちていて、どうせ通る道に交番あるし、拾って預けにでも行こうかな、と思って手に取った。
公園(というより広場)を通った時だった。
1人の男性…いや、男子か…?がキョロキョロと辺りを見回して、何かを必死に探していた。
なんか今日こう言うの多いな…
でも、この人カメラ持ってるからもしかしたらこれを探してるのかも?
照「すみません、なんか探してるんですか?」
?「あー…カメラのキャップ無くしちゃってな?今それを探してるん…‼︎」
こっちには目もくれず話す少年だか青年。
何処かで聞き覚えのある、関西弁。
…まさか。
照「…ぇ」
?「お願いやから探すの手伝ってくれへ…」
そのタイミングで俺の方を向く。
…康二だ。
向井康二…‼︎
照「…康二⁉︎」
康二「て、て、て、照にぃ⁉︎⁉︎」
相当驚いたのか、さささっと後ろに後退りする康二。
そこで下がりすぎて花壇の縁にぶつかる。
康二「あっ」
くらりとバランスを崩す康二。
慌てて康二の手を取り、もう片方の手を康二の背中に回す。
間一髪、倒れる前に救えた。
照「…大丈夫?」
康二「ごめんなぁ、でもありがとな‼︎」
照「うん」
康二「…で、ほんまに照にぃなん⁉︎」
照「うん、岩本照だよ」
久しぶりの照にぃ呼びがちょっと嬉しいような、くすぐったいようなで思わず笑みをこぼしてしまう。
康二「ほんまに…逢えんかと………」
それだけ言って、泣き崩れる康二。
昔から泣き虫…いや、涙もろいのは変わんないな、と思った。
|前世《まえ》と同じように、康二の背中をテンポよくさする。
これさえすれば、ちょっとしたら落ち着く(はず)。
照「そろそろ康二落ち着いた?」
康二「うん、でも…だって、聞いてや‼︎」
少し怒り気味に言う康二。
照「うん、いいよw」
康二「だって‼︎逢えへんと思うやん‼︎物心ついた時なんてな、俺だけ一人でこの世界に戻ってきちゃった思うやん‼︎約束叶えられへんと思うやん‼︎ほんまに今までの人生悲しかったんやで……」
またじわりと目に涙を浮かべる康二。
照「…たしかにそれは俺も思った。もう逢えないって。康二一人でよく頑張ったね〜」
そうやって褒めれば、また泣き始める康二。
康二「照にぃ………」
照「あ、そういえば、探してたキャップってこれ?」
康二「…あ、これや、これ俺のや…ありがとな」
照「康二カメラ好きなの変わんないね。何撮ってるの?」
康二「まだなんも撮ってへん」
照「…え?」
康二「俺、決めてるんや。このカメラで1番最初に撮るのは、9人の集合写真てな」
照「…うん、そっか」
康二「照にぃって今どこ住んどるん?」
照「あ〜…あそこの家」
康二「うわ‼︎めちゃめちゃ豪邸やん‼︎ええなぁ」
…まぁシェアハウスしてるからね。
しかも、9人で暮らすっていう想定して。
照「康二も来る?…ていうか泊まる?」
康二「えっ、ええん⁉︎今行ってもええ⁉︎」
照「うん、来ていいんだけど親とかは…?」
康二「一人暮らしやねん、大丈夫や。服とかは取ってきてもええ?」
照「うん、そうして。俺はここで待ってるから…あ、でもカメラは持っといた方がいい気がする」
康二「なんでや?」
照「一応、俺も9人のうちの一人だし?なんか撮れるかもしれない」
康二「…せやな。ていうかこの子と離れるのいややし」
照「待ってるね」
---
時を同じくして…
俺、深澤辰哉は電車に乗っていた。
疲れたな、なんてぼーっとしてたら、左肩に何かぶつかる感覚。
そこからじんわりとぬくもりが広がっていくのが分かった。
これは誰かに頭のせられてるな。
この深澤辰哉に頭のせるような奴は誰だ…?w
そう思って左を向けば………
辰哉「…⁉︎」
めめ。
目黒蓮じゃないか…。
いや、そっくりな人かもしれないけど。
目黒蓮みたいなイケメンは中々いないって。
学校帰りなのかなんなのかわからないけど、相当疲れているみたいで、目の下にはくっきりとした隈。
頬も少し痩せこけてるし…
起こさないようにそっと顔の輪郭をなぞる。
結構痩せてるじゃん…
|前世《むかし》っからこういう頑張りすぎちゃう所は変わんないんだな。
目にかかっている前髪を払ってあげる。
可愛らしい寝息を立てて眠るめめを見て、思わず笑みをこぼす。
どっちかが降りるまでこの状態のままか。
天国じゃないか。
その状態で電車に揺れること、約20分。
俺らの家の最寄駅にまもなく到着である。
と、そこで、めめがもぞもぞと動き始めた。
同じ駅だったりして…?
蓮「ん~………」
辰哉「…」
隣でめめがぱちりと目を覚ました。
やっぱりめめはめめだ。(どゆこと?)
めめが俺の肩に頭をのせてたことに気づくと、さあっと顔が青ざめる。
蓮(?)「ぇ、ぇと、すみ、、、ませ、、ん、、、」
ぺこり、と慌てて小さくお辞儀するめめ。
辰哉「めめ」
蓮(?)「へっ⁉︎」
めめが驚いて、顔を勢いよく上げる。
辰哉「めめ、久しぶり」
蓮(?)「ふっか…さん…⁉︎」
辰哉「あ、電車一回降りようか」
蓮(?)「あ、はい…」
電車を降りて、ホームのベンチに並んで座る。
辰哉「めめでしょ?目黒蓮」
蓮「はい…めめです…w」
自分でめめって言ったのがちょっと面白かったのか、ふふっと笑うめめ。
辰哉「久しぶりだね、めめ」
蓮「…もう、、、逢えないかと…」
辰哉「そう思うよね…」
蓮「前世…思い出した瞬間絶望しましたもん」
辰哉「うん。俺も絶望した」
蓮「ふっか、、、、さん、、、」
辰哉「うんうん。突然だけど家来ない?」
蓮「えっ?」
辰哉「無理…?」
蓮「いや、全然構わないんですけど…一人暮らしだし…お邪魔しちゃっていいんですか…?」
辰哉「…www」
蓮「…?」
辰哉「なんでそんな敬語なの…w」
蓮「…たしかに」
こういう天然な所も変わんない。
辰哉「とにかく家来い。w」
蓮「分かり…分かった」
辰哉「泊まりで大丈夫?」
蓮「…いいの?」
辰哉「もちろん」
蓮「ありがとう…‼︎」
辰哉「んじゃ。俺の家行こうか」
蓮「ちょ、ちょっと待って?家から色々取ってきてもいい?」
辰哉「あ…‼︎うん。もちろん」
蓮「ありがと‼︎」
---
またまた時を同じくして…
俺、渡辺翔太は涼太と買い物に行って、帰り道を歩いていた時のこと。
前をものすごくすらっとした、でかい男の人…?が歩いていた。
翔太「あの人めちゃくちゃでかくね…⁉︎」
涼太に囁く。
涼太「ね」
と、その時。
俺らの足元に財布が落ちた。
多分、あの人の持ち物だろうな。
翔太「あの〜…すみません」
?「…ぇ、はい」
翔太「財布…って、、、、え⁉︎ラウール…」
?「しょ、翔太くん…⁉︎舘さん…⁉︎」
ラウールだ。
我らが最年少、ラウール…‼︎
ラウール「嘘でしょ…⁉︎」
涼太「ほんとほんと。ゆり組…w」
ラウール「えええ…‼︎」
そう言って俺らに抱きつくラウール。
可愛いな…なんて思ったり。
ラウール「逢えて…嬉しい、、、ラウール、だよ、、、」
翔太「そんなの、見れば分かるに決まってんだろ…っ、」
5分ぐらい歩道で抱き合う。(通行人には変な目で見られたが)
ラウール「ねぇねぇ、今2人ってどーゆー生活してるの?」
翔太「えっと…シェっ」
シェアハウスしてると言おうとしたところで涼太に口を塞がれる。
そして、耳元で、
涼太「そういうのはサプライズにしよう?」
と囁かれた。
ラウール「シェ…?」
翔太「まぁ…普通って感じの生活。生活って言おうとしたらシェって言っちゃった」
ラウール「…あー。」
ちょっと納得してなさそうな顔。
逢ったのが目黒だったら騙せてたかもな。
…目黒、元気にしてるかな。
康二も。
まぁ仕方ない。
涼太「それよりさ、うちに来ない?」
ラウール「え?いいの?」
涼太「料理振舞ってあげる」
ラウール「マジで⁉︎嬉しい‼︎行く‼︎」
翔太「親とかは大丈夫なの…?」
ラウール「ついこの間独り立ちしたの」
涼太「じゃあ泊まりで来る?」
ラウール「いいの?行く行く‼︎」
この時はまだ、9人全員が今日家に揃う事を知らなかった。
---
岩本side
康二「終わったで〜‼︎」
公園に向かってダッシュで手を振りながら来る康二。
照「準備できた?じゃあ行こうか」
2人で俺らの家(ふっかによると深澤家らしい)に帰る。
カードキーを認証部分に当てれば、かちゃりとドアが開く音。
(オートロックだから阿部がめちゃくちゃ困っていた。)
照「ただいま〜」
康二「…それ誰に言うてるん?」
あべさく「「ひかる、おかえり〜」」
康二「…え、え?………うそやろ…?」
照「ちょっと阿部、佐久間、おいで‼︎サプライズ‼︎」
康二「あべちゃん、、、?さっくん、、、?…ほんま………!?」
亮平「まじ?」
大介「なになに?」
そう言って玄関に来た佐久間と阿部。
あべさく「「康二‼︎」」
康二「阿部ちゃんにさっくん…‼︎うわああああああああんっ、もう逢えへんかと思うたや〜ん!!!!!!」
3人で抱き合う。
照「ふふっ」
その光景に笑みをこぼす。
大介「久しぶり…康二‼︎」
亮平「やっと逢えたね…」
康二「ぐすぐすっ、もぉ〜…照にぃ、阿部ちゃんとさっくん居るなら先言うてや‼︎」
照「この方が驚きもあって嬉しいでしょ」
康二「それはそうやけど…ぐすっ、」
照「ちなみにこの家にはふっか、翔太、舘さんも住んでるよ」
康二「ほんま⁉︎ふっかさんの変顔に、しょっぴーの『うわっ‼︎』、舘さんの料理を楽しめるん⁉︎」
照「うんwww」
康二「やったあああああ‼︎俺、幸せや……もう最高やん…」
と、そこで、鍵が開く音がまたする。
ふっかかな。
辰哉「ただいま〜」
地味ににやけている。
なんかあったのか。
あべさくいわこじ「「「「おかえり〜」」」」
辰哉「……あれ、…えっ、こ、康二⁉︎嘘⁉︎」
康二「ふっかさーん‼︎やっと逢えたやん…‼︎うわああああああっ、」
大介「また泣いちゃった」
辰哉「久しぶりだね、康二…」
康二「久しぶりに逢えてもう…ほんま嬉しいしかないやん…ぐすんっ、」
辰哉「じゃ、更に嬉しいをプレゼントしちゃおっ♪」
ドアの陰から、ひょこりと人が現れる。
…目黒じゃん………‼︎
「「「「めめ⁉︎」」」」
蓮「ぇ…みんな…⁉︎…え?阿部ちゃん⁉︎佐久間くん⁉︎岩本くん⁉︎康二⁉︎」
当の本人も混乱中。
辰哉「ね?めめ、来て正解だったでしょ?」
蓮「みんな……………」
そこで膝から崩れ落ちて号泣し始める目黒。
蓮「もう、本当に逢えないかと思った…うわぁぁぁっ、」
康二「めぃめぃ…久しぶりやな…わかるで……ぐすっ、」
と、そこで。
翔太「あれ、ドア開いてんじゃん」
涼太「ほんとだ」
ラウール「えええええ⁉︎ちょ、え?みんな…⁉︎」
え…ラウールも?
もうここは大混乱。
照「ちょ、一旦リビング入ろう?ここ狭いし」
一回リビングに入る。
照「えーっと…阿部、状況整理を」
亮平「うん。俺ら6人からしたら、3人が仲間入りして、嬉しいねって感じ(?)。3人からしたら、全員に逢えること無いと思ってた…つまりサプライズね。…うん。だからまとめると、ようやく全員が逢えたってこと」
珍しくぐちゃぐちゃな説明に、阿部も混乱してるんだなというのが分かる。
蓮「うそ、でしょ…」
状況が理解できず混乱しているのか、頬をつねりまくって頬が真っ赤になっている目黒。
康二「ちょ、めぃめぃ、分からんのは同じやから、美しい顔を傷つけんの辞めてや」
蓮「だって‼︎夢…」
ラウール「…うそ……」
辰哉「これで全員揃ったかな?」
照「約束…果たせたじゃん」
その言葉を呟けば、全員の目からどっと涙が溢れてきた。
10分くらい泣き続け、ようやく全員落ち着いた。
大介「もう…よく分かんないけど…めでたしめでたし、ってこと?」
亮平「うん……俺らのただ一つの夢は叶った、ってこと」
その言葉にじんと来て、また泣きそうになる一同。
翔太「やっぱりな…ひとりじゃないって最強なんだな」
涼太「ね。これでようやく夢が叶ったよ…」
辰哉「何年越しなんだろうね…」
そう言って9人で抱き合った。
---
その日から、当たり前のようにみんなでシェアハウスを始め、毎日仲良く生活しています‼︎
---
今日も、《《SnowMan》》は9人で頑張っている。
果たした約束は、また新たな約束へと変わった。
『流れ星のように一瞬ではなく、9人で永遠に輝き続ける』
それが、9人の今の約束である。
__大切な人と別れることになったらどうしますか?
“I will always believe, someday we can meet again.”
《いつか必ず出逢えると信じ続けます》__
約束 fin.
はい‼︎
以上です‼︎
幼児化3 LAST
岩本side
翌朝。
ベッドには昨日既に寝ていた4人。
佐久間と3人はいない。
…まさかね。
そう思って下に行けば、その『まさか』。
佐久間がソファにもたれかかって寝てる。
それに抱きついている3人。
照「おはよ」
蓮「ひーくん、おはよぉ」
照「佐久間寝てる?」
ラウール「しゃっきねた」
照「そっか、上連れてっちゃってもいい?」
康二「うりゅ‼︎」
…良いってこと?だよね?
照「ありがと」
佐久間を抱き上げて寝室まで連れて行く。
そのまま下に戻れば、仲良く遊んでいる3人。
照「…え、3人はずっと起きてたの?」
康二「ちょっとはねたぁ」
蓮「いちじかん‼︎」
ラウール「ねたよぉ‼︎あそんだらねむくなっちゃって、、、」
康二「ちょっとねたら、わりゅいゆめみちゃって………」
蓮「そしたらね、しゃっくんがおこしてくりぇた」
ラウール「こわくてちょとないちゃたけど……しゃっくんがよしよししてくりぇた」
大体の光景が思い浮かぶ。
照「佐久間優しいね」
ラウめめこじ「「「うん‼︎」」」
そこで4人が起きてきた。
「「「「おはよ〜」」」」
照「おはよ〜」
亮平「佐久間寝てたけど…起こす?」
照「あー、寝かせといて?」
翔太「なんかあった?」
照「いや…実はさ、」
今までのことを一気に説明する。
涼太「…ぇ、ごめん」
辰哉「ふつーに寝ちゃってたわ………ごめん」
亮平「気づけなくてごめん」
翔太「…ごめん」
照「いや…俺も途中から寝てたし…」
辰哉「多分佐久間が起きる頃には俺ら居ないし、帰ったら感謝しとく?」
蓮「かんしゃ‼︎」
ラウール「5にんのかんしゃ、ちゅたえりゅ‼︎」
康二「でんごん、でんごん‼︎」
照「…それいいじゃん」
蓮「なんてゆーの?」
亮平「じゃあシンプルに…『佐久間ありがと』とか?」
ラウール「じゃあしんぷりゅに…しゃくまありゃととか?」
辰哉「www」
亮平「佐久間ありがと」
康二「しゃくまありゃと‼︎」
そうそれ、と阿部が3人の頭を撫でる。
ラウめめこじ「「「しゃくまありゃと‼︎」」」
よし、とみんなでガッツポーズして、それぞれの用意を始めた。
---
佐久間side
気づいたら、ベッドの上で寝てた。
…多分照が俺を連れてったんだろうなぁ。
下に行けば、3人が暇そうにリビングの床で大の字になっていた。
佐久間「おはようピーマンであります‼︎」
ラウめめこじ「ぴーまん‼︎」
大介「ふふ、おはよ」
ラウめめこじ「「「しゃくまありゃと‼︎」」」
大介「…?」
ラウール「っていってねってあべちゃにいわれた」
大介「なるほど」
蓮「あしゃごはんたべてねぇ」
大介「ありがと〜」
康二「しゃっくん、ひまー」
大介「そっか、暇かぁ」
ラウール「にゃんかにゃい…?」
大介「ん〜………そうだなぁ…………あっ‼︎人形で遊ぶってのはどう?」
蓮「…もういっぱいやった…おにんぎょうさんあそびおなかいっぱい」
大介「なはっwww、ただの人形遊びじゃなくて、SnowManのみんなの真似っこするのはどう?」
ラウめめこじ「「「しゅのぉまんのまねっこ⁉︎やるぅぅぅ‼︎」」」
目をきらきらっと輝かせる3人。
そっから3人はばたばたと騒がしく動き始める。
大介「3人とも、俺がご飯食べ終わるまで待ってよwww」
ラウめめこじ「「「たのしみだもぉん」」」
そう声を合わせる3人。
3人の為に朝食をかきこんで食べ、3人の所に行く。
蓮「しゃっくん、あしょぶよ‼︎」
大介「俺は3人の動画撮るから。3人で遊びな」
うりゅ、と返事され、3人で遊び始める。
そこからずっと、3人でSnowManのメンバーの真似して(ジャスティス‼︎とか、、、パーティタイム、、、とか、、、化け物がどうこうとか、、、どっかで聞いたことあるような…)楽しんでた。
お昼ご飯は舘さんが忙しいはずなのに既に作ってくれてて、それをみんなで食べた。
お昼ご飯を食べ終わったら、3人は昨日寝れてないのもあってか、うとうとし始めた。
大介「寝る〜?」
んぅ…とか、〜っ………とか、声になってない返事が返ってくる。
そのまま机に突っ伏して眠りに落ちた3人。
リビングに布団を敷いて、一人ずつ抱き上げてそっちに移す。
眠ってて可愛らしい3人の写真を撮って、さっきの動画と共に送れば、グループラインに『可愛い』が溢れる。
そのあとせっかくのOFFだし、色々やりたかったことをやって時間を潰した。
---
夕方ごろ。
全員が家に帰ってきた。
大介「おかえりなさい〜」
「「「「「ただいま」」」」」
すぐに、3人は?と聞かれる。
大介「寝てるよ〜……………って、、え⁉︎」
3人が戻ってる……いや、寝てるけど。
「「「「「も、戻ってる、、、、⁉︎」」」」」
ラウめめこじ「「「ん……………」」」
そのタイミングでぱちりと目を覚ました3人。
ラウール「あれ…家…?」
蓮「どこ…?」
康二「わかんな…って…?」
大介「おはよ〜」
蓮「どういう、、、こと…?しごと、、、、」
照「それ昨日な」
康二「???」
辰哉「…ちっちゃくなってたからね」
ラウール「???」
亮平「可愛かったよ」
蓮「???」
撮った大量の写真を3人に見せる。
写真を見る度、3人の顔が赤くなる。
ラウめめこじ「「「えぇ…………なんか、、、」」」
翔太「可愛かった」
涼太「www」
ラウール「…ぇぇ」
康二「今の写真全部消してくれへん…?」
「「「「「「やだねwww」」」」」」
そう言って家の中で大人気なくしばらく追いかけっこしてましたwww。
はい‼︎
やっと終わりました………
次回もお楽しみに〜‼︎
『約束』の解説とシェアハウスの紹介‼︎
はい‼︎
どうも、作者の月光です‼︎
今回の内容は『約束』の解説とシェアハウスの紹介です〜
そんなに大した内容じゃないので読まなくても大丈夫…ですが『約束』がこのシリーズでどういう役割なのか〜とかシェアハウスってどんな感じなの〜とか知りたい方は見ることを推奨します‼︎
では、順番にいきましょう‼︎
---
まずは『約束』についてです!
あの話、作者としては『作品で明かした版裏設定』みたいな感じで捉えて欲しいな〜と思ってます。
一応このシリーズのSnowManはあんな感じで集まってるよ〜みたいな、、、
…それなら1番最初に投稿しろよ、って感じですが…www
すみません。
めちゃくちゃ短いですがこんな感じです。
---
てことで次…
シェアハウスの内装…?紹介です。
ここからは通常通り小説みたいな形で進めてくので、、、
どうぞ〜‼︎
---
深澤side
ついに来た、この日。
同じ楽屋にいるにも関わらず、誰も話さず、緊張からかソワソワしている。
次で…最後の仕事。
「SnowManさん、準備お願いしまーす」
なんでこんな空気なんだ。
そう思いながら準備に向かう。
そのままいつも通り仕事を終えて。
照「よし。じゃあ…帰る、か、、、」
「帰る」の部分が少し裏返ってる照。
なんでこんなに緊張してるかって?
…シェアハウスの引っ越し(?)があるのだ。
前にシェアハウスを始めた頃はまだ学生とかもいたし、余裕だったんだけど…
少し9人じゃ狭くなってきたな〜、なんて思って俺が提案したことなんだけど。
最初は冗談半分だったものが、いつのまにか滝沢くんにまで情報が行き渡っちゃったらしく、、、
先週あたりに、滝沢くんに9人で呼び出されて…
______「シェアハウスの手配完了したぞ」
SnowMan「「「「「「「「「え⁇」」」」」」」」」
(((((((((なんのこと⁇⁇⁇)))))))))
辰哉「え、なんのことですか?」
思わずそう聞き返す。
滝沢「あれ、言ってなかったっけか。シェアハウス引っ越しするんだろ?その家の手配だよ」
SnowMan「「「「「「「「「ええええええええ⁉︎」」」」」」」」」
たしかに、肝心の家が見つかんなくて困ってたけども。
流石に9人で生活するちょーどいいサイズの家が見つかんなかったんだけども。
滝沢「はい、物件情報な」
と一枚の紙を渡される。
間取りが書いてあった。
辰哉「…ひ、、ひっろ、、、、」
10LDK…⁉︎
じゅ、じゅっへや、、、
周りのみんなも言葉を失って立ち尽くしている。
滝沢「まぁな、それくらいないとお前らには足りないだろ」
辰哉「いや、俺らどっかの貴族じゃないんで…あ、舘さん除いては」
涼太「いや、一応あれキャラだから」
照「そうか?www」
涼太「なんで笑うの…w」
翔太『まままぁ細かいっことっは〜』
ラウール『気にしなぁいで〜って♪』
SnowMan『『『『『『『『『yeah〜♪』』』』』』』』』
滝沢「…楽しそうで何よりだ」
亮平「あ、すみません…」
滝沢「とにかく。来週あたりには家具・家電とかの準備も終わるだろうから、気長に待っといてくれ」
大介「え、家具ぐらい自分たちで…」
滝沢「今回用意した家具・家電以外で欲しいものは自分で買う。それでいいから」
辰哉「…ありがとうございます……?」
滝沢「うん。じゃ、次の仕事頑張ってな」
辰哉「あ、…仕事あるんじゃん‼︎忘れてた」
照「そうじゃん…」
ラウール「やべ‼︎滝沢くん、ありがと‼︎じゃあね‼︎」
蓮「じゃ‼︎」
亮平「シェアハウスに関してはありがと〜‼︎」
大介「ってもう集合時間ギリギリ⁉︎」
翔太「やばいやばい‼︎」
涼太「え⁉︎」
康二「急げ〜‼︎」
滝沢「…騒がしいなw」_________
というわけ。
てことでこれからシェアハウスに向かいます‼︎
照「とーちゃーく」
運転ありがと、とみんなで言う。
ラウール「ねぇ、、家本当にこれ?」
亮平「嘘…」
SnowMan「「「「「「「「「でっか‼︎」」」」」」」」」
見たこともないような豪邸。
さ、、、さんかいだて、、、、、、、
辰哉「まま、入りましょ?」
大介「はーい」
カードキー…。
ホテル以外では初めてだわ…
阿部ちゃんが苦労しそうだな、と正直思いました(実際まだ慣れてません…www)
ピッ
カチャ…
開いた瞬間。
新居‼︎って感じの匂いがする。
…綺麗すぎる。
もうね、凄い。
みんなが目を輝かせて辺りを見回している。
家間違えた…?って思っちゃうぐらい凄いもん。
ラウール「間違えちゃったかな、帰ろう」
回れ右をして帰ろうとするラウのシャツをぐっと掴む。
辰哉「………いや、ここで合ってる」
蓮「まじか………ここに住むわけ…⁉︎」
てことで深澤辰哉の解説入りまーす。
大きな窓があって、そこから庭が望めます。とてつもなく素晴らしい景色です。w
窓の前にはとてつもなく長く、大きいソファ。
その隣にはマッサージチェアが一台。
照「このマッサージチェアを巡る壮絶な戦いが始まりそうだな」
蓮「…たしかに」
カウンター付きのキッチン。
キッチンだけでもアパートの一室ぐらいあるんじゃないかってくらい(※度を超えた表現です)
業務用の冷蔵庫ですかってくらいでかい冷蔵庫。
多分佐久間くらいなら入ると思…
大介「おいふっかぁぁぁぁ‼︎」
辰哉「え、え、⁇」
ちなみにこの冷蔵庫、すまーとかでん?って言うらしくて、スマホのアプリと連携すればいつでも冷蔵庫の中の様子が見れるらしい。すっげー。
IHコンロ。綺麗なシンク。
キッチンの前にでっっっかいテーブル。おしゃれなカフェにありそうな椅子が9つある。
リビングには暖炉があって、その近くにハンモックが9つつるさげられている。
さっきのでっかいソファの目の前に映画館のスクリーン並みにでかいテレビ。下にキャスター付きのテレビボード。
端のほうに床が一段高くなった場所があって、本棚がいくつか。
亮平「わぉ、、本棚、、」
あの『一度座ったら立ち上がれない』という決まり文句で有名なビーズソファがいくつか。
これは争いが起こりそうだな。
て感じで、この辺は一通り紹介したけど。
まだまだこの家広いんだが…?
