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目次
どっちがいい?
暗い洞窟の中。黒いドラゴンが、口をモゴモゴとしている。
やがて地面に向かって口を開く。出した舌の上には、全裸のエースがいた。
苔のじゅうたんの上に、そっと乗せられるエース。唾液でびしょ濡れの裸体をひくつかせている。
「また僕の口の中でしゃぶられるか」
ドラゴン形態のマレウスは、解放したばかりのエースの全身をべろりと舐める。
やわらかい刺激だけで果てるエース。
「んあ、あ」
「それともこうして外で舐められるか」
マレウスは果てた証ごと、ぺちゃぺちゃとエースを舐め続ける。
「どっちがいい?」
舐めない選択肢はない。
ドラゴンの愛情表現は、舌を使うものだから。
ウソつき彼氏
「最近、トラッポラが性行為を痛がるようになってきている。気持ちよくさせようと努力しているのだが、それでもまだ痛いらしい。あまりにも痛がるから、中断せざるを得ないのだが……どうすれば痛くさせずに済むのか。リリアよ、知恵をかしてくれ」
「安心せえ! それ、気持ちよすぎてつらいから、途中でやめさせるために、ウソをついとるだけじゃ! 本当はこれっぽっちも痛くなっとらん!」
「なんだと!? それは本当か!?」
「セベクに愚痴っとったのを聞いたから本当じゃ! わしに聞かれるかもしれんのに、エースは詰めが甘いのう」
「この僕に、ウソをついていたとは……!」
「これこれ、怒るでない。もうウソをつけさせんようにすればよいだけじゃ」
「……そうだな。もう途中でやめなければいいだけだ。いままでわざと痛がっていた罰として、泣いても叫んでも、やめてやらん」
「くふふふふ。そうじゃ、遠慮はいらんぞ、マレウスよ。引いてきてばかりだったいまこそ、押して押して押しまくるのじゃ!」
エースはマレウスの弱点を知っている
二人そろってベッドの中で横たわれば、身長差は関係ない。復活したエースはマレウスの頭を抱えこんだ。
汗で張り付く額をかき上げる。あらわになったツノの付け根に舌をゆっくりと這わせる。腕の中にいるマレウスがひくりと反応した。
「トラッポラ、そこは」
「気持ちいいでしょ?」
「うん……」
舐めている間にも左手でツノの先端をしごき、右手で太い尻尾の付け根をなぞる。
「あ……」
マレウスの声が心地よい。
エースはこの後も、思う存分マレウスをよがらせるつもりだ。
先ほどまで好き放題されたのだ。今度はこちらの番だ。
事後
「おはよー、監督生……」
朝の廊下でエースと出くわした監督生は驚いた。
気だるそうに、ポヤポヤとしているエースの姿。これは……。
「まだ調子が戻っていないのに、無防備に出歩くな」
いつの間にかマレウスがエースに寄り添っている。
エースはむくれながら「こうなったのアンタのせいじゃん」と答えた。
──間違いない。これは……事後というやつだ!
「いや違うわ!」
監督生の心の中を読んだエースは抗議した。続けて説明する。
「これは『累計一時間キスしないと出られない部屋』に閉じ込められて……たまたま一緒にいたマレウス先輩と、しないといけなくなったやつで……」
おかしい。
「ツノ太郎にかかれば、そんな部屋ぶち壊せそうだけど?」
二人そろって、不自然に顔をそらす。
「やっぱり違わないじゃん! 事後じゃん! どうせその部屋、ツノ太郎の部屋でしょ!」
思わず監督生は突っ込んだ。
妖精族は浮気を許さない
大好きなマレウスとの、初めての性行為。
絶対に失敗したくなかっただけなのに。
「これはどういうことだ……?」
静かな口調だが、マレウスは間違いなく怒り心頭に発している。
組み敷かれながら恐怖に震えているエースに、変わらずマレウスは詰問を続ける。
「こんなにもほぐれているなんて……直前まで相手がいたとしか思えない。僕を、裏切ったのか、トラッポラ」
「待って。これは──」
自分でやっただけ。その一言さえ続ければ、また状況は変われたのに。
「もういい。聞きたくない」
エースののどが魔法で張りつく。声が出なくなった。
マレウスとスムーズに事を進めたくて、自分で事前に慣らしただけで、ここまで最悪な状況を作れるのかと、感心さえ覚えた。ただの現実逃避である。
一方的な捕食が、もうすぐ始まる。
窓の外の雷雨は激しさを増すばかり。
泉で水浴び
精霊に守られている泉は、直射日光を浴びても水温は冷たいまま。とても暑い日が続く中での水浴びは気持ちよかった。
けれど長く浸かっていると、熱かった体も冷えてくる。水着すら着ていなかったため、余計に。
くしゃみをすれば、遠くからマレウスの声がする。
「そろそろあがれ」
