読んでいくたび、泣けてくる。
最悪な家庭からの最高な家庭へと目指す。
とある少女は「家出」をきっかけに人生が変わっていく。
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目次
#1 時が止まるその日まで。
ーー小さい時から、そうだったーー
私の母はいつも、こう言った。
「あなたは、私の子なのだから何でもできないと。」
また、こうとも言った。
「あなたは、いつも満点、1位、完璧ではないと。」
その言葉は、私にとって“プレッシャー”だった。
ガバッ!
「はぁはぁ」
何度目だろう。ここ最近ずっとこの夢ばっかり。
幼稚園の時も母は、
「小学生の受験を受けなさい。」
と言ってきた。正直私は嫌だった。だが、逆らうことなどできるわけがなかった。
「1日、勉強5時間すること。当然幼稚園の遊具など遊ぶのは禁止。」
幼稚園生でありえないことだった。でも、頑張ってやった。
ある日、勉強に疲れて、遊具で『遊んだ』
そうしたら、その日、母に怒られた。
次の日には私の先生が暴力を受けた。
また、その次には・・・
私の先生が自殺した。
当然、私の母は捕まった。私の父は私を捨てた。私を捨てた数日、電車にひかれて、他界した。だから私は養護施設に入れられた。うれしかった。
でも、数日たてば、一時的の「里親」が決まってしまった。
そこからもまた、地獄が始まった。
結局、小学生の受験は受けなくてよくなった。
私の里親は、怖かった。雑用を受けた。もし、ちょっとでもミスれば暴力を受けた。
また、その里親はパチンコに行っていた。なので、もし負ければ、10,20回ほど殴られた。
それが、4年ほど続いた。本当に耐えられなくて、家出しようと決意した。それが、小5の夏のこと。
私は家出の準備をした。
ランドセル、黄色帽子、お金、服、スマホ、などなどをいれた。
その時、私は「リスカ」を始めていた。そのため、包帯とカッター、カミソリなど、リスカの道具も入れた。
行先は決めていなかった。だが、なんとなく、養護施設のほうへ向かうことにした。
その日は、里親がパチンコに行っていたため、家には誰もいなかった。
「あめ?」
途中で、雨が降ってきた。しかし、傘を持ってくるのを忘れてしまったため、ずぶぬれになりながら歩いた。人に会いたくなかった。だから、あまり人通りのない場所を歩いた。ま、どうせ、友達もいなかったからこんなことしても意味はないけど。
そんなことをしていると、養護施設についた。
「すみませーん、すみませーん」
私は、声をかけた。すると、施設の警備員さんがきて、
「!?だ、大丈夫?とても濡れているけど。」
といわれた。だが、今はそんなことどうでもよかった。なので、
「施設の先生はいますか?」
そう言った。
「何か用かな?今一人?保護者は?」
「いません。施設の人に話したいです。わたし、もと施設の人です。」
そうしたら、すんなり入れてくれた。私は、警備員とともに、施設の廊下を通り、職員室のようなところにいった。
周りに、教室があった。その教室の中には、いろいろな子がいた。あざがある子、傷がある子。かわいそうに見えた。しかし、ぐっすり眠れていて安心した。
「あら?ずいぶん大きくなったね!もしかして、ルカちゃん?ていうか、どしたの?そんなに濡れて。」
「あ、えっと、いろいろあって。ていうか、覚えてくれててうれしい!」
うれしかった、覚えてくれていた。その先生は、私ととても仲が良かった先生だったから。
「タオルいる?ほら、これおぼえてる?」
「あ、これって私が好きなやつじゃん!ありがと」
タオルをもらった。また、暖かいココアをもらった。いま、夏だけど。
「ここ、座りな。どしたの?全部話してくれる?ゆっくりでいいから。」
そういわれてうれしかった。だから私はゆっくり、全部を話した。そして、泣いた。泣きながらゆっくりはなした。
「そ、そうだったの?なんでもっと早くここに来なかったの?私たちがルカちゃんのこと助けるのに。」
大粒の涙が流れた。なんでもっと早くここに来なかったんだろう。後悔した。
私は、リスカのことも話した。先生は驚いた。私は動揺しなかった
先生に話すと気持ちも落ち着いてきたルカ。
だが、先生は驚きを隠せない。
先生はこんなルカにかけた言葉とは・・・