異変で会いましょうの続編です。
あらすじ
魔界境に住むあなたは、南西異変解決学校に通っていた。そんなある日、「とある人物」から異変の解決をお願いされる。久しぶりに出た六つの異変。それを解決するためにあなたとその仲間たちは立ち上がる!異変に隠された真・真実とは…!?
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目次
異変解決手帳
ここでは「異変で会いましょう」に登場したキャラたちや続編の舞台などを紹介していきます。
ちなみにキャラの容姿は私のマイページにある「オリキャラAIチャットボット」で確認できます。
**キャラクター**
★#名前# 主人公。日本からの転生者。まだ前世を思い出せていない。#名前#の前世は謎に包まれている。
死因は車に轢かれたらしいが…。とても食いしん坊で優しい性格。しかし、結構、勘が鋭い。
★クラン 新キャラ。南西異変学校に通う少女。#名前#とは仲が良くなる。まだまだ謎が多い。
大体無口で、恥ずかしがり屋。でも#名前#となら本音で話せる。
★マリンカ 謎の光っている妖精。言葉は話せないけれど、リアクションで言葉を伝える。周りは黄緑に、中心が緑に輝いている。
★利麻 異変解決相談所の所長。よく自画自賛をする。おしゃれ好き。明るい性格で三葉とは気が合う。とてもポジティブ。
★三葉 異変解決ランキング1位の#名前#の大先輩。こちらも自画自賛をよくする。めちゃくちゃポジティブで、元気かつお調子者。利麻と気が合う。
★真里茂 血乃乃瀬島に住む、女の子。他者からの人気はすごい。花音と音呂と暮らしている。明るく優しい性格。ただたまにサイコパスな一面も…。それは「覚醒の実」の後遺症に違いない。「異変 赤毛の殺人鬼」
★花音 真里茂の姉。一時期闇落ち。今は真里茂たちと幸せに暮らしている。ネガティブで暗い性格。
★音呂 真里茂たちの叔母。一時期年が止まっていたが今は平気。すごい魔法使いを目指している。
★竜太 龍の子だったが、人間の世界で少し暮らしていた。今は龍界で#名前#たちを見守っている。勇敢。
★紅麗亜 勇翔の彼女。とても可愛いから人気。学校をたびたび休み、勇翔とデート。優しく明るい性格の持ち主。
★勇翔 紅麗亜の彼氏。一時期闇落ち。赤い涙に囚われ異変となっていたが今は紅麗亜と幸せな生活を送っている。冷静で落ち着いている。
★万鈴 #名前#とは仲が良かったマルリンカに住んでいる子。なぜか自分が異変の元凶だと言い、倒されてしまう。行方不明。
★魔芽乃 利麻の家になぜかいた狐。#名前#と協力し異変を解決しようとしたが…。
**場所**
♥︎南西異変解決学校 クランと#名前#の通う、異変解決について学ぶための学校。森の奥にある。
赤い雨
これは「異変で会いましょう」から3年後の話。異変解決学校であなたは仲間のクランと一緒に楽しく暮らしていた…。そんなある日…。
私は #名前#。今は南西異変解決学校の寮でお友達の「クラン」っていう子と楽しく話していた。私たちの話題というのは最近お流行りの「モンスターペット」だ。最近では友好的なモンスターをペットにしてるらしい。私もクランもまだ持ってないからどんな子を飼いたいか話していたんだ。
#名前#「やっぱりいい子がいいかなあ。お世話も大変じゃないでしょ?」
クラン「そうだね…。でもうちはちょっと凶暴な子もいいかなあ。やっぱりそんな子も可愛いじゃない?」
#名前#「そうだね!」
私とクランは楽しい話で盛り上がりだった。
クラン「でさあ…」
クランが何かを話そうとした時だった。ドアがノックされたのだ。私とクランは不思議に思い、ドア越しで声をかけてみた。すると担任の先生がノックしてるらしい。私は渋々ドアを開けた。
#名前#「…先生?どうなされたんですか?」
先生「 #名前#さん、 #名前#さんに用のある子がいます。校庭で待ってるわよ。いってきなさい」
