イージアという特別な人狼の二人のお話です。
「イージア」だとバレたら殺されるという世界で、二人はどう生きるのか?
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目次
イージア
しばらく書いてなくてすみませんでした。
全然完結せずに、じゃんじゃん新しい小説ができていく……
あ、やばい、泣けてきた……
……頑張って、他のやつもやっていきます…
イージア・ノイズ…特殊能力を持っている人狼。なぜか10歳以上のイージアはいない。
ここは人狼の暮らす、世界の裏の場所、”ヒューマン・ノイズ“。
ここには、二種類の人狼が住んでいる。
人間のようにくらす、ただ外見などが違うだけの普通の人狼、“ノイズ”と、
特殊能力を持つ、“イージア・ノイズ”。
この物語の主人公は、2人。
炎のイージアと、氷のイージアである。
---
「ねえミリルっ」
「どうしたの、カイム」
「オレね、ほのお__もごっ……何?」
ミリルがささやく。
「私達は、“イージア”。それを知られたら、絶対にダメなの」
「アー……オーケー」
イージアは、絶対にイージアということを周りに知られずに生きていく。
何故なら、イージアは“駆除”されるから。
悪者で、化け物で、呪われたものだから。
---
ビーッ、ビーッ、ビーッ!
学校に、警報音が鳴り響く。
__イージアの駆除の、警報音。
一ヶ月に一回は、必ず1人は、イージアが死んでいく。
「みなさん、避難をしてください!」
先生が叫ぶ。
その瞬間、爆風がガラスを割った。
「早く!」
みんな、逃げて角で震えている。
力を使って反抗する“イージア”と、警察の戦い。だから、すごく激しいんだ。
力を使わず、ひたすら逃げる善良なイージアもいるけど、みんな死にたくないから、そういうのはごく少数だ。
力を使わずに逃げても、こいつはいいやつだなんて思われないしね。
ああ、怖いな。
“涙は演技だ。かかれ!!” “化け物め!” “殺人鬼め!!”
そんなことを言われて、オレも人生を終えるんだろうか。
---
「カイム、大丈夫だった?」
「ん……ああ、ミリム。うん、大丈夫だった。ミリムも無事でよかった」
「まあね。」
黙り込むオレに、ミリムは、無言で『言いたいんでしょう?』と問いかけてくる。
「__俺たちは、どうやって死ぬんだろう。」
ミリムは、「__どうだろう。怖くないといいね」なんて笑った。
でもたまに思う。
“駆除”の時に、何人かの死体を見てしまった時とかに。
こうしてコソコソしてるより、力を人のために使ったほうがいいんじゃないかって。
__なんて、物語のヒーローみたいだね。
---
「カイム、おかえり」
優しい笑顔に恐怖を隠したお母さんは、優しくそう言ってくれる。
お母さんは怖いんだ、オレが。
いつ殺されるかわかんないし、いつ家を壊されるかわからないから。
お母さんは後悔してるんだ。“イージア”なんかを産んでしまったことを。
なんで、能力者は犯罪者だって決まっているんだろう。
心は初めは同じだって、誰も初めから狂ってなんてないって、どうして誰も気づかないんだろう。
みんな、能力者を孤独にする。
なんで、どうして、誰も気づかないんだろう。
罪のないものを孤独にすることが、1番手っ取り早く悪人にする方法だって。
そんなことを考えて、人のために力を使いたいと思っても、結局勇気がなくて何もできない。
だから、能力者だからって、できることは一つだけ。
「ただいま」
精一杯明るく、毎日を過ごすことだけ。
ちょいブラックめな話でした。
ちなみに、1261文字です。
とんでもなくぐっちゃぐちゃの、小学校低学年の頃の物語が見つかったので読み返して、アレンジした結果がこれです。どっかで続編書くかも。
このあと、他の物語もいろいろ書いていきます。
イージア2
こんにちはー!
