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目次
Prologue
小説初投稿です!
駄文だと思いますが、ご愛嬌!
最後の1年、ほぼ行かずに大っ嫌いだった小学校とお別れした春。
わたしは、「新中1限定・林間学校」に連れて行かれることになった。
正直言って、ほんっとうに行きたくない。だって、学校にさえ行けないようなやつが、知らない人と6泊7日なんて出来ると思う?私は絶対出来ない。
でも、私が学校にいけなくなったせいで親が喧嘩をするようになった。私は家にいないほうがいいんだ。一週間でも皆が気休めになるなら、頑張るしか無いよね。学校とは違って、私と同じ境遇の人もいるかも知れないし。
「恋、早く準備して。もう出るからね」
「……はい!」
最後まで読んでくださってありがとうございます!
少しでも、面白いなぁと思ってくれたら幸いです。
1-1
「…橋本です」
そう言うと、受付のお兄さんは名簿から私の名前を探す。
「橋本…。橋本恋さん?名前、可愛いね」
「…」
これだからこういう場所は嫌いだ。わざわざフルネームで言う必要も、珍しい名前だからって「可愛い」という必要もない。私はこの名前好きじゃないし。
私がブツブツと頭の中で文句を言っている間にも、お兄さんの話は続く。
「はい。これ、1週間分のスケジュール。101号室は、そこの角を曲がったところにいる人に連れて行ってもらってね」
これ以上言葉を発する気分にもならなかったので、コクリと頷く。
101号室に向かうため、角を曲がったところにいる人の視界に入る。
そうすると、
「ん?どうしたの?」と声をかけてくれた。
だから、
「あの…101号室に、行きたいんですけど…」と、長年の経験で習得した、声は小さいけど聞き取りやすい話し方で話す。
「101号室ね。こっち、ついてきて」
この人は無駄なことを話そうとしてこなくて、楽だな。なんて、考えていると、一番奥の101号室に着いたらしい。
「はい、ここよ。これで全員そろったわね」
そう言われ中をのぞくと、私より先に来たであろう二人が荷物の整理をしていた。
よりによって最後かよ…。まだ2人の関係性が出来上がってないといいけど。
「ここでのルールは来る前に読んできてくれたと思うけど、実はもう1つルールがあります!それは、同室の人にあだ名を付けてもらって、その呼び名で1週間を過ごす、ということです。ちょうど1時間後の12時には広場に集まってもらうから。それまでに決めておいてね」
……え、じゃあ苗字だけで行きていこうという私の作戦は失敗に終わることに…。自分から好きでもない、もはや嫌いな名前を言わないといけないの!?
絶対、「恋?可愛いー!じゃあ、そのままでいっかw」な展開じゃん!
私の林間学校生活、着いてまだ10分弱にして、お先真っっっ暗でございます…
ちなみに言うと、恋の小声ハキハキ喋りは自称なので、ボソボソに等しいです!笑
ルビの振り方がわかんない…
誰か教えてください…!
1-2
「…あの、自己紹介しません?私、朝比奈優奈っていいます」
黒髪ロングな美少女が口を開いた。優奈…可愛いな。私もそういう王道だけど可愛い名前が良かったな。
「私は鈴宮珠緒です。優奈だったら、優とか?」
ボーイッシュなこの子は珠緒というらしい。ふたりとも名前可愛いの何?羨ましいんですけどぉ!
「優、いいね!じゃあ、珠緒はたまっち?」
「たまっち、ギャルみたいでかわいいね。初めて言われたよ」
あ、やべ。もう話ついていけねぇ。早く参戦しとくべきだったなぁ。
「…名前。何ていうの?」
ボーイッシュ女子…たまっちが声をかけてくれた。
「橋本です!橋本…__こい__」
どんどん声が小さくなってしまう…もう一回言わないと
「こい?可愛いね」
「うんうん!いいなぁ2人とも名前おしゃれで!私だけ普通の名前だし」
私のあの小さい声に気づいてくれたんだ。でも、可愛いって反応なんだ。恋は嫌だって、言わないと。
「いや……あの、『こい』って呼ぶのやめて欲しい。好きじゃないから」
…言ってしまった。どうしよう、2人とも気まずそうな顔してる。私のせいだよね…どうしよ。とりあえず謝る?
「…そっか。ごめんね…じゃあ、音読みで『れん』とかは?」
私、めんどくさいこと言ったのに嫌な顔一つせずあだ名考えてくれるなんて。
「れん…!今まで言われたこと無かった。嬉しい、ありがと!」
「「よろしくね、れん」」
2人に微笑みかけられる。こんな事、人生で一度もなかった。友達って、都市伝説じゃなかったんだ!
「こちらこそよろしくね。たまっち、優!」
すんごく不安だったけど、私の林間学校生活、平和に過ごせる、かも?
