『何でも屋』読み切り小説など
編集者:縺薙≠繧九s
『何でも屋』
『など』なので、読み切りじゃないやつ含みます。
例として、
・読み切り小説(イベント小説的なものも含む)
・一気見
・登場人物とか書いてあるやつ(予定一応あり)
総選挙の小説はシリーズ作ってありますので、このシリーズじゃないです。
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目次
『何でも屋』1期1話〜8話一気見。
一気に観れる何でも屋1期総集編です〜!(`・∀・´)
もう一回見たいなって方は、全部見てはいかがでしょうか!
長いです!
ちなみに【○話】の横に〇〇視点って書いてあるのがあると思うんですけど、
書いていない場合、華野ヨウ視点です!
【1話】
皆様方は、このような話を聞いたことがないでしょうか。
森を深く深くにある摩訶不思議なお店。
そのお店に行く人は、若い女性から少し老けた男性と、いろいろな年代の人が店へ行く。
店で働いている店員は店主を知らない。
店の常連客も店主を知らない。
店を嫌う人間も店主を知らない。
店主を知っている人間は"居ない"。
お金や落とし物、殺しから消滅まで、なんでも叶えて差し上げましょう。
---
ある滑稽とした場所でのこと。
黄葉ラボ『見てください首領。今年も桜が開花する時期となりましたね。』
首領『……嗚呼』
ラボ『昨日はあんなに寒かったのに。今日はぽかぽかしてていいですね〜』
ラボ『明日お散歩でも行きますか?』
首領『拒否。』
ラボ『あ〜あ、いつものいつもの、はいはい。』
---
【店内】
ラボ『さあ皆さん!お仕事のお時間で〜す!』
華野ヨウ『承知』
日向りむ『は〜い』
俺は『華野ヨウ』
この『何でも屋』の従業員を務めている。
のんびりまったりやっています。
とは言っても、そんなに簡単な仕事ではない。
まあつまり、『重大な仕事』ということ。
人の人生が変わるか揺れるか、それとも崩れるか。
それは俺たちが責任を持って動かす仕事。
隣にいる奴は『日向りむ』
ここの唯一の女性従業員です。
ここで働く前は、男性ショタボ配信者として働いてたらしいけど、
女性だとバレて炎上。
逃げてきてここで働いている。
でも、声はしっかりとショタボだがな(ロリボとかじゃないし)
りむ「ヨウく〜ん。今暇かな?」
ヨウ「ああヒマ。」
早速話しかけてきた。
りむ「パソコンかちゃかちゃしないといけなくて、店のことお願いできる?」
パソコンかちゃかちゃってなんだよ…
まあ意味はわかるっちゃわかる。
ヨウ「わかったよ。」
りむ「ありがと〜!感謝〜!」
と、言って従業員だけの部屋に行ってしまった。
ちなみに『黄葉ラボ』っていう人は、
従業員の上の人。
店を大体仕切っている。
他にも従業員は2人いるんだが…
ちょっと諸事情でいないんだ。
まあのちに話すよ。
で、この店で一番偉い人は、
『首領様』
あ、首領は名前じゃないぞ。
今でいうと…ほら、マフィアとか悪人団の一番偉い人に使われる身分みたいなものだ。
ここは別に悪いところじゃないぞ…!?
でも、治安は悪いかもな。
ヨウ「…周りからはものすごい悪く思われてると思うけど。」
う〜ん…今日は常連客はこないっていう話だし。
じゃあ誰も来ないかなぁ〜…
カランカラン…(店のドアが開いた音)
あ、噂してたら客が来た。
ヨウ「おかえりなさいませお客様。」
ヨウ『探し物から欲しいもの、お金も殺しも受け付けます。』
ヨウ『この"名"の通り、何でも叶えて差し上げましょう。』
---
【2話】
誰だ?
見慣れない顔だ。
初のお客様か…?
だったら話はつく。
華野ヨウ『まずは、ソファーへお座りになってください。』
お客さん『あ、はい…』
ヨウ「ここに来るのは初めてでしょうか。」
お客さん「そ、そうです…なんかすみません…」
ヨウ「いえいえ、お客様が謝らなくていいんです。」
ヨウ「ではまず、お名前を聞いてもよろしいでしょうか。」
お客さん「あ、えっと…」
佐藤ルリ「佐藤ユリです…」
ヨウ「では、ご用件をどうぞ。」
佐藤ユリ「あ、あの、探して欲しいものがあって…」
これが僕の出番だな。
僕は何でも屋の探し物担当として、毎日働いている。
だからこれはお得意だぜ。
佐藤ユリ「えっと…小さい人形で、あ、手のひらサイズで…」
佐藤ユリ「子熊の人形を探して欲しいんです。」
佐藤ユリ「あれから1ヶ月探してるのですが、見つからなくて…」
佐藤ユリ「でも、大事なものなんです!」
佐藤ユリ「裁縫が不得意な母が、一生懸命に作ってくれた人形なんです…」
佐藤ユリ「お願いします…!」
これは、良くあるパターンの一つ。
勿論引き受ける。
"何でも屋"ですから。
……大体はあの場所かな。
ヨウ「では、代償として、アナタの感情を頂きます。」
佐藤ユリ「え、感情…?お金じゃなくて?」
ヨウ「この店は、人の感情をお金の代わりにしております。」
佐藤ユリ「あ、そうなんですか…」
ヨウ「明日またこのお店に来てください」
ヨウ「きっと、アナタが求めているものが見つかります。」
佐藤ユリ「あ…わ、わかりました…」
ヨウ「……」
---
【次の日】
佐藤ユリ『ありがとうございます!!』
ヨウ「いえいえ、大したことないですよ。」
佐藤ユリ「助かりました…!ありがとうございました!」
佐藤ユリ「あ、あの、代償って…」
ヨウ「大丈夫ですよ。もうもらってます。」
佐藤ユリ「あ、そうなんですか。」
ヨウ「では、気をつけておかえりなさいませ。」
佐藤ユリ「はい!ありがとうございました!」
ガチャン(ドアが閉まった音)
まず、人形がどこにあるかを調べるときには、人の記憶を探る。
店のドアには、感情感知センサーというものがあり、
一番強い感情の色に合わせて光る。
今の佐藤さんの場合、『赤』
『怒り』だな。
ここから俺は、ただ無くしただけじゃなく、何かトラブルがあったんじゃないかと思う。
それを調べるために、次は、佐藤さんの住所、電話番号、家族関係などを調べる。
ちなみに、父、長女、次女がいる。
その後、住所の周辺を探す。
まあ無かった。
だから次は、『音』を調べる。
物は"生きている"んだ。
だからその音を調べる。
佐藤さんの心臓の1分の心拍数と、とある場所で、佐藤さんの1分の心拍数と同じものがある。一致した。
そこまで行き、人形を発見した。
少し複雑でしょう?
わからないよね。わからないかもしれないよね。
まあ知らなくていいよ。
この『何でも屋』の従業員に、発明家がいるんだ。
変な発明ばっかするが、意外と使い道はある。
ガラクタをピッカピカの機械にすることだってできる。
名前は『八田ルル』
ハッキングと発明の天才。
発明はさっき話したが、ハッキングはまだしてなかったよな。
彼は何でも屋のハッキング担当。
何でも屋のアンチとハッカーと良く戦う。
システムを破壊・乗っ取られないようにだっけ。
まあそこらへんの話は難しいからわからない。
八田は、引きこもりだから何でも屋にはこない。
でも一応仕事はしている。
だから働いてることにはなっているらしい。
カランカラン(店のドアが開いた音)
日向りむ「殺しだった〜?」
日向が来た。買い物帰りか。
ヨウ「な訳ないだろ。だったら俺が担当してるわけがない。」
ヨウ「探し物だよ探し物。」
りむ「へぇ〜?代償は?」
ヨウ『怒り』
りむ「なんで?」
ヨウ「何でだろう…w、でも、怒りが丁度いい代償だったからさ。」
りむ「そうなんだ!」
りむ「でも怒りは怖いよぉ〜?」
りむ「まあ、無くしちゃったんだから。」
りむ「もう誰にも怒れない優しい子になっちゃったね。」
ヨウ「そうだな。」
カランカラン(ドアが開いた音)
客が来た。
ヨウ「…!おかえりなさいま…」
お客さん「彼奴を殺してください…!」
お客さんが指を刺したのは、
1人の男性だった。
---
【3話】
急だな。
急に「殺してください」というフレーズは初めてな気がする。
日向りむ「え、殺してほしいの?」
男「やめてくれ!やめてくれ!」
お客さん「遠慮なく殺しちゃってください!!」
男「許してくれ!頼む!ああぁぁやめてくれぇ…!」
男はとても慌てていた。
二人に何かあったのだろうか。
りむ「う〜ん…お客様、この男と何かあったんですか?」
お客さん「私を騙したんです!!」
お客さん「10万円支払わなかったら、彼氏殺すっていったんですよ…!?」
お客さん「だから、払ったら、殺したんですよ…!?」
お客さん「完全なる犯罪者です。」
お客さん「お願いです。殺してください…!!」
まあ確かに罪を犯している。
まあ殺すしかないか…
ヨウ「どうする」
りむ「な〜んだ。そんなに"簡単"なお仕事なんだ。」
りむ『僕、このお仕事は得意ですよ?』
お客さん「ほ、本当ですか!?!?」
お客さん「だったら殺してください…!」
りむ「承知しましたっと!」
りむ「さあて、どんなふうに殺されたい?まずは…」
りむ「いや、ストレートでいいよね?」
りむ「失格者の言うことなんて聞かなくてもいいよね?」
ヨウ「わっ…血飛沫やば」
---
りむ「今日は簡単だったなぁ〜」
りむ「後処理もすぐに終わっちゃった!」
ヨウ「あのさ…殺してよかったのか?」
りむ「いいでしょあの男。」
りむ「そもそも、依頼なんだから殺さないといけないし。」
りむ「まあ少し強引だったけどね〜」
確かに依頼だ。
何でも屋は必ず依頼内容は達成しなければいけない。
だから拒否という選択肢はない。
ヨウ「ちなみに、代償は?」
りむ「もうもらってるよ!」
りむ「『悲しみ』を貰いました〜!」
ヨウ「悲しみ?なんでだ?」
りむ「殺して良かったって思ってほしいからかな。」
りむ「本当は殺してほしくないって言われたら、逆にこっちが面倒。」
りむ「まあそもそもあちらから文句は受け付けないけどね。」
ヨウ「そうだな。」
プルルルルルル
電話がかかってきた。
電話は、会社側とかの人の依頼。
もしくは外国から。
ヨウ「はい、此方は何でも屋です。どういったご用件でしょうか。」
お客様『…○□会社を消滅させてください。』
ヨウ「殺しの内容ですね。承知しました。」
ガチャン(電話を切った。)
りむ「じゃあ僕がやってくる!」
りむ「ぜ〜んぶ、1匹残らず、倒してきてあげる!」
りむ「じゃ!行ってきま〜す!」
ヨウ「え、あ、ああ、気をつけて。」
早いな…
---
【4話】日向りむ視点
りむ「さあて、順調にやれてますよ〜?」
りむ「そもそも相手にならないって〜」
と、声に出ちゃうぐらいつまんない。
前はもっと面白く強いところあったんだけれど。
ここは小さい会社だし、弱いね。
まあ殺し屋じゃない僕が言うのもあれだけどね。
りむ「あ、いた。」
そこにいたのは〜?
しゃちょーだ!!
なのでさっさと終わりたいと思いま〜す。
りむ「ねえねえしゃちょー」
りむ「地獄に行くか、天国に行くか。」
りむ「運命の時が来ましたね〜!」
○□会社の社長『え?』
---
りむ「帰るか〜」
りむ「ん?」
ちょっと怪しげなドアを見つけた。
開いてみたら、部屋だった。
まあ部屋でしょうけど。
でも、気になるのはその先だった。
大きい猫の人形が全部首吊りにさせられてるのだ。
全部で10程度ほど。
その部屋の真ん中には、あるひとりの少女?がいた。
りむ「…ねえ君大丈夫?」
返事はない。
もしかして死んでいるのか?
だが、息がある。
少し荒いが、ある。
嗚呼、そうか。
人質ってことか。
りむ「僕、何でも屋っていうお店の従業員なんだけど…」
りむ「君は?」
¿¿¿『っ…』
りむ「そうだ。君の願いも叶えてあげるよ。」
りむ『君の願いも叶えてあげる。それが何でも屋だから。』
¿¿¿『…ぁ…あ…』
¿¿¿『な…な…ぇ…』
¿¿¿『名前をつけてください…』
明らかに、死にかけの声だった。
りむ「…ねぇ、他には?それだけじゃつまんないよ。」
りむ「他に何かあるでしょ?」
---
【5話】
日向りむ「ってことで!」
りむ『何でも屋に、新しい従業員が入りました〜!』
りむ「嬉しいなぁ〜!」
華野かのヨウ「いやどういう状況!?」
家に帰ってきたら、この有り様だ。
何故か、あるひとりの少女が従業員になったという。
でも、俺が出かけたのも短時間だ。
そんなに早く決まるわけがない。
何でも屋は厳重だ。
今まで何百人もの人が、従業員のオーディションに脱落した。
でもそんな簡単に…
ヨウ「な、なあ、この子は…採用されたのか…?」
りむ「僕が採用したよ?」
ヨウ「は、はあ?」
採用する人は、主に首領様か、黄葉ラボさん。
だから、日向から採用はできないはずだが…
ヨウ「こ、こいつは誰だ…?」
¿¿¿『………』
りむ「新しい従業員だよ?勿論ラボさんからの許可も頂いている。」
りむ「首領様からも、ね。」
ヨウ「!!」
首領様から採用なんて、だいぶすごい人なんだろう。
と、そう思い込んでいたのは、この瞬間だけだったんだろう。
¿¿¿『あ、あの…私…ただの一般人なんですけど…』
¿¿¿『お役に立てなかったらすみません…』
!?
大人しく、囁くぐらいの声で話されたんだが。
---
日向から話を聞くと、日向が任務中に人質にされてた少女がいたので連れて帰ってきた。
帰る途中で願いを聞いたら、「仕事が欲しい」と。
「どんな仕事がいい?」と聞いたら、
「助けてもらったアナタと一緒に仕事がしたいです。」
と言われたそうだ。
---
ヨウ「へぇ…名前は?」
りむ「それを決めてほしいんだよね」
ヨウ「え、決めろよお前が。」
りむ「僕そういう担当じゃないし〜」
りむ「なんならヨウくんの方がネーミングセンスいいと思って〜」
ヨウ「はぁ…?」
りむ「ねっ?いいでしょ〜?」
甘え上手なのが日向りむ。
でも名前なんてつけた事ないしな…
つけてみたいって気持ちもある。
ヨウ「…はぁ〜…じゃあ別に…」
ヨウ「"ユウ"とかどうだ?」
りむ「はあ!?ネーミングセンス無かったねヨウは!」
俺…なかったんだ…
シンプルにユウとかどうかって思ったんだけれど…
まあいっか。
りむ「僕が決めてあげる!えっとねぇ〜…」
りむ「"キララ"とか!?」
は?
ヨウ「キラキラネームじゃねえか。」
りむ「え〜?別に良くな〜い?」
ヨウ「この人が悲しむだろ!(いずれ)」
ピコンっ!(ヨウのメール着信音)
久しぶりだな、メールなんて。
今の時代LI○Eだからな。
…ん?
八田やだルル『今の話全部盗聴器で聴かせてもらった。』
八田ルル『一応案を作ったぞ。』
聴かせてもらったって…何様だよ。
で?その案とは?
『羽瀬川オルカ』
………
ヨウ「おい見ろ。」
りむ「ん?」
………(沈黙が何秒か続く)
ヨウ「もうこれにしよう!」
りむ「そうだね!しっかりと決まっている!」
りむ「君の名前は!」
りむ「"羽瀬川オルカ"だよ。」
ついに名前が決まった。
どうなるかとおもったが…
意外と早く決まったな。
羽瀬川オルカ「はい!精一杯働きます…!」
何でも屋は名前も決めてあげます。
---
【6話】羽瀬川オルカ視点
【次の日】
華野ヨウ「店番よろしくな。」
日向りむ「よろしく〜」
羽瀬川オルカ「オッケー」
自分は羽瀬川オルカ。
何でも屋の新人従業員やで!
だから店番ぐらいできるっちゅーの。
オルカ「客対応しとくで。」
ヨウ「…てかさ。」
ヨウ「いつのまにタメ口に…?」
りむ「そんなのどーでもいいってば!」
ヨウ「あと何故関西弁…?」
りむ「気にすることじゃないじゃ〜ん。」
まず先輩たちがタメではなしとるから、タメにしたんや。
タメの方が楽やねん。
それで、何故関西弁かって、
テレビを初めてみた時に、関西弁を喋っとるキャラがおったんやて。
それがめちゃカッコいいんやて〜
だから関西弁しか勝たん!になったってことやねん。
でもいややねん!
関西弁しか勝たないのに、それに嘘をつくのは嫌やねん!
だから本音のままいるんやで。
ほな、よろしくなぁ〜
先輩が出かけてったので、オルカちゃんが店番や。
ラボくんもいるけど〜…
上のものって言うからねぇ〜
う〜ん…そやな…何しようか
お掃除でもするか。
ぷきぷきぷきぷきぷき
終了するで〜
…あ、5回拭いただけで掃除になるやろ!!
まあいいねん。
掃除になればいいねん。
そもそも掃除することなんて、絶対じゃないからいいやん。
カランカラン(店のドアが開いた音)
!!客が来たで〜!!
オルカ『おかえりなさいませお客様』
オルカ『探し物から欲しいもの、お金も殺しも受け付けます。』
オルカ『この"名"の通り、何でも叶えて差し上げましょう。』
お客様『ここって本当に何でも叶えてくれるんですか…!?』
オルカ「叶えてあげますよ。必ず。」
お客様「だったら、お願いしたいことがあるんです。」
お客様「配信でバズりたいです…!」
ん?
配信ってなんやねん。
オルカ「配信ってなんやねん…」
お客様「え、知らないんですか…!?」
オルカ「知らへん。前までどっかの人質になっとったから、最近のすごいやつ知らへんのやて。」
オルカ「一から教えてくれん?」
オルカ「あと…」
オルカ「新人舐めたらあかんで?」
オルカ「頑張るんで」
---
【7話】
(あれから一時間後)
華野ヨウ『何やってんだ…?』
羽瀬川オルカ『今、配信という言葉と、バズるっていう言葉を徹底的に調べとるねん!』
ヨウ「おいまさかお客様待たせてんのか…!?』
お客様「いえいえ、大丈夫です。」
ヨウ「あ、すみません…まだ新人でして…」
お客様「大丈夫です。もう本人から聞いているので。」
ヨウ「あ、そうでしたか。」
まず、お客様は配信でバズりたいと。
バズるってことは、めちゃくちゃ人気になるってことだよな…?
まあネット関係は日向の担当だし、
日向呼ぶか。
---
りむ『僕そういう系無理〜』
はあ!?
ヨウ「いやお前ネット関係担当じゃねえか!」
りむ「配信系とかは無理なの!」
りむ「元々やってなかったしぃ〜」
りむ「ネット関係っていうのは、炎上とか、争っちゃったりした人とかの相談にのる」
いやもうできそうだけれど…
できないのもおかしいような…
りむ「僕はそういう系担当じゃないよ〜」
りむ「でも〜…」
りむ「ココちゃんなら、担当一番近いんじゃない?」
---
美夜ココ『僕の出番ですか?』
りむ「そうだよココちゃん!」
ココ「ふ〜ん…で、依頼内容は?」
ヨウ「お客様が、配信でバズりたいと。」
配信だからなぁ…、動画でバズりたいとかだったら、日向だったんだけれど。
ココ「へぇ〜…」
ココ「お客様、つまり配信の同時観覧数を増やしたいということでしょうか。」
お客様「あ、はい!」
ココ「ASMR系、伸びますよ。」
あれ、なんか嫌な予感しかしない。
ココ「女性ですよね?」
お客様「はい。女性です。」
ココ「だったら話がつきます。」
ココ「ネットには、変態たちがうろうろとうろついていますからねぇ〜…」
ココ「ちょっとこちらの小部屋へ。」
お客様「わ、わかりました。」
---
………
りむ「やっぱココ君だねぇ〜」
ヨウ「おい!18禁の世界へ連れ込もうとしてるだろあいつ!!」
りむ「でも、バズる方法といえばこれじゃな〜い?」
お客様にやばいことしようとしてないか…
でももし、お客様がASMRを配信でしたら…
…バズるのか?
知らないけれど、成功を祈るか…
一時間ぐらい経った時だった。
ガチャン(小部屋のドアが開いた音)
ココ「お客様帰るって。」
!?
まさか…だよな。ココが失礼なことして…!?
お客様「おかげでバズれるかもしれないです!」
お客様「ありがとうございました!」
…?
ココ「…僕は必ず成功させる。」
ココ「そして、ASMRの沼に飲み込ませる最強の従業員。」
ココ「さあて、お客様。」
ココ「未知の世界へようこそ♡」
ココ「あなたの『苦しみ』はいただきましたよ♡」
相変わらずやばいやつだった…
---
??『な、従わなかったら…』
シャキン…(??がナイフを取り出す。)
八田ルル『や、やめてください…!!』
??『じゃあ、俺の言う通りにしろ。』
ルル「嫌です…!」
??「ふ〜ん…だったら。」
??「力ずくだな。」
---
【8話】
ヨウ「………」
八田と全く連絡つかないのだが!!!
はぁ…頼みたい仕事があるんだけれど…
八田しか出来ないから頼もうとしてるのに、
いないなら話にもならないじゃないか。
またハッキングとかなんかに夢中になってんだな〜?
何やってんだよ…
---
??『ジタバタ暴れるなって。』
??『のちに自由になれるよ。』
八田ルル『何するんですか…!?』
??『さあ…せめて君が自由になれるもの。と言えばいいですかね。』
??「…でも、君には本当にお世話になりましたよ。」
??「何でも屋を育てる一員となってくれて。」
ルル「…!?」
??「少し痛いかもしれないけれど、我慢できるよな?」
ルル「ゔぅ…何して…!(何かしてる…!)」
ルル「(あっ…意識が…)」
バタっ(八田ルルが倒れた音)
??「…混沌の…」
黄葉ラボ『混沌の戦場が、今始まる。』
ラボ『楽しみにしとけよ。』
---
カランカラン(店のドアが開いた音)
ドアが開いたな。
客か?
…違った日向だ。
ヨウ「…ん?あ、日向。」
ヨウ「おかえり」
日向ひなりむ「ただいま〜」
…ついでに八田のことも聞いとくか。
ヨウ「八田みたか?」
りむ「え?見てないけど…」
だよな…
りむ「なんなら、ヨウ以外見てない。」
ヨウ「いや別にその情報はいらない。」
カランカラン…(店のドアが開いた音)
!!
八田がいる。
八田が、引きこもりの八田が。
りむ「え!ルルくん!?お久しぶり!」
りむ「久しぶりの対面だね〜!」
りむ「元気だった?」
日向がどしどしいく。
ヨウ「おい日向、まだ外に出たばっかだと思うからそんなにどんどんと…」
ルル「……ろ」
ん?
なんか言ったような…
りむ「ごめん聞き取れなかった!」
りむ「もう一回言ってくれない?ごめん!」
ルル『ここから消えろ』
ヨウ「あ?」
りむ「え…?」
ルル「………消えろ。」
りむ「な、何言ってるのルルくん…?」
ルル「消えるんだ。今すぐに。」
りむ「どうして…?今日のルルくん、なんかおかしいよ…?」
ヨウ「………」
確かに日向が言っている通り、明らかにおかしい。
言うはずもない言葉を言い続けるんじゃ、すぐに気づく。
でも、何か変なんだ。
感情センサーが『黒』を示している。
黒の意味は、
『ヘルプ』
つまり助けを求めているということなのだ。
……もう誰も無くしたくないんだ。
ヨウ「……日向。」
りむ「な、なに?」
ヨウ「これは、依頼だよ。」
りむ「…え?依頼って、消えることが!?」
りむ「本当に消えるの!?」
すげえ勘違いしてるのだが。
ヨウ「違う。」
ヨウ「今回の依頼内容は、"助ける"ことが依頼内容。代償は無しだよ!」
ヨウ「あ、絶対殺すなよ?」
りむ「え?ん?あ、うん!」
ルル「……力ずくで意味を教えてやる。」
ヨウ「どうぞどうぞ。俺が止めてあげる。」
ルル「……」
ルル『誰が僕を止めるって?』
ルル『止めれるわけがねえよな。』
---
なんか変なところあるかもしれないです…(ルビの関係で。)
『何でも屋』バレンタイン小説2023
サプライズです!!!(`・∀・´)
ハッピーバレンタイン!
今回は、何でも屋のバレンタイン小説です!
(日向りむ視点)
今日は年に1回のバレンタイン!!
僕が最強のチョコレートを作って、今見てる君にあげちゃうよ〜?
今日は、オルカちゃんと、ユリちゃんと作ることになったよ!
早速作っちゃおう!
キッチンにつくと、いろいろ材料が揃っていた。
日向りむ「めっちゃ揃ってる!誰がやってくれたの?」
佐藤ユリ「私よ私。感謝してよね。」
りむ「ありがと!で、オルカちゃんは?」
ユリ「なんかやばいことしてるわ。バレンタインの意味をわかってない人がいるわ。」
や、やばいこと!?
な、何やってるんだろ…ははは…って、
羽瀬川オルカ「買ってきたで〜!」
買ってきた?
羽瀬川オルカ「なんか有名なんやろ?GO○IVAってやつ。」
オルカ「このGO○IVAをプレゼントするんや!」
りむ「マジで買ってきたの…!?」
ユリ「そうなのよ。気合い満々で買ってきたの。これじゃあバレンタインの意味がないわ。」
オルカ「え、何でやねん。」
ユリ「男はね〜…そんな高級なものより、自分で作ったものが好きだと思うわよ!…男はチョ…」
りむ「男の子の悪口はダメだよ…?」
僕はチョコレートを作るために、材料を手に取った。
りむ「オルカちゃん料理できる?」
オルカ「できると思うで〜!」
ユリ「私が心配なのは、りむちゃんなんだけど…」
りむ「僕、何でも屋の店主なので!!それぐらい余裕です!!」
ユリ「はあぁ…嫌な予感しかしないのだけど…」
嫌な予感は多分勘違いだと思う!
---
りむ「ブラウニーつくろうよ。」
僕は提案した。
ブラウニー美味しいよねぇ〜…!!
オルカ「私もブラウニーでいいで。」
ユリ「私もそれでいいわ。」
えっと、まず作り方ググってっと…
①溶かしたチョコレートに溶いた卵を入れ、泡立て器でよく混ぜる。
もう溶かしてある、さっすが佐藤さん!
ユリ「卵は…あったわ。最近卵も高くなったわよね〜」
オルカ「なんやったっけ、鶏ぶっ倒してるんやよね。」
りむ「インフルね。」
そんなこと話してると、みんな溶かしたチョコと溶いた卵を既に入れたようだ。
次は泡立て器で混ぜる。
トントントントントントントントン!!(りむが泡立て器で強く回してる音)
ユリ「ちょっとりむちゃん!!強く回さないで!愛が飛んでくじゃないの!!」
何言ってるの??