紹介するしかないよな。
てことで紹介しま〜す。
一階のトイレは多目的トイレですかってくらい広い。
多分9人でもギリ入r((((
翔太「ふっか……」
ドン引き、って感じの顔をされる。
辰哉「はぁ⁉︎ていうかなんで俺の心の中を読めるんだよ⁉︎」
照「まぁ。続き、紹介してやって」
辰哉「だからなんで…」
照「さっきからずっと独りで呟いてるけど?」
辰哉「えっ…」
大介「てことで続きお願いしまぁす‼︎」
はぁ…仕方ねぇ。
一階は基本こんな感じ。
中庭はなんか川ついてる…www
蓮「ザリガニ釣りてぇなぁ〜」
康二「めめ…?流石にザリガニはこの川にはいないと思うで…川に放さない限りな?」
蓮「…ぁ、そっか…」
…この会話は置いといて、続いて二階にレッツゴー。
階段だけでなくエレベーターもあることは置いといて()
一階で中庭だった部分はガラス張りになっていて中庭の様子が見える。
お風呂。
二階にお風呂は凄いって。(いやー、憧れだったわ〜)
シャワーが4個ぐらいあって、上からのやつ(天井にシャワーが付いてるいわゆるレインシャワー)もあって、プラスユニットバス×ジャグジー。
幸せ…
って思ってた矢先、サウナを発見。
翔太辺りが大興奮。
翔太「うぉぉぉぉぉサウナァァァァ‼︎」
ラウール「www」
次にさっきと同じサイズのトイレ。
やっぱ9人で(((((
涼太「ふっか、、、」
辰哉「まだ『9人で』しか言ってねぇだろ」
隣に一面鏡の部屋。
(滝沢くんがダンスを練習しろと言っているような、、、)
次にめちゃくちゃ広い寝室。
ここは9人で共有しろと言われた。(滝沢くんに)
堂々と構えてあるベッド。
なんかね、ワイキキんぐべっど…?
亮平「ワイドキングベッドね。キングベッドより一回り大きいベッドのこと」
…っていうのがあるらしくて、それが4台。
ちなみに枕は自分で好みのを調達しろと言われました。
試しに9人で寝っ転がってみたんだけど、、、、
あのラウールでさえも余裕で乗っかる縦の長さ。
9人いても余裕で寝返りが打てる横の長さ。
快適すぎ……………
夢の世界に誘われる、
翔太「ふぁぁ、、、ねむ、、、、」
辰哉「こら、そこ寝ない‼︎」
大介『チョー眠いっ、動けないっ、』
亮平『正直なんにもしたくないっ、』
蓮『面倒くさいっ、』
ラウール『布団には愛♡』
涼太『只今絶賛引きこもり〜』
照「ほら、さっさと行くぞ〜」
康二「もう少し寝かせてやぁ…」
照「枕さ、今日調達しないと眠れないだろ」
大介「うっ………」
次三階。
基本ここは個々の寝室。
タンス、机、椅子、ベッドが置いてある。
唯一…?の共有スペースが談話室的なとこ。
三階からの最強の眺めが見れるでっかい窓に、大きな机を囲ってゆったりとした椅子が9つ置いてある。
三階にももちろん同じサイズのトイレ。
大介「ふっか…」
辰哉「…なんも言ってねえだろ」
ちなみにジム的なところがあって、ジムに置いてありそうな器械がたくさんあった。
照「ジムだ……」
大介「照よかったじゃーん」
てことで一通り紹介したかな?
亮平「あ、エレベーターもう一個ボタンある」
康二「R?」
辰哉「屋上のやつだよね、なんかあるんかな」
蓮「いってみよ‼︎」
ラウール「うん‼︎」
とーちゃく。
ひっろい屋上。最高の眺め…って言っても一応都市部っちゃ都市部だからビル群なんだけど。
人工芝で埋め尽くされていて、一部がウッドデッキ。
ここでBBQとかもできんじゃね…⁉︎
謎に柱が何本か立ってるんだけど…
亮平「謎の柱じゃないよ、ふっか。これ多分布とかつければ屋根みたいになるんだと思う」
辰哉「うわ、そういうこと⁉︎」
蓮「すっげ〜………」
康二「ほんまにすごいなぁ」
翔太「この家やばいな〜」
ラウール「ここに住むと思うと感動…」
照「てことで。買い物行くぞ」
大介「夕飯の食材とかも」
涼太「あ、それに関してはお弁当作ってきたから」
SnowMan「舘さん…………………✨」
みんなが舘さんに向かって土下座。
涼太「ふふっ、そこまでしなくても」
辰哉「流石すぎるだろ…」
照「さっさと必要な物買ってさ、ゆっくりしよ」
辰哉「そうだな。行こう」
---
蓮「終わった…」
翔太「買い出し結構疲れた」
亮平「荷解きに関してはどうする?」
あ、と声が漏れる。
SnowMan「「「「「「「「「……めんど………………………」」」」」」」」」
声が揃って思わず笑ってしまう。
大介「まぁまぁ、明日でいいんじゃん?」
照「必要なものは揃ってるし」
辰哉「夕飯が先?お風呂が先?」
ラウール「お腹減った〜」
辰哉「もうね、倒れそう」
康二「ほんま、がし?しそうやで」
涼太「じゃ、お弁当どうぞ」
展開されるでっかい弁当。
涼太「9人分作ろうかなと思ったけど、時間が…wだからでっかい弁当で欲しいものとってく形式……バイキング?でお願いします」
SnowMan−涼太「「「「「「「「はーい」」」」」」」」
翔太「うわっ‼︎」
照「美味しい」
辰哉「やばい、もう幸せだわ」
大介「ね。美味すぎ」
わいわい騒ぎながら(多分世界で一番騒がしい晩餐)、ご飯を食べ終わる。
SnowMan−涼太「「「「「「「「ごちそうさま‼︎」」」」」」」」
涼太「お粗末様でした」
辰哉「…今までで一番楽しい食事だったわ」
SnowMan−辰哉「うん‼︎」
その後お風呂入って自由時間。
あ、そういえばさ、、、聞いて、、、
一人でテレビ見よーって思ってソファに座って楽しんでたんだけど…
いつのまにかみんなソファに集まってきて、めちゃくちゃ広い家なのに同じ場所に9人でくっついてるっていう………()
辰哉「…あのさ、疑問一つ言っていい?」
大介「うん。どうしたのふっか?」
辰哉「なんでこんな広い家なのに同じソファに9人でくっついてんの?」
SnowMan−辰哉「「「「「「「「…………」」」」」」」」
一瞬の沈黙。
みんなで目を見合わせて、爆笑しだす。
「ハッハッハッハッハッハッ!」
「なははははははぁ!」
「ぐはははははぁw⤴」
「ハハハハハハハ!」
「あっはっはっはっはっ!」
「んあははははは!」
「あっは、あはは!」
「…………ッうはははは!」
「きゃはははははは!⤴」
…笑い方個性的すぎw
爆笑が鎮まるまで約3分。
翔太なんて呼吸困難に陥ってる…w
翔太「はぁ、はぁ、はぁ、、、まじ、」
亮平「ご、ごもっとも…………」
蓮「うははっ笑」
大介「…いや、確かにさ、楽屋にいるときもね、俺らさ、テーブル2脚あっても1脚しか使わないじゃん?」
涼太「そうだよねw」
照「もうさ…仲良すぎなんだよなwww」
康二「せやせや。俺ら仲良すぎんねんw」
辰哉「…はぁ、マジで笑った…」
ラウール「笑うと免疫つくからいいじゃーん」
大介「たしかに。なんで俺らくっついてんだろ…」
ラウール「…………せっかくだしさ、一緒にいようよ〜」
亮平「それならもう上で寝る?」
翔太「あー、いいんじゃね」
照「そうするか」
テレビの電源を切って、9人で上に行く。
康二「9人で寝るのってさ、これ初めてなん?」
涼太「…どうかな」
亮平「俺の記憶だと多分、そう…前のシェアハウスの時は部屋別々だったから」
SnowMan−亮平「「「「「「「「まじか」」」」」」」」
ラウール「なんかますます楽しみになってきた…‼︎」
蓮「わかる」
亮平「せっかくこんな空気だけどさ、デスゲームが始まるよ?」
SnowMan−亮平「「「「「「「「えっ」」」」」」」」
亮平「誰がどこで寝るか、をかけてね」
康二「ハッ‼︎」
蓮「まじじゃん、、、、」
照「えーデスゲームのルール説明を阿部亮平さんお願いします」
亮平「はい‼︎…デスゲームです‼︎じゃなくて。うん。ただのじゃんけん」
蓮「www」
照「んー…じゃあ、始める前に…場所の希望を聞いていこうか…せーの‼︎」
SnowMan「「「「「「「「「真ん中」」」」」」」」」
ですよね、とみんなが納得する。
亮平「ではデスゲームの開幕です…最初はグー‼︎じゃーんけーん」
SnowMan「「「「「「「「「ぽん‼︎」」」」」」」」」
亮平「あいこ………じゃいくよ、あーいこーでしょっ‼︎」
またあいこ。
それを10分ぐらい繰り返し……
亮平「終わんない………泣」
照「もうさ、今いるとこでよくね?」
SnowMan−照「「「「「「「「確かに………」」」」」」」」
結構平和に終わりました。
ちなみに真ん中は今日阿部ちゃんなんだけど、日替わりで交代制になりました〜
てことで、また明日〜‼︎
---
…てな感じです。
とにかく豪邸って事が伝われば………
今回の話はここまでで終わりです‼︎
照「以上‼︎」
SnowMan「SnowManでした〜‼︎」
ーーー
※一部(『』の部分)ブラザービートの歌詞引用させて頂いてます
いちばんの薬。1
やっぱり、いちばんの薬は…?
ラウールside
はぁ………。
最近ありがたいことに忙しくさせてもらってるんだけど、休みが取れなくて。
疲れが溜まってるのに、なかなか休めないのが現状。
…でも、今日はみんなに会える日だから‼︎
今日は、みんなと雑誌の撮影なんだよね。
この一週間、それだけを命に頑張ってきたから。
…そう、最近は、シェアハウスしてるのに、帰る時間がバラバラすぎて、会話さえ交わせていない。
一緒に寝ればいいのにって思うでしょ?
それが疲れで眠すぎて、待ってても寝落ちしちゃうの笑。
だから、今日こそは…‼︎ね。
---
目黒side
ふぁ………
ねむ。
でも、今日はSnowManのみんなに会える日だから。
頑張らなきゃ。
その一心で、ドラマの撮影も、番宣も、カンペキにこなしてきて。
ついに撮影の時間だ。
今日こそは、みんなと話せますように‼︎
---
向井side
はぁ。
最近溜め息吐くの多えな、、
例のヒーローのおかげで飛ぶように売れて、忙しいんや…。
もちろん、嬉しいんやけど。な?
しばらくメンバーのみんなにも会えてへんのや。
だから、今日はな、みんなと話しまくるんや‼︎
そのために、頑張って今日乗り越えてきたんやから。
よし、向井康二、頑張るで‼︎
---
阿部side
あーあ。
疲れたなぁ…。
さっきまでクイズ番組の収録だった。
今回のクイズ、対策ちゃんとしたんだけど。問題難しすぎーっ‼︎
思い通り、では無かったけど、楽しかったから良し‼︎
だって、“楽しむって勝ちでしょ”だもん。ね?
次は、SnowManのみんなで雑誌の撮影だし。
久しぶりにみんなと会えるから、クイズ番組中も、ちょっとにやけちゃって笑
バレなかったかな?
よし、雑誌。頑張ろ‼︎
---
岩本side
はあああ。
マジ疲れた。ちょっと流石に練習メニューハードすぎたかな。
最近忙しくて、ちゃんとした筋トレできてなかったから仕方ないか。
で、次は…
そう。絶対に忘れない。雑誌の撮影。SnowManのみんなと。
実は、めっちゃ楽しみで昨日ちゃんと寝れなかったぐらい笑笑。
ていうのは嘘なんだけど。3秒で寝た。
でもいつもは1秒も経たない内に寝るから。
あ、今5分以内に寝たら気絶…って思った?
そんなこと言ったらSnowManみんな気絶してるから。
…っていうか大体の人そうでしょ。
まあ、そんなことは置いといて、急いで撮影場所に向かうぞ‼︎
---
宮舘side
…はぁ。
あ、ごきげんよう。
…今は、疲れてるんだよね、結構。
最近、仕事が忙しくてさ。でも。
今日は、SnowManのみんなと雑誌の撮影だから、頑張ってきました。
多分みんなもそうなんじゃないかな。
一週間前くらいからこれだけ楽しみにしていた撮影。
だから、頑張ります‼︎
では、ごきげんよう。
---
渡辺side
はーぁ。
疲れたよ。
今ね、雑誌の撮影スタジオ…(ニヤ)に向かってるんだけど。
あ、ごめん。俺にやけてたな。笑笑
次SnowManのメンバーと撮影だからな。
楽しみすぎてだな笑笑
ごめんごめん。
でも、本当にそれぐらい楽しみなんだよ。
みんなと会えるんだよ⁉︎久しぶりに。ほんっとうにここ数日楽しみにしてた。
じゃあ、頑張ってきま〜す。
---
佐久間side
はああ………。
およっ⁇…ごめん‼︎
最近疲れで反応が鈍くなってるんだよね笑笑
…でも今は他のことで頭がいっぱいで。
久しぶりにSnowManのみんなに会える‼︎んだよ‼︎
たーのーしーみー‼︎
今日…っていうかしばらくずっとこれを楽しみにしてたから‼︎
これだけを目標に頑張ってたんだよね〜。
じゃあ、ちょっと疲れとるために寝るから‼︎
おやすみピーマンでありまぁす‼︎
---
深澤side
ふぅ…。
疲れたぁ。
もう疲れすぎて頭回らなさそう。
でも、回さないと。
次は、久しぶりにみんなと会って。
…その感じ、貴方SnowManのメンバーと話してるね?
知ってると思うけど…雑誌の撮影です‼︎
いえーい。
よし、深澤辰哉。頑張ってきます‼︎
じゃーねー。
---
まさか、あんなことになるなんて。
この時、9人は思っていなかった。
いちばんの薬。2
最後に佐久間が入ってきて、遂にSnowMan全員が楽屋に揃った。
しかし…
全員、暫く会えなかった所為か、距離ができたのか、接し方が分からなくなってしまったのか。
みんな無言になり、気まずい空気が流れる。
と、そこで。
スタッフ「深澤さん…?ちょっといいですか…」
とスタッフさんが入ってきた。
辰哉「………。あ、はい‼︎今行きます」
と少し遅れて反応し、深澤が出て行く。
途端に、最年長のおかげか和んでいた空気が気まずいものになる。
「…」
沈黙が漂う。
その気まずい空気の中、何かしないと、とキョロキョロあたりを見渡し始める目黒。
カバンから何か取り出す。
蓮「あ、ちょっと…台本、見ててもいいっすか」
照「…あー、うん、、、いいよ」
何でだよ、めめ‼︎
と全員が思ったであろう。…不器用すぎだろ、目黒蓮。
椅子に座って、真剣そうに台本を読み始めた。
もう一度沈黙が漂う。
ラウール「ねえ…飲み物買ってきてもいい……?」
翔太「…どうぞ」
逃げるように外に出るラウ。
珍しく、ぼーっとラウを見ているこーじ。
大介「ねえねえ?こーじ…?」
康二「……………」
康二「あ、ごめん。どうしたん、さっくん?」
大介「ねえ、反応悪くない?」(訳:反応悪くない…?体調悪いの、こーじ?)
疲れで重要な部分が抜けてる佐久間。
康二「ビクッ‼︎ご、ごめんやん……。許してや…」
楽屋の外に逃げるように出て行った。
大介「え、な、なんで…?」
その隣で呆然と立ち尽くしてる照。
頭の中は、
「リーダーだから、俺が、しっかりしないと。しっかり、しっかり………………」
と思っているのだろう。
照「っごめん。無理。俺、外行ってくる」
涙を堪えているのだろうか、少しうわずった声でぶっきらぼうに言う照。
ドアが閉まった途端。
翔太「無理ってなんだよ。流石に酷い」
と怒る翔太。
涼太「翔太。落ち着いて」
翔太「無理って言われたんだぞ⁉︎何でそんなに落ち着いてられるんだよ、涼太‼︎」
涼太「無理って翔太に対して言ったわけじゃないと思うんだけど」
翔太「はぁ⁉︎もういい。俺外行ってくる」
珍しすぎるゆり組の喧嘩。
涼太「はぁ。翔太行っちゃった」
亮平「俺追いかけてこうか?」
涼太「いいよ、阿部。気にしないで」
亮平「でも…」
涼太「もういいから」
SnowMan結成して以来、最悪の空気。
バラバラになったSnowMan。
その後、メイクと衣装を整えて、撮影が開始。
あんなに険悪なムードだったのに、撮影となると、アイドルスマイルを振りまき、仲良しを“演じる”みんな。
いつものSnowManだった。
ここだけは、本当に凄いと思ったであろう。
しかし、撮影終わった瞬間、みんなバラバラに散らばっていった。
---
翌日。
朝、起きた時間はバラバラだったけど、起きて第一声はみんな同じだった。
SnowMan「「「「「「「「「……あ、これ………熱ある…」」」」」」」」」
体温を測ってみれば、全員37.5℃前後の微熱。
でも、仕事をそう簡単に休むわけにはいかない。
高熱が出てたなら話は違っただろうけど。
「まあ休めるときに休めば…微熱だし」
なんて、軽視して。
みんな、重くて怠い身体を引きずってそれぞれの仕事場に行った。
次にメンバーに会える日まで、あと5日。
それまで、休みは無い。
---
5日後。
気合いでこの5日間を9人は乗り切った。
今日は9人でYouTubeの撮影である。
しかし、実はまだ、9人全員微熱が出ている状態。
お互い熱が出てることを知らないが。
撮影するスタジオに行けば、熱のせいか話すのも精一杯で、周りなんて気にしてられない状態。
とてつもなく重苦しい雰囲気になっていた。
ラウール「はぁ、はぁ…」
息遣いが荒いラウール。
蓮「………。」
目の下の隈が凄い事になっている目黒。メイクでさえも隠せていない。
康二「…。」
どこか一点を見つめてぼーっとしている向井。
亮平「………」
勉強しているのか、ひたすらシャーペンを動かしている阿部。
照「…」
ソファにめちゃくちゃだるそうにして座っている岩本。
涼太「………」
机に突っ伏して寝ている宮舘。
翔太「はぁ…」
さっきからため息ばかりついている渡辺。
大介「……」
全く動かない佐久間。
辰哉「………………………」
沢山疲れが溜まってる顔の深澤。
全員、最悪の顔色だ。
なにせ、元々の体調不良に、メンバーと話せない、なんてオマケがついているのだから。
全員、メンタル崩壊中。
と、そこで。
ガタン‼︎
大きな音が響いた。
SnowMan−亮平「「「「「「「「⁉︎」」」」」」」」
阿部が椅子から滑り落ちた。
床にくたりと倒れている。
翔太「阿部…⁉︎」
と近くにいた翔太が驚いて駆け寄る。返事が返ってこない。
ラウール「…‼︎」
不安そうに瞳を揺らすラウール。
大介「大丈夫、らう…。外、行こう…?」
と声を掛ける佐久間。
佐久間の声、元気なくない…?
その場にいた全員が違和感を覚えただろう。
佐久間がゆっくりとラウの手を引いてスタジオのドアへと向かって歩いて行く。
そこで、
バタッ‼︎
大きな音が再び。
ラウール「さくまくん⁉︎」
とラウールが掠れ気味の声で小さく叫んだ。
佐久間も倒れていた。
ラウールが起こそうとするが、
バタ…
ラウールもその上に重なるようにして倒れ、意識を失った。
2人に近づき、しゃがむ目黒。
蓮「さくまくん、らう…………」
と不安そうに見ている。
辰哉「めめ、めめ。大丈夫だから。ほら、ソファ座ってよ?」
と深澤が声を掛ける。
深澤に促され、立ち上がる目黒。
そこでふらりとバランスを崩し、目黒が倒れた。
先程からソファで全く動いていない岩本。
意識が飛んでいるのであろうか。
康二「照にぃ、照にぃ、照にぃ…」
と必死に声を掛ける康二。
涙が溢れていた。
しかし、康二の声もだんだん遠くなり、聞こえなくなってきた。
気づいたら、床に康二が倒れていた。
翔太「あ、ふっか…」
深澤も目黒の隣で倒れていた。
涼太「翔太、翔太‼︎動かないで、」
と宮舘が慌てて言う。
翔太「え、」
しかし遅かったのかぐら、と渡辺が倒れた。
涼太「しょうた………」
と宮舘も倒れた。
SnowMan全員、スタジオで意識を失った。
いちばんの薬。3
目黒side
ん…
…ここ、どこ?まさか、病院…⁉︎
えーっと……
YouTubeの撮影行って、スタジオで……………
そうだ。俺、倒れたんだ…。ていうか、俺以外も数人倒れてたよね…
…みんな⁇
みんな、大丈夫なのかな………⁉︎
起きあがろうと思ったけど、なんかたくさん機械…?がついてて、起き上がれなかった。
「ぁ………」
…起きたいんだけど。
仕方ない、寝るか。
そう思った時。
医者「失礼しま〜す」
とお医者さん(先生?)が入ってきた。
医者「あ、目黒さん起きましたか。良かったです」
蓮「みんなはっ⁉︎」
医者「みなさんは全員無事ですよ、目黒さんで最後です」
蓮「そうですか…。よかった…」
医者「あ、色々外していきましょうか」
気づいたら点滴だけになっていた。
蓮「え、こんなに…」
医者「大丈夫ですよ〜」
蓮「そ、そうですか…」
医者「はい。じゃあ少しお話ししてもよろしいでしょうか?」
え、病院の先生の話って怖くない…⁉︎
俺怒られるの…?泣
蓮「え、はい…」
医者「じゃあ起き上がってもらって。」
蓮「はい…」
医者「最近人間関係どうですか?SnowManのみなさんと。」
蓮「………」
医者「あ、すみません。少しメモを取らせていただきますね。………ありがとうございます。前回…雑誌の撮影であってますか?の時はどのような感じでしたか?」
えー…。うまく説明できる自信がない。
蓮「えっと…長くなるけどいいですか?」
医者「是非お願いします」
蓮「最近、みんなと会える機会が少なくなっちゃって。シェアハウス、してるんですけど。帰る時間がばらばらすぎて、同じ家にいるんですけど…。撮影の時、久しぶりにみんなに会えるから…。俺は、楽しみにしていたんですけど…。接し方が分からなくなっちゃったのか、なんか…ちゃんと話せなくて。それで、ふっかさん…?がスタッフさんに呼ばれたんですけど。ふっかさんがいなくなったら、なんか空気感が悪くなっちゃって。それで、みんな喧嘩したり、一人でどっか行ったりしちゃって。で…撮影は、ちゃんと出来て終わったけど。いつもだったらみんなでわいわいするのに、その日はすぐに解散して。」
説明になってない気がする…。
医者「なるほど。よく分かりました。ありがとうございます、体調の方は…?」
蓮「えっと…雑誌の撮影の次の日…からずっと微熱で…37℃ちょいぐらいです」
医者「えっ」
蓮「‼︎ご、ごめんなさい…」
医者「あ、すみません。目黒さんは悪くないですよ。他の事で、です。気にしないでください」
他の事ってなんだろう…?