1-3
今回ちょっと短めです…
あだ名を決めてから広場に集まるまで。それはそれは楽しい時間を過ごした。この時間が永遠にあればいいのにと思うほど。
もうすぐ12時になるので、広場に行こうとなった。
一番乗りだったらしく、私を101号室に連れて行ってくれた先生と話していると、
「あ、遅れちゃった?ごめんなさーい」
という声がしてゾッとした。
思わず振り返ると、そこには、私の不登校生活の元凶・春野葵が居た。
私の林間学校生活、そう上手くはいかないもんです。
1-4
振り向いたのは一瞬だったので、春野さんはまだ、私の存在に気づいていない。
静かに息を潜めていたら、きっとバレないだろう。こんな場所に私が居るとも思っていないだろうし。
しばらくすると、101号室に連れていってくれた人、受付の男の人、そしてもうひとり、知らない男の人が前に出て、自己紹介をはじめた。
「私は、館長の菅野綾です。部屋で言ったとおり、この林間学校ではあだ名で呼び合うというルールがあります。なので、私のあだ名を考えてくださーい!1週間と短い間ですが、よろしくお願いします」
「じゃあ、すーちゃん先生!」
春野さんが言うと、たまっちや優も同調する。
「すーちゃん先生!歴代でも言われたことなかったわぁ。」
次は私の名前を可愛いと言った少しニガテな男の人…
「はい!大倉湊斗です。実は僕も、中学生の頃に林間学校に来たことがあるんです!大学生になった今でも、特別な思い出なので、恩返しをしに来ました。一生の思い出をつくる手助けをできればいいなと思います。よろしくお願いしまーす!」
熱血陽キャだけど、きっとただただいい人なんだよな…だから、悪口言ってる自分を嫌いにさせてくるタイプ。
「大倉先生?もあだ名つけていいんですかー?」
優が聞くと、
「もちろん!カッコいいあだ名つけて〜」
と早速陽キャぶりを発揮する。
「じゃあ、先生っていうには、年齢近すぎるから、みなにぃとか?」
たまっちがこれまた熱血が言われたい言葉TOP3には入る「兄」という言葉を入れてきた。
それに対して熱血陽キャお兄さんは、
「めっちゃいいじゃん!俺、兄ちゃんしかいないから、そうやって呼ばれるの憧れだったんだよね!」
ほら、やっぱり。
こういう熱血陽キャタイプは大体、なんでも器用にこなす遊び人の兄ちゃんの反面教師で育つんだよ。
次は、お初にお目にかかる穏やかそうな男の人。
「杉野悠瀬です。湊斗に誘われてきました。よろしくお願いします」
言葉数少ない穏やか系は良いやつだって相場で決まってんだ。いや、みなにぃもきっと良いやつなんだけどね。
「みな兄と揃えて、はるにぃ?」
優、穏やか系には兄って刺さんねぇぞきっと。女兄弟の長男で、お兄ちゃんだからって我慢させられてきた人生だぞきっと。
「妹たちにいっつもそう呼ばれてるから、間違えて妹の名前呼んじゃったらごめんね」
さすが長男!いいとも悪いとも言わないで穏やかに微笑む感じ!
私ってきっと心の中読める人が居たら絶対嫌われるタイプだよな…。
ホントは次の回の分も今日の1話にしようと思ってたんですけどね…
私の独断と偏見がお祭り騒ぎを起こしまして…笑
若干れんちゃんがキャラ崩壊おかしてそーですね笑
1-5
「はい、今からは皆にも自己紹介をしてもらいます。じゃあ、101号室から!」
自己紹介するとか聞いてないんですけど!
春野さんに100%バレるじゃん!どうしよう…シャクれるとか?シャクれたらバレないって聞いたことあるよ!?
内心焦りまくっていると、聞き慣れた優の声が聞こえた。
「朝比奈優奈です。あだ名は優です。よろしくお願いします」
良かったよ〜。変なテンプレとか作られなくて。さすがは我が班の特攻隊長・朝比奈優奈!
「鈴宮珠緒です。あだ名はたまっちです。よろしくお願いします」
安定感の珠緒だなぁ。カッコいいし。
ついに私の番が来てしまったようだ…
やるしかねぇな。
「橋本…恋です。あだ名はれんです。よろしくお願いします」
なるべく早口で話し、光の速さで座ろうとすると、春野さんがニヤニヤしながら「なんで『こい』なのに、あだ名が『れん』なんですかー?」と聞いてきた。
わかってるくせに。なんでそんな事聞くんだろう。…私のことが嫌いだからだろうな。
またただの気が弱いいじめられっ子に戻るんだ…。ここなら、変われると思ったのに。
「『こい』を音読みにすると、『れん』になるからです…」
さっきまで普通に話してたからか、2人もびっくりしてる…。そうだよね。ただの不登校いじめられっ子だって知ったら関わりたくなくなっちゃうよね。
思わず下を向いてしまう。
「…れんちゃん?もう座って大丈夫だよ?」
「え…っあ!ごめんさない…」
私のバカ!自己紹介してすぐに座ればよかったのに…。
「じゃあ、次は私たちですか?」
気まずい空気が走る中、1人の声が聞こえた。
春野さんと同じ班のいかにも真面目そうなメガネっ娘が聞いた。
緊張で周り見てなかったけど、私合わせて5人しかいないんだ。
……って、え!?4分の1春野さんってことなんだ…。
「はい!じゃあ、私から。春野葵です。あだ名はあおちんです。あと、そこにいるれんちゃんとは、大の仲良しでーす。よろしくお願いします!」
……仲良し言われましたけど!?そのような事実一切ございませんけど!?
これから班以外で何かやることになったら、「あ、れんとあおちん仲良しなんだよね〜2人でやりなよ(粋な計らい)」じゃん!
「瀬賀怜亜です。あだ名はれいれいです。よろしくお願いします」
想像通り。しれっとテンプレに戻すところとか。
思ってたより、林間学校生活厳しめ?
