学園ものです。中でも恋愛多めです。
少しGL要素だったりBL要素が出てくるので苦手な方はここを見たらすぐに閉じることを推奨します。
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目次
第1話 イケメン教師
主人公が2人います。基本的にはその2人(特に教師)の視点ですが2人以外のキャラの視点の話もあるので了承ください。
「松村先生!サインしてください!」
「いいよ」
「ありがとうございます!」
俺は松村翔。30歳の国語教師だ。みんな俺が通り過ぎるだけでキャーキャー言ってくる。告白だってもう何回されたことか。そんな俺には今好きなやつがいるんだ。
「国語始めるぞー!」
「キャー!松村先生!」
1年1組の国語の授業をしに来た。俺の好きなあいつは…
「今日は新作シフォンケーキの発売日だ…だから今日は早く帰らなきゃ!」
いたいた。愛原まひろっていうんだよ。シフォンケーキのことしか頭にないやつさ。俺がどんだけ彼女に話しかけても冷たくあしらわれるんだよなぁ。『女を堕とす言葉』があいつには通用しないんだよ。
俺はなんであいつに恋しちまったんだろ…
第2話 シフォンケーキ狂
今回は生徒、愛原まひろの視点です。
私はシフォンケーキが世界で一番好きなの!あのふっわふわの生地をぱくっと食べると口の中で泡のようにとろけていってもうたまんない!プレーンもいいけど、抹茶とかチョコ、それにフルーツ入れたらとんでもなく美味しいの!
今日は私の行きつけのケーキ屋さん、パティスリー・ラ・フルールで新作シフォンケーキが発売されるの!
楽しみすぎる〜!ただ、そんな私には最近気になることがあって…
「おい。愛原。お前最近国語のテストの成績が落ちてるぞ」
やっぱり来た!松村先生だ。最近放課後になるとめっちゃ喋ってくるの。なんで?松村先生が大好きな子たちいっぱいいるのになんで私ばっかり?その子たちに話しかければいいじゃないの!
「ごめんなさい!今日新作シフォンケーキが発売されるんで、明日聞きますから失礼します!」
いつもなんやかんや言ってうまくすり抜けてるけど…もう意味分かんない!
第3話 相談相手
ったく…いつものように成績の話を建前に話しかけようと思ったらまた断られた。今度は「新作シフォンが発売されるから」って断られたし。はぁ…愛原にとって俺はシフォンケーキ以下なのか…
こうなったらあいつに相談するっきゃない!こういう時だいたいあいつは自分の教室、つまり俺が担任してる1年3組で勉強してるさ。ほーらいた。
「おい紺野。ちょっと話聞いてくれるか」
「はい?またですか?私は今勉強してるんです。早いとこ済ませてください」
彼女は紺野凛。うちのクラスの学級委員でみんなから頼られてる。どうやらこの辺りでは有名な大学に行きたいらしく毎日放課後勉強してるんだ。
「で、なんですか」
「実はさぁ…愛原に話しかけても冷たくあしらわれるの。」
「そりゃそうでしょう。だってまひろはシフォンケーキのことしか頭にないんですから。どうやらまひろにとって松村先生は空気みたいなものなんですから。」
空気…空気…?俺には空気と同等なのか!?今から空気どうやって吸えばいいんだよ!?
「じゃああいつに近づくにはどうしたらいいんだよ」
「さぁね。シフォンケーキ好きになったらどうですか?それか転職してシフォンケーキ職人にでもなったら?」
それじゃあ解決になってねぇ!俺は教師をやめるなんて宇宙が大爆発を起こしたってあり得ない!