回してるよ。強くないよ。
普通に回してるだけなんだけどなー
②上白糖を入れて混ぜ、ふるった薄力粉も加えてゴムべらで軽く混ぜる。
りむ「うおおおおおおお!!(強く回しすぎてる)」
オルカ「強く混ぜちゃいかんってさっきいっとったやん!!!」
そして、薄力粉を加え、ゴムべらで軽く回すようだ。
ユリちゃんが回し方を教えてくれた。
おかげで上手に回せるようになった。
でも前から上手に回せるんだけどな…((
③「2」のボウルに小さなチョコ2/3量と刻んだクルミを加え軽く混ぜ、型に流す。
クルミかー
また混ぜるのか…何回目だよ〜
混ぜ混ぜ混ぜ…
まぜまぜまぜ…
マゼマゼマゼ…
④表面に残りの小さなチョコを散らし、180℃のオーブンで25~30分焼く。
やっと混ぜない…!!
手が疲れたよ〜!!
ユリ「これからが本番ね。焼くわよー」
180°か…結構熱そう…
オルカ「焼いてる間になんか話さん?」
ユリ「いいよ。」
りむ「いいよ〜」
ユリ「じゃあ…誰にチョコを渡すの?」
あ。
そういえば誰に渡すんだろう…
決めてないや。てか自分で食べようとしてた。
ユリ「私は、黄葉ラボ。結構付き合い長いからね〜」
オルカ「私は、ルルさんに渡すで。」
りむ「う〜ん…僕は…」
ユリ「ちょっと、もしかして作る相手決めてないで作ってたの!?」
オルカ「流石やで…」
25~30分経過。
⑤あら熱がとれたら型からはずし、好みの大きさにカットする。
りむ「切っちゃうよ〜!」
切ると、あら不思議、チョコが完成!
ユリ「完成したわね!」
オルカ「めちゃ嬉しい…」
りむ「久しぶりに料理したらこんな出来とは…ニヤッ…」
ユリ「りむは一人だったら死んでた。」
し、死んでないし〜
で、誰にあげようかなぁ…
---
ユリ『ラボくん?今日は何の日?』
ラボ『え?今日は、ふんどしの日だが。』
ユリ『それよりもっと重要なのがあるでしょ!』
ユリ『バレンタイン!!』
ラボ『ああそうだな。』
ラボ『チョコくれるのか?』
ユリ『頑張って作ったんだから、褒めてよね。』
ラボ『パクッ…』
ユリ『ゴクリッ…』
ラボ『美味しいな。』
ユリ『(よしっ!!)』
---
オルカ『ルルさん〜?』
八田ルル『何オルカ〜。ゲームしたいのか?ちょうど新しい…って、何持ってるのそれ。』
オルカ『頑張って作ったチョコやで!!』
八田ルル『なっ…!!』
ルル『(後輩が作ったチョコ…!?う、受け取れるわけがない…!だって、こんなに可愛いオルカが作ったんだから、きっとめちゃ可愛いチョコで、しかも愛情たっぷりこもった最高のチョコじゃ…!しかも僕がそれを受け取るって、最高じゃないか…!!よし、貰おうではないか…!)』
ルル『ありがとう。』
オルカ『ここで食べてくれへん?今。』
ルル『(ぎゃあああああ。心の中ではもう発狂してるけど、食べたらマジで発狂が声に出るかもしれない…!!ああ、でもオルカに言われたんだ。食べるしかないんだ。だから、食べないと…!でももったいない…!もっとじっくりと見たい…!!でも食べる…!!)』
ルル『(パクッ…)』
オルカ『ど、どうや…?』
ルル『ぎゃああああああああ!!さいこおおおおおお!!』
オルカ『大丈夫やない!!どうしたん!?』
---
りむ『誰にあげよう…』
りむ『…ん?』
あ、ヨウくんだ。
……いつも頑張ってもらってるからな。あげよう。
りむ『ヨウくん。』
華野ヨウ『?どうした?』
りむ『あ、あのね、?えっと…』
ヨウ『ん?』
りむ『これ!チョコ!』
ヨウ『!』
りむ『頑張って…作ったの。』
ヨウ『(パクッ)』
え、もう食べてる…!
ヨウ『…美味しいぞ。』
!!
ヨウ『ありがとなチョコ。』
りむ『…うん!どいたま!』
行っちゃった。忙しかったのかな。
オルカ『りむさん!!』
りむ「え、オルカちゃん?」
オルカ『はいこれチョコ!』
りむ「えっ…?」
オルカ『友チョコってやつもあるらしいから、りむさんにあげるで!』
りむ「え…ありがとう…!めっちゃくちゃ嬉しい!」
りむ「じっくりと味わって食べるね!」
オルカ「(喜んでもらえたで…!)」
---
(一方で、何でもやります屋の女性陣は…?)
佐藤ポラ『バレンタインなど興味ない。』
黄葉メイ『なにそれ。料理出来ないし〜』
黄葉メイ『めんどくさ〜い。』
佐藤ポラ『作る理由なし。』
ユリ『えええええ!?』
ポラ『てか作るより、買った方がすぐ終わる。』
メイ『そうだそうだ〜!』
ユリ『何この人たち〜!!愛というものがないのね〜!!』
ポラ『金の愛ならある。』
メイ『殺しの愛ならたくさんあるよ〜!』
ユリ『そういうわけじゃな〜い!!』
---
稲葉レオシャ『俺…もらえなかった…』
レオシャ『ぴえん。』
---
美夜ココ『僕は、ASMR配信者としても活動しているから、ファンからチョコはたくさん貰ってるよ。何個だろう…とりあえず数えきれないほどね。』
---
日向りむ『ハッピーバレンタイン!!』
---
レシピは、ググりました((
バレンタイン…チョコもらいましたか?/作りましたか?
自分は…作ってももらってもないですね…
こういう一年の定番イベントがあったら、また投稿しようかなと思います!
次回の予定はまだ決まってないですが、恐らくまだ2月中に一本あるかもです。
ではまた!本編でもお会いしましょう!
『何でも屋』キャラクター設定第一弾/おまけ小説もあります。
おまけ小説もあります!
キャラクター設定とか色々書きます。
ではどうぞ!
【何でも屋登場人物一覧】
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【華野ヨウ】(読み方:かの よう)
何でも屋の従業員(2期からは副店主となった。)
探し物などをすぐに見つけられる才能がある。
性別は男性。髪の毛の色・目の色は黒い。髪型は軽やかな『マッシュ』
好きなもの『青春』 嫌いなもの『怖いもの(幽霊など)』
---
【日向りむ】(読み方:ひな りむ)
何でも屋の従業員(2期からは店主になった。)
元々、男性ショタボ配信者としてお金を稼いでいたが、女性ということがバレ、炎上したので、何でも屋で働くことになった。
性別は女性。髪の毛の色はピンク。目の色は茶色。髪型は『ショート』
好きなもの『自分』 嫌いなもの『グリーンピース』
---
【八田ルル】(読み方:やだ ルル)
何でも屋の従業員(ハッカーとしても活動)
ハッキング・発明の天才。だが、しょっちゅう引きこもる。
性別は男性。髪の毛の色は紫。目の色は黒。髪型は『ボブ』
好きなもの『ゲーム』 嫌いなもの『改造ポケ○ン・仕事』
---
【羽瀬川オルカ】(読み方:はせがわ おるか)
何でも屋の従業員。
元々はとある会社の人質だった。
性別は女性。髪の毛の色は青。目の色は黒。髪型は『ローポニーテール』
好きなもの『アニメ』 嫌いなもの『つまらないアニメ』
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【美夜ココ】(読み方:みや ここ)
何でも屋の従業員。(ASMR配信者としても活動)
R18・人気になることしか興味がない。人を驚かせるのが好き。
性別は男性。髪の毛の色は茶色。目の色は茶色。髪型は『ウルフカット』
好きなもの『R18・ラブホ』 嫌いなもの『本気で活動しないASMR配信者』
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【おまけ小説】
羽瀬川オルカ『ご飯できたで〜!』
日向りむ『ありがといつも。』
オルカ『そんなことないで。』
華野ヨウ『あ、今日のご飯は、オムライスか。』
美夜ココ『美味しそ〜』
りむ『って方さ、みんなオルカの手料理食べたいって何事…?』
八田ルル『手料理?あとで送って。」
りむ『食べるならここまで来てくれ。』
りむ『ってえ。』
ココ『どうしたのりむ〜』
ヨウ『あ、オルカやらかしたな。』
オルカ『へ?』
八田ルル『wwwwwwwwwwwwww』
ヨウ『オルカ、日向はグリーンピースが苦手なんだよ…』
オルカ『あ、オムライスのご飯にいれてまった。』
ルル『食べろよりむ〜www』
りむ『馬鹿にしないで!!』
ココ『りむ。はい、あ〜ん?』
りむ『食べない!!』
ココ『こら〜好き嫌いダメ〜、食べなさ〜い。』
りむ『んもうわかったよ…』
りむ「………パクッ……」
4人「………?」
りむ「うわマッズ!!」
ヨウ「だろうな…」
ルル「wwwwww」
第2弾もお待ちください!
『何でも屋』番外編1「花粉」(短い)
花粉酷い人多いですよね…
今回は「花粉」をテーマにしてみました!
ちなみに視点なしです((会話だけ
どうぞ!
日向りむ『はくしょん!!』
華野ヨウ『どうした?花粉症か?』
りむ『うん…』
ヨウ『ティッシュは?』
りむ『ない。』
ヨウ『は。』
りむ「ないっていったらない!!」
ヨウ「あ〜あ、はいはい。あげる。」
りむ「ありがと〜!」
ヨウ「日向、そんなに花粉酷かったか?」
りむ「うん。」
ヨウ「嘘つけえ!!去年は、花粉症じゃないとか威張ってただろ!?」
りむ「威張ってないし〜、言ってないし〜」
羽瀬川オルカ『くしゅん!!』
オルカ『くしゃみ辛いわ〜』
りむ『オルカちゃんも花粉症?』
オルカ『昨日から酷いねん…』
ヨウ「オルカもかよ…」
りむ「そういえば、ルルくんは花粉症?」
ヨウ「あいつ、重度の花粉症だぞ。花粉症になると、ゲームできないそう。」
りむ「やばっ…」
りむ「ココくんも酷かったね〜」
りむ「あれ?ヨウくんは?」
ヨウ「俺も花粉症。」
りむ「みんなじゃん。」
短くてすみません…_(:3 」∠)_
『何でも屋』バウムクーヘンの日小説2023
バウムクーヘンの日に特別小説なぜ投稿するかはわからない。
でも、バウムクーヘン大好きな作者だからかもしれない。
華野ヨウ視点です。
ではどうぞ。
パクパクパク…
モグモグモグ…
うわ美味え。
俺は、オルカからもらったバウムクーヘンを食べていたのだが、それがめちゃくちゃ美味しくてたまらない。
でもこれさ、どこで買ったんだろう。
まだまだ食べてえ…
そう思っていると、珍しく店に来た八田が俺の方へ近づいてきた。
八田ルル『おい…お前まさか!!!』
ルル『(もしかして、オルカからもらったバウムクーヘンを食べているのでは…!?今日の店番は、華野ヨウ…そして、オルカとりむが店にいる…!!オルカが渡せる状況にいる華野ヨウ、もしかしてあのバウムクーヘンはオルカが作ったの…!?料理好きが買ってもおかしくないか…!!うわどうしよう半分以上食べられてるああああああ終わった終わったああ!!オルカは僕のものだあ!!』
華野ヨウ『何だお前、近づいてどうした。』
ルル『あ、え、それって何…』
華野ヨウ『オルカが、買ってきたもの。』
ルル『(なんだ、買ってきたものか。手作りじゃないじゃん。ああよかったよかった。そうだよねwヨウに渡す手作りバウムクーヘンはないもんね!!僕だけに渡すんだよね!?おい!?)』
ルルは従業員の部屋に入っていった。
なんだったんだ…
でもそういえば、何で今更バウムクーヘンなんだろうか。
そう思っていると…
ガチャン!!(ドアを開ける音)
従業員の部屋から、日向が出てきた。
日向りむ『今日、差し入れの日なんだって!!』
差し入れの日…
そっか、これは差し入れか!わかったぞ…!
俺は差し入れの日にオルカがバウムクーヘンを俺にくれた…差し入れだな、
そう納得していると、黄葉ラボからメールがきた。
何だろうと思って内容を見たら、
『おい、今日"円の日"だからさ、ドーナツ食べてる。
SNSに投稿したから、ハートとリツイートよろしく!!!』
ハートとリツイート稼ぎすんなよ…
…でも円の日か…あ、そういうこと!?
バウムクーヘンも円だぞ…
穴空いてるけど、穴空いてる部分も円だぞ…!!
円の日、差し入れの日だからかバウムクーヘンなのか!
でもそうしたら、さっき黄葉ラボが言ってたドーナツとか、他にも丸いものは当てはまってしまうな…
じゃあ違うのか…?
そう思っていると、従業員の部屋からオルカが出てきた。
オルカは俺を見て言った。
羽瀬川オルカ『今日、バウムクーヘンの日やで…?』
………
よし、納得。
パクパク…
モグモグモグ…
俺はまた、残りのバウムクーヘンを食べ始めた。
最初から、考えた俺が馬鹿だったかもしれないな…はは…
---
短いですが…すみません…
なんか最近誤りっぱなしですね…
『何でも屋』1期一気見
【○話】〇〇〇〇視点
↑のように書きます。
書いてなかった場合は、『華野ヨウ』視点となります。
【1話】
皆様方は、このような話を聞いたことがないでしょうか。
森を深く深くにある摩訶不思議なお店。
そのお店に行く人は、若い女性から少し老けた男性と、いろいろな年代の人が店へ行く。
店で働いている店員は店主を知らない。
店の常連客も店主を知らない。
店を嫌う人間も店主を知らない。
店主を知っている人間は"居ない"。
お金や落とし物、殺しから消滅まで、なんでも叶えて差し上げましょう。
---
ある滑稽とした場所でのこと。
黄葉ラボ『見てください首領。今年も桜が開花する時期となりましたね。』
首領『……嗚呼』
ラボ『昨日はあんなに寒かったのに。今日はぽかぽかしてていいですね〜』
ラボ『明日お散歩でも行きますか?』
首領『拒否。』
ラボ『あ〜あ、いつものいつもの、はいはい。』
---
【店内】
ラボ『さあ皆さん!お仕事のお時間で〜す!』
華野ヨウ『承知』
日向りむ『は〜い』
俺は『華野ヨウ』
この『何でも屋』の従業員を務めている。
のんびりまったりやっています。
とは言っても、そんなに簡単な仕事ではない。
まあつまり、『重大な仕事』ということ。
人の人生が変わるか揺れるか、それとも崩れるか。
それは俺たちが責任を持って動かす仕事。
隣にいる奴は『日向りむ』
ここの唯一の女性従業員です。
ここで働く前は、男性ショタボ配信者として働いてたらしいけど、
女性だとバレて炎上。
逃げてきてここで働いている。
でも、声はしっかりとショタボだがな(ロリボとかじゃないし)
りむ「ヨウく〜ん。今暇かな?」
ヨウ「ああヒマ。」
早速話しかけてきた。
りむ「パソコンかちゃかちゃしないといけなくて、店のことお願いできる?」
パソコンかちゃかちゃってなんだよ…
まあ意味はわかるっちゃわかる。
ヨウ「わかったよ。」
りむ「ありがと〜!感謝〜!」
と、言って従業員だけの部屋に行ってしまった。
ちなみに『黄葉ラボ』っていう人は、
従業員の上の人。
店を大体仕切っている。
他にも従業員は2人いるんだが…
ちょっと諸事情でいないんだ。
まあのちに話すよ。
で、この店で一番偉い人は、
『首領様』
あ、首領は名前じゃないぞ。
今でいうと…ほら、マフィアとか悪人団の一番偉い人に使われる身分みたいなものだ。
ここは別に悪いところじゃないぞ…!?
でも、治安は悪いかもな。
ヨウ「…周りからはものすごい悪く思われてると思うけど。」
う〜ん…今日は常連客はこないっていう話だし。
じゃあ誰も来ないかなぁ〜…
カランカラン…(店のドアが開いた音)
あ、噂してたら客が来た。
ヨウ「おかえりなさいませお客様。」
ヨウ『探し物から欲しいもの、お金も殺しも受け付けます。』
ヨウ『この"名"の通り、何でも叶えて差し上げましょう。』
---
【2話】
誰だ?
見慣れない顔だ。
初のお客様か…?
だったら話はつく。
華野ヨウ『まずは、ソファーへお座りになってください。』
お客さん『あ、はい…』
ヨウ「ここに来るのは初めてでしょうか。」
お客さん「そ、そうです…なんかすみません…」
ヨウ「いえいえ、お客様が謝らなくていいんです。」
ヨウ「ではまず、お名前を聞いてもよろしいでしょうか。」
お客さん「あ、えっと…」
佐藤ルリ「佐藤ユリです…」
ヨウ「では、ご用件をどうぞ。」
佐藤ユリ「あ、あの、探して欲しいものがあって…」
これが僕の出番だな。
僕は何でも屋の探し物担当として、毎日働いている。
だからこれはお得意だぜ。
佐藤ユリ「えっと…小さい人形で、あ、手のひらサイズで…」
佐藤ユリ「子熊の人形を探して欲しいんです。」
佐藤ユリ「あれから1ヶ月探してるのですが、見つからなくて…」
佐藤ユリ「でも、大事なものなんです!」
佐藤ユリ「裁縫が不得意な母が、一生懸命に作ってくれた人形なんです…」
佐藤ユリ「お願いします…!」
これは、良くあるパターンの一つ。
勿論引き受ける。
"何でも屋"ですから。
……大体はあの場所かな。
ヨウ「では、代償として、アナタの感情を頂きます。」
佐藤ユリ「え、感情…?お金じゃなくて?」
ヨウ「この店は、人の感情をお金の代わりにしております。」
佐藤ユリ「あ、そうなんですか…」
ヨウ「明日またこのお店に来てください」
ヨウ「きっと、アナタが求めているものが見つかります。」
佐藤ユリ「あ…わ、わかりました…」
ヨウ「……」
---
【次の日】
佐藤ユリ『ありがとうございます!!』
ヨウ「いえいえ、大したことないですよ。」
佐藤ユリ「助かりました…!ありがとうございました!」
佐藤ユリ「あ、あの、代償って…」
ヨウ「大丈夫ですよ。もうもらってます。」
佐藤ユリ「あ、そうなんですか。」
ヨウ「では、気をつけておかえりなさいませ。」
佐藤ユリ「はい!ありがとうございました!」
ガチャン(ドアが閉まった音)
まず、人形がどこにあるかを調べるときには、人の記憶を探る。
店のドアには、感情感知センサーというものがあり、
一番強い感情の色に合わせて光る。
今の佐藤さんの場合、『赤』
『怒り』だな。
ここから俺は、ただ無くしただけじゃなく、何かトラブルがあったんじゃないかと思う。
それを調べるために、次は、佐藤さんの住所、電話番号、家族関係などを調べる。
ちなみに、父、長女、次女がいる。
その後、住所の周辺を探す。
まあ無かった。
だから次は、『音』を調べる。
物は"生きている"んだ。
だからその音を調べる。
佐藤さんの心臓の1分の心拍数と、とある場所で、佐藤さんの1分の心拍数と同じものがある。一致した。
そこまで行き、人形を発見した。
少し複雑でしょう?
わからないよね。わからないかもしれないよね。
まあ知らなくていいよ。
この『何でも屋』の従業員に、発明家がいるんだ。
変な発明ばっかするが、意外と使い道はある。
ガラクタをピッカピカの機械にすることだってできる。
名前は『八田ルル』
ハッキングと発明の天才。
発明はさっき話したが、ハッキングはまだしてなかったよな。
彼は何でも屋のハッキング担当。
何でも屋のアンチとハッカーと良く戦う。
システムを破壊・乗っ取られないようにだっけ。
まあそこらへんの話は難しいからわからない。
八田は、引きこもりだから何でも屋にはこない。
でも一応仕事はしている。
だから働いてることにはなっているらしい。
カランカラン(店のドアが開いた音)
日向りむ「殺しだった〜?」
日向が来た。買い物帰りか。
ヨウ「な訳ないだろ。だったら俺が担当してるわけがない。」
ヨウ「探し物だよ探し物。」
りむ「へぇ〜?代償は?」
ヨウ『怒り』
りむ「なんで?」
ヨウ「何でだろう…w、でも、怒りが丁度いい代償だったからさ。」
りむ「そうなんだ!」
りむ「でも怒りは怖いよぉ〜?」
りむ「まあ、無くしちゃったんだから。」
りむ「もう誰にも怒れない優しい子になっちゃったね。」
ヨウ「そうだな。」
カランカラン(ドアが開いた音)
客が来た。
ヨウ「…!おかえりなさいま…」
お客さん「彼奴を殺してください…!」
お客さんが指を刺したのは、
1人の男性だった。
---
【3話】
急だな。
急に「殺してください」というフレーズは初めてな気がする。
日向りむ「え、殺してほしいの?」
男「やめてくれ!やめてくれ!」
お客さん「遠慮なく殺しちゃってください!!」
男「許してくれ!頼む!ああぁぁやめてくれぇ…!」
男はとても慌てていた。
二人に何かあったのだろうか。
りむ「う〜ん…お客様、この男と何かあったんですか?」
お客さん「私を騙したんです!!」
お客さん「10万円支払わなかったら、彼氏殺すっていったんですよ…!?」
お客さん「だから、払ったら、殺したんですよ…!?」
お客さん「完全なる犯罪者です。」
お客さん「お願いです。殺してください…!!」
まあ確かに罪を犯している。
まあ殺すしかないか…
ヨウ「どうする」
りむ「な〜んだ。そんなに"簡単"なお仕事なんだ。」
りむ『僕、このお仕事は得意ですよ?』
お客さん「ほ、本当ですか!?!?」
お客さん「だったら殺してください…!」
りむ「承知しましたっと!」
りむ「さあて、どんなふうに殺されたい?まずは…」
りむ「いや、ストレートでいいよね?」
りむ「失格者の言うことなんて聞かなくてもいいよね?」
ヨウ「わっ…血飛沫やば」
---
りむ「今日は簡単だったなぁ〜」
りむ「後処理もすぐに終わっちゃった!」
ヨウ「あのさ…殺してよかったのか?」
りむ「いいでしょあの男。」
りむ「そもそも、依頼なんだから殺さないといけないし。」
りむ「まあ少し強引だったけどね〜」
確かに依頼だ。
何でも屋は必ず依頼内容は達成しなければいけない。
だから拒否という選択肢はない。
ヨウ「ちなみに、代償は?」
りむ「もうもらってるよ!」
りむ「『悲しみ』を貰いました〜!」
ヨウ「悲しみ?なんでだ?」
りむ「殺して良かったって思ってほしいからかな。」
りむ「本当は殺してほしくないって言われたら、逆にこっちが面倒。」
りむ「まあそもそもあちらから文句は受け付けないけどね。」
ヨウ「そうだな。」
プルルルルルル
電話がかかってきた。
電話は、会社側とかの人の依頼。
もしくは外国から。
ヨウ「はい、此方は何でも屋です。どういったご用件でしょうか。」
お客様『…○□会社を消滅させてください。』
ヨウ「殺しの内容ですね。承知しました。」
ガチャン(電話を切った。)
りむ「じゃあ僕がやってくる!」
りむ「ぜ〜んぶ、1匹残らず、倒してきてあげる!」
りむ「じゃ!行ってきま〜す!」
ヨウ「え、あ、ああ、気をつけて。」
早いな…
---
【4話】日向りむ視点
りむ「さあて、順調にやれてますよ〜?」
りむ「そもそも相手にならないって〜」
と、声に出ちゃうぐらいつまんない。
前はもっと面白く強いところあったんだけれど。
ここは小さい会社だし、弱いね。
まあ殺し屋じゃない僕が言うのもあれだけどね。
りむ「あ、いた。」
そこにいたのは〜?
しゃちょーだ!!
なのでさっさと終わりたいと思いま〜す。
りむ「ねえねえしゃちょー」
りむ「地獄に行くか、天国に行くか。」
りむ「運命の時が来ましたね〜!」
○□会社の社長『え?』
---
りむ「帰るか〜」
りむ「ん?」
ちょっと怪しげなドアを見つけた。
開いてみたら、部屋だった。
まあ部屋でしょうけど。
でも、気になるのはその先だった。
大きい猫の人形が全部首吊りにさせられてるのだ。
全部で10程度ほど。
その部屋の真ん中には、あるひとりの少女?がいた。
りむ「…ねえ君大丈夫?」
返事はない。
もしかして死んでいるのか?
だが、息がある。
少し荒いが、ある。
嗚呼、そうか。
人質ってことか。
りむ「僕、何でも屋っていうお店の従業員なんだけど…」
りむ「君は?」
¿¿¿『っ…』
りむ「そうだ。君の願いも叶えてあげるよ。」
りむ『君の願いも叶えてあげる。それが何でも屋だから。』
¿¿¿『…ぁ…あ…』
¿¿¿『な…な…ぇ…』
¿¿¿『名前をつけてください…』
明らかに、死にかけの声だった。
りむ「…ねぇ、他には?それだけじゃつまんないよ。」
りむ「他に何かあるでしょ?」
---
【5話】
日向りむ「ってことで!」
りむ『何でも屋に、新しい従業員が入りました〜!』
りむ「嬉しいなぁ〜!」
華野かのヨウ「いやどういう状況!?」
家に帰ってきたら、この有り様だ。
何故か、あるひとりの少女が従業員になったという。
でも、俺が出かけたのも短時間だ。
そんなに早く決まるわけがない。
何でも屋は厳重だ。
今まで何百人もの人が、従業員のオーディションに脱落した。
でもそんな簡単に…
ヨウ「な、なあ、この子は…採用されたのか…?」
りむ「僕が採用したよ?」
ヨウ「は、はあ?」
採用する人は、主に首領様か、黄葉ラボさん。
だから、日向から採用はできないはずだが…
ヨウ「こ、こいつは誰だ…?」
¿¿¿『………』
りむ「新しい従業員だよ?勿論ラボさんからの許可も頂いている。」
りむ「首領様からも、ね。」
ヨウ「!!」
首領様から採用なんて、だいぶすごい人なんだろう。
と、そう思い込んでいたのは、この瞬間だけだったんだろう。
¿¿¿『あ、あの…私…ただの一般人なんですけど…』
¿¿¿『お役に立てなかったらすみません…』
!?
大人しく、囁くぐらいの声で話されたんだが。
---
日向から話を聞くと、日向が任務中に人質にされてた少女がいたので連れて帰ってきた。
帰る途中で願いを聞いたら、「仕事が欲しい」と。
「どんな仕事がいい?」と聞いたら、
「助けてもらったアナタと一緒に仕事がしたいです。」
と言われたそうだ。
---
ヨウ「へぇ…名前は?」
りむ「それを決めてほしいんだよね」
ヨウ「え、決めろよお前が。」
りむ「僕そういう担当じゃないし〜」
りむ「なんならヨウくんの方がネーミングセンスいいと思って〜」
ヨウ「はぁ…?」
りむ「ねっ?いいでしょ〜?」
甘え上手なのが日向りむ。
でも名前なんてつけた事ないしな…
つけてみたいって気持ちもある。
ヨウ「…はぁ〜…じゃあ別に…」
ヨウ「"ユウ"とかどうだ?」
りむ「はあ!?ネーミングセンス無かったねヨウは!」
俺…なかったんだ…
シンプルにユウとかどうかって思ったんだけれど…
まあいっか。
りむ「僕が決めてあげる!えっとねぇ〜…」
りむ「"キララ"とか!?」
は?
ヨウ「キラキラネームじゃねえか。」
りむ「え〜?別に良くな〜い?」
ヨウ「この人が悲しむだろ!(いずれ)」
ピコンっ!(ヨウのメール着信音)
久しぶりだな、メールなんて。
今の時代LI○Eだからな。
…ん?