先週裏バージョンのれんちゃんでしたが、今回からは通常通りに戻りますのでご安心を。
1-6
あぁ、今すぐこの場所から立ち去りたい。
でも次、確か昼ごはんだったよね?全員でか…。なるべく端っこに居よ。
「こ・いちゃーん。『れん』なんてかわいいあだ名つけてもらっちゃって」
「…何が言いたいの?」
「私はこの場所に楽しみに来たの。だから、アンタが目障りで仕方ない」
来なかったら良かった。私はどこへ行っても所詮、ひとりぼっちなんだ。
「何やってんの?」
声が聞こえた方に目を向けると、たまっちと優がいた。
「何って、理由がないとしゃべっちゃいけないの?」
「そうではないけど…2人には友達じゃない何かを感じたから」
「ふーん、そ」
そういうと春野さんは、私にだけ見えるようにこっそりと2本の指で自分の目を指すと、私の方にその指を向けてきた。「ずっと見てるぞ」と、そう言われたような気がした。
私、あおちんのキャラ好きなんですよ。
こーゆーの敵を好きになる癖がある人間なので。
あおちんの喋り方や動きは、吹き替えの海外ドラマの女の子にしたくて。
特に、「ファーストデイ私はハナ」というEてれでやってたドラマのイザベラちゃんという女の子を意識しましたね。
(海外ドラマ実はこれともう一つしか見たことねぇんだけど笑)
1-7
「じゃあ、おやすみ」
「「おやすみー」」
1日目が終わった。
いやいや来たと思ったら、あだ名を付けられ、春野さんと遭遇し、一生の友達(私の中では)ができたり。
「ゔぅぅぅ…ヒックヒック」
部屋のどこかから、押し殺したような鳴き声が聞こえてきた。
耳を澄まして聴くと、二段ベッドの下の方から…おそらくたまっちだ。
内心大焦りの中、音を立てないように、優の方を見ると、優も私の方を見ていた。
「話しかけたほうが良いかな、?」
「どうなんだろ、1回話しかけてみる?嫌そうだったら引いてみてもいいし…」
「うん、そうだね。話しかけてみよう、!」
目線と、手振りだけで会話をし、音を立てないように2人で、二段ベッドの階段を降りる。
「たまっち…、どうかした、?」
「何かあったなら、話、聞くよ?ほら、悩み事を聞いてもらうとスッキリするとか言うし…」
たまっちは、私たちに気づいてなかったのか大層驚いたような顔をした。
「…きっと、気持ちがいい話ではないよ。申し訳ないし、迷惑だし…」
「「迷惑なんかじゃないよ!!!」」
「たまっちだって、優と一緒に、私のこと助けてくれたじゃん」
「そうだよ、そうだよ!私達だってたまっちの助けになりたいの!」
「…そっか、ありがと」
たまっちはくしゃっと笑うと、これまでのことを話してくれた。
小学校2年生の頃、お父さんが病気で亡くなってしまったこと。その後お母さんがアルコール中毒になってしまい、入院したため、会えなくなってしまったこと。今は父方の祖父母の家に預けられているため、肩身が狭いことも。
「…だから、私は林間学校に来たんだ。少しでも祖父母と離れたくて。決して悪い人ではないんだけどね…」
「そうなんだ…言ってくれてありがとね。じゃあ、私も秘密発表しちゃいまーす」
そういうと、優は話し始めた。
自分はお金持ちの家の娘だけど、実は子宝に恵まれなかったための養子であるということ。でも、その後優秀な双子が生まれてきて、自分は家で少し浮いている、とのこと。
「私もちょっと家に居づらかったりするからさ。たまっちの気持ちもわかるっていうか」
「そうなんだ…なんで、2人は話してくれたの、?今日であったばっかの人に」
「「信じれるって思ったから」」
「その根拠は?私、2人みたいにいいこととかしてないし…」
「私たちは、私たちが思う『信じる』の定義でれんを信じただけ」
「そうそう!私はね、一番最初に敬語で話してくれる人はね、いい人だと思ってる」
「私は、目を見て話し続けない人」
「あ、なんかわかるかも。嘘つく人は目を逸らすっていうのが、知られすぎててね」
「…あの!私はまだ2人みたいにちゃんとした定義があるわけじゃない。だからさっきあんなこと言っちゃった…。だけど、!2人は、信用できると思ってるよ」
「そう言ってもらえて光栄ですわ」
たまっちがそう言いながら、執事のようなポーズをとると、
「え、何その執事かっけぇんですけど。じゃあ私はメイドさーん」
と言いながら、スカートを広げる真似をした。
「じゃあ、そんな2人にお願いがあります」
神妙な面持ちで言う。2人が静かになった途端…
「焼きそばパン買ってこーい!」
と叫んだ。
2人は少しの間キョトンとすると、大爆笑した。それにつられて私も。
「アハハっ!何言うんだろうと構えたらそれ!?」
「ヤンキーがパシリにやるやつでしょ。執事とメイドにやらせることじゃないって!」
3人の笑いが少しずつ静まっていく。2人から発される音が無と等しくなった頃、私は口を開いた。
「もう…気づいてるかもしれないけど、私、この名前でイジメられてて。それで学校も行けなくなっちゃって」
「だから、『こい』って呼ばれるのは嫌だったの、?」
「…うん」
「そっか、ごめんね。安易に可愛いとか言っちゃって」
「ううん、大丈夫だよ。だって『れん』っていうかわいいあだ名つけてくれたし。むしろお礼言いたいぐらいだよ」
しばらく無言の時間が続いた。
すると、その間を埋めるように優が口を開いた。
「はい!3人娘しんみりの巻はここでおしまい!ここからは、3人娘、徹夜でおしゃべりするの巻だよ!」
「…うん!ありがと!」
それから朝までずっと3人で話した。
長時間人といてここまで心地がいいと思ったことは初めてだった。
2人のおかげで私は、これからが、楽しみになったよ
今回はみんなの闇?の部分が明らかになる回でしたね。
これから3人はどうなるのでしょうか!?
また来週、お楽しみに〜!
1-8
それからしばらく、楽しい日々が続いた。
徹夜で話したせいで、フラフラになりながらクソマズカレーをつくってしまった2日目。
魚にさわれない私とたまっちを横目に優がバスバスと魚を取っていた3日目。
川遊びのし過ぎで服がビショビショになってしまい、すーちゃん先生に怒られた4日目。
今までの疲れがどっとやってきて、ほぼ1日中寝たまんまだった5日目。
そして今日、6日目。私は春野さんに呼び出されている。
「明日の午後9時、裏庭に来て。必ず1人で」
そう言われてから、息が苦しくって仕方がない。
誰にも言ってないけど、私と春野さんの関係性に2人はきっと気づいてる。だから、いつもそれとなく守ってくれた。
だけど、今回のコレは自分で何とかするしかない。明日の午後になればもう、2人とは会えない。ただの不登校・橋本恋に戻ってしまう。自分に自信が欲しい。コレを乗り越えればきっと私は変われる気がする。
1-9
ついに、直接対決の時が来ましたよ…!