俺の恋は薫みたいに宇治の霧の中の奥深くまで踏み込んじまったようだ…
第4話 シフォンケーキ狂の過去
「あっ、そうだ」
紺野は何か呟いた。
「どうした?」
「まひろの前で絶対に硬いお菓子、例えばビスコッティとかハードクッキーの話をしないでくださいね?彼女には妹のひなたちゃんがいますがビスコッティ派なようで毎日喧嘩してるって聞きましたから…」
妹と毎日喧嘩してるって?そんな食感が柔らかいか硬いかの違いだろ?そんなんで喧嘩するなよ…まあ姉が姉なら妹も妹か…納得だ。
「…私とまひろは小学校の同級生なんです。以前のまひろは全然普通の子でした。普通に勉強して、普通に放課後友達と遊んで、普通にゲームして…っていう感じでした。小学6年生の時にまひろはいじめを受けたんです。それで不登校になっちゃって…そっからなんかシフォンケーキ狂になっちゃったんです。だから成績もどんどん落ちてきましたね。」
意外と愛原も辛い過去を送ってきたんだな…
「私がこの高校を選んだ理由は学費が安いのと近いからです。その話をしたらまひろが『凛と一緒のとこに行きたい』って必死に勉強して合格したらしいです」
友達想いなとこもあるじゃねぇかよあいつ。
愛原は、ただのシフォンケーキ狂じゃなかった。
第5話 可愛い弟分
俺には自分のクラスにとっても可愛い弟分がいるんだ。
「おい、黒川。また一人で本読んでんのか」
「松村先生!」
こいつは黒川誠。いっつも一人で過ごしてるんだよ。愛原同様、いじめを受けてそれ以降ずっと一人でいるらしい。
「こうやって一人で過ごしてた方が好きなんです。それより先生と過ごしてる方が何倍も好きですし」
「まあ、お前と過ごしてる時間は悪くないな」
ここで黒川みたいに好きって言えたらいいのにどうしても言えねぇんだよなぁ。
「ねー、先生!今日見た夢に先生が出てきたんです!」
「どんな夢だ?」
「先生と僕がデートする夢でした気がする。僕は第一先生が一番好きなんで嬉しいですけどね」
こいつどんだけ俺のこと好きなん?
「…分かった分かった。そろそろ時間だから早く帰れ」
「じゃあ先生!また明日!」
「じゃあな」
俺も少し素直になれる努力した方がいいのかねぇ。
更新遅れてすみません
第6話 シフォンケーキ狂vsビスコッティ狂
今回はまひろ視点です。
「ただいまー!」
「まひろ、おかえり。今日のおやつビスコッティしかないんだよ。だからこれ食べて?」
は?母さん何言ってんの?シフォンケーキ切らすなっていつも言ってんのに。ビスコッティみたいなあんな硬い菓子誰が食べるの?
「うわぁ!ビスコッティじゃん!いっただきまーす♪」
いました。私の妹、ひなたです。
「あれー?お姉ちゃん全然食べてないじゃん?こんなに美味しいものを食べないなんて。人生の9割方損してるよ?」
「シフォンケーキを食べない方が人生100割方損してるし。ほんっとそんなん毎日食べてたら歯がボロボロになりますよー?」
私とひなたはこうやって毎日いっつもいっつも喧嘩してる。母さんは最初は私たち仲裁してたけどいつものことってもう止めなくなった。
「よくもビスコッティを侮辱したね!?じゃあこっちも言ってやる!シフォンケーキなんてあんな柔らかすぎて硬いもの食べた時にそっちこそ歯がボロボロになるんじゃない?」
「よくも私の生き甲斐で私の結婚相手で私の命より大事なシフォンケーキの悪口を言ったわね!?」
ついに私とひなたは取っ組み合いになった。そして…
『ドシーン!』
あっヤッベ。押し入れの扉を大破しちゃったよ。
「…こら!何やってんの!お前ら弁償しろ!」
この後私たちは帰ってきた父さんに3時間説教されました。
第7話 相談相手も女子高生
今度は凛視点です。
私は帰り道、お気に入りの雑誌を見つけた。
「うわぁMeltyだ!」
Meltyは私の大大大好きなJK向けファッション雑誌なの!そういえば…今日が最新号が出る日だ!
私は早速Meltyを買って帰ってから読むことにしたの!
「たっだいまー!」
「おかえり。今日は随分と嬉しそうね。いいことあったの?」
「うん!そうなの!」
私は自分の部屋に戻るとMeltyのページを開いた。
「うわぁ…珠妃ちゃんだ!」
珠妃ちゃんっていうのは私の大好きなMeltyモデルの天野珠妃ちゃん!私と同い年でこんなに輝いてて…すごいなぁ…ファンレターを送ったら返事をくれたことがあるんだ!
「この珠妃ちゃんが持ってるリップ欲しいな…この服も欲しい!もう欲しいものがありすぎて大変…♡」
「凛!ご飯だよ!」
「はーい!」
私もいつか珠妃ちゃんみたいな女の子になるんだ!
第8話 陽キャ
今回はまひろ視点です。
「凛!陽葵知らない?」
「えー?知らないなぁ。てかなんで?」
「いや私と凛と陽葵で一緒に帰ろうと思って。」
陽葵は凛と同じくらい私の大事な友達!受験する時に話しかけてくれたんだよねぇ。私と違ってバリバリの陽キャなんだよ〜
「まひろ〜凛〜!」
びっくりした!陽葵だ〜!
