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目次
つまらないけれど
ピピピピ
電子音が私の目を覚ます。
一日の始まり。
あっという間に時は過ぎ
また私は眠る
つまらないな、こんな世界
なにか面白いことでも起きないかな
爆発とかさ
そう思っていたけれど
やっぱり、平和だな
私たちが生きてこれている、そうゆう事実は
とても、とても**贅沢**なんだ
ピピピピ
また、一日が始まる
菜「おはよ~、|奏多《かなた》っ!」
小1のころからの大親友の|菜乃《なの》に話しかけられた
奏「はよ。昨日のえくれあ様の配信見た?」
菜「見た見た!まじ歌枠サイコーだったよね!
あ、終わった後私はうるたぁの愚痴聞きながら寝たよw」
私たちはハッピー・オーバーフローイング!!(略してハピフロ)というVTube活動事務所を激推し している。
えくれあ様というのは
|所猫《とこねこ》えくれあ様のことである
私の最推しである
えくれあ様は猫だけれど魔女(もう一人のメンバーの狗尾さま)の
怒りを買って人にされてしまったのである・・・
いったい何したんだえくれあ様・・・
えくれあ様の登録数は709万人
うるたぁというのは
|潤田《うるた》|魅雲《みうん》のこと
うるたぁは《《一応》》妖精らしい
可愛らしい見た目とは裏腹に、毒舌であり、超病み星人でギャップ萌えすると人気
奏「あ~、うるたぁの愚痴動画はまじ神だよね」
菜「うんうん!でも私の最推しはやっぱりじゅまま様かな!」
そ、そうくるか
じゅまま、は
|風來《ふうらい》|濡真《じゅま》
語尾に~~です、を付ける大人気インフルエンサー
他の所属メンバーも人気だけれど、濡真には到底かなわない
8290万人が濡真を推しとして登録している
まぁ最強だが
私はあまり好きではない
っていうかそもそも濡真の話をしたくない
奏「いやぁ、濡真いいよね。って、遅刻するよ。早くいこ」
菜「あ、まじだ。いそご~と」
---
放課後
家に帰ると私はヘッドホンをつけ、PCを開く
そして、できる限り高く、可愛い声で話す
「はろじゅじゅ!風來濡真です!
今日も頑張れたみんなに最後にごほーびのじゅままのエロティックボイスをお届けしちゃうです!」
そう。濡真の正体は私。
**ピコン!!!**
スマートフォンが声を上げる
「くやぁ!?メール来たのでちょっと読むです。」
何々?
菜乃じゃねーかよ
<じゅままの配信始まったよ!!あ~まじエロティックボイスが楽しみだぁぁぁ>
<知ってる。けど私はえくれあ様の過去動画みてる。まじサイコー>
「中断失礼しましたです!…今日は愚痴になるですね」
え?愚痴…?大丈夫?そういうコメントばかり来る
あ。菜乃発見
じゅままどしたの!?なんでも教えて!
ふっ
菜乃らしーな
「じゅまま、学生なんですけど、ちょっと前にお祭りに行ったですよ。
そのときに普通に友達と行ったんですけど
歩いてたら、
チnコさんですか?って声聞こえて、、、は?どの辺にいるんだ。場所確認したらにーげよって思って
振り向いたんです
そしたら、目の前に知らん男子の顔があって
風來濡真さんですか?って聞かれて、
ちらっと後ろにクラスの男子の顔が見えて
っ!ってなって
もう逃げて逃げて
怖かったし、その次の日学校行きたくなくて
もうほんとに怖かったんです
マイナスな話してごめんなさい」
そう言って
私は
甘い声で
「お疲れ様。明日も頑張ろうね」
とつぶやき、配信を終了した
ぶいちゅーばーのところは嘘ですが
起こったことは実際にありました
祭の事件でマジで男子恐怖症になりました
かわいいね
「可愛いね」
「キミ可愛いよ!」
「これで未整形!?めっちゃ可愛いから自信もって!」
小さいころから
ずっとずっと
可愛いと言われてきて
それがほかの子には言われてなかったから
嬉しかった
でも
今は
可愛くないといけない
ちょっと髪巻くの忘れてただけで
「髪サラサラだね・・・」
ちょっとがっかりされて
可愛いって
なに?
**可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可わいいかわいいかわいいかわいいかわいい**
「うるさいんだよ・・・ッ」
こんな世界
クソだ・・・ッ
可愛いなんて、消えてしまえばいい
おいしいね!
「お兄ちゃん、これ、おいしいね」
そう言ったら
お兄ちゃんは私をみて、カタカタと震え始めた
その後、
「化け物だ!」と
言って
どこかへ走り去ってしまった
どうして?
これはとってもおいしいよ?
ちょっと長い毛が引っかかるけど
眼球は大きいし、太もももトロトロで美味しい
そこらへんにいっぱいいるし
今度はちっちゃいのも食べてみたいな
またたべよ!
おいしいな
ね、おいしいから食べてみてよ!
目とか
おいしいよ 、 ?
どうして、
みんな私から離れていくの、、、?
彼女が食べていたものは何でしょう?
ヒント
長い毛、、、とは?
そこらへんにいっぱいいる
答え合わせは日記に
マリーゴールド
「あ、咲いてる」
とある日の休み時間
私はマリーゴールドの水やりに来ると、花が咲いているのを見つけた
「綺麗だねぇ、きみ」
そーゆーシュミではないのだが
ついつい話しかけてしまう
だって
本当に美しいんだもの
「いつか散ってしまうのに
どうしてそんなに堂々としていられるの、、、?」
きみは知らないんだろう
実はきみは穢れた、悲しいものだけれど
とても美しい
散ってしまうからこそ
儚く、美しいのではないだろうか
人は
きみと全然違うね
優しそうな顔をしていても
腹の底では
何を考えているか分からない
私は、きみのように
美しくはなくても、素直な人間でありたい
目標をくれて
人生の目的を教えてくれて
【__水をくれて__】
本当に
【__僕を大切に扱ってくれて__】
**『ありがとう』**
一人の少女、スミレと、一輪の花の気持ちは同じだった。
---
その後、そのマリーゴールドは
美しく、儚く、可憐に、散華したそうだ
---
その後、スミレは素直な美しい女性になり、
幸せそうな顔で一生を終えただとか。
《まさにあの子にぴったりな花言葉ね。》
そう言ったのは、スミレか、マリーゴールドか。
それは永久の謎。
end...
マリーゴールド「悲しみ」「嫉妬」「絶望」
スミレ「誠実」「謙虚」