林間学校6日目。午後8時55分。裏庭に着くと、そこにはすでに春野さんがいた。
いつも私を睨みつけているその目は、どこか遠くを見ているようだった。
「春野さん」
そう声をかけると、ビクッ!と肩を震わせた。まるでいつもの私みたいに。
「あの…何、?」
「私、アンタに謝りたいことがあって」
そう言うと春野さんは、黙ってしまった。つられて私も。
春野さんが口を開くまでおよそ10秒、私には何時間にも思えた。
「今まで酷い事したなって思ってる。でも、気づいた時にはもう戻れなかった。本当にごめんなさい」
手が震えてる。相当勇気が必要だったんだろう。でもそれで、「はい、いいですよ」って言えるほどまだ、私は人間ができていない。
「…なんで?ついこの間まで私のことあんなに言ってたのに」
「ここに来てわかったの。学校では、もともと友達がいたから、あんなことをしても楽しく過ごせた。でも、仲良くなる前にアンタをいじめてるってことを知られたら、距離取られるだけだって。少なくとも今、アンタと同室の2人は、ほとんど私と喋ってくれない」
「それって、自分が居心地よくなるために謝ったってこと?」
「違う!そう聞こえたかもしれないけど、ホントに違う!」
「じゃあなんで、?」
「…れいれいが、過ごしにくいだろうなって」
「え、れいれい…、?」
「だって、アンタたち私と喋んないでしょ。それはいいの。今までやってきたことの結果だし。でも、れいれいが私と一緒の部屋班で、私と一緒にいてくれるせいで、アンタたちと話せないのはオカシイなって、」
驚いた。春野さんが人のために謝るなんて。しかも、まだ会って一週間も経っていない。
私がこの林間学校に来て変われたみたいに、春野さんも何か、変化が起こったのかな?
「うん、わかった。普通に話そっか」
「え?もっと『何言ってんの?』みたいなこと言われんのかと、」
「だって、人のために謝ったのに、『元通りで』なんてそんな事言えるわけ無いじゃん。でも、『普通に話す』ってだけで、『許す』ってわけじゃないから」
「うん、私も今までのことが許されると思ってなかったし」
「そっか、これからよろしくね、あおちん」
「こちらこそ、れん」
これ、クッソ悩んだんですよ。
私、もともと嫌がらせされたのに許すのなんで??派の人間なんですよ。
少女漫画のちょっと嫌がらせしてくる当て馬とかなんで許すの?って。
でも、みんな仲直りするってことはきっと、みんなはそれを求めてるんだろうなぁって思って。
イロイロ考えた結果、中立というか、カタチ的には「友達」というポストに収まるけど、精神的に?は「許さない(というか許せない?)」みたいな感じにしてみました。
どうなのかな?感想教えて欲しいです!
追記4/14
次、第一章完結です!
1-10
最終回です!
ちょっと長いですが、最後までお楽しみを―――!
「「ゆーう、起きて。もう朝だよ」」
今日でここにきて1週間。2人とお別れしないといけない日。
たまっちと一緒に優を起こしたり、一緒に歯磨きしたりご飯食べたり。もう、出来ないんだ。
「れん、?どうかした?」
2人が心配そうに聞いてくる。ダメだ、私。最後の1日なんだから、楽しまなくっちゃ!
「ううん、なんでもない!それより、早くご飯食べに行こ?」
「…うん、そうだね。早く行こ!」
そう言ったたまっちの声がどこか浮かないような気がした。
いっつもは「ごっはん!ごっはん!」とノリノリに歌う優も今日は歌っていない。
2人もこの林間学校が終わること、少しは寂しいって思ってくれてるのかな?
このことについても色々考えないといけないけど、私にはもうひとつ大切なミッションがある。それは…
「れいれい、おはよう!あおちんも」
「え?おはよう?」
「うん、おはよー」
よしっ!ミッションクリア!