意外と早く第二話が書き上がりました!こないだよりブラックの可能性あり、注意。
朝起きて、まだ自分が生きていることに嫌気がさした。
---
次々と善人が死んでいく。私みたいなこんな悪人が生き延びていてはいけないのに。
能力を持っているのに何もしない、する勇気がない。死んでいいと思っているのに能力を人の前で使おうとしない。つまり、まだこんな自分を好きなんだ。
__まあ、こんなこと言ったって自分を嫌いにはなれないし、私は自分勝手なままだ。
私は、消えたいんだ
---
「ねえ!ミリルちゃん、ミリルちゃんが来るの遅いからほんとやばいの!宿題見せて!」
「それ、私のせいじゃなくない?」
「だって〜…面倒くさいんだもん!」
「みんな面倒くさいでしょ…っていうか、今日の宿題漢字の書き取りだよ?見せてどうするの」
「んあっ…じゃあ、やって!」
「もっとダメでしょ!」
アハハハハ…キャハハ…
笑い声に埋もれて一緒に笑いながら、心からみんなに混じれない自分に今日も困惑していた。
---
「カジマさん?」
算数の授業中だった。
カジマというのはうちのクラス1のぶりっ子のことだ。よく仮病で早退する。
みえみえの仮病のくせに、先生もよくあんなに毎度毎度騙されるものだ。
「カジマさん?」
「……うぅっ…は……い…?」
わざとらしい荒い呼吸音に鳥肌が立った。
---
カジマが早退してから、私は自分を押し付けていた。
「ずるい」「具合が悪い。私も早退したい。あいつよりも……」
あんなのは愚の骨頂だ。早退したってそもそも居場所はないし、罪悪感に襲われるんだから、意味はない。あいつよりもじゃない。優劣なんてつけてはいけない。
結局できてしまうんだから、平気だ。そう思って、「嘘の吐き気」をおしこんだ。
__ああ、勝手に自分に縛られてる私って、ほんとおっかしい。
乾いた笑いが漏れた。
聞こえないくらいの大きさの音だったのに、カイムがバッと振り返って私を見た。
私はいつものように、笑顔を浮かべて首を傾げた。
---
帰り道。
「なあミリル、ミリルっていっつも笑わないよな」
カイムにそう言われて、笑ってるはずだけど、と首を傾げた。
カイムは苦笑して、笑ってないよ、といった。
「笑ってないよ、笑えてないんだよ。ミリルはさ__」
そのあと、カイムが私に寄り添ってくれる言葉をかけてくれていることがわかった。けど、聞こえなかった。
__アハハハハ…キャハハ…__
そうだね。そうかもしれない。心から笑ったことが、あっただろうか。
---
なんで私はイージアに生まれたんだろう。どうして氷と水の能力を与えられたんだろう。
誰もいない家の中で、一人問答を繰り返す。
もし私が普通のノイズだったら、私はカイムみたいに明るくなれたかな。
静かな家は、私に寄り添うことはなく、傷つけることもなく、ただ同調を促してくる。
私は抵抗もせず、ただ静かな闇|《うそ》に埋もれた。
1183文字。ちょっと短めでしたね。
どうでしょう…けっこうブラックだったような気がしているんですが…
「嘘の吐き気」…どっかの日記で書くかも?多分よくわかんないと思います。
読んでくださってありがとうございました。
現在自主企画を開催中です。できれば参加お願いします。キャラ募です。
https://tanpen.net/event/bb60cc83-ddd2-4080-84ff-814a47f57914/
イージア3
こんにちは、短編カフェ@小雪です。イージア3です。
わけあってすごく短いです、どうぞ。
目の前が歪んで見えた。
ぐらり、と体が傾くのがわかった。
力が入らない。
ああ、いっそ気絶できたらなあなんて、何回思ったかしれないけど、まさか本当に怒るなんてなあ。
そう思ったと同時に、納得した。
そういえば、今日は10歳の誕生日だったな…
ああ、そうか、だからか__
そんなことを他人事のように思いながら、私は倒れた。
__ガタッ
「ミリル!」「ミリルさん!?」
カイムと先生の顔があるのがわかったけど、もう歪みが強すぎて何もわからない__
プツン
スイッチが切れるように、私は意識を手放した。
どうでしたか?ちなみに226文字です…短!
もう少し長くしても良かったかなあ、と我ながら思うんですけど…
イージア4長めにします。(4月から5月ごろに出る予定です)
あ、そうだ!ぜひ第一話を読み返してください。新情報を追加したので。
ありがとうございました!
イージア4
こんにちは〜
ちょっと展開が雑になってきてて申し訳ありません。
ちょっと覚悟してご覧ください。ごめんなさい。ほんと。適当で。
「ミリル!?」
俺は大声をあげて飛び起きた。
「__な、なんだ夢か…__今日、ミリルの誕生日なのに…いやな夢。」
俺にしては珍しく、7時28分に起きた。
おれがほっとしながら、水を飲もうと下に降りていく。
そのとき、母親が視界の隅で飛び上がった。
「…?」
おれは母親のほうをみて__はっとした。
“イージアを知っている人へ。”
