リレー開始者:あくりるあひる
#姉妹
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1
私、谷底高校1年B組 星河 柚!
なんと人生16年目で初めて「恋」しちゃいました!!恋の相手は漫画研究部部長の2年C組 小田原 想他先輩っ。
顔がカッコイイ訳でも、運動ができるわけでもない。頭もそれほど良くはないただの高校生なんだけど、、、。
そんな先輩から目が離せません。私、これからどうしよ~!
2
おいそれリリsa,,,
はい妹ルクスだよ。
「え、小田原先輩?」
そう返すのは、柚の幼馴染・彩(さや)だった。
めをぱちぱちして混乱する彩に柚は言う。
「どうして驚くの?」
いや、、といって彩は口を継ぐ。
机で話していると部活開始のチャイムがなった。
「あ、私いかなきゃ。」
彩がドアの向こうに消えた。
とうの柚といえば帰宅部。
「家に帰ってもいいけどなあ。」
グーッと伸びる。
廊下に出ようと、ドアを開けて飛び出す。
「いでっ!」
誰かとぶつかった。
顔をあげる。目の前にいたのは、、、、
3
なんと柚のクラス一イケメンな平野陽栄だった。
「わっ!平野君ごめん」
「...柚か、今から帰るのか?」
「うん。」
「そっか。_今日これから予定ある?俺と、あと何人かであそぶんだけど、よかったら来る?」
「ごめん。これから用事があるの。でも、誘ってくれてありがと!また今度遊ぼ!」
じゃっ、と軽く挨拶して柚は教室を後にした。
そう。柚には大切な用事がある。この16年間、恋だの愛だのより優先させてきた、大切な用事が...。
「うォォォォォ!!!!」
今日も柚はアニメをリアタイしている。柚が超オタクで、二次創作に日夜勤しんでいることを知っている者は少ない。
「今日もヒメリーアたんが可愛いぃぃぃぃ!!!」
知っているのは、柚の家族と、彩位である。超絶美人で、モデルもひっくり返るようなスタイルの持ち主である柚がキャラTを着て、喜びの舞を踊っていることを、クラスメイトや、小田原は知らないのだ。
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「はぁ...」
今まで百発百中だった平野は悩んでいた。
星河 柚に自分の事を惚れさせることができない。黙っていても、サングラスを掛けていても女がよってくる平野からすると、柚の存在はイレギュラーだった。
誰とでも分け隔てなく接し、誰もやりたがらないことを率先して受けてくれる。成績優秀・運動神経抜群の美少女は、自分の美しさを鼻に掛けることもない。(というか、本人が気づいていない...?)そんな彼女がクラス、いや、学校のマドンナになるまでにはそれほど時間はかからなかった。
「遊びに誘ってもなかなか来てくれないし、もしや嫌われている?」
彼の苦悩は続くのであった。
4
今日、そうっ!この日はヒメリーア様の、、、、、、、
生誕祭(かみのまつり)デアルッ!!
「コラボカフェいって〜!ふふふ、グッズ買いまくらなきゃ。」
今の柚ははたから見るとデートプランを考える女子中学生に見えてしまう。
「ふふふふ、、今度のコミケ新刊の調査もしなきゃね。」
不敵な笑みを浮かべる少女に電車の中の人たちは恐怖を覚えたのであった。
---
「、、ん?」
カフェの入り口に誰かいる。
「小田原先輩、、、?」
あのクールな姿勢!綺麗な漆黒の瞳はあああああああああ
5
「あの、小田原先輩ですよね。こんにちわ。」
「あゎゎゎ!柚さんじゃないですか。」
「先輩も、キューティー&プリンセス見てるんですか?」
「えっ、柚さんも?」
「ハイ!ヒメたん推しです!」
「一緒だ!」
柚と小田原は、結構仲がよかった。時にはアニメやゲーム、漫画の話で盛り上がり、時には漫研で出す漫画の絵を描くのを柚が手伝ったり、二人でアニメの劇場版を見に行ったりしていた。
「もしかして、今日も二次創作ノート持ってたりする?」
二次創作ノートとは、柚の二次創作が描いてあるノートである。
「実は持ってきてます。」
「キュティプリのある?」
「百合表現や、女体化がありますが、」
「俺はなんでもいける。」
「ですよね。」
そういって柚は一冊のノートを手渡した。
「待ちに待った柚先生の新作だ。」
「今回は量が多いし、小説もあるので後日学校で返して貰って大丈夫です。」
「ありがとう。」
「じゃあ、私は自分の席に戻ります。なんだかさっきから視線を感じるんで。」
「そっか。じゃあ、楽しんで。」
なぜか苦笑いしているように見える先輩をおかしく思いつつ、あいさつをして柚は自席にもどった。
__柚は、気づいていなかった。柚がキューティー&プリンセスの主人公のヒメリーアにそっくりなことに。客達がそんな柚に見とれていたことに。柚の事をスマホで撮影しようとしていた輩に小田原がガンをとばしていたことに。
知らぬは本人ばかりとは、よくいったものだ。柚は、平和にその日一日を満喫した。
6
Kwkuma
「こすぷれ?」
柚は混乱した。
コスプレってあのはずそうなの!
「うん。第一期エンディングテーマキューティーハートのヒメーリアのね。」
「「あんな露出の多いやつを、、、。」」
「?」
小田原先輩には聞こえなかったようだ。
そう、来週のコミケの予定を立てている時、小田原先輩が言ったのは、、
『一般出場枠じゃなくて、サークル枠で出るよ。』
※サークル=二次創作などの同人誌を販売する人たち。
「せめて、オープニングの方でお願いします。」
「どのシーン?」
「-ねえ?不思議でしょ。-らへんのゴスロリです。」
「そこのヤツ売り切れてるんだよね。」
柚は境地に追い込まれる。
かんがえろ、、。
「ああああああ!」
「先輩、ちょっと家から往復してきます!」
「でわーーーーーーー」
柚が玄関の先に消える。
小田原はポカーンとしてその場に立っていた