「ちょうど陽葵も一緒に帰ろって誘おうと思ったんだよ!そしたらいきなり後ろから現れるからびっくりしちゃった〜」
「ホントにマジで。やっぱり陽キャは違うなぁ…」
「何言ってんの?凛も陽キャでしょうが」
ボケもツッコミもできるのすごいなぁ…凛にしろ陽葵にしろどうしたらそんなに友達できるんだろ?私二人以外に友達いないんだけど。陽葵に至っては彼氏いるもんな。
「最近彼氏とはどうなの?」
「うん!良好良好!最近会えてないことだけが悲しい…まあ高校違うからね…」
…そういえば私にも彼氏いるじゃん!シフォンケーキだよん♡
第9話 小心者
…今日も愛原に拒絶された…しかも今日は「最近なんでそんなに話しかけてくるんですか?」って冷たい目で言われたぁ!もう俺は終わりだ…
「…あ、あの…松村先生…明日の学年集会について聞きたいことが…」
「妻木先生。なんでしょうか?」
妻木恵先生はとても教え方がうまいし20代後半にしては教師として申し分のない先生だ。だが、ちと小心者すぎる。なんかいつも俺に話しかける時めっちゃ手が震えてんの。なんでなんだろ。
「…最初が先輩方へのマナーについて、次が遅刻やトラブルへの注意、最後が長期休暇の過ごし方ですよね…?」
「はい。そうですよ」
妻木先生は本当にきっちりしてんだよね。テキトー主義者の俺とは違うよ。
「あと、妻木先生が話す長期休暇のところ、最近クマの出没情報が相次いでるからその注意もよろしくお願いします」
「はい。分かりました」
そういえば…あと2週間ちょっとで冬休みか…冬休みの間愛原に会えないなんて!
悲しすぎる…
第10話 小心者の恋
今回は妻木先生視点です。
私は松村先生のことが好きなの。でも全然話しかけられない…(泣)
昔から私はそうだった。陰キャでいつのまにかコミュ障になってたの。
私と違って松村先生は人気者だし、イケメンだし、優しいし、面白いし…あれ?非がなくない?
それに比べて私は…もうやめよ。思考停止じゃーい!
「そうだ。妻木先生。」
な、なに?まさか私がこんなこと聞いてきたのがアホらしいって?怖ーい!
「妻木先生の授業こないだちらっと見させてもらったけど教え方とっても上手だからもっと自信を持ってもいいと思いますよ」
「…そ、そうですか…ありがとうございます…!」
顔赤くになったのバレたかな…?バレてなかったらいいけど…ダメだ。この人から離れよう。松村先生が近くにいると心臓に悪いから。
やっぱり松村先生は罪な男だ。
いつのまにか第10話まで行ってる!?
第11話 イケメン教師の恋愛歴
…冬休みが始まっちまったぜ…ていうか俺の恋はろくなのがねぇな…
最初に好きになったのは小5の時の先生だったな…とっても素敵な女だった。この人が俺の担任じゃなかったらきっと俺は今教師じゃねぇよ。俺の恩師で、俺をこの世に繋ぎ止めてくれた人だよ。
次に好きになったのは中学生の時。とっても不思議な子だったな。いつも窓の外を眺めてて何を考えてるか分からない。やっぱり自分に全く関心のない女が一番自分を振り向かせたくなる。
でも結局振られちまったなぁ…彼氏がいるんだってさ。まぁ綺麗な女子だったから他の男と付き合ってても不思議じゃねぇな。
その次は大学の同期。その時は中学生の時に振られたことがきっかけで告れなかった。あいつ今何してんだろな。また教師として再会できたらいいんだけど。
で、現在でしょ。全く俺の恋愛歴ろくなのがねぇな。まぁこれも俺がこの美貌で女たちを次々と虜にしてるせいと思えば納得だな。
第12話 シフォンケーキ狂たちの冬休み
まひろ視点です。
暇じゃのぅ。あれからビスコッティとシフォンケーキ禁止されてしまったからね。
だから今日凛の家で陽葵と3人で遊ぶことになってるの。
「やっほー凛!」
「おはよー!陽葵も来てるよー」
「まひまひ!おはよ!」
凛の部屋へ早速お邪魔する。
「でもさー、私の部屋で何にもすることなくない?じゃあショッピングモールでも行こうよ!」
幸い私も陽葵の財布を持ってきてたので、バスで『happiness』に来たよ!happinessは私たちが住んでる朝日奈市のショッピングモールなんだ!