八田やだルル『今の話全部盗聴器で聴かせてもらった。』
八田ルル『一応案を作ったぞ。』
聴かせてもらったって…何様だよ。
で?その案とは?
『羽瀬川オルカ』
………
ヨウ「おい見ろ。」
りむ「ん?」
………(沈黙が何秒か続く)
ヨウ「もうこれにしよう!」
りむ「そうだね!しっかりと決まっている!」
りむ「君の名前は!」
りむ「"羽瀬川オルカ"だよ。」
ついに名前が決まった。
どうなるかとおもったが…
意外と早く決まったな。
羽瀬川オルカ「はい!精一杯働きます…!」
何でも屋は名前も決めてあげます。
---
【6話】羽瀬川オルカ視点
【次の日】
華野ヨウ「店番よろしくな。」
日向りむ「よろしく〜」
羽瀬川オルカ「オッケー」
自分は羽瀬川オルカ。
何でも屋の新人従業員やで!
だから店番ぐらいできるっちゅーの。
オルカ「客対応しとくで。」
ヨウ「…てかさ。」
ヨウ「いつのまにタメ口に…?」
りむ「そんなのどーでもいいってば!」
ヨウ「あと何故関西弁…?」
りむ「気にすることじゃないじゃ〜ん。」
まず先輩たちがタメではなしとるから、タメにしたんや。
タメの方が楽やねん。
それで、何故関西弁かって、
テレビを初めてみた時に、関西弁を喋っとるキャラがおったんやて。
それがめちゃカッコいいんやて〜
だから関西弁しか勝たん!になったってことやねん。
でもいややねん!
関西弁しか勝たないのに、それに嘘をつくのは嫌やねん!
だから本音のままいるんやで。
ほな、よろしくなぁ〜
先輩が出かけてったので、オルカちゃんが店番や。
ラボくんもいるけど〜…
上のものって言うからねぇ〜
う〜ん…そやな…何しようか
お掃除でもするか。
ぷきぷきぷきぷきぷき
終了するで〜
…あ、5回拭いただけで掃除になるやろ!!
まあいいねん。
掃除になればいいねん。
そもそも掃除することなんて、絶対じゃないからいいやん。
カランカラン(店のドアが開いた音)
!!客が来たで〜!!
オルカ『おかえりなさいませお客様』
オルカ『探し物から欲しいもの、お金も殺しも受け付けます。』
オルカ『この"名"の通り、何でも叶えて差し上げましょう。』
お客様『ここって本当に何でも叶えてくれるんですか…!?』
オルカ「叶えてあげますよ。必ず。」
お客様「だったら、お願いしたいことがあるんです。」
お客様「配信でバズりたいです…!」
ん?
配信ってなんやねん。
オルカ「配信ってなんやねん…」
お客様「え、知らないんですか…!?」
オルカ「知らへん。前までどっかの人質になっとったから、最近のすごいやつ知らへんのやて。」
オルカ「一から教えてくれん?」
オルカ「あと…」
オルカ「新人舐めたらあかんで?」
オルカ「頑張るんで」
---
【7話】
(あれから一時間後)
華野ヨウ『何やってんだ…?』
羽瀬川オルカ『今、配信という言葉と、バズるっていう言葉を徹底的に調べとるねん!』
ヨウ「おいまさかお客様待たせてんのか…!?』
お客様「いえいえ、大丈夫です。」
ヨウ「あ、すみません…まだ新人でして…」
お客様「大丈夫です。もう本人から聞いているので。」
ヨウ「あ、そうでしたか。」
まず、お客様は配信でバズりたいと。
バズるってことは、めちゃくちゃ人気になるってことだよな…?
まあネット関係は日向の担当だし、
日向呼ぶか。
---
りむ『僕そういう系無理〜』
はあ!?
ヨウ「いやお前ネット関係担当じゃねえか!」
りむ「配信系とかは無理なの!」
りむ「元々やってなかったしぃ〜」
りむ「ネット関係っていうのは、炎上とか、争っちゃったりした人とかの相談にのる」
いやもうできそうだけれど…
できないのもおかしいような…
りむ「僕はそういう系担当じゃないよ〜」
りむ「でも〜…」
りむ「ココちゃんなら、担当一番近いんじゃない?」
---
美夜ココ『僕の出番ですか?』
りむ「そうだよココちゃん!」
ココ「ふ〜ん…で、依頼内容は?」
ヨウ「お客様が、配信でバズりたいと。」
配信だからなぁ…、動画でバズりたいとかだったら、日向だったんだけれど。
ココ「へぇ〜…」
ココ「お客様、つまり配信の同時観覧数を増やしたいということでしょうか。」
お客様「あ、はい!」
ココ「ASMR系、伸びますよ。」
あれ、なんか嫌な予感しかしない。
ココ「女性ですよね?」
お客様「はい。女性です。」
ココ「だったら話がつきます。」
ココ「ネットには、変態たちがうろうろとうろついていますからねぇ〜…」
ココ「ちょっとこちらの小部屋へ。」
お客様「わ、わかりました。」
---
………
りむ「やっぱココ君だねぇ〜」
ヨウ「おい!18禁の世界へ連れ込もうとしてるだろあいつ!!」
りむ「でも、バズる方法といえばこれじゃな〜い?」
お客様にやばいことしようとしてないか…
でももし、お客様がASMRを配信でしたら…
…バズるのか?
知らないけれど、成功を祈るか…
一時間ぐらい経った時だった。
ガチャン(小部屋のドアが開いた音)
ココ「お客様帰るって。」
!?
まさか…だよな。ココが失礼なことして…!?
お客様「おかげでバズれるかもしれないです!」
お客様「ありがとうございました!」
…?
ココ「…僕は必ず成功させる。」
ココ「そして、ASMRの沼に飲み込ませる最強の従業員。」
ココ「さあて、お客様。」
ココ「未知の世界へようこそ♡」
ココ「あなたの『苦しみ』はいただきましたよ♡」
相変わらずやばいやつだった…
---
??『な、従わなかったら…』
シャキン…(??がナイフを取り出す。)
八田ルル『や、やめてください…!!』
??『じゃあ、俺の言う通りにしろ。』
ルル「嫌です…!」
??「ふ〜ん…だったら。」
??「力ずくだな。」
---
【8話】
ヨウ「………」
八田と全く連絡つかないのだが!!!
はぁ…頼みたい仕事があるんだけれど…
八田しか出来ないから頼もうとしてるのに、
いないなら話にもならないじゃないか。
またハッキングとかなんかに夢中になってんだな〜?
何やってんだよ…
---
??『ジタバタ暴れるなって。』
??『のちに自由になれるよ。』
八田ルル『何するんですか…!?』
??『さあ…せめて君が自由になれるもの。と言えばいいですかね。』
??「…でも、君には本当にお世話になりましたよ。」
??「何でも屋を育てる一員となってくれて。」
ルル「…!?」
??「少し痛いかもしれないけれど、我慢できるよな?」
ルル「ゔぅ…何して…!(何かしてる…!)」
ルル「(あっ…意識が…)」
バタっ(八田ルルが倒れた音)
??「…混沌の…」
黄葉ラボ『混沌の戦場が、今始まる。』
ラボ『楽しみにしとけよ。』
---
カランカラン(店のドアが開いた音)
ドアが開いたな。
客か?
…違った日向だ。
ヨウ「…ん?あ、日向。」
ヨウ「おかえり」
日向ひなりむ「ただいま〜」
…ついでに八田のことも聞いとくか。
ヨウ「八田みたか?」
りむ「え?見てないけど…」
だよな…
りむ「なんなら、ヨウ以外見てない。」
ヨウ「いや別にその情報はいらない。」
カランカラン…(店のドアが開いた音)
!!
八田がいる。
八田が、引きこもりの八田が。
りむ「え!ルルくん!?お久しぶり!」
りむ「久しぶりの対面だね〜!」
りむ「元気だった?」
日向がどしどしいく。
ヨウ「おい日向、まだ外に出たばっかだと思うからそんなにどんどんと…」
ルル「……ろ」
ん?
なんか言ったような…
りむ「ごめん聞き取れなかった!」
りむ「もう一回言ってくれない?ごめん!」
ルル『ここから消えろ』
ヨウ「あ?」
りむ「え…?」
ルル「………消えろ。」
りむ「な、何言ってるのルルくん…?」
ルル「消えるんだ。今すぐに。」
りむ「どうして…?今日のルルくん、なんかおかしいよ…?」
ヨウ「………」
確かに日向が言っている通り、明らかにおかしい。
言うはずもない言葉を言い続けるんじゃ、すぐに気づく。
でも、何か変なんだ。
感情センサーが『黒』を示している。
黒の意味は、
『ヘルプ』
つまり助けを求めているということなのだ。
……もう誰も無くしたくないんだ。
ヨウ「……日向。」
りむ「な、なに?」
ヨウ「これは、依頼だよ。」
りむ「…え?依頼って、消えることが!?」
りむ「本当に消えるの!?」
すげえ勘違いしてるのだが。
ヨウ「違う。」
ヨウ「今回の依頼内容は、"助ける"ことが依頼内容。代償は無しだよ!」
ヨウ「あ、絶対殺すなよ?」
りむ「え?ん?あ、うん!」
ルル「……力ずくで意味を教えてやる。」
ヨウ「どうぞどうぞ。俺が止めてあげる。」
ルル「……」
ルル『誰が僕を止めるって?』
ルル『止めれるわけがねえよな。』
---
【9話】
華野ヨウ『お前、本当に意志なのか?その行動は。』
八田ルル『っ…』
これは、操られている?
ルル『黙れ黙れ!』
ルル『全員目の前から消えろ!』
ルル『さもないと…』
ルル『生捕りにしてやる!!』
うわうわ。
面倒なことになりそうじゃないか…
日向りむ『ふ〜ん…生捕りねぇ…』
りむ『じゃあ僕がルルくんを生捕りにしてあげるね?』
ルル「不可能なことを言うな!!」
ブーン(何かが迫ってくる音)
りむ「え?なんの音?」
!!!
あれは…!
ルル「僕の友達、ドローンくんたちだよ。」
ルル「ドローンくんたち、あいつらを生捕りにして。」
ドローン「…ピピッ…ご主人から命令、命令。」
ドローン「…スキャン。人体を確認。」
ドローン「日向りむ、華野ヨウを生捕りにせよ。」
りむ「はあああ!?喋ったああ!?」
ヨウ「AIだよAI。」
流石は八田。
発明家の天才だな。
これは、八田専用の命令ドローン。
八田が命令した命令をなんでも聞くドローン。
ちなみにドローンは、攻撃もできる。
例えば銃弾を発射したり…
…ははw、
やべえ厄介すぎるやつ出てきたな…
りむ「あ、ドローン対処ヨウくんよろしくね!」
ヨウ「え?あ?」
なんでだよ!
俺戦闘下手なの知ってるよな…!?!?
急な押し付けにこんがらった。
でも、このドローンにも弱点がある。
それは、喋る時が弱点だ。
喋っていると、ドローンはあまり警戒心がなくなる。
だからその時を狙う!
でも、喋らねえな…
ドローン「フォルムをチェンジ。攻撃力を上昇しま…」
今だ。
ビュン!!(ヨウがナイフを投げた)
ドローン「ビリビリ…システム故障。故障。こしょ……」
ドサッ!(ドローンが落ちた)
よし。
あれ、日向と八田はどうなってるんだ?
全く声がしない。
まあのちに姿を現すでしょ。
---
りむ「ルルくんルルくん。やっぱり走るの遅いね。」
ルル「っ…馬鹿にするな!」
りむ「でも、もう行き止まりだし、逃げる場所ないよ?」
りむ「それにしても、僕の銃を見せるだけで逃げるなんて、可愛いなぁ〜」
ルル「はあ!?」
りむ「ふ〜ん…僕が君を生捕りにしてあげる!」
りむ「よいしょっと。」
(りむがルルの手と足を縛る)
ルル「ぎゃあ!?」
りむ「大人しくしてね。」
りむ「今から何でも屋に連れてってあげる。」
りむ「もう逃げないように…ね♡」
ルル「離せ〜!!」
---
黄葉ラボ「何でも屋の従業員は好きか?」
羽瀬川オルカ「好きやよ。」
ラボ「お客は?」
オルカ「好きや。」
ラボ「……」
オルカ「てか、縛ってるもん取れや。」
オルカ「ラボさんやったっけ?とりあえず、ラボさんが上のものってことはわかった。」
オルカ「でも、これはおかしいやろ!従業員の手を縛るなんて。」
ラボ「もしかして、僕のこと仲間だと思ってる?」
オルカ「え、違うんか?」
ラボ「そう。」
ラボ「僕は確かに何でも屋の従業員。」
ラボ「だからこんなことするはずない」
ラボ「でも、僕はこの何でも屋の過去を知っている。」
ラボ「だから、従業員全員を○す。」
オルカ「!?」
オルカ「そんなことするなんて許せへん!」
ラボ「いいよ許さなくて。勝手にやるから。」
オルカ『私の大事な仲間やから』
オルカ「○すなんて許せれへん!!」
ラボ「ほう?」
ラボ「面白くなりそうじゃないか。」
---
【10話】
あれ?帰ってきた。
日向りむ「ただいま!」
八田ルル「おい下ろせ…!」
日向が八田をいわゆるお姫様抱っこしながら帰ってきたぞ…!?
あいつら…相当仲良かったか?
りむ「で、ドローンは?」
華野ヨウ「もう倒した。」
りむ「さっすが!」
ルル「何話してんだよ…!」
おい、八田から殺意が…w
りむ「う〜ん…ルルくんどうしよう…」
ルル「何がだよ…!」
ルル「っ……はぁ…」
ルル『…え、何?なんで外?は?』
ん?
なんか八田の状態が。
治った?もしかして。
ルル「おいりむ!何これ!」
りむ「何でって…」
ルル「てかドローンも壊れてるし!どうして!?」
まあ慌てるのもそうだよな。
ドローンは俺が壊したんだけれど、そんなこと言ったら俺が多分終わる。
一から説明か…めんどくさいし省略するか。
ヨウ「はぁ…説明するとな、つまりルルは操られたんだよ。恐らくだが。」
ルル「は?意味わかんない。」
そのまんまの意味なんだが…
ヨウ「おい、操られる前の記憶はあるか?」
ルル「ええ…操られてるのも分からないのにそんなの…」
ルル「…!!」
ヨウ「…何か思い出したんだな。」
ルル「あいつだあいつ…」
ルル「ラボだ。」
ルル「ラボが何かした!」
ヨウ「!!」
りむ「え!?」
カランカラン(店のドアが開く音)
お客様「す、すいません…今よろしいですか…?」
ヨウ「おかえりなさいませお客様」
ヨウ「探し物から欲しいもの、お金も殺しも受け付けます。」
ヨウ「この"名"の通り、何でも叶えて差し上げましょう。」
はあ…こんなに忙しいときに…
ヨウ「まずはソファーへお座りください。」
お客様「あの…大丈夫ですか…?依頼。」
ヨウ「はい。いいですよ。」
お客様「でもさっきだいぶヤバいことしてたような…」
ヨウ「…ちょっと不可解なことが起こりましてね。」
ヨウ「でもご心配は無用です。」
お客様「ごめんなさい。こんなに慌ただしそうな時に…」
ヨウ『僕らは何でも屋ですから。』
ヨウ「どんな依頼も叶えてあげます。』
お客様「あの…犬を探して欲しいんです。迷子なんです。」
ヨウ「かしこまりました。」
代償は…「驚き」でいいか。
---
(外)
ヨウ「いましたよ。」
お客様「ありがとうございます!!」
お客様「こんなに早く見つかるなら、自分だけで良かったかもしれないですね…」
ヨウ「いえいえ、僕も少し細かいことをしているので、人間でもそんなに簡単なところに犬はいませんでしたよ。」
お客様「え、そうなんですか…」
犬の毛があったので、さらっと検査して、居場所を特定。
八田の開発したやつは役に立つな。
でも…黄葉さんが…
…あまり信じられない。
あの人があんなことするなんて。
優しくて人思いな人だったのにな…
また真実だとは思い込んでないが、恐らくそう。
八田が嘘をつくなんて…
そんなことは…ないよな。
帰るか…
お客様「あの、もしかして…」
お客様「その瞳…」
ヨウ「え?」
---
美夜ココ「裏切りやがったな!!」
ココ「ずっとずっと頼れる先輩だと思ってたけど。」
ココ「違ったんだね。」
ココ『黄葉さん。』
ラボ『……ココ。成長したな。』
ラボ「だけれど、何でも屋はここでおしまいだ。」
ラボ『…僕がいる限り。』
---
【11話】(途中だけ視点あり)
黄葉ラボ『ココ。君は戦闘が苦手だ。』
ラボ「そんな君がどうやって僕を倒す?』
ラボ『素手?それとも銃?だが君は銃が使い慣れていないと思うが…』
美夜ココ『ココは、素手とか銃とか使わないよ…』
ココ『ココは、黄葉さんの心に訴える!』
ラボ「………それで、僕が貴方達の味方になるとでも?」
ココ「なるよ、きっと。だって、一緒に仕事をしてきた仲間だったんだから!」
ココ「黄葉さん、また一緒に仕事しようよ。」
ラボ「するわけない。」
ラボ「僕は、最初から裏切るつもりだったよ。」
ココ「!!」
ラボ『黙っててもらおうか。君の心が崩れる前に。』
---
(ここからは羽瀬川オルカ視点です)
なんやなんや。
何が起こっとるん?
随分上が五月蝿いねん。
ここ防音室やったら良かったのに、
うるさすぎるねん!!
でも…
案外五月蝿い方がいいかもしれへん…
ガチャ…
…ん?
なに!?
なんか急にドアが開いて…?
日向りむ『よかった〜!!』
りむさん!?
りむ「心配したんだよ〜」
りむ「全くオルカちゃん見てなかったから、つい探しにきた…」
りむ「…うんうん。ここにきたのはただの寄り道。」
よ、寄り道。
変な言い方やなぁ…
でも、私偶然助けられたんやな。
嬉しいような悲しいような。
りむ「目的はオルカちゃんを見つけることもあったけれど、違うんだ。」
りむ「…オルカちゃん。正直に話してね。」
りむ「オルカちゃんを捕まえたのはラボさんでしょ?」
オルカ「ん?そうやけど。」
りむ「あ、うん。」
りむ「で、何か言ってた!?」
う〜ん…特になんも言ってなかったような…
滴る水がとても冷たい。
床も冷たい。
でも、りむさんの手は暖かい。
でも、なーんか言ってたような気がするなあ…
あ、質問攻めしとった!
オルカ「質問攻めされたわ。」
りむ「えええ!?大丈夫!?」
ホントりむさんは心配性やなぁ…
質問攻めされただけやん…
まあ大丈夫やけど…
でも…でも…
みんなを○すって言ったのは…
悲しかったなぁ…
オルカ「……」
りむ「僕、ちょっと行ってくる。」
りむ「上が五月蝿い。」
オルカ「五月蝿いよなぁ。」
オルカ「で、縄解いてくれへん?」
りむ「わかったわかった。」
---
ガチャン!(ドアが開いた音)
ラボ「……誰だ。」
りむ『そんなに平気でいられるのも、いつまでだろうね。』
りむ「黄葉ラボ。貴方は…誰?」
ラボ「………さあな。」
ラボ「人間…ってことは間違いない。」
りむ「!!え、ココくん…?」
ラボ「ココが倒れているのに気がついたか」
りむ「大丈夫…?ねえ…?」
ラボ「おっと。助けたいなら、かかってこいよ。」
りむ「っ……」
ラボ「でも、死んでないから安心しろ。」
ラボ「………何でも屋は、ここで終わる。」
りむ「え…?」
りむ「なんで…?なんでなの?ねえ!」
ラボ「さあ?もう用済みだからかなぁ。」
りむ「ねえ…これ、夢でしょ?夢だよね?」
ラボ「夢じゃない…」
ラボ『夢ならばどれほどよかったでしょう…』
ラボ「夢じゃなくて僕は嬉しいよ。」
ラボ「始めようか。戦闘を。」
りむ「っ…始めれるわけがないでしょ…」
---
【12話】
やけに、今日は騒がしいな…
街で何かあったのか…?
??「ああ、店員さん!」
?
急に話しかけられるなんて、初めてだ。
華野ヨウ『なんですか?しかもここは商店街ですから、別にここの店員さんじゃないですけど…」
ヨウ「って、あの時のお客様…!」
あの時のお客様というのは、美夜ココが解決した「バズりたい」って言ってたあのお客様だ。
それにしても、お客様と店以外での再会は随分と珍しい。
でも、なんで話しかけられたんだろう。
お客様「あ、私バズれたんですよ!」
おお!よかったじゃん。
でも、禁断の世界に触れてしまったな…
美夜のやつ…
お客様「で、お礼をしようとしたんですけれど、…」
ん?
急にお客様の口が止まった。
そんなに言いづらいことでもあったのか?
だがこの後、お客様の口から、衝撃発言が飛ぶとは思いもしなかった。
お客様『何でも屋…閉店なんですよね…!?』
あ?
そんなわけないだろ…
冗談で言ってるのか?
全く、嘘はつくなよ…
…でも、お客様はわざわざ嘘をつくか?
しかも、本当のような声で話す。
ヨウ「な訳ないじゃないですか…どこ情報ですかそれ…」
お客様「何でも屋の従業員の黄葉さんって方から聞きました。」
黄葉…?
!!……ということは。
黄葉さん。何でも屋を終わらせようと…!?
ヨウ「……上のものがすみません…実は閉店しないです…」
ヨウ「多分冗談で言ったか…それとも。」
ヨウ「終わらせようとしてるかなんですよ…」
お客様「うそ…」
お客様「…ごめんなさい…、閉店するって話、少し拡散しちゃいました…」
ヨウ「え、あ、大丈夫ですよ大丈夫。」
まあ大丈夫じゃないと思うが(
ヨウ「ではまたどこかで。」
お客様「はい!あの時はおせわになりました!また!
やっと終わった…
黄葉ラボ…
明らかにこれは最悪で、最低な行為だ。
……でも、ずっと仲間だと思ってたやつ、処分できないよな…
---
日向りむ『はぁ…はぁ…。』
りむ「黄葉さん、意外と強かったなんて…」
りむ「…まあでも、強さは大体の互角っぽい」
りむ「どちらが勝つかは、まだ分からないのだから。」
ラボ「……前まで戦いたくないと言っていたが。矛盾していないか?」
りむ「考えた。仲間のためには、戦わないとって…」
ラボ「ふ〜ん…僕も仲間じゃないか。」
ラボ「同じ従業員だろ?」
りむ「…は?何言ってるの?」
ラボ「え?そのままの意味だけれど。」
りむ『あなたはもう、仲間じゃない。』
りむ「仲間を傷つけた人が仲間なんて、あり得ない。」
りむ「だから、仲間じゃない。」
ラボ「……ふふっ…はは…」
ラボ「確かにそうだねりむ。」
ラボ「じゃあ、りむと真っ向勝負だね。」
ラボ「いいよ。かかってきてよ。もっと、もっとさ!」
ラボ「そうだよね!」
りむ『ふざけてんじゃねえよ!!』
りむ『みんな、"お前"を倒すために努力してんだよ!』
りむ『もう、何でも屋に顔を突っ込むな!!』
---
羽瀬川オルカ「なんやねんここ…」
オルカ「急に光が私を包んで、何がしたいねん…」
オルカ「迷子になったかもしれない…」
オルカ「ホントに…」
ここどこやねん!!
---
【13話】羽瀬川オルカ視点
緊急事態や…
いい歳して迷子とか最悪やねん…
…ん?
なんかある。
ドア?
私はドアを開いてみた。
うわ!!眩しすぎねん!?
ドアを開いた瞬間に、隙間から光が差しこんだ。
その奥には、
羽瀬川オルカ「だれ…?」
謎の男性?がおった。
⁇『……おや、どちら様かな?』
人がおる…!人がおる…!
オルカ「そ、そちらこそだれやねん…」
⁇「…先に名乗ろうか。」
⁇「私は…」
ゴクリ…
首領『何でも屋の店主、……首領と名乗ろうか。』
オルカ「え、何でも屋の店主なんか!?」
首領「そうだけど、知っているのかい?」
オルカ「し、新人従業員の羽瀬川オルカと言います!」
首領「嗚呼、黄葉が言っていた新人はこの子だったのか。」
首領「来てくれてありがとうオルカ。」
ぎゃあああああああ!!
あ、あ、あ、アニメによく出てくるイケメン男子高校生みたいな声と顔なんですけど〜!?!?
しかも名前呼んでもらった……やばやばやば……
こういうアニメのイケメンみたいな人に名前呼んでもらうの大好きなんやて〜!!!
もうやばい…死ぬ…
首領「……オルカはなんでここにいるんだい?」
え、あ、え?
そういえばなんでおるんや私。
オルカ「え、え、わからんのやて…!!」
そういやそうや!
なんかわからん場所にきたんや!
思い出した思い出した、首領さんで頭がいっぱいやったわ〜…
…そういやそうやけど、
なんで首領さんはここに居ったんやろうな…
首領「……オルカにお願いがあるんだ。」
え、お願い!?
そ、そんなイケメンに…今日…死にます…(
首領『何でも屋を、助けてほしいんだ。』
…はい?
首領「何でも屋に、危機が迫っているんだ。」
首領「どうか、助けてくれないか?」
オルカ「き、危機ってどんな…?」
首領『閉店の危機。』
首領「さらに、従業員が…」
オルカ「……スゥー…スゥー…」
首領「…寝てしまったか。」
首領「………それにしても、黄葉くんは、派手にやってくれたね。」
首領「誰か黄葉くんを止めてくれる人はいないか。」
首領「…オルカなら、きっと止めてくれるだろう。」
首領「…オルカ、お願いがある。」
首領『私が死ぬ前に、黄葉くんを止めてくれ。』
首領『これが、私の最後の願いになるだろう。』
---
【14話】羽瀬川オルカ視点
(裏ネット掲示板にて…)
『何でも屋最低じゃない?閉店とか言って実は閉店しないとかさ、従業員ヤバくない?』
『まさに悪の店』
『なんか裏の手使ってそう。』
『従業員全員最低。』
ガシャン!!!(窓のガラスを割った音)
華野ヨウ『……ふざけてんじゃねえぞ黄葉…』
ヨウ『ここに書いているやつは、まるで黄葉と、黄葉以外の従業員を同一視している。』
ヨウ「……何を言われようと、何でも屋は揺るがない。」
ヨウ「……俺もそろそろ向かうとするか。」
ヨウ「黄葉のところへ。」
---
…ん…?
あれ、寝ていた…?
…なんか声がする…
首領『起きたかい?』
羽瀬川オルカ『うわあ!?』
急にでかい声を出してしまった。
しかも首領さんの目の前で。
オルカ「しゅ、首領さん…!?」
首領「…オルカ。」
オルカ「は、はいぃ!!」
やばいかっこいい死ぬ無理。
…いやいや、オルカ、そんなこと言ってる場合じゃないやろ!!
首領『君は、何でも屋を助けれる覚悟はあるかい?』
か、覚悟…?
ないかもしれへんけど…
でも…首領さんに言われたから…
助ける覚悟、ありまくりにするねん!!
オルカ「あります!!」
首領「…なら頼めそうだね。」
首領「黄葉くんを止めてくれ」
…黄葉さんを?
え?あんなにやばいやつを?