#名前#「えっ?わたしに用…?まあいいや。行きますね」
先生「待たせるんじゃないわよ」
そういうと先生は職員室へ戻っていった。
#名前#「じゃ、すぐ戻ってくるね!」
クラン「うん」
私は校庭に出た。校庭は相変わらずの静けさだった。
#名前#「誰もいないよお?」
私はあたりを見渡す。でもそれらしき人はいない。
#名前#「…誰なのお?隠れてないで…」
「出てきてよ」と言おうとした時後ろに気配がした。私はびっくりして振り返った。そこには…。
#名前#「あ!花音さん!」
そう。知り合いの花音がいた。でも妹の真里茂も、おばさんの音呂もいない。
#名前#「花音さん。久しぶり!でも真里茂ちゃんも音呂さんもいないねえ?」
花音「 #名前#さん!それなんだよ。じっとしてる場合じゃないんだ!2人が不治の病にかかってしまったんだ!」
#名前#「ほえ?」
花音「詳しいことは…あっちの雑木林で話そう。」
#名前#「え?うん」
私はすぐ近くの雑木林にいった。そこには一軒の小さい小屋があった。花音の秘密基地らしい。私はそこで話を聞くことにした。
花音「実は最近、血乃乃瀬じまで変な赤い雨が降るんだ。しかも夜にね。夜、出掛けにいった真里茂と音呂が…その雨に当たってしまったんだ。」
#名前#「…それで?」
花音「その雨に当たった途端2人が苦しみ出してね。私は慌てて病院に連れていった。何かわかるかと期待したけれど…。お医者さんは何もわからないって…。新発見の奇病でさ…。しかも不治なんだ!治療法も新しい病だから見つからないし…。このままじゃ死んじゃう!そこで私は思ったんだ。これは異変かもって。だから #名前#と一緒に異変の元凶とか探したいの。」
#名前#「よくわかんないけど…いいよ!」
私はもちろんYESだ。仲間が困ってるのだ。助けないとね。
そういうことで…私たちは「赤い涙」を解決することにしたんだ。
企画終わってないけどやっぱり話始めることにしました…。
雲の上
花音「ふぅ、着いたよ。 #名前#!血乃乃瀬じま!」
#名前#「……」
花音「 #名前#?寝てるの?」
花音が振り向くと名前は…。船酔いしていた。そう。 #名前#は船に弱い…癖に船旅が好きなのだ。
花音「はあ…。とりあえず私の家に行って休もうか」
花音はそう言って #名前#を引っ張って自宅に連れていった。
#名前#「ふぅ。ありがとう。なんとか回復!花音の作るスープは美味しいなあ!おかわりお代わり〜!」
花音「 #名前#ったら…よく食べるなあ…」
私は花音の出すはるさめスープをごくごく飲み干していった。目の前にお皿が積まれる、積まれる。お皿の山だ。
花音「うわあ…。たださえ洗い物が大変なのにい…!」
#名前#「えへっ。ごめんね。」
花音「まあいいんだけど。」
私は一旦食べるのを終わらせた。流石に食べ過ぎだ。
#名前#「…真里茂ちゃんと音呂さんはどこにいるの?」
花音「2階の空き部屋よ。ベッドで休んでるわ…。2人とも顔が真っ青だし、目もずっと閉じたままなの…。」
#名前#「異変の元凶は…。空の上かなあ?」
花音「雨を降らしてるんだし、きっとそうよ。…私たちになんの恨みがあるのかしらね…」
花音は黙って明るい空を見つめた。
#名前#「ふう、ご馳走さん!じゃあ異変解決しよっかあ!」
花音「そうね…きっと異変の元凶は空の上よね。空にいきましょう」
#名前#「うん。って!空の上ってなあに?自分で行ったけれども…。空の上なんて…雲が広がるだけでしょ?」
花音「…血乃乃瀬島にはとある伝説があるわ。雲の上には広大な天空世界が広がってるって」
#名前#「…ふぅん。じゃあその天空世界…あるかわかんないけどいくっきゃないっしょ」
花音「そうね…。じゃあいきますか!」
花音は急に明るくなった。でも、いくってどうやってだろう…。
花音「私たちがよく移動で使う小型船を使う…。いいわね?」