「何買うー?」
「私LUMIÈREのミラー付きコーム買おうかな」
「私100均行きたいな」
みんなそれぞれ買いたいものも行きたいものの違うんですよ。これが『みんな違ってみんないい』ってやつなのかな。それで100均行ったの。
「おい。愛原」
と、誰かに肩を叩かれた。この声は…
「ま、松村先生!?なんでここにいるんですか!?」
「いや?たまたまファイル買いに来たらお前らがいたんだよ。俺、隣の東雲市に住んでるけどhappinessが近いからここに来てんの。」
「先生、さようなら。私たちは女子会ライフ楽しんでるんで!」
凛!ありがとう。やっぱりあなたは私の頼れる親友だわ…♡
「おい待てって!」
私たちは松村先生の声をよそにカフェでタピオカ飲んだりしてて楽しい1日を過ごしたよ!
第13話 若葉ヶ丘高校の悲劇
めっちゃ時間飛びますけど許してください。つまり作者の小説の才能がないということと思っていただいて構いませんので。
さぁ、今日は1年が終わる日だ。今は離任式だ。
「…この高校で4年間お世話になりました、松村先生」
「えー!!!!!!!?????」
ほらやっぱり。女子たちはこういうと思った。俺だってこの高校好きで離れてるんじゃないからな!?
愛原となんの進展もないまま結局異動の内示が出されたし、紺野や黒川とまだ話したいんだ俺は!
誰か俺のわがままを聞いてくれ…あっ、そうだ。もう俺が話す番か。
「みなさん、おはようございます。この度、人事異動により若葉ヶ丘高校を離れることになりました松村翔です。先ほど教頭先生がおっしゃったようにこの高校には4年間お世話になりました。
着任したとき、みなさんが温かく迎え入れてくれてとても嬉しかったのを今でも覚えています。
みなさんが一生懸命課題に取り組む姿や文化祭で思いっきり楽しむ姿を見せてくれたことが私にとって何よりの宝物です。
いつも支えてくれた先生方、保護者や地域の皆様、そして元気いっぱいの生徒の皆さん、本当にありがとうございました。これから別の学校へ行きますが、皆さんのことはずっと応援しています。
新しい学年でも、自分の目標に向かってがんばってください。さようならではなく、またどこかで会いましょう。」
あーあ、女子生徒たちみんな泣いてるよ。俺以上のイケメンが来たらみんなきっと俺のこと忘れてその先生にのめり込むんだろうなぁ…やっぱり女子から見て男は顔を見て価値を判断するものなのか…
さぁて、俺は誰に花束を渡してもらうと思う?もちろん、紺野と黒川だ。
「先生…僕は先生がいなくなったらどうやって生きていけばいいんですかぁ!」
「まぁまぁ黒川落ち着けって。入学当時のお前と今のお前じゃ度胸の度合いが強くなったんだから。俺がいなくてもやってけるだろ」
「先生との思い出は絶対に忘れません!」
「紺野、お前には随分世話になったな。ありがとう」
式終わったのはいいのだがこっからが問題なんだよなぁ。
「松村先生!サインください!」
「嫌だぁ…松村先生がいなくなっちゃうなんて!」
「LINE交換してくれますか!?」
女子たちに囲まれて身動きがとれなくなっちまった。ここに愛原の姿がないってことは、愛原はやっぱり俺のこと空気だって思ってるのか。でも今は、それ以上に若葉ヶ丘高校を離れることが悲しい。
長くなってすみません。次回から新しい舞台『雪村学園』が登場します!
第14話 大学の同期
雪村学園は中高一貫校らしい。そんなことはいいんだけどさぁ…なんで隣のデスクの教員が俺の大学の同期、波多野綾香なんだよ!
おかげで仕事に集中できないじゃん…(泣)
「松村先生。久しぶりですね!」
頼むから話しかけてこないでくれぇ!!!!
「本当にそうですね。大学以来ですからもう8年になりますか」
「そうですよね!本当に時が経つのって早いですよね。…私、去年も1年生の子たちの担当してたんで今年も2年生の担任を松村先生と一緒にやれるの嬉しいです!」
波多野先生はこういうことが平気で言えるから心臓に悪いんすよ。罪な男と罪な女か…自分で自分のことを罪な男っていうのは自画自賛が過ぎたか?まぁでも若葉ヶ丘でたくさん女子たち虜にしてきたからいいよな?