蓮「他の事で…?」
医者「長くなるので後でお話しさせて頂きますね」
蓮「はい」
医者「今回の原因は重度の疲労だと考えています。あとすみません、体温だけお願いします」
と体温計を渡される。
ピピピピッ♪
ーー36.3ーー
蓮「36.3℃でした」
医者「そうですか。ちゃんと回復してたようで安心しました。やらないといけないことがあるので、病室で待ってていただけますか?数十分後には戻れると思いますので」
ガララッ
先生が出て行った。
数十分後かぁ………
誰もいなくて寂しいな…。
SnowManのみんなに会いたい。
みんな、どこにいるんだろ……。
気づいたら、スマホの画面がSnowManのグループLINEを開いていた。
え、俺操作したっけ。ていうか画面全く見ずに開いたじゃん。
怖…。
すると、
シュポッ‼︎
とメッセージが届いた音がした。
あ、岩本くん。
『…元気ですか?』
…もしかして寂しくなった……?
あの岩本くんが、と想像すると可愛くて、思わずにやけてしまった。
あ、待って。これ既読付いちゃうからずっと見てたのバレるじゃん。
と思ったけど、そんなことはなくて、一瞬で8人分の既読が付いた。
まさか、みんなも寂しかったのかな。
『元気だよ〜』
と阿部ちゃん。絶対あざとい顔してるじゃん。
『佐久間さんめちゃめちゃ元気‼︎』
…なんか安心する。佐久間くん…会いたい、、っていうか一緒に風呂入りたい、、、
『え、全員いる感じ?』
としょっぴー。
『『『『『『『『いるよ〜』』』』』』』』
俺が送ると同時にメッセージが送られてくる。
『続きは家戻ったら話そっか、こうやって機械通して話すより、ちゃんと顔見て話した方がいいでしょ?今回の件に関しては。』
『そうだね』
『ごめん、先生来たから…』
大体全てを察した。
あー。終わっちゃった…。
ちょっとだったけど楽しかったのになぁ。
「…‼︎…………!」
…隣からなんか聞こえる?
点滴のスタンドをぎゅっと掴んでのろりと立ち上がる。
ゆっくりと壁に近づき、耳を壁にくっつける。
「…。_____、_。_______、。」
ダメか…。結構な防音対策されている。
暇つぶしにでもなるかなーって思ったのに。
足音…?
あ、やべ。先生来る。
急いでスタンドを動かして、ベッドに座った。
コンコンコン
医者「失礼します」
蓮「こんにちは」
医者「体調の方いかがですか?」
蓮「だいぶ良くなりました」
医者「よかったです‼︎」
蓮「おかげさまで笑」
医者「はい、じゃあ診察結果の方を…。やはり、疲労から来る熱ですね。SnowManの皆さん全員重度の疲労なので、明日から一週間活動を休止していただきます。」
蓮「活動休止⁉︎」思わず大声をあげてしまう。しーっとジェスチャーされてから、
医者「はい。その状態で活動を続けたら、次は1ヶ月ほど活動休止になりますよ?」と言われる。
蓮「…はい」
あーあ。ちゃんと休みは取るべきなんだなぁ。
結構後悔。
医者「ありがとうございます。で、その疲労が一つの原因なんですが…。」
蓮「一つ…?」
医者「はい。もう一つの原因が、メンバーですね。」
蓮「め、めんばー?メンバーは悪くないじゃないですかっ…‼︎俺がちゃんと健康管理してないから…」
途端に笑い出す先生。
…なんか俺変なこと言った?
蓮「ど、どうされました?」
医者「すみません笑。さっきほかのメンバーさんともお話しさせていただいたんですが笑。全く同じ事皆さんおっしゃってたので笑」
蓮「……そうですか」
医者「それだけ仲良いんですね」
蓮「…///」
少し恥ずかしくなってくる。
蓮「つ、次お願いしますっ、」
医者「すみません。メンバーが原因なのは、『メンバーと仲良くできて無かったから』なんです」
蓮「……………え、え⁇」
医者「詳しく説明して欲しいですか?」
蓮「え、あ、はい」
医者「具体的に言いますと、…メンバーとしばらく会えず、…笑」
蓮「え、え…どういう…」
医者「『メンバー不足』ですね」
蓮「えぇ…///」
医者「だから、一週間。この期間、まああっという間だと思うのですが、しっかり仲良くしてください。ね?」
蓮「…………はい」
医者「では、これにて。あと1時間ぐらい休んでいただいたら、帰っていただいて大丈夫なので。」
「あ、ありがとうございました…」「はーい」
ねぇ………。
体調不良の原因って、『メンバー不足』なの………⁉︎
恥ずい、恥ずいってば…。
…まぁ確かに、それもそうか、、、
---
マネ「では、お体に気をつけて。」
SnowMan「「「「「「「「「ありがとうございました‼︎」」」」」」」」」
無事、退院しました✌︎
マネージャーさんに運転してもらって、シェアハウスしてる家に帰ってきた。
辰哉「なんかさ…こう………9人でさ、帰ってくるの本当に久しぶりじゃない?」
しみじみというふっかさん。
大介「たしかに。今回の件では本当にもっと仲良くしないといけないんだなって」
と言う佐久間くん。
翔太「ほんと…みんなごめん」
と謝るしょっぴー。
涼太「いやいや。翔太だけじゃないでしょ。俺もごめん」
と舘さん。
照「本当にごめんな。俺がリーダーだししっかりしないといけないのに」
と照くん。
亮平「いや、リーダーだからとかないでしょ。本当にごめんね〜泣」
と阿部ちゃん。
康二「ほんまにごめんな。もっとバラエティ担当として頑張るわ」
と康二。
蓮「まだ頑張っちゃダメでしょ………本当にみんな、ごめんね」
と俺。
ラウール「みんなごめん‼︎もっと仲良くしようね‼︎」
とラウ。
SnowMan−ラウール「「「「「「「「………はい‼︎」」」」」」」」
その後、一週間。
たくさんメンバーと遊んできたSnowManは、芸能界に完全復活を果たした。
「今日から」「精一杯頑張ります‼︎」「みなさん」「迷惑を」「おかけして」「申し訳」「ありません」「でした‼︎」「てことで。以上‼︎」
「「「「「「「「「SnowManでした〜‼︎」」」」」」」」」
はい。
以上です‼︎
迷い
…個性って?
年下3人が加盟したての頃__
俺、岩本照は、リーダーとしての方向性を見失っていた。
元々、6人でさえも同じ方向にまとめて一つのグループ__SnowManとして引っ張っていくのが大変だった。
それなのに、まとめる対象が9人になったら。
それはもう大変なわけで。
---
周りの人達からすれば、SnowManは
「9人の個性が輝き溢れるグループ」。
リーダーとして、余裕を無くした俺からすれば、SnowMan
「メンバーの個性の主張が激しすぎるグループ」。
---
余裕のない日々を送っていく中で、遂に9人での会議。
8人は、「いい意見が出そう」「面白そう」と期待していた。
俺は、「喧嘩が巻き起こる」と思っていた。
スタッフさん抜きでの会議。
辰哉「ん、てことで会議始めまーす」
最年長ふっかの掛け声。
ふっかは比較的落ち着いており、方向性が明確な意見が多い。
大介「はーい!」
佐久間の明るい返事。
普段はムードメーカー。会議でもその性格は輝いており、佐久間が欠けたらきっと会議は沈黙で終わってしまうであろう。
翔太「んで?今日は何すんの?」
ペンをくるくると手の上で遊ばせて聞く翔太。
会議では基本口数少なめだけど、意見がある時は躊躇せず出してくれる。
涼太「まぁまぁ、それは今から話してくれるでしょ」
宥める舘さん。
会議は真剣に考えてくれて、間違った意見が出されても相手に不快な思いをさせないままさりげなく元の道に戻してくれる。
亮平「えーっと………なんだっけ」
考え込む阿部。
SnowManの頭脳担当という肩書き通り、細かいところまで考えられた意見を出してくれる。
康二「なんなんや?」
聞く康二。
実際に一緒に会議をしたことは無い。
けれど、バラエティ担当らしく実現可能な意見ながらエンタメ性抜群の意見を出してくれるらしい。
蓮「そうやって急かさないの」
苦笑する目黒。
基本遠くから見守っているタイプだが、たまに突拍子もなく良い意見を出してくれるらしい。
ラウール「始まるまでが長いよ〜」
真面目な末っ子・ラウール。
年下としてまた斬新な意見を出してくれるらしい。
というわけで。
会議は大変なことになる予感。
その不安を抱えたまま会議は始まった。
---
俺の不安__予感は的中。
大介「…え?ここは〇〇で実行するんじゃ無いの?」
辰哉「だから△△だっつったじゃん」
何回目だよ、と溜め息を吐くふっか。
大介「いや、だからそれは知ってる。でもその意見…△△はさ、メリットが少ない割にデメリットが多めだって言ったじゃん。」
辰哉「〇〇、やるのが面倒だって………」
そこで佐久間がガタンと椅子を倒して立ち上がる。
大介「何?面倒だからってやらないわけ?それでいいの?」
辰哉「だから俺は!みんなも仕事増えて忙しくなってきただろうから体調面も考慮して言ってんの!ていうか今別の話だろ?文句あるならさっき言えば良かったじゃねえか」
蓮「い、一回落ち着きましょ…?」
辰哉&大介「「目黒は黙ってろよ!」」
蓮「ビクッ‼︎す、すみません…………」
康二「やめぃ‼︎そんなに俺ら年下を怖がらせたいん?」
ラウール「そ、そうだよ、‼︎」
大介「そう言うつもりはない。関係無いっつってるだけだろ」
康二「関係無いなら俺らここにいる必要無いやん‼︎それだったら最初から呼ぶの辞めてや」
翔太「佐久間、深澤、落ち着け」
涼太「翔太の言う通り。康二も落ち着こう」
亮平「喧嘩するの辞めてってば」
辰哉「喧嘩じゃねえよ。それにお前ら関係無いつってるだろ」
照「…辞めろよ」
SnowMan−照「「「「「「「「え?」」」」」」」」
照「何をさっきから争ってるの?」
大介「それは…だから…次の企画の案…」
照「そんなことで揉めるなよ」
辰哉「だって」
照「だって、は言い訳。もうこっちの××の案でいいだろ」
亮平「だめ、それは俺らの個性捨ててるような物だって」
照「…はぁ。だから、個性の所為でこういう風に衝突すんならもう個性なんて捨てた方がいいだろ」
翔太「おい、照。馬鹿なこと言うなよ」
照「俺は事実を述べてるだけだけど」
翔太「個性を捨てる?そんなことしたらどうなるかわかってんのか」
照「わからなかったら言わねえし」
翔太「個性捨てたら人間が人間じゃなくなんの。一人ひとりが輝ける、なんて絶対に出来なくなるぞ」
照「別にもう輝かなくたっていいだろ」
蓮「やだよ、そんなの」
康二「照にぃまでおかしくなっちゃったん?輝かなかったらだめやろ‼︎」
照「面倒くさい」
ラウール「輝かないと、特徴無くてつまんないもん‼︎」
照「だーかーらー。お前らは‼︎」
SnowMan−照「「「「「「「「⁉︎」」」」」」」」
照「お前らはさ、リーダーじゃ無いからいいよな。人をまとめる必要も無い。そんなんだから全く気にせずに個性がどうの〜とか言えるんだろ?俺は違う。人をまとめることが、個性がバラバラな人達をまとめるのが、どんなに難しいのか分かるのかよ⁉︎」
辰哉「それで苦労してたの?」
照「それで、って何だよ」
辰哉「それは全員分かってることだと思う」
照「は?」
辰哉「うん。それが分かってるからこそ、みんなが個性を輝かせられるんじゃん?」
照「え…?」
辰哉「リーダー、が照だから。照じゃなかったら、こんなに安心して自分の思う事を放出できると思わないもん」
照「うん…だけど、それだったら、俺は、どう、すれば、っ、」
辰哉「照は分かってないね」
照「…」
辰哉「照には、メンバーがいるじゃん」
照「…ぇ、」
辰哉「ね?8人もの素晴らしいメンバーが。8人も頼れる人がいるんだよ?」
照「ぁ…」
ラウール「そーだよ‼︎頼ってよぉ‼︎」
照「…そっか、ごめん」
先程までの真剣な表情を緩め、ふっと笑うふっか。
辰哉「だから、一人で抱え込むなよ?もう懲り懲り」
照「…もう?」
辰哉「だって何度言っても聞かないじゃん」
翔太「ぐははぁwww」
大介「んまぁ‼︎会議は今日は終わりかなー」
亮平「佐久間が疲れただけでしょ」
涼太「まぁまぁ、俺今日弁当作ってきたから、休憩挟もうか」
ラウール「やったー‼︎ご飯‼︎食べる食べる‼︎」
蓮「………え、舘さんの料理?俺も食べたい」
康二「舘の料理やぁー‼︎はよしてや‼︎」
個性溢れる会話に思わず笑みを溢しながら、俺も後ろから着いていく。
…まとめるのは大変かもしれないけど、このグループをまとめるのはやりがいしか無いだろうな。
---
個性、とは。
俺が思うに、一人ひとりの心じゃないかな。
…これは、SnowManを見て俺が思った事だけど。
個性が人と接する内に身体の一部となるものが、心じゃないかなって。
個性ってなんでしょうね。
解釈は人によって違う気がする…
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
更新遅くてすみません…
能力パロ Special Story
辰哉side
どーも。
こちら【SnowMan】放送部でーす。
ただいま絶賛仕事中の深澤辰哉とその仲間達(年上5人)だよ〜。
俺は結構後方支援部隊。
今回の仕事は…
説明面倒臭いので阿部ちゃんお願いしまーす。
亮平「はい、てことでちゃんとふっかから受け取りました、改めまして阿部亮平です。現在はお仕事中なので静かに願いまーす。今回のお仕事は、けっこー裏では有名なBlack Axis。こっちの界隈ではヤバい組織トップ3に入ってまーす。ちなみに1位は俺らね?w」
辰哉「そーそー」
亮平「例のBlack Axisの組織を壊滅させ、それに過去の|記録《データ》を奪う。これが今回のお仕事でーす。ちなみに、今回の依頼者はいませーん。俺らがこの過去の記録が欲しいからやってます((←」
大介「一応ちゃんとね?理由あるから」
亮平「実はさ、年下3人が元々居た所らしーの」
辰哉「詳細は任務完了してから‼︎」
んじゃ。
…あ、やべ、敵来た。
あんま紹介したくないんだけど、良かったら見てってよ。
俺らが仕事する所。
上から一斉に襲ってくる敵たち。
敵「お前らにデータは渡さねえよ‼︎」
翔太「何、抵抗すんの?無理だってw」
翔太が敵と少し間を取って手に息を吹きかけ、手を前に突き出す。
敵「あ゛……⁉︎」
氷柱が翔太の手から現れ、次々と敵の胸に容赦なく突き刺さった。
紅の血飛沫が舞い上がる。
翔太「だろ、無理っつったじゃん」
その背後に忍び寄る一つの影。
佐久間がそれにいち早く気づき、様子見。
敵「フゥ…おれ、が、殺ん、なきゃっ、‼︎(小声)」
震える手で銃を構え、かちゃりとトリガーに指をかける。
やばいやばい。
もうこっからじゃ間に合わない…
…佐久間を信じよう。
それと同時に佐久間が手に軽く息を吹きかける。
敵「消えろッ‼︎」
翔太「えっ、?」
大介「ざぁんねん」
佐久間の手から桃色の花が。
翔太を守るようにその花が咲き誇る。
辰哉「え、ね、阿部ちゃ、これ…」
銃弾vs花。
勝ち目あるのか…?
と思ったら、まさかの弾き返し。
しかも綺麗に敵に命中してお亡くなり。
大介「ふっふっふ〜、これはアナナスだぁ‼︎」
辰哉「…へぇ?」
亮平「固いんだよね、花弁が」
大介「そうそう」
敵「へへっ、油断してんじゃねえよ〜‼︎」
大介&翔太「へっ⁉︎」
涼太「何しようとしてるの?」
ぼわっと炎が上がる。
敵「うわっ、火が、火がぁっ‼︎‼︎」
服に火がついて、焦る敵。
惨め。w
敵「あつ、、、ぁっ、、。」
無惨にやけ死んでいく姿を眺める舘さん。
翔太「りょーた、ありがと」
大介「えぇぇ?俺が助けた時には何も言わなかったのに?ゆり組がゆり組してるぅ‼︎」
---
同じ頃。
窃盗担当の岩本照です。
今回のお目当て、データがたっぷり詰まったUSBカードを見つけて盗んでいる最中です。
敵「おい、お前何してんだよ‼︎」
やっべ、見つかったわ。w
照「何って、盗んでるんだよ?見ての通り」
敵「馬鹿、盗らせるか‼︎」
照「馬鹿じゃないと思うけど、お前よりかは」
何も考えなしに襲いかかってくるお前よりかはね。
手に息を吹きかけ、襲いかかってくる敵の体に(本当は触れたくないけど)触れる。
敵「あ゛ぁ゛ッ⁉︎」
感電感電。
よくさ、アニメとかで雷打たれて骸骨になってるシーンあるじゃん。
今完全にそれ。
照「ざーんねん。俺に近づくとこうなるよ、お前らもね」
後ろに控えている敵たちにも放電し、俺の任務は完了。
じゃ、戦闘組の方へどーぞ。
現場からは以上です。
---
戻って戦闘組の監視役、深澤でーす。
ほぼ全滅なんだけど、、、
面倒臭いことにボスが現れました。
阿部ちゃん情報によると、こいつは能力持ちらしい。
何の能力かまでは手に入れられなかったらしい。
ボス「これはこれははじめまして。【SnowMan】だろ?」
翔太「うん」
ボス「そうか、今回は何が目的だ?」
大介「言うわけないでしょ」
ボス「…めんどくせえな」
翔太「あ?」
そう言って氷柱を出し、ボスの胸に突きつけ………ようとした。
ボスがパチリと指を鳴らせば、パラパラと氷柱が砕け、崩れ落ちた。
翔太「えっ」
ボス「お疲れさま、人生」
翔太の目の前に指を突き出し、指を鳴らす構えを取るボス。
大介「辞めろっ、、、‼︎」
薔薇を出し、茎でボスを覆おうとするも、それも砕ける。
ボス「ふははっ、無理だろ」
…こりゃ毒でも作んないとな。
急いで作るけど…間に合わない。
絶対。
みんなが色々と能力を駆使して応戦しているが、呆気なく砕け去っていく。
ボス「てことで、さようなら」
?「「「辞めろぉっ‼︎」」」
全員「⁉︎」
辰哉「…⁉︎康二、めめ、ラウ⁉︎」
康二「…はぁ、はぁ、やめ、やめぃ‼︎」
ボス「お前ら?懐かしいな」
蓮「…もうお前とは関係断ち切っただろ。」
ボス「そうか?お前らの情報は俺らが全部握ったまんまだけど」
ラウール「…っ」
ボス「だろ?結局お前らはまだ俺の|操り人形《もの》。」
康二「違う‼︎俺は、俺らは、【SnowMan】やから‼︎」
ボス「…そういえばさ、そろそろお前の仲間一人死にそうだけど?」
翔太の手を掴み、能力を発動する寸前のボス。
やばい、毒が出来あがんないわ。
こういう人を亡き者にするレベルの奴は時間かかるんだよね…
蓮「やめっ、、、‼︎」
その瞬間、どこからかまた敵が現れる。
ラウール「あっ…⁉︎」
どこかへ3人を連れ去っていく。
敵「久しいな、お前ら」
康二「もう、関係ないやろ⁉︎」
敵「今日も、あの時と同じように虐めさせてもらうからね」
そう言って暴力を振るう音と3人の痛々しい悲鳴が聞こえてきた。
亮平「照‼︎聞こえる‼︎」
照『うん、どうした』
亮平「年下の3人が何故かいるんだけど、俺らが戦ってる隣の部屋でなんか色々揉めてて‼︎そっち向かって‼︎」
照『わかった、すぐ行く』
通信が切れる。
と同時に、やっと毒出来上がり〜。
ボスに近づき、能力を発動。
ボス「ゔっ、あ…‼︎なんだ、なんだこれは、ああああああああ‼︎」
狂ったように叫んでから、くたりと力が抜け倒れるボス。
翔太「……辰哉、遅えよ…」
辰哉「ごめんってば。毒作んの時間かかるんだって」
翔太「…ありがと」
辰哉「も〜照れちゃって」
亮平「いいから、3人の方行くよ‼︎」
---
ちょっと時を遡って、今回一応窃盗担当の岩本照です。
てことで阿部からお願いが入ったので向かってます。
「ーーー‼︎ーーーー、ーー‼︎」
「ーー‼︎ーー、ーーーーーーーー‼︎」
照「辞めろ‼︎」
思いっきり扉を開けば、壁に縄で縛り付けられている3人。
康二「照、にぃ、……」
敵「おーおー、お仲間さん?」
照「3人を離せ」
敵「無理だね」
蓮「やだっ、やめて、」
敵「ばーか、うるせえ」
目黒を蹴る|酷《むご》い音が響き渡る。
まぁ、そりゃそうだけど、ここで俺の怒りが爆発。
てことで能力を発動して気づいた時には敵全滅。
(ふっかによく感情に任せて戦うなと言われる)
大介「ひかるっ、、、っているじゃん」
照「いるよ、倒した」
涼太「これで任務終わった、阿部?」
亮平「うん、Black Axis壊滅させたし、目的の物も獲得したからね」
ふっかが隣で丁寧に3人の縄を解いていく。
蓮「痛い」
辰哉「知ってる、治すからね」
蓮「ありがと」
照「てことで、みんな今日はお疲れさま。|任務《mission》?」
SnowMan「|完了《complete》〜‼︎」
__今日も【SnowMan】は《《裏》》で忙しなく働いている。
はい‼︎
結構前に出した能力パロの続きです〜
最近更新遅くてごめんなさい‼︎
ーーー
一応過去の記録って奴は、色々と過去の人々のデータが書いてあったらしい。
(変な暗号でよく読めないので阿部ちゃんに解読をお願いしてます)
亮平「…いや、解読したけどさ、これ、ボスの日記的な…w」
阿部ちゃんが読み上げ始める。
亮平「○月△日…今日は雨の中散歩した。可愛い可愛い猫が俺の横を通って目を奪われた。猫を見過ぎたせいで側溝にはまって泥だらけになった。ぴえん。……なんだよコレ」
大介「猫ちゃん?」
翔太「ぐははぁ⤴︎ ぴえん…www」
蓮「…なにそれw」
ラウール「きゃははっ、変なの〜www」
涼太「…ただの日記か」
康二「ボスってこんな変なこと言う奴やったっけ…」
照「側溝にはまるんだね…w」
辰哉「日記だったとしてもこんなの書かねえわ…わら」
亮平「まぁまぁ、敵が一ついなくなったんだしいいっしょ」
照「…てことで、以上!」
SnowMan「SnowManでした〜…」
辰哉「ってこれいる?」
照「まぁまぁ、良いって」
涙。1
佐久間side
自分の部屋のベッドに腰掛ければ、色々なことがぐるぐると頭の中に巡った。
『…え、何それ』
『可笑しいだろwww』
『近づくな、汚い‼︎』
学校で日常的に言われるこれらのような言葉が、今日は何故か、特に俺の心に響いた。
大介「…あ……………」
いつのまにか、目から涙が溢れていた。
その涙が頬から落ちた瞬間、固体となり、からん、と音を立てて床に落ちた。
---
<Memo>
__とある年から異常に流行り始めた、この病気__涙石病。
感染者は涙を流し、頬を離れた途端、涙が石となる。
それが主な症状。
罹った人は死ぬまで一生この病気を患うことになる。___
---
落ちた固体の涙__|涙石《るいせき》を指で|摘《つま》み上げる。
どこまでも透き通った透明で、角はなく、表面がつるっとしている。…今まで何回も見てきたけど。
俺の隣でぶる、とスマホが震えた。
…阿部ちゃんからだ。
俺の友達ね。
学年1つ違うけど、同じ涙石病の患者で、知り合った。
『佐久間ー。そろそろ来ないと遅刻だぞ‼︎』
あ、やべっ。
急いでスマホと財布と鍵…などの貴重品をかき集め、鞄に入れて、部屋から出た。
---
大介「阿部ちゃーん」
インターホンを押して、声をかける。
今は夏。
外は雨が降っていて、湿っぽい風が吹き付けている。
…とはいえ、阿部ちゃんと同じマンションに住んでるから濡れはしなかったけど。
ガチャ
亮平「佐久間やーっときた。どーぞ、入って」
大介「にゃーっす、ごめんって‼︎」
亮平「いいよ、もう日常茶飯事だし」
大介「…阿部ちゃんごめん‼︎」
亮平「うん」
大介「今日何するー?」
亮平「勉強会」
大介「えぇ…」
亮平「来週定期テストだよ?」
大介「あっ」
てことでひたすら勉強してました。
阿部ちゃん頭良いからさ…俺の方が学年上なのにねw。
---
翌週__テスト翌日。
担任「はい、今日は転校生がくるぞー」
…うわ、アニメとかでよくあるやつー。
しかも俺の隣空いてるし。確定演出。
?「どーも」
担任「……自己紹介」
辰哉「深澤辰哉でーす。趣味……趣味………は、うーん…クレーンゲーム?です、よろしくお願いしまーす」
担任「んで、席は…そうだな、佐久間の隣空いてっからそこで」
辰哉「はーい」
…あーあ。
てことで気合いでホームルーム乗り切って、休み時間。
急いで逃げようとしたら、捕まりました。
辰哉「名前、なんてゆーの?」
大介「………ぇ」
阿部ちゃん助けてー。
天から阿部ちゃん降ってこないかなぁ、
大介「………佐久間、大介」
辰哉「佐久間かー。…っていうか佐久間って呼んで良い?」
大介「…あー、……いいけど」
ご存知(なのか?)の通り、俺、クラスだと結構陰キャタイプなんですよ。
ね。
辰哉「じゃあさ、佐久間、俺ふっかって呼んで」
大介「…え、指定?w」
思わず笑ってしまった。
辰哉「うん、なんか佐久間にはそう呼んでもらいたいなーって」
大介「…うん、わかった、ふっかって呼ぶわ」
辰哉「友達ね」
大介「…えっ?…あー、うん」
友達出来たわ。
こんなに上手くいくもんだっけ?
