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目次
p r o l o g u e . & p r o f i l e .
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どうも こうも
裏の顔って 言うの
あの キラキラした 笑顔だって
みんな を虜にする 外見だって
所詮 嘘なんだって
「 気づか ないの? 」
あの人たちだって 苦難 を持ってる
だから ああなったの。
だから さ
許してあげ てよ
そして
見届けて あげよう?
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|Star_LightMagic《スター ライトマジック》
↪今話題の五人組アイドルグループ。
前代未聞の男子四人、女子一人で構成されている。
ファンからの通称は「マジック」。ファンダムネームは「|魔法人《まほうにん》」。
|朱乃井 悠《あかのい はるか》
↪絶対的センター。ほぼ全ての楽曲の作詞作曲者でもある、努力者。
明るいが、心が繊細で傷つきやすいこともある。
身長が低く、みんなからよく身長イジリされがち。
|蒼乃 希空《あおの のあ》
↪ビジュ面が◎のイケメン担当。優しくて、縁の下の力持ちのような存在。
とにかく明るく、子供のころからの陽キャ。
悠の幼馴染で、悠との絡みはありがち。
|夕世 なな《ゆうせ なな》
↪ふるふわ系天然くん。とにかく優しくて、時に意外なところが抜けてる変な人。
場のムードメーカーで、何があっても基本笑顔。
見た目に反する歌声が、ファンを虜にしていってるとか……。
|花満 桃《はなみち もも》
↪紅一点で、バランサー。ななと共に天然な人。
実は男子に負けないくらいの力強さを持っていて、それはそれでいじられがち。
よく、悠と一緒に高音を出して遊んでる。
|花満 紫香《はなみち しか》
↪みんなからのいじられ役 兼 最年長。バカっぽいけど意外と理系男子。
たまに意味不明な発言をすることがある。でも、隠れた努力家。
桃とは双子の兄弟で、とにかく仲が良い。
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|umbrella.《アンブレラ.》
↪世界的に有名な五人組殺し屋グループ。
その素顔は謎に包まれつつある。
全員が最強で最恐な殺し屋だと言う……。
|朱元《しゅげん》
↪リーダー的立ち位置。
どんな武器でも使いこなすオールラウンダー。
この殺し屋グループを創った張本人でもある。
実は |呪い子《のろいこ》。
|斗青《とあ》
↪潜入が得意。
主に銃を使い、暗殺するのが基本。
たまに、豪快に銃を撃つことがある。
実は |死霊《しれい》。
|藤黄《とうき》
↪薬の知識が豊富。
毒薬や医療薬を作って攻撃、回復させることが基本。
たまに配薬を間違えている。
実は |半人半霊《はんじんはんれい》。
|桃華《ももか》
↪ナイフ使い。
気配を消して切り裂かるのが得意。
umbrellaの中でも随一のサイコパス。
実は |悪魔《あくま》×|人間《にんげん》。
|清紫《しょうし》
↪ハッキング、刀系の扱いが非常に得意。
桃華とよくペアを組んでいて、とにかく最恐。
たまに謎の言葉を発している。
実は |堕天使《だてんし》×|人間《にんげん》。
初 投 稿 小 説 よ ろ し く で す !
1 話 .
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湧き上がる歓声。
そのダンスに圧倒される人々。
歌声に魅了される人々。
そう、今ここで行われているのは”ライブ”。
丁度始まったところらへんだろうか。
「みなさーん!!」
そう言って手を振るのは、希空。
白を基調としたものに、所々青色が入っている衣装を身にまとった彼の姿。
「ちょい希空ぁ、置いてくなっ……、て!」
希空の後ろに抱き着いてきたのは、赤いリボンをひらひらと踊らせた、悠。
「? あれ? みんな??」
ただ一人ぽかんとした表情を浮かべているのが、金髪ゆるふわくん、なな。
「紫香何やってんの置いてくよ!」
「はぁ!? お前が速いだけだろっ!」
ガヤガヤとしたこの二人は、それぞれ紫色と桃色のミニ王冠を付けた、紫香と桃。
『Star_LightMagic』
通称マジック。
今、最も見られ、聞かれ、注目されている男子×女子、前代未聞のアイドルグループ。
彼ら彼女らの活動は、目にもとどまらぬ勢いで駆け抜けている。
そして、そんなマジックの夢・目標というものがあるらしく……。
「いつか、本当の幸せを手に入れる」
これは、表には公開されていない内容。
つまり、メンバーしか知らないのだ。
ここで、一つ疑問に思うことがある。
「いつか」
という部分だ。
彼ら彼女らが今手にしているのは、『本当の幸せ』ではないのだろうか?
でなければ、このようなことは思いもしないだろう。
では一体、彼ら彼女らの『本当の幸せ』とは何なのか。
それは、また今度。
と言うよりも、|追々《おいおい》分かってゆくでしょう____。
……。
話が逸れた。
……なんだって?