「そ、そうですね。ここの高校の1年の子たちってどんな子なんですか?」
「みんな優しい子たちですね〜そして個性豊かな子たちがいっぱいいます!」
へぇ〜若葉ヶ丘高校の生徒たちも個性が溢れすぎてたけど雪村学園の生徒たちもそんな感じなんだ。
俺が担当するクラス、2年4組の生徒たちがどんな生徒たちが楽しみだ。
第15話 モテない教師
「なー松村先生。今日飲み行く?」
「行きます行きます」
俺に飲み誘ってきたのは中尾弘明先生。なぜか意気投合して仲良くなった。俺より10歳年上だ。
この人は酒飲めないのに俺に飲み行かないかって誘ってくる。だから中尾先生はいつも居酒屋行くと烏龍茶飲んでる。
「いよいよあさってだな…学校が始まるのは」
「そうっすね。先生は去年何年生担任してたんですか?」
「1年生、つまり新2年生の担任」
「じゃあ波多野先生と2年連続で同僚ですか?」
「まぁそういうことだな。あんな美人と2年も同僚なんて肩身が狭いよ…」
中尾先生は彼女いない歴15年らしい。まぁ納得だけど。あっ言い過ぎました。いくら俺がモテるとはいえそんなことは言っちゃいけなかったな…
「今度は『雪村学園一有名な双子』の弟の担任かよ…」
「雪村学園一有名な双子?それってなんですか?」
なんだそりゃ。
「姉はモデル、弟は成績学年トップの双子。いろんな意味でこの学園では名の知られた存在だよ」
うっわまぶいな。すげぇ。
「去年は姉の担任だったし…本当に俺と並ぶといかに俺の顔が悪いか分かるよ…いいよな、松村先生は。イケメンだもん」
「そうっすねぇ。前の高校では全女子生徒を虜にしてました」
「自慢ですか?」
俺は中尾先生ともっと仲良くなりたい。俺と中尾先生は全く正反対だけど、もっと仲良くなれるはずなんだ。
第16話 氷の女王
まぁ中尾先生と波多野先生は100歩譲っていいとして、2年3組の担任、氷室恋雪先生が…
「松村先生。なんで波多野先生ばかり見ているんですか?そんなに波多野先生ジロジロ見てたらセクハラで訴えられるかもしれませんよ。それと学年集会ですが…」
氷室先生は俺の3つ下のくせに、めっちゃうるさいんです。どうやら波多野先生曰く生徒たちから『氷の女王』として「氷の女王が担任になったら終わりだ」とか言われてるらしい。まぁ分かるわ…
「いいですか。いじめは絶対に撲滅せねばいけません。なのでここをもう少し長く話すべきだと思いまして…松村先生はどう思いますか?」
「まぁそれでいいんじゃないですか?」
「それでいいんじゃないですかでいじめが撲滅できると思ってるんですか!?いいですか?いじめっていうのは私たち教員が『絶対に無くす』という信念のもと無くさないと無くならないし、生徒たちにもそれを呼びかけていかなきゃいけないんです!」
あーはいはい分かりました。もう十分です。
紺野、俺はこの高校でやっていけるのだろうか…
第17話 双子の姉
今日が新学期最初の日だ。波多野先生を見つめてる場合じゃないぞ!気を引き締めるんだ松村翔!
「みなさん。おはようございます。今日からみなさんの担任になりました松村翔です」
「キャー!!!!」
「イケメンだー!!!!」
若葉ヶ丘高校の最初の時も同じだ。一回ぐらいシーンとしてる最初の時ないのかな。
今日の休み時間めっちゃ話しかけられたんだけど。うるさい。
「ねー、松村先生。珠妃ちゃんのこと知ってる?」
ある女子生徒は話しかけてきた。
「あー、なんかこのクラスにいたような…」
「知らないか。珠妃ちゃんは『雪村学園一有名な双子』の姉でモデルさんなんだよ?顔の良さでは覚悟しといてね(笑)?」
あいつか!雪村学園一有名な双子の姉っていうのは。
「松村先生。私が天野珠妃でーす!」
あー、これは俺より絶対美形だわ。自分より美形って認めたの初めてかも。
「これからよろしくお願いしますね!中尾先生のこと侮辱したら絶対許しませんから」
「中尾先生のことを誰が侮辱するんだよ…すっげぇいい人なんだから」
まぁ、なんやかんや雪村学園の子たちには馴染んでいけそう。
私も珠妃みたいに美人になりたいなぁ…
第18話 ロングスリーパー
まひろ視点〜♡I love chiffon cake.