---
昼休み。
現在、ふっかと一緒に弁当を食べてます。
誘われたので。
辰哉「まだ出会って1日も経ってないけどさ、佐久間ってなんか秘密とかあんの?」
おにぎりを頬張りながら聞いてくるふっか。
いや、結構失礼…www
大介「んー…ある分にはあるけど」
この病気の事とか。
辰哉「ふーん、そっか」
大介「そんなに人の秘密聞きたいの?」
辰哉「そんな失礼な奴じゃないってば」
十分失礼だと思うけど。
大介「…逆にふっかはあるの?」
辰哉「あー、病気とか?」
大介「んぇ、まじ?」
辰哉「マジマジ。流行ったの結構前だから覚えてないかもだけど、涙石病って知ってる?」
大介「…え?」
辰哉「あ、ごめん、知らない?」
大介「え、んーん、知ってる」
辰哉「そうそう、俺それ」
大介「…⁉︎」
阿部ちゃん以外初めてだわ、…。
辰哉「驚いた?」
大介「うん、だって……………俺も、だから」
辰哉「あ、マジ?」
二人でしばらく爆笑。
初めて病気の事教えてこんな笑ったわ。
辰哉「まじかー、同士じゃん」
大介「んねwww」
モブ1「おーい、深澤、そこで何してんの〜?w」
辰哉「どう見たって佐久間と弁当食ってるでしょ」
そんなのも分かんないの、と言いかけたふっかの口を慌てて押さえる。
モブ2「辞めた方がいいぞ、佐久間と一緒にいるの」
…やばい、どうしよ、
手から力が抜けた。
辰哉「え?なんで?」
モブ3「深澤は知らねーかもだけど、そいつ病気なんだってば、|伝染《うつ》るぞwww」
モブ1「お前知ってっか、涙石病ってやつ」
辰哉「あー、うん」
モブ2「佐久間それなんだって、気味悪ぃよな」
辰哉「そう?」
モブ2「あったりまえだろ、ガチで伝染るぞ」
辰哉「んー…伝染るも何もさ、俺もそれなんだよね」
モブ3「は?」
辰哉「そーそー。伝染るとか関係無いの。邪魔すんなら帰って」
モブ3「じゃ、邪魔じゃねえし…忠告だよ、」
辰哉「いや、でも俺が邪魔って思っちゃってるから邪魔だね」
モブ1「邪魔とか言うな、れっきとした人間だぞ‼︎」
辰哉「俺も佐久間も人間だけどね。ていうかお前ら弁当食ったの?さっきからお腹鳴りっぱなしじゃん、あと3分で終わるよ、昼休み」
モブ2「やべ」
辰哉「邪魔してるだけ時間の無駄。はいしっし」
そそくさと逃げていくモブ達をぽかーんと見つめる。
ふっかの撃退術すげー…。
俺もあんなんになりたい。
辰哉「そろそろ食べ終わった?…って泣いてんじゃん」
地面に涙石が落ちる音が聞こえてきた。
大介「…っ、ごめん、」
辰哉「え?全然良いよ。てかもう授業始まりそうだし保健室行く?」
大介「うんっ、」
ふっかに連れられて保健室へ。
そこで阿部ちゃんに会った。
しかも、阿部ちゃんも誰かと一緒にいるし。
大介「…ぁ、阿部ちゃん」
亮平「佐久間じゃん」
大介「…………誰?」
亮平「うちのクラスの転校生。」
辰哉「照⁉︎」
?(照って言われた人)「ふっか⁉︎」
大介「…どう言う状況…?」
亮平「…確かに…っていうか佐久間何で来たの?」
大介「…………ほぼサボり…wだけどさ、ほら、」
亮平「あー」
察しが良すぎる。
大介「…阿部ちゃんは?」
亮平「以下同文」
大介「…まじか」
辰哉「照も学校ここ…?w」
?「あー、うん。ねw」
辰哉「あ、ごめん、こいつ、俺がこの学校来る前も学校一緒だった後輩。岩本照。佐久間、照見た目怖いけど優しいし可愛いから」
照「余計な事言うなよ…」
辰哉「事実じゃん」
大介「………ひかる…?」
どっかで聞いたことあるような。
気の所為か。
照「…うん、よろしく」
亮平「あなたは?」
辰哉「俺は深澤辰哉。照の(一応)先輩ね」
亮平「えっと、深澤さん?」
辰哉「あー、www…なんかやだ。俺、ふっか」
亮平「……ふっか、」
辰哉「正解」
亮平「正解ってあるの?」
辰哉「…?どうだろ」
照「てか先生いないの?この学校大丈夫?」
大介「あー、………昼、休み」
辰哉「先生も昼休みか…www」
ガラララッ
?1「失礼します」
?2「ちょ、大丈夫だからっ、、、あああああ‼︎」
照(うるっさ…)
?1「先生いない感じですか?」
亮平「あっ、、待って。貴方達、(かの有名な)転校生?」
?1「え…?あ、はい」
?2「帰る‼︎帰る‼︎」
騒がしい。
?1「ちょっと一回黙ろう」
亮平「例のゆり組?」
大介&辰哉&照「…ゆり組?」
?1「あー。何でその名前広まったかは不明ですけどそうです」
亮平「ゆり組⁉︎」
?2「もう良いって、大丈夫だからっ‼︎」
?1「ダメでしょ」
亮平「怪我ですか?」
?1「あー、はい」
?2「そんな大した事ねえけど………」
?1「そんな事ないでしょ」
そう言って無理矢理体操服のジャージのズボンを捲られてる。
照「うわっ⁉︎」
辰哉「えげつないじゃん、流血」
…結構やばい。
膝辺りが擦りむけてる…?のかな?んだけど、膝がもう真っ赤。
あーゆーの無理なのか、照がふっかの後ろにさりげなく隠れてる。
…なんだ、ふっかの言ってた通り結構可愛いんじゃん。
てことで、ふっかが手当てしました。
(保健室の先生仕事してないんで)
?2「…ありがと」
?1「ありがとうございます」
辰哉「ついでに聞いてもいい?」
?1「はい」
辰哉「名前何?」
亮平「それはそれはもう………んぐっ」
?1「宮舘涼太です」
?2「…渡辺翔太」
亮平「二人合わせてゆり組‼︎」
大介「…阿部ちゃ、なんで…………そんなに詳しいの?」
亮平「もう初めて会った時から一目惚れ」
辰哉「www」
涼太「ありがとうございました」
辰哉「帰るの?」
翔太「…授業中」
亮平「そっかぁ…」
涼太「さようなら」
静かになった保健室。
大介「…あべ、ちゃん?」
亮平「どした?」
大介「…なんかさ、照と、なか…よくなった理由とか、、、ある?」
亮平「あー、…同じ病気だから、とか?」
大介「…?」
亮平「涙石病」
大介「まじ?」
照「まじ」
大介「…じゃあ、つまり、、この4人みんな同じ、病気ってこと?」
辰哉「そーだね」
照「?」
辰哉「佐久間もそうなの」
照「あー…」
亮平「なんかさ、さっきのゆり組もなんかありそうだよね」
大介「……雰囲気はした」
亮平「佐久間空気読むの上手いもんね」
…まあそのせいで色んな被害食らったこともあるけど。
大介「…うん」
照「…」
辰哉「じゃあ明日にでも追跡する?w」
照「…ただのストーカー………」
亮平「するするっ♡」
大介「…阿部ちゃん大丈夫…?」
亮平「え?」
---
俺には今日、新しい友達が出来た。
また、違う日常が訪れる予感がした。
---
?side
痛い、痛い。
とにかく痛い。
ひたすら腹を殴られ、蹴られ。
涙が今にも溢れそう。
だけど、決して涙は流してはいけない。
__それが、俺の運命だから。
お願い。
…誰か、助けて。
はい。
なんか色々と変なところで切りました。すみません。
最後の誰でしょうね…?
涙。2
翌日。
休みなので起床8:00。
昨日知ったことなんだけど、実は4人、みんな同じマンションっていう……
しかも、阿部ちゃん情報によると、例のゆり組って奴も同じマンションっていう情報が。
なのでガチでストーカーするらしいです。(やばい)
集合場所は屋上の広場。
てことで用意してきます。
---
大介「……おはよ」
辰哉「おはよーん」
照「おはよう」
亮平「おはよ〜、見てあそこ」
阿部ちゃんが指差した先に、ゆり組の二人がベンチで座ってた。
辰哉「声掛ける?」
亮平「それじゃあストーカーじゃないじゃんっ‼︎」
照「…そんな大きな声で言うもんじゃないだろ」
てことで木の裏に隠れて見てます。
翔太「…ねぇ、あそこ」
涼太「ん?」
ひそひそと何か話し始めちゃって、聞き取れなくなっちゃった。
翔太「おーい、そこ何してんの」
亮平「わっ、ばれた」
涼太「こっち来なよ」
辰哉「お言葉に甘えて」
ベンチに向かい合って座った。
翔太「何してたの…」
亮平「ストーカー」
翔太「うげっ…」
照「…ごめん」
涼太「全然構わないけど…w」
亮平「え、じゃあ毎日ストーカーしてもいい?」
翔太「そう言うことじゃないだろ」
亮平「えー…」
翔太「んで?何でストーカーしてたの?」
辰哉「まぁ色々と」
翔太「その色々が何かを聞いてるんだっつーの」
辰哉「別に俺は良いけど他の3人が」
亮平「俺は構いませんっ♡」
照「まあいいよ」
…俺はさ、それが原因でいじめられてたから。
あんま人に拡めたくないんだよね。
思わず言葉に詰まった。
大介「…っ」
辰哉「佐久間無理?」
大介「……ちがっ、、その、」
違うんだよ。違う。
別に、翔太と涼太が悪いとか、そう思ってるわけじゃない。
絶対いじめるなんて卑劣なことしないって。分かってるの。
信じてる。信じてる、けど。
そこで阿部ちゃんが色々と察して、
亮平「ちょっとお腹痛いからトイレ行ってくる。佐久間ついてきて」
大介「…っうん」
理由がまあ…うん、って感じだけど、助けてくれたことには感謝。
てことでトイレ……っていうか阿部ちゃんの部屋に連れてかれた。
亮平「言いづらかったらいいけど、佐久間の本音は?」
大介「その………阿部ちゃん知ってると、思うけど………前に色々あったからさ、、っ、あんま、言いたく、なくてっ、病気の、、ことっ、、。」
亮平「うん」
大介「ね……。昨日っ、、ふっか、と、ひかる、、には、言った、けど、、っ、」
亮平「そうだね」
大介「なんか……っ、、この、2日間でっ、こんな、いろいろ、っ、おこって、、、」
亮平「うん」
大介「…状況っの、整理が、つか、ないって、いうか、、このあと、なんかないか、って」
亮平「あー、」
大介「こわい、」
亮平「うん、教えてくれてありがと。確かに怖いわ。怖い。俺も実際ちょっと怖いよ」
そう言ってふわりと抱きしめられた。
涙が零れ落ちた。涙石が机にぶつかる音がした。
亮平「んー…そうだな、でもね?」
大介「…っ、?」
亮平「俺の情報によると、多分ゆり組も同じなんだよね」
大介「え?」
亮平「涙石病」
大介「………‼︎」
亮平「多分、佐久間にとっては色々と“日常”が変わって、目まぐるしいと思うんだけど、きっと新しいことが発見できると思うの。どうかな、」
大介「…うん、いい。いえる。」
亮平「そっかそっか。ありがと」
阿部ちゃんに連れられて屋上へ。
大介「ふっか、いいよ、言って」
辰哉「あ、ほんと?ありがとう」
…どうやらふっかも察しが良いようだ。
辰哉「実はさ、ゆり組」
ゆり組「ゆり組って言うな‼︎www」
辰哉「あ、だめ系?」
涼太「んー、正式名称じゃないからさ」
亮平「えー」
翔太「……っべ、別にいいけどっ……//」
亮平「え、なにそれかわっ…」
涼太「言わないでやって」
辰哉「んでさ、無理だったらいいけど、二人ってなんか病気患ってる?」
ゆり組「えっ…」
辰哉「ごめん、ほんとにごめん‼︎急に言って…」
翔太「や、別にいいけど」
照「ふっか聞き方失礼だぞ」
やっぱそうだよねw。
ふっか、なんかいきなり相手の懐の中飛び込んでくよね。
イメージとしては、急に家に入ってきて、ずかずかと土足で入ってくるって感じ。
涼太「うん、事実としてはそう。実際に病気患ってる」
翔太「まあな」
辰哉「なんの?」
涼太「……驚かないなら」
辰哉「俺らも色々とあるし驚きはしないよ」
翔太「涙石…ね」
すげー。
阿部ちゃんの予想通り。
辰哉「おそろーい」
ゆり組「お揃い…?」
辰哉「俺ら4人も同じなの」
ゆり組「えっ⁉︎」
辰哉「こーしてみると意外といるんだねー、奇病になってるやつってwww」
照「笑い事じゃないだろ」
辰哉「んー、まあね」
---
こうして俺ら6人は出会った。
俺らはその後、別々の大学に進学したが…
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
辰哉「ねーねーねー」
大介「ん、どうした?」
辰哉「これっ‼︎見てよ」
ふっかにある日突然見せられたスマホの画面。
翔太「なにこれ、しぇあはうす…?」
亮平「あー、今流行りの」
見出しには、どでかく
『話題のシェアハウス どこがいいのか?』
と書かれていた。
辰哉「やってみない?」
5人「え゛」
辰哉「突然言われても困るよねー。ごめんごめん」
5人「やるやるやる‼︎」
辰哉「あ、まじ?」
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
ってな感じで。
現在6人同じ屋根の下仲良く住んでます。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
⚫︎⚫︎side
「いいから早く泣け‼︎泣け‼︎」
「…っ、、__やめ、てください、__」
「あ?」
「やめてくださっ、、あ゛っ、、、‼︎」
どこっ、と殴ったような音が聞こえてきた。
…‼︎
見たことある体操服。
同じ学校だ。
…守らなければ?
でも、俺もやられたら…………
どうしよう、どうしよう…………。
__からん。__
涙。3
佐久間side
6人で暮らし始めてから早数年。
ふっかや俺辺りは大学卒業しました!
大学現役は照と阿部ちゃん。
「守るべきもの」が出来た俺は、性格が一変し、めちゃくちゃ明るく(+うるさくby阿部)なった。
楽しく、明るい日々を送っていた。
---
ある日。
照に誘われ、一緒に夕方のジョギングしていた時だった。
「----‼︎-----‼︎」
「っ、、‼︎」
大介「ねぇ照…なんか聞こえない?」
照「…確かに」
微かに眉をひそめる照。
大介「公園の方…?」
照「ちょっと行ってみるか」
休憩も兼ねて公園へ。
すると、声の主はあっさり見つかった。
公衆トイレの裏。
ガムテープだかなんだかで公衆トイレの裏の壁に括り付けられている男性…体操服を着ているから…多分中高生くらい…?と、同じ体操服の4人がそれを笑いながら見てる奴がいる。
時々、4人は括り付けられている子に蹴りを入れたり殴ったりしてる。
その度、辛そうな呻き声が聞こえてくる。
大介「典型的ないじめ、だね」
照「そっちも、だけどさ」
照が公衆トイレの奥を指差す。
指した先を見れば、壁から半分顔を出し、怯えたようにいじめを見ている人が1人。
同じ体操服。
…なるほど?
大介「助ける…?」
照「流石に見過ごせないだろ」
大介「だよなぁ」
立ち上がって近づこうとしたら、照に襟元を掴まれて引き寄せられた。
照「どう言う状況か分からないからちょっと様子見ね」
大介「…ごめん」
てことでしばらく偵察タイム。
聞こえてきた言葉は…
いじめてるやつ1「そろそろ痛くなってきたか?」
?1「うぅっ、」
いじめてるやつ2「ほらほら、早く泣けよ」
いじめてるやつ3「泣けっ‼︎」
?2「‼︎」
驚いたようにトイレの陰から
?1「むりっ、、ですっ、」
いじめてるやつ4「いいから、早く見せろ」
?1「ちがうっ、涙、、見せ物じゃないからっ」
いじめてるやつ1「はぁ?関係ねえんだよ、いいから」
いじめられてる子が、もう泣く寸前。
…涙?
見せ物?