今さっき話していたのは誰か?
あぁ、ボクのことかな?
それも、追々分かってくるよ。きっと___、
「はーい一旦MC」
「来たぁぁ!!」
うふふ。
まぁ一度、彼ら彼女らへと戻しましょう。
「どーなのよ、なーはさ、こう、うーん……」
「えー、ぼく? ……すっごく楽しい!!」
「いや私もそう!」
「俺だってそーだし、」
『wwww』
客席からの笑い声。歓声。
これだけでも、凄いことが伝わってくる。
「みなさん忘れてないですよね?」
『なぁにー?』
「wwwww」
「あ、希空死んだ」
『www』
「魔法人のみんなもツボってるよ?」
「てかてか、そんなことよりもっ!!」
「お、悠いけ!」
「今回、五大ドームツアーですからねっ!!!」
「すご……(涙」
「あぁあぁ、なーが泣いたよ」
「……。(涙」
「あー…、あの悠が泣いたよ、悠が」
「めったに泣かないのにな」
『www』
「ちょww それめっちゃ悠への嫌味っぽいからやめて?」
『www』
「わー僕傷付いちゃうな―(棒」
「棒読みかよww」
こんな他愛のない会話をしていられるのも。
ファンのみんなといられるのも。
『奇跡』なんだよね____。
だからこそ。
今日、この日、この時間。
僕等は、”アレ”を決行する_____。
2 話 .
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「? _____!」
進んでいく声。
そして___。
「|See you next time.《また次ね。》」
__ステージは暗転した。
『!? 何だろー?』
『え、な、何かあったのかな?(焦』
ファンからの声は
楽しみそうな声。ソワソワとする声。様々。
なぜかって?
今までのライブで、こんな演出は無かったからだ。
暗闇の時間は、数分間ほど続いた。
次第に観客からの声も減り、次第には、数万人いる中での”静寂”。
「みなさん、こんばんは」
静寂を破る、姿無しの、甘い声。
「僕、”朱元”と申します(笑)」
その一言で、会場全体がざわめき始める。
「この会場に居る全員へと申し出る。」
緊迫感のある空気。
「お前ら全員を、人質に取った」
「そして、この様子は生配信されてます(笑)」
警察が来るぞ!といった声。
「えぇ、そうです。わざわざそうしました」
落ち着きがあり、このざわめきを静かにさせるような言葉。
「警察の方へ言う。”強行突破”なんて卑怯な真似はしないように……」
「もしすれば、人質の命は保証しません」
バンッ、と。
何処からともなく、爆発の音。
「嗚呼、出てきて良い。来い。」
それを合図に、ステージの上に人影が四つ。
「僕のお仲間さんだ、仲良くしてあげられるかな?(笑)」
朱元。
斗青。
藤黄。
桃華。
清紫。
総じて、『umbrella.』。
「それでは行きましょうか(笑)」
「|It's showtime.《ショーの始まり。》」
3 話 .
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「……、もう隠しても無駄ですね、僕等の正体。」
人質として数万人を捕らえ、早十分。
SNSでは#マジックのライブで立てこもり事件 や #ライブ途中umbrella.登場 と言ったものがトレンド入りしているようだ。
警察も勿論来ており、出入り口を固めているみたい。
「ここのみなさん、そしてこの配信を見ている方たちへ告ぎます。」
その口元にはうっすらと笑みが浮かんでおり、朱元の行動には謎がありすぎた。
自分から正体をバラしにいく奴が居るかと問いたいものだろう。
ただ、今はそんなこと言っている暇はない。
全世界の者たちが、息を飲んだ。
「実は僕達_____。」
「 ”Star_LightMagic” です(笑)」
え?