#名前#「小型船!かっこいい!行こう!」
私たちは小型船が停泊されている屋上に向かった。小型船は結構使われてそうな年代物だった。花音が操縦席に乗り込んだ。私は相席に乗り込んだ。
花音「さあ、大空の旅よ!」
飛行船はグングン空を飛んでく。飛んでく。村がミニチュアのように見える。
飛行船はやがて空気の薄いところへ入っていった。そして雲を突き抜けていった。
とっても大きな雲を突き抜けた。その先には…。
#名前#「わあああ!綺麗だよ!」
広大な雲でできた世界が広がっていたんだ。
一つの雲の上に飛行船を停泊させて私たちは降りた。普通に歩いていると雲に足を取られる。
#名前#「わわ」
シンチョーに歩いていった。静かだった。
しばらく歩いていると前に不審なものを見つけた。
花音「…生き物?」
#名前#「…人じゃない?」
花音「は。。?」
そう。不審なものは耐えれている人だったのだ。
血混じりの雨
花音「本当だっ!誰かが倒れてるよぉ…!」
#名前#「ねっ?助けないと…」
私たちはその子に近づいた。その子の頭にはなんとキツネの耳がついていたんだ。
花音「種族は妖怪ぎつね…か…?」
#名前#「え?」
花音「いや、それより。はい、これで手当して」
花音は私に手当用具を3つくれた。私はすぐにその子を手当した。手当してもらって、落ち着いたのか。その子はむくりと起き上がった。
#名前#「あ!起きたね!君は?私は#名前#!こっちは花音ちゃんだよ」
リア「僕は天狐リア。妖怪ギツネさ」
#名前#「へー!リアっていうの!君はどうしてここにいたのさ」
リア「…この近くで異変が起きているということを聞いてさ。ちょっときてみたんだ」
花音「ふーん…なんで倒れてたのよ?」
リア「変な奴に襲われたんだ」
…異変の元凶だろうか?とにかくここはやっぱり危険だ。絶対にここに元凶がいる!
花音「変な奴って…?どんなやつか覚えてる?」
リア「僕と同じ妖怪ぎつねだったね…。なんかオレンジ気味の赤い髪をしてたかな…?」
花音「元凶ももしかして妖怪ぎつね…?なんか厄介だな…」
#名前#「え?なんで?」
私の質問に花音は気難しそうに答えた。
花音「妖怪ぎつねは結構魔法を使えるし、魔術師並みの魔力なのよ…。だから相手も強いはず。気をつけないとね」
…確かにそれは厄介かも…。いや、リアさんも強うそうだしね。きっと勝てる!
花音「じゃあ、行きましょうね。あ、リアさんも…くる?」
リア「もちろん。異変の元凶を倒したいしね」
リアさんは頷いた。私たちは雲をどんどん歩いて行った。異変の元凶は強いかもしれないけど…。なんとか倒すしかないよね。
---
?「来たか…」
異変の元凶は
#名前#「はあはあ…。異変の元凶なんていないよ…」
私たちは雲で作られた道を歩いていった。
リア「本当にここにいるのかい?」
花音「いると思う…。向こうから、何かすごい気配が感じる…」
リア「でも…」
花音「これでみてみましょう。『千里眼』」
#名前#「えっ?千里眼…」
花音さんはしばらく黙っていたが、ふと前を睨んでいったんだ。
花音「あっちよ。あっちに雲で作られた階段がある。その向こうにお城があるわ」
#名前#「えっ、そんなものもわかるの…。すごいっ…」
花音「そりゃそうよ。千里眼だもの…」
確かに、歩くにつれ雲でできた階段が見えてきた。その向こうにうっすら城が見える。変な城だ。
明らかに怪しい。あそこが異変の元凶の根城に違いない。
リア「元凶はどんなやつなんだろうな…。強いの…?」
花音「わかんないけど…。言ってみましょ」
私たちはフラフラする階段を歩いてやっと城に着いた。花音さんがドアをノックする。すると、ドアは音もなく開いたんだ。
花音「…異変の元凶、出てきなさい。私たちはもうきてるわよ」
?「ふふ…」
私は目を細めて人影を睨んだ。確かにキツネ耳があるのだ。
リア「ゆーは誰かね?名前を名乗れ」
斗鬼「僕は菫堕 斗鬼。妖怪ぎつねだ」