今日のミッションはれいれいに話しかけること。
今まで私は、自分が春野さんと離れることしか考えていなかった。春野さんと2人だけで同室のれいれいのことを考えたことが無かった。
虫が良すぎるって思われるかもしれないけど、最後の日くらいは一緒に楽しい思い出を作りたい。
「れんさん今日はご機嫌ですな。何か良い事でもあったんで?」
「そうだね、良い事あった。あ!それよりさ今日最後の自由時間にみんなで鬼ごっこでもしない?みーんなで!」
「いいね!めっちゃ楽しそーじゃん!私、大賛成!」
「楽しそう、私もやりたい。でも、れんは大丈夫なの、?その、なんていうか…」
たまっちの言葉を聞いて優は、ハッとした顔で私の方を見てきた。
「安心して、もう大丈夫。昨日の夜に解決したの!」
「うん、なら良かった」
「おっしゃー!!いっぱい遊ぶぞー!!」
朝ごはんの時に、みんなを誘った結果、みんなやるって言ってくれた。
みなにぃは言わずもがなって感じだけど、はるにぃも凄い速かった!いっつものふわふわ笑顔のまんまで猛スピードで迫ってくるから、めっちゃ怖い…。
聞いてみると、はるにぃは中高と陸上をしていたらしい。試合でみなにぃとも出会ったらしい。
---
私は今、とてつもなく悩んでいる…。
荷物の片付け時間。3人で話せる最後の場所。
聞きたい。「また会える?」って。だけど、もしそう思っているのが私だけだったら?怖い、どうしても言えない。
ふと、あまりたまっちと優の方からあまり物を片付ける音がしないと思い、2人の方を見てみると、何やら2人でゴソゴソしている。
「たまっち、優、どうしたの?」
そう聞くと、2人はびっくりしたような顔をする。
「うぅんとね、あぁ、うぅ…」
たまっちがよくわからないうめき声をあげると、
「もう無理だ…みんな入ってきて!」
優が降参した。
どういうこと、?全然わかんないんだけど…
そう思っているうちに、ゾロゾロとみんなが部屋へ入ってくる。
「せーの、「れん、誕生日おめでとー!」」
「…え?」
「ありっ?間違ってた?夜な夜な聞いたからかな…?でもたまっちとおんなじ日付で覚えてたし…」
「やっぱり。あなたたち、夜ふかししてたのねぇ」
「ごめんなさいっ!すーちゃん先生…。でも、夜更かししたから、れんの誕生日祝えたんだしさ?チャラぁみたいな感じで…」
「…まぁそうね。今回だけは許そうじゃない」
…あれ?どうしたんだろ。ドンドン視界が滲んでく…。
「たまっち、優、れんが泣いてるけど」
「えぇ!まさか、あおちん!?あおちんが泣かせたのかっ!?」
「んなわけないでしょ。アンタらに誕生日間違えられて泣いちゃったんじゃないの?」
「え?れん!そうじゃないよね?違うと言っておくれよぉ〜!」
「…覚えてくれてたんだね。ありがとう」
「良かった〜!あってたのね」
「今までこんなにみんなに祝ってもらえるってことがなかったから。嬉しくて、気づいたら泣いちゃってた」
そう言い、周りを見てみる。みんな、優しい顔で私のことを見てくれている。
大丈夫。今なら言える。
「最初は正直、すっごい嫌だった。1週間なんて到底無理だって。でも今は、みんなと離ればなれになっちゃうのが嫌で嫌で仕方がない…」
あぁ、また泣いちゃった。あおちんに泣き虫って言われちゃうかな。
でも、もうちょっとだけ、これだけはみんなに伝えたい。
「たまっちと優だけじゃない。あおちんも、あんまりしゃべれなかったけどれいれいも。みなにぃもはるにぃもすーちゃん先生も。みんなにまた、会いたいよ…!」
「…この場所をそんなふうに思ってくれたなんて嬉しいよ」
すーちゃん先生がそう切り出す。
「半年後にね、『中1限定・林間学校』をやる予定なの。だから、もし良かったらみんな、また来てね」
「絶対来る!」
優が言った。するとたまっちも、
「わたしも。祖父母になんて言われても、絶対」
2人がそう言うと、他のみんなも
「私も来る。私が来なかったら、れん、寂しくて泣いちゃうもんねぇ」
「私も。今回あんまり話せなかったし。また話したい」
「俺も俺も!また鬼ごっこやりたい!」
「僕もまた、みんなとお話したいな」
みんなもそう思ってくれてたんだ…。嬉しいな。
「じゃあ半年後、全員かかさず会おうね!」
最終回です!**第一部**最終回です!
どうだったでしょうか、?
感想くれると嬉しいです!
4/23
…気づいたんすけど、半年後って9月くないですか??
なんで、夏休みって思っててクダサイ。
今月中に夏休みに変えます!
2-1
新章です!
楽しんでってください!
林間学校が終わってからの半年間で、私たちは中学生になった。
部活での先輩との関係や、毎日緊張が走る(私の中では)授業と、小学生の頃より自分が学校に向いていないことを気付かされる日々。
私が学校行けなかったのってあおちんだけじゃなかったんだなぁ。きっと、あおちんが最後の一手だっただけで。
結局、学校では別室登校をしている。あ、時々あおちんが話に来てくれる。意外にも私とあおちんの趣味は似ているらしい。
今日もあおちんと2人で林間学校へ向かう。久しぶりにみんなに会えるの楽しみ!
「ママ、もう準備できたよ!あおちんまだ来ないの?」
「落ち着きなさいよ、まだ約束の時間じゃないでしょ」
プロローグとの対比みたいな感じで書いてみました!
前回はどんよりオーラぷんぷんだったけど、今回は結構楽しみ!みたいな。
あんなにあおちんのこと苦手だったのにあおちんあおちん言ってるし笑
どうだったかな?感想コメントくれると嬉しいです!
2-2
「橋本です」
そう言うと、机の上にある名簿を眺めていた彼は顔を上げた。
「れん!久しぶり〜。俺のことちゃんと覚えてるよな?」
「もちろん!みなにぃでしょ!金髪になったんだね、似合ってる!」
「だよな!似合ってるよな!はるにはヤンキー味が増したって言われんだよなぁ…」
そう言いながらこの前と同じように1週間分のスケジュールを渡される。
「部屋は前と同じ101号室。12時には広場に来といて。もう2人とも来てるから早く行きな」
「えっそうなの!?ありがと!」
そう言って私は走り出し、ついに扉を開く―――。
2-3
「れん来た!遅かったじゃん」
「久しぶり、もう半年とかになるのかな?」
「優…!たまっち…!」
思わず2人に駆け寄る。
「久しぶり!元気だった?」
「元気だったよ!」
「私も」
それから、2人とたくさん話をした。
優はれいれいと中学で同じになったらしく、同じ部活に入り仲良くやってるそう。
たまっちは私立の全寮制の中高一貫に行ったらしい。
そんな話をしていると、時刻は12時手前。そろそろ広場に行く時間。
広場に着くと、まだあおちんたちは居なかった。前回もそうだったなぁ、あの時はあおちんが苦手だったなぁ、などと考えていると、
「アンタたち早くない?前もそうだったでしょ」
「いや、それはあおちんの準備が遅すぎるだけだから」
なんて、言い合いながら2人が来た。
すると優と話していたすーちゃん先生がビックリしたように2人のもとに駆け寄る。
「夜野さんは?一緒に来てないの?」
「は?一緒に来たし。今だって後ろに―――え?」
「あおちんの言う通り、出たときは一緒にいました。でも、いつから居ないかは…」
3人が話している様子からして、新しい子が来たのだろう。だけど、ハナから行方不明?大丈夫かな…。
なんて考えていると横でたまっちが「あっ」と声を出し、指を指す。みんなが指の先に注目すると、そこには黒いオーラが漂う少女がいた。
新キャラ登場です!