あの人を止めれるとは思わない。
こんなことできるはずないやん。
依頼もまともにできないのに…
首領「……何でも屋のことについて話すよ。本当の真実というかな。」
---
何でも屋は、障害を持った人や、もう治らない重い病気を持っている人を助ける施設だったんだよ。
でも、この時新人だった『黄葉ラボ』が提案したこと、それが、
『何でも叶えるお店にしよう』
みんな最初は反対していた。
勿論私も、一番偉いものとして反対した。
そうなったら、今助けている人はどうなるのか、と。
そして、人は何でも叶えられない。
叶えれたら逆にびっくりだ。
だが、提案についてを話し合う会議で、みんなが黄葉ラボが提案した内容に賛成したのだ。
みんな手が震えていた。
それは、みんなの意思で言ったわけじゃないから。
言わされたんだ。
勿論、私も言わされた。
そうして、『何でも屋』へと変わっていった。
黄葉ラボは、そういう力があるんだ。
昔からずっと引き継がれている『呪いの瞳』
呪いと書いてあるから、勿論呪いがかかっているとされている。
呪いの瞳は、不思議な力があるんだ。
とは言っても些細な力だ。
だが、黄葉ラボの場合、大きく育ってしまったんだ。
元々は、小物ぐらいのものを操る程度だったが、
やがて、生き物も操れるようになってしまったのだ。
もはや、もう世界は黄葉ラボの自由になるように。
反抗したら操られ、賛成したら好かれる。
思い通りにいく黄葉くんが、私は苦手だった。
実は、私も『呪いの瞳』の持ち主でね。
でも、物の色を変えるという不思議な力、でもあまり活用性がない力を持っているんだ。
だから、上をいく黄葉くんが嫌だったんだ。
ちょっと話がずれるが、
私は生まれながらのアレルギーがあるんだ。
「日光アレルギー」というもの。
軽い症状だったら、日が当たった場所が痒くなるとかの症状なのだが、
私の場合は重症。
日が当たった場所がナイフに刺されたように痛いんだ。
だから、ずっと部屋の中にいる。
最後に外に出たのは、いつの頃だろう…
…部屋に篭っているが、実は黄葉くんはそれに期待していたんだ。
部屋にずっと篭ったら、厄介者がいなくなるって。
そう、もう辞めてしまった従業員から聞いた。
『何でも屋』になった頃は、従業員がほとんど辞めていってしまった。
で、新しく来たのが『日向ひなりむ』と『八田やだルル』
2人ともよく働いてくれたよ。
その後に、『華野かのヨウ』、『美夜みやココ』…と来てくれた。
おかげで仕事は成り立った…が、黄葉くんへの復讐の心がさらに強くなった。
でも、何も知らない4人を、巻き込みたくはなかった。
だから、それ復讐などできるはずなかった。
でも、もう私は、復讐は出来なくなる。
だから、だから、
オルカに止めてほしいんだ。
黄葉くんを止めてくれ。
---
オルカ「止めます。止めます。」
オルカ「絶対に止めます!!」
首領「!!」
オルカ「そんな悲しく、苦しそうな話聞いたら、やるしかないやん!」
オルカ「止めるで、絶対に。」
首領「ありがとう。ありがとう。」
オルカ「でも、復讐出来なくなるって、どうして…?」
首領「………」
首領「呪いの瞳の呪いが発動するんだ。もうすぐ。」
首領「…どんな内容かは教えたくはない。すまない。」
オルカ「大丈夫やで!」
首領「そうだ。名前を教えてあげようか。」
オルカ「…え?」
首領「私の名前は…」
神界諒『神界諒と言うんだ。』
ああああああ無理名前聞いちゃったやばい無理ああ!!
---
【15話】日向りむ視点、途中で華野ヨウ視点に変わる。
日向りむ『……あなたは僕らをわかってくれない。』
黄葉ラボ『………君は僕のことも知ってくれないんだ。』
ラボ「りむ。何がしたいんだ?」
りむ「…勿論、あなたを捕まえる。」
りむ「そして謝罪させる。」
りむ「そして何でも屋をやめてもらう。」
りむ「でも、謝罪するだけで許されるとは思わないで。」
りむ「僕はあなたをずっと許さない。」
ラボ「だよな。そんな感じだよな。」
ラボ「あ〜あ、僕はもう信用されないんだ。」
ラボ『君には僕を倒せない!』
ラボ「何故なら、僕は君を知っているんだからね!」
りむ『倒す!倒すんだからここにいる!!』
---
(何時間か経ったあと…)
りむ「……ん…?」
寝てた…?
嗚呼、違う。戦ったんだ。あの後。
でも…倒れているということは、僕…やられちゃったのかなぁ…?
…体制を整えると、目の前には、黄葉ラボが倒れていた。
…ということは、
りむ『相打ちか。』
僕はそう推測した。
ガチャン!!!(ドアが開く音)
りむ「うわっ!!」
びっくりした〜
なんでそんなに強く〜…
プンスカぷんぷん!驚かせるな!
って、ヨウくんか。
華野ヨウ「何この有様は。」
りむ「相打ちの可能性大で〜す。」
りむ「でも、まあ倒せたってことで…?」
ヨウ「はあ?」
でも、これで捕まえれる!
相打ちでこんなに嬉しいことないわ〜
僕はラボの手を掴んだ。
そうしたら、急にラボが動いた。
ラボ「…!」
ラボ「おい!手を離せ!」
あ〜、起きちゃった。
りむ「ほらほら、大人しくしてね。」
ラボ「やめろ!」
ヨウ「あははは…」
---
(ここから華野ヨウ視点です。)
りむ「さあてと、僕の勝ちってことで、いいですよね〜?」
ラボ「…まあ何も否定できないし。」
ラボ「そうなるんじゃねえのか?」
りむ「あ!勝者に対する酷い態度!!」
ラボ「はあ?別にいいじゃねえかよ!」
めちゃイラついてる…
俺がいない間に何が…
まあでも、相打ちになったけど、ラボに隙があったから、捕まえれたってことだよね…?
ハッピーエンドってことね!!
美夜ココ『五月蝿い!起きたばっかなんだこっちは!(←起きた)』
ガチャン!!
りむ「うわあ。ヨウくんよりはマシな強さだな。」
ヨウ「なにそれ。酷いな」
??『……黄葉ラボを止めれたか。ありがとう2人とも。』
りむ「!!え、もしかして…」
ヨウ『首領…!?!?』
神界諒(首領)『嗚呼、首領だよ。』
羽瀬川オルカ「オルカもいるよ〜」
ラボ「!?」
ラボ「なんで…なんでいるんだよ…!」
神界諒「君には…教えたいことがあるんだ。」
神界諒「ゴニョゴニョ…」
(このゴニョゴニョの内容は、Part14の何でも屋の過去のことについて話しています!飛ばします!)
(ちなみにもう一回見たいという方は、
https://tanpen.net/novel/09b7818e-a45a-4efd-87d3-e61aad77a4a8/
↑へ!)
黄葉ラボ「っ…はぁ…」
ラボ「もう何言っても俺の気持ちは変わんねえし、仲良くなる気もない。」
ラボ「勿論、仲間になる気もないだろう。」
ラボ『もう仲良くなる理由なんてないだろ…?』
ラボ「だったらほっといてくれ。」
ラボ「俺はここから消えるから。」
ラボ「もう、誰にも触れられないような場所へとね。」
………
何でも屋。
それは大切な居場所で、僕の大切な第二の故郷みたいなものだ。
首領は、元々障害がある人や、重い病気の人を助けたいという気持ちだったんだ。
だからってそれを引き継ぐのもどうかと思う。
だって、率直に言うと、
やりたくないのだから。
俺は俺の仕事。
何でも屋の仕事がやりたい。
でも、首領の願いだったら…
神界諒「でも、考えは変わったよ。」
!!
神界諒「みんなの居場所を無くしたくはないんだ。」
神界諒「だから、だから。」
…だから…?
神界諒「君たちには、何でも屋を続けて欲しいんだ。」
神界諒「僕はそれを、"上"から見守っているよ。」
…上?
オルカ「っ…」
八田ルル「上って何、上って。(←ちょっと凄い盗聴器で聴いてる人)」
神界諒「…それは、これからわかるさ。」
それって…
---
【16話】
……今からわかるってどういうことかわからない。
上に行くって言われても、この周りには階段とか、梯子はしごとか、上にのぼるものはない。
さらに、首領様が上がどうのこうのって言った時、オルカの様子も変だった。
しかも、首領様と羽瀬川が一緒に来たし。
いつ出会ったんだよ…
華野ヨウ『な、なあ、オルカ。』
羽瀬川オルカ「…なんや。」
ヨウ「首領様とはお知り合いなのか…?」
思わず聞いてしまった。
首領「…そろそろ時間のようだ。」
美夜ココ「…え?」
首領「…また、会える日を楽しみに待っているよ。」
八田ルル『っ…死ぬのかよ…w、会ったばかりなのにさ。(少し凄い盗聴器で聴いてる)』
!?
八田の発言で、皆が動揺した。
日向りむ『し、死ぬって、どういうことですか…?』
オルカ「………」
オルカ「…私も…よくわからへんのやけど…」
オルカ『首領さんの目の呪いのせいで死ぬらしいねん…』
オルカ「…呪い発動ってこと」
…!?
呪い発動…?
というか、人間の目に呪いなんかあるか…!?
首領「…とりあえず、華野くんならわかってくれるだろう。」
首領「私は、皆の前で死ぬ」
首領「これからの何でも屋を、支えていってくれ。」
っ…
なんで…なんで…
なんで死ぬのを目の前で見なきゃいけねえんだよ…!
怖いのは苦手だ。
死だって怖いものだ。
俺に何ができるんだよ…!
ルル「…止める方法とかないの?」
ココ「確かに…呪いを解く方法とかありそうなんだけどな…!」
ヨウ「…はぁ…」
思わずため息をついた。
どうすればいいんだ…
りむ「ねえ、」
りむ「僕は、止めないよ。」
ココ「え?」
ルル「何言ってんのりむ。」
りむ「だって、首領だって死ぬことわかってる。」
りむ「もうみんなの前で死ぬって決めてるのに、アナタたちは止めるの?」
りむ「僕は絶対に止めない。」
りむ「会ったばかりだけど…」
りむ「……実は、本当は止めたいの。」
りむ「でも、こんな短時間で、呪いを解く方法とか思いつくわけないじゃん…」
……
確かに日向が言ってる通り、こんな短時間で見つかるわけない。
止めたいという気持ちは同じだ。
でも…
ココ「ココは止めたい。」
ココ「ごめんりむ。でも、考えは変わらない。」
ココ「もしかしたら、助けれるかもしれないじゃん。」
ココ「何かすれば、きっとできるよ。」
ココ「そんな簡単に諦めるなんて。りむらしくないね。」
ココ「ココは助けたいんだ。」
ココ「死なせたくない。」
ココ「まだ生きてほしい。」
りむ「……そう…だよね、死んでほしくない。」
りむ「でも…変わらない…気持ちは。」
助けれるかもしれない。
それをいち早く諦めたりむに対して、こちらはまだ助けれると思っている。
僕はまだ助けれる派だ。
僕には諦めるというルートはない。
次は俺が喋る番だな…
ヨウ「えっと、俺な…」
ルル「ストップ。」
?
急に八田から止められた。
冷たい風が吹く。
目の前に八田がいないはずなのに、変なこと言われそうだと、少し緊張する。
ヨウ「な、なんだよ…」
ルル『話してたら、死んじゃうよ。』
ルル「あと、首領様の寿命を分析して調べた結果、」
ルル『恐らく、残り5分ぐらいで死ぬ。』
!?
5…5分…?
短い。短すぎる。
こんなので助けれるか…?
ルル『これは…もう無理だな。』
ルル「ちな、首領様が喋ると、寿命が縮むと推測されているのだが…」
首領「……恐らくそうだね…」
え、首領様!?
りむ「首領様!いやだぁ…!死んじゃ嫌だ…!」
会ったばかりなのにさあ…!
首領「さよなら、みんな。」
首領「バイバイ。世界…。」
首領「何でも屋を、助けてくれ…。」
ルル「もう喋るな!!」
ココ「ちょ、強い口調…!失礼な…」
ルル「今はそんなどころじゃねえだろ!」
ルル「人が死ぬんだぞ!?」
ココ「っ…」
ヨウ「おい、お前ら!首領様が…!」
首領「さよな…ら…」
ばたっ(首領が倒れる音)
りむ「うわああああ!!」
---
首領様が亡くなった一週間後の話だ。
何でも屋の緊急会議だ。
嗚呼、緊急会議はいつ頃ぶりだろう。
今日は珍しく、八田もリモートじゃなくて、店まで来てくれた。
りむ「…みんな。」
りむ「…首領様のことはみんな絶対に悲しいと思う。」
りむ「でも、何もやらないなんてダメ。」
りむ「…僕が、僕が、」
りむ『僕が店主やる!』
みんな『!?』
え、日向が?
りむ「他にやりたい人、いない?」
……
りむ「僕、頑張るよ。首領様のために。」
りむ「みんなも頑張ろう!」
ルル「…そうだね、そうだね。」
ココ「首領様がいなくても、ココたちやっていけるよ。」
そうだ。
俺ら、なんでずっと動いてなかったんだろう。
俺らが動かないといけねえのにな。
ヨウ「よし、いこう!やろう!頑張ろう!」
オルカ「そうやな。落ち込んでばっかじゃあかん!」
りむ「…で、どうするの。黄葉さん。」
黄葉ラボ『僕か。』
ラボ『…僕は、何でも屋やめるよ。』
りむ「…なんで?』
ラボ『そりゃあ、みんなを傷つけたお詫びと、あと、もう仲良くもしたくない。』
ラボ「じゃあね。またどこかで。」
嗚呼、行ってしまった。
背後が見える。
どこか泣いている。
りむ「じゃあ、またどこかで!」
---
僕らはあれから順調にやっている。
首領様のことは悲しい。
でも、首領様が言ったことを大事にして、これからも頑張る。
ただそれだけのことだ。
カランカラン♪(店のドアが開いた音)
ヨウ「おかえりなさいませお客様。」
ヨウ『探し物から欲しいもの、お金も殺しも受け付けます。』
ヨウ『この"名"の通り、何でも叶えて差し上げましょう。』
---
1期を改めて見ると…いいですね…
まだまだ僕が素人作家の時ですね…(今でもですけど)
で、でも今よりは、上手くなっていると思ってるんですけどね…((_(:3 」∠)_
3期で『この"名"の通り、何でも叶えて差し上げましょう。』
使うかもしれないな…
使いたいけど…最近何でも屋という店の特徴的な部分であるところがあまり小説で書いてないから…
依頼やりますよもちろん!!!(
お楽しみに…(
2期の一気見も時間あったら書くので、よろしくです!
何でも屋 Season Second
全く更新してなくてすみません…
ほんとに何度も謝ってるけど、すみません…!
何でも屋2期総集編でございます…!( ̄∀ ̄)
【一話】
ここは『何でも屋』
森を奥深いところにある摩訶不思議なお店。
そこで働いている人たちは、全員幽霊だとか。
それともオオカミ説。
でも、それはただの噂話。
知られない。知れない。
何でも屋を知れるチャンスが来るのは、運が強い人だけかもしれないね。
いやいや冗談ですよ。
『何でも屋』Season Second
始まります。
---
ヨウ『おかえりなさいませお客様。』
ヨウ『探し物から欲しいもの、お金も殺しも受け付けます。』
ヨウ『この"名"の通り、何でも叶えて差し上げましょう。』
俺は華野ヨウ。
知ってる方もいるだろうけど、俺は何でも屋の従業員だ。
お客様は、減った?増えた?とりあえず、お客様は相変わらず来てるは来てる。
今は、何でも屋で最も必要な言葉、
お客様が来た時の運命の言葉。
それが、さっき言ってた3文なのだが…
日向りむ「おい、今日の犬の散歩係は誰だよ!!」
ヨウ「てか、犬の散歩だけでキレてる!!」
あの人は、『日向りむ』
女性従業員で、元々男性ショタボ配信者として金を稼いでたらしいが、
どうやら女性ってことがバレて、炎上した。
だから、何でも屋に来たという。
でもどうやって来たかって最近不思議に思っていて、聞いてみたら、
「森に迷い込んだ。食料とかないか探してたらあった。」
って言ってた。
てか、求めずに探して見つかるってことあるんだな…(笑)
りむ「え、散歩係ヨウくん?」
ヨウ「はあ?知らない。」
りむ「じゃ、お願い。暇そうだからね〜」
ヨウ「えええ!?」
何故!?
---
ヨウ「めんどくせー」
犬の散歩なんて暇すぎだろ。
ちなみに犬っていうのは、こりゃまた不思議な犬でね。
鳴かないんだよ、こいつさ。
日向のペットらしいけど、変な薬飲ませたら鳴かなくなったらしい。
…変な薬。そりゃそうだよ。
⁇¿『なあお前。何でも屋の奴か?』
は?
急に話しかけられてびっくりした。
外では何でも屋の話なんてあまり聞かないんだが…
まあ仕方なく、返事をした。
ヨウ「そうだが何か。」
⁇¿『じゃあ、これからライバルとして、よろしく。』
⁇¿『まずは握手を。』
ん?
ヨウ「ちょ、ちょっと待て?」
ヨウ「何ライバルって。なんで急にライバルになるんだよ。何故だよ」
⁇¿『まずは名乗らないといけないな』
佐藤ポラ『佐藤ポラという。そちらは?』
ヨウ「え?あ、嗚呼、華野ヨウです。』
ポラ『ヨウと言ったか。分かった覚えてやろう。』
どこから目線だよ…
めんどくさいことになったな…
ポラ「ポラ様は店を経営することになってな。」
ポラ「山の奥深いところにある店」
ポラ「客の願いなら何でもやる店。」
ポラ『名付けて『何でもやります屋』の副店長になったのだ。』
ポラ「お主、何でもやります屋の従業員にならないか、と店主から招待されとるぞ?」
は?え?
ヨウ「何その何でも屋のパクリみたいな店…」
ヨウ「てか、何で招待なんだよ!」
あまりにもパクリな店とライバル関係(?)になってしまった。
ポラ「何でもやります屋は、極楽浄土やぞ〜?」
---
【二話】佐藤ポラ視点
今見ているそこのお主!
我は、『佐藤ポラ』という者だ。
其方、なかなかのものに見える。
ポラ様の"配下"とならないか?
え?なりたくないって?
はぁ…せっかくのチャンスというものをあげたのに、其方はなりたくないと?
断るなんて300年早い。
今から教えてやろう。
ポラ様の、強さを。
華野ヨウ『何ぶつぶつと言ってんだよ。』
ヨウ『てか、俺を何でもやります屋まで連れてって何がしたいんだよ。店員にはならないぞ?』
こいつ、ツッコミやがった…
佐藤ポラ『店員になるという話は終わった終わった。』
ポラ「でも、お主が何でもやります屋の1番目の客になってほしくてな。だから呼んだ。」
ポラ「何か反論は?」
ヨウ「めちゃありますけど!てか、何でもやります屋ってさ、何でも屋のパクリだろ!」
ポラ「さあ、知らぬぞポラ様は。」
まあ、パクリかどうかは知らないが、客がこればいい話だろう。
ポラ「さてと、ついたか。」
何でもやります屋は、新しい店、
前にあった古いボロい家をリフォームしたのだ。
ポラ「さあ入れ。おい配下ども!客が来店したぞ!」
?『あ、はい。』
稲葉レオシャ『俺、稲葉レオシャと言います。これからよろしくお願いします。』
めちゃ礼儀正しいではないか。
あの"ヤンチャ"ぶりはどこいったのだが。
ポラ「対応しろ。」
レオシャ「はい。では、どのようなご用件で…」
ヨウ「連れてかれて、此処に来た。何でも屋まで連れてって。」
はあああああ!?
なるほど、そういう手もあったか…
仕方がない。
ポラ「…おい、華野と言ったか?」
ヨウ「は?ああ、そうだが。華野ヨウです。」
ポラ「今度そちらに伺おうと思う。その時はまた宜しく。」
ヨウ「あ?」
ポラ「伺うことは、別に客という扱いと一緒だろう?」
ポラ「なので、宜しく。」
ヨウ「また面倒なことを…!」
ポラ「面倒じゃない。」
ポラ「お前は、従業員。ポラ様も従業員。」
ポラ「何方が指示しても、結局は従わないといけないんじゃないのか?」
ヨウ「何いってんだよ。はいはい、分かったよ分かった。」
ヨウ「客として招けばいいんだろ?」
ヨウ「分かった分かった。」
ヨウ「じゃあ、連れてってくれ。よろしく。」
レオシャ「かしこまりました。」
本当に分かったのか彼奴は…
---
【三話】
佐藤ポラ「此処が何でも屋か?随分古臭いところ。」
佐藤ポラ「まあいい。来店してあげようじゃないか。」
ガチャン(ドアが開いた音)
羽瀬川オルカ「おかえりなさいませお客様!』
オルカ『探し物から欲しいもの、お金も殺しも受け付けますで〜?』
オルカ『この"名"の通り、何でも叶えて差し上げるねん!』
ポラ「……は?」
なんか客来た音したな。
…あ、あいつじゃん。
でも確か、客の対応をしろと…
まあいいや、それぐらいお安い御用だからな。
華野ヨウ「いらっしゃいませ。」
ポラ「ふ〜ん…」
オルカ「何か叶えてほしいことはある?」
ポラ「下見に来た。叶えてほしいことなどない。」
オルカ「ヨウくん、下見ってなんや?」
え?わからないの?
まあオルカだし、仕方ないか…
ヨウ「前もって何かを調べておくことだよ。」
ヨウ「まあ何を調べているかは知らないけど。」
しょうもないことやってそう。
ヨウ「で、何しに来たのですか?叶えてほしいことがないなら、帰ってもらいますが。」
ポラ「何って、何でも屋のライバル宣言をしに来た。」
ポラ「店長の代わりに、副店長が何でも屋にご挨拶をしに来た。」
ポラ「もしかして、其方が店長か?」
そういうと、佐藤はオルカに指を差した。
オルカ「え、私!?私ちゃうで。」
ポラ「じゃあお前か!」
今度は俺に指を差してきた。
ヨウ「俺じゃねえよ!!」
ポラ「じゃあ今は不在か?」
ポラ「大事な時に席を外してるとか、此処の店長はなにをやっている。」
ヨウ「今いるけど。」
ポラ「呼んでこい!!」
ヨウ「えぇ…分かったって…」
急にライバル宣言とかあり得ないのだけど。
しかも、ライバルって言われてもあちらはあちらで、本当に営業できるの??っていう感じだったんだけれども。
まあ、何でも屋をそう簡単に追い越せるとは思っちゃいけないよ。
昔そんなふうにすぐに追い越せるとか言ってた人いたなぁ…
まあ、何でも屋の従業員がぱぱっと倒したんだけどね。
ぱぱっと…
【僕を見ないで?】
!?
……なんか調子悪いのかな。
変な記憶思い出しちゃった。
でも見覚えないけどね。
まあいいか。
ヨウ「おい日向?」
日向りむ「ん?どうしたのヨウくん。」
ヨウ「この前行ったやつ。お前を呼んでる。」
実はもう日向に事前に言っておいてる。
マジで言っておいてよかった…
言ってなかったら説教かも…?
ははっ…まあいいそんなこと。
これからバッチバチなのか、気になるな。
りむ「オッケー、じゃあ行くね。」
---
りむ『あなたが何でもやります屋の副店長ですか?』
ポラ「…もう既に店の名は覚えられているよう。」
オルカ「え?何?なんやねんこの状況。」
オルカ「お客とりむさんの間に火がばちばち燃えてるねん…!」
あ〜あ、
もう止めても無駄な状況かもしれないな。
日向から殺意が見える。
りむ「お手数ですが、帰っていただけないでしょうか。」
りむ「下見ということは、何か襲撃でもなさるのですか?」
りむ「何でも屋に下見は…要りませんよね。」
りむ『何でも屋は、ライバル関係などは作る気はありません。』
ポラ「帰るわけがない。」
ポラ「下見は下見だ。襲撃など、手荒れなことはせぬ。」
ポラ「下見はいる。どんな店かを見ないといけないからな。」
ポラ「ライバル関係を作らない?なに変なこと言ってるのか。」
バチバチじゃん。
てか怖い普通に。
ポラ「…今日のところは撤収。」
ポラ「また気が向いたら、何でもやります屋へ来い。」
ポラ「貴様、我の配下になる資格があるからな。」
ポラ「ではまた。」
『ガチャン』
りむ「なにが"また"だよ。もう一生来ないでください。」
オルカ「えらい喧嘩やったわ…」
りむ「うん…そうだね。自分で言うけれど。」
ガチャン…(ドアが開く音)
りむ「いらっしゃいま…」
?¿?『あなたの弟子にしてください!!』
お客様が日向へと手を差し出した。
りむ『…えぇ…?』
---
【四話】日向りむ視点
?¿?『うちは本気です!!!』
?¿?『うちを弟子にしてください…!!』
日向ひなりむ『え、なになに…?』
いきなり何!?
しかも知らない方、どこから僕を知ったの!?
でも、本気とか言ってるけど、ホントかなぁ…
?¿?『ずっと、ずっと、弟子になりたくて、やっと見つけた…!!』
?¿?『うち、"るあ"くんが女の子だなんて、絶対認めてないです…!!』
…!!
…そういうことか。
美夜ココ「どうした〜?」
あ、ココくん。
りむ「なんか僕の弟子になりたいらしい…よ?」
ココ「はいはい、そんなの面倒くさいだろ、拒否すれば?」
?¿?『うちは"るあ"くんに救われました!』
?¿?『だから…その恩返しがしたいんです…!!』
ヨウ「おい日向、どういうことだよ。」
っ…そうだよね。
大体『るあくん』という名前が出てきてから、大体どういう人かが分かった。
この弟子になりたいって言ってる人は、
僕が男性ショタボ配信者としてやってたころのことだ。
配信者としての活動名が『るあくん』なんだ。
だからわざわざ居場所まで特定して弟子になりたいって…
馬鹿らしい。
でも…なんか可哀想。
弟子にしてあげるかはどうかは別だけれど…
…でもこの子ファンだから、SNSで「会いました〜」って拡散されても困るし、
ファンの真似して実はアンチかもしれないから、そこら辺はなんとか証明してもらわないとな…
?¿?『こんな動画、信じないです…!るあくんが女の子なわけない!るあくんは…男の子なんだから…!』
もしかして、リアコさんかもしれないなぁ…
そうしたら逆にヤバい。
今度はプライベートで炎上じゃん…
辞めてからの炎上も多くあるからなぁ…
?¿?『誰に作らされたんですかこの動画…!』
あの謝罪動画を見せられた。
---
るあくん『この度は、関係者様や応援してくれている人たちに、大変ご迷惑をかけてしまい、誠に申し訳ございませんでした。』
るあくん『わたくしの性別は、男性ではなく、女性です。今まで性別を偽っていました。』
るあくん『男性だったら、チヤホヤされると思うし、そもそも自分がそんなこと思ってたらいけないんですけど…』
るあくん『女性だと、そもそも見てもくれない配信をしてるだけだと思ってしまいました。申し訳ありませんでした。』
るあくん『反省と共に、このるあくんという活動を終わりにしたいと思います。』
るあくん『今まで応援ありがとうございました。そして、申し訳ございませんでした。』
るあくん『バイバイさよなら。』
---
ほんの数分の動画だ。
僕が一人で深夜に撮った謝罪動画だった。
嗚呼、何でこんなの見させられてるんだろう。
余計に腹が立つような、悲しいような…
…今の日常も最高だ。
でも、るあくんとしての日常も最高だった。
あの日々に戻ってみたい。
あの日々に…
【もう近づかないで。】
!?