ネットの、イージアを殲滅するための警察の記事。
母親は、おれがいっつも8時頃に起きるから、8時頃になるまで、こうして悩んでいたんだろう。
母親はいきなりおれに土下座した。
「お願い!お願い!どうか、殺さないで!お願い!」
おれは特に何も思うことも言うこともできず、思考停止状態で、とりあえず肯定した。
おれが母親を殺すことはない。
ただ、それだけは絶対に変わらない真実だと、そう思ったから、思考停止状態でも頷いた。
母親は、それからずっとびくびくしていた。
__これが、これが、家族?
イージアというだけで、こんな、おれの知る家族というものと全く違う、歪んだ家族が出来上がるのか。
おれは、いつもみたいに母親を気遣って、何かしたり言ったりできなかった。
気遣えよ。気遣えったら。
何か言わないと。なにかしないと。
母親に悪いことしたんだ。何も言わずにいきなり起きて、母親が隠してたことを知ったんだ。
謝るなり、冗談を言うでもなんでもいいから、なんでもいいからおれは、何かしないといけないのに。
イージアで怖がらせてばっかりな分、おれは__
__なんで、母さんはおれをイージアに生んだんだ。いっそ生んでくれなければよかったのに。
いろいろな自分の声が飛び交って、いやになった。
---
「どうしたの、カイム。」
やけにカイムが縮んで見えて、私は心配になった。
「いや…」
全くカイムはわかりやすいなあ。
こんなにわかりやすく、なにかのために感情を表せるなんてすごいなあ、なんて思いながら、まあ言いたくないのに言わせるのに意味とかないから、気づかないふりをして「そう」と言った。
---
授業が始まった。
おれは、ずっとミリルを見ていた。
あの夢が正夢にならないか、そう、ずっと思っていた。
__
ガタッ
ビクッ、としておれは音のした方向を見た。
「__ミリルさん!?」
__あ。
おれは震えが止まらなくなって、ミリルの方を見た。
__倒れているミリル。
ああ__あ、あ、あ、、、
正夢に、なったんだ
イージア5
おれははっとしてミリルに駆け寄った。
「ミリル!!」
息を呑んだ。
どうしてわかったのかわからないけど、ミリルの体が内側から冷えていくのがわかった。
このままじゃミリルは死ぬんだって、ただ漠然と理解していた。
助ける方法は一つだけ。
それが自殺行為だってこともわかってた。
でも、助けるにはそれしかない。
__おれの炎で、加減をしながらうまく、ミリルを温めないといけない。
「ミリル」
おれはミリルを見た。するとミリルは目を細めながら、顔をしかめた。
「__ごめん。だめ」
ミリルはそう二言告げた。
「でも」
「こんなところで死ななくていいよ。意味がないから。」
「違う」
「違くないよ。私みたいな悪人が善人より多く生きるなんて、ばかみたいだから、やめてよ」
「ばかみたいじゃない。悪人じゃない。違う、違う」
「ねぇ、カイム。__もう、いいよ。」
「よくない!!」
先生とみんなが顔をこわばらせて、おれとミリルから離れてこちらを眺めていることに、おれはやっと気がついた。
「先生__」
「__“発作”だ。みんな、はなれて。」
先生はどこか虚ろな声でそう言った。
何か道具をとりだすと、カイム君も、と俺を後ろに押した。
先生の道具を見ると、胸騒ぎがして、とっさにそれを奪い取ろうとした。
__バチチッ!
鋭い痛みがおれを襲った。
「カイムくんっ!?」
先生は目を見開き、直後、冷たく細めた。
「__君も、イージアか。残念だな、気に入ってた2人がイージアだなんて。全部、演技か。そうか。……大人しくしていろよ。」
みんながおれから離れていくのを見て、どうしようもなく胸が痛かった。
もうこれだけで、大量の精神ダメージをくらった。辛くて辛くて、叫び出してしまいそうだ。
先生は道具をミリルに当てた。
「_______________________________________っあ、ああああああああああああああああああああああああ!」
ミリルが甲高い叫び声をあげた。そして、大きく激しく悶えだした。
やがて声が枯れ、ミリルはなすすべなく、死へと足を速めていった。
その鼓動が小さく、弱くなっていくのが聞こえる気がした。
それがわかっているのに、おれは痺れて、あまりにイージアであることと普通のノイズであることの差がすごすぎて、あまりのダメージに何もできなかった。
みんなの歪んだ笑み。
それがとにかく気持ち悪くて、でも吐くような元気さえなく、ただおれは心の中で、
どうして?と繰り返した。
1046文字。
はい。
展開が早い。
雑。
そしてなんか怖い。
の三重苦が出来上がってしまいました。すみません。
ほんとに、これから頑張ります、、