嫌な予感がして、照を見つめる。
照が俺を見て、頷く。
照「…そこさ、何してんの?」
いじめていた4人が驚いたような、怯えたような顔をしてこちらを見る。
大介「その子、どうしたの?」
いじめてたやつ1「あ、いや…友達で、…あはは」
友達、という言葉にいじめられてた子はきゅっと顔を|顰《しか》める。
いじめてたやつ2「罰ゲームの一環です」
照「流石にさ、やりすぎじゃね?罰ゲームには見えないけど?」
いじめてたやつ3「え…いや…」
大介「ほんとそういうの辞めた方がいいと思うけど」
いじめてたやつ4「…か、関係ないじゃ無いっすか‼︎あなたたち」
照「…お前らとは思考が違うの。お前らは誰かがいじめられていても助けないだろうけど、俺らは違うから。人の心が無いようなお前らとは」
いじめてたやつ1「…チッ」
大介「ふはっ、追い詰められたら舌打ちしかできないの?」
いじめてたやつ2「…ちが、ちがっ、違うだろ、別に」
いじめてたやつ3「…もういいぜ、帰ろ帰ろ」
いじめてたやつ4「そうだな」
足早に去ってく4人。
その背中を一瞬睨んでから、いじめられてた子に目を向けた。
?1「……⁉︎…っありがとう…ございます」
大介「そっちの子もおいで」
びくっ、と驚いたようにこちらを見てきた。
大介「とにかく飲み物でも飲みな、照が奢ってくれる」
照「なんで俺?w」
大介「ひかるよろ〜」
無理矢理、照に奢らせて、混乱しているのかおろおろしている2人に飲み物を渡す。
?1「……いろいろと、ありがとうございます」
?2「…ありがとな」
大介「何があったの?」
?1「…………見ての通り、です」
照「…」
何か考え込むように顎に手を当て俯く照。
大介「怪我はない?」
?1「大丈夫、です」
照「とにかく何があったのか教えてくれる?…見ず知らずの人に言うのもあれかもだけど」
?2「…」
?1「いえいえ、助けてもらったので…。……………まぁ…いじめられてたんですけど…、…。………」
そこできゅっと唇を結んで、黙りこんでしまった。
大介「涙ってなんか関係ある?」
照「佐久間っ‼︎」
口が無理矢理閉じられた。
やらかしたー…。
昔あまり喋らなかった俺は、空気読むのは得意(なつもり)だけど、言って良いことと悪いことがすぐに判断できず、すぐ口をついて出るようになっちゃった。
これは頑張って今阿部ちゃんとリハビリ中。
しかしやらかしたー…。
?1&2「「…‼︎」」
2人が顔を見合わせて、そこから、さあっと顔から血の気が引いていく。
ほんっとうにやらかした。
大介「ごめん…」
照「ごめんな」
一緒に謝ってくれる照…神。
?1「…や、大丈夫、です…………結構前かも知れないんですけど……『涙石病』って知ってますか?」
え、まさか。
…まぁ『涙』とか『見せ物』とかいう単語が出ていた時点で予測はついてたけど。
大介&照「⁉︎」
?1「俺………その、派生版の、…『涙花病』なんです…、」
ちらっとこちらを伺うように見ているその顔には、うっすらと後悔の色が滲み出ている。
俺らの反応が悪かったかー…。
?2「俺は、…『彩涙病』なんや、」
?1「涙花病、は、涙石が…花形になって滴り落ちる病気です、」
?2「泣いた時の、感情に合わせて涙に色が付くんや、」
黙る俺たちを見て、慌て出す2人。
?1「…ごめんなさい、驚かせてしまいましたよね、……忘れてくだ」
大介&照「「そんなことない」」
?1&2「「…?」」
大介「ありがとう、教えてくれて。実はね、俺らもかかってんの」
?1「えっ」
大介「俺も照も涙石病」
照「…そう言えばさ、言ってなかったっけ。俺、晴れの日以外は涙石病じゃなくて星涙病になるの」
大介「ええええ⁉︎ねぇ、照、なんで教えてくれないの〜‼︎」
?2「…」
照「教えてたつもりだったんだけどな…、知ってるよね、星涙病ってなにか」
大介「あれでしょ?涙が星みたいに光る病気だよね」
照「そんな感じ」
?1「…お二人って一緒に暮らしてるんですか?」
大介「あぁ。…なんて言えば良い?」
照「シェアハウスで良くね?」
?1&2「「シェアハウス…⁉︎」」
大介「俺と照と〜、あとその他諸々」
照「諸々…w」
?2「いるんやな、シェアハウスする人たち…。初めて出会ったわ」
照「…もし良かったら一回来る?暇だしいいよ?」
大介「ちなみに俺ら二人以外もみんな涙石病だのなんだのかかってるから…」
?1「本当ですか…?」
?2「なんか身構えんくてもよくてええなぁ…」
大介「2人は親とかに連絡とか大丈夫なの?」
?1&2「「大丈夫です、高校生で一人暮らしです」」
息ぴったりの回答。
照「あ、そういえばさ、名前言ってないよね」
大介「俺、佐久間大介‼︎よろ‼︎」
照「俺、岩本照。よろしくね」
?1「…目黒、蓮です」
?2「向井康二やで」
蓮「康二くんさ、いつもの自己紹介しないの?」
康二「流石に年上の人にふざけた自己紹介できひんやろ⁉︎」
大介「えー、めっちゃ気になる!あ、じゃあ|家《うち》着いた時やって‼︎」
康二「え、ええん!」
大介「どーぞどーぞ」
蓮「良かったじゃん〜」
照「じゃ、行こうか」
---
蓮&康二「「家でかい…」」
大介「たーだいまぁぁぁ!」
照「ただいま」
辰哉「おかえりなさーい」
蓮&康二「「…__おじゃまします__」」
大介「大丈夫、大丈夫!そんな緊張しなくても」
亮平「早く入りな」
大介&照「「はーい」」
2人の手を引いて家の中に入った。
蓮「目黒蓮です」
康二「…みんなの万能調味料こと、塩麹よりも向井康二です‼︎」
全員(爆笑)
康二「まさかこんなに受けるとわなぁ」
蓮「意外…w」
辰哉「一家の自称・大黒柱、リアコ担当ふっかこと深澤辰哉でーす、佐久間となべと年齢同じだけど誕生日的に最年長です、覚えとけ」
照「実際にリアコ担当になってる所見たことないけどな」
亮平「覚えとけ、って自己紹介強引的だなぁ…」
辰哉「2人とも、それは言っちゃダメなやつね」
大介「はい、ってことで超絶アニメオタク兼切り込み隊長の佐久間大介でーす!好きに呼んでね」
辰哉「佐久間ってさ、好きに呼んでねってほどあだ名あったっけ?」
大介「あるよーん!さっくんに〜、…………………」
辰哉「はい無くなった」
大介「まぁまぁ、気にしないで?気軽に呼んでねっ?((((目力」
亮平「眼圧…」
翔太「渡辺翔太でーす、以上でーす」
涼太「…はい、宮舘涼太です、基本料理担当です(超絶キラキラオーラ)、よろしくね?…ついでに翔太の解説を入れると、翔太は美容オタクで勝手にこの方の化粧品を使うと明日朝を迎えられない可能性が高いので気をつけてね?…で、歌が(こう見えて)上手いよ」
翔太「要らない解説挟むなよ」
涼太「だって前、…最初の頃かな、化粧品の個人ルール説明しないで部屋に放置してたら、勝手に変な場所に片付けられて暴走してたでしょ?」
翔太「…」
亮平「ゆり組尊し…♡♡♡」
辰哉「この状況は、涼太と翔太のペア、ゆり組を強火担の阿部ちゃんが崇めているっていう状況ね」
蓮&康二「「はぁ…(この人たち結構やばめ?)」」
照「岩本照でーす、…筋トレが趣味です、あと甘いもの大好きです、以上です」
辰哉「筋トレのストイックさは、…人じゃないからその辺は覚悟しといてね」
亮平「阿部亮平です!勉強が趣味です!よろしくねっ!」
大介「はいあざとい警察でーす!」
亮平「うわ、捕まった…w」
辰哉「この子あざといから阿部ちゃん専用あざとい警察が出動してます」
蓮&康二「「へー‼︎」」
辰哉「…とまあこんな感じなんだけど」
蓮「楽しそうですね‼︎」
康二「俺も面白そうやな思ったで」
辰哉「…普通に可愛いわ、2人とも」
照「何そのコメント…w」
翔太「で、どう言う関係?」
大介「公園でね、いじめられてた子と、その友達。俺らがこの2人のピンチを命をかけて救ったぜ‼︎」
照「スーパーヒーローみたいに言うなよ…」
蓮&康二「「よろしくお願いします」」
涼太「晩御飯ちょうど用意できた所だから。…食べてく?」
蓮「いいんすか⁉︎」
康二「最近、コンビニやからなぁ、、」
亮平「あ、思ってる以上に美味しいからね」
翔太「まじ涼太の飯はうめえぞ」
辰哉「そこら辺の主婦には負けないと思う」
涼太「それは主婦の方々に失礼だよ」
辰哉「ごめんなさーい」
今日のご飯はモッツァレラとトマトのパスタ。
漂ってくる香りが良すぎる。
舘さんは昔っから料理が上手いんだよね。
蓮&康二「「いただきます」」
恐る恐る、という感じで一口食べる2人。
途端に、ぱぁっと顔が輝く。
舘さんがめちゃくちゃ嬉しそう。
一気にがつがつと食べ始める2人を6人でにこにこと見守った。
蓮「おいひい、です‼︎」
康二「ほんま美味しい‼︎」
あっという間に完食。
亮平「そういえばさ、どうして呼んだの?」
照「え、それはいじめられてたから」
亮平「それ以外にもあるでしょ。佐久間がそんな顔してる」
大介「うぇっ⁉︎」
亮平「分かるよ〜、大体」
蓮「……えっと、……涙石病の派生派、………涙花病なんです」
康二「俺が、彩涙病なんや」
翔太「お友達!」
辰哉「なべの急な5歳児発言」
亮平「分かる、可愛い」
翔太「何だと⁉︎」
涼太「落ち着こうか」
亮平「ゆゆゆゆり組♡」
大介「阿部ちゃん落ち着いて(焦)」
辰哉「んで?解説または説明お願いしたい」
照「解説と説明同じじゃね、ほぼ」
辰哉「hey Si○i、解説と説明の違いを教えて」
照「今呼ぶな」
辰哉「だってこう言うタイミングで使わないと、Si○iさん出番ないでしょ」
Si○i【『出番がない』なんて悲しいことおっしゃらないでください】
照「…まずSi○iも質問に答えろよ」
Si○i【申し訳ございませんでした。説明と解説はほぼ同義語で、説明の中に__】
辰哉「ごめん、そんな長い話は求めてないわ、じゃあなSi○i」
翔太「もう阿部に聞く方が早いんじゃない?」
Si○i【…さようなら】
涼太「なんか可哀想…」
辰哉「まぁまぁ」
亮平「涙花病は涙石病の派生版で、石が球状じゃなくて花形なの」
蓮「…おぉ」
亮平「彩涙病は、その人の感情に合わせて…例えば、悲しい時は暗い色とか、嬉し涙は明るい色、とか。そんな感じ」
康二「ようわかってんなぁ」
辰哉「うちの頭脳だからね」
翔太「で?なんでいじめられてたの?」
蓮「…っと、、」
康二「代わりに喋るな、めめ」
蓮「…あ、お願い」
康二「このな、奇病のことが周りにばれてもうてな、一目見ようとみんな集まってきたんや。…で、悪い奴はめめの涙石狙っていじめしてたんや」
亮平「…めめ?」
康二「あ、蓮のあだ名やで」
大介「えっ、かーわーいい〜!」
照「突然のギャル辞めろ」
蓮「…///」
辰哉「まさかの本人ガチ照れ」
涼太「とはいえいじめの理由酷いな…」
翔太「まじそれな」
亮平「そしてゆり組」
大介「話の流れ…w」
亮平「今日さ、供給多くて神」
照「…親とかは?」
蓮「親は、俺を気味悪がって早々に一人暮らしさせられました」
康二「俺もや」
6人「「「「「「うわっ…」」」」」」
照「…そうだ、俺らと一緒に住まない?」
蓮&康二「「へっ?」」
辰哉「たしかに」
蓮「…でも、申し訳な…」
亮平「え、全然良いよ?」
翔太「寝室まだ3つ余ってるしw」
涼太「全然構わないよ?」
辰哉「無駄に広いし」
照「無駄に広い…www」
康二「…じゃあお願いしてもええ?」
大介「もちろん!大歓迎だよ〜ん」
亮平「ここなら守ってあげられるし」
照「2人をいじめる奴が現れたら俺が…」
辰哉「ひかる落ち着こ〜」
照「ごめんごめん」
蓮「すぐはこれないですけど…2週間後ぐらいにはたぶんこっちに来れると思います」
康二「俺もや」
辰哉「じゃ、待ってるよ〜」
---
2週間後。
蓮&康二「「おじゃまします」」
辰哉「あっ、まーちがーえたー」
大介「小学生発見であります!」
翔太「小学生みーっけ!」
辰哉「5歳児発見!」
照「騒がしい…」
辰哉「…まぁ、気にしない気にしない。…で、間違えたね」
蓮&康二「「えっ…?」」
辰哉「もう|家《うち》の家族なんだから、『おじゃまします』じゃなくて『ただいま』でしょ?」
亮平「おー」
辰哉「それはなんの『おー』?」
亮平「ふっかにしては良いこと言うな、の『おー』」
大介「阿部ちゃんのディスリだ」
辰哉「なんか結構傷つく」
翔太「ぐははぁ⤴︎」
亮平「事実だもん」
照「まぁふっかにしては良いこと言ったな、たしかに」
涼太「うん」
蓮「…あの、いつもこんな感じなんですか?」
照「あー、これでもマシな方だよ」
辰哉「酷い時は酷いもんね」
亮平「…大体荒らしてるのふっかと佐久間だよ」
照「亮平もゆり組出ると暴走するけどね」
亮平「急な亮平呼び辞めて、照れる(真顔)」
翔太「真顔で照れるって言われてもなw」
涼太「たしかに、w」
亮平「あぁゆり組♡」
照「ほーら暴走始まった。…そこじゃあれだし部屋入りな」
荷物を大量に抱えてる2人を中に促す照。
亮平「そういえば部屋どこにする?」
辰哉「たしかに。空き状況は?」
亮平「えっと、3階なんだけど…、片側に5部屋、もう片側に4部屋で、5部屋側は2部屋、4部屋は1部屋空いてる」
辰哉「だって」
蓮&康二「「じゃ5部屋側の2部屋貰います」」
亮平「うん、そうしな」
って訳で無事、部屋割りも決まって、我が家の仲間入り。
阿部ちゃんの見解によると…
康二は明るい系で、最強トーク力×完璧なるお笑いセンスで、ふっか、俺の「常に深夜テンション組」仲間入りらしい。うるさい人が増えてありがた迷惑らしい。
(阿部ちゃん意外と嬉しそうだったけど)
蓮はクール正統派天然イケメンらしい。全く意味わかんない、って言ったら、
顔かっこいいしスタイルよくて、完璧に見えるのに、意外と抜けてるところがあるって。
(前にゴミ箱にスマホを捨てて慌ててるところを見かけたらしい)
我が家は更に騒がしくなるのだった。
そろそろ終わりたい!
そろそろ終わりたい!(しつこい)
涙。4
佐久間side
こーじとめめの2人が仲間入りして、さらに騒がしくなった我が家。
そんなある日、滅多に鳴らない|家《うち》のインターホンが鳴った。
それはもう、大騒ぎ。
辰哉「え、誰?」
大介「普通に誰?」
翔太「誰来んだよ…」
康二「照にぃ照にぃ照にぃ〜‼︎」
照「うわっ…」
康二「うわってなんや⁉︎⁉︎照にぃひどない?」
照「うわって思ったから言っただけ」
康二「…」
辰哉「康二落ち着こう〜」
涼太「見た感じ男子中学生…?くらいだけど」
蓮「俺呼んでないからね??」
亮平「めめは疑わないって」
辰哉「照〜、出て」
照「え、俺?やだ、怖いんだけど」
辰哉「え、そのために筋トレしてるんじゃなかったんすか〜?」
大介「そうだぞ照‼︎」
翔太「__そうだそうだ〜__」
康二「翔太くん声小さいで〜?」
翔太「はぁ?康二ふざけんな、お前後で、うぐっ」
涼太「翔太落ち着こう〜」
辰哉「この家族何回落ち着こうって諭さなきゃいけないの?」
亮平「え、待って、ふっかから諭すって言葉が出てきたの感動」
大介「確かに〜‼︎」
蓮「諭すってなに?」
辰哉「hey Si○i、諭すって…」
康二「ふっかさん使ってる場合やないで」
辰哉「かわいいかわいいめめちゃんからの質問だよ?答えないと」
康二「絶対そんな場合やないで、照にぃの叫び声聞こえたもん」
辰哉「うん、それは早く言え」
大介「いや、それは早く言わないとだね⁈」
てことで玄関へレッツゴー。
康二「あ、照にぃどうしたん⁉︎」
照「え?」
康二「照にぃ叫んでたやろ⁉︎」
照「や、俺叫んでないよ?翔太じゃない?」
翔太「あー、うん俺」
涼太「騒がしくてごめんなさいね〜」
辰哉「康二嘘ついたね」
康二「ごごごごごめんやん⁉︎」
蓮「ご、が多すぎる」
大介「にゃははっw」
辰哉「んで?誰?」
照「ラウールっていうらしい、ベネズエラ人と日本人のハーフなんだって」
辰哉「いや、普通なんで来たか聞くでしょ」
大介「俺もそう思う」
照「佐久間には言われたくないな、前さ、配達員さんの情報盗み取ってたでしょ」
大介「え⁉︎⁉︎なんで照知ってんの⁉︎」
照「康二が言ってた」
大介「こーうじーーー‼︎」
康二「ごごごごごめんやん‼︎」
蓮「こーじ怒られすぎ」
照「で、なんで来たの?」
ラウール「…なんとなく、助けてもらえそうだったからです」
照「何から?」
ラウール「今、家出中で」
照「あー家出ね」
辰哉「蓮がやろうとして失敗したやつ」
蓮「あれはまた違くて…」
辰哉「どう違うの?」
蓮「…長くなるからまた後で」
ラウール「匿ってくれませんか、?」
照「いいよ?空いてるし」
辰哉「どれくらいの期間?」
ラウール「俺が死ぬまで一生です」
亮平「おぉ、どういう家出したの?」
ラウール「どちらかというと親に追い出されました」
大介「うわっ」
翔太「追い出された理由とかあんのか?」
涼太「確かに」
ラウール「それは……中で話させていただいてもよろしいですか?」
大介「ぜーんぜんいいよ〜‼︎」
---
リビング
ラウール「えっと、、まぁ病気です」
大介「遭遇率高くね?」
辰哉「何、我が家呪われてる?」
亮平「呪いとか言わない」
ラウール「ほぼ呪いに等しいですけど…引かないでください、、涙石病です」
大介「遭遇率高いじゃん」
ラウール「…?」
亮平「うん、うちらもそーゆー奇病かかってるから」
ラウール「え、そうなんですか?」
康二「せやで」
ラウール「…初めてです、同じ奇病の方に出会ったの」
辰哉「この機会にもう一回紹介しちゃう?」
大介「確かに〜」
辰哉「深澤辰哉でーす、ふっかって呼んで‼︎えーっと、普通の涙石病です」
大介「佐久間大介でーす!!(重めの)涙石病です」
翔太「渡辺翔太です、涙石病です、あと化粧品触るな」
涼太「宮舘涼太です、同じく涙石病です、よろしくね」
照「岩本照です、晴れの日は涙石病、雨の日は星涙病です、よろしく」
亮平「阿部亮平でーす、佐久間よりは軽いけど通常よりは重い涙石病でーす」
康二「どーも、みんなの万能調味料こと塩麹よりも向井康二でーす!彩涙病やで、よろ」
蓮「目黒蓮です、涙花病です、よろしく」
ラウール「よろしく、!」
そしてまた、新しい仲間がこの家に増えた。
笑って、怒って、楽しんで、そして時には泣いて。
ありのまま、で泣ける、この家が俺は好き。
fin.
最後終わり方適当…
ようやく完結です‼︎
Christmas
𝕄𝕖𝕣𝕣𝕪 ℂ𝕙𝕣𝕚𝕤𝕥𝕞𝕒𝕤‼︎
クリスマスということで特別編です‼︎
目黒side
12.20.
最悪すぎる。
今日から俺は1週間近く映画の撮影のためにロケ地(東京から車で5-6時間くらいのとこ)に行く。
一週間…すなわち、クリスマスはSnowManと一緒に過ごせない、ってこと。
まじで最悪。
大介「れーん、いってらっしゃい‼︎」
亮平「じゃあね、めめ〜」
辰哉「怪我と病気に気をつけてね?」
翔太「風邪ひくなよ」
涼太「しっかりご飯食べてね」
照「頑張れよ」
康二「気をつけてな〜‼︎」
ラウール「めめー‼︎」
「みんな、ありがと。行ってくるね」
SnowMan-蓮
「「「「「「「「いってらっしゃい〜‼︎」」」」」」」」
まじで最悪。
---
12.24.
辛い。
今日で離れてから4日目。
そして、今日はクリスマスイブでもある。
毎年、みんなでプレゼント交換したりケーキ食べたりしてる。
本来は今年もそうするはずだったのに。
多分、俺以外は今年も楽しんでんだろうな〜…。
実は、俺昨日で撮影終了しちゃったの。
予定より早く。
帰りたいところなんだけど、飛行機の予約とか、ホテルのキャンセル料とか考えた時に残ってくださいって言われちゃって…。
最悪すぎる。
帰れるのに帰れない。
「…ぁ」
外に出ると、ふわふわとした、わたあめのような雪が降り始めていた。
「ゆき…」
冷えた窓に手を置いて、しばらく雪を眺めていた。
俺が見ている間にも、どんどん雪は降り積もって、子供たちが外ではしゃぎ始めた。
「…くしゅんっ」
段々と指先から体が冷えてきて、ベッドにでも入ろうかと思った時。
「__でぇきたぁー‼︎__」
外から嬉しそうな声。
みれば、少しいびつな形の雪だるまがずらりと並んでいた。
途中で雪がなくなったのか、元々そんな作るつもりはなかったのか知らないけど、雪だるまは8体しかいなかった。
ずしりと鉛のように重い悲しみを抱えながら、布団にくるまった。
「…はぁ、」
その時、スマホに小さく振動が来た。
あ、SnowManからだ。
大介「めりーくりすます‼︎(ちょっと早い?)」
亮平「めめ、元気??めめが」
辰哉「いないのは」
照「…まぁ物足りなくて」
康二「かなしいんやけど」
ラウ「らいねんは」
翔太「いっしょに」
大介「くりすます、過ごそうね‼︎‼︎」
康二「よかったら写真見てな‼︎」
と言うメッセージ(ひらがな多いけどなんで?)と、たくさんの写真。
ケーキを食べてたり、楽しそうに話してたり、みんなでゲームしてる動画まで。
みんな俺のこと考えて送ってくれたんだろうけど、どこか悲しいような、怒りのようなものが俺の心に沁み渡った。
もう一度大きなため息を吐いてから、
「ありがとう」
とだけ送ってスマホをシャットダウンした。
はぁ〜…
最悪すぎる、最悪すぎる。
みんなと一緒に過ごしたかったのにぃっ…
「はああああああ…」
大きくため息を吐いたあと、電気を消して眠りに落ちた。
つーっと涙が俺の頬を濡らしていった。
---
12.25.
「んん………」
太陽の光が差してきて、その光に目が覚めた。
「…へっ⁇」
見覚えのない人……人たち?が俺の無駄に広いベッドに寝てる。…ごく普通に、当たり前のように。
誰、不審者⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎
「だ、誰ですか………ええええぇっ⁉︎⁉︎⁉︎」
叫んじゃった。叫んでしまった。
なんで?????????
SnowManのみんなが俺のベッドで寝てるんだけど。
え、どゆこと。
「な、なんで……」
大介「れぇん、、、…スピ~」
涼太「あ、目黒」
亮平「ぁ、、めめ、、、」
照「…、めぐ、、ろ、?」
翔太「めぐろぉ………スヤァッ」
康二「めぃっ、、、、めぃ、」
ラウール「めめぇ、、、」
「なな、なんでっ⁉︎」
涼太「おはよう」
「おは、ようございますっ、?」
大介「れん〜……スゥ…」
翔太「ねみぃ…」
康二「めぃめぃめぃめぃ…」
照「めぐろ…」
亮平「おはよ〜」
「どして、?」
亮平「送ったよ」
「ふぇ?」
ラウール「見てみてよ、LINE」
「らいん、?」
SnowMan-蓮
「「「「「「「「うん‼︎」」」」」」」」
LINEを開いてみる。
特に違和感はないし、追加で送られていることもない。
「…?」
辰哉「めめのばーか」
「は、?w」
照「よく考えてみて」
亮平「ほら、頭柔らかくっ‼︎」
「無理だって…俺に出来ると思う??」
翔太「よーく考えて」
康二「わかるで‼︎」
大介「れん!れん‼︎」
ラウール「もぉ〜‼︎」
「わかんないよ〜…」
亮平「LINEの概念覆した方がいいよ」
翔太「うわっめちゃくちゃいいヒント」
「はぇ、、?」
睨めっこしてみるけど全くわかんない。
照「蓮ってこんなに頭悪い?www」
「悪いよ‼︎(泣き×怒り)」
涼太「がんばれ〜」
「ゔぅ…知恵熱出る気がする………」
大介「LINEを普通に読んじゃだめっ」
「普通じゃない読み方ってなに⁉︎」
ラウール「うぅ〜…見てるこっちがイライラしてくる〜‼︎‼︎」
「ごめんラウ‼︎」
康二「言いたくなるんやけど‼︎」
「どーすればいいの⁉︎」
亮平「その…言いたいことそれじゃないんだよなぁ…」
照「違う違う…」
辰哉「なんか…しゃっ‼︎って」
「え?www」
康二「しゃっ」
ラウール「しゃっ」
翔太「しゃっ」
涼太「しゃっ」
大介「しゃぁぁっ‼︎」
しゃっ?と混乱しながら見る。
わかんない…。
亮平「向き‼︎」
「向き…………ぁ、‼︎」
縦読み?
そう思って頭の文字を縦で読んでけば…
『めめいまからいくよ』
※確かめてみてね‼︎
…‼︎
「うそぉっ、!」
辰哉「やーっと気づいたか」
「『めめいまからいくよ』…って言ってたの?」
亮平「うん」
照「ちなみにこれいつから計画してたか知ってる?」
「えーっと……昨日、弾丸?」
大介「なわけwww」
翔太「はーあ、おもろっwww」
「いつから?」
康二「発表するで〜‼︎」
ラウール「ドゥルルルルルル…ダンッ‼︎」
涼太「Let‘s party time…」
ラウール「そこは言ってよ…www」
辰哉「蓮がこの日に撮影行くって決まった時から」
「へっ、?」
涼太「そうそう」
「い、っかげつまえ、くらいってこと、?」
ラウール「うん‼︎」
「マジか…」
照「めめ絶対泣いちゃうねって思って?」
「ビクッ」
亮平「あ、反応してる」
辰哉「てことは…?」
康二「泣いてたん?」
「っまぁ………ちょっと、?////」
ラウール「めめ可愛い〜」
翔太「結構考えた」
涼太「thinking time しました」
「みんな……ありがと。…多分今までのプレゼント?サプライズ?の中で1番嬉しいっ‼︎」
辰哉「よかった〜」
亮平「結構こっちも楽しかった‼︎」
翔太「あと、これ」
照「どうぞ」
丁寧に包まれたプレゼント(?)。
開いてみれば、
「あ、マフラーだ」
綺麗な漆黒のマフラー。
丁度買おうと思ってたんだよね。
大介「正解っ‼︎」
ラウール「マフラー欲しいって前言ってたよね⁉︎」
「へ、、?いつ、?」
康二「あ、それ盗聴器で聴いたやつやで」
「え゛」
涼太「康二盗聴器つけてたの?」
康二「…つけてました」
「…www」
照「まぁ……みんなで揃えてみたから」
みんなが各々のカバンから色違いのマフラーを取り出す。
「あ、…ほんとだ」
辰哉「そうそう、丁度9色あったから」
「ほんっとうに嬉しい、ありがとう…‼︎」
というわけで。
そのあと、俺は映画のスタッフさんもホテルの方々も、全面協力でこのサプライズを行なっていたことを聞かせてもらって。
映画のスタッフさんから帰って良いよって言う許可が降りたので、9人で仲良く帰りました。
帰り際、昨日子供たちが遊んでいたところに目をやれば、昨日は8体だった雪だるまが、1体増えていた。
fin.
来年もここでクリスマスを迎えられますように*↟⍋↟*
二人。 mm.side
〜あけおめ‼︎〜
!!!新年初投稿!!!
ニキめめです‼︎
主が1番好きなコンビです‼︎(どうでもいいですね)
⚠︎一部性的表現有り
長め
※この話はめめ視点でお送りします、ひーくん視点がいい方は前の話へれっつごー
目黒side
___始まりは、俺がまだ、宇宙sixとして活動していたときだった。
運命の人に出会った。
その人はもう、格好良くて格好良くて。
統率力があって、頭の回転が早くて、常に真剣に考えてくれていて、ダンスも歌も上手くて、顔も格好良くて、筋肉があって、強くて、なのに時々俺たち後輩に見せる笑顔が可愛くて。
その人はそう、紛れもなくSnowManの岩本照くんだった。
初めて出会ったのは、事務所の廊下でだった。
その日は朝から仕事詰めで、ぼーっとしながら廊下を歩いてたら。
「あっ、」
途中でふらっと体が傾いて、思いっきり転けた。
大人なのになにやってんだ俺。
堂々と廊下のど真ん中で転けて…
恥ずかしい、、、。
そんな時に、手を差し伸べてくれたのが、岩本くんだった。
照「大丈夫か」
「…すみません、大丈夫ですっ、⁉︎」
顔を上げたら、先輩の岩本くんと目が合った。
その瞬間、心臓がとくんと跳ね上がり、顔がかあっと熱くなるのが分かった。
格好良すぎる。
男の俺でもときめくような格好良さだった。
と、そこで我に帰った。
俺は後輩。岩本くんは先輩。
こんな感情抱いちゃダメに決まってる。
「す、すみませんっ、ごめんなさい、、、、」
照「いや、謝んな。俺は大丈夫だけど…大丈夫?」
「だだだ、大丈夫、ですっ、」
と立ち上がろうとした時、足に鈍い痛みが走った。
思わず床に座り込む。
…やらかした。捻った。
でも、ここで迷惑掛けるわけにはいかない。
嘘つかなきゃ。
照「…え、大丈夫?怪我してない?」
「だっ、大丈夫、ですっ」
照「見せろ」
なんとか隠そうと試みたけど、もう手を伸ばされたら負け。
先輩の手なんて振り払えるわけないし、断れない。
さっとズボンの裾が|捲《まく》られた。
捻って赤く腫れた足首が|露《あら》わになる。
照「うわっ…捻ったよね、大丈夫?…じゃないよな」
「だ、だいじょ…」
照「真っ赤…」
「ほんと、大丈夫っ、ですからっ、」
照「大丈夫じゃなさそうな顔だな」
「大丈夫ですって、、」
照「ちょ、こっち」
そばの休憩室に連れてかれ、椅子に座らせられる。
てきぱきと動くその背中をじっと眺めた。
本当に申し訳ない。
岩本くんが自販機で水を購入して、持っていたタオルを濡らし、俺の足首に巻いてくれた。
ひんやりとしたタオルが、腫れて生まれた熱を奪い去っていく。
「ありがとう、ございますっ、」
照「本当はもっと見ててあげたいけど、この後すぐ仕事あるから…。ごめん。じゃあな」
俺の頭をぽんとしてから、風の如く去って行った岩本くん。
「…///」
その手の感触、そして背中は頭に深く刻まれ、忘れることはなかった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
岩本くんに助けてもらったあの日から一ヶ月。
無事捻挫は完治しました、と伝えられた(記念すべき?)日。
あの日以来会えていない岩本くん。
なんでこんなに引っかかるんだろ…。
た…、ただの先輩なのに、、
そうやって思い込みをしようとしている自分が情けなくなってくる。
本当はもうわかってる。
自分があの一瞬で岩本くんにどんな感情を抱いた……抱いてしまったのか。
どちらも職業アイドル。
先輩と後輩。
しかも同性同士。
俺は一番この世で禁忌と言える感情を抱いてしまったのかもしれない。
そう思うと泣きそうになる。
叶えちゃだめなの…?