あ、あたしって登場人物の設定とか書いてないっすね。
それでだいじょーぶなんだろうか。
まぁ、基本小説ってそんな感じだし大丈夫ですよね!
2-4
「うわっ!おばけ、?」
思わず優が小さく叫ぶ。
「いや違うから!新メンバーだから!」
すーちゃん先生が慌てて訂正したあと、夜野さんの方に向かい、何やら2人で話をする。
しばらくすると、2人は私達の方にやってきた。
「新しくみんなの友達になる夜野実央里さんです!夜野さん緊張してるから、みんなから自己紹介してくれる?」
そう言われ真っ先に手を挙げたのは優だ。
「朝比奈優奈です!みんなには優って呼ばれてます!よろしくお願いします!」
やっぱ1番手を優がやってくれるのいいなぁ。私にはできないこと。
「鈴宮珠緒です。たまっちって呼ばれてます」
たまっちの話し方って落ち着いてるんだよなぁ。聞いてて心地が良くて、お上品って感じがする。
ついに私の番。前はあおちんが怖くって、ビクビクしながら言ってたっけ。
「橋本恋です!れんって呼んでください!よろしくお願いします!」
だけど、ここに来て、みんなに出会えて、変われたんだ。これからめいいっぱい楽しむぞ!
「春野葵。あおちんって呼ばれてます。よろしく」
あおちんはいっつも堂々としてて凄いなぁ。前の私はそれが怖くって苦手だったんだけどね。
「瀬賀怜亜です。れいれいって呼ばれてます。よろしくお願いします」
れいれいはなんか、すっごい賢そう。話し方とか立ち振る舞い?何食べたらそんな事出来るんだろ。後で聞いとこ。
次は夜野さんの番。緊張してるみたいだけど大丈夫かな?
「夜野さん大丈夫?」
すーちゃん先生が心配そうに顔を覗き込むと、夜野さんはコクリと頷き自己紹介を始める。
「…夜野実央里です。これからは、みおりんって、呼ばれる、らしい、です。よろしく、お願いし、ます」
自己紹介を聞いて思った。この子、私に似てるなぁって。
ここで、自分に自信を持つきっかけになったりしてくれたら嬉しいな。
れんちゃんがお姉さんになりましたねぇ。
あたし、第二章入ってから、ちょっと小説で、誰がしゃべってるかわかるようにしてみた?んですよ。
この前日記書いた時に台詞の前に〇〇が口を開いた。みたいなことを書けばいいんじゃないですか?って言ってくださった方がいて。
それを意識して、書いてみたんですけど、どうですかね?
あと、夜野って読み方「よるの」か「やの」かで悩んでるんですよ。最初は「よるの」のつもりだったんですけど、「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」の|夜野魁利《やのかいり》を唐突に思い出しまして。
どっちが良いですかねぇ
それも含めてコメントくれると嬉しいです!
2-5
「中1限定・林間学校」3日目。
朝ごはんの後、あおちんが話しかけてきた。
「れん、アンタみおりんに話しかけてくんない?」
「急にどうしたの?」
そう聞いた後に私はハッとして思わず聞いてしまう。
「まさか、みおりんいじめたの!?」
するとあおちんはブンブンと頭を横に振り否定する。
「もうそんなしょーもないことやめたから」
そう言いながら、でも、少し気まずそうな顔のまま話を続ける。
「ほら、そういう事してなくっても、私の喋り方ってちょっときついらしくってさ。ビビらせちゃうってわけ。だから、アンタなら話せんじゃないかって」
「あおちん…!そんなに気が使えるようになったの!?れん感動〜!!」
そう言いながら抱きつく。
「うっさい!!」
なんて言いながらも押しのけたりしない。
あおちんも丸くなりましたなぁ。
「でも、そういうことなら、優とかたまっちのほうが良くない?れいれいも無理そうだったの??」
「れいれいはれいれいでズバズバ言うとこあるから…。優は陽のオーラ強すぎるし、たまっちは優しすぎる気がする」
一人一人納得しながら聞いていたが、たまっちのターンで思わず聞き返す。
「っん?優しすぎ?ダメなの?」
「いや、別にいーんだけどさ、」
「なんか、踏み入ったこととか聞けなさそうっていうか…アンタの方がズケズケ行くとこはズケズケ行きそうだし」
「あたしのデリカシーが無いと…?まぁでも、私頑張ってみるよ。でも、毎日挨拶したりしてても、声聞いたの自己紹介の時だけだから。あんま期待しないでね」
「うん、ありがと」
れんがまさかそっち側に行くとは…!
れんもあおちんも成長しましたね。
周りを見る余裕ができた。
みおりんもそうなると良いな。
2-6
「待って!ホントに掴めないから!れん取って!」
「いやいやいやいや、私も無理だからぁ!優!ヘルプ!ヘルプミー!」
「2人ともまだ出来ないのー?ガッ!ってやってグッ!ってやるだけじゃん!」
「ガッ!グッ!って何??」
私には今日、あおちんから受けたミッションがある。だから、こんなことで足止め食らってる訳にはいかないんだ!