「はーい」
返事をしたエースは全裸のまま泉から出た。ペタペタと足音を鳴らしながら、木陰の中にいるマレウスに近づく。
木陰の中は生ぬるい。いまのエースにはちょうどよい気温。
マレウスはエースを抱きしめた。
裸体についた水滴が、マレウスの服に染みていく。
「あったけー」
また暑くなるまでの、ほんのひととき。抱擁の温もりをエースは噛みしめた。
ゴーストの抱卵
一つの卵が安置されている室内。マレウスを含む一部の者しか入れないそこには、常にゴーストが一体、卵のそばにいる。
少年の姿をしたゴーストは卵を愛おしげに撫でて、ときどきキスを贈っている。卵が未練のもとなのは明らかだ。
だからマレウスは願ってしまう。
どうかいつまでも孵らず、いつまでも帰らないでいてくれと。
卵を産んですぐに命を落とした少年の左手の薬指には、黒色のリングがはまっていた。
そしてマレウスの左手の薬指にも、同じものが。
性欲は薄いけど
──ずいぶんと、なまめかしく舐めてくれる。
マレウスはそう思った。それでもマレウスのペニスは反応しない。不能だから、ではなく、長命種の妖精族は性欲が薄いからだ。
しかし萎えたままのペニスをぺろぺろと舐めて、興奮させようとしているエースの姿は、たいへん愛らしく見える。
けんめいに奉仕している恋人の姿を見ているだけで、マレウスの心は甘く溶けて、満たされていった。
赤子と大人
年齢を知ったとき、マレウスは「まだ赤子じゃないか」と言ってしまった。
彼は呆れていたが、事実なのだ。事実を受け入れない様は、まさしく赤子だった。
だからマレウスは待った。彼が"大人"になるまで。
せめて百は超えていないと──。
「ああ……! 告白し損ねた!!」
墓の前で、マレウスは赤子のように泣いた。
朝までつながっていたい
太くて、長い。圧迫感が強くて、エースは願う。
「いっかい、抜いて」
エースをつらぬいたばかりのマレウスは不満げに返事をする。
「抜きたくない」
「抜いて……つらい……」
「……いやだ」
マレウスはゆるく律動を始める。
「あ、ああ……あー……」
「ん……気持ちいい」
「こ、っちは、くるしい」
「……ここは、良さそうに、しているが」
マレウスは勃起したままのエースのペニスをしごき始める。
「ひっ、あ、あう」
「こうして触ってやるから……朝まで、つながらせてくれ」
ずいぶんと無茶な願いだ。エースは文句を言う。
「ざけん、なよぉ……。やだ、やああー」
ペニスの先端がねばついていく。そこもくちくちと触られて、エースは泣いた。
ちいさな水音と、か細いすすり泣きは、朝まで途絶えなかった。
これ、借りるわ
エースはいつもマレウスの私物を借りていく。私物と言っても、借りるものは一点のみ。もとはエースがプレゼントしたピンキーリングだ。
王族がはめるには安物すぎるため、マレウスは身につけられない。たとえ恋人から贈られたものでも、威厳をたもつために、あえて身につけないことがある。
だからマレウスはリングを大事に持ち歩いている。それを贈った本人であるエースが、なぜか借りたがっては、返しに来るのだ。
「返してほしいのか?」
マレウスに問いかけられたエースは、借りたばかりのリングを手の中で遊ばせながら答える。
「返すときにも会えるじゃん」
恋人として会う時間だけでは足りないらしい。欲が深い恋人に愛おしさを感じたマレウスは、エースの額にキスを贈った。
1月1日。彼らは世界にいなかった
「あけおめ、監督生」
「エース、あけましておめでとう。茨の谷で新年を迎えたらしいけど、どうだった?」
「それなんだけど、監督生さあ、この前言ってたじゃん。異世界では新年になった瞬間にジャンプして、地上にはいなかった的な遊びがあるってさ」
「ああ、うん。言った」
「『わざわざジャンプしなくても、空を飛べばいい』」
「あのね、僕の世界じゃ魔法なんて無い──」
「って、マレウス先輩が言ったんだよ」
「え? なんて?」
「監督生の世界ではジャンプする遊びがあるんだぜって、マレウス先輩に言ったんだよ、オレが」
「ふうん。なるほど。それ言ったら『空を飛べばいい』って返されたわけか」
「んで、日付が変わる前に、ほうき無しで一緒に飛ばされた」
「初日の出は拝めた?」
「しがみつくので精一杯で、日の出なんてほとんど見てねえよ!!」
「いやここ、朝まで飛んでるわけないだろっていうツッコミ待ちだったんだけど」
「……あっ」
「ていうか朝になるまで空にいたら、さすがに慣れるはずじゃん。なのに、なんでまだ『しがみつくのに精一杯』になるかなあ?」
「……」
「デートの口実にされた太陽の気持ちも考えろよ!」
リリアの誕生日は後でお祝いしました。