人生で初の恋くらい、楽しませてよ神様。
でもやっぱ…、
俺、岩本くんのこと_____。
違う違う、ダメだってば絶対……。
何度も蘇ってくるあの大きい手の感覚。
陽だまりのように優しく、あたたかい声。
どこまでも澄んでいて、曇りのない瞳。
頭の中は結局それでいっぱいだった。
自分が禁忌を犯してると知りながらも、この感情は消せなかった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
そこからしばらく経ったある日。
今も岩本くんに関する感情は変わっていないんだけど…。
謎に社長からの呼び出しを喰らいました。
俺なんかしたっけ。
…まさか社長にこの感情がバレて…恋なんかしてんならさっさと辞めろとか⁉︎
いやいやいや、そんな、まさか…………。
ないでしょ…(たぶん…)
少しドキドキしながら重たいドアを開く。
未だに、この謎の緊張感は慣れない。
「こ、こんにちは」
社長「最近どうだ?」
「楽しいです」
社長「よかった。…一つ提案があるんだが」
「はい、?」
社長「目黒くん、SnowManに加入してくれないか」
と告げられた。
SnowMan。
俺の憧れ……?の岩本くんがリーダーを務めるグループ。
入りたくない|理由《わけ》がない。
…これって運命、?
俺、もしかして…
いやいや、ダメ。
この感情はちゃんと胸に留めとかなくちゃ。
社長「いかがかな」
だけど…
身体は素直で、
「はい、お願いします!」
と勢いに任せて言ってしまった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
自己紹介とかするためにSnowManの全員が集まることになった。
俺はまだぐるぐる後悔している。
一番、ダメなのに。
こんな感情、抱いちゃダメなのに。
こんな中途半端な覚悟で来てはいけないだろうに。
でも一度加入すると言ったらもう後戻りはできない。
偽ってかなくちゃ、本当の気持ちを。
「「「「「「ようこそ〜、SnowManでーす!」」」」」」
「「「よろしくお願いします…!」」」
俺の他にも、向井康二くんとラウールが新メンバーだった。
あ、岩本くんいた、!
…ぅ、違うって…
岩本くん見ちゃダメ、
照「…⁉︎」
でも目で追ってしまう。
岩本くんは一瞬驚いた顔をしてから、花が咲いたかのような笑顔を俺に向けてくれた。
「…///」
なにあの笑顔。
惚れちゃうってば…。
どきどきと高鳴る胸を押さえながら、自己紹介をした。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
加入して一週間。
岩本くんと会うたび、胸が苦しいほどときめいて、高熱でも出たんじゃないかというほど顔が熱くなる。
一番抱いちゃダメな感情を俺は抱いてしまった。
これは憧れとか、そう言う|生半可《なまはんか》な気持ちじゃないのはもうとっくに知っている。
愛してる。愛してしまってる。
ここまで執着してしまったらもう戻れない…
…違う、戻るんだよ蓮。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
一ヶ月後。
いまだに俺は苦しいまま。
抱いちゃダメって知ってるの。
知ってるのに、心は言うこと聞かなくて、やっぱりドキドキしてしまう。
しかも岩本くんとは上手い具合に距離を詰められていない。
こ、こ…恋しちゃダメなのに、、
なんでこんなこと思っちゃうんだろ…?
あー…岩本くん、、、
俺は何かに取り憑かれたかのように、岩本くんのことしか考えられなくなった。
苦しい。
助けて。
恋を辞めようにも辞めれない。
恋をしてはいけないのに…。
わかってるのに…。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
岩本くんへの恋に葛藤する日々を送っている俺。
新曲のダンスの振り入れで、ペアを組んでやることが決まった。
少ない人数でやることで互いに頼りやすく、教えあえることが目的らしい。
辰哉「ペア…まあ1組トリオだけどさ、どうする?」
照「…別にふざけなければ俺は誰でもいい」
ラウール「僕トリオがいい‼︎」
辰哉「OK、じゃあラウは確定ね」
大介「その他は〜?」
康二「俺もラウと一緒がええんやけど」
亮平「いいよいいよ‼︎じゃあ俺そこのトリオ入ろうかな」
辰哉「じゃあトリオは決定って感じ?」
大介「そーだね‼︎…蓮は希望ある?」
「え…っと、、、」
辰哉「照とかは?」
「…⁉︎//」
嘘っ…‼︎
熱く火照りだす顔。
その顔を見られないように慌てて下に向ける。
照「俺は全然いいよ?目黒大人しいからやりやすいし」
大介「大人しいからやりやすいって…www」
照「事実じゃん」
辰哉「じゃあめめ、照とでいい?」
「全然…喜んで、?」
辰哉「じゃあ俺なべ貰うわ」
翔太「げっ」
辰哉「『げっ』てなんだよ」
翔太「面倒くさいなって」
辰哉「うっわ最低」
大介「じゃあ俺舘さんとだ〜‼︎」
涼太「よろしくお願いいたします」
岩本くんと同じペアになることができた。
やばいやばいやばい、俺嬉しすぎる。
まさか一緒になれるとは思ってなかったもん。
なれてもトリオかなって思ったし。
深澤くんナイスすぎる。
…って違う、ダメなんだよ蓮、
嬉しいけど素直には喜べない、みたいな変な感情を抱いた心のまま、岩本くんと隣の部屋へ移った。
…2人きり。
どくどく、と心臓が鳴っている。
やばいやばい、顔がめちゃくちゃ熱い〜…
照「やろっか、蓮」
「…⁉︎///」
突然の下の名前呼び。
驚きすぎて声を失う。
身体中の血が超高速で巡ってる…気がする。
照「…目黒?」
たまたまだったのか…。
ちょっと残念、、
「ぁ、はい、やりますっ」
照「おっけー」
…てなわけで始めたんだけど………。
なかなか手の動きが難しくて。ウェーブみたいでウェーブじゃないような。
途方に暮れていたら、
照「目黒、大丈夫そ?」
と声をかけてくれた。
優しい…優しすぎる岩本くん…。
「あ、えっとはい、、?」
照「何がわからない?」
「手の動き…です、」
照「あー、ここ?」
なめらかで目を奪われてしまうほど綺麗な動きだった。
「…あ、はいそこです」
照「ちょ、いい?」
「…はい、っ、‼︎///」
岩本くんの指先が俺の手に触れた。
岩本くんと触れた瞬間、顔がどんどん熱くなるのがわかった。
俺の腕をゆっくり動かす岩本くん。
目の前にある、、岩本くんの顔が…。
やばいやばいやばい。
綺麗な横顔が…。
美しい長いまつ毛に、美術品かと思ってしまうくらい綺麗な顔のライン。
呼吸音が聞こえてくる。
…俺、今こんな近くにいるの………?
照「こうして、こっちにこう行ってからのこう。…こうばっかりだけどわかった?」
「…っはい///」
照「よかった。休憩入れようか」
「はい」
そばにあったベンチで隣同士で座る。
肩が触れ合う寸前の距離。
あー、緊張しすぎて飲み物こぼしそう。
…そういえば。
タイミングあれば好きな人聞いたほうがいいんだっけ。
いや、恋しちゃダメなんだから……。
…でも聞きたい。
やっぱり聞きたい。
今だよね、聞くしかない。
「岩本くんって、、好きな人いるんすか…」
照「好きな人?…うーん、いないかな」
…いないの?
俺は片想いってこと…?
…違う。これでいいんだよ。
いないから、残念はいおしまい、で…
前にもこんな感じのことあったけど、やはり心は素直で、
「…じゃ、じゃあ、気になる人は…?」
つい聞いてしまった。
落胆するのは自分ってわかってる。
わかってるのに。
照「気になる人…もいないかな」
「えっ」
ひっくり返った変な声が漏れた。
…こんな声岩本くんに聞かれたくないんだけど………。
照「そんな驚く?w」
俺の声が面白かったのか、くすりと微笑む岩本くん。
…ていうか好きな人も気になる人もいないって俺ピンチじゃん。やばいやばい。
「…と、いや、意外だなって」
照「そう?目黒はいるの?」
「俺は……いな……い、です」
照「そっか」
「…はい」
照「じゃあそろそろ練習に戻ろうか」
「……分かりました」
最悪…
泣きたい気持ちを必死に堪えて、なんとか振り全部覚えて今日は解散。
照「あ、もう帰る?」
「はい、」
照「目黒さ、来週の水曜日空いてる?」
「水曜日…?1日OFFですけど……」
照「よかったら一緒にタピオカ屋でもいかない?」
「…いいんですか、……行きます」
照「わかった。時間とかはまた今度連絡するね」
「はい」
スタジオを飛び出して一目散に家に向かった。
俺、どうすればいいのっ…
__片想い?失恋?
もう俺はだめ?
破談?縁切れた?絶縁?__
家に帰って、ベッドに思いっきりダイビング。
そこから、何十分も|嗚咽《おえつ》を漏らしながら泣き続けた。
してはいけない恋をして。
日々上手く詰められない距離に苦戦して。
自分の不器用さに絶望しながらも自分の精一杯を出して。
叶えてはいけない、禁忌の恋だと知りながらもときめく心は抑えが効かなくて。
それなのに結局俺の苦労と努力は報われなくて。
相手には好きな人も、気になる人もいない。
勝手に恋をして、勝手に失恋しただけ。
この事実が俺を更に苦しめる。
今までの俺の感情、行動、努力、苦労は全て水の泡。無駄だった。
そんな絶望的な状況に立たされた俺は、ただひたすら泣くしか選択肢が無かった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
ただひたすら泣いたあの日から、俺は感情が無くなったみたいに全て空っぽになった。
誰に会っても、特にこれといった感情は湧かなくなって。
喜怒哀楽、全てが消えてしまったような感じ。
うまく喜べない。うまく怒れない。
うまく泣けない。うまく楽しめない。
つまらない。
この世が。
今までは楽しかったと思えるような仕事も、何も感じなくなってしまった。
好きだった空の観察も、何気ない会話も、メンバーといる時間も。
全て中身が詰まってないようにしか感じなくなってしまった。
そんな中、全く色の無いつまらない人生に彩りをくれるものに気づいてしまった。
やはりそれは岩本くんだった。
彼と会う時だけ、恋していたときのような感情にまでは至らないものの、心からじわりと|溢《あふ》れ出す何かがあるのがわかった。
感情がないロボットのような状態になってしまった俺でも、岩本くんに会うと何かしらの感情が湧き出る。
それが何かはよくわかんなかったけど。
俺に与えられた最後のチャンスは水曜日。
しっかりと蹴りをつけて、元のように戻れるようにならなくちゃ。
あとちょっと。あとちょっとで終われる。
頑張れ、蓮。
辰哉「めめ」
と突然声をかけられた。
「はい」
辰哉「どうしたの、ずっと無表情だけど」
「普通ですけど」
大介「普通じゃないでしょ⁉︎」
「普通です」
翔太「普通じゃねえだろ、嘘つくんじゃねえよ」
「あの。俺今他のことやってるんで邪魔しないで頂けますか」
涼太「みんな目黒のこと心配して言ってるんだよ」
「別に。そういう要らない感情求めていないので」
違う、違うんだよ…
心配してくれてるのはわかってる。
なんだけど、俺自身がそれに対してどう受け止めて反応すればいいのかわからないの。
どういう感情を注げばいい…?
わかんないよ、
亮平「めめ、」
「邪魔しないでください」
康二「めぃめぃ、」
「うるさい」
ラウ「めめ…」
「うるさいです。みんな俺のこといじめたいんですか」
その言葉にみんなが黙った。
言ってはいけないこと言っちゃったかな…。
あと感情が狂ってるからどう対応すればいいかわかんない。
困ったな………。
照「目黒」
そこで、岩本くんが俺の名前を呼んだ。
思わず動揺してしまう。
「…っ、?」
照「ちょっとこっち来い」
「…」
隣の楽屋に連れたかれた。
何話すのかな。
怒られるかな。
照「目黒。どうしたの」
怒られる、と思ってたら、俺を心配する言葉だった。
「…っ、なんでもないので邪魔しないでくださいっ、」
照「…苦しそうだよ?何があったの」
「か、関係っ、ないからっ、、」
照「………そっか。辛かったらいつでも頼れよ」
関係ない、と言った瞬間、悲しそうな表情をした岩本くん。
好きな人を悲しませてしまう自分がものすごく嫌になった。
…やっぱり。
岩本くんといる時だけ感情が湧く。
今だって、『嫌』という感情が湧いた。
「…」
変な感情が|溢《あふ》れ出しそうなのを抑えるためにぎゅっと唇を噛んだ。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
水曜日。
タピオカ屋行って、カウンター席で2人でタピオカを飲んでいた。
やはりときめくような感情は現れないものの、他の人に会った時には生まれない別の感情が岩本くんに会うと出来る。
あのゴツい岩本くんがタピオカをとても美味しそうに飲んでいるのを見ると、お腹の底から何か|疼《うず》くような、変な感情が現れる。
とはいえ、あまり感情が湧かなくなってしまった俺は、話したいことも見つからず手持ち無沙汰になりタピオカを無言で飲み続けた。
ちゃんと、今までの物語を終わらせなくちゃならないのは知っている。
だけど、俺にはそんな勇気もなかった。
と、突然。
照「目黒?」
「はい、?」
照「まだ時間あるしそこの公園でも行かない?空とか見ようぜ」
「いいね」
俺が空見るの好きって覚えてくれてたのかな。メンバーとして。
さすがリーダーだな、と思いながら少しぬるくなったタピオカを一気に飲み干した。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
誰もいない公園のベンチに座って、岩本くんとただひたすらぼーっとしてた。
感情が無くなった俺にはこの時間が少し気持ちよくて、久しぶりに人が隣にいても肩の力を安心して抜くことができた。
時々サッカーやってんね、とか、あの遊び懐かしいな、なんて。
俺らには目もくれず楽しそうにはしゃいで通り過ぎていく子供を見ながら溢していた。
なんだか岩本くんといるこの時間は短くて、あっという間だった。
実際、2時間くらいこうしていたはずなのに。
何故だろう。
照「そろそろ帰ろうか」
何度もときめいた陽だまりのような声。
その声で思い出した。
蹴りをつけなければ。
俺に背を向けて歩き始めた岩本くんの手を慌てて握った。
「ま、って、」
岩本くんの陽だまりのような声とは対照的に、感情がなくなった冷淡な俺の声。
なんだか|虚《むな》しくなった。
…虚しく?これって感情…?
俺、感情無くなったはずなのに、。
照「…?」
ふわっと綺麗に振り向いた岩本くん。
こてっと首を傾げ、疑問そうな顔をしている岩本くんを見ると、何故だか冷静になってきて。
勢いに任せて手を握ってしまったと言う失態に気づいた。
しかし、決着はつけなければならない。
左右に助けを求めるように視線を泳がす。
…違う。
ちゃんと自分で。
自分の感情をぶつけなければならない。
覚悟を決め、岩本くんを見上げた。
言わなければならない。
「岩本くんっ、、っ好き、、です、//」
俺が紡いだのは、思っていたのとは違う言葉だった。
好きです、?
違う違う違う。
俺は蹴りをつけなければならないのにっ………
岩本くん黙っちゃう…
予想通り、岩本くんは無言で俺を見下ろしていた。
…だけど。
この言葉を言った瞬間、俺の中で何かがぷつりと切れたような感覚に襲われた。
その何かが切れると同時に、俺の目に涙が勢いよく|迫《せ》り上げてきた。
『感情』がぐちゃぐちゃに乱されて、涙が|溢《あふ》れる寸前までになった。
無言で俺を見下ろしている岩本くん。
そうだ。
俺、『好きです』って言っちゃったんだ。
|馬鹿馬鹿馬鹿《ばかばかばか》。
きゅっと心を握り潰されるような気持ちになり、
「…ごめん、、なさいっ、」
謝罪を述べた。
岩本くんはしばらく俺と繋がれた手を見てから。
照「…__ごめん__」
小さく呟いて、繋がれた手をぱっと振り払った。
その瞬間、頭が真っ白になった。
一瞬、時が止まった。
「…っ、」
今度こそ振られた。
一度|溢《あふ》れた涙は止まらない。
視界がどんどん潤んでいって、俺の拳は雫で濡れ始めた。
照「ごめん」
そう一言だけ漏らす岩本くん。
俺、本当に失恋しちゃった。
あーあ、全て終わり。
「…」
終わり、終わりなのに。
待ちに待った終わりなのに。
やっぱり涙が止まらない。
こんな感情、本当に久しぶり…
なんで、
岩本くんが俺に背を向けた。
その背中は|逞《たくま》しくて、何度も何度も追い続けた。
『恋』という感情を抱き始めた時からこの背中は好きだった。
何やらカバンの中をゴソゴソと漁っている。
俺にハンカチやらティッシュやら渡すのだろうか。
その優しさは今要らないの、、。
振られた、と言う事実が俺を苦しめて。
いよいよ耐えられなくなってその場から逃げ出した。
照「え、目黒、待て、目黒‼︎」
慌てて俺を呼ぶその声が涙を助長させる。
俺は全速力で走り始めた。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
どこまで走ったのだろう。
疲れた頃には全く知らないところにいた。
地図を見ようとポケットを探るも、どこかで落としたのか無くなっていた。
「__やべー…__」
仕方なくふらふらと周辺を歩いていると…
ゴツンッ‼︎
「…⁉︎」
誰かと肩がぶつかった。
「す、すみませんっ」
顔を見ればチャラそうな大学生?くらいの男3人組だった。(※男と略させて頂きます)
危機を感じて、ぺこっと頭を下げて立ち去ろうとすれば、勢いよく胸ぐらを掴まれた。
男1「ちゃんと周り見ろよ…ってめっちゃいい顔してるじゃん、おにーさん」
「…、?」
舐め回すように俺を見つめる男たち。
男2「ちょっと俺たちに着いてきて?」
「え、嫌です、ぇ、」
俺の腕と男の腕が組まれて、動けなくなる。
男3「だいじょぶだいじょぶ」
そう諭されて無理やりどこかに連れてかれた。
な、何されんの俺…
男1「とーちゃく」
不自然に静まり返り、誰もいない路地裏についた。
陽が落ちて来て、薄暗いベールに包まれている空が俺の不安を煽る。
「な、なに、っ」
男2「ちょっと失礼〜」
男3「おにーさんの|躰《カラダ》貰っちゃうね?」
へ、ちょっ、
首元に顔を近づけてくる男。
すると、首あたりに生温かい感覚が走った。
「ッんぅ‼︎」
声を抑えようと慌てて唇を噛むも、間に合わず甘い声が口から漏れる。
しかも勢いよく唇を噛んだせいで、唇が切れて鮮血が溢れ出した。
男1「うわ、めっちゃ可愛い声出すじゃん‼︎」
ぺろぺろと絶えず俺を舐め続ける男。
抵抗しようにも走り疲れて体力が残ってない。
男3「人は見かけによらないね〜‼︎」
男2「もっと舐めるね」
首だけでなく、鎖骨の辺りまでぺろりと舐められる。
やばい、鎖骨無理っ、、
「ひぅっ、ん…」
俺が鎖骨を舐められて力が抜けているうちに、いつのまにか上半身裸にされていた。
男1「おにーさんいいカラダしてる〜‼︎」
男3「こことかは?」
耳にふぅっと息をかけられる。
そのあと、耳を舌で舐められた。
「〜ッ、‼︎んはっ、、う、あ゛っ‼︎やめ、め゛っ、」
男3「いい反応♡」
男1「ちょっと刺激するね」
男は自分の膝で俺の股を連続で突いてきた。
脚腰の感覚が奪われていって、地面にへたっと座り込む。
「ひっ゛、、んん、、あっ、、‼︎」
男1「ほんと可愛い声♡」
なんで、なんで、、
こんな知らない男たちに犯されてなんで感じてるの、俺。
気持ち悪くてたまらない。
いやだよ、、。
男2「おにーさん好きな人いる?」
「へっ、、んぁ゛、ま、まって、まってッ、」
男2「じゃあさ、俺らのことその人だと思ってみて?気持ちいよ」
その一言で俺はおかしくなった。
さっきよりもっと感じやすくなって、全身が一気に快楽にのまれた。
なんで、俺の身体おかしいっ、、
違う、絶対岩本くんこんなことしないのにっ、…
なんで俺岩本くんのこと考えてるの、?
俺、どうかしてる、、
男1「こことかも好きなんじゃない〜?」
腹筋の割れ目をすすーっとなぞられた。
その瞬間、寒気のようなものが俺を襲い、身体がぶるっと震えた。
「んゃっ、、ひんっ、ぁ、」
男3「うわ、反応すごい。もういい?ヤっちゃうよ?」
ぞくり、と背筋が震えた。
もう何されるかなんて馬鹿な俺でも予想がつく。
全身から血の気がさあっと引いていくのが分かった。
恐怖と焦りで体が震え始めた。
「っ、やめ、」
ただ溢れるのは弱々しい、なんの力もない抵抗。
男3「だあいじょうぶ、死にはしないから」
男1「ただ俺たちのものにするだけ」
それが嫌なんだよっ‼︎
本格的にヤバいと感じ始めて、残ってる僅かな体力で目の前の男を蹴り飛ばし逃げ出そうとするも、他の2人にがっと腕を捕まれ、結局逆戻り。
やべー…、もうよくわかんない。
刺激されすぎてるのと体力が無いというダブルパンチで視界が霞んできて、そろそろやばい。
男2「刺激してみるよ?」
ぬるっと俺に手を伸ばしてきて、俺の服を脱がそうとするので、身を捩りなんとかその手を避ける。
あぁ、もう無理だ。
これで最後かな、。
「も、やっ……涙」
さきほど岩本くんに振られて精神的にも辛く、今色々されていて体力的にも辛く、ついに限界を突破して涙が溢れ出した。
男1〜3「「「⁉︎」」」
俺の涙(?)に驚いたのか動揺した様子を見せる3人の男。
男たちの動きが一瞬止まった。
その隙を狙って逃げようと試みる。
「__にげっ__………」
立ち上がった瞬間、がたりとバランスが崩れ、俺は思いっきり転んだ。
男1「逃げられなかったね♡」
ぎゅっと男が抱きついてきて拘束された。
「ん、はなっ、、せ、っ‼︎」
男2「離さないに決まってる」
俺の顔に唇を近づけようとしてくる男。
ちょ、キス、⁉︎
慌てて男の頬にビンタする。
男2「んぐっ…」
男3「人にビンタするとかありえない。そんな君にはお仕置きが必要だね?♡」
いや、人を路上で襲う奴の方がありえないだろ、‼︎
そんな意味不明の理論で俺の服をまたも脱がせようとするので、足をジタバタさせて必死に抵抗する。
男1「大人しくして?」
しかし、力がほぼなくなっている俺は膝で突かれるだけで、一気に力が抜けて地面に倒れ込む。
そこを狙ってがっと抱きついて拘束され、全くもって身動きが取れなくなった。
あーあ、終わった。
俺、心も体もぐちゃぐちゃに乱されて終わるのかな。
……嫌だよそんなの。
気持ち悪い、いやだっ、触るな、、‼︎
___振られた俺に名前を呼ぶ権利なんてないかもしれないけど。
一度だけ。
呼ばせて。
助けて、ねぇ、
「ひか、るくっ……涙」
男1〜3「「「は、?」」」
男たちがさらに動揺を見せる。
辺りに冷たい風が吹きつけた。
淡い、ほのかな期待を抱く。
お願い、来て、岩本くん、、
そんな願いは叶うことなく。
何も変化は起こらなかった。
岩本くんは来なかった。
まぁそうだよね。
好きでもない人を助けになんか来ないよね。
そう思い込みたいのに。
そう思うと鼻の奥がつんとして、涙がさらに零れていく。
頬がどんどん濡れていく。
男1「好きな人だか誰だか知らないけど、来なかったんだな」
男2「俺たちが好きな人のことを忘れさせてあげる」
男3「かわいそーにw」
「ぐすっ、ぅぅ、__やだっ__………」
あーあ…。
俺、本当に終わった。
?「誰が可哀想だって?」
此処は昼の路地裏。
静寂の中、一つの声が響き渡った。
聞き覚えのある声。
優しくて、暖かくて、陽だまりのような……………
「…………⁇…うそ、‼︎」
男1〜3「「「は?」」」
その声の主は、俺の大好きな、
「ひかるくっ、、、‼︎涙」
照「お前ら。…俺の蓮に何してんの?」
「…⁉︎/////」
男1〜3「「「は?(再び)」」」
瞬きする間に、俺を拘束していた男が倒れた。
拘束が解けて、自由になる。
そして、自由になったらやっぱり岩本くんを目で追う。
その次に隣の男の腹に蹴りを入れた。
辛そうに腹を抱えて、地面に丸まった。
最後に残った男をキッと睨み、流石の瞬発力で首根っこをぐっと掴んだあと、勢いよく顔面を潰すように殴りつけた。
…気づいたら男3人全員地面に倒れてた。
パンっと手を払い、颯爽と立ち上がった岩本くん。
「…‼︎」
そのかっこよさに思わずきらきらと岩本くんを見上げる。
そばに落ちてた俺の服を岩本くんが着せてくれて、さらに岩本くんが自分の上着を俺にかけてくれた。
照「はぁ、…目黒何された?怪我してない?大丈夫?」
俺を見つめる、どこまでも澄んだ瞳。
「だい、じょうぶっ、、くちびる、だけ、」
照「うわ、唇めっちゃ血出てるじゃん。何されたの?」
人差し指で俺の唇をすーっとなぞる岩本くん。
その仕草に鼓動がどんどん速くなる。
やばい、え、
岩本くんの指が、俺の唇に付いた血を全部|攫《さら》って行った。
「おれがっ、、かんじゃった、の、だいじょうぶっ、」
照「そっかそっか。他には?」
くしゃりと俺の髪を乱しながら撫でる岩本くん。
その手の感覚に、心の底から何かが湧き出た。
「ひか、、く、……………おれっ、、こ、わかっ、、た、、」
照「うん、」
「も、……だめ゛、っで、、グスッ、おも゛、…っ、で、……ひくっ、ぐすっ、」
照「蓮。…よく頑張ったな。もう大丈夫、俺が守る」
ぎゅっと抱きしめられた。
その瞬間、震えていた俺の体はほわっと温かくなって、安心感がどっと襲ってきた。
岩本くんに抱きしめられて、また涙が溢れ出した。
岩本くんに抱きしめられたまま、ただただ泣き続けた。
「…なんで、」
涙も嗚咽も収まって、一言目がこれだった。
照「ん、」
岩本くんがついでに、という感じで俺のスマホを返した。
拾ってくれたんだ………。
「……なんで、俺、たすけてくれたのっ、?」
照「そりゃぁ………大切な人助けらんなかったら筋トレしている意味なくなるだろ」
「…たいせつ、、メンバー、?」
照「…((拗」
突然拗ねたように唇を尖らせる岩本くん。
…え、俺なんかまずいこと言った?