優の教え通りにガッ!とやってグッ!っと?掴む。2匹。
はるにぃに手伝ってもらって、魚に串を差し塩をまぶし焼く。
焼けた2匹の魚を持って、端のほうで1人で魚を捕ろうとしている子…みおりんに話しかける。
「あの…私、魚2匹捕れたんだけど、良かったら一緒に食べない?」
「えっ、や、あの…」
「あ、もしかして自分で捕りたい?素手で無理そうだったら、私、すーちゃん先生から網もらってくるよ?」
「や、だ、大丈夫…」
「本当?じゃあお話しよー!みおりん休みの日とか何してるの?」
「や、あの、1人…」
「ん?1人?1人で何かしてるの?映画見たりとか?」
「や、1人…に、して、ほしっ…!」
「1人がいいの?でもせっかく林間学校来たんだしさ、みんなで楽しもうよ。私もね、この前はじめてきた時、ヤダなぁ、帰りたいなぁって思ってたんだけど、みんなに出会えてめっちゃ楽しかったんだ!だから、それをみおりんにも味わってほし…」
途切れたのは遮られたから。みおりんの「うるさい!」という言葉に。
「1人の時間が好きやのにこんな場所に連れて来られて。こういうある程度自由にしててええ時間に1人になって他の時間耐え忍ぼ思てたのにこれか。みんながみんな人とおって楽しくなれる訳ちゃうねん!何やねん!ちょっとぐらい1人でおったってええやろ!」
そう言い、走っていってしまう。
橋本恋、ミッション失敗してしまったらしいのです。
いやぁぁあ、れん、失敗しましたね。
まぁそういうこともあるでしょう!
〜ここからは只の、裏話的なやつ〜
魚差したり、塩まぶしたりしてるのはるにぃにやないですか。最初はれんはそういうのができそうなみなにぃに頼んだんですけど、みなにぃ虫と魚、大の苦手で。そこではるにぃに助けてぇー!って言ったって感じですね。かわいい。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
2-7
呆然と立ち尽くしていると、遠くから見ていたのであろうあおちんがやってきた。
「あおちん…!」
泣きそうになりながらあおちんを見上げる。
「何があったの?」
「えーっと、」
と事の経緯を話し始める。
みおりんに自分の考えを押し付けてしまったこと、それでみおりんにまくしたてられて、何も言えないままみおりんはどこかに行ってしまった、ということを。
「あ"ぁー…。とりあえず謝りに行く?私ちょっと話してみるから、タイミング良い時に来て」
「ありがとう…!」
あおちん頼りになる…!
2人でみおりんを探していると、優とたまっちも手伝ってくれた。
しばらく探していると、裏庭の端っこに居た。
あおちんが話しかけに行こうとするが、その時、逆方向からある人…れいれいがやってきた。
「みおりん、横良い?」
ビクッ!と肩を震わせる。
「安心して、みおりんに話しかけないから。私が1人で話すだけ。ダメかな?」
そういうと安心したように頷き、少し端に寄り、れいれいが座る場所を作る。
「ありがと」
れいれいはそこに座ると、独り言のように話し出す。
「私さ、ちょっと前までいじめられてたんだよね。まぁ『いじめ』っていうよりは『いじり』っていうほうが良いんだろうけど。私って自分で言うのもなんだけど、勉強できるみたいでさ。それに加えて表情が乏しいから、すました顔で勉強できる嫌なヤツみたいになっちゃってさ」
ずっと下を向いていたみおりんの頭は、れいれいの方を向く。
「小学校高学年になった頃にはそうだったから、中学に上がる頃には慣れちゃったんだけどね。中学最初のテストの時、いつも通りみんなにギャーギャー言われて。私は、うるっせぇなぐらいに思ってたんだけど、春休みにここで一緒になってたまたまクラスも一緒になった優がね、助けてくれたの。そこで気づいたんだよね。自分に言われた言葉で傷ついてくれる人がこの世に存在するんだって」
思わず3人で優の方を見ると、グッ!と親指を立てている。
「そういう、人生において大切なものっていうの?をここで学んだ子、多いと思うんだ。れんも、そういう事が言いたかったんだと思う。距離感とか言い方とか色々間違えちゃったんだろうけどね」
しれっと私のこともカバーしてくれて…!出来る女ですわ。れいれいは絶対将来バリキャリウーマンよ。
「あれは、う、私も悪かっ、たの。、私がずっとウジウジしてて、1個1個に上手く返せ、なかったから。そんな自分がヤになってキー!ってなって、」
みおりんの思いを知って申し訳なくなる。私が悪いことしたのに、そんな風に思わせてしまって…って。
「そっか、れんさ、みおりんに謝りたいらしくて、ずっとそこで見てるんだけど、話してみる?」
「…うん。仲良、くしたい」
みおりんがそう言うと、れいれいは嬉しいそうに口を開く。
「じゃあ、行こっか」
そう言い2人は私たちの方に向かってくる。
どうしようとあおちんの方に目を向けるが、あおちんはたまっちと優と一緒に遠くの方に行ってしまった。
1人で頑張れってことだよね。私が悪いことしちゃったんだし。
よっしゃ!頑張って伝えるぞ!