久しぶりの若葉ヶ丘高校です!
新学期が始まって私と凛は同じクラスに!陽葵とは離れちゃったけどシフォンケーキも解禁されて毎日ハッピー!
でも凛とは席は離れちゃった。せっかく同じクラスになれたのにぃ…(泣)
で、私の隣の席の子は…
「これからよろしく、愛原さん。てことでおやすみ…」
今枝愛希奈さんって言うんだけど、この子はいつも授業中に寝てるんだよ。
「じゃあ世界史の授業始めます…」
新しく私の担任なったのは妻木先生!まぁ知ってる先生でよかったよ。
「みなさん、こないだマリー・アントワネットの話をしましたね?なんで民衆たちの反感を買ったんですか?…じゃあ今枝さん。今枝さん?起きてください」
「はい!贅沢な暮らしぶりをしており、『パンがなければお菓子を食べればいいじゃない』などと言ったりしたため反感を買ったんですよね?」
「おお…すごいですね!」
ほら、寝てるのに何故か話聞いてるの。なんで?
きっと超能力が使えるんだ!すごーい!
私の超能力は…『必殺シフォンケーキの生クリームをぶちまける!』…かな(笑)?
第19話 ライバル
そういえば今日教育実習生と打ち合わせがあるんだよなぁ。どんな人だろ。
「こんにちは。小鳥遊翼です。よろしくお願いします。」
おーっと?こいつ…とんでもねぇイケメンだ!ヤベェ…俺はこの座を死守せなばならんのだ!
「こちらこそ。松村翔と申します。まず、登校の時間や下校の時間、研究授業について…」
30分も話したらもう疲れた。ていうかまぶすぎてなんにも集中できねぇ…
「分かりました。丁寧に教えてくださりありがとうございます」
「では、1ヶ月後から2週間、よろしくお願いしますね」
「はい」
------------1ヶ月後。
今日か…ついにあのイケメン野郎がこの2年4組に来るのは。
「おはようございます。今日から2週間、教育実習に来ました、朝日奈大学の小鳥遊翼です。担当教科は理科です。たくさんお話ししたいと思っています。趣味は映画鑑賞で、高校時代は放送部でした。短い期間ですが、授業や学校生活を通して、皆さんと一緒にたくさんのことを学びたいと思っています。よろしくお願いします。」
「キャー!!!!!」
この高校生たちはみんなイケメンが来ると同じ反応なのか。まぁいい。
小鳥遊翼…よきライバルになりそうだ。
第20話 転校生
Have you ever been a class representative?
今回は凛視点です!
「みなさん、今日は転校生がいらっしゃいます。仲良くしてあげてくださいね」
転校生!?嬉しいなぁ…どんな子だろ?仲良くなりたい!
「じゃあ八王子さん、入ってきて」
「はい」
うわぁイケメンだ。きっとこのクラスの女子たち虜にしちゃうんだろうなぁ…
「おはようございます。星宮女学院から来ました八王子薫です。趣味はバイオリンの演奏です。たくさん話しかけてくださると嬉しいです!」
えっ?女の子じゃん…ヤバい…どうしよう恋しちゃったかも…実は私、レズビアンなんだ。これに気づいたのは中学生の時。あれからイケメンな女の子を見るとドキドキしちゃう。今回の八王子さんだっけ?私の好きなタイプど真ん中すぎてエグい…
「じゃあ八王子さんは紺野さんの隣に。あの髪を縛った女の子の隣です」
嘘やろ!?私の隣!?
「よろしくね、紺野さん」
「…は、はい…」
果たして席替えまで私の心臓は持つのでしょうか。
第21話 超絶美人教師
どうやら氷室先生が病気になったらしく今休暇を取ってるらしい。俺としてはいない方がありがたいのだが。おっとこれは失礼。言葉を誤りました。
「それで新しい常勤講師の方に来ていただきました。」
どんな人だろ。もしかしたら中尾先生みたいに仲良くなれるかも?