と。
その冗談のような言葉で、全国民の体に衝撃が貫いた。
「嘘じゃないです、ちゃんと僕等ですよ、……ほら」
朱元が額の面を外せば、陰から見えたのは間違いなく______。
「”朱乃井悠”です(笑)」
挑発を取るような声で自身から名乗り出た 朱元。
「後は分かりますよね?」
朱元が視線を滑らせたのは、斗青。
「……どーも、”蒼乃希空”です」
青色のピアスを揺らせて、面を取った斗青。____いや、希空。
「はいはいどうも皆さん数十分ぶり~! 藤黄こと”夕世なな”だよ~」
元気さを含ませている声は、いつもならファンを魅了する武器のはず。
なのに今は、ファンを失望させる”|剣《つるぎ》”でしかない。
「あんたはうるさいんだよっ! ちょっと清紫は黙って!!」
「おめぇもうるさいんだよ桃華! お前こそ黙れよ!!」
桃と紫香。
双子として息ぴったりで、でもそれは”桃華と清紫”になると、二段構えの|矛《ほこ》となる。
「さぁさぁ、これでいいかなぁ?」
SNSのトレンドでは、#マジックまさかのumbrella.だった #マジック五人 立てこもり がトレンド一位にになりつつあった。
『悠さーん? 聞こえますかー?』
不意を衝く外からの声。おそらく警察だ。
拡声器やらなんかを使って、声を大きくしたのだろう。
「聞こえてますよ、警察さん」
配信カメラに向かって、返事をする。
___、_________。
斗青からの耳打ちで、僕は下舐めずりをした。
『人質は無事ですか? 全員生きてますかー?』
嫌らしい。
この声が、だ。
もう、こんな声はうんざりだ。
「嗚呼、無事でしたよ。”今までは”ね」
嫌味たっぷりの言い方をした。
これで良いだろ。
『!? 悠さん!? 今までとはどういうことですか!?』
「言いましたよねぇ? 無理に入ってきた場合、『人質の命は保証できない』、と。」
『んな!?』
「斗青から聞きましたよぉ、出入り口を壊して侵入してきたんですって?」
『__ぇ……、__』
警察から、こんな声が出るとは。
ただ、そんなこと気にしない。
近くに居た、バックダンサーさんを連れて来た。
体を押さえ、銃を構える。
等の相手は、怯えて声が出ないようだった。
『何やるんですか!! 銃を下ろしてください!!』
「んふふっ(笑) ちょーっと歩けなくなるだけですよ、それだけ。」
バンッ、と。
銃声が鳴り響いた。
それは相手の右太腿へと命中し、弾丸がめり込む。
「んぐぁっ!?」
「__間抜けな声、__」
そんな自身の独り言を置いといて、弾丸の補充をする。
『悠さんっ!!』
「あっれれー? 僕は朱元のはずだけどなー?(笑)」
軽く跳躍し、空を舞った朱元は、その銃口を配信カメラへと向ける。
「……では、みなさんへ問題です!」
朱元以外のメンバーが居ないこの場所は、人数の多さに釣り合わないほど静まり返っていた。
「何故、人間”以外”の者は愛を貰えないのでしょうか?」
4 話 .
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『……はぃ? は、悠さん? 何を言っt__』
「僕は至って本気です(ニコッ」
何故こんなことを聞いたかって?
答えは簡単。
だって僕は____、
「だって、僕は”呪い子”なんですもん(笑)」
『は……? 嘘、だろ…?』
呪い子。
代々受け継がれてきた伝説の一つ。
呪い者と言う者からの、特殊な呪いを掛けられた者が、次第に呪い子となってしまうのだと言う。
ただ、呪いを掛けられても、中身が人間であり、かつ、子供でないと呪い子にはならないのだそう。
「……証明して見せましょうか?」
『証明って、何を……?』
「あら、聞いたことないですか? 呪い子は、”絶対に死ぬことは無い”、と。」
『!? まさかっ!?』
「|He's still alive, for sure.《まだ生きてるよ、きっと。》」
そうして、銃声が鳴り響いた。
その銃口は朱元に向かっており、ちゃんと朱元に向けて撃ったものであった。
「……ほらね、」
足から血が若干出てはいるものの、本人はけろりとしている。
「朱元、? 良かったの、?」
「いーのいーの、藤黄は関係ないでしょ? ……そうでもないか、」
『っ、ふざけないでくださいっ!!』
「……何が?」
『こんなことして! 貴方達は何を目的にこんなことしてるんですか⁉ そのりy___』
「”復讐”かな、」
『……え?』
警察さんが、ボーっとした表情を浮かべているのが想像できる。
「あれあれあれ? 覚えてないんですか?(笑) 警察さん?」
バァッンと。
大きな音が、ドーム内に鳴り響く。
ぅわぁっ⁉と言う、観客の声。
「覚えてないですか? …なら、もう一個爆弾でも爆発させておきますが……、」
『……、は?』
「俺らに勝負挑んだだけで負けだったんだよ、無能警察さん?ww」
「清紫は一旦黙ろうか?(ニコニコ」
「ぇ?」
「お前は仕事をやってこい」
「分かりました……、」
『貴方が指示役なのですね、朱元さん』
「えぇ、そうですけど? ……、今更気づいたんですか?」
『喧嘩売りに来てるんですか?』
「んなわけないでしょう(笑) 僕は不良でもヤンキーでもないんだから(笑)」
またもや、配信カメラに銃口が向けられる。
「でも、いい加減にしてくださいね? じゃないと……、」
バンッ、という威嚇のような音が鳴る。
朱元が持つ銃の先からは、薄い煙が出ていた。
「人質の命は知りませんよぉ?(笑)」
フッ、と。
朱元の手には、白く美しき花。
「”Magic”です、んふっ(笑)」
小手品だ。
しょうもないとでも、警察は言っているのだろう。
「では、質問」
『……、』
「|白乃莉鵺《しらなみ りぬえ》が死んだ理由を答えなさい、(笑)」
『……、は?』
「制限時間は一時間です、ではStart」
声とともに、銃声が鳴り響いた。