「れん、みおりんと話せる?」
「うん、私も話したかったんだ。れいれいありがと」
そう言うとれいれいは頷き、あおちんの方に向かう。
「みおりん、ごめんなさい!最初を見たとき、ちょっと前までの私―、ここに来る前の私に似てるなって、そう思ったんだ。だから、みんなが私にやってくれたことをみおりんにすれば、仲良くなれると思って…。でも、やり方色々間違えちゃって…。本当にごめんなさい」
どんな顔してるんだろう、とチラッと顔を見てみると、みおりんは、泣いていた。
「へっ?あっ、泣っ!あ、わ、わたくし、また何かとんだご無礼を??」
私が慌てるとみおりんは少し冷静になったようで急いで首を横に振る。
「、違うの。う、私も、悪いこといっぱい言う、たのに、自分だけが悪い!みたいに思わせて…」
「いやいや!私が全面的に悪いから!ホントに!そんな風に思わせてしまってそれこそ申し訳ない…!」
「先に言う、たんがそっちでも、私も悪いこといっぱい言っ、たし…」
ひたすら謝り続けて終わる気がなさそうな私たちに向かってあおちんが言う。
「はいはい、2人とも自分が悪いって思ってるんだし、仲直りで仲良し!それでいいじゃん!」
「そうだね、みおりんもそれでいい?」
「うん、私、もそうしたい」
「あぁぁぁあ!」
「え、何?」
私が急に大声を出したから、あおちんがギョッとしたように私を見つめる。
「あ、ごめん。急に大声出して。なんか、みおりんの喋り方、違和感あって。なんでかなぁって考えてたんだけど、関西弁!」
「関西弁?」
あおちんが不思議そうに聞く。
「だから、みおりんの喋り方に違和感あったんだ」
さっきまで一対一でみおりんと話してたれいれいが納得する。
「そ、そんなわかりやすい?」
いたずらがバレた子供のように分かりやすく吶る。
「うん…だって、私は思いっきり関西弁話してるの聞いたし。あ、ごめん。なんか地雷、みたいな嫌なとこ踏んじゃった?」
「こっちに引っ越してきたとき、関西弁直ら、なくって。それで、いじめられちゃって…。学校行け、なくって」
「そーなの!?関西弁めっちゃ可愛いのに!私、関西弁喋る子好きだよ!私が喋ったらエセ関西弁になっちゃうけどね」
優が照れ笑いしながら笑う。
「ホン、ト?」
「うんうん。少なくともここにはさ、関西弁で、笑うようなヤツいないし。ここでは、肩の力、ちょっとぐらい抜いてみたら?」
「、そうする。みんなありがとう!」
この回でれんもみおりんも少し大人になれたのではないのでしょうか!
あと、やっとれいれいを活躍させることができた…!
ファンレターくれると嬉しいです!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
2-8
林間学校最終日。
今日でみんなとお別れ。
今は荷物整理の時間。あとはお昼ごはんだけ。この時間が3人でいられる最後の時間。
「あの、さ」
どうしても2人に聞きたいことがある。返事が怖いけど、口を開く。
「ん?どうしたの?」
「なになに?」
2人が私の方みる。よくない返事が来たら、やっぱり怖い。でも、これを聞かないと後悔するから。
「また、会える?」
そう聞くと、2人の表情が少し暗くなる。
「あの、私さ、バスケ部入ってるんだけど。今はまだだけど、そろそろベンチ入れてもらえそうで。そうすると、試合で春休み、いけなくなっちゃう。この場所大好きなんだけど、今、私の生活に毎日バスケがあって。その頑張りを、試合を出来なくなると、やっぱ悲しくて」
たまっちが申し訳なさそうに言う。
「そっか…。ここ以外にもそれぞれ生活があるもんね。優は?優は来れる?」
「私ね、留学するんだ」
「「え、留学!?」」
「この前の林間学校から帰ってきたときね、久しぶりにママとパパと3人で話したの。そこでね、アメリカ行かないかって。とりあえず1年で、そっちが合うなら、そっちで卒業しても良いしって。アメリカの学校は9月始まりだから、それまでこっちの学校行ってるー、みたいな。まぁ、実質親に捨てられた、みたいな?」
「優はそれでも大丈夫なの?」
「え、何が?」
「だって、実の親じゃなくても育ててくれたんでしょ?私はお母さんにもお父さんにも会えないけどさ。優はそうなっちゃってもいいの?」
「たまっち、心配しててくれてありがと。でもね、私、楽しみなんだ!広い世界!もちろん家族と離れるのさみしいけど、未知の世界にワクワクしてるの!だから、大丈夫だよ。安心して」
「そっか。なら良かった。変なこと聞いてごめんね」
最初は「留学」という言葉に驚いた。だけど、2人が話している間に私の頭はどんどん冷静になっていく。
本当にもう、会えなくなるんだ、と。
クライマックスですわよ!!
あと1話で完結です。
最後まで是非楽しんでいってください!
感想もお待ちしてまーす
2-9
最終回です!
「れん、どうしたの?」
会話に入っていなかった私を不安そうに2人が見つめる。
「いやぁ、ほんとに2人で会えないんだなあって思って」
そう言うと考え込んでいた優が「あっ!」と声を出す。
「ん?どうしたの?」
たまっちが聞く。
「私たちさ、この半年間?この林間学校がある!って頑張れたじゃん。だから、次会うの決めようよ!その日まで各々頑張る!ってゆーのどう?」
と優が提案する。
「なにそれめっちゃいい!」
さっきまでどん底だった感情が、優の言葉によって一気に上がる。
「いいね。いつにする?区切りがいいのは卒業とか、成人とか?」
「成人いいじゃん!お酒飲…今成人してもお酒飲めないっけ…」
「そうだね。じゃあはたち?」
「そうしよっか!はたちのつどい…いいね」
「いつにする?記念日みたいな日がいいよね〜」
「やっぱ初めて会った日とか?」
「それ良い!だったらさ、ここでボランティアしない?みなにぃとかはるにぃみたいに」
「れん天才!いいね、そうしよう!」
「じゃあ、7年後?ここで」
「うん、私英語ペラペラになって帰ってくるから」
「じゃあ、私はバスケでなんか賞取る!」
「えぇ、私どうしよう…。やりたいこと見つけて、それを精一杯頑張る!」
完結しましたぁ。
どうだったのでしょうか。
2月ぐらいから投稿し始めて。4ヶ月ぐらい?最初からずっと見てくれてた人、居るのだろうか…?居たら嬉しいな。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
始めて書いた小説で、拙い文だったとは思いますが、続けられたのは、ファンレターをくれた方、読んでくれた方のおかげです!
コメント待ってます!
ありがとうございました!