リア「やっぱり妖怪ぎつねなんだ…」
花音「あなたが赤い雨を降らしているのね?」
斗鬼「その通り」
斗鬼さんは不敵に笑った。
斗鬼「この島全員を病にかからせたら次は檸檬島だね」
#名前#「何それ。酷い…!倒してやる…」
花音「そうね、ひとまず倒すしかない…」
斗鬼「ふーん。倒されるもんなら倒してみなさい」
リア「ぜってー倒す!」
斗鬼さんと私たちの戦いが始まった。
雨は血の色
私たちは斗鬼さんとバトルを繰り広げていた。理由が何にせよ、異変の元凶は止めないと…。
花音「…クソウッ…。なかなか当たらない…」
#名前#「弱音、吐いちゃダメだよ。頑張ろう…|星雨轢断《ほしうれきだん》!」
リア「そうだよ。なんとかすればあいつ、倒せるさ。」
花音「そうね…」
そう話している間にも斗鬼さんは激しく攻撃をしてくる。 激しすぎる。息が荒くなってきた。
斗鬼「|炎力《フラーミ・バーニング》」
真っ赤な炎が雲を燃やして突撃してきた。私たちは慌てて避けたけど、近くに炎が来ただけで熱風がすごくくる。それで気を失いそうになる。やばい。思ったよりやばいよ。
花音「くそっ。あいつ、全然体力が減ってないわよ…。」
#名前#「だいじょうぶっ。だいじょぶ…ッ。」
私はそう言ったが私ももう絶望的だった。相手が強すぎる…。私も花音さんもリアさんも….みんな疲れてきた。動きの鈍ってきた私らを見て斗鬼さんは攻撃を止めた。
斗鬼「なんだ…あなたたちそんな強くないね」
#名前#「…ッ」
花音「………」
リア「はっ。。」
斗鬼さんは笑っていた。
斗鬼「こんな弱かったら意味がない。もう逃げていいよ?」
そう斗鬼さんが高笑いした時だ。リアさんが叫んだ。
リア「はっ……。なめてんの?僕、妖怪ギツネだけど?」
斗鬼「種族なんて関係ない。喰らえ!|氷武力《フリーズ・ギア》!」
斗鬼さんは叫ぶ。そして氷で剣を作り、振り回してきた。
ぶるっ。
剣を振り回すと同時に寒気がする。ああ、半袖でできたせいで凍りつきそうなくらい寒気がした。
私と花音はモタモタ頼りなく動いたが、リアさんはさっきまでの疲労が信じられないくらいシャキシャキ動いている。
すごい。私たちも負けてられない。花音さんが素早く動いた。リアさんも素早く動いた。私もできるだけ早く動いた。3人で斗鬼さんを囲み、攻撃を繰り出す。
花音「喰らえ!どくどく!」
リア「君ノ血桜咲キ!」
#名前#「えいっ!星屑の血染め針!」
最大のとびっきりの攻撃が決まった。斗鬼さんはぐらりとよろめいた………
と見えた。
雨上がりの笑顔
花音「え…」
場は絶望的だった。あんなに、あんなに頑張って、本気で戦い、やっと倒したと思ったのに。
斗鬼さんは倒れてない。
斗鬼「なかなかやるんじゃん…。本気を出させてもらうわッ!」
#名前#「うそ。。もう…終わりだ…」
斗鬼さんは結んでいた髪を解いた。と、不思議なことに夕焼け色の髪が夜のような黒色の髪になる。
あんな強かった相手が本気を出した。もう私たちは勝てこっない。
#名前#「はあはあっ…」
そんな私を見て斗鬼さんは笑った…ように私には見えた。
斗鬼「これでどうだ…!|雑音鳴《ベルクラッシュ》!」
斗鬼さんは私目掛けてその攻撃を打った。その途端、私の耳で雑音が鳴り響く。
鼓膜を撃ち破いてしまいそうな勢いだ。
#名前#「何ッ。これ……。うっ。。」
苦しむ私を見て花音さんとリアさんが慌て駆け寄る。
リア「どうしたんだ!僕には何も…」
花音「 #名前#だけに…何かが起こってる…?」
斗鬼「テメーらにもやってやるよ。|雑音鳴《ベルクラッシュ》!」
リア「はっ!」
2人危機一髪。なんとか避けた。その間にも私の耳にはずっと聞こえる。雑音が。苦しい。痛い。耳がグオングオンする。
#名前#「2人とも…お願い!倒しッ…!」
花音「 #名前#…。わかった!こいつを倒せば #名前#が助かるのね。お願い、耐えてて!」
リア「任せて!」