……気のせいか、何か嫌なことを思い出したような…
まあいいや。
知らない方が急に早口で喋り始めた。
?¿?『こんなこと、るあくん絶対思ってないです…!』
?¿?『言わされたんです…!台本とか読まされたんです…!』
?¿?『るあくんが言うはずないじゃないですか…!』
?¿?『るあくん…ですよね…?』
?¿?『真実を告げてください…!』
………
りむ『僕は女の子だよ。それは変わらない。』
?¿?『…!』
りむ「台本というか、何を言うかのメモはあったな。」
りむ『僕は『るあくん』だよ。』
りむ『正真正銘のるあくん。』
りむ「炎上して此処に逃げてきた。」
りむ「女の子は、可愛い系とか、美しい系が多いんだよね。僕はカッコいい系がよくて。」
りむ「でも、声なんて上手く変えられない。だから、今の声のショタボを上手く使って、るあくんという活動を始めたんだ。」
りむ「僕が一人で撮った動画なんだ。」
りむ「ファンの子に一生懸命話したの。もちろん真実が知りたい人にもね。」
りむ『でも、君は信じてくれなかったんだ。』
りむ『信じてくれなかったじゃ…』
りむ『君は僕のファンじゃない!!』
しまった。
口を滑らせてしまった。
少し気まずい。何でこんなこと言ってしまったんだろう。
緊張感がさらにアップする。
ヨウ「おいそれは言い過ぎじゃないか…?」
ヨウくんにも言われた。
ヤバいかもしれない…傷ついちゃったかな…
ココ『ホントそうだよ。』
!!
ココ『確かに真剣に応援してくれてる子はファンだと思う。』
ココ『でも、応援している子が一生懸命に言ったことを信じないのは、どうかと思う。』
ココ『信じてくれなさそうな内容だったら別に構わないけど、でも、この動画は真剣に言ってるだろ!?』
ココ『普通信じないとかあり得ないんだよ。決定的な証拠があまりなかったら話は別。』
ココ『君はこいつに何が言いたかった…?』
?¿?『………』
ココくん…
ココくんがビシッと言ってくれた。
おかげで少し安心したかもしれない。
いや、安心してはいけなかった。
まだ解決しているわけじゃない。
だから安心なんて早かった。
オルカ「なんかついていけへん…」
ルル「面白そー」
?¿?『…うちは、るあくんとしての活動、また"一から"やってほしかったんですよ。』
?¿?『でも、もう居場所が出来たんですね。来る必要もなかった。』
?¿?『だから、もういいです。新しい場所でも、頑張ってくださいね。』
りむ「え、ちょ…」
何この急なお別れ感…
太陽が沈みかけている。
暗くなってきた。そろそろ夜だ。
でも、あの人は言った。
?¿?『るあくんとしての活動、始めてくれないですよね。』
……
りむ『もう…ね。一回でも嘘ついちゃったら、次からどんな顔して活動していったらいいんだろうって、ずっと思ってる。』
りむ『もう戻れないよ…』
?¿?『……よかったです。』
…え?
?¿?『うちは、こういうものでして…』
名刺をもらった。
名前は…『黄葉メイ』
…ん?黄葉?
黄葉メイ『何でもやります屋のスタッフやらさせてもらってます〜!』
黄葉メイ『依頼内容が、るあくんの今を知りたい!でしたので〜』
メイ『なので、依頼クリアですね〜』
メイ『ちょこっとしたことで依頼なので、結構楽しいですし、嘘も沢山つけますね〜』
………
りむ『メイちゃんだっけ?少しお話を…』
メイ「あああああ、そんなのどうでもいいんです!』
メイ「うち、帰りますんで!じゃあまたどこかで〜!』
りむ『ばいば〜い』
ヨウ「やられたな日向。』
りむ「はあ!?」
りむ「でも、結構なトリックだったねえ…」
りむ『僕もそうやって嘘つきながら依頼したいなあ』
【もう戻れないの…】
!?
…何か思い出せそうなような内容な気がする。
…何かあったっけ…
まあいつか思い出すでしょう!
ルル「面白かったなぁ…過去話。」
オルカ「最高やん!今からるあくんのSNSフォローしてくるで!」
なんか褒められてるようなないような…
まああのアカウントは放置してるからね、別に何もしないけど。
ヨウ『てか、依頼の報酬って何?ってあの佐藤にメールで聞いてみたんだけど、(メアド交換させられた)』
ヨウ『やっぱ金だってさ。』
…だよね。
でもお金取るってなんか嫌らしいような、あたりまえのような…
なんか自分の店がお金取ってない店だと、お金取ってる店が珍しいって思えちゃう。
---
⁇『…もう…私に触れないで…?』
---
【五話】八田ルル視点、途中華野ヨウ視点になります。
チッ…なかなかログインできねえじゃん…
今は暇だからゲームやろうと思ってログインしようとおもったら、結構鯖が重い。
鯖ダウンしてるのか?
や〜めた。こんなクソゲーやるか。
あ〜あ、仕事しないとな。
あ〜、りむからもらってきた不具合も直さないとな…
いろいろと溜まってきてるし、そろそろやらねえと…
仕事へ取り組もう。
まずは、ハッカーさんの状況見ますかね。
…久しぶりにいないな。
何年ぶりか?ハッカーさん動いてないじゃないの。
それだったらラッキー。仕事減った減った。
……ん?でも、なんか調子が…
調子悪いな今日…
何が原因だ…?えっと…
⁇『バイバイ』
は…?
グサッ…
---
(華野ヨウ視点)
日向りむ『ルルくん仕事してる!?不具合全く直されてないんだけど!』
りむ『ねえヨウくん、ルルくんに電話してくれない?不具合直されてないって。』
なんで俺なんだよ…
毎回毎回、押し付けていいと思ってるんですか!
日向、店主ですよね!?
でも、不具合は直してほしいからな…
直せる人材が八田しかいないから。
仕方ねえ…電話しよう。
えっと、八田の電話番号は…
履歴にあった。
プルルルルルルル…
…でない。
出ないな、なんでだよ。
いつもなら即2秒で出るのに。
いや、3秒か?
…まだか…
…おかしいな、もう待ってるだけで意味ない気がしてきた。
りむ「…はいはい、わかりました。お探し物ですね。」
りむ『ヨウくん!依頼だよ〜!』
ヨウ「分かった。あのさ、八田出ないよ。」
りむ「え!?あの最速2秒で電話に出るあのルルくんが!?」
りむ「珍しい…」
ほんと珍しいよな、俺も思う。
寝てるのか知らないけど。
でも八田って、寝てても普通10秒ぐらいじゃない?
本当におかしいな…
でも俺依頼できたし…まあ任せるか。
ヨウ「依頼片付ける。どんな依頼?」
りむ『近くに大きな図書館あるでしょ?あそこに、スパイ小説があるんだけど、探してほしいらしいよ。見つからないらしい。スパイが恋愛をして、最終的に振られる失恋小説ね。探してきてね。詳細はまた送っとく。』
へぇ〜…失恋か…
俺、失恋ソングとか嫌いだから本も無理かもしれない。
てか、あの図書館って、めちゃくちゃ本あるじゃん。
見つかるわけない…
詳細は…まああんな感じか。
探してくるか…
---
うわ…毎回見るけど、めちゃくちゃでかい…
本なんて簡単に見つからないか…
仕方ない、八田の機械使うか。
~~~5分後~~~(地味に「~」書きにくい。)
はいゲットゲット。ちゃんと失恋してるスパイさんですよっと。
…あれ、八田の機械ダウンしちゃった。
なんでだ?
まあそろそろ年ってことなのか。
八田に修理してもらおう。
---
(そのころ何でも屋は…)
りむ「ヨウくんそろそろ帰ってくるかなぁ〜」
りむ「というか、失恋小説好きなんて意外かも…、でもスパイが好きなら話は別かも。」
ガチャン(店のドアが開く。)
りむ「あ、いらっしゃいま…ルルくん!どうしたの?」
りむ「なんか…すごくベチョベチョだけどどうしたの?拭こうか?」
八田ルル『さあ、帰ろう。』
りむ「…え?」
ルル『お家に帰ろう、りむ。』
りむ「何言ってるのルルくん…?」
りむ「お家って…どこ…?」
ルル『…ほら、帰ろう?』
りむ「ルルくん、なんか今日変だよ…?」
りむ「電話だって、出てくれなかったじゃん…」
りむ「不具合だって続いたまま。」
りむ『どうしちゃったの…?』
ルル『またあの日々へ…』
---
【六話】日向りむ視点
ルルくんがおかしくなっちゃった…
帰ろうってどこへ!?
お家ってどこのこと!?
あの日々へっていつのとき!?
今頭整理してます…
いや、そんな見覚えないんだよな。
家とか、帰る場所とか、ないと思うのだけれど…
…もしかして、頭パンクした!?
ルルくんお願い戻ってぇ〜!!
八田ルル『早く、一緒に。』
ヤバい、何も言うことなんて聞いてくれなさそう…!
どうしよう…なんか手はないの…?
嗚呼どうしよう〜!
……なんちゃって?
バン!!!
---
華野ヨウ『ただいま〜、なんか八田の機械壊れたんだけ…ど…?』
ヨウ『何この状況!?』
ヨウ『なんで八田倒れてんだよ!!』
りむ『あ〜、ルルくん銃声嫌いだから気絶しちゃった?』
ヨウ「はあ!?」
そう、実はルルくん…
銃声嫌いなんだよね!!
え?知らないって?
ルルくん知られたくなかったんだろうねwww
今までは耳栓とかなんとかしてたらしいからそうなのかな?
今は耳栓してなかったから無理矢理撃ちました!
そして壁貫通しました!当たり前だけどね。
気絶したからソファに連れてって、あとは原因解明だけど…
…恐らく洗脳とかじゃないかな。
洗脳といえば…
ラボくん!?
まさかのまさかでご登場〜!?
いやめちゃくちゃありえるんですけど…
まあヨウくんに言ってみよう。
りむ『恐らくラボくんがルルくんを洗脳したかもね。可能性が無いとは言えない。もしかすると、何でも屋への恨みとかももちろんあり得るから…』
ヨウ『ありえるかもしれないが、だったらなんで八田なんだよ。普通全員とかじゃないか?すぐに恨みを晴らせれるはずだが。しかも全員洗脳できた事例がある。別の人物の可能性もあるぞ?』
ヨウ「あと八田はなんか言ってたか?」
う〜ん…あ、
りむ『お家に帰ろうとか、またあの日々へとか言ってた。』
ヨウ『それが多分だが、八田を洗脳したやつの企みだと考えられる。きっと、日向にはなんかしらの家とかがあるんだよ。実家とか?実家の日々に戻りたいとか?』
確かにねぇ…
でも、実家なんてそんないい思い出とかあったっけ…
あと、企んでる人が思いつかない。
違うに決まってる気がするんだけど…
りむ「いやいや…違うでしょ。実家なんているのは、お爺ちゃんとか家政婦さんとかしかいないよ?」
ヨウ「家政婦なんて雇ってんのか?金あるのか?」
りむ「あるから雇ってるんでしょ!」
りむ「一応家族構成としては、お母さん、お父さん、お婆ちゃん、お爺ちゃん、妹、あと犬が3匹、猫2匹、ハムスター1匹に、馬が2匹。」
ヨウ「動物はいいよ…」
お母さんは、一流スパイ!
お父さんは、マフィア!
お婆ちゃんは、殺し屋!
お爺ちゃんは、平凡な人間!
妹は、アイドル!
犬は、ヤンキー!
猫は、お母さんのサポートをしている三流スパイ!
ハムスターは、お爺ちゃんのお世話してる実質家政婦&殺人鬼!
馬は、犯罪者!(他の家の畑を荒らして、食べ尽くして、家も荒らした最高の馬!)
僕の家族は賑やかだよ!!
ちなみに家政婦さんは、闇暗殺屋としても働いてる!
さすがは僕の家族たちよ…
ヨウ『………何ぼぉーとしてるんだよ。』
---
何でもやります屋にて。)
稲葉レオシャ『あんたら何やってんの?』
レオシャ『このレオシャ様に触れられたくなければ、家に帰れ。』
佐藤ポラ『…随分とお店の時の言葉遣いと今の言葉遣いは全く違う。』
ポラ『…ヤンキーは楽しいか?』
レオシャ『楽しいっす勿論。』
ポラ「ならいい。お前が楽しんでいなかったらどうなるかと思ったぞ。」
ポラ「で、そちらはどうなっているのか?」
?『僕の方は順調順調。』
?『それにしても、りむはすごいな。店主の役にぴったりだ。』
ポラ「りむ…と言ったか…。銃やナイフなどの凶器を扱えるようだな。」
ポラ「此方には厄介ではないか?」
?『大丈夫大丈夫。こっちにはメイがいる。なあメイ!』
メイ『なあになあに?』
メイ『殺しなら〜?メイにお任せ〜!』
?『殺しじゃない。捕まえて毒で死なせる予定。』
メイ『え〜?つまんないつまんない!』
メイ『メイは、八つ裂きにした方がいいと思うんだけど〜?』
?『メイの意見は受け入れない。』
レオシャ『ははっ!!拒否られてやんの!』
ポラ『メイ、物騒なこと言うのはやめな。』
メイ『え〜?』
メイ『なんでダメなの?ダメな理由教えて"お兄ちゃん"』
?『……はぁ…』
黄葉ラボ『りむを八つ裂きにするには、相当近づかないといけない。相手は近距離だ。最初に、スナイパーで一発撃ってから捕まえて、毒で死なせる。もちろん猛毒さ。』
メイ『わかったよ〜』
黄葉ラボ『でも、なぜルルはあんなふうになったんだ…?』
レオシャ『は?ラボがやったんじゃねえの?計画のために。』
ラボ『実はやってない。別の人がやったんだろう。まあ、おかげで計画は進んだ。』
ラボ『次は、逃さないぞ?りむよ。』
---
⁇『…私とは会っていけないの…』
---
【七話】黄葉ラボ視点
これをみている皆様、お久しぶりですね。
嗚呼、実にメタい話し方だったな。(↑のこと言ってる。)
まあそれはいいとして、
何でもやります屋、店長の『黄葉ラボ』です。
以後よろしくお願いします。
『何でもやります屋』は、まあ何でも屋のパクリみたいなものですけど、
何でもやります屋を作った理由は三つある。
一つ、『何でも屋にカチコミに行くこと。』
つまり喧嘩売って、襲撃するってことですね。
まあお世話になった何でも屋ですが、もう首領もいなくなりましたし、用済みなのでね。
一つ、『人を利用させてもらう。』
一人で何でも屋にカチコミしに行っても、ただ負けるだけ。
しかも、りむと戦った時に分かった。
彼は、一人では倒せない。
流石、りむは何でも屋の戦力として成り立っている。
だから、何でもやります屋の人間を利用し、2vs1で戦う予定。
まあ他の奴らが援助しにきても、戦力にならない奴らだ。
だから、二人で十分。卑怯だろ?卑怯なことをして、何が悪い。
それが、俺らの戦いってものなんだからさ。
一つ、……言うべきか、言わないべきか、まあいいだろう。
『あいつのために』
…とか言っとけば、なんとなく察してくれるか?
別に察しなくてもいいんだ。知らなくていい話なんだから。
何でも屋の従業員も、全員知らないから。
"あいつ"っていう人は、別に何でも屋を恨んでいるわけではない。
あいつは、一言で言うと、『化け物』だ。
"9つの呪い"の最強人物とも呼ばれるのではないのだろうか。
…嗚呼、9つの呪い知らないか。ならいい、この先は話すべきじゃないな。
別の話をしよう。
…前に、ルルが洗脳されただろう。
あの時には言わなかったが、勿論僕が洗脳した。
計画通り。
ハッカーの立場としているルルは、結構厄介。
だから、一度洗脳させて、簡単にシステムを破壊することができる。
もう何個か破壊は完了している。
予想通りの結果だ。
さあてと、次の計画へと移りますか。
『佐藤ルリ確保計画』
開始です。
---
(何でもやります屋にて…)
稲葉レオシャ『おい、メイ!第二計画スタートしたってよ。』
黄葉メイ『え!?やったやった〜!!』
佐藤ポラ『はしゃぐんじゃないよ。』
レオシャ『でもさ〜、あいつ帰ってくんの〜?』
ポラ『さあ。もう"殺し"は飽きたと言っているから、恐らく難しそうだな。』
レオシャ『でも、メイと肩を並べれるぐらい殺しうまかったじゃん!』
メイ『メイの方が強いよ〜!』
レオシャ『はあ??同じぐらいだっつうの。』
ポラ「お主、強いばっかしか言わないのでは?」
メイ「あれ?お兄ちゃんはどこいった〜?」
ポラ「我は見てないぞ。」
レオシャ「俺も見てねーよ。」
ポラ「ならば、居場所はあの場所ではないか?」
レオシャ「…嗚呼、あれな。」
メイ「…ふ〜ん…」
ポラ「我らが口を挟んではいけない。」
ポラ「帰ろうぞ。」
メイ「は〜い。」
レオシャ「自販機でジュース買ってくる。」
ポラ「わかった。」
---
黄葉ラボ『一つ忠告しておこう。』
ラボ『これ以上、何でも屋に対して、何がしたいんだ?』
⁇『………』
---
【八話】
太陽は神々しく輝き、周りに咲く沢山の花は揺れ、
自然の力、そして楽しいという雰囲気が感じ取れる。
今、何でも屋はお花畑にいる。
この前の八田ルルの洗脳の件はどうなったって?
あんなの簡単に済ましたよ。
また洗脳したやつを追跡するっていうことになった。
で、いつも頑張っている何でも屋の従業員を、思いっきり休憩させたいから、
"ピクニック"に来ています。
このピクニックの主催者は、日向。
ピクニックのお弁当を作ってきたのは、美夜。
ピクニックに必要な荷物などを持ってきたのは、オルカと八田。
どこでピクニックをするかなどを決めたのが、俺。
つまり全員で完成させたピクニックということだ。
八田ルル「さてと、まずは遊ぶか。」
羽瀬川オルカ「遊ぶで〜!」
華野ヨウ「早すぎるだろ!準備ぐらいしろ!」
なんでこいつらはこんなにはしゃいでるんだよ…
大人気|《おとなげ》ない…
美夜ココ「華野くん、ココたちはさっさと準備終わらせちゃおうよ。」
…はぁ、まああいつらがいなくてもできるか。
華野ヨウ「オッケー。」
俺は荷物のカバンの中身を見た。
そういえば、荷物ってこんなに重いっけな。
てか、なんか要らないものも入っている。
ヨウ「ボールいるか?花潰れるぞ?」
日向りむ「遊ぶんじゃない?あの二人が荷物担当だし、ボールがあるのも当然だと思うんだけれども…w」
要らねえものを持ってくるなよ…
荷物が重いのはこのせいか…
ココ「日向ちゃん、テント立てる?」
りむ「キャンプじゃないから要らないよ。」
ココ「じゃあ敷物が必要だね。これは小さすぎる…これは大きすぎる?」
りむ「でも、荷物を置くスペースとか、食べるものを置くスペースも必要だから、この大きいのがいいんじゃない?」
ココ「わかった。ココ置いてくる。」
りむ「いってらっしゃ〜い。」
めっちゃ平和な会話だな…
てかテント入れたの誰だよ…まああの二人しかいないけど。
何方が入れても不思議ではないか。
で、彼方の二人はどうなってるでしょうね。
ルル「花が綺麗。つーか、外あまり出ないせいで、花ってこういうもんだっけってなるんだけどwww」
オルカ「いろいろな花があるもんやなぁ…」
オルカ「こっちはカラフルや!そっちは変な形や!おもろいなぁ。」
花は花だろ!花ぐらい忘れるな!
てか、変な形とかもう虫食いされてね?まあ面白いっちゃ面白いな。
りむ「ねえねえヨウくん、ご飯みんなで食べる?」
急にめちゃあたりまえな質問されてびっくりなのだが。
ヨウ「え?もちろんなんだけど。」
りむ「よかった!この中で一番浮いてるのヨウくんな気がするから、一緒に食べないのかなぁ〜って思っただけ!勘違いしてごめんね!」
お前は俺を舐めてるのか?
りむ「……あれみて。」
りむが指を差した。
りむが指を差した方には、人がいた。
よく見てみると、それは…
『黄葉ラボ』だった。
久しぶりだ。懐かしさがある。
でもなぜここに?
こっちに近づいてくる。
まるで、俺らを追跡していた様に見える。
そして黄葉ラボが、何かを取り出した。
小物だからよく見えない。
そして、さらに近づいてきた。
りむ「なんか怖いね。もしかして僕らを洗脳…?」
それだったら余計厄介だな。早く退散した方がいいのではないか?
でも、せっかくの休みが、黄葉のせいで台無しになるな…
まあ戦うのなら、5対1だから余裕で勝てる気がする。
嗚呼、黄葉がもし戦闘を仕掛けてきたらだがな。
そして結構近づいて、小物も見えるほどの距離になった。
なんだあれ。コイン?しかも何十枚もないか?
そして黄葉ラボがこう言った。
黄葉ラボ『お前ら、久しぶりだな。』
間違いない。黄葉ラボだ。
りむ「…なんのようかなラボさん。」
オルカ「なんや?あ、あいつ、見覚えあるで?」
ルル「こいつ…」
ココ「また嫌なやつ来たの〜?ココ困っちゃうな。」
ラボ『1、2、3、4…あと5人、まあ一人は不透明だけどな。』
え、5人?何が?
何でも屋の従業員の人数は5人…
もしかして、殺した人数を数えた!?
だったらやべえぞやべえ…
ラボ『華野ヨウ。何でもやります屋に来ないか?』
!?
ヨウ『え、それって、なんか前も佐藤に言われたのだが…』
ラボ『お前が必要だ。お前がいないと、"あれ"は成り立たない。』
『あれ』ってなんだ?
俺はそのまま黄葉の話は聞いた。
ラボ『この世の一部は"愛"で成り立っていると思わないか?』
ラボ『何でも屋を辞めた今でも、何でも屋の従業員は好きだ。』
ラボ『その中でも特に気に入ったのが、華野ヨウ。』
ラボ『何でもやります屋にきてくれないか?』
…は?
りむ「ヨウくんを行かせるもんか!てか、ラボさんは何でもやります屋と何か関係があるってこと?」
ラボ『どうも、何でもやります屋の店長、黄葉ラボです。』
ルル『はあ?お前が?』
ココ『はあ…嫌な雰囲気、そして最悪…』
勧誘してきた理由はもちろん『あれ』のことだろう。あれが何かは知らないけど。
でも、もし相手の作戦だったとしたら、その方が大変だ。
というか、何でも屋を離れる理由はない。
ヨウ『拒否させてもらう。』
ラボ『…ふっ…そういうと思ったよ。でもね華野ヨウ…』
ラボ『愛は必ず勝つ、そうだろう?』
ヨウ『これ以上、|世迷言《よまいごと》を言うな黄葉…!』
---
【九話】
何を言ってるんだ黄葉…!!
愛がどうのこうの五月蝿いんだよ…!!
そしてなんで俺を勧誘…!?
ああ!いろいろとごちゃごちゃ言ってて、頭の整理が追いつかない!
何が一体どうなってるんだ…!
日向りむ『これ以上、ヨウくんに何がしたいわけ?なんでヨウくんを?』
りむ『あなたの狙いがわからない。』
黄葉ラボ『………華野くん、君は選ばれしものなんだよ。』
は?選ばれしもの?
ラボ『"9つの呪い"の一人なんだからね。』
八田ルル『何が呪いだ!!』
ラボ『さあ?僕も同じ9つの呪いの一人。』
ラボ『9人集まれば、世界を"救える"って話だからさ!!』
救える?
ココ「…帰ってもらえるかな。今は大切な休みなの。ピクニックをしにきたの。」
ラボ「……ふ〜ん…ピクニックねえ…」
ラボ『僕も参加していいか?』
why?
---
ラボ『ここら辺の植物は綺麗だな。全部取って飾りたいところ。』
ルル「何言ってるんだよこいつ。」
りむ「あと、なんで急に参加するの…」
行動が読み取れない!感じ取れない!
休みが台無しになる一つがこれだよ……
ラボ『久しぶりの会話はいいな。何でも屋に戻った気分だ。』
ココ「もう一生戻らなくてもよろしい。」
それにしても、オルカはどこいった?
見当たらないなぁ…
少し探しに行くか。
俺はオルカを探すため、少し駆け足で探しに行った。
りむ『あ、ちょっと!どこ行っちゃうの!』
オルカはいない。
…もうすぐ雨が降りそうだ。
雷雲みたいなものがある。
…荒れた天気じゃないといいけど。
走るのはやめたが、早歩きで探す。
だがしかし、いない。
でも、少し先に行くと、人がいた。
でも、オルカではない。大人の方だ。
…綺麗な方。髪の毛が光って見える。
ロングスカート、女性の方か。
日傘を使用している。さらに、サングラスも。
見覚えがある姿や洋服に少し動揺している。
記憶を辿ると、一人の人物が思い浮かんだ。
『佐藤ルリ』さんか?
探し物を見つけてほしいという依頼をしてきた方。お客様だ。
もっと近づくと、佐藤ルリさんらしきものが、こちらを向いた。
佐藤ルリ『……お久しぶりです。』
佐藤ルリさんだ。
華野ヨウ『あ、お久しぶりです!何やってるんですか?』
佐藤ルリ『今、お花を見つめているんです。』
ヨウ『見つめている?』
ルリ『そういえば、言いたいことがあったんですよね。』
?
なんのことだろうと思っていると、
ルリさんから、こう告げられた。
ルリ『怒りの感情を、私から奪えると思いましたか?』
ルリ『そう簡単に奪えられませんよ。』
は…
こいつ…何者だ…?
---
【十話】
佐藤ルリ『私はそう簡単に攻略することは不可能。』
ルリ『少しはお客様を警戒することも大切だと思いますよ?』
ルリ『もちろん怒りの感情も、"ダミー"』
ルリ『残念無念。』
まるで、マジックの種明かしのように告げられた。
前会った時よりは、大人っぽくなっている。
しかも、俺が怒りの感情を代償としてもらったこと、なぜ知っている…?
こいつ、また黄葉ラボみたいな人物か…?
ルリ「もうすぐ雨が降るわね。ピクニックも台無しになっちゃうかしら…」
ルリ「ヨウさん、あなたは私を倒せない。」
ルリ『一回、私を刺してみて?』
…え?
華野ヨウ『でもそれじゃルリさんは…!!』
ルリ『大丈夫よ。私は刺されても生きてるわ。』
でも…死んじゃわないか…?
ルリ『ほら早く!刺さないなら、私はあなたを刺す!』
えええ!?めちゃくちゃ強引じゃないか!?
ヨウ『え、あ、え。』
俺は思いっきり(仮)刺した。
…しかし、
ルリさんは生きていた。
死んでいない。心臓の音がする。
俺はその場で崩れ落ちた。
生きてるんだ。信じられない。
ルリ『面白いでしょ〜?』
ルリ『さっき、黄葉ラボがいたけど、もしかして9つの呪いについて解説された?』
ヨウ『解説…されてないです。』
ルリ『私が解説してあげる〜!』
ルリさんは、刺された状態で動いている。
不死身の体だ。
ルリさんは不死なのか?