「__えっと、__」
照「…もう、蓮は本当に馬鹿なんだから」
俺のこと馬鹿っていいながらも岩本くんは俺に優しい視線を投げかける。
雫で濡れた俺の拳を優しく岩本くんが包み込んだ。
ふわりとした春風のような暖かさが丁度いい。
…と思ったら。
拳は岩本くんによってゆっくり、丁寧に開かれ、何かが俺の手に握らされた。
見れば、俺の手には美しい真っ赤な薔薇が握られていた。
「……⁉︎」
どう言うこと、?
ただただバラをぽかんと見つめた。
そのあと、岩本くんは綺麗な箱から何かを取り出し、俺の耳の方に手を伸ばす。
ぱちっと音が鳴り、耳の方に小さい衝撃が走る。
これ、イヤーカフ、?
ってなんで?
イヤーカフといい、薔薇といい…
「…ぇ、?」
え、と小さく溢した。
耳の方がちょっと気になる。
なんで、?
頭がどんどん混乱する。
照「蓮」
「⁉︎////」
下の名前でまた呼ばれた。
意図せず肩がびくりと揺れ、顔が一気に火照る。
照「蓮、愛してる。俺と付き合って」
「…え、?」
どういう…
照「愛してるよ」
「…ぁぃ、してる、?」
岩本くんが、俺を…?
嘘でしょ?
俺の幻聴だよね。
俺の耳狂っちゃったんだ。
照「うん。何回でも言うよ?蓮、愛してる」
「…おれ、、のこと、?」
照「うん。俺が愛してるのはこの世でたった1人、今俺の目の前にいる蓮だよ」
「ほんとに、?ぐすっ」
嘘…。
信じられない。
まさか岩本くんが俺を好きだなんて、。
照「愛してる人に嘘はつかないよ」
「でも、好きな人も気になる人もいないって……」
照「蓮は愛してる人だもん」
「…‼︎////」
そういうこと……
嬉しさで心が満たされて、脆くなった涙腺にまた涙が迫ってくる。
照「ね?」
「これゆめ、?」
照「夢じゃない。蓮、愛してる」
「うれしい……」
こんなにも嬉しいのに。
世界で今一番に近いくらい幸せで、最高な気分だというのに。
嬉しいと言う言葉でしか表せない自分が悔しくなってきた。
…でもいい。伝わればいい。
照「俺と付き合ってくれない?蓮が彼女になって」
「俺、、彼女、?」
照「可愛いもん。彼女ね」
初めて可愛いって言われた。
…嬉しい。
「…喜んで、‼︎」
そう言ってから、またぽろぽろと涙が頬をつたる。
そんな今日は泣き虫な俺をもう一度ぎゅっと抱きしめた岩本くん。
ふわっと大好きな香りに包まれて、心が一気にあったかくなった。
照「ごめんな、今まで辛い思いさせちゃって」
どこまで俺のこと知ってるのだろう、岩本くん。
「いい、…今うれしいから全部いいの、」
照「そっか」
「岩本くん…」
なんだか無性に名前を呼びたくなって、そう呟いた。
照「俺の彼女になるなら照って呼んで」
「ひかる、、くん////、」
ちょっと恥ずかしくてまだちゃんと言えなかった。
照「まぁ…許す」
少し不服そうに口を尖らせたものの、またぎゅっと強く抱きしめられた。
「おれも、…ひかるくんのこと、す………違う、、…あいしてるっ、////愛してる愛してる愛してる…‼︎」
今までの想いをぶつけた。
伝われ…。
照「俺も。愛してる」
「…///」
照「んはっ、蓮耳まで真っ赤」
俺の顔をじっと眺めてから、笑って言う照くん。
「嬉しい、けど…恥ずかしいんだもん、やっぱ…」
照「あとね、もう一つサプライズあるんだけど」
「なに、?」
照「俺と…だけじゃないけど」
薔薇を持っていないもう片方の手に冷たい何かが握らされる。
「…か、ぎ?」
照「そう。俺とだけではないけど、SnowManでシェアハウスするよ」
「ほんと、⁉︎」
つまり毎朝起きたら同じ家に照くんがいるってこと、!
SnowManのみんなと人生を歩める⁈
照「うん」
「やった、‼︎」
嬉しい。
思わず声を上げてから、気づいた。
照くん、嫉妬してる、?
俺を笑顔で見つめながらもどこか引っ掛かるような表情をしている。
…え、可愛い、
もっと嫉妬させたいって気持ちをなんとか抑えて、
「嬉しい…けど」
照「けど?」
「…いちばん嬉しいの、ひかるくんと付き合えたことだからね、?」
照「…ニコッ」
くしゃっとあの笑い方をする照くん。
俺の思い通りだ。
ちょっと嬉しいかも。
「ふふ、」
小さく笑みが溢れた。
照「じゃ、帰ろうか」
「うん、‼︎」
照くんの方に手を伸ばす。
その意図を察したかのように照くんも手を伸ばし、俺ら二人の手が触れ合う。
一瞬恥ずかしくて手を離しかけたけど、ぎゅっと照くんの手を掴んだ。
照くんは一瞬手を見つめ、不服そうに唇を尖らせてから繋いで手を離した。
照「こうでしょ」
指と指の間に、照くんの指が絡んでくる。
「…⁉︎///」
人生初の恋人繋ぎ。
どきどきと胸が高鳴る。
照「ふふ、今日さ蓮ずーっと真っ赤だよ?w」
「…やめて…////」
照「可愛いからいいよ」
「…/////////」
照「今日どうだった、蓮」
「…さ、最高の1日だったっ///」
照「そっか。俺も」
「今の会話なに、?/////」
照「え、夫婦ってこーゆー会話するもんじゃないの?」
「…⁉︎…ふうふ、?」
照「将来なるんじゃないの?w」
「えぇ…/////」
照「ま、この話はまたいつかね」
「ん、//」
そんな会話をしつつ、俺ら二人は手を繋ぎ家へと向かった。
fin.
以上です‼︎
長いのに読んでくださりありがとうございます‼︎
二人。 iw.side
〜あけおめ‼︎〜
!!!新年初投稿!!!
ニキめめです‼︎
主が1番好きなコンビです‼︎(どうでもいいですね)
⚠︎多少の暴力表現
長め
※この話はひーくん視点でお送りします、めめ視点がいい方は次の話へれっつごー
岩本side
___始まりは、SnowManがデビューする前のときだった。
運命の人に出会った。
その人は後輩。
かっこよくて、なのに天然なところもたくさんあって、結構おバカさんで、(後輩なのに)俺より身長高くて、垣間見せる笑顔がとても可愛い。
この子の名前は……まだ知らなかった。初めて出会った時は。
初めて出会ったのは、事務所の廊下でだった。
次のスタジオへ俺が移動していたとき。
後ろで物凄い音が響いた。
誰かが転んだような。
時間を見れば、集合までまだ少し余裕があったので、助けようと思い音がした方を向けば予想通り人が転んでた。
「大丈夫か」
?「…すみません、大丈夫ですっ、⁉︎」
慌てていたのか語尾が少し裏返っている。
大丈夫です、と言いながらあげた顔はとても整っていて端正だった。
この世のものとは思えないくらい美しい。
髪の毛は艶のある漆黒で、先端まで切り揃えてあるテクノカット。
体は見る限り細くてしゅっとしてた。
思わずその容姿に見惚れた。
何者?
同じ事務所?Jr.?
…あ、見たことある。
後輩なのはわかるんだけど………
?「す、すみませんっ、ごめんなさい、、、、」
迷惑でもかけたと思ったのだろうか。
突然謝ってきた。
「いや、謝んな。俺は大丈夫だけど…大丈夫?」
?「だだだ、大丈夫、ですっ、」
そう言って後輩くんが立ちあがろうするも、足を捻ったのだろうか、片足を庇うようにしゃがみ込んだ。
「…え、大丈夫?怪我してない?」
?「だっ、大丈夫、ですっ」
「見せろ」
あたふたする後輩くんの手をさっと避けて、ズボンの裾を|捲《まく》りあげた。
そこに現れたのは、捻って赤く腫れた足首。
結構痛そう。
「うわっ…捻ったよね、大丈夫?…じゃないよな」
?「だ、だいじょ…」
「真っ赤…」
?「ほんと、大丈夫っ、ですからっ、」
「大丈夫じゃなさそうな顔だな」
?「大丈夫ですって、、」
「ちょ、こっち」
後輩くんを側にあった休憩室に連れて行く。
まだ少し抵抗があるのか、むすっとした顔で椅子に座っている。
拗ねたような怒ったようなその顔はめちゃくちゃ可愛い。
休憩室の自販機で水を購入し、持っていたタオル(※使用前)を濡らし、後輩くんの足首に巻いた。
?「ありがとう、ございますっ、」
まだ喋り慣れていない幼児のように|辿々《たどたど》しくお礼を述べる様子も可愛い。
「本当はもっと見ててあげたいけど、この後すぐ仕事あるから…。ごめん。じゃあな」
後輩くんの頭をぽんとしてから、腕時計を見ると集合まで残り1分。
やべ、と思って全速力で駆けて行った。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
「はぁ、はぁ、セーフ、?」
なんとかスタジオに滑り込んだ。
そこには俺を除くSnowManのメンバー5人が笑いながら待っていた。
亮平「大丈夫、ギリセーフだよ」
「よかった……」
辰哉「珍しいね。どーしたの?」
「いや………あっ‼︎」
名前聞いてない。
後輩くんの。
名前分かんなかったら何も始まんないじゃん、馬鹿すぎる俺。
翔太「何あったんだよ」
「…あー、俺の馬鹿っ‼︎」
涼太「どうしたのよ」
「なんか、さっき行く途中の廊下で後輩?が転んでて。助けてたらこんな時間に…」
大介「で?何が馬鹿なんだって?」
「…ぃゃ、名前聞き忘れたなーって、、」
辰哉「え?別によくn…」
亮平「照、好きになっちゃったとか?その子のこと」
「…そうかもしんない」
SnowMan-照「「「「「えぇぇ⁉︎」」」」」
涼太「ほんと?」
「たぶん……」
翔太「名前は?どこのグループ?」
「それが分かんないから困ってんの‼︎」
大介「それは困ったね〜」
亮平「特徴は?」
「えーっと……顔がとにかくかっこいいかな」
辰哉「いや、うちの事務所入ったらそりゃ当たり前ね?」
「じゃあなんで顔デカ化け物がいるんだよ」
辰哉「化け物じゃねーし⁈」
亮平「他は?」
「髪色は黒で、テクノカット」
翔太「てくのかっと、?」
大介「なんだよそれ」
「えー…w こんな感じの」
耳上辺りで手を水平に動かし、
「襟足は長いかな」
とだけ言った。
亮平「まぁ…よく分かんないけどとにかくかっこいいってこと?」
「あ、それだけじゃなくて可愛い」
涼太「どういうこと、?」
「笑顔がものすごく可愛いの」
亮平「かっこよくて可愛い………全く情報掴めないわ…w いっぱいいるもん、こんな子」
「えー……まあいっか。そのうちまた会えるんじゃないかなってことで。じゃ、始めよっか」
しかし、その日の仕事はなかなかに過酷で、あの後輩くんのことは忘れてしまった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
忙しい日々を送っている俺。
ある日、社長に俺だけ呼び出された。
…俺なんかした?w
何もありませんように、と願いながら社長がいる部屋へ入った。
「こんにちは」
社長「久しぶりだな」
「っす」
社長「一つ、リーダーに提案があるんだが」
「…?はい、」
社長「SnowManのメンバーを増員しようと思っている」
「え、⁉︎」
社長「突然のことですまない。しかし、デビューするにはこれが最善だと思うんだ」
「…誰が増えるんですか」
社長「関西の方のJr.の向井康二くん、宇宙sixの目黒蓮くん、そして少年忍者のラウールくんだ」
「なるほど…写真はありますか?」
社長「それは楽しみにしてくれたまえ」
「え、あ、はい、w」
社長「ま、予定だけどな」
「そうっすか…w」
社長「いかがかな?メンバーにはもうすでに許可を貰っているが」
そうなの⁉︎⁉︎
なんで言ってくんないんだよ。
「それでデビューできるなら。俺たちは9人体制でやってやりますよ」
社長「そうか」
「たくさんの人たちに批判されるかもしれないけど……そんな批判した奴らを後悔させてやれるくらいのトップアイドル目指します」
社長「いい心意気だな」
「そして…今いるメンバーは勿論、新たに加わる3人も俺が精一杯守ります。」
社長「ありがとう。じゃこれで手配を進めて行く」
「お願いします‼︎」
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
ついに新たに加わる3人と対面する日。
メンバー全員、結構ドキドキしている。
大介「緊張する〜……」
辰哉「誰か教えてくんないからさ、社長」
翔太「顔ぐらい教えろよって感じな」
涼太「教えてほしいよね」
亮平「ついに俺にも年下できるのかな♪」
「楽しんでこうぜ」
そう言った瞬間、かちゃりと遠慮気味にドアが開いた。
「「「「「「ようこそ〜、SnowManでーす!」」」」」」
「「「よろしくお願いします…!」」」
3人の顔をよく見つめた。
……え?
「…⁉︎」
1人の子と目が合った。
どこかで見覚えがある。
とても端正で美しい顔。
艶のある黒髪のテクノカット。
しゅっとして細い体つき。
まさか、、、!
その子は俺と目が合うと、ちょっと恥ずかしそうに下唇を噛んだ。
その仕草が可愛くて、笑顔を浮かべる。
俺の笑顔を見ると、時が止まったかのように一瞬固まってから、あちらも笑顔を返してきた。
何この空間。平和すぎて幸せなんだけど。
そして自己紹介で、その子は名を『目黒蓮』と名乗った。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
3人が加入して一週間。
なんだか目黒の様子がおかしい。
俺と目が合うと、びくっとしてから慌てて視線を逸らすようになった。
しかも俺といると、体調悪いのか顔赤いし、呼吸も辛そう。
なんでだろ、俺避けられてんのかな。
あいつ、俺にアレルギー反応でもあるのかな…。
そう思ってふっかに相談してみると…
辰哉「ん〜、面白いね」
「何がだよ」
辰哉「確認だけど、照は好きなんだよね?めめのこと」
めめ、というのは目黒のあだ名。
俺は呼んでないんだけど。
「まぁ………うん、」
辰哉「はー、こんなに面白い恋愛初めてだわ」
「だから何が…」
辰哉「ん?それはこっちの話。で、照。俺に言えることは一つ。」
「…⁇⁇⁇」
辰哉「絶対投げ出すなよ?諦めんな。今諦めたら本当に後悔する。…それだけ」
「なんだよそれ」
辰哉「他のメンバーに聞いても同じ答え返ってくると思う」
「は、?」
じゃ、と言って立ち去ったふっかをただ呆然と見つめた。
こいつは何が言いたいんだ。
恋愛なんてしたことがなかった俺にはよく分かんなかった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
一ヶ月が経った。
目黒も俺もどんどん口数が少なくなっていって、ついに週に一回話すか話さないかレベルまで来てしまった。
そのせいで、旧メンバーにはどうしたのとめちゃくちゃ心配される始末。
そろそろメディアにもバレそう、報道されそうなんていうピンチ。
恋愛ってこんな難しかったっけ…。
話すの恥ずいんだもん、仕方ないじゃん、、
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
目黒との距離の詰め方がイマイチ分かんなくて苦戦する日々。
新曲のダンスの振り入れで、ペア(1組はトリオ)を組んでやるっていうことが決まった。
基本こういう組み分け担当のふっかに目黒と同じにしてくれ、と|懇願《こんがん》しておいた。
で、いよいよ組み分け。
辰哉「ペア…まあ1組トリオだけどさ、どうする?」
「…別にふざけなければ俺は誰でもいい」
念の為の一言。
ラウール「僕トリオがいい‼︎」
辰哉「OK、じゃあラウは確定ね」
大介「その他は〜?」
康二「俺もラウと一緒がええんやけど」
亮平「いいよいいよ‼︎じゃあ俺そこのトリオ入ろうかな」
辰哉「じゃあトリオは決定って感じ?」
大介「そーだね‼︎…蓮は希望ある?」
蓮「え…っと、、、」
辰哉「照とかは?」
ふっかナイス。
マジナイス。
蓮「…⁉︎//」
一瞬驚いたように震える目黒。
やっぱ俺嫌われてる、?
「俺は全然いいよ?目黒大人しいからやりやすいし」
大介「大人しいからやりやすいって…www」
「事実じゃん」
辰哉「じゃあめめ、照とでいい?」
蓮「全然…喜んで、?」
マジでわかんねー。
俺嫌いなのか、なんとも思ってないのか。
こいつの感情読み取るのむずすぎる。
辰哉「じゃあ俺なべ貰うわ」
翔太「げっ」
辰哉「『げっ』てなんだよ」
翔太「面倒くさいなって」
辰哉「うっわ最低」
大介「じゃあ俺舘さんとだ〜‼︎」
涼太「よろしくお願いいたします」
てことで無事目黒と一緒になった。
部屋を移動して、2人きり。
絶妙な緊張感がまた良い。
一方の目黒は黙って|俯《うつむ》いたまま。
「やろっか、蓮」
ミスった。
名前で呼んじゃった。
やばいやばいやばい。
蓮「…⁉︎///」
目黒は俯かせてた顔を勢いよく上にあげ、ほんのり赤い顔で俺を見つめる。
何かを言おうとしているのか、口をぱくぱくさせている。(まって、めちゃ可愛い)
慌てて、
「…目黒?」
と訂正し直す。
目黒の顔の赤らみは一気に消え、通常の顔色に戻った。
なんなのこの現象。
蓮「ぁ、はい、やりますっ」
「おっけー」
てことでなんかハラハラする始まり方だったけど、無事始まりました。
今回の振りは手の動きがポイント。
ウェーブのようで、ウェーブでない、謎の動きが入ってる。
この動き結構むずい…
目黒出来るかな、ってちょっと心配になって目黒の方向いたら、予想通り苦戦してた。
「目黒、大丈夫そ?」
と声をかけてみる。
手と睨めっこしていた目黒は、俺が声をかけると、ぴくっと反応した。
蓮「あ、えっとはい、、?」
「何がわからない?」
蓮「手の動き…です、」
でしょうね。
「あー、ここ?」
一応お手本の動作を見せる。
蓮「…あ、はいそこです」
「ちょ、いい?」
目黒の腕に手を伸ばし、掴む。
驚いて目黒が動かした手と、俺の指先が触れた。
やばいやばい、めっちゃドキドキする。
蓮「…はい、っ、‼︎///」
目黒も手が触れたことにびっくりしたのか、慌てて俺から視線を逸らした。
今は教えるの最優先。
目黒の腕を掴み、動かしてみる。
「こうして、こっちにこう行ってからのこう。…こうばっかりだけどわかった?」
蓮「…っはい///」
「よかった。休憩入れようか」
蓮「はい」
ベンチが一つしかない。
…佐久間がやったな、これ。
元々ベンチ二つあるはずなのに。
あいつ…(怒り)
あとで怒っとこ。()
てことで仕方なくベンチに隣同士で座った。
距離は肩が触れ合う寸前。
なんだか異常に気まずくて、無言で飲み物を飲んだ。
突然、
蓮「岩本くんって、、好きな人いるんすか…」
と聞いてきた目黒。
飲み物を吹き出しそうになった。
やばいやばい。
目黒に俺の恋のこと知られたら俺終わりなんだけど。
目黒、絶対好きな人いないもん。
…はぁ、、
流れで、
「好きな人?…うーん、いないかな」
と|誤魔化《ごまか》してしまった。
へー、と流してくるかと思いきや、ちょっと引っ掛かるような表情を見せた目黒。
…なんでだろ。
ここで終わるかと思えば、
蓮「…じゃ、じゃあ、気になる人は…?」
と問い詰めてきた。
こいつどうした、壊れたか?
「気になる人…もいないかな」
慌ててまた誤魔化す。
まあいいでしょ、目黒に好きな人どーせいないんだし…。
蓮「えっ」
驚きの声を漏らす目黒。
少しひっくり返っている声がなんだか面白くて、少し笑ってしまった。
「そんな驚く?w」
蓮「…と、いや、意外だなって」
意外って…
「そう?目黒はいるの?」
蓮「俺は……いな……い、です」
ほらやっぱり。
いないんだよ、いない。
俺もいないって答えて正解だったわー。
…って俺、これ片想いってこと?
待って待って待って。
混乱中。
「そっか」
蓮「…はい」
「じゃあそろそろ練習に戻ろうか」
蓮「……分かりました」
なんだか心残りがありそうな返事。
ほんとどうしたんだろ。
…まあ俺もやばいんだけどね。
片想いなのかぁ………。
で、そのあとは目黒の様子が気になりつつもちゃんと二人振り覚えきって。
帰る時は、
「あ、もう帰る?」
蓮「はい、」
「目黒さ、来週の水曜日空いてる?」
蓮「水曜日…?1日OFFですけど……」
「よかったら一緒にタピオカ屋でもいかない?」
蓮「…いいんですか、……行きます」
「わかった。時間とかはまた今度連絡するね」
蓮「はい」
ってちゃんと誘った。
頑張ったんだよ俺。
「……てな感じのことがあって」
辰哉「はー…__ほんと二人とも馬鹿だわ__」
「ふっか今なんて言った?」
辰哉「なーんでーもなーい」
「で、俺はどうすればいいの、?」
辰哉「ねぇ、照はさ考えた?」
いつのまにか佐久間や翔太、舘さんや阿部まで俺とふっかの会話を取り囲んで聞いていた。
「なにを…?」
辰哉「『照が好きな人いないって言ったからめめも流されてそう言ってしまった』っていう可能性」
「…‼︎」
辰哉「…ね」
「…でもそんなわけ、」
亮平「その可能性否めないね」
大介「ひかるやったな〜」
佐久間は既に俺が一回叱りつけた。(どっちかっていうと怒鳴り散らした…?)