「本日より氷室先生の代替として、2年3組の担任をお引き受けすることになりました、早乙女理緒です。学期途中からの着任となり、至らない点やご迷惑をおかけすることも多いかと思いますが、学年の先生方をはじめ、皆様に色々とご指導をいただきながら、一日も早く業務に慣れるよう努めてまいります。精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします」
…なんでかな?今すごい心臓の音がうるさい…しかも光り輝いてる…まさかこれは!?ダメだ、全く俺の心臓の音以外何にも聞こえねぇ…
「よろしくお願いします」
早乙女先生は一人ずつ、一人ずつあいさつしていく。
「…よろしくお願いします」
俺に言う時だけ少し顔を赤らめたような気がしたけど、それは今自分が恋をしてしまったせいだからだろう。
俺の恋は始まってしまった。
もうなんかぶっちゃけ松村とまひろ関わってないからタイトルに矛盾してるような…
第22話 シフォンケーキ狂の変化
Do you like chiffon cake?
まひろ視点です!最近雪村学園→若葉ヶ丘高校→雪村学園って交互になってる…
最近、私の何かがおかしいことに気づいてしまった。あんなに世界一美味しくて神様が私たちにくださったお菓子のシフォンケーキすら喉に通らない。それに松村先生を思い出すと胸が痛い。
これってなに?どういうことなの?…思い出した!困った時は学級委員の凛に聞けばいいんだ!
「ねー、凛。最近シフォンケーキ様も喉を通らないし、松村先生を思い出すと胸が痛むの。なんで?」
「…!?…」
凛は思わずシャーペンを落とした。どうしたんだろ。私の気持ちっておかしいの?
「…まひろ!なんでその気持ちを松村先生がいるうちに気づかなかったの!?」
「え?なんで?」
「それは恋よ!恋!」
これが?恋?初めての感情だから私にはよく分からない。
「…松村先生がいるうちに気づけばまひろと先生は両思いになれたのに」
「えっ?松村先生って私のこと好きだったの?」
「そうだよ!?知らなかったの!?松村先生まひろのこと大好きだからいっぱい話しかけてきたんだよ?」
えー?初耳だなぁ。松村先生はもういないから私の恋は叶わないってこと?
シフォンケーキみたいに甘い恋にはならなさそうだ。
第23話 転校生の秘密
I am not struggling with being a lesbian right now.
今回は凛視点〜
八王子さんはよく私と勉強してくれる。私が人に勉強を教えてもらうことなんて初めてだ。
「凛。ここは…」
やっぱり集中できないや。こんなにかっこいい女の子が隣にいるなんて。私が惚れないわけがないよ。
「あっ。そろそろ時間だから帰ろっか。」
「そうだね。」
口ではそう言いつつも本当はまだまだ八王子さんと一緒に居たいと言えない自分がいた。
「…凛。聞いてほしいことがある。誰にも言わないでよ?」
「約束するよ」
「…実は私ね、FtM…つまりトランスジェンダー男性なんだ。だから自分がおかしいのかなって悩みに悩んで。本当に辛かった。凛は優しいし、正義感あるからきっと約束を破るようなことしないって思って。」
「…話してくれてありがと。辛かったよね。…実はさ、私もレズビアンなんだよ」
「えっ?」
「だから八王子さんの気持ちはよく分かる。私も悩んだもん。今はレズビアンだってみんな同じ人間なんだって気づけたからもう悩んでないよ。そう思えるようになるには時間がかかるから無理強いはしないよ。とりあえず、困ったら私を頼ってね」
「…ありがと…凛…」
八王子さんがいつかFtMであることに悩む毎日から解放されることを祈る。
第24話 超絶美人教師はツンデレ?
「あの、早乙女先生…これについてなんですが…」
今度は俺が妻木先生になったみたい。早乙女先生に近づくと何もかも忘れてしまいそうだ。
「…っ…じ、じろじろ見ないでください! 直せばいいんでしょう?直せば!」
あー、これはどっかの漫画で見たことがあるぞ。えーっと…なんやったっけ?そうだ!ツンデレ?ってやつだ!
「…あ、これでOKです…ありがとうございます」
さっと早乙女先生の元から立ち去る。理性がいつ崩壊するか分からないもんね。
はぁ…あの人ツンデレだったんだ…どうしよう!今はまだツンしかないけど、もし俺にデレの部分をちょっとでも見せてくれたら俺マジで早乙女先生の唇奪っちゃいそう。
「…あー、まだ氷室先生帰ってこないでね」
「おい聞こえてるぞ」
「あっスイマセン」
今の独り言、中尾先生に聞かれたか…独り言って要注意だな。じゃあ心の中で呟く分にはいいんだよな?