#名前#「うンッ…」
2人はちらりと一瞬だけ目を合わせた。
花音「喰らいなさい!猛毒紫炎!」
斗鬼「甘い!」
斗鬼さんは軽々と避けた。だけど。そう後ろでリアさんがいたのだ。
斗鬼さんはハッと気づいた…が、もう遅い。後の祭り。
リア「ふん……。秘術『式神宝箱』これで苦しみなさいな」
リアさんは大人数の式神を出した。斗鬼さんは突然の不意打ちには耐えれずドッと倒れた…。
花音「まったく、あんたのせいで、みんな、苦しんだのよ。責任取りなさいよ」
斗鬼「…」
リア「はあ、倒したし、帰るか」
私たちが斗鬼さんに背を向けた時、斗鬼さんが声を上げた。
斗鬼「…君はなんで異変を解決しようとするの?」
私には変な問いにしか聞こえなかった。当たり前だよ。異変で苦しむ人がいるんだから。
そのまま私たちは歩き続けた………。
その翌日、私の家に斗鬼さんがやってきた。
斗鬼「この間は迷惑かけてごめんなさい。僕も君の仲間になりたい。ダメかもだけど」
そう言う斗鬼さんはどこか憂げで、私はぎゅっと心を掴まれた。気づいたらこう言ってた。
#名前#「君はもう私の友達よ」
私は久しぶりに寮に戻った。「早く戻ってきてね」
そんなクランの声が脳裏に響いた。私は嘘をついてしまった。クランを結構待たせている。私は大慌てでクランの部屋まで走っていた。クランは部屋で何かをしていた。
#名前#「クラン!」
クラン「あ!おかえり!私、ものすごい発見をしたの!」
クランは変わらない笑顔で「ものすごい発見」を見せてくれた…。
それは…。
ちっちゃな精霊だったんだ。
冬は真夏の暑さ
私はクランが出した「面白いもの」を覗き込んだ。それは…小さな精霊。中心が緑に輝き周りに黄緑の枠。
見てるだけなんだが心がホッとするような…。
クラン「可愛くない?私にもすぐなついたの…!あ、ほら#名前#にもなついたよ!」
クランの言う通り、精霊は私の元にきた。そして飛び跳ねては宙返りした。なんだが喜んでるみたい。
#名前#「ふふっ。可愛い!」
クラン「でしょ?この子、実は倒れててさ〜。だから私たち2人で看病しながら、この部屋で育てようよ!」
#名前#「いいね!名前は?」
クラン「あ、決めてなかった…。#名前#、一緒に考えよう」
そういうとクランは耳をつねった。クランの考えている時の癖だ。私も考えた。でも私ったらネーミングセンスがないんだから…。「はあ」と少しため息が漏れた時、頭の中で、何かが浮かび上がる。この子の名は…。
#名前#「この子は、『マリンカ」にしよう!」
クラン「へー!いいじゃん!#名前#、ネーミングセンスあるね!」
そうして、この子はマリンカに決まった。私たちは夜遅くまでマリンカとキャッキャ楽しく笑っていた…。
ちゅんちゅんちち…。
クラン「ふわぁ…」
#名前#「んー…。もう朝かあ…」
のびのび伸びをする。立ち上がった音で起きたのか。マリンカは私にくっついて体を譲った。
クラン「もうそろそろ冬だね〜。私、冬好き。寒いけど、雪とか降るもの。楽しいわよね」
#名前#「そうだね…。早く、雪降らないかなあ?」
マリンカ「ンカ!」
#名前#「ご飯、食べに行くからマリンカ待っててね!」
マリンカは体を宙返りした。頷きのようだ。
私たちは立ち上がり、寮の部屋を後にした。
それからしばらくたって。クランがため息をついた。
クラン「最近…冬のくせに、暑いわ…。真夏の気温よ。26°くらいあんじゃない…?」
#名前#「そうだね…。あ!もしかして!」
クラン「え?」
#名前#「なんでもない!ちょっと外行くね!」
クラン「え?うん…」
#名前#「少し帰るのは遅くなるかもー」
私は叫んで、外に出た。太陽がジリジリ。蝉が鳴いている。私はこれは異変だと思った。また、天空系か…。と少し嫌だったけれど、異変は解決しないと。
#名前#「名付けて、『真夏冬の異変』!解決しよう!」
私は学校を飛び出して、元気いっぱい青い空にジャンプした。