俺はルリさんの話を黙って聞いた。
ルリ『9つの呪い。まず、呪いの瞳についてはご存じよね?』
呪いの瞳って、俺も呪いの瞳だったな…
確か、首領様、黄葉もそうだった気がする…
ルリ『呪いの瞳は、メリットとデメリットがあるの。』
メリットとデメリット。
なんかうっすら言ってたけど、そのまま話がながれていったから、聞く時間がなかったな。
ルリ『まず、メリットは、大抵の人間には無い能力が得られる。黄葉の場合、洗脳ね。』
洗脳…能力か。
そういえば俺って、なんだっけ。
まだ能力使ってないか。まあ能力知らないけど、
ルリさんは話を続けた。
ルリ『そしてデメリットは、呪いが発動すること。』
ルリ『呪いは、主に10パターンがある。』
ルリ『まあ何が発動するかは、死ぬ時のお楽しみ。』
めちゃ怖いやつですよ…死ぬ時のお楽しみって、別に楽しみじゃないですから…
ルリ『で、9つの呪いが、能力や呪いを持っている9人の人間をさしているの。』
ルリ『あなたはまだ成長していないからね…』
一応成人だが。
ルリ『私の能力は、"ダミー"。仮のものを作れたり、自分の分身を作れたりする、つよつよ能力。』
ルリ『で、デメリットが、老化が早くなること。』
ダミー…
俺が刺したのは、ルリさんのダミーということか。
で、デメリットは老化…
ルリ『う〜ん…あと1ヶ月でお婆ちゃんかなぁ。』
あと5年!?
驚いてしまった。
老化が早すぎる。
ルリ『だって、君と会った日から、10歳ぐらい歳とったからね。』
ルリ『どんどん早くなってくの。』
ルリ『止まることはないの。選ばれしものだから。』
選ばれしもの…
ルリ『ラボくんは、もっと優しいデメリットだったらいいね。』
……9つの呪いは選ばれしもの9人が手に入れることができる力。
この力は、いいものなのか。悪いものなのか。
俺にもわからない。
だって、呪いとかどうとか、まだよくわかっていない。
けど、そんなに深刻なことなんてさ…
なんで俺は、この9つの呪いに選ばれたんだろう。
わけわかんねえよ…
ルリ『…黄葉ラボは、この9つの呪いを"利用"して、世界を救う…言い方を変えると、世界を"変える"かもね。』
世界を、変える…?
ルリ「…私にはよくわからないの、彼が思っていること。」
ルリ『でも、誰かに従っている、誰かを助けているようにも見えるの。』
!!
それって、黄葉が言っていた、『あいつ』ってやつか…!?
ルリ「…私、そろそろ帰ります。」
ヨウ「え、帰るんですか?」
ルリ『行かないといけないから。』
行かないといけない…?
ルリ「じゃあね。」
あ、行っちゃった。
…帰るか。オルカも見つかってるだろ。
---
⁇『…会いに来てくれたの?』
⁇『佐藤さん。』
佐藤ルリ『華野ヨウくんには、しっかり伝えてきたわよ。』
ルリ『でも、彼がこちらへ来るかが鍵ね。』
ルリ『あなたも何かしたら?』
⁇『…もういいの。悪いことをしてしまった私には、あの子と会う資格はない。』
ルリ『残念ね…』
⁇『ラボさんも頑張ってくれてるし、ルリさんも頑張ってる。私だけ何やってるんだろう。…』
⁇『醜い塊みたいな存在になっている…』
ルリ「そんなことないわよ。」
ルリ「そういえば、華野ヨウくんの能力と呪いはなんなの?」
⁇『………分からない。』
⁇『そういえば、あなたは何でもやります屋の味方なの?』
ルリ『う〜ん…殺しとかは嫌いになっちゃったけど、一応従業員よ。』
⁇『へえ…私のライバルみたいなものだね。』
⁇『…でも、私はもう、いなかったことにしてるから…』
---
華野ヨウ『ただいま、あ、オルカいたじゃん、探してたんだぞ。』
羽瀬川オルカ『すまんすまん。』
ヨウ『あれ、黄葉は?』
美夜ココ『帰っちゃったみた〜い。』
八田ルル「帰ってよかったけどな」
ヨウ「まあそうだけど。」
いろいろ聞きたかったんだけどな。
---
【十一話】
今日も平和に仕事をやっている。
さっきは、探し物の依頼きたし、まあこれは納得できるんだけど、
シロアリの駆除をしてくれと言われてしたんだけど…
専門の方にしてもらってください!!!
こんな依頼来るとは思わなかった。
毎日はどきどきだなぁ…
カランカラン(ドアが開く音)
華野ヨウ「おかえ…え?」
黄葉ラボ「お久しぶり華野ヨウ。君に会いにきた。連れて行きたいところがあるんだ。」
ラボ「今は一人か?」
華野ヨウ「いや、奥に美夜ココがいます。」
黄葉ラボ「じゃあ店番頼んで、行くぞ。」
華野ヨウ「ええぇ…?」
急に黄葉が来るし、なんなら連れてかれるのですけど!?
あまりにも地味なタイミングできたから、少し呆然としている。
俺、何されるんだろ…
まあ行ってからのお楽しみだな。まずは美夜ココにっと…
ガチャン(ドアを開けた音)
ヨウ「おい美夜。」
美夜ココ「な〜に?」
ヨウ「俺出かけるから店番よろしく。」
ココ「え?あ〜あ、はいはい。」
めちゃくちゃめんどくさそうな声で返事をしてくれた。
くれたというか、言われたって言い方かな。
黄葉ラボ「いくぞヨウ。」
ガチャン(ドアを閉める音)
---
知らない道を歩いていると、ずっと無言だった黄葉が、俺に一言言った。
しかも、俺だけにしか聞こえないように。
黄葉ラボ「……俺がいなくても、やってけれるだろ…(小声)」
俺には聞こえた。この声が。
確かにやっていける。それは、みんなの力が溢れているから。
やる気があるから。
でも何で急に小言言われた…
なんか嫉妬されてる?
そして、黄葉は、少しアンティークな家具が多そうな屋敷の前で止まった。
ヨウ「…ここが俺を連れて行きたかったところ?」
ラボ『ここに、首領が住んでいる。』
ヨウ『は…!?』
思わず声が出た。
首領様が?亡くなったんじゃないの?
どういうこと?何が言いたいの?
え…?
ラボ『そんな驚いた顔をするなヨウ。』
ラボ『お前、会いたいんだろう?』
ラボ『僕はお邪魔だから入らないよ。じゃ、外で待ってる。』
は…
---
屋敷の中に入ると、予想していた通り、アンティークのものが沢山あった。
よくよく考えると、首領様はアンティークが好きだ…
もしかして本当に…!
…な訳ないか。ないよねそんなこと。
そんな死者が蘇るなんて…絶対…
無いはずだよね…だよね。
でも、やけに暗い。怖い。
でも、なんだか人間がいるような暖かさもある。
そんなことを思って進んでいくと、少し大きなドアがあった。
開いてみると、誰もいなかった。
ここは、恐らくリビング。
とてつもなく広い。
そう思って眺めていると、後ろから声をかけられた。
『こんにちは。』
え?声?なわけ…
!!!
え、え、え、え、えええええええええ
お化け、透明の人間がいたのだ。
ヨウ『ぎゃああああああああ!!無理無理無理無理!』
『…お化けじゃないよ。』
ヨウ「…え?」
よく見てみると、
首領様だった。
首領『お久しぶりだね。』
---
【十二話】
首領様…!?
首領『驚かしてしまったね。すまない。』
華野ヨウ『い、いえいえ…!大丈夫です…!』
え、生きてるの!?
頭の整理が追いつかない。
というか、もう追いつけないだろう。情報量が多すぎる。
首領『…ヨウ。君は呪いの瞳の一人。』
首領『ここにきてくれて、感謝する。』
感謝…感謝されちゃった…
なんか嬉しい。
しかも、首領様とお久しぶりに話せるということから嬉しい。笑顔になれる。
でも、あの時亡くなったんじゃ…
ガチャン
え、誰か入ってきた…?
黄葉ラボ『会えたか神界。』
首領『嗚呼、もちろん会えたよ。』
黄葉!?外で待ってるって言ってたじゃないか…!?
で、神界…?何のことだ…?
黄葉ラボ「いろいろわからなくなってるみたいだな。」
ラボ『外で待ってるは嘘。僕もここに来ないといけなかったからね。』
ラボ『そして、神界は、首領のこと。』
ラボ「あと、ここにきた理由は、またあとからわかる。」
来ないといけなかった…?
『首領様=神界』つまり…名前!?
名前聞いちゃったけど大丈夫なのかな…??
ガチャン!
ドア開けるの力強すぎだろ…って、え?
佐藤ユリさん…!?
佐藤ユリ『あ、ヨウくん〜!!やっぱりラボくんに連れてかれた〜?』
なんでいるんだ…!?
ヨウ『ユリさん…!?なんでここへ…!』
でもよく考えてみると、今いる人は全員"呪いの瞳の持ち主"だ。
と、いうことは…
黄葉ラボ『チッ…あと一人集まらねえな…まあいい、もう始める。』
ラボ『これから、"9つの呪い会議"を始める。』
なにそれ!?
ラボ『まあいうと、これからについて話し合うというめんどくさい会議。主催者は、…あいつ。』
あいつ…?あいつって首領様じゃなかったんだ…
ラボ『まず、佐藤に一言言っときますけど、手紙を破るのはこれ以上やめていただきたいのだが…』
ユリ『え〜?変な手紙を送ってくるラボくんが悪いんじゃな〜い?』
ラボ『僕は正しいことをしているだけですけど。』
なにがどうなっている…!?
首領『あの二人、あまり仲は良くないんだ。昔は、一緒に仕事をするぐらい仲が良かったんだけどね。』
ヨウ『首領様、少し聞きたいことがあるんですけど、』
首領「なんだい?」
ヨウ「首領様は生きてるのですか?」
首領「…?死んでるよ。」
ヨウ「え、じゃあ何で喋れてるんですか!?」
首領「分からないんだよ。でも、きっと呪いの瞳が何か関係あると睨んでいる。恐らく、これが呪いの効果のあまりだと…」
ヨウ「あまりってどういうことですか…?」
首領「あのとき、結局死んだが、自分はまだ能力の半分は発揮できていなかったのだ。」
首領「だから、呪いのあまりだと言われ、使い切るためにこうなったわけなんだ。でも、使い切るにはまだまだ時間がかかりそうだ。」
呪いのあまり…
首領「ヨウも、能力を早く発揮しないと、自分みたいになってしまうよ?ユウレイニナッチャウゾ~」
ヨウ「え。」
---
会議が終わった。何となく終わった。
大体説明すると、何でもやります屋に佐藤ユリが帰ってきて欲しいこと。
そして、俺が何でもやります屋に入って欲しいこと。拒否したが、考えておいてって黄葉から強引に言われた。
最後は、残りの4人を見つけて欲しいと。
とある1人はもう見つかったのだが、今日は来なかったようだ。来なかったから、黄葉は腹が立っていたようだ。まあ起こりがちかもな黄葉…
でも、もう一人って誰だろう…
まだ謎は残るばかり。
---
(17年前のとある日のこと)
?『ねえねえお母さん、お父さん、なんでお外で寝てるの?』
?『お外に赤い絵の具が出ちゃってる。』
?『お姉ちゃんどこ?』
?『お腹すいたよ〜!お母さん〜!』
?『ココお腹減ったよ〜!』
黄葉ココ『ココ…何か食べたいよ…!』
---
【十三話】日向りむ視点
よし、依頼クリア〜
なんか生捕りにする依頼を頼まれたから、サクッとクリアしてきました!楽しかったです!
今日の店番は…ココくんか。
お店に着くと、ココくんが少し悲しそうな顔で待っていた。
ガチャン…パタン(ドアを開けて閉めた音)
僕は思わず声をかけた。
日向りむ『ココくん、どうしたの?何かあった?』
美夜ココ『…ん?いや、なんでもないよw』
ホントかなぁ…
ココくん嘘つくの得意なんだよねー…それで騙された経験あるからなぁ…
嘘かなぁ…でも本当だったら失礼だなぁ…
ま、いいや。気にせず仕事しよう。
---
ココくん仕事順調かなぁ…
って、ココくんいない!?
どこ行っちゃったんだろう…!!
あ、こういう時はルルくんに連絡…
プルルルル…
出た!記録2秒!
りむ『ねえねえルルくん!ココくんがいなくなっちゃってるの!探してくれない?』
八田ルル『ん〜?ラジャー』
ルル『えぇ〜っと?ココは…あ、ってん??近くのコンビニにいるそうだが。』
りむ『あ〜、じゃあ出かけたのかな?ありがとう!』
ルル『あ、ああ。』
何でも屋の従業員全員、GPSをつけている。
ルルくんが提案したんだ。もし依頼で迷子になっても、みんながどこにいるかがわかるようにってね。
だからコンビニってわかったんだ。
で、近くのコンビニといえば、あのコンビニか!
でも近いから、やっぱりなんかつまむものでも買いに行っただけか…勘違いか。
よし、コンビニついた〜
入ると、ココくんはいなかった。
もっと奥にいるのかな?と思ったけど、いなかった。
店員さんになった…わけないか。
お菓子コーナーあたりを探していると、とある商品が目に入った。
それは、ASMR配信者のコラボ商品だった。
そのASMR配信者は、ココくんだった。(配信者名は、ココじゃないよ!!)
てことは、自分のコラボ商品買いに行ったのかな…?
で、その肝心のココくんは!?
もしかしてすれ違い…?
もう一回ルルくんに聞いてみよう!
プルルルル…
あ〜…2.3秒で出たか…少し遅くなった…
りむ『もう一回ココくんの居場所教えて?』
ルル『え、ちょっとまって…、動いてないけど。』
りむ『動いてない?コンビニ来たけどいなかったよ?』
ルル『はあ?もう知らねえよ。』
ぶちっ…
あ…きれちゃった。
でも動いてないって不自然だよなぁ…
ん?なんかある。
アイスコーナーに黒く小さい何かが落ちていた。
それが…
りむ『何でも屋従業員専用のGPS…!!』
---
黄葉ラボ『よくぞ来てくれた。』
黄葉ラボ『ココ。』
ココ『……今日が何の日か知ってる?』
黄葉ラボ「嗚呼、勿論だよ。だから来たんだろ?」
黄葉メイ「あ!おひさ〜!!」
ココ『君たちとはもう家族じゃない。』
ラボ「…いや、心の中ではまだ家族だ。家族を取り戻そうココ。」
ココ「何言ってるんだよラボ!!」
ココ「もうお父さんも交通事故で亡くなった。お母さんは海外へ出張中。お姉ちゃんは、家出…」
ココ『でも、そんなの全部作り話なんでしょ!?』
ココ『嘘つき!誰が家族だ!』
メイ「ま、まあまあ落ち着いて…!」
ココ「落ち着けるかよ…!」
ラボ『そうだな。ココの言う通り、全て作り話だ。』
メイ『え、言ってよかったの?』
ラボ『まあもういい。バレたのに隠したら何の意味もない。』
ラボ『だが、お前はそれを知ってしまった。』
ラボ『だけれど、もう一回取り戻せばいいんだ。』
ココ『どうやってだよ…!!』
ラボ『さあ?おい出てこい。』
メイ「あ〜あ。」
⁇『バイバイココたん。』
ココ『!?(背後を取られ…!!)』
ドン!!!
---
【十四話】美夜ココ視点、途中華野ヨウ視点に変わります。
…ん…?ここどこだ…?
薄暗い場所。床は冷たい。
寒い風が吹く、窓が開いているのかな。
どうしてココは知らない場所にいるんだろう…
どうして…?
?『起きたか。』
!!
美夜ココ『ラボ…!!』
黄葉ラボ『……』
相変わらずの無言…
なんかイラつくなぁ…!
ココ『ねえ何した?僕を捕まえて何がしたいの?』
ラボ『才能開花。』
さ、才能開花…?
ラボ『お前の呪いを活性化させるんだよ。』
活性化…!
ココ『そ、それは!!』
ラボ『もうやっちゃったから遅いかなぁ〜』
なんだよこいつ…!?
---
⁇『活性化か。』
ラボ『ココは程よい能力を持っているはずなのに、それを使わずに過ごすからもったいないと思ってな。』
⁇『流石、黄葉家。』
⁇『黄葉家は、古くから呪いの瞳を持っている人間が多い。』
⁇『…その中から、9つの呪いに選ばれた人が、黄葉家から"3人"も出るなんて。』
ラボ『まあ、そのうちの一人は、能力なんて使わないし、もう一人は封印しようとするし、なんなんだよ…』
⁇『まあいいでしょう。』
⁇『現在見つかったのは…7人。あと二人。』
ピロン!(ラボのスマホの着信音が鳴る音)
ラボ『……ちょっと、何でもやります屋に行ってくる。』
⁇『…分かった。』
---
(何でもやります屋にて…)(黄葉ラボ視点に変わります。)
お客さん『ありがとうございました!』
稲葉レオシャ『いえいえ〜』
丁度依頼が完了したのか、お客さんがレオシャにお礼を言う。
レオシャのすぐ近くには、マップが沢山散らばっていた。
僕は、レオシャに聞いてみた。
ラボ『…おい、ポラはいるか。』
レオシャ『ポラさんは、今バルコニーにいるけど。』
ラボ『わかった。』
俺は急いでバルコニーへ行った。
何故だろう、まるで体が勝手に動いてるみたいに。
そして、バルコニーについた。
ラボ『…ポラ…!』
ポラ『…どうした?そんなに焦っていて。』
ラボ『これはどういうことだよこれは!!』
僕はスマホを見せた。
そのスマホの画面に写っているのは、ポラとのメールのやりとり内容だ。
---
佐藤ポラ『今日、何でもやります屋のバルコニー来れるか?』
『別に』黄葉ラボ
佐藤ポラ『何か奢ろうか?』
『いやいい。』黄葉ラボ
佐藤ポラ『そういえば、我、そろそろ何でもやります屋やめようと思うのだがどうか?』
『うん』黄葉ラボ
『は?』黄葉ラボ
佐藤ポラ『そんなに驚くことか?』
『何言ってんだよ…』黄葉ラボ
佐藤ポラ『またあの日々へ…』
『今からバルコニーへ来い。』黄葉ラボ
『事情を全部話せ。』黄葉ラボ
---
ポラ『………』
ラボ『何があったかは知らないけど、辞める理由を話してもらおうか。』
ラボ『別にお前を止めているわけじゃない。』
ラボ『だが、突然こんなことを言い出すから、何があったかと心配したんだぞ…?』
ラボ『何があった。』
ポラ『あの日々に戻りたいの。』
口調がおかしい。
いつものポラではないよう。
ラボ『お前…誰だ?』
---
【十五話】
『ピリリリリリリリリ!!』
うわうるせえなぁ…!
あれ、こんな時間に目覚ましなんてかけてないはず…
今の音は、俺の目覚まし時計の鳴る音だ。
今は午前3時20分。こんな時間に起きるかよ。
じゃあ、何でも屋の誰かが悪戯ってことがあり得るな、今日見つけ出すか…
首領『何考えているんだい?』
華野ヨウ『え、あ、首領様!?』
首領『さあ、行くよ。』
ヨウ『え、どこへ…?』
首領『ひ・み・つ』
---
ついたところは、何でも屋の地下、所謂資料室みたいなところだ。
依頼内容などが書いてある書物などを保管してあるところ。
そして、依頼するにあたってもらう代償もここに保管してある。
少し広い。迷子になりそうだ。
首領『懐かしいね。』
首領様からそう言われる。俺もそう来たことはない。
地下室を管理しているのは日向だ。俺らが知ることでは無かった。
ヨウ『あの、なんで地下室へ…』
首領『今は、3時30分か…』
ふと思った。目覚ましってもしかして…
だが、そのことは首領様にはあえて言わなかった。失礼だったら嫌だからね。
首領『ヨウ。今、現時点で9つの呪いを持っている人はわかるか?』
え。少し動揺した。
ヨウ『あ〜っと…確かなんですけど、俺、首領様、黄葉、佐藤さん…しか分からないです。』
首領『そうか、そうかい。ヨウの中では、まだ4人しか判明していないと思っているのかい?』
ヨウ『でも、あの会議の時、黄葉がもう一人こなかったと言っていたので、誰かはわかりませんが、5人ほど判明しているのでは…と思っています。』
首領『ありがとう。』
首領『…3時33分になったね。』
…3時33分が何か関係があるのか?
俺はそう睨んだ。
そして、首領様が話し始めた。
首領『3時33分は、9つの呪いの覚醒時間なんだ。』
首領『例えば、持っている能力をこの時間だけ強くすることができる。』
首領『例えば、能力が分からない人に、能力を分からせるようにする。』
!!
…そういうことか。
首領様が何をしたいかが分かった。
俺の能力を判明させたいんだ…!!
ヨウ『ちょ、ちょっと待ってください。僕の能力が何か調べようとしてるのですか…?』
首領『いいや?そういうことじゃあない。ラボが、このようなことをし始めたら、すぐに止めなさい。』
首領『…大変なことになるから。』
…大変なこと…?
ヨウ『わ…わかりました。』
首領『ありがとう。』
首領『夜中に起こしてごめんよ。またぐっすり寝てくれ。』
ヨウ『はい。ではおやすみなさい。』
……寝れるかなぁ…()
俺は、布団に潜った。
能力…そういえば、気になるなぁ…
黄葉は、俺の能力を知ろうとしているのか…?
でも、首領様は止めた。つまり悪いこと…?
まあいいや、そんなこといちいち考えていたら、寝れない。
もう寝よう。そうしよう。
---
(何でもやります屋にて…)
黄葉ラボ『何を言ってるんだ佐藤ポラ!!』
佐藤ポラ『また、あの日常を取り戻すために…』
ラボ『…チッ…話を聞け佐藤!!』
佐藤ポラ『あの時は、楽しかった。幸せだった。でも今は…』
ポラ『あの日常を取り戻すために、私は何だってする。』
ポラ『黄葉ラボ、貴女を利用す…』
バタっ…(佐藤ポラが倒れる)
ラボ『佐藤!!…利用ってなんだよ…!』
ラボ『!!……もしや"あいつ"…!!』
---
美夜ココ『寂しいよ…!苦しいよ…!』
ココ『誰かココに…ご飯を…!』
---
【十六話】
とあるレストランのこと。
俺と、日向と、オルカと一緒にレストランへ行った。
八田は、行かないって言った。オルカも行くよって言ったら、結構動揺していたが、そのまま引きこもりを貫いた。
美夜は未だに消息不明。今レストランに来ている理由は、主に二つ。
まず一つ、美夜がどこにいるか探すための作戦会議。
手がかりになるものは、たった一つ。
何でも屋の従業員だけしか持っていない、何でも屋従業員専用GPS。
恐らくこれは美夜のもので、誰かに取られたと思われる。
…となると、当然加害者がいる。
その加害者は、まだ判明もしていないし、予想もついていない。
でも、加害者は何でも屋を知っており、何でも屋にいつでも侵入できる人物。
そうなると、何でも屋の従業員も当てはまるが、この時いたのは、日向りむしかいない。
八田に調べてもらった。
GPSが例のコンビニに動く前の行動、GPSは何でも屋からコンビニまで行った。
つまりコンビニに着くまで、他の家や店などに入っていないということだ。
コンビニに着いたら、店内だと思われる場所でうろうろ動いていた。
そして何分か経ったあと、止まった。その後、動くことはなかった。
美夜は、結構一直線に行く人だ。目的の場所に行くときは、いつも寄り道などしていなかった。
だから、コンビニで加害者に連れてかれたと思われる。
日向りむ『まず、加害者が誰か考えよう?』
りむ『僕的に、コンビニの店員や客…だと思ってる。』
華野ヨウ『でも一応、日向の自作自演もあり得るからな。』
りむ『うっ…でも、やらないと思っててほしい…』
羽瀬川オルカ『黄葉ラボさんは?』
りむ『なんで?』
オルカ『ほら、元々従業員やったやん、だからGPSがついてある場所わかってるやん。』
りむ『た、確かに…。しかも、ラボさんってピクニックの時、偵察みたいなことしてたし!』
ヨウ『おいおい、まだ決まったわけじゃねえだろ…』
でも確かに可能性はある。
この前だって、何でも屋に簡単に入れていた。
だから、可能性はそう低くもない。
りむ『じゃあ何でもやります屋もありえるよ〜?』
りむ『だってラボさんの仲間じゃん。』
まあそうだな。
でも、あいつらそんな暇あるか?
依頼とかで忙しい気がする。
まあ可能性は無くもない。
俺らは次の話へと移った。
でもその前に…
オルカ『このジュース美味しそうやけど、買っていい?』
りむ『いいよいいよ〜』
りむ『じゃあ僕はハンバーグ定食注文するね〜』
おいおい、あのさ、今は会議なんだけれども…
オルカ『じゃあ私も、スパゲッティー注文するで。』
好き勝手だなぁ…
---
なんか俺もノリで注文させられた。
買ったのは、フライドポテト。
あとは、アイスコーヒーを頼んだ。(喉乾くからな…)
りむ『ハンバーグ美味しい〜!!』
りむ『で、結局ココくんを連れ去った加害者の予想、誰になったの。』
ヨウ『まあ、日向に、例のコンビニの店員に、その場にいた客、さらに黄葉ラボ、何でもやります屋…だ。』
オルカ『選択肢多すぎやない?』
りむ『これじゃあ絞るには難しそう…』
りむ『では、次の話に移りましょう。』
そう、俺は次の話が重要だったのだ。
強く手を握る。何を聞かれるかわからないから、緊張感がする。
りむ『2つ目、ヨウくんの呪いの瞳について。』
そう、俺の呪いの瞳についてだったのだ。
---
りむ『……ヨウくんが話したいことは、呪いの瞳、9つの呪いを持っている人を探して欲しいんでしょ?』
ヨウ『…嗚呼。』
そう、探して欲しいんだ。
首領様が、探して欲しいと言っていた。…少しうろ覚えだが。
だから探すんだ。首領様のために。
りむ『でも、見つけたらどうするの?捕まえるの?それとも…』
ヨウ『見つけないといけないんだ。あの人のために。』
りむ『…あの人?って誰?』
りむ『もしかして…彼女…??w』
ヨウ『な訳ないだろ!』
変な妄想するなよって…
まあ、日向がそんな事言うと思った。
ヨウ『…日向たちも尊敬している人…なのか?人というか…生き物というか…』
なんだろう、首領様って呪いのあまりを使い果たすために、幽霊になったって感じだったからな…
でも幽霊なんて言ったら、「病院行ったら?」って言われるに間違いない…!!
(昔、トイレにお化けがいた!!って日向に言ったら、病院行ったら?と言われたことがある華野ヨウ。)
りむ『え、何それ怖い。』
オルカ『何言っとるねん…』
りむ『まあまあ、わかったよ。協力する。できる範囲でね。』
ヨウ『ありがとう。助かるよ。』
そう言って、お会計を済ませ、出ていこうとした。
でも、出てはいけなかった。
『ガチャンガチャン!!』
レストランの玄関ドアが開かなかったのだ。鍵が閉まっていた。
おかしい。何かがおかしい。普通だったら開いてる。
『ドンドンドン!!』
ドアを何回か叩いたが、外からの返答は無し。
周りにいたレストランの客も、どうしようと焦っていた。
そして、レストランの厨房から、人が出てきた。
それは…
ココ『まだこんなにいるじゃ〜ん。』
オルカ『ココさん…?』
りむ『え、ココくん…?なんで此処へ…!』
美夜ココだった。
ココ『あ、みんな〜!厨房見てみて〜!』
そう言われ、厨房に行ってみた。
ヨウ『っは…?』
シェフたちが、捕まっていたのだ。
手は縄で縛り付けてあり、体も壁から何故か離れない。
シェフ1『おい俺らを自由にさせろ!』
シェフ2『誰だお前!』
これをやったのが…美夜?
でもどうして…?
りむ『これは逃げるしかないと思う…!』
オルカ『でもココさんはどうするねん!このまま被害広げていっちゃうかもしれないやん…!』
ヨウ『じゃあ俺らが止めねえと!』
止めようとしたが、どうやって止めよう。
ココ『3人とも、レストランの料理って美味しいね。あ、3人も注文した?それちょーだい。』
は?