逃げる誓い、逃がさない誓い
妖精の世界では、誘拐婚が当たり前に存在している。でも人族の世界では犯罪なので、さすがにマレウスはそんなことしない。とエースは思っていた。自分が誘拐されるまでは。
黒いドレススーツを着せられたエースは、壇上でマレウスに宣戦布告する。
「ぜってえ逃げてやる」
誓いの言葉を受け取ったマレウスは薄く笑う。
「逃げたいと思えなくなるほど、愛してやろう」
こうして二人は、誓いのキスも交わした。
月光の下で
月光が注がれている城のバルコニーの大窓が開いた。窓の向こうも灯りは無く、月夜よりも暗い。その暗闇から出てきた者は、厚い毛布に包まれた塊を両腕で大切に抱えているマレウスだった。
魔法で窓を閉めたマレウスは、バルコニーの中央へ進む。塊を床にそっと下ろした。
まるでプレゼントのラッピングを解くように、毛布を優しく剥いでいく。塊の中から現れたものは、全裸のエースだった。寝巻きを着ているマレウスとは正反対の姿である。
エースの髪はくちゃくちゃに乱れ、湿っている。顔には涙の跡がいくつも残っており、全身はキスマークでいっぱいだ。先ほどまで巣の中でたっぷり愛されていたことを証明している。
マレウスは厚い毛布をすべて剥がさずに、敷布にして、硬くて冷たい床からエースを守る。そして夜風で冷えないようにと、自分たちの周りにだけ、温かい空気の膜を張った。
空気が物理的に変わっただけでも甘く感じるのか、眠っているエースの口から「はあ……」と息が漏れた。
無意識に痴態を振りまくエースを、月光はやわらかく照らしている。付着した体液がまだ残っている肌が扇状的だ。
ここに連れてきて正解だった。
月は恋人をより美しくさせる。
マレウスはそばにあったガーデンチェアに浅く座りながら、なまめかしい光景を眺める。愛らしい者の、新しい一面を、少しでも知るために。
一寸ハート
トレイの顔が引きつった。
このまま回れ右できればどれほど良かったか。だが知ってしまった以上、副寮長として対応しなくてはならない。
「生きてはいるんだよな?」
マレウスは心外そうに返事をする。
「当然だ。ちゃんと空気といっしょに、専用の袋の中に入れているから、窒息の心配はない。食料や水は用意できないが、無補給状態でも一週間は問題ないように魔法をかけてある」
「そ、そうか」
「もういいな? では……」
去ろうとするマレウスを、トレイは慌てて「待て待て!」と呼び止めた。
「うちのトランプ兵を返してくれ。女王様がお怒りなんだ」
マレウスはバツが悪そうに、自身の腹をさすった。
ボコボコと内側から叩かれている感触が、さする手のひらからも伝わる。
「何が不満なんだ……」
「胃袋に入れなければ大丈夫、という話じゃないんだよ」
トレイに軽く叱られたマレウスは肩を落とした。
腹の中のトランプ兵は、まだまだ元気いっぱいに暴れている。
痛いなんてウソだよ
ここはマレウスの部屋のベッドの中。二人はセックスの最中だった。
「痛い! 痛い!」
──なんて、ウソだけど。
叫びながら心中でそうつぶやいたエースは、マレウスに組み敷かれたままウソ泣きした。
律動を止めたマレウスは不思議そうに言う。
「そんなに痛いのか……?」
「うん……痛いの……」
しくしくと泣き続けるエースの仕草は、やはりウソにまみれていた。
マレウスは疑問を解決できないままでいる。
「昨夜も痛がっていたから、今夜はとびきり優しくしたのに、まだ痛むなんて……おかしいな……」
「おかしくないって。きっとオレらって、体の相性はあんま良くないんだよ」
「む……」
まだ納得いっていないマレウスの様子に、エースは少しあせる。
昨夜も、今夜も、痛いなんてウソだ。
気持ち良すぎておかしくなるのが怖くて、セックスを止めてほしいから、ついたウソなのだ。
ウソがバレる前に畳みかけようと、エースがまた口を開こうとした瞬間。
「では快楽だけを感じられる祝福をかけよう」
魔法をかけられたエースは、口が回らなくなるほどの快楽を得てしまった。
きれいな彼女ができてラッキー?
「僕が好きなのだろう?」
その通りだ。エースは彼女が好きだった。
だがその彼女が、実は魔法で化けていた大男で、しかも異種族の王子とくれば、完全に話は別である。
付き合って数ヶ月だろうと、男は無理。しかもその数ヶ月間、だましてきたのだから更に無理。そう思ったエースはその王子──マレウスを振ろうとしたのに。
「はい。好きです」
口はまったく別の言葉をつむいでいた。
驚いているエースの姿を、マレウスは嬉しそうに見る。
「念の為に、ウソをつけなくなる魔法もかけておいてよかった」
数ヶ月かけて湧いた愛情は、エースに根深く残っていたらしい。