『早乙女先生が、俺のことを好きになってくれますように』
なんてことあるのかな?
俺の恋はまだまだ始まったばかりだ。
生きることに疲れたなぁ。
第25話 可愛い弟分の初恋
Even a lonely person falls in love.
誠視点だよ!
…松村先生がいなくなって何ヶ月経ったんだろ。松村先生がいないと、毎日が真っ黒に見える。
でも、最近はその暗闇の中に一筋の光が見えるようになった。
2年連続同じクラスの紺野さん。あの人はいつも明るくて、責任感も強いからとっても眩しい。
紺野さんはいつも一人ぼっちの僕のことを気にかけてくれる。優しい。
僕が風邪ひいた時でものすごくだるかった時に、
「大丈夫?保健室行く?」
こうやって声かけてくれたし、なんならほんのたまにだけど僕に僕の大の苦手の数学を教えてくれる。
もしかしたら松村先生が紺野さんになんか言ったのかな。松村先生は紺野さんのことすごい気に入ってたみたいだし。まぁ紺野さんぐらいの器量があったら松村先生が信頼を置くのも納得だよね。
よく放課後に喋ってるのを見たことがある。どっちか片思いしてたりして?それはないか。
松村先生にとって僕はどういう存在だったんだろ。それは結構気になる。
最近僕は松村先生にとって暇つぶしに過ぎないのでは…って思って心配なんだよ。
でも、もう一つ僕は知りたいことがある。
『紺野さんは、僕のこと好きですか?』
第26話 不良くん
キャラ多すぎていろいろカオスになってきた
「フッ…俺はこの高校の女子生徒たちを惑わす男の座についたのさ…」
「先公またそれかよ…いい加減にしな?目ん玉を空気にでもつけて見ろよ」
「うるさい。俺が目玉を空気につけたら俺が天然記念物になるぞ」
まぁ俺のナルシスト発言をもう10回もしたからいい加減うんざりなのは分かりますよ?まぁウケ狙いで言ってるんだよ。…ま、本当ですけどね?
この目ん玉発言男は神代健といいます。彼は不良です。
「それよりさぁ、俺の妹が…」
「もうお前の妹の話も1453回聞いたんだけど」
「嘘つけ」
シスコン…どうしたらそんなに兄弟と仲良くなれるんだよ。俺なんて弟いるけどめっちゃ仲悪いから帰省の時期ずらしてるくらいなんだぞ!?前、弟が結婚した時に
「お前まだ結婚してねぇの?顔だけで性格が災いしたなwww」
って言ってきたんだよなぁ。
「まさか神代、俺のこといじり甲斐のあるただの暇つぶし相手だと思ってねぇよな?」
「…そ、そ、そんなわけ、な、な、な、ないすけど?」
「喰らえ!教師7年目の男の妖怪さとりの力のパワー!」
「うぎゃー!!心を読まれなかったぜ…!」
俺のこといじってくる上に不良だけどなかなか面白いやつです。
第27話 告白
The time I spend with the person I love is the happiest time of all.
凛視点だよーん
「…ねー、凛。今日の放課後図書室に来てくれない?」
「いいよ」
ってなんか昼休みに八王子さんに言われたので今図書室に向かっている紺野凛です。えー、なんやろ。ちょい不安。
「あっいた」
「じゃあここ座って。」
八王子さんは自身の隣に座るよう私に言った。怖いよぉ…何言われるの?
「…私あれから考えたんだ。…凛のこと、好き」
えっと一旦思考停止していいすか?頭が回らないよ!だって好きな人に好きって言われたんだもん!
嬉しすきて滅だよ!…そうだ。一旦心を落ち着けよう。落ち着け落ち着け…
「…私もね、八王子さんが来た時から好きだったの…」
ダメだ。八王子さんの顔が見れない。
「…凛。付き合って」
こくりと頷くことしかできなくて、少し目線を上げると八王子さんの顔が目の前にあった。
「…じゃあ恋人同士になったから言うけど、八王子さんって呼ばないで。薫って呼んでよ」
「…かおる…?」
「そう。やっと名前で呼んでくれたね」
そう言って私は八王子さん…薫に抱きしめられた。
この物語史上最初のカップル誕生だねぇ。
おめでとう!
松村と誠の絵↓
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