りむ『あ、ハンバーグ食べちゃった…w』
ココ『え〜なら仕方がないな〜…ポテトある!食べていいよね、パクッと。』
あ、俺のポテトがぁ…
袋に入れて持って帰ろうと思ったのにな……
まあそんなことはどうでもいい。
ヨウ『おい美夜』
ココ『何?』
ヨウ『レストランの玄関ドア閉めたのお前か?』
オルカ『(玄関ドアっていうんか…)』
ココ『うん、そうだね。』
ココ『だって〜、』
ヨウ『だっては要らない。』
……少し強く言い過ぎたか…
もうちょっと発言を改めるべきだったな…
ココ『さあて!次は人間が料理を作る番!作ってよ〜、作らないと…ね?』
何この圧は…
ココ『ココ食べたいよ〜!!』
客がざわつく。
仕方がないと、何人かの客が厨房へと入っていった。
ココ『あ、シェフはそのまま見守っててね。反抗した罰として…シチュエーションやってあげる♡』
『ガチャン!!!』
玄関ドアが開いた。
?『全くココったら〜』
?『仕方がない、うちがとっとと始末してあげるよ。』
黄葉メイ『じゃあね。ははっ…』
黄葉メイ…!!なんで此処に…!
ココ『何メイ、邪魔する気なんだ。』
ココ『ココ、食べたいって言ってるじゃんか。』
メイ『流石能力・食事の男が活性化したらやばいねぇ〜』
メイ『じゃ、いっちょ行きますか!』
『ドドドドド…!!』
黄葉メイが地面の中に潜っていった。しかもすごいスピードで。
そして、美夜がいる地面から飛び出してきた。
ココ『うわああ!!』
メイは美夜を抱っこして連れて帰った。
ほんの一瞬のことだった。
それにしても、メイさんはなんで地面をあんなスピードで潜れるんだ…!?
モグラより早いぞ…!
---
⁇『はぁ…これで何回吐いたことか…』
⁇『…何でも屋のみんなは元気にやってるかなぁ…』
⁇『……もう二度と口にしないでね…』
---
【十七話】黄葉メイ
日向りむ『へぇ、能力っていうものがあるんだ。』
ここは、何でもやります屋!
名前通り、何でもやっちゃうお店屋さんなの!
どんな無茶をしても、必ず叶えてあげましょう!!
えへへ、最近お客さんにこれ言ってるんだ〜
あたしは黄葉メイ!
黄葉ラボの妹!
……そして、黄葉ココの妹。
まあココたんの今の名前は、美夜ココなんだけどね。
お母さんとお父さんが離婚したんだ、だから離れ離れになっちゃったの。
お兄ちゃんとあたしは、お父さんへ。
ココたんは、お母さんへ。
とにかく、バラバラになっちゃったってわけ。
で、なんであんなにココたんが女の子っぽくなったかっていうと…
お母さんが、AV女優なんだよね。
だから、ココたんも禁断の道に行ってしまったみたいな…感じ!
今になっては、どちらもエロいことしか考えてないんだよね〜
あ、本題にいくね!
今、何でもやります屋に、何でも屋の代表として、華野ヨウさんと日向りむさんが来てるの!
で、なんか関係がないかどうのこうのって、日向りむさんに質問攻めされてる!
なんの質問かというと、ココたんのこと。
何かしたのか〜って言われてる。
日向りむ『だ〜か〜ら〜…』
黄葉メイ『じゃあ一から話すね、一から!』
黄葉メイ『ココたんはね、元々あたしのお姉ちゃんなの!』
黄葉メイ『血が繋がってるの!黄葉ラボと、あたしとココたんは。』
てか、話してよかったのかな?まあいっか!
りむ『…元々ってことは、離婚とかなんとかしたの?』
メイ『親が離婚だよ〜、あの時はびっくりしたなぁ〜』
まあびっくりしたかというか、当然だったんだよね。
お父さんは浮気して、お母さんは詐欺をして、なんだかんだでどちらも悪い人。
どちらも何かしらやってるから、自分はびっくりしなかった。
華野ヨウ『でも、あの時はどうやって美夜があんなことしてるのに気がついたんだ?』
ヨウ『居場所もわかったじゃないか。』
まあこれは皆さんわかると思いますけど、お兄ちゃんがこの前ココたんの能力と呪いを活性化させたよね。
活性化を知っているあたしは、もちろん何をしているかがわかっている。
さらにさらに、お兄ちゃんからココたんを監視しててって言われちゃってるから、流石にわかる。
まあ止めたくも無かったなぁ〜って思ってる。
でも、これらを言ってしまうと、あたしとお兄ちゃんがやばいので、
メイ『居場所がわかったのはたまたま。ココたんがあんなことしてるとは思わなかったよ…』
メイ『店に入った時に気がついたんだ。』
嘘をついた。
ヨウ『そういえば、地面をすごいスピードで潜っていったがあれは…?』
え、なんか嘘をつきにくいものが来たんだけれど…!?
これは正直にいうしかないか…
メイ『私、9つの呪いの一つを持ってるの。』
ヨウ『は…』
メイ『驚いた?』
メイ『まず、能力は"硬化"』
メイ『体が硬くなるの。だから地面なんて早く潜れる。固い壁も、ぶつかれば崩れる。』
『硬化』
あたしはこの能力を好いている。
でも、ひとつだけ嫌いなところがある。
馬鹿にされるんだ。女だから。
女が、こんなに強くなっていいのか。
そうやって、親友だった子から言われた。
今、その子とは絶縁。
でも、もう一回そんなことが起こったら…
あ、気にしないで!うんうん。
---
⁇『もうすぐ始まる、私たちのショーが。』
---
【十八話】
何度も何度も探しているが、見つからない。
この白い空間にいるはずなのに、見つからない。
探しても探しても、探している人は見つからない。
探し始めてから何日経ったか…もう諦めようとしていた。
下を向いて歩いていると、
『ゴホン!ゴホン!』
咳き込む声がした。
前を向くと、探している人を見つけた。
それが"あいつ"だった。
黄葉ラボ『…やっと見つけた。探してたんだぞ。いつものところにいないから。』
⁇『………うん。』
あいつは、いつも同じところにいる。
でも、今日はきっと行ったこともないだろう場所にいる。
ラボ『何やってんだ。』
⁇『…上を眺めていたの。』
ラボ『上?上に何かあるか?』
上、天井のことを示しているのだろう。
しかしここは"白い空間"
辺り一面白いのに、上を見て何が楽しいのだろうか。
俺にはわからなかった。
でも、俺が話したいのはそれではない。
ラボ『じゃあ、本題へと行くが、お前一体なんなんだ。』
⁇『……なんのこと。』
ラボ『佐藤ポラのことだ。』
⁇『……』
ラボ『先日、佐藤ポラが洗脳された。現在は洗脳は解除されている。だがしかし、言っていることもお前とよく似ている。そして、喋り方もお前と似ている。そしてあの言葉も佐藤は言った。』
ラボ『お前がどうやって、何をしたかは分からないが、まずは、お前なんじゃないか?』
佐藤ポラが洗脳されたのは覚えているな?
だが、メールに送ってきた内容が、あいつと似ている。だからあいつなんじゃないかなと。
まああくまでも予想だ。だけれど、他に知っているやつでは当てはまる人物はいない。
⁇『…あの言葉、覚えててくれたんだね。』
⁇『もう、てっきり忘れてると思ったのに…』
ラボ『当然だ。何故なら、忘れないでとお前が言ったはずだ。』
ラボ『さてと、結局どっちなんだ。お前がやったのか?それとも…』
⁇『やったよ。』
ラボ『…やはりそうだったか。』
あいつは目を逸らした。
気づかれないとでも思っていただろうか。そんなに俺を甘くみていたなんて…少し悲しいような。
⁇『でも、もう遅いよ。』
ラボ『は?』
⁇『あなたがもう私の罠に引っかかったからね。』
罠…!?
俺は少し動揺する。
そして一歩下がる。
何もない空間に、不穏な空気が漂う。
⁇『私はあの生活をどうにかして元に戻したいの。そのために…そのために、あなたを利用させてもらう、黄葉ラボ。』
⁇『利用させてもらう…というか、もう利用した。と言った方が正確。』
ラボ『罠、とはなんだ。まあ答えるはずもないか。』
⁇『いいよ、もうあなたは用済みだから。』
用済み…?
そして、白い空間は真っ黒に染まり、足元もあいつも見えないぐらいに明るい部屋が急に暗くなった。
⁇『最初、出会った時に言ったよね、9つの呪いを持っている人物を探してほしいと。』
⁇『それは、もちろんあなたも知りたかったと思う。でも、もう全員わかったの。』
⁇『私は、9人全員揃ったら、世界を救えると言った。どうやって救うかはもう黄葉ラボには言ったはず。そう、「呪いが光となる。」って言った。でも、呪いが光になるって、そんな馬鹿みたいな話、あなた信じたの?』
あいつ、馬鹿にされたような話し方になってきた。
確かに信じた。この世界、能力や呪いがある世界なら、そんなこともあるだろうと思ったんだ。
でも、俺が甘かったみたいだな…
⁇『あの日々を戻すための最初の材料になるのは、黄葉ラボかなぁ?』
そう言われ、俺は落胆した。そして、床に座った。
⁇『私のために、今日から頑張ってね…なんてね。』
床から、奇妙で不思議な黒い生き物が襲ってきた。
俺は走ろうとして、立とうと思ったが、もう遅かったみたいだ。
バイバイ世界、この世界は楽しかったよ。
そして、俺は黒い生き物に飲み込まれた。
⁇『ついに一人入手。これも、あの日々を取り戻すために。』
⁇『次は…この子にしよう。その方が、黄葉ラボも喜ぶよね。』
⁇『次は、"黄葉メイ"、君に決まり。』
---
【十九話】美夜ココ視点
なんであんなことしたんだろう。
確かに能力が活性化したこともあるけれど、呪いも活性化したってこと…!?
意味わかんない、ちょっと頭冷やさないとわかんないや。
そう思って、家に帰ろうとした。そしたら急に左手を掴まれた。
誰かと思って後ろを向くと、
羽瀬川オルカ『捕まえた!』
オルカだった。
---
オルカ『なんかいろいろ大変やったらしいけど、どないしたん?』
本当に散々だった。
もうわかってるかもしれないけど、ココは、黄葉ラボ、黄葉メイと昔家族だった。
だから血も繋がっているし、なんなら前まで苗字も同じだった。
でも、親が離婚したことによって、離れ離れになった。
…本当は、嫌だった。離れ離れになるのは。
でも、ならないと、親たちが不機嫌になるし、なんていうか…
そう、黄葉ラボが嫌うんだ。
黄葉ラボは親を嫌っている。
これは親の理不尽なことなんだけど、親は黄葉ラボの能力、呪いが嫌い。
黄葉ラボの能力は、ご存知の通り"洗脳"
人を洗脳することができる、結構敵になると厄介な能力だ。
呪いは、みんな知らないよね。
"記憶喪失"なの。
……全部忘れちゃうの、言葉も、自分も、みんなも。
…滅多にないって思ってる。でも、とある日、発動しちゃったんだ。黄葉ラボの呪いが。
ココが…6歳ごろの頃かな。
ココが9歳なら、メイは10歳、ラボは14歳。
ラボは、サッカーが得意だったんだ。
サッカーの試合当日の朝の時だった。
『サッカーってなんだっけ。』
って、言い始めた。
家族も、ココも、呪いが始まった…と思った。
だから、ラボは、いつ呪いが発動するかわからない。
メイの能力は、"硬化"
体が硬くなって、丈夫になる。
そして呪いは、"言葉"
いつか言葉が喋れなくなる呪い。
まだ発動はしていないけど、先程言った通り、ラボも突然発動したから、メイもいつ発動するかわからない。
…ココなんてしょっちゅう発動してるよ。
嗚呼、先に言っておかないとね。
実は、ココも…
9つの呪いを持っている人なんだ。
能力は、"食事"
一番マシかもしれない。
食べたくもないのに、食べ物を食べてしまう、少し変わった能力だ。
使い道はない。これは時々発動する。
呪いは、"夢中"
つまんないことも、夢中になってしまう。
…マシな呪いだから、しょっちゅう発動する。
少し面倒なんだw
あ、オルカに話すの忘れてた…w
オルカ『…なあなあ、ココさん、泣いてるで?』
え?
そう言われてると、なんか泣いてる。
なんで?なんで?なんで泣いてるの?
オルカ『ハンカチ貸してあげるで、これで拭いてねん。』
そう言って、オルカはハンカチをココに渡した。
ココはそれで拭いた。
ココ『ありがと…』
ココ『なんか…泣いちゃってたね。』
そして辺りが静かになる。
……
『ポン!』
!?
急に肩を痛くない強さで叩かれた。
ココ『りむ…』
日向りむ『この件は全部聞かせてもらったから!』
え?
聞かせて…?
ココ『喋ってないけど…』
りむ『ぶつぶつ小声で喋ってたから、聞こえてたよ。』
え、え、え?
なんで喋ってるの…w
りむ『帰ろ帰ろ!この件はもう終わり!こんな暗い話してたら、仕事増やすよ!』
オルカ『それは嫌や!』
ココ『ココもw』
そして、3人で何でも屋に帰った。
この件は、無かったことにされた。
---
黄葉ラボ『はぁ…!はぁ…!(過呼吸)』
黄葉メイ『っ…いっ…!』
⁇『9つの呪いの栄養は満点だね…』
⁇『これで、またあの日々に戻れそう。』
⁇『でも、まだ足りない足りない。』
⁇『黄葉メイもあっさり捕まったことだし、次は…』
⁇『華野ヨウ、君がターゲットだよ。』
---
【二十話】
⁇『華野ヨウ…能力はわからないけど、案外使えそう。』
⁇『…でも、私はあの3人に会いたいの。』
⁇『だから…』
---
オルカと、八田でショッピングモールに行った。
八田がショッピングモール?珍しいねって思っただろ。
俺も思った。そもそも誘ってくるはずもないと思ったが、なぜかきた。(引きこもりが。)
ショッピングモールの中に入ると、すぐにオルカがとある店に指を差した。
オルカ『ここいかへん?』
差した場所は、服屋。
オルカ『めちゃ可愛い服たくさんあるからみにいこ〜』
そう言って、服屋に入って行った。
オルカが言っていたように、確かに沢山の可愛い服があった。
オルカにはぴったりだ。
オルカ『ルルさん、私に合うもの選んでくれへん?』
ヨウ『八田、奢れよ。先輩なんだからさ。』
八田ルル『(え!?僕が、オルカの服を選ぶってこと!?つまり、僕がオルカに着せたいものを着せることができる大チャンス!!やばいどうしようどれも着せたい。どれも全部買ってあげたい…!でも、最近とある配信者に金を貢いだせいで、金欠だわ…!でも安い服あげたら、ヨウになんか言われる。だから、あえて高く、自分が着せたいもの、そして似合うものにしよう。でも、迷う〜!!)』
ヨウ『お〜い?』
ルル『(はっ)』
ルル『こ、これがいいんじゃないか…?』
ルルが手に取ったのは、青色のコートだった。
オルカ『確かに青色似合うなぁ!ありがと!』
ルル『(はい最高ありがとう言われた〜!!!)』
---
次に俺らは本屋に行った。
とは言っても、本をあまり読まない。
二人もあまり読まないだろう。
でも、何故か行きたくなったのだ。
オルカ『ちょっと、コミックコーナー行くで〜』
ルル『ぼ、僕も行く。』
オルカ『オッケー、じゃ、ヨウさんまた後で!』
二人は、コミックコーナーへ行った。
俺は今、ちょっとした雑誌コーナーにいる。
…俺は雑誌を読みに来たわけじゃない。
……違和感がある。
ショッピングモールに入ってから、誰かが俺をずっと見ている気がするんだ。
今も。
視線を感じる。
周りを見渡しても、雑誌を夢中に読んでいる人以外、誰もいない。
雑誌を読んでいる人が、俺を見るなんてことはあり得ない。
…じゃあ誰が…?
少し下を向いて、黙って考えていると、また周りを見渡した。
…いない。
雑誌を読んでいる人がいない。
え、さっきまでいたのに…
雑誌コーナーにいる時間は長いと思う。
そりゃあ立ち読みしてるから、ぜんぶ読み切りたい人が多いだろう。
でも、いない…?
そう思って、雑誌コーナーを離れると、いたんだ、誰かが。たった一人。
⁇『初めまして。』
華野ヨウ『はっ…!?』
そこには、知らない女の子と、黒い怪物みたいなものがいた。
華野ヨウ『ちょ…え…?』
⁇『君が必要なの。君がいないと、私が求めているあの日々には、戻れないの!!』
そう言って、黒い怪物は俺を飲み込んだ。
逃げる隙がなかった。
⁇『…お利口ね、私の相棒…』
⁇『次は…佐藤ユリ、かなぁ…』
---
【二十一話】??視点
無事、黄葉ラボ、黄葉メイ、華野ヨウを確保することに成功した。
次は、佐藤ユリ…
佐藤ユリの能力、『ダミー』が地味に厄介な気がしてきた…
でも、捕まえないと、今までやってきたことが意味無くなっちゃうからやらないと。
"またあの日々へ…"
---
私は、佐藤ユリの現在地に来た。
現在地は…何でも屋?
普段なら何でもやります屋にいると思ったけど…違ったらしい。
まあそんなのはどうでもいい、私は佐藤ユリを捕まえれたら、それでいいんだから。
そうして、私は何でも屋のドアを3回叩いた。
ガチャン(ドアが開く音)
日向りむ『いらっしゃいませお客様。』
出てきたのは、りむだった。
その奥には…
佐藤ユリ『…なんでここに。』
佐藤ユリもいた。
日向りむ『今日はどんなご用件でしょうか。』
勿論りむはお客様だと認識している。
⁇『…私、佐藤ユリさんに会いたいの。』
りむ『え、あ、そうなんですか。だって、ユリさん。』
佐藤ユリ『……』
りむ『ユリさん?』
私は店に強引に入った。
りむ『わっ、ちょっとお客様!?』
そして、左手は佐藤ユリの頭を掴んだ。
佐藤ユリ『…何する気。ここにきた時点で、貴方が私を裏切ることがわかった。』
ユリ『目的は。』
⁇『またあの日々に戻りたいだけ。』
ユリ『はぁ…ほんと自分勝手よね…』
だから佐藤ユリは嫌いだ。
全てを読み取られてる気がするから。
私は、右手から相棒を出した。
相棒というのは、黒い化け物のことね。
昔に、…師匠のお父さんからもらった。
⁇『さあ私の相棒、佐藤ユリを飲み込んでちょうだい。』
りむ『え、え、ユリさん!?』
そして、相棒は佐藤ユリを飲み込んだ…と思った。
でも、飲み込んでいなかったのだ。
ダミーを飲み込んだと思った。
でも、違った。ダミーじゃない。
ダミーも本物も飲み込んでいなかった。
⁇『…!なんで…?』
??『それはこっちのセリフさー?』
!!
誰かいる。
私はその声がする方を見ると、
見覚えのある姿が見えた。…しまった、あいつだ。
ユリ『…誰か知らないけど、ありがとう。』
りむ『ありがとうございます…!』
??『いやぁ、君は何を考えているのかさっぱりだね。』
??『あの日々に戻りたいとか言ってるけどさー、逆にどうやって戻るの?』
??『もう過ぎちゃった日々を戻すなんて、なんか最低じゃない?』
??『知らないけど。』
そう、こいつは…9つの呪いの持ち主の一人…
春桜まこと『まあ僕は正義の天使ちゃんなんでね。こういうことは止めちゃいますよ。』
『春桜まこと』だ。
まことが、そう言って、私の両手を掴んだ。
まこと『次出会った時、何しますか?』
⁇『っ…』
私はまことの手を無理矢理はなし、何でも屋を出ていった。
こんなことになるとは思っていなかった。
失敗だ。でも、次は失敗できない。
佐藤ユリを狙うか?でももうあいつらに顔とか覚えられてそう。
じゃあ次は…美夜ココ、そうしよう。
---
日向りむ視点。
それにしても、あの人誰だったんだろう…
なんか怖いモンスター出してたし!!
春桜まこと『あ、自己紹介しないとね。』
まこと『僕は、春桜まこと!よろしくね。』
まことさん…
佐藤ユリ『そういえば、なんか正義の天使ちゃんって言ってたけど、なにそれ。』
まこと『嗚呼、あれですね。正義って自分では言ってますけど、正義の活動やってるかちょっと不安ですね…あ、天使ちゃんは本当ですよ。』
日向りむ『へぇ〜、へぇ…?』
りむ『え?天使?』
まこと『うん、天使!』
天使〜!?!?
---
【二十二話】日向りむ視点
なんか自分のことを天使って言っている少年『春桜まこと』は、あの謎の少女の正体が書いていないか、何でも屋の資料が沢山ある地下室に行こうとした。
日向りむ『なんもないよ。地下室なんてさ。』
佐藤ユリ『まあまことさんの好きにしてやりなさい。彼はまだ能力が判明していない。もし、あの少女の正体が見つけられる能力なのならば…』
春桜まこと『全然能力じゃ見つけられないよ?』
ユリ「期待して損したわ。」
ユリさんは、ソファーへと座った。
まことは地下室へ行った。
僕は、まことさんについて行った。
りむ「ちょっとまことさんの様子見に行きます。」
ユリ「わかった。変なことしてないといいんだけれどもね。」
---
地下室にいくと、依頼の内容やその依頼をされた日にちや、依頼人の個人情報など、本がずらっとあった。
僕はあまり散らかしたくはなかったので、あまり触れないようにしていた。
でも、まことがめちゃ触っているのに気がつき、僕は棒立ちしていた。
僕は完全に存在が空気だ…
まこと『あ、いたんだ君。』
ほらね…
まこと『めちゃくちゃ本があるね。掃除はしないの?ほこり被らない?って、え?ないじゃんほこり。』
そうなんだよ。
僕が、何でも屋の従業員になってから、4ヶ月ほどたったぐらいのときに、首領様が教えてくれた。
首領『地下室は、ほこりは一切被らない。なんでだろうね。』
と言われたことがあるのだ。
だから放置してたけど、まさか首領様が言ってた話が本当だったとは、少しびっくりした。
まこと『…なんだこれ。嗚呼、従業員の出勤簿か。え〜と、なになに?』
まこと『…3年前の出勤簿…』
3年前は、まだ僕がとれたてほやほやの時だな…
懐かしい〜!!
確かあの時の従業員は、少なかったなぁ。
ルルくんに、ホシくん、めめちゃんに、首領様!
…確かそれだけだったよね。
まこと『へえ、意外に人数少ないんだね。こんなに面白そうな店なのに。』
りむ『まあ?あんまり従業員受け付けない店なのでね。』
そう思っていると、
まこと『あれ、この子やめたの?』
まことが3年前の出勤簿を僕に見せた。
りむ『…誰…この子…』
まこと『…』
その出勤簿は、僕の名前もあった。
さっき言った、ルルくん、ホシくん、めめちゃんに、首領様。
でも、知らない子がいた。
『亜星 光』
読み方はわからないが、そう書いてあった。
僕は知らない子の名前をじっと見つめる。
思い出さない。思い出せない。
あほし ひかる…?
あほし ひかり…?
あせい ひかり…?
あせい ひかる…?
僕は読み方を思い出せれば思い出すと思ったが、やっぱりわからなかった。
僕は、完全に忘れてしまったんだ、と思った。
まこと『…へえ、面白そうな子じゃん?』
---
【二十三話】
…暗い、なんだここ。
…あの黒い化け物に飲み込まれてから、俺はどうなったんだ?
手や足は、黒い硬いもので動かせないようにされていて、俺の右隣には、黄葉メイがいる。
口に、ガムテープがついていて、話すことができない。
黄葉メイは、眠っている。
…眠っているというより、何故か苦しそうだった。
俺は苦しくなかったが、何処か力が吸い取られているような気がしたのだ。
それにしても、静かな場所だなぁ…
俺はそう思っていると、急に息が苦しくなった。
痛い、どこか痛い。なんでかはわからないが、痛い。
口から空気は吸えない。鼻で空気を吸うしかなかった。
鼻だけじゃ、空気の量が足りない。
そして、痛みと苦しみが急になくなった。
何故かスッキリする。
ここは、黒い部屋のようだ。
人が生活できそうな部屋。でも、壁や床の色は黒い。
ベッドが3つ、机が1つ、いすが3つ…
なんでいすやベッドが3つ?
俺は違和感をなんとなく覚えた。
…でもおかしいな。さらに違和感を覚える。
確か化け物に飲み込まれたはずなのだが、化け物の中に生活できる部屋があるって、おかしくないか…?
ガチャン!(ドアが開く音)
乱暴に開けたのか、五月蝿いドアが開く音が聞こえた。
ドアの方を見ると、一人の少女がいた。
??『…こんにちは。』
…こいつは、あの化け物の主人、とも言える人物だろう。
??『…隣にいる黄葉メイは、貴女と同じ、捕まったの。』
⁇『でも安心して、まだまだ捕まえるから。」
⁇『また、あの日々へ…』
!!
八田が洗脳されていた時に八田が言ってた言葉だ。
もしかしてこいつが洗脳…?
でも、黄葉ラボが洗脳したはず…
黄葉ラボは、こいつの支配下ってことか…?
俺は混乱してきた。
⁇『…ガムテープ剥がしてあげるから、質問に答えてね。』
びりっ!!(ガムテープが剥がされる音)
痛っ…
ガムテープが剥がされたのはいいが、痛かったなぁ…てか、質問って何だろう…
⁇『じゃあ質問に答えてね。1、みんなは元気?』
華野ヨウ『…みんな?』
⁇『何でも屋の従業員。』
ヨウ『え、あ、嗚呼。みんな元気だ。うまくやってる。』
こいつ、何でも屋を知っているのか…
⁇『じゃあ2個目の質問ね。首領様は元気?』
……首領様を何で知ってる?
俺はますます混乱してくる。
え、元気だけど、亡くなってる…てか、あまり会わないし…
まあ元気って言っとこう。
ヨウ『元気です。』
⁇『…本当?』
ヨウ『え、本当だが。』
⁇『…ならいい。』
なんだよビビらせてくんなよ…
少しビビった。
⁇『じゃあ最後の質問。ちゃんと答えてね。』
え、早いな最後の質問。まだまだたくさん質問あるかと思ったじゃんか。
⁇『…仲間を殺した人間ってどう思う?』
……
ヨウ『仲間を殺してしまったら、その殺してしまった人は殺した時点で仲間じゃないと思う。』
ヨウ『でも、もし誤ってしまったなら、……言いにくいな。w』
⁇『…ありがとう。』
⁇『じゃあね。』
!?え、ちょっと?