ちゃんと。有言実行。
「…ぅ、」
辰哉「恋ってたった一言で大きく変わっちゃうの、よく分かったでしょ」
「本当に俺どうすればいいの〜‼︎」
辰哉「最後のチャンスは水曜日だな」
「…?」
翔太「告れ(同時)」
涼太「告りましょう(同時)」
亮平「ゆり組…♡」
「…ぇぇ、////」
辰哉「もうこれしか無いよ」
大介「俺らも手伝うから‼︎」
「…わかった」
その日から俺ら6人は告白に向けたくさんの準備を始めた。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
目黒とダンスレッスンをした翌日。
いつも通り目黒は仕事に来た。
が。
目黒は何かが空っぽになってしまったような、人形のような状態になっていた。
にこりともせず、怒りもせず、悲しみもせず、楽しそうにもしない。
ずーっと無表情。
つまらなさそうな顔をしている。
辰哉「めめ」
蓮「はい」
辰哉「どうしたの、ずっと無表情だけど」
蓮「普通ですけど」
大介「普通じゃないでしょ⁉︎」
蓮「普通です」
翔太「普通じゃねえだろ、嘘つくんじゃねえよ」
蓮「あの。俺今他のことやってるんで邪魔しないで頂けますか」
涼太「みんな目黒のこと心配して言ってるんだよ」
蓮「別に。そういう要らない感情求めていないので」
亮平「めめ、」
蓮「邪魔しないでください」
康二「めぃめぃ、」
蓮「うるさい」
ラウ「めめ…」
蓮「うるさいです。みんな俺のこといじめたいんですか」
その言葉にみんなが黙った。
「目黒」
蓮「…っ、?」
俺が声をかけると、今まで全く見せなかった動揺が顔に現れた。
「ちょっとこっち来い」
蓮「…」
隣の空いている楽屋に手招きした。
一瞬戸惑いを見せたけども、素直についてきた。
2人だけの空間。
「目黒。どうしたの」
蓮「…っ、なんでもないので邪魔しないでくださいっ、」
「…苦しそうだよ?何があったの」
蓮「か、関係っ、ないからっ、、」
関係無い、か。
そうだよな、、。
「………そっか。辛かったらいつでも頼れよ」
蓮「…」
ぎゅっと唇を噛んで切なそうな表情を見せた目黒が儚くて、すぐにどっか消えてしまいそうだった。
そのままその日は何もなかったように過ぎたが、必要なこと以外、誰も何も喋らなかった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
ついに、運命の水曜日。
タピオカ屋で2人で黙々とタピオカを飲んでいた。
相変わらず目黒は無表情。
だけど、ふっかによると、
『照といるときだけめめ何かが違う。照に何かあるんだと思う』
と言っていたのでそれを信じることにした。
俺がタピオカを飲み終えた頃、目黒に声をかけてみた。
「目黒?」
蓮「はい、?」
「まだ時間あるしそこの公園でも行かない?空とか見ようぜ」
確か目黒、空好きだったよな。
蓮「いいね」
それだけ言うと、目黒はタピオカを一気に飲み干した。
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運良く公園は空いていた。
静けさが漂う公園のベンチに座って、目黒と空や子供を眺めていた。
よくわかんないけど、人形のようになってから常に張り詰めた空気を纏っていた目黒だったけど、今日はなんか安心したような感じだった。
ずーっと他愛無い会話をしていた。
目黒といるこの時間はとても楽しかった。
「そろそろ帰ろうか」
陽が少しずつ傾いてきて、俺は目黒にそう言った。
すると、
蓮「ま、って、」
風鈴のように涼やかな声だった。
俺を少し慌てながら呼び止める声。
そして、その声と同時に手に温もりを感じた。
驚いて、目黒の方を振り向く。
照「…?」
黙り込む目黒を見て、疑問が浮かび首を傾げる。
左右に視線を泳がした目黒。
しばらくすると、覚悟を決めたのか俺を見上げた。
蓮「岩本くんっ、、っ好き、、です、//」
と言う言葉を紡ぎ出した目黒。
…好き?
目黒が?俺のこと?
頭が混乱し始めて、目黒を見つめたまま黙り込んだ。
目黒の瞳にみるみる涙が|迫《せ》り上がってきた。
…やべ、泣かせちゃう。
俺が慌てて謝る前に、
蓮「…ごめん、、なさいっ、」
と何故か目黒が謝った。
俺も段々申し訳なくなってきて、
照「…__ごめん__」
と小さく呟いた。
そして、告白の準備をする為に繋がれた手をぱっと振り払った。
蓮「…っ、」
目黒が息が詰まったような声を漏らす。
そのあと、その綺麗な瞳から大粒の涙が零れた。
「ごめん」
目黒を泣かせてしまった。
どんどん申し訳ない気持ちに襲われていって、謝罪の言葉を|放《はな》った。
蓮「…」
目黒はずっと黙っている。
ずっと、ひたすら涙を零しながら。
準備のため背中を向ける。
色々取り出そうとしていると。
ざっ、と立ち上がる音が聞こえ、直後に駆け出す足音がした。
まさかと思って振り向くと、目黒が走り始めていた。
その背中はどんどん遠ざかっていく。
「え、目黒、待て、目黒‼︎」
慌てて声を掛けるも、目黒はとうとう見えなくなった。
やばいやばいやばい。
逃げちゃった。
カバンを背負って、急いで目黒を追いかけ始めた。
昨日見た、『路上で男性を襲う 大学生3人組』というタイトルのニュースが何故かフラッシュバックされた。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
目黒が通ったであろう道を追っていくと、途中で見慣れたスマホが落ちていた。
目黒のか。
それを拾って、走りながらそのスマホを眺める。
落ちた衝撃だろうか、端っこが少し欠けている。
…ちょっと待てよ。
目黒、スマホ落としたってことは……………
やばいじゃん。
もう完全にこれは俺の|所為《せい》。
さらに走るスピードを上げた。
しばらく走り続け、路地裏付近にまで来た。
何やら不穏な空気が漂う路地裏。
ここに居たりして…
俺こういう所無理なんだけど………。
恐る恐る路地裏に入り込むと、声が聞こえてきた。
「-------だ、-----け-、こ----ん--」
何こいつら。
うっせえな………。
でもなんだか嫌な予感がして、少しずつ近づいていく。
「俺た--好きな--のことを忘れ---あげる」
「かわいそーにw」
誰?
覗こうとすると、
「ぐすっ、ぅぅ、__やだっ__………」
どこかで聞き覚えのある声がした。
抵抗してる………目黒。
上半身裸の。
…は?
そしてその目黒を囲む男3人組。
……ニュースで見た奴、?
泣いてる目黒を見ると、段々と|苛々《イライラ》が募ってきた。
……あいつら、目黒に何してんだよ。
蓮に。
?「誰が可哀想だって?」
昼の路地裏に、俺の声が響き渡った。
蓮「…………⁇…うそ、‼︎」
俺の姿を視界に捉えると、待ってましたと言わんばかりにぱっと笑顔になった。
男1〜3「「「は?」」」
男たちが誰だよ、という風に俺を見る。
「ひかるくっ、、、‼︎涙」
俺の名前を呼ぶ目黒。
ちょっと待ってろ、今助けるから。
心の中でそう呟く。
「お前ら。…俺の蓮に何してんの?」
蓮「…⁉︎/////」
男1〜3「「「は?(再び)」」」
とにかく目黒を自由にするために、目黒に抱きついているマジで気色悪い男にヘッドロックをかけてから勢いよくアスファルトの地面に叩き落とす。
バキッと音がした…のは気の所為ってことで。
その次に隣の男の腹に蹴りを数発入れた。
無様に喘いで、地面に丸まってから気絶した。
最後に残った男を睨みつけ、首を掴んだあと、顔面を殴りつけた。
顔の原型がなくなるぐらい。(※あくまでも岩本さんの感想です)
パンっと手を払い、立ち上がる。
蓮「…‼︎」
きらきらとした瞳で俺を見上げる目黒。
落ちてた目黒の服を着せてやって、ついでに俺の上着をかけてあげる。
「はぁ、…目黒何された?怪我してない?大丈夫?」
呼吸を整えてから、目黒と視線を合わせるためにしゃがんだ。
蓮「だい、じょうぶっ、、くちびる、だけ、」
唇?と思って目黒の顔の方を見ると、唇から鮮やかな紅の血が湧いていた。
照「うわ、唇めっちゃ血出てるじゃん。何されたの?」
人差し指で目黒の唇をなぞる。
指で目黒の唇に付いた血を全部拭き取った。
蓮「おれがっ、、かんじゃった、の、だいじょうぶ、」
声抑えようとしたのか。
「そっかそっか。他には?」
くしゃりと髪を乱して目黒の頭を撫でた。
蓮「ひか、、く、……………おれっ、、こ、わかっ、、た、、」
と|溢《こぼ》す目黒。
「うん、」
蓮「も、……だめ゛、っで、、グスッ、おも゛、…っ、で、……ひくっ、ぐすっ、」
目黒をここまで怖がらせて。
マジで許せねえ、あいつら。
もう一発蹴り入れてやろうかな。
「蓮。…よく頑張ったな。もう大丈夫、俺が守る」
ぎゅっと震えているその体を抱きしめた。
俺が抱きしめると、また目黒が泣き始めた。
蓮「…なんで、」
涙が収まった目黒が最初に|放《はな》った一言がこれだった。
「ん、」
そういえば、と思いスマホを返した。
少し驚きながら俺を見つめた目黒。
蓮「……なんで、俺、たすけてくれたのっ、?」
「そりゃぁ………大切な人助けらんなかったら筋トレしている意味なくなるだろ」
蓮「…たいせつ、、メンバー、?」
「…((拗」
マジでこいつ馬鹿。
メンバーがこの状況だったらたしかに助けるけど‼︎
目黒に使う『大切』はまた別なんだよ。
蓮「__えっと、__」
俺が拗ねたのを見て突然慌て始める目黒。
「…もう、蓮は本当に馬鹿なんだから」
雫で濡れた目黒の拳を包み込む。
拳をゆっくり、丁寧に開き薔薇の花を握らせた。
蓮「……⁉︎」
ぽかんと薔薇を見つめる目黒。
この表情可愛い。食べたい…((((
そのあと、イヤーカフを目黒の耳につけてみる。
マジ似合うじゃん。
蓮「…ぇ、?」
え、と小さく溢した目黒。
可愛いな、やっぱ。
「蓮」
蓮「⁉︎////」
下の名前で呼ぶと、肩がびくりと揺れ、一気に赤くなる目黒。
「蓮、愛してる。俺と付き合って」
そんな目黒に告白した。
今までの想いをぶつけた。
蓮「…え、?」
意味がわかっていないのか固まる目黒。
「愛してるよ」
蓮「…ぁぃ、してる、?」
「うん。何回でも言うよ?蓮、愛してる」
蓮「…おれ、、のこと、?」
「うん。俺が愛してるのはこの世でたった1人、今俺の目の前にいる蓮だよ」
蓮「ほんとに、?ぐすっ」
また泣き始める目黒。
「愛してる人に嘘はつかないよ」
蓮「でも、好きな人も気になる人もいないって……」
「蓮は愛してる人だもん」
…ということにした。
阿部、ほんとにありがとう…(このセリフの考案者が阿部ちゃんなので by主)
蓮「…‼︎////」
「ね?」
蓮「これゆめ、?」
「夢じゃない。蓮、愛してる」
蓮「うれしい……」
「俺と付き合ってくれない?蓮が彼女になって」
蓮「俺、、彼女、?」
「可愛いもん。彼女ね」
蓮「…喜んで、‼︎」
そう言ってから、またぽろぽろと涙が目黒の頬をつたった。
そんな泣き虫な目黒をもう一度ぎゅっと抱きしめた。
あったかい。…あったかい。
「ごめんな、今まで辛い思いさせちゃって」
謝った。
本当に目黒には色々迷惑かけたもん。
蓮「いい、…今うれしいから全部いいの、」
「そっか」
蓮「岩本くん…」
この瞬間、目黒に名前呼びを教育させようと思った。(((
「俺の彼女になるなら照って呼んで」
蓮「ひかる、、くん////、」
照れ気味の目黒。
まだ教育してかないとな。(((
「まぁ…許す」
少し不服そうに口を尖らせてみたけど、結局ぎゅっと抱きしめた。
蓮「おれも、…ひかるくんのこと、す………違う、、…あいしてるっ、////愛してる愛してる愛してる…‼︎」
突然告白しだす目黒。
やばい、嬉しい。
こんな風に思ってくれてたなんて。
「俺も。愛してる」
蓮「…///」
「んはっ、蓮耳まで真っ赤」
蓮「嬉しい、けど…恥ずかしいんだもん、やっぱ…」
「あとね、もう一つサプライズあるんだけど」
蓮「なに、?」
「俺と…だけじゃないけど」
薔薇を持っていないもう片方の手にそれを握らせる。
蓮「…か、ぎ?」
「そう。俺とだけではないけど、SnowManでシェアハウスするよ」
蓮「ほんと、⁉︎」
「うん」
蓮「やった、‼︎」
嬉しそうな目黒。
この表情可愛い………けど。
こいつさ、俺が好きって言った時よりも喜んでない?
…待って、マジで嫉妬する。
蓮「嬉しい…けど」
「けど?」
次に来る一言に少し期待する。
蓮「…いちばん嬉しいの、ひかるくんと付き合えたことだからね、?」
「…ニコッ」
目黒も俺の心見透かしてんな。
…いつか目黒の心を全部見透かせるようになろ。
絶対。
蓮「ふふ、」
小さく笑みを溢す目黒。
「じゃ、帰ろうか」
蓮「うん、‼︎」
目黒が俺の方に手を伸ばす。
その意図を察し、目黒の方に手を伸ばし俺ら二人の手が触れ合った。
一瞬手を離しかけた目黒だけど、俺の手をぎゅっと掴んだ。
一瞬その手を見つめ、思った。
「こうでしょ」
目黒の指と指の間に、俺の指を絡める。
蓮「…⁉︎///」
人生初の恋人繋ぎ。
新鮮。
「ふふ、今日さ蓮ずーっと真っ赤だよ?w」
蓮「…やめて…////」
「可愛いからいいよ」
蓮「…/////////」
「今日どうだった、蓮」
蓮「…さ、最高の1日だったっ///」
「そっか。俺も」
蓮「今の会話なに、?/////」
「え、夫婦ってこーゆー会話するもんじゃないの?」
少し冗談めかして言う。
蓮「…⁉︎…ふうふ、?」
「将来なるんじゃないの?w」
蓮「えぇ…/////」
「ま、この話はまたいつかね」
蓮「ん、//」
そんな会話をしつつ、俺ら二人は手を繋ぎ家へと向かった。
fin.
以上です‼︎
長いのに読んでくださりありがとうございます‼︎
おおあめ
投稿サボっててすみません…!
ひーくんが27歳、めめが4歳。
めめはもともと孤児で、ひーくんに引き取られて現在育ててもらっている。
→この設定で進んでいきます‼︎
めぐろside
あるひ。
ほいくえんでおえかきしてたの。そしたらね?
ざーっ、ざーって、あめがふりはじめたの。
かみなりもごろごろってなってて、みんなびっくりしてこわくなっちゃった。
しばらくしたら、せんせいが、
「お母さんかお父さんにお迎えに来てもらいまーす!みんな、偉い子で待てる?」
って言ったの。
れんはおもったの。ひかるくん、おしごとでいそがしいからこれるかな、って。
でも、そんなことかんがえるのはやめた。
ひかるくんいってた。
「いつでも蓮が一番だよ。一番大切。大好きだよ」
って。だから、きっといそがしくてもおむかえきてくれるよね。
---
岩本side
俺の本業はカフェの店員。
たまに副業(?)でダンスの振り付けやったりすることもあるけど。
いつも通り、カフェで働いてたら、スマホに連絡が来て。
休憩がてら確認したら、蓮の保育園からだった。
大雨になっちゃったから、いつもより早めにお迎えに来て欲しい、って。
「うわ、やべー…」
シフトを確認すると、この時間は店長と俺、そしてもう一人しかいなくて、全くもって抜けられそうではない。
とはいえ一回確認するべき。
「あのー…店長、」
「んー?どうしたー?」
「大雨で、息子の迎え行かないといけなくて…抜けられますかね」
「…マジかー」
「マジです」
「今、僕以外に二人しかいないんだよね?」
「………はい」
「あと1時間後だったら全然いいんだけどー…」
「1時間…」
「流石に息子くん可哀想だよね〜…」
「…はい」
「よし。じゃあ30分で許そう。まだこんな雨の中で迎えに行くのもしんどいだろうし」
「ありがとうございます!」
蓮、待ってろよ…!
---
めぐろside
「んー…」
ひま。
せんせいが、おむかえくるまえにきれいにしようねっておもちゃおかたづけしちゃったから、することない。
おともだちはみんなかえっちゃって、あとはれんがにがてなこばっかり。
「れんくーん?」
こえがした。
そっちをむくと、たまにいじわるしてくるこがれんをみてた。
「なーに?」
「れんくんって、おとうさんもおかあさんもいないんでしょ?だからおむかえいないもんね?」
「…!ちがう!れんにはひかるにいちゃんがいるの!」
「うそだー。おにいちゃんなんさいなの?」
「…にじゅう、ななさい、」
「えー!へんなのー!」
「へんじゃないもん、!おにいちゃんつよいの!」
「つよいからなんなの?」
「…うぅ、」
「おむかえにきてくれないんだね」
「…〇〇くんもきてないじゃん!」
「もうそろそろくるってせんせいがおしえてくれたもんね」
「…!」
「れんくんはかわいそうだね、ひとりぼっちで」
「ひっ、ひとりじゃないもん…!」
「おむかえこないのに?」
「っ…」
「かわいそーw」
「……もういいもん。ひかるにいちゃんはちゃんとくるから!!!」
「へー…w」
れんはくやしくて、へやのはじっこにすわって、ちっちゃくなった。
…ひかるくん、まだ……?
れん、さみしいよ…。
---
岩本side
「岩本〜、お疲れ様。帰っていいよ」
「ありがとうございます!」
「あとこれ。よかったら」
「なにこれ…あ、チョコだ」
「今日余分に作っちゃって。もしよければ息子くんと二人で食べて」
「色々ありがとうございます、店長!」
「いいえー。早く行ってあげな?ちょうど雨も止んできたし」
「はい!」
急いで制服を着替え、荷物を背負い、傘を差して走り始めた。
---
めぐろside
いま、とけいのみじかいはりが5になった。
みんなほぼかえっちゃって、のこりはれんとさっきのいじわるなこ…〇〇くんだけになっちゃった。
「…ふわぁっ、」
きょうはおひるねしてないから、ねむい。
「れんくん、ねむいの?」
「…んーん、ちがう!れん、ねむくない…ひかるにいちゃんがくるまでねないもん」
「ずっとあくびしてるのにね」
「かんけいないもん。みないで」
「へー」
そとをみると、まだしとしとってあめがふってて、でももうまっくら。
よるのじかん。
…れん、おうちにかえりたい。
おうちで、ひかるくんとあそんで、おいしいごはんたべて、あったかいおふろはいって、ふわふわのふとんでひかるくんとねたい。
おうち、どこ…?
れん、ねむい…。
ひかるくんは…?れん、ひとり…?
そうおもったら、きゅーってこころがなって、おめめのはじっこになみだがうるうるした。
「ぅぅ…」
「れんくーん???」
「…!なに?」
「ないてるの?」
「ち、ちがう!!なかないもん!!」
「なみだきらきらしてるよ」
「ちがう!れん、なかない!」
「よわいこなんだねー。れんくんのおにいちゃんもがっかりしちゃうね」
「…っ!」
ないたら、れんよわいこ…?
ひかるくん、がっかりしてれんのこときらいになっちゃう…?
また、すてられちゃう…?
「ちがうもんっ、!れん、なかないから…!」
「ふーん」
「…」
ぎゅって、そばにあったおふとんつかんで、なかないようにがんばる。
ひかるくんまだかな。
おそいよ…。
…もしかして、れんのこときらいになっちゃった?
きらいだから、おむかえこない?
それとも、れんのことわすれちゃった?
すると。
がちゃっ!
って、ほいくえんのどあがあいた。
ひかるくんだ…!
そうおもって、かおをあげると。
「うわぁ!ままーー!!!」
となりで、いじわるしてた〇〇くんが、うれしそうにいった。
「あ…」
いっきにかなしくなって、またなみだがこぼれそうになった。
「〇〇、ごめんね?おそくなっちゃって」
「ううん、だいじょうぶ!さいごじゃないから!」
「でもさみしかったでしょ?おともだちあんまいなくて」
「だいじょうぶ!まま、だーいすき!」
「ふふ、ママも〇〇だいすきよ」
「ふふっ、じゃーねー!ひとりぼっちのれんくん!」
ばたんっ、てどあがしまった。
れん、ほんとうにひとりだ…。
せんせいは、ほかのおしごとがあるからっていって、ほぼみんなしょくいんしつ。
ひとりのせんせいがおなじくらすにいるけど、そのせんせいもぱそこんをかちゃかちゃやってて、れんなんていないみたいにしてる。
「…うっ、……ふぇぇ、」
なみだがこぼれそうになって、あわててごしごしってした。
おそとはまっくら。
れんはひとりぼっち。
「かえりたい…ひかるにいちゃん…」
ずっとまどみてるけど、だれもほいくえんのところにはいってこない。
ねぇ、ひかるにいちゃん。
れんのこと、きらい?
れんのこと、わすれちゃった?
れん、さみしいよ……。
まだ…?
ごろごろごろっ!
そとで、おおきなかみなりのおとがして、れんはびっくりした。
「かみなり…!」
さっきのかみなりのときは、おともだちとか、せんせいがたくさんいたけど、いまはひとりぼっち。
いやだ…かみなりこわい………
おふとんのなかに、ぎゅってたいいくずわりする。
ごろごろーって、ずっとかみなりがなってて、もうやだ。
「ひかるにいちゃん…」
がちゃっ!
またおおきなおとがなった。
つぎは、…どあがあいたおと!
れんはおふとんからそーっとかおをだす。
すると、すこしかみのけがあめにぬれてて、でもかっこいい、れんのだいすきなおにいちゃんがいた。
「ひかるにいちゃん…!!!」
「蓮!」
ひかるにいちゃんは、ふとんにかくれてたれんをみつけると、すぐにこっちにきて、れんをぎゅってする。
「蓮、ごめんね?ひとりでさみしかったよね…」
「…んーん、だいじょぶ………」
「ごめんね、蓮」
「……ひかるにいちゃん、れんのことわすれてた?れん、きらい…?」
「!そんなことないよ。蓮のこと大好きだよ。お仕事が忙しくてね、なかなかお迎え来れなかった。…でも、ごめんねの代わりにチョコ貰ったよ!あと、ケーキも買ってきた!」
「…けーき!」
「ね?おうち帰ったら一緒に食べよ?」
「食べる…!……ふぇぇぇぇぇぇっ!」
「蓮、ごめんね〜…!」
「よかったぁ……ひかるにいちゃん、れんのこときらいになったのかとおもった〜……!うわぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
「不安だったよね、ごめんね」
「っ、ふぇぇ、…おうち、」
「おうち帰ろうね。疲れたもんね」
「だっこぉっ、」
「抱っこね」
おててをのばすと、ひかるくんはにこってしながら、だっこしてくれる。
ひかるくんはれんをだっこしたまま、くらすにいたせんせいにさようならってあいさつして、ほいくえんをでた。
ひかるくんがあるくと、ゆらゆらってゆれて、きもちいい。
れんはどんどんねむくなって、ひかるくんのうでのなかで、ねた。
そのひのゆめは、ひかるくんといっしょにけーきとちょこをたべて、いっしょにねるゆめだったんだよ!
---
岩本side
(ちょっと時間バグります)
やっと保育園に着くと、蓮しかいなかった。
蓮はふとんのなかにくるまってて、俺を見るとぱあって笑顔になった。
「ひかるにいちゃん…!!!」
「蓮!」
俺は布団にくるまってる蓮の方へ行って、ぎゅっと抱きしめた。
「蓮、ごめんね?ひとりでさみしかったよね…」
「…んーん、だいじょぶ………」
そう言う蓮だけど、とても寂しそうな目をしている。
「ごめんね、蓮」
「……ひかるにいちゃん、れんのことわすれてた?れん、きらい…?」
まさかの発言。
蓮にこんなこと思わせちゃった、と思うと、きゅっと心が痛くなった。
「!そんなことないよ。蓮のこと大好きだよ。お仕事が忙しくてね、なかなかお迎え来れなかった。…でも、ごめんねの代わりにチョコ貰ったよ!あと、ケーキも買ってきた!」
「…けーき!」
「ね?おうち帰ったら一緒に食べよ?」
「食べる…!……ふぇぇぇぇぇぇっ!」
ぽろぽろ、と蓮の目から涙が一気にあふれた。
「蓮、ごめんね〜…!」
「よかったぁ……ひかるにいちゃん、れんのこときらいになったのかとおもった〜……!うわぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
「不安だったよね、ごめんね」
「っ、ふぇぇ、…おうち、」
「おうち帰ろうね。疲れたもんね」
「だっこぉっ、」
ぴょんぴょんと跳ね、手を伸ばす蓮。
「抱っこね」
蓮を抱っこし、先生に挨拶して保育園を出る。
外に出ると、蓮は相当疲れていたのか、こてんと眠りに落ちてしまった。
「頑張ったね、蓮。大好きだよ」
そう呟くと、心なしか蓮がふにゃっと笑ってくれた。
Fin.