ヨウ『おいこれ外せよ…!』
俺は、黒い硬いものを取れとあの少女へといった。
⁇『仕方ないな、黄葉メイも外してあげる。』
⁇『でも、私があの日々に戻れるように頑張るんだよ。』
ガチャン
…あいつ、何言ってるのかさっぱりだ…
---
春桜まこと『亜星 光、君だったんだね。』
まこと『君を天国に連れて行ってあげるよ。この僕、天使ちゃんがね。』
---
【二十四話】日向りむ視点、途中で視点変更。
日向りむ『えええぇえ!?』
思わず叫んでしまった。
オルカちゃん、ルルくん、そしてヨウくんが、ショッピングモールに行った。
で、今帰ってきたんだけれど、ヨウくんがいない。
事情を聞くと、ヨウくんがいないらしい。
探しても、アナウンスでお知らせしても、見つからない。
どうしてだろう…
まあこんなこと思ってても仕方がない。
ヨウくんを捜索しないといけない。
りむ『ヨウくんを探すよ。ココくんには後で言っておくから、オルカちゃんとルルくん、二人で探しに行ってきて。』
オルカ『わかったで!』
ルル『わ、わかった。』
ルル『(一緒に探せるなんて、今日は運がよかったなあ!ありがとう華野ヨウ、お前に感謝する。今日だけは。てか、オルカと一緒に探せるということは、一緒の空気を吸え、さらに一緒にいれる時間が長くなるということ。はいさいこー。今日死ぬかも。)』
---
(春桜まこと視点)
やっほー、みんなの天使ちゃん!春桜まことだよ。
『亜星 光』という謎の人物は判明したので、その人物を探しているのだけれど、見つからないから困ってるんだ。
だから、仕方がないけれど、僕の能力で地獄…いや、天国に行かせてあげようかなって。
僕の能力は、『天国行き』
生きてる人間を、天国に連れていける。
だから、亜星 光を天国に連れていく。
てか未だに亜星光の読み方がわからない。
そういえば、なんで亜星 光を?って思ってるかもしれない。
…亜星さん、以前人を天国に行かせたことがあるそうだ。
しかも、3人。そのうちの2人は、同じ店の従業員。
そして1人は、どうやら9つの呪いの持ち主だったそうだ。
9つの呪いの持ち主は、生きている人で8人ぐらいいることがわかったね。
僕は大きな誰かの館についた。
僕の赤ちゃん天使がここにいるって言っている。
僕はその大きな館に入ってみた。
中は暗い。アンティークものが沢山ある。
奥の部屋に入ると、いたんだ。人みたいなやつが。
春桜まこと『こいつか…!?』
僕は敵だと認知して、能力の天国行きを使った。
でも、人は天国に行かなかった。
まこと『は…?』
失敗したのか?最初はそう思っていたが、違ったらしい。
人じゃない。幽霊だ。
幽霊『おやおや、どうしたんだい?こんなところに来て。』
話しかけられた。男性のようだ。
まこと『あなたが…いや、|亜星光《あせいひかる》じゃない。』
幽霊『!?…|亜星光《あせいひかる》…!?もしかして、|亜星光《あせいこう》のことかい!?』
幽霊は、驚いた様子だった。
幽霊『亜星光がいたのかい!?』
…こいつ、亜星光を知っているようだ。
しかも名前の呼び方までわかるようだ。
あせい こう
まこと『ここにいるという情報が入った。ここにはいるか?…というか、そんな様子だと、知らなさそうだね。』
幽霊『嗚呼…知らないよ。でも君は、亜星光を探しているんだね?』
幽霊『よければ、協力させてくれ。僕も亜星光を探している。』
まこと『…まあいいんじゃない?足手まといをしないのなら。』
そして、なぜか協力されることになった。
あれ、天使ちゃん、幽霊と同盟組んじゃった〜?
まあいいけど、そういえば名前とか聞いてない。
幽霊『また会おう。この館で。』
まこと『あの、お名前は。』
幽霊『…私は、亜星光を知っているたった一人の幽霊と思っていてくれ。もう、亜星光を知っている人は、私しかいないのだから…』
一人しかいない…?
まこと『じゃなくて、名前!』
幽霊『…そんなに知りたいかい?』
神界諒『私は神界諒。元何でも屋の店主でね、何でも屋の従業員からは"首領"と呼ばれているよ。』
元何でも屋の店主…!?
---
【二十五話】??視点
最近すごくうまくいかない。
9つの呪いの持ち主だって、華野ヨウを捕まえてから、一切捕まえられていない。
3人じゃまだ足りないのに…
私は、華野ヨウ、黄葉メイ、黄葉ラボを捕まえた。
9つの呪いのパワーを吸い取っている。
その吸い取る専用の機械がある。
その中には、パワーが沢山あって、そのパワーは私の記憶の中へと入る。
あのことは忘れてほしい。
でも、忘れてない人もいる。だからもう一回、忘れさせなきゃいけない。
黄葉ラボ『……おい、お前、いつまで俺を捕まえる気か。』
黄葉ラボは、吸い取るための硬い紐で動けないようにしている。
黄葉ラボ「何をやっても、お前が望んでいる日々には戻れない。何でも屋にそう簡単には"戻れない"。」
…嗚呼、黄葉ラボが言っちゃった。
私、何でも屋の元従業員なの。
でも、同じ従業員とか殺しちゃったから、何でも屋を辞めたの。
でも気づいたの。やっぱり何でも屋に残った方がよかった。
でも、今更歓迎してくれるとは思えない。
だから、私はこの力で取り戻す。あの日々を。
黄葉ラボ「解放しろ。」
⁇『私、あなたを解放したら、どうなるの?」
ラボ「は…?」
⁇「死んじゃうの?それとも…」
ラボ「………」
私が変な妄想したからこうなったんだ。
…でも、言われてみれば、この3人を捕まえても、戻れやしないな…
捕まえるペースだって圧倒的に遅いのに、何やってんだろ…
そう思って、私は黒い化け物を消した。
---
…黒い化け物を消したら、勿論捕まえた人たちも逃げ出す。だって、ずっと化け物の中にいたんだもん。
私たちは、公園にいた。
3人は動揺している。
黄葉メイ「え、なんか逃げれそう!」
華野ヨウ「おいおい、どうなってんだよ…」
黄葉ラボ「…おい、逃げていいのか。」
……
逃げてほしくないのに…
逃げていいよって言いたくなる。
なんでだろうね、私。
???『やっといた。探してたんだよ|亜星光《あせいこう》』
華野ヨウ「え、誰。」
???『ああ、まずは自己紹介からだね。』
春桜まこと「どうも!みんなの天使ちゃん!春桜まことです!」
…また厄介なやつが…
まこと「亜星ちゃん?くん?あんなことして楽しかったの?」
亜星光、それは。
亜星光(⁇)『…楽しくない。でも、やらないといけなかったの。』
この、私だ。
華野ヨウ『亜星光…?』
黄葉メイ『亜星光ってだれ〜?』
黄葉ラボ『所謂モンスター(偏見)』
まこと「君は、悪いことをした。仲間を殺したり…ね?」
亜星光「わざとじゃないの。わざと…じゃないの。」
まこと「…」
私、悪人なのかな?
所詮人だもん。今戦おうとしても、この天使には敵わない。
春桜の能力も、私にぴったりな能力だ。
亜星光「…ねえ、あなた、私を天国に連れて行ってくれるんでしょ?」
光「私を天国に連れてってよ…」
光「地球にいない方が、マシでしょ?」
華野ヨウ「え、ちょ…?」
---
【二十六話】
一体何がどうなっているんだ…?
急に天国に連れて行ってほしい亜星って奴がいるし、
天使?は?春桜ってやつもいる。
あれ、俺が捕まってる間に知らない人が増えてる…
よくわからないが、どうやら春桜ってやつが一応味方っぽい。
亜星は敵って感じ。
まこと「う〜ん…本当にいいの?一瞬だよ?」
亜星光「いいの。もう無かったことにしたいのに。」
亜星光「自分自身が無かったことにできないの…」
……
なんか俺も口を挟めないな…
そう思っていると、急に亜星光が消えた。
…え?どこに行った?
まこと「…本当に、天国に行ってよかったのかな。」
……は、つまり、春桜さんが天国へと連れてった…?
天使…自称天使って言ってるし、本当の話かもしれないが…
まこと「まあこんなことは置いといて。」
黄葉ラボ「置いとけるわけがねえだろ。」
まこと「……?」
ラボ「容赦ないな、お前。まあ、あいつがそう思っているから、いいことだったかもしれないが。」
まこと「まあね。僕、人間のお願いは何でも受け入れる派。できないことは知らないけどね〜」
まこと「久しぶりに人間を天国に連れて行ったから嬉しいよ。」
殺したってこと…?
俺は頭が混乱中の中、何でも屋に帰った。
---
一旦頭を整理しよう。
春桜さんは、亜星光を探していた。
黄葉ラボは、亜星光に捕まっていた。
亜星光は、春桜さんに天国に行きたいと言った。
亜星光は、仲間を何人か殺した。
だから、殺してほしいと願った?
う〜ん…何だかわからないなぁ…
華野ヨウ「誰か説明してくれないかなぁ…」
首領「説明しようかい?」
え、え?
ヨウ「何故首領様がいるんですか…?」
首領「散歩してたら来てしまってね。幽霊になってしまってから、日光アレルギーが無くなったから毎日が楽しいよ。」
ヨウ「そ、そんなに…w」
首領「じゃあ、本題を話すね。」
首領「亜星光は、元何でも屋の従業員なんだ。」
初耳なんだが!?
首領「亜星光は、殺しの依頼途中に…」
---
【これは、夢であってほしかったことだった。】
【××年×月×日×時×分×秒】
【亜星光、|有栖川《ありすがわ》ホシ、|松前《まつまえ》めめの3人で、殺しの任務に入っていたことだ。】
亜星光『ホッシー、めめ、今から例の部屋に入る。めめは、見張りをよろしく。ホッシーは一緒に入ろう。』
有栖川ホシ『オッケー』
【殺してほしい人物は、とある悪い団体のボス。この団体は犯罪や、密輸をしている。】
【3人は、殺しの作業に入った。】
亜星光『人は何人かいるけれど、ボスらしき人が見当たらないわね。』
ホシ『ねえこうっち、あれは何?』
【ホシは謎の袋に指を差した。】
【黒く塗り潰されている袋だった。亜星光は、袋の中身を見てみることにした。見ると…】
亜星光『え…!』
時限爆弾だった。
ホシ『ちょっとやばくない?ねえ、めーめヤバい!時限爆弾あった!』
有栖川ホシが松前めめに連絡している時、亜星光は時限爆弾のいろんな色の線、どれを切ろうかに迷っていた。
ホシ『ねえこうっち。これ色のやつ切らないといけないやつだよね…?』
亜星光『止めないと、関係ない人にも被害が及ぶ。よし、私たちが対処しよう!切ろう!』
ホシ『わかった。めーめ、引き続きよろしく。』
【そう言って、ホシは電話を切ると、早速亜星光が線を切った。】
ホシ『え、大丈夫…?』
亜星光『最初はあまりハズレには当たらないよ。確率的にね。』
【でも、悲劇は突然起こりうるものだ。】
【順調に切っていた2人は、このまま解除できたと思った。でも…】
亜星光『これが最後かなぁ?えい!』
【亜星光は、赤い色の線を切った。】
【すると、時限爆弾の爆発までの時間が止まった。】
ホシ『え、いけたんじゃない?めーめに連絡するね!』
【ドカーン!!!】
【亜星光の仲間は、一瞬にして消えた。】
【松前めめも、勿論のこと有栖川ホシも、そして関係ない人1人まで巻き込まれた。被害者は、合計3人だった。】
亜星光『全部…全部…私のせいだー!!!!』
【そう言って。亜星光は崩れ落ちた。】
【まるで全てを無くしたように。】
【関係ない人1人の名前は『歌羽リンカ』】
【実は歌羽リンカ、9つの呪いの持ち主。】
【そして歌手としても活動しており、この爆発事故で亡くなったことは、ニュースなどで報道された。】
亜星光『もう…戻れないや…』
亜星光『全部無かったことにしよう。』
【亜星光は、自分の能力『コピー』を使い、神界諒の能力をコピーして、世界の人々の記憶を消した。】
【しかし、神界諒の能力をコピーしたから、勿論神界諒には聞かなかった。】
【爆発事故があったことは、みんなわからなかった.】
---
首領『だいたい昔のことは語ってみたが、どうかい?』
首領『ごめんね、最近のことはわからないんだ。』
なんかわかったようなわからないような…
でも、あの時の様子はわかった。
華野ヨウ『ありがとうございます。』
首領『…これで、9つの呪いの持ち主全員がわかったね。さあどうするか…』
華野ヨウ『どうするって何をですか?』
俺はさらっと聞いてみると、
首領『ヨウ。まだ終わってないことがあるだろう?』
華野ヨウ『…え?』
---
【二十七話】
見事大体頭が整理された俺は、一件落着だと思ったが、首領様にまだ終わっていないことがあると言われ、連れてこられたところは、『何でも屋』だった。
しかも時間は深夜。
なぜこの時間なんだろうと思っていたら、首領様が俺に言った。
首領『もう、やることはわかっているだろう?』
え?
少し困惑したが、俺はやり残したことをふと考えてみた。
う〜ん…なんかいろいろ大変だったなぁ…
…本当に思い出せない…
俺は腕時計をつけていたので、時間が何時かみた。
『3:29』
間違いない。この時間でピンときた。
9つの呪いについてだ。
俺はまだ9つの呪いの能力と呪い、まだ判明していなかった。
AM3:33は、9つの呪いの覚醒時間。
首領様に教えてもらったことだ。
『例えば、持っている能力をこの時間だけ強くすることができる。』
『例えば、能力が分からない人に、能力を分からせるようにする。』
そう言われた。
だから、能力を知るために首領様はここに連れてきたのか…
俺たちは地下室へといった。
首領『…わからないかい?』
華野ヨウ『いえ、今思い出しました。』
首領『…何故やるというと、逆にその方が得なんだ。』
首領『…判明して、使えば私みたいにならないからね。』
そういうことか。
首領様が幽霊の理由は、呪いの余りを使い果たすためにいる。
俺がこのまま判明させないようにしたら、首領様のようになる。
首領『3:33だね。じゃあ始めようか。』
首領様は、地下室の奥で何かぶつぶつと言い始めた。
とは言っても何も起きない。
何をしているのかと思っていると、急に辺りが真っ白になった。
まるで異空間に飛ばされたように。
そして、首領様はこう告げた。
首領『ヨウ、君の能力は『視力』だ。』
首領『視力が凄く良くなる。糸と糸の繊細なところも細かく見えるんだ。』
え、なんか良さげな能力…?
首領『そして呪いは…『食欲』だ。食欲がいつかはなくなるんだ。』
なんかいや〜な雰囲気…
首領『ごめんね、判明に長引いて。』
華野ヨウ『いえいえ!大丈夫です。』
首領『私はもう行くよ。』
華野ヨウ『え、どこへ…?』
首領『閻魔様のところへ。』
…!?
俺は、首領様を呼び止めようとしたが、呼び止められなかった。
俺は首領様に決めて欲しかったんだろう。
首領様の体は、消えかけていた。
華野ヨウ『え…!ちょ…!』
首領『さよなら、とみんなにも伝えておいてくれ。』
俺は最後に聞きたかったことを聞いてみた。
華野ヨウ『待って!あなたのお名前は…!!』
首領『…ああ、』
神界諒『神界諒、と言うよ。』
そして、いつのまにか首領様は消えていた。
---
(次の日の朝…)
日向りむ『おはようみんな、今日の店番担当は誰〜?』
美夜ココ『今日はオルカじゃないかな。』
羽瀬川オルカ『そうやね。』
華野ヨウ『…おはよう。』
俺はいつも通り、何でも屋に来た。
あのあと、首領様がいなくなってから、何時間か黙って座っていたけれど、結局帰った。
店番担当じゃないなら来なければよかったと思ってたのに、何故か来てしまった。
日向りむ『オルカよろしくね。僕今日は、近所の町内会があって…』
美夜ココ『ココは、ASMR配信やろうかなって。最近何でも屋がいろいろと忙しかったからね。』
日向りむ『まあヨウくんとか見つかってよかった。呪いのことも解決したんでしょ?話によると。』
解決…
首領様がいなくなることは、よかったのか、悪かったのか。
首領様が消えたのは、恐らく呪いの余りを使い切ったからだろう。
幽霊になったのが、呪いの余り。
亡くなってからあれだけの時間があったから、余りも使い切ることができただろう。
日向りむ『じゃあ行ってくるね。』
美夜ココ『よろしく〜』
日向、美夜は出ていってしまった。
オルカ『ヨウさんは何か用事なんかある?』
華野ヨウ『特にはない。』
オルカ『じゃあ何でも屋にいるん?』
ヨウ『まあ…そうだろうな…』
オルカ『わかったで。』
俺は、真っ先に地下室へ行った。
オルカ『…ん?』
---
地下室はやっぱり古臭い。
でも俺は首領様が消える前のところらへんを一生懸命探した。
あの呪いの覚醒時間にどうやって俺の能力を知れることができたのか。
あの白い空間はなんだ?
そう思っていると、一冊の本が落ちていた。
9つの呪いについてだ。
中を開いてみた。
覚醒時間に、9つの呪いの持ち主が呪いの力を分け与えると、わかることができる。
…そうか、首領様は、能力と呪いを使ったんだ。
オルカ『どうしたん?』
ヨウ『うわっ!』
オルカが後ろにいた。
オルカ『何があったかはわからんけど、ヨウさん、いつか話してよ。』
そう言って、オルカは行ってしまった。
…いつかは話さないといけない。
そう、いつかは……
その日の夜、俺はパソコンと向き合って、仕事をやっていた時だ。
オルカ『みんな帰ってきたで〜』
りむ『こんばんは〜、あ、ポストになんか入ってる。また広告かなぁ…』
りむ『…ん?宛先ない…』
りむがポストに入っていた紙をじっと見つめている。
りむ『何でも屋を、"天国町"にご招待します。って何?』
|天国町《てんごくちょう》…?
---
春桜まこと『この僕、天使ちゃんが天国町にご招待〜!』
---
読んでいただきありがとうございます…!
『何でも屋』バレンタイン小説2024
去年のバレンタイン(何でも屋バレンタイン2023)
https://tanpen.net/novel/c788f7f7-7227-4b79-9fab-41e530c7c9ee/
2回目です。
八田ルルsite
日向りむ『今日バレンタインだね、オルカ。』
羽瀬川オルカ『そうやな。でもチョコ作りたない…。』
八田ルル『去年は、ブラウニー作ったけど大変すぎて色んな意味で終わってたからなぁ。私はてっきりチョコを作ると思ってここにきてしまったよ。』
去年のブラウニーというのは、2023年に作ったブラウニーだ。この3人でつくるのが大変すぎてはちゃめちゃだったのだ。
もうこんな思いはしたくない。(まあオルカの手作りチョコが食べれるならそれでいいのだが…)
りむ『そういえば、生チョコは定番のひとつだよね。』
オルカ『そうやね〜』
ルル『え、作るとか言ってる?』
---
下準備
【チョコレートは細かく刻んでボウルに入れておく。】
りむ『ザクザクザクザクザクザク…。食べた〜い!!つまみ食いしちゃおっかなぁ〜』
ルル『はい?今なんとおっしゃいました??』
りむ『冗談ですよ〜』
【バットにオーブンシートを敷いておく。】
オルカ『バットってなんや?』
りむ『え〜、なんだろう…。専門用語かな。』
ルル『わかんね。』
材料の下ごしらえや、生地を冷やしたり、粉類をコーティングするときに使ったりと用途が広い道具。
1
【生クリームを鍋に入れ、中火にかけ沸騰直前まで温める。刻んだチョコレートを入れたボウルに一気に注ぎ、湯気が出なくなるまで待ち、泡立て器で混ぜ合わせる。チョコレートが完全に溶けてなめらかなクリーム状になるまで混ぜる。】
オルカ『もう意味わからへんわ…。』
りむ『生クリーム超美味しそう!これを温めてっと…。』
ルル『うおおおおおおお!!(泡立て器で混ぜているご様子)』
りむ『でも前よりはいい調子じゃない?』
ルル『フラグ建てないようにな。』
2
【オーブンシートを敷いたバットに「1」を流し入れ、表面を平らにして冷凍庫で1時間冷やし固める。(バットをテーブルなどにトントンと軽く打ちつけるようにすると表面が滑らかになります。)】
オルカ『はよ冷やせな。冷蔵庫、必殺技やで〜!』
ルル『暇だなぁ〜』
りむ『食べたいなぁ〜!!』
3
【バットからはずし、オーブンシートをはがす。温めた包丁で、4辺の斜めになった部分を切り落とし、好みの大きさにカットする。※生チョコを入れる箱やあげる人数に合わせて好みの大きさにカットするとよい。】
りむ『トントントントン』
オルカ『これは絶品やわ…。』
ルル『おいりむ、綺麗にカットしろよ。均等にな。』
りむ『わかってるよ〜』
4
【バットに茶こしでココアをふり、「3」を入れ、茶こしで上からも全面にココアをまぶしつける。】
オルカ『茶こしってなんや?』
少量の粉をふるうときや、飾りで粉糖をふるうときは、茶こしを使います。
りむ『これ作るの大変じゃない?』
ルル『うまそー』
完成!
オルカ『う〜ん…、でもこれな〜。』
りむ『あげるんじゃなくて…。』
ルル『食べたいよなぁ〜!!!』
みんなで仲良く食べました。あげる分は無くなったとさ。
そもそもりむとオルカは誰にあげるつもりだったのだろうか…。
レシピは調べました。
NOVELCAKE登録版にも投稿しています。
生チョコは作ったことない作者です。
『何でも屋』バームクーヘンの日小説2024
去年(2023年)のバームクーヘンの日の小説↓
https://tanpen.net/novel/643da742-ad08-42c6-ae5e-012e76052aab/
今年もやってきました。
今年はどんなことをするでしょうか。
それではどうぞ。
華野ヨウsite
俺はバームクーヘンを買ってきた。
スーパーマーケットでありそうな、ドーナツのような形をしたバームクーヘンの3分の1を袋で包装されているものを買った。
俺は何でも屋の従業員が5人なので、5袋買った。
(何でも屋にて…)
華野ヨウ『ただいまー。バームクーヘン買ってきたよ。』
日向りむ『気が効くね!丁度甘いもの食べたいって思って、思わずプリンに手を出そうとしてたんだ〜』
華野ヨウ『太るぞりむ。』
羽瀬川オルカ『甘いものは別腹やからなぁ〜』
華野ヨウ『オルカもりむと同じになってしまう!?』
りむ『そういえばお客さん来てるんだ〜』
そこには椅子に座っている佐藤ポラがいた。
佐藤ポラ『久しぶりだな。せっかくポラ様がこちらまではるばるきてあげたというのに…』
りむ『そういえばヨウくんがバームクーヘンを買ってきてくれたんだ〜』
ポラ『食わせてもらおう。』
食う気満々じゃねえか!!
俺は袋からバームクーヘンを取り出した。それと同時に別の部屋の扉から美夜ココがやってきた。
まるでバームクーヘンの匂いに釣られたように…
美夜ココ『丁度ファンクラブ限定ボイスを録り終わったところ。』
ポラ『ほう。そのなんとかボイスっていうのは、どんなのだ?』
ココ『甘めでドロドロで安息に丁度いい、見た人快楽にさせて脳イ…』
りむ『バームクーヘンあげないよココ???(圧)』
ココ『スミマセン』
ヨウ『俺が買ってきたんですけど…』
オルカ『でもこれ5個だけやけど、誰が食べるん?一人食べれんくなるけど』
確かに。みんな一瞬黙ってしまった。
お客さんの佐藤ポラも欲しがっている。けれど、何でも屋の従業員全員欲しがっているだろう。何故ならば…。
"バームクーヘンは絶品"だからである。
りむ『…僕は店長だから食べていいよね。』
ヨウ『こんなことに立場を利用するなよ、りむ。』
すっかりみんな黙ってしまった。
その時だった。突然、天井からクレーンゲームで見るあのアームが登場したのである。
オルカ『なんやあれ!おもろいなぁ!』
りむ『こんな機械、誰が操作してるの…?』
アームは5個のバームクーヘンを一気に掴んでしまった。
ポラ『ポラ様のバームクーヘンが!!』
ココ『すご〜い。でもこの後どうなるの〜?』
そして、アームはオルカの前に来た。そして、オルカの元にバームクーヘンが届いたのである。
ヨウ『…ん?』
りむ『それにしてもいつこんな機械が…。』
ヨウ『りむ。やばそうな機械を操作するのは一人ぐらいだろ?』
りむ『まあ、…そうだね。』
そしてこの場にいなかった八田ルルから電話がかかってきた。
八田ルル『しもしも〜』
ヨウ『もしもし。どうしたの?』
ルル『まあみなさん、僕の顔が思い浮かんだろうに。』
ルルは得意げに言った。
りむ『そりゃこんなド派手な機械動かされたら、そりゃルルくん以外の顔は思いつかないよ。』
ルル『まあ…バームクーヘンは全部オルカのものです。』
ポラ『何故だ!!ポラ様のじゃないのか!?』
ルル『だって…、』
ルル『バームクーヘンは存在している理由は、"オルカに食べてもらうため"、だからね。』
ダメだこの人。完全にオルカに依存してしまっている。
何でも屋は現在3期を連載中です!(๑╹ω╹๑ )
https://tanpen.net/novel/series/545e1be6-8f73-4323-9b95-bec619c4e126/
そして、NOVELCAKE登録版で現在2期連載中です!(3期はNOVELCAKEでは連載しない予定です)
https://novelcake.net/works/novelcake/?mode=view&no=74&id=siratori
そういえば3期始まって一年なんですよ…。
一年も経ってるのに未だに4期に入ってないのは申し訳ない…(−_−;)
頑張ります…!
読んでいただきありがとうございます…!
本編もよろしくお願いします…!!
何でも屋バレンタイン2025
久しぶりに検索欄に載せて投稿しています。
半年ぶりくらいです。
日向りむ『バレンタインのチョコ、今年は何作ろうね。ルル、オルカ。』
オルカ『そういえばこの季節がついに来たんやなぁ。』
ルル『なんでもいいだろ別に。(私は別にオルカに渡せればそれで…)』
日向りむ『一昨年はブラウニー、去年は生チョコ、で、今年は?』
オルカ『チョコチップマフィン!!』
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1
【やわらかくしたバターをボウルに入れ、泡立て器でクリーム状にし、上白糖、卵を加えその都度よくすり混ぜる。】
オルカ『うおおおおおおおおおお!!!』
りむ『ちょっとオルカ!泡立てたやつとばしてるよ!!』
ルル『(そんなところもオルカらしいなぁ〜)』
りむ『ちょっとルルちゃんぼぉーっとみてないで手伝って!』
2
【ふるった粉類の半量を「1」に加え粉っぽさがなくなるまでゴムべらで混ぜ合わせる。そこに牛乳の半量を加え混ぜ合わせる。残りの粉類と牛乳を加え混ぜ合わせたら、角切りにしたチョコレートの半量を加えてひと混ぜする。】
オルカ『ちょいとむずいなぁ。でもまだまだやなぁ。どないなっとんねんいま。』
ルル『オルカ頑張れ!!』
りむ『ルルちゃん手伝ってって何度も言ってるよね。』
3
【マフィンカップを敷いたマフィン型に生地を半分まで入れ、オレンジマーマレードを大さじ1/2量ずつのせる。上から残りの生地を流す。】
りむ『おお!それっぽくなってきたなってきた!!』
オルカ『やったでー!!まだやけどなw』
ルル『可愛いなぁオルカ。』
オルカ『なんかいったか?』
ルル『いや、なんでもない。』
4
【残りのチョコレートを「3」の生地の表面に散らし、180℃のオーブンで約25分焼く。】
オルカ『まだかなぁ。』
りむ『もうすぐだよ。』
オルカ『楽しみだな。』
りむ『オルカなんにもしてないからね???』
完成!
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りむ『僕はコウくんにあげてこようかな。』
オルカ『うちは〜…、誰にあげよう。』
ルル『オルカの手作りマフィン食べたいなぁ〜。いい?オルカ。』
オルカ『いいで!』
みんなで仲良く食べたり、あげたりしました。
自分で心を込めて作ったものは、きっと他の人が食べるよりも何倍も美味しいのだろう。
今年はチョコチップマフィンでした!
ちなみに去年は生チョコ、一昨年はブラウニーでした。
レシピはお菓子で有名の明